JP2012051353A - 多層容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、十分なガスバリア性を有するスクラップ樹脂を用いた多層容器を提供する。
【解決手段】多層容器(100)は、内容物と接する内層(1)と、外気と接する外層(4)と、酸素を吸収する酸素吸収層(2,3)と、を含んで構成し、内層(1)及び外層(4)で酸素吸収層(2,3)を挟むように積層し、その酸素吸収層(2,3)は、内層(1)側からの酸素を主として吸収する第1の酸素吸収層(2)と、外層(4)側からの酸素を主として吸収する金属触媒を含まない第2の酸素吸収層(3)と、で構成する。また、第2の酸素吸収層(3)は、ガスバリア性樹脂と、酸素吸収材と、を含んで構成し、第1の酸素吸収層(2)は、多層容器(100)をスクラップして得られるスクラップ樹脂と、第2の酸素吸収層(3)と異なる酸素吸収材と、金属触媒と、を含んで構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、容器内部への酸素の透過を抑制する多層容器に関する。
近年、酸素吸収材が配合された酸素吸収層を有して構成する多層容器がある。
ところで、上述した多層容器を成形する際は、容器性能を充たさない不良品や成形時に生じる不要部分などのスクラップ樹脂が発生する。そこで、バージン樹脂の使用量を抑えて多層容器の成形コストを削減するため、スクラップ樹脂を内層や外層に隣接して設けている。
酸素吸収層と、スクラップ樹脂層と、を有する多層容器に関する技術文献としては、スクラップ樹脂を再利用した容器について開示された文献がある(例えば、特許文献1:特開2002-145351号公報参照)。
上記特許文献1の発明では、スクラップ樹脂に新しい酸素吸収材或いは酸化触媒などの酸素吸収材を配合し、酸素捕捉能力を補った酸素吸収樹脂層を用いて容器を成形し、スクラップ樹脂を使用した場合でも優れた酸素吸収性能を確保することにしている。
特開2002−145351号公報
ところで、内容物が酸化しやすい物質の場合には、外からの酸素を遮断するだけではなく、内容物充填時に混入する酸素を除去することも必要視される。上述した酸素吸収層をエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)などのガスバリア性樹脂で構成した場合は、内容物充填時に容器内部に混入した酸素をスクラップ樹脂層で吸収することになる。このとき、最内層に隣接して備えられるスクラップ樹脂に内在する酸素吸収材の多くは、既に酸素と結びついているため、酸素吸収性能が低く、酸素との結合力が弱い。
なお、酸素吸収層と同様の酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合した場合は、生産コストの上昇を招くことになる。また、スクラップ樹脂の層厚を厚くした場合は、容器自体の肉厚も厚くなってしまう。また、金属触媒を配合することで酸素吸収性能を向上させることもできるが、この場合、臭気の問題が発生してしまうため好ましくない。
このようなことから、様々な事情を鑑み、酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、酸素吸収層と同程度のガスバリア性を有することが可能なスクラップ樹脂を用いた容器の開発が必要視されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、十分なガスバリア性を有するスクラップ樹脂を用いた多層容器を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
<多層容器>
内容物を収納する多層容器であって、
前記多層容器は、
前記内容物と接する内層と、外気と接する外層と、酸素を吸収する酸素吸収層と、を含んで構成し、前記内層及び前記外層で前記酸素吸収層を挟むように積層し、
前記酸素吸収層は、
前記内層側からの酸素を主として吸収する第1の酸素吸収層と、前記外層側からの酸素を主として吸収する金属触媒を含まない第2の酸素吸収層と、で構成し、
前記第2の酸素吸収層は、ガスバリア性樹脂と、第2の酸素吸収材と、を含んで構成し、
前記第1の酸素吸収層は、前記多層容器をスクラップして得られるスクラップ樹脂と、前記第2の酸素吸収材と異なる第1の酸素吸収材と、金属触媒と、を含んで構成することを特徴とする。
本発明によれば、酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、十分なガスバリア性有することが可能なスクラップ樹脂を用いた多層容器を得ることができる。
本実施形態の多層容器100の構成例を示す図である。 図1に示すA部分の拡大構成例を示す図である。
<本実施形態の多層容器100の概要>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態の多層容器100の概要について説明する。
本実施形態の多層容器100は、内容物を収納する多層容器100であり、内容物と接する内層1と、外気と接する外層4と、酸素を吸収する酸素吸収層2,3と、を含んで構成し、内層1及び外層4で酸素吸収層2,3を挟むように積層し、その酸素吸収層2,3は、内層1側からの酸素を主として吸収する第1の酸素吸収層2と、外層4側からの酸素を主として吸収する金属触媒を含まない第2の酸素吸収層3と、で構成する。
本実施形態の第2の酸素吸収層3は、ガスバリア性樹脂(例えば、EVOH)と、酸素吸収材(例えば、共役ジエン重合体環化物)と、を含んで構成し、第1の酸素吸収層2は、液体の内容物からガスバリア性樹脂を遠ざけるために内層側に配置され、多層容器100をスクラップして得られるスクラップ樹脂と、第2の酸素吸収層3に配合される酸素吸収材と異なる酸素吸収材(例えば、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂)と、金属触媒と、を含んで構成する。第1の酸素吸収層2を第2の酸素吸収層3より内側に配置することで、内容物による湿度の上昇を低減することができ、第2の酸素吸収層3のガスバリア性樹脂(例えば、EVOH)によるガスバリア性能を十分に発揮することができる。
