JP2012049289A - 固体撮像装置とその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】裏面照射型のCMOS固体撮像装置における光電変換部での光吸収効率を上げて感度の向上を図り、かつ電荷の移動度を高めて高速で安定な駆動を可能にする。
【解決手段】混成型の光電変換部14と画素トランジスタからなる画素を備える。混成型の光電変換部14は、pn接合を有する半導体層12と、半導体層内に配置された複数の柱状の有機物質層13と、半導体層12及び有機物質層13を挟んで上下に配置された一対の電極22、23とを有する。そして、有機物質層13で光電変換が行われ、生成した電荷が半導体層12内を移動して電荷蓄積領域26へ導かれるように構成され、画素トランジスタが形成された面とは反対の面から光hνが入射される裏面照射型に構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像装置とその製造方法、並びにこの固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器に関する。
固体撮像装置(イメージセンサ)としては、表面照射型並びに裏面照射型が知られており、且つ光電変換部としてシリコンをベースとしたフォトダイオードを用いたもの、或いは有機物質層による光電変換部を用いたものが知られている。
シリコンをベースとしたフォトダイオードを有する固体撮像装置では、不純物注入された結晶シリコン層でフォトダイオードが形成され、入射光により光電変換されて信号電荷(例えば電子)が取り出されるように構成される。フォトダイオードの上層には可視カラーイメージング用のカラーフィルタが配置される。この固体撮像装置の特徴は、光電変換された電子が結晶シリコン中を伝播していくが、シリコン特性により電子の移動度が高いこと、シリコン加工が容易であること、機械強度が高く、従来のCMOS技術を応用でき高速で安定した駆動が可能である等、が挙げられる。市販のCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサは、光電変換部としてシリコンベースのフォトダイオードが主流となっている。
一方、有機物質層を光電変換部として用いた固体撮像装置では、各々の光波長に感度を持ついわゆる有機光電変換膜を複数積層し、縦方向分光するので、カラーフィルタを有することなく分光が可能である(例えば、特許文献1参照)。この固体撮像装置の特徴は、シリコンと比較して有機光電変換膜の光吸収係数が大きいために、光電変換部の薄膜化が容易である。また、構造上、カラーフィルタや光学ローパスフィルタを用いないので、光入射効率がシリコンベースのフォトダイオードを有する固体撮像装置よりも良い。また、同一の位置で受光して色分離ができるため、受光位置の違いによる偽色の問題を回避することができる。さらに、フレキシブルで様々な形状、色ものを作成することが可能である。近年、有機光電変換膜を積層実装したCMOSイメージセンサが開発されており(例えば、特許文献2参照)、これによるカラーイメージングを可能にしている。
有機光電変換膜は、上記固体撮像装置だけでなく、太陽電池にも使用されている。例えば、特許文献3では、2種類の有機材を混合した有機膜、例えばn型アモルファス状体にp型結晶微粒子を混合した有機膜を利用して、光電変換で生成した電子を効率よく取り出す方法が提案されている。
特開2003−332551号公報 特開2005−268476号公報 特許第3423279号
Lin, Y.-Y. et al. IEEE Trans. Electron Dev. Lett. 18,606(1997)
従来のシリコンベースのフォトダイオードを有する固体撮像装置では、結晶シリコンの特性により、長波長の可視光の吸収率が良くない。つまり、無機半導体の一般的特性として長波長の可視光の吸収率が良くない。赤(波長650nm)、緑(波長540nm)、青(波長440nm)の光を4画素(青、赤、緑、緑)のフォトダイオードに入射した時のシリコン中での光電変換直後の発生電子(電荷)分布をシミュレーションした。その結果、青画素では青の光がシリコン膜厚1μmで全て吸収され、緑画素及び赤画素では、緑及び赤の光がシリコン膜厚3μmで95パーセント吸収された。
このようなシリコンの光学特性により、固体撮像装置のフォトダイオードの設計膜厚は、3μmと厚くならざるを得ず、その分、フォトダイオードに注入する不純物イオンの注入エネルギーやイオン照射回数も多い高価なプロセスになってしまうのが現状である。とりわけ、CMOS固体撮像装置のプロセスでは、例えば30工程以上に及ぶフォトダイオードへの不純物注入やアニールによる熱拡散があるが、それと同じに、最適プロセス条件を予測するためのシミュレーションにも多くの工程が必要となっている。また、シリコンの光学特性上、通常カラーイメージングにはカラーフィルタが必要であるが、カラーフィルタでの光の吸収・反射による光量損失が生じる。さらに、偽色の課題を回避するための光学ローパスフィルタでも光量の損失があるので、一般にフォトダイオードへの光の入射効率は良くない。
一方、有機光電変換膜を用いる固体撮像装置では、有機膜の特性により、一般的に電子(電荷)の移動度が小さい。最近の研究では、電子の移動度がアモルファスシリコン程度にまで実現される有機膜(ペンタセン)が開発されているが(非特許文献1参照)、結晶シリコンに比べると1桁以上小さい。そのため、積層した有機光電変換膜を用いた固体撮像装置の高速動作には限界がある。量子効率の向上も大きな課題である。また、光電変換部作成時の熱プロセス工程も多くなり、配線層の信頼性(クラック発生等)に関してあまり好ましくない。さらに、現状のプロセス技術においては、ロール・ツー・ロールでの大気圧の膜作成において、密着性や膜の耐久度に課題があり、大量生産が容易でない。