また、本実施形態の第1の酸素吸収層2は、第2の酸素吸収層3に配合される酸素吸収材よりも酸素吸収性能の高い酸素吸収材を含んで構成することになるため、酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、第2の酸素吸収層3と同程度のガスバリア性を有することが可能となる。従って、酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、十分なガスバリア性を有するスクラップ樹脂を用いた多層容器100を得ることができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の多層容器100について詳細に説明する。
<多層容器100の構成例>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態の多層容器100の構成例について説明する。図1は、本実施形態の多層容器100の構成例を示す図であり、図2は、図1に示すA部分の拡大構成例を示す図である。
本実施形態の多層容器100は、図1に示すように、内容物を収納する多層容器100であり、図2に示すように、内層1、第1の酸素吸収層2、第2の酸素吸収層3、外層4を有して構成する。
<内層1,外層4>
内層1は、多層容器100の内側を構成する層であり、多層容器100に収納される内容物と接する側の層である。外層4は、多層容器100の外側を構成する層であり、外気と接する側の層である。
内層1、外層4を構成する材料としては、各種ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、アイソタクティック又はシンジオタクテイクスポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体或いはこれらのブレンド物などが挙げられる。また、これらの樹脂をベースポリマーとし、不飽和カルボン酸又はこれらの誘導体でグラフト変性された酸変性オレフィン系樹脂を適用することも可能である。
<第1の酸素吸収層2>
第1の酸素吸収層2は、主に、多層容器100の内側からの酸素を吸収するための層である。
第1の酸素吸収層2は、本実施形態の多層容器100をスクラップして得られるスクラップ樹脂と、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂と、金属触媒と、で構成する。主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂は、樹脂中に単独で含有されていてもよいし、二種以上の組み合わせで含有されていてもよい。
主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂は、鎖状又は環状の共役又は非共役ポリエンから誘導された単位を含む樹脂が好ましい。これらの単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエン等が挙げられる。
具体的な重合体としては、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,2−イソプレン、ポリ−1,4−イソプレンのような共役ジエンポリマー;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン共重合体;エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体等が挙げられる。
金属触媒としては、鉄、コバルト、ニッケルなどの周期律表第VIII族金属成分が好ましい。他には、銅、銀などの第I族金属や、錫、チタン、ジルコニウムなどの第IV族金属、バナジウムの第V族、クロムなどのVI族、マンガンなどのVII族の金属成分も適用可能である。これらの金属成分の中でもコバルト成分は特に酸素吸収速度が大きいため、コバルトを用いることが好ましい。金属触媒は、遷移金属の低価数の無機酸塩或いは有機酸塩或いは錯塩の形で一般的に使用される。遷移金属の錯体としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が使用される。
<第2の酸素吸収層3>
第2の酸素吸収層3は、主に、多層容器100の外部からの酸素を吸収するための層であり、金属触媒を含まずに構成している。
第2の酸素吸収層3は、ガスバリア性樹脂と、共役ジエン重合体環化物を主成分とする酸素吸収材と、を有して構成する。ガスバリア性樹脂は、ガスバリア性のある樹脂であれば特に限定せず、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)などの公知の樹脂が適用可能である。
本実施形態で用いる共役ジエン重合体環化物は、共役ジエン重合体を、酸触媒の存在下に環化反応させて得られるものである。共役ジエン重合体としては、共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体並びに共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体を使用することができる。共役ジエン単量体は、特に限定せず公知の材料が適用可能である。
共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、芳香族ビニル単量体、鎖状オレフィン単量体、環状オレフィン単量体、非共役ジエン単量体などが挙げられる。これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせることも可能である。
共役ジエン重合体としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、イソプレン−イソブチレン共重合体ゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体ゴム(EPDM)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)などが挙げられる。中でも、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムが好ましく、ポリイソプレンゴムがより好ましい。