本発明は、上述の点に鑑み、少なくとも光吸収効率を上げて感度の向上を図り、かつ電荷の移動度を高めて高速で安定な駆動を可能にした固体撮像装置とその製造方法を提供するものである。
本発明は、上記固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器を提供するものである。
本発明に係る固体撮像装置は、混成型の光電変換部と画素トランジスタからなる画素を備える。混成型の光電変換部は、pn接合を有する半導体層と、半導体層内に配置された複数の柱状の有機物質層と、半導体層及び有機物質層を挟んで上下に配置された一対の電極とを有する。そして、この混成型の光電変換部は、有機物質層で光電変換が行われ、生成した電荷が半導体層内を移動して電荷蓄積領域へ導かれるように構成される。本発明の固体撮像装置は、画素トランジスタが形成された面とは反対の面から光が入射される裏面照射型に構成される。
本発明の固体撮像装置では、画素を構成する光電変換部を、有機物質層内で光電変換を行い、有機物質層で生成された電荷の移動を半導体層内で行う、いわゆる混成型の光電変換部で構成される。この光電変換部によれば、有機物質層で光電変換を行うので光吸収率が半導体によるフォトダイオードより大幅に改善され、また生成した電荷を半導体層で移動するので有機光電変換部より電荷移動度が大きくなる。
本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、画素に対応するpn接合を有する半導体層に複数の深さ方向の縦孔を形成する工程と、縦孔内に底部の絶縁膜を介して有機物質層を埋め込む工程を有する。次いで、有機物質層を除く半導体層の光入射される側の裏面に遮光膜を形成する工程と、有機物質層及び半導体層を挟んで一対の電極を配置する工程 を有して混成型の光電変換部を形成する。さらに、半導体層の光入射されない側の電極上に絶縁膜を介して画素を構成する画素トランジスタを配置する。
本発明の固体撮像装置の製造方法では、pn接合を有する半導体層に複数の縦孔を形成し、この縦孔内に底部の絶縁膜を介して有機物資層を埋め込み、半導体層の光入射される側の裏面に遮光膜を形成することにより、混成型の光電変換部を形成することができる。この混成型の光電変換部の有機物質層で光電変換を行い、半導体層が有機物質層で生成れた電荷を電荷蓄積領域へ移動させる。
本発明に係る電子機器は、固体撮像装置と、固体撮像装置の光電変換部に入射光を導く光学系と、固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備える。固体撮像装置は、上記本発明の固体撮像装置で構成される。
本発明の電子機器では、上記本発明の固体撮像装置を備えるので、画素の光電変換部における光吸収効率が大きくなり、かつ電荷移動度が大きくなる。
本発明に係る固体撮像装置によれば、画素を構成する光電変換部において、光吸収効率が大きくなるので感度を向上することができ、同時に電荷移動度が大きくなるので高速で安定した駆動を可能にした固体撮像装置を提供することができる。
本発明に係る固体撮像装置の製造方法によれば、感度が向上し、かつ高速で安定した駆動を可能にした固体撮像装置を製造することができる。
本発明に係る電子機器によれば、上記固体撮像装置を備えるので、感度が向上し、高速駆動を可能にするので、高品質の電子機器を提供することができる。
本発明に係る固体撮像装置の光電変換部の一の基本構成例を示す概略構成図である。 A,B シリコンと有機光電変換膜との界面でのエネルギーバンド図である。 半導体(シリコン)層とこれに埋め込まれた有機光電変換膜との界面に自己集積分子(SAM)膜が形成された構成図である。 A〜F 本発明に係る固体撮像装置の光電変換部の一の基本構成の製造方法例を示す製造工程図である。 本発明に係る固体撮像装置の光電変換部の他の基本構成例を示す概略構成図である。 本発明に係る固体撮像装置の第1実施の形態の要部を示す概略構成図である。 A〜E 本発明に係る固体撮像装置の第2実施の形態の要部の概略構成と共にその製造方法例を示す製造工程図である。 本発明に係る固体撮像装置の第3実施の形態の要部を示す概略構成図である。 本発明に係る固体撮像装置の第4実施の形態の要部を示す概略構成図である。 本発明に係る固体撮像装置の第5実施の形態の要部を示す概略構成図である。 A〜F 第5実施の形態の製造方法例を示す要部の製造工程図である。 本発明に係る固体撮像装置の第6実施の形態の要部を示す概略構成図である。 本発明に係る固体撮像装置の第8実施の形態の要部を示す概略構成図である。 A〜C 図13のA−A線上、図13のB−B線上及び図13のC−C線上の概略断面図である。 本発明の各実施の形態に適用されるCMOS固体撮像装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の第9実施の形態に係る電子機器の概略構成図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.CMOS固体撮像装置の概略構成例
2.本発明の画素の基本構成(画素の構成例とその製造方法例)
3.第1実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
4.第2実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
5.第3実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
6.第4実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
7.第5実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
8.第6実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
9.第7実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
10.第8実施の形態(固体撮像装置の構成例)
11.第9実施の形態(電子機器の構成例)
<1.CMOS固体撮像装置の概略構成例>
図15に、本発明の各実施の形態に適用されるCMOS固体撮像装置の一例の概略構成を示す。本例の固体撮像装置201は、図15に示すように、半導体基板211例えばシリコン基板に光電変換部を含む複数の画素202が規則的に2次元アレイ状に配列された画素領域(いわゆる撮像領域)203と、周辺回路部とを有して構成される。画素202としては、1つの光電変換部と複数の画素トランジスタからなる単位画素を適用することができる。また、画素202としては、複数の光電変換部が転送トランジスタを除く他の画素トランジスタを共有した、いわゆる画素共有の構造を適用することができる。複数の画素トランジスタは、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ及び選択トランジスタの4トランジスタ、あるいは選択トランジスタを省略した3トランジスタで構成することができる。
周辺回路部は、垂直駆動回路204と、カラム信号処理回路205と、水平駆動回路206と、出力回路207と、制御回路208など、いわゆるロジック回路を有して構成される。
制御回路208は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路208では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路204、カラム信号処理回路205及び水平駆動回路206などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、これらの信号を垂直駆動回路204、カラム信号処理回路205及び水平駆動回路206等に入力する。
垂直駆動回路204は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動配線を選択し、選択された画素駆動配線に画素を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素を駆動する。すなわち、垂直駆動回路204は、画素領域3の各画素202を行単位で順次垂直方向に選択走する。そして、垂直信号線209を通して各画素202の光電変換素子となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基く画素信号をカラム信号処理回路205に供給する。
カラム信号処理回路205は、画素202の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素202から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム信号処理回路205は、画素2固有の固定パターンノイズを除去するためのCDSや、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路205の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線210との間に接続されて設けられる。
水平駆動回路206は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路205の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路205の各々から画素信号を水平信号線210に出力させる。
出力回路207は、カラム信号処理回路205の各々から水平信号線210を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子212は、外部と信号のやりとりをする。
<2.本発明の画素の基本構成>
[混成型の光電変換部を有する画素の一の構成例]
図1に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置に適用される画素の一の基本構成例を示す。同図では、特に、画素を構成する光電変換部として、有機物質層と半導体層からなる混成型の光電変換部の構成を拡大して示す。基本構成に係る画素11は、図1Aに示すように、シリコンの半導体層12と半導体層12内に埋め込まれた複数の有機物質層13とから成る混成型の光電変換部14と、半導体層12の表面側に形成された複数の画素トランジスタとにより構成される。画素11は、半導体層に形成された素子分離領域15により分離される。素子分離領域15は、本例ではp型半導体領域で形成される。
半導体層12は薄膜化される。半導体層12は、不純物注入され、第1導電型、例えばn型の半導体領域16と、n型半導体領域16より高濃度のn+型半導体17と、n型半導体領域16より高濃度で第2導電型、例えばp+型の半導体領域18とからなり、pn接合を有して構成される。p+型半導体領域18は、半導体層12の光入射される裏面側(図において上部側)に形成され、n+型半導体領域17は、半導体層12の光入射されない表面側(図において下部側)に形成される。