共役ジエン重合体における共役ジエン単量体単位の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、通常、40モル%以上、好ましくは、60モル%以上、更に好ましくは、80モル%以上とする。中でも、実質的に共役ジエン単量体単位のみからなるものが特に好ましい。これは、共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、適切な範囲の不飽和結合減少率を得ることが困難になるためである。
本実施形態で用いる共役ジエン重合体環化物は、上述した共役ジエン重合体を、酸触媒の存在下に環化反応させて得られる。環化反応に用いる酸触媒としては、公知のものを使用することができる。酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部、より好ましくは、0.3〜2重量部である。
環化反応は、通常、共役ジエン重合体を炭化水素溶媒中に溶解して行う。炭化水素溶媒としては、環化反応を阻害しないものであれば特に限定しないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素などが適用可能である。また、これらの炭化水素溶媒の沸点は、70℃以上であることが好ましい。
共役ジエン重合体の重合反応に用いる溶媒と環化反応に用いる溶媒とは、同一種であってもよい。この場合は、重合反応が終了した重合反応液に環化反応用の酸触媒を添加して、重合反応に引き続いて環化反応を行うことができる。
炭化水素溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常、5〜60重量%、好ましくは、20〜40重量%となる範囲である。
環化反応は、加圧、減圧及び大気圧のいずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行うことが望ましい。環化反応を、乾燥気流下、特に乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行うと水分によって引き起こされる副反応を抑えることができる。
環化反応における反応温度や反応時間は、特に限定しないが、反応温度は、通常、50〜150℃、好ましくは、70〜110℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは、2〜5時間とする。
環化反応を行った後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去し、次いで炭化水素溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得ることができる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、通常、10%以上、好ましくは、40〜75%、より好ましくは、55〜70%とする。共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、環化反応における酸触媒の量、反応温度及び反応時間などを適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が小さすぎるとガラス転移温度が低くなり接着強度が低下する。逆に、不飽和結合減少率が余りに大きすぎると共役ジエン重合体環化物は、その製造が困難であり、脆いものしか得られない。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜700,000、より好ましくは30,000〜500,000である。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、環化に供する共役ジエン重合体の重量平均分子量を適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が小さすぎると、フィルムに成形し難く、機械的強度が低くなるおそれがある。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が大きすぎると、環化反応の際の溶液粘度が上昇して、取り扱い難くなると共に、押出成形時の加工性が低下するおそれがある。
共役ジエン重合体環化物のゲル(トルエン不溶分)量は、通常、10重量%以下、好ましくは、5重量%以下であるが、実質的にゲルを有しないことが特に好ましい。ゲル量が多いと、フィルムの平滑性を損なうおそれがある。
本実施形態において、酸化防止剤が共役ジエン重合体環化物中に存在すると、共役ジエン重合体環化物の有する酸素吸収能が阻害されるため、共役ジエン重合体環化物は実質的に酸化防止剤を含有しないことが望ましい。しかし、共役ジエン重合体環化物の加工時の安定性を担保するため、また、酸素吸収能の制御を目的として、2000ppm以下、好ましくは、10〜700ppm、更に好ましくは、50〜600ppmの範囲で添加することができる。
酸化防止剤は、樹脂材料又はゴム材料の分野において通常使用されるものであれば特に制限せず、公知の材料が適用可能である。酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードフェノール系、リン系及びラクトン系の酸化防止剤を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本実施形態の多層容器100は、内層1側からの酸素を主として吸収する第1の酸素吸収層2と、外層4側からの酸素を主として吸収する金属触媒を含まない第2の酸素吸収層3と、で構成し、第2の酸素吸収層3は、ガスバリア性樹脂と、共役ジエン重合体環化物の酸素吸収材と、を含んで構成し、第1の酸素吸収層2は、スクラップ樹脂と、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂と、金属触媒と、を含んで構成している。