有機物質層13は、光電変換が行われる領域であり、以後有機光電変換膜という。複数の有機光電変換膜13は、画素の半導体層12内に面方向に所要の間隔を置いて配置されると共に、半導体12の裏面から表面近傍にわたる深さ方向に埋め込まれて柱状に形成される。複数の有機光電変換膜13は、例えば、図1Bに示すように、上面からみて半導体層12を複数に分離するようにストライプ状に形成される。複数の有機光電変換膜13、その他、入射光の偏光依存性をより低減するために、図示しないが上面から見てドット状や内部をくり抜いた円柱状に形成することもできる。本例では信号電荷が電子であるので、有機光電変換膜13は、p型有機材料で形成される。
p型有機材料には、所望する吸収帯域を有し、後述する図2Aのエネルギーバンド構造を満足するような有機化合物を使用する。可視光領域に感度を持つp型有機材料としては、例えば、ペリレン系化合物、フタロシアニン系化合物、キナクリドン系化合物、ポリフィリン系化合物、メロシアニン系化合物などを使用することができる。後述する実施の形態では、可視光帯域について記述しているが、テラヘルツ、赤外線、紫外線、X線に感度を持つ有機化合物を用いることで、これらの波長帯域におけるイメージングも可能になる。
半導体層12の裏面側のp+型半導体領域18の面に光hνが半導体層12に入射されないように、遮光膜19が形成される。遮光膜19としては、例えば、タングステン(W)などの金属膜で形成することができる。有機光電変換膜13の光hνが入射されない側の面に信号電荷となる電子をブロックする電子ブロッキング膜21が形成される。電子ブロッキング膜21としては、例えばシリコン窒化(Si)膜、シリコン酸化(SiO)膜等の絶縁膜で形成される。
遮光膜19、電子ブロッキング膜21の面を含む半導体層12の裏面及び表面全面に、一対の電極22及び23が形成される。便宜的に、裏面側の電極22を上部電極、表面側の電極23を下部電極という。裏面側の上部電極22は、光hνを良く透過するような透明導電膜による透明電極で形成される。透明導電膜としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)膜、酸化スズ(SnO)膜、酸化チタン(TiO)膜、酸化インジウム(InO)膜、導電性高分子膜などを用いることができる。下部電極23は、オーミック特性を示す金属で形成される。下部電極23としては、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などオーミック特性を示す金属であれば特に材料制限はない。このように、半導体層12と上部電極22との間に遮光膜19が形成され、有機光電変換膜13と下部電極23との間に電子ブロッキング膜21が形成される。
さらに、半導体層12の表面側、すなわち下部電極23の下方に絶縁膜30を介して配置したシリコンの半導体領域25に1画素を構成する複数の画素トランジスタが形成される。図1Aでは、複数の画素トランジスタのうち、転送トランジスタTr1を代表して示す。転送トランジスタTr1は、後述するように半導体12を移動する信号電荷(電子)を蓄積するn型電荷蓄積領域26と、n型半導体領域によるフローティングディフージョンFDと、その間のゲート絶縁膜27上の転送電極28とを有して構成される。
半導体領域25の表面上には、層間絶縁膜31を介して複数層の配線(図示せず)を配置した多層配線層32が形成される。転送トランジスタTr1は、1画素11内の各分離された半導体層12に対応して形成される。各分割された半導体層12は、下部電極23を電気的絶縁した状態で貫通する導電体33を介して各対応するn型電荷蓄積領域26に接続される。各転送トランジスタTr1の各フローティングディフージョンFDは、導電体34を介して多層配線層32の所要の配線(図示せず)に共通接続される。
図示しないが、透明電極である上部電極22上に、カラーフィルタを介して、あるいは介さないでオンチップマイクロレンズが形成される。カラーフィルタは、上部電極22上に絶縁膜を介して、あるいは介さないで形成される。
次に、基本構成の画素11の動作を説明する。画素11は、半導体層12の画素トランジスタが形成された面とは反対側の面に光hνが入射される裏面照射型に構成されている。上部電極22と下部電極23間に、上部電極22が負、下部電極23が正となる所要のバイアス電圧が印加される。光hνがオンチップマイクロレンズを透過してp型の有機光電変換膜13に入射され、ここで光電変換されて電子・正孔対が生成される。光hνは、遮光膜19により半導体層12には入射されない。有機光電変換膜13で生成された電子・正孔対のうち、信号電荷となる電子eは、有機光電変換膜13から界面を通ってバイアス電圧の印加で空乏化された半導体層12へ移動し、さらに空乏層内を移動して電荷蓄積領域26に蓄積される。図2Aにp型の有機光電変換膜13とn型の半導体層(シリコン)12の界面でのエネルギーバンド構造を示す。電子eは、図1A及び図2Aに示すように、p型の有機光電変換膜13から界面を通ってn型の半導体層12へ移動する。一方、正孔hは、有機光電変換膜13内を通って上部へ流れ、上部電極22を通って排出される。
1画素中に複数の有機光電変換膜13を埋め込んだ理由は、同体積の1つの有機光電変換膜しか埋め込まない構成と比較して、半導体層12との界面までの平均距離を短くし、かつ界面面積を大きくして、電子の半導体層12への移動をより効率的にするためである。
シリコンの半導体層12と有機光電変換膜13の体積占有率、使用する有機材料及びその濃度、半導体層12中の不純物濃度、半導体層12と有機光電変換膜13の界面状態が、基本構造の混成型の光電変換部の特性を左右する。特に、界面状態が重要である。本構成では、半導体層12のシリコンと有機光電変換膜13との界面でのエネルギー障壁を低減するために、図3に示すように、半導体層12と有機光電変換膜13との界面に自己集積分子(SAM)膜36が形成される。
この自己集積分子膜36は、次のようにして形成することができる。有機光電変換膜13を形成するには、シリコンによる半導体層12に縦孔、いわゆるトレンチあるいはビアを形成し、この縦孔内に有機材料を埋め込む。この縦孔をドライエッチングで形成した際に、縦孔の側壁面にシリコンのダングリングボンドが生成される。この縦孔に有機材料を埋め込むと、側壁面のダングリングボンドと有機材料の電子とのπ共役結合によって作られる原子1層程度のSAM膜(Self Assembled Molecular Film)が形成される。このSAM膜は、通常の有機材料とシリコン界面でのエネルギー障壁を大きく緩和することが最近の研究により知られている。この原理を応用することで界面での障壁を抑え、有機光電変換膜13から半導体層12への電子の移動を促進させることができる。
さらに、後述の実施の形態で示すように、縦孔の側壁面にボッシュプロセスで例えば10nmオーダの凹凸形状を形成することにより、半導体層12と有機光電変換膜13との界面面積を増大させ、電子移動度を更に促進することができる。ボッシュプロセスとは、SF系ガスによるエッチングとC系ガスによるデポジッションのステップを交合に繰り返して加工を行うプロセスである。
[混成型の光電変換部を有する画素の製造方法例]
図4に、混成型の光電変換部を有する基本構成の画素11の製造方法例を示す。図4は、この画素11、特に混成型の光電変換部の基本プロセスを示す。先ず、図示しないが、図1における画素トランジスタを有する半導体領域32、多層配線層32及び下部電極23等が形成された半導体基体を形成する。すなわち、半導体領域32に相当するシリコンの半導体基板に画素トランジスタのゲート電極28を形成し、イオン注入によりソース・ドレイン領域を形成した後、層間絶縁膜を介して複数層の配線を形成して多層配線層32を形成し、また、導体34を埋め込む。次いで、半導体基板の裏面側から半導体基板を薄膜化して半導体領域32を形成する。基板を裏返して半導体領域32上に絶縁膜30を介して絶縁膜30を貫通する導電体33に接続する下部電極23を形成する。
次に、この半導体領域32、多層配線層32及び下部電極23等が形成された半導体基体に画素用のシリコンの半導体基板を貼り合わせる。
そして、図4Aに示すように、上記半導体基板、すなわちシリコンの半導体層12にp型半導体領域による素子分離領域15を形成する。この素子分離領域15で分離された1画素に対応する領域に、図において下部領域から順にn+型半導体領域17(表面側に相当)、n型半導体領域16(中間領域に相当)及びp+型半導体領域19(裏面側に相当)を形成し、pn接合jを形成する。
次に、図4Bに示すように、半導体層12の1画素に対応する領域に、ドライエッチングによりp+型半導体領域18からn+型半導体領域17に至るトレンチあるいはビアなどの縦孔38を形成する。縦孔38は、所要の間隔を置いて複数形成する。本例は図1Aに示すように、縦孔38が平面から見てストライプ状に形成される。ドライエッチングでは、NF/O系ガスやSF/O系ガスなどを使用することができ、数百μmから1μm程度の深さの縦孔38を形成する。このドライエッチングの際、SF/C/O系ガスによるブッシュプロセスを用いることにより、縦孔38の側壁に凹凸形状を形成することができる。凹凸形状を形成するときは、後工程で形成する有機光電変換膜との界面面積を増加させて更なる電子(電荷)の移動効率化が図れる。
次に、図4Cに示すように、縦孔38の底部に例えば数十nm程度の膜厚の電子ブロッキング膜21を形成する。電子ブロッキング膜21は、CVD(化学気相成長)法により堆積し、その後ドライエッチバックして形成することができ、例えばシリコン窒化(Si)膜、シリコン酸化(SiO)膜等の絶縁膜で形成する。さらに、縦孔38内を埋め込むように有機光電変換膜13を成膜する。有機光電変換膜13はp型有機光電変換膜とする。有機光電変換膜38の成膜方法は、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法は、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等がある。湿式成膜法は、例えば、スピンコーティング法、キャスト法等がある。
次に、図4Dに示すように、有機光電変換膜38を、例えばエッチバックあるいはCMP(化学機械研磨)により、半導体層12のp+型半導体領域18の面と面一となるまで除去する。
次に、図4Eに示すように、有機光電変換膜38及び素子分離領域15の上面に選択的にレジストマスク(図示せず)を形成し、レジストマスクを介して埋め込まれている複数の有機光電変換膜38の頭が突出するように、p+型半導体領域18の表面に凹部39を形成する。凹部39は、ドライエッチングにより、深さ数十nm程度の深さに形成する。
次に、図4Fに示すように、p+型半導体領域18の凹部39内に遮光膜19を埋め込む。遮光膜19としては、例えばタングステン(W)等の金属膜で形成することができる。すなわち、遮光膜19は、半導体層12の光入射される側の裏面に形成する。これにより、1画素の光電変換部、すなわち光電変換を行う有機光電変換膜13と、有機光電変換膜13で生成された電子(電荷)を電荷蓄積領域側へ移動させる半導体層12とからなる混成型の光電変換部14が形成される。