本実施形態の第1の酸素吸収層2は、第2の酸素吸収層3に配合される酸素吸収材よりも酸素吸収性能の高い酸素吸収材を含んで構成することになるため、第1の酸素吸収層2は、酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、第2の酸素吸収層3と同程度のガスバリア性を有することが可能となる。なお、酸素吸収性能とは、酸素吸収速度や、酸素吸収量などを意味する。
また、本実施形態の第2の酸素吸収層3は、ガスバリア性樹脂と、共役ジエン重合体環化物の酸素吸収材と、を含んで構成し、第1の酸素吸収層2は、スクラップ樹脂と、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂と、金属触媒と、を含んで構成しているため、内層1側からの気体が第1の酸素吸収層2を透過したとしても、その透過した気体を第2の酸素吸収層3で遮断することができる。このため、本実施形態の多層容器100は、多層容器100の内部の気体が外部に漏れるのを防止することができる。また、第2の酸素吸収層3で遮断した気体の一部を第1の酸素吸収層2で吸収することもできる。
また、第1の酸素吸収層2と第2の酸素吸収層3とは、各々異なる酸素吸収材を配合しているため、本実施形態の多層容器100をスクラップして得られるスクラップ樹脂には、第1の酸素吸収層2と第2の酸素吸収層3とに配合される2種類以上の酸素吸収材が分散して混在することになる。このため、本実施形態のスクラップ樹脂は、効果的に酸素を吸収することもできる。従って、そのスクラップ樹脂を有して構成する第1の酸素吸収層2は、酸素を効果的に吸収し、ガスバリア性を向上させることができる。
例えば、第1の酸素吸収層2と第2の酸素吸収層3とを、同じ酸素吸収材を配合して構成した場合は、その第1の酸素吸収層2と第2の酸素吸収層3とを有して構成する多層容器100をスクラップして得られるスクラップ樹脂には、第1の酸素吸収層2と第2の酸素吸収層3とに配合される1種類の酸素吸収材が混在することになる。このため、第1の酸素吸収層2のガスバリア性を第2の酸素吸収層3と同程度にするには、スクラップ樹脂に対して多くの酸素吸収材を配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりする必要がある。
これに対し、本実施形態の第1の酸素吸収層2を構成するスクラップ樹脂は、2種類以上の酸素吸収材が分散して混在しているため、効果的に酸素を吸収することができる。また、その効果的なスクラップ樹脂に対して第2の酸素吸収層3に配合される酸素吸収材(例えば、共役ジエン重合体環化物)よりも酸素吸収性能の高い酸素吸収材(例えば、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂)を配合して第1の酸素吸収層2を構成しているため、酸素吸収材をスクラップ樹脂に多く配合したり、スクラップ樹脂の層厚を厚くしたりしなくとも、第2の酸素吸収層3と同程度のガスバリア性を有する第1の酸素吸収層2を得ることができる。
但し、酸素吸収層は、酸素吸収後に臭いを発生してしまうことになる。このため、各層は、臭気成分を吸収するための脱臭材や吸着材を配合し、臭いの発生を防止することが好ましい。脱臭材や吸着材は、臭気を吸収することが可能であれば特に限定せず、公知の材料が適用可能であり、例えば、天然ゼオライト、合成ゼオライト、シリカゲル、活性炭、添着活性炭、活性白土、活性酸化アルミニウム、クレー、ケイソウ土、カオリン、タルク、ベントナイト、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト、多孔質シリカ等を、単独或いは2種以上の組合せで使用することができる。
また、本実施形態の多層容器100は、公知のブロー成形、シートブロー成形、射出成形などの方法で成形することができる。
<本実施形態の多層容器100の作用・効果>
このように、本実施形態の多層容器100は、内層1と、第1の酸素吸収層2と、第2の酸素吸収層3と、外層4と、を有して構成し、第1の酸素吸収層2は、第2の酸素吸収層3に配合される酸素吸収材よりも酸素吸収性能の高い酸素吸収材を配合して構成する。
即ち、第2の酸素吸収層3に配合される酸素吸収材に、共役ジエン重合体環化物を含んで構成し、第1の酸素吸収層2であるスクラップ樹脂に、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂と、金属触媒と、を混入させて構成することで、スクラップ樹脂に残存する酸素吸収材(共役ジエン重合体環化物)を効果的に機能させ、容器内側に内在する酸素をよりたくさん減衰させることができる。また、第2の酸素吸収層3を共役ジエン重合体環化物とすることで、金属触媒がなくとも十分な酸素吸収性能を発揮し、さらに酸素吸収に伴う臭いが少なく、外部への臭いの移りを防止することができる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、本実施形態の多層容器100の形状は、特に限定せず、任意の形状で構成することが可能である。
100 多層容器
1 内層
2 第1の酸素吸収層
3 第2の酸素吸収層
4 外層

Claims (2)

  1. 内容物を収納する多層容器であって、
    前記多層容器は、
    前記内容物と接する内層と、外気と接する外層と、酸素を吸収する酸素吸収層と、を含んで構成し、前記内層及び前記外層で前記酸素吸収層を挟むように積層し、
    前記酸素吸収層は、
    前記内層側からの酸素を主として吸収する第1の酸素吸収層と、前記外層側からの酸素を主として吸収する第2の酸素吸収層と、で構成し、
    前記第2の酸素吸収層は、金属触媒を含まず、ガスバリア性樹脂と、第2の酸素吸収材と、を含んで構成し、
    前記第1の酸素吸収層は、前記多層容器をスクラップして得られるスクラップ樹脂と、前記第2の酸素吸収材と異なる第1の酸素吸収材と、金属触媒と、を含んで構成することを特徴とする多層容器。
  2. 前記第1の酸素吸収材は、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂を含んで構成し、
    前記第2の酸素吸収材は、共役ジエン重合体環化物を含んで構成することを特徴とする請求項1記載の多層容器。
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