その後、図示しないが、半導体層12の上面に上部電極となる透明電極を形成し、下面に下部電極を形成する。さらに、透明電極上にカラーフィルタを介して、あるいは介さないでオンチップマイクロレンズが形成される。一方、下部電極の下面側に絶縁膜を介して配置された半導体領域に転送トランジスタTr1を含む画素トランジスタが形成され、さらに多層配線層が形成される。このようにして混成型の光電変換部を有する目的の画素11が得られる。
なお、画素とロジック回路部分を作り込んでおき、最後に画素トランジスタを有する半導体領域32、多層配線層32及び下部電極23等が形成された半導体基体を貼り合わせることもできる。
上記混成型の光電変換部14と画素トランジスタからなる画素11を備えた裏面照射型のCMOS固体撮像装置は、例えば第1及び第2の半導体チップを貼り合わせて構成することができる。第1の半導体チップには、センサ部となる混成型の光電変換部14が形成され、第2の半導体チップには、画素トランジスタ、周辺回路などが形成される。下部電極23は第1の半導体チップに形成される。
上述の画素11によれば、光電変換部として、有機光電変換膜13内で光電変換を行い、有機光電変換膜13で生成した電荷となる電子の移動を半導体層12内で行う、混成型の光電変換部14を有する。この混成型の光電変換部14を有するので、光電変換部での光の吸収率を改善し、光電変換部のより薄膜化を可能にし、かつ電子の移動度を向上することができる。すなわち、従来のシリコンベースのフォトダイオードの欠点である光吸収率を改善し、大幅な薄膜化を可能にする。また、従来の有機膜による光電変換部の欠点である電子の移動度を向上できる。従って、この画素11を備えた固体撮像装置によれば、画素における光電変換部での光吸収効率が大きくなるので、感度を向上することができ、かつ電子移動度が向上するので、高速で安定した駆動を行うことができる。
例えば、固体撮像装置において、上記画素11を青、緑及び赤画素の全てに適用する積層構造とするときは、カラーフィルタや光学ローパスフィルタが不要となり、シリコンベースの光電変換部を有する固体撮像装置と比べて光の入射効率の向上が期待できる。半導体層と有機膜との混成型の光電変換部14であるため、前述したシリコンベース、有機膜ベースの光電変換部での各々の課題である、例えば密着度や膜耐久度、フレキシブル性、プロセス価格等についても解決することができる。また、色毎に電子と正孔を分離して取り出すことができる構成とすることもでき、後段の信号処理回路において、電子、正孔の両信号を利用するときは、さらに感度の向上を実現できる。
さらに上記画素11を有する固体撮像装置の効果を詳述する。混成型の光電変換部14では、有機光電変換膜13によって光電変換を行うので、従来のシリコンベースのフォトダイオードによる光電変換部より光吸収効率が大幅に向上し、単位体積当りの感度が向上する。これにより、シリコンベースのフォトダイオードよりも光電変換部の大幅な薄膜化が可能になる。p型の有機光電変換膜13を用いた場合、電子の移動領域がシリコンの半導体層12であるため、シリコンベースのフォトダイオードと比較して電子の移動度を低下させることなく、感度や光吸収効率を向上させることができる。
光電変換部の製造において、光電変換部の薄膜化で不純物注入工程数、及びそれに伴う注入・熱拡散シミュレーション工数、を大幅に抑制することができるので、シリコンベースのフォトダイオードの製造より、低コスト化及び開発の短TAT化が可能となる。
上記混成型の光電変換を有する画素11は、有機光電変換膜ベースの光電変換部を有する画素に比べて、熱プロセス工程時間が短くて済むので、多層配線層の配線の信頼性を向上することができる。つまり、全て有機光電変換膜で形成する有機光電変換膜ベースに比べて、形成する有機光電変換膜の体積が小さいので、その分、熱工程は短くて済む。
[混成型の光電変換部を有する画素の他の基本構成例]
図5に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置に適用される画素の他の基本構成例を示す。図1では信号電荷として電子eを用いたが、本構成は信号電荷として正孔hを用いた例である。本基本構成に係る画素41は、前述と同様に1画素において、半導体層12内に複数の有機光電変換膜13が埋め込まれた混成型光電変換部を有して成る。但し、画素41を構成する半導体層12の各半導体領域、及び有機光電変換膜13の導電型は、前述の画素11における半導体領域、及び有機光電変換膜と逆の導電型である。すなわち、素子分離領域はn型半導体領域45で形成される。光電変換部14を構成する半導体層12は、図5において上部から下部に向かって、n+型半導体領域48、p型半導体領域46、p+型半導体領域47が形成される。有機光電変換膜13は、n型有機材料で形成される。n型有機材料としては、例えばナフタレン系化合物、ペリレン系化合物、C60などの有機材料を用いることができる。一方、画素トランジスタを構成するフローティングディフージョンFDを含むソース・ドレイン領域はp型半導体領域で形成される。
その他の構成は、図1、図3で説明したと同様であるので、図5において図1と対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
次に、画素41の動作を説明する。上部電極22と下部電極23間に、上部電極22が正、下部電極23が負となる所要のバイアス電圧が印加される。光hνがオンチップマイクロレンズを透過してn型の有機光電変換膜13に入射され、ここで光電変換されて電子・正孔対が生成される。光hνは、遮光膜19により半導体層12には入射されない。有機光電変換膜13で生成された電子・正孔対のうち、信号電荷となる正孔hは、有機光電変換膜13から界面を通ってバイアス電圧の印加で空乏化された半導体層12へ移動し、さらに空乏層内を移動して電荷蓄積領域26に蓄積される。図2Bにn型の有機光電変換膜13とp型の半導体層(シリコン)12の界面でのエネルギーバンド構造を示す。正孔hは、図5及び図2Bに示すように、n型の有機光電変換膜13から界面を通ってp型の半導体層12へ移動する。一方、電子eは、有機光電変換膜13内を通って上部へ流れ、上部電極22を通って排出される。
かかる画素41においても、光電変換部が混成型の光電変換部14で構成されるので、画素11で説明したと同様に、光の入射効率を向上し、正孔の移動度を向上することができる。結晶性の良い物質内を移動することになるので、電子の移動度と同様に正孔の移動度も向上する。従って、この画素41を備えた固体撮像装置では、高感度、高速駆動を実現できる。
なお、電子の移動度という観点から考えると、高速動作を必要とする固体撮像装置にとっては、信号電荷を成功hとした図5の画素41の構成と比較して、図1の画素11の構成の方がより好ましい。
<3.第1実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図6に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置の第1実施の形態を示す。第1実施の形態に係る固体撮像装置51は、ベイヤー配列の原色カラーフィルタを有し、図6Bに示すように、青(B)画素53B、赤(R)画素53R、緑(G)画素53G、緑(G)画素53Gの組が2次元的に配列された画素領域52を有して成る。そして、青画素53Bがシリコン半導体領域に形成されたフォトダイオードPDによる光電変換部で形成され、赤画素53R、緑画素53G及び緑画素53Gが図1の混成型の光電変換部14で形成される。
すなわち、本実施の形態では、薄膜化されたシリコン単結晶の半導体層12がp型半導体領域による素子分離領域15で各画素に分離される。青画素53Bでは、半導体層12の光入射側の面から反対側の面に向かって、p+型半導体領域18、n型半導体領域16及びn+型半導体領域17を形成し、pn接合jを有したフォトダイオードPDによる光電変換部が形成される。赤画素523R及び2つの緑画素53Gは、同じp+型半導体領域18、n型半導体領域16及びn+型半導体領域17を形成し、pn接合jを有する半導体層12内に複数のp型の有機光電変換膜13を埋め込んでなる混成型の光電変換部14が形成される。また、混成型の光電変換部14では、p+型半導体領域19の光入射側の面上に遮光膜19が形成され、光電変換部13の光入射側とは反対側の面に電子ブロッキング膜21が形成される。図示しないが、例えば金属膜による遮光膜19と有機光電変換膜13との間には絶縁膜が形成される。
赤画素53Rにおける赤感度を有する有機光電変換膜13としては、例えばフタロシアニン系化合物、ポリフィリン系化合物、あるいはメロシアニン系化合物の有機材料を用いることができる。緑画素53Gにおける緑感度を有する有機光電変換膜13としては、例えばキナクリドン系化合物、あるいはポリフィリン系化合物の有機材料を用いることができる。但し、結晶シリコンよりも光吸収係数が高く、かつ図2Aに示すようなシリコンに対するエネルギーバンド構造を持つ有機化合物であれば、種類は問わない。
光電変換部14の上部及び下部には、対をなす上部電極22及び下部電極23が形成される。光入射側の上部電極22は、透明電極で形成される。図6では図示しないが、上部電極22の上にはカラーフィルタ、オンチップマイクロレンズが形成される。また、下部電極23の下部には、絶縁膜を介して画素トランジスタを形成した半導体基板が配置され、さらに層間絶縁膜を介して複数層の配線を有する多層配線層が配置される。
本実施の形態では、1画素の面積を1.4μm×1.4μmとしている。半導体層12の膜厚d1は、青画素53Bにおいて入射光を全吸収できる1μm程度としている。半導体層12内に配置される有機光電変換膜13は、5つとし、その幅w1は典型的には200nm程度としている。有機光電変換膜の幅w1を小さくし過ぎると、光と相互作用しない恐れが生じる。電子が移動する半導体層12の幅w2は、50nm程度としている。
[固体撮像装置の製造方法例]
第1実施の形態の固体撮像装置51における赤画素、緑画素の製造プロセスは、前述の図4に示すと同様である。縦孔38を形成する際の条件を示す。ここでは、CCP(Capacitive Coupled Plasma)エッチング装置を用いたドライエッチング条件の一例を次に示す。なお、加工条件、CCPエッチング装置以外の使用装置はこの限りではない。前記以外の使用装置とは、IPC(Inductive Coupled Plasma)やECR(Electron Cyclotron Resonance)などの装置を指す。
ガス種と流量:NF3/O2/HBr=40/15/200sccm
圧力:100mT
上部印加パワー:700W
下部印加パワー:400W
エッチング時間:60sec
RF周波数:上部/下部=40MHz/3MHz。
ここで、上部、下部とは、エッチング装置の上部電極、下部電極をいう。RF周波数は、この上部電極への印加バイアス周波数、下部電極への印加バイアス周波数を規定している。
有機光電変換膜13の形成時の焼成温度は、溶媒により異なるが、典型的には80〜150℃である。上部電極22はITO(Indium Tin Oxide))膜であり、透明ガラス基板上に膜厚30nm程度で蒸着形成されている。下部電極23は、膜厚30nm程度の金属電極あり、シリコンに対してオーミック抵抗の低い、例えばインジウム、銅、アルミニウム、マグネシウム合金などからなる金属で形成するのが望ましい。電子ブロッキング膜21には、膜厚10nmのシリコン酸化(SiO)膜を用いた。遮光膜19には、タングステン(W)膜を用いた。ブロッキング膜21のエッチバックには、シリコンとの選択比が高い条件で行った。
この条件としては、例えば次の通りである。
ガス種と流量:C/O/Ar=30/400/15sccm
圧力:30mT
第1実施の形態に係る固体撮像装置51によれば、青画素53Bの光電変換部がシリコンベースのフォトダイオードPDで構成され、赤画素53R及び緑画素53Gの光電変換部が混成型の光電変換部14で構成される。赤画素53R、緑画素53Gでは、有機光電変換膜13によって光電変換が行われるので、光吸収効率が大幅に向上し、赤画素53R、緑画素%3Gの感度を向上することができる。赤画素53R、緑画素53Gでは、有機光電変換膜13で生成した電子がシリコンの半導体層12で移動されるので、電子移動度が大きくなり、高速で安定した駆動を行うことができる。すなわち、電子の移動度を下げることなく、感度や光吸収効率を向上することができる。一方、半導体層12の膜厚d1を青色の入射光を全吸収できる膜厚に設定できるので、全画素の光電変換部の薄膜化を図ることができる。因みに、シリコンベースのフォトダイオードのみで構成される場合の光電変換部の膜厚は3μm程度であるのに対し、第1実施の形態では画素全体の光電変換部の膜厚が1μm程度と薄膜化される。
本実施の形態では、有機光電変換膜ベースの光電変換部を有するCMOS固体撮像装置に比べて、埋め込む有機光電変換膜の体積がより小さいので、熱プロセス工程時間が短くて済むので、多層配線層の配線の損傷が回避され、配線の信頼性が向上する。本実施の形態では、シリコンの半導体層12と有機光電変換膜13からなる混成型の光電変換部14を構成しているので、シリコンベース、有機膜ベースの光電変換部での各々の課題である、例えば密着度、膜耐久度、フレキブル性、プロセス価格などについても解決することができる。
<4.第2実施の形態>
[固体撮像装置とその製造方法例]
図7に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置とその製造方法の第2実施の形態を示す。第2実施の形態の固体撮像装置は、基本的な構成は第1実施の形態と同様であり、違いは混成型の光電変換部の構成である。図7は、固体撮像装置の製造方法例、特に混成型の光電変換部14の形成方法例を示すもので、他の構成については省略する。
先ず、図7Aに示すように、シリコンの半導体基板55上に低温CVD法により膜厚1μm程度のポリシリコン層56を形成する。
次に、図7Bに示すように、ポリシリコン層56に対してp型不純物をイオン注入してp型半導体領域による素子分離領域15を形成する。また、素子分離領域15で分離された各画素に対応する半導体層となるポリシリコン層56に対して、n型不純物及びp型不純物をイオン注入してn+型半導体領域17、n型半導体領域16及びp+型半導体領域18を形成する。
次に、図7Cに示すように、赤画素及び緑画素に対応するポリシリコン層56に、膜厚500nm程度のレジストマスク57を介してドライエッチングにより5つの縦孔38を形成する。ポリシリコン層56に対するエッチング加工により、縦孔38の壁面にはポリシリコンの結晶粒の表面が臨む。結晶粒の表面が臨む縦孔壁面は、凹凸形状となる。
次に、図7Dに示すように、アッシング処理及び洗浄処理してレジストマスク57を除去する。
次に、前述の図4C〜Fで説明したと同じ工程を経て、図7Eに示すように、縦孔38の低部に電子ブロッキング膜21を形成し、縦孔38内にp型の有機光電変換膜13を埋め込む。さらに、p+型半導体領域18上に遮光膜19を形成して、混成型の光電変換部14を形成する。赤画素での光電変換膜13は、赤感度を持つ有機材料で形成し、緑画素の光電変換膜13は緑感度を持つ有機材料で形成する。
それ以後は、前述したと同様に、上部電極及び下部電極を形成し、下部電極の下側の半導体領域に画素トランジスタを形成し、多層配線層を形成する。さらに、光入射側の上部電極上にベイヤー配列のカラーフィルタ、その上のオンチップマイクロレンズを形成する。
その他の構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、重複説明を省略する。なお、この第2実施の形態の混成型の光電変換部は、以後に説明する各実施の形態の混成型の光電変換部においても適用可能である。
第2実施の形態の固体撮像装置とその製造方法によれば、半導体層をポリシリコン層56で形成することにより、縦孔38を形成して有機光電変換膜13を埋め込んだときに、ポリシリコンの結晶粒表面と有機光電変換膜13との界面面積が増大する。このため、有機光電変換膜13からポリシリコン層56への電子の移動量がより促進され、より高速駆動が図れる。その他、基本構成及び第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
<5.第3実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図8に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置の第3実施の形態を示す。第3実施の形態に係る固体撮像装置58は、ベイヤー配列の原色カラーフィルタを有し、図8Bに示すように、青(B)画素53B、赤(R)画素53R、緑(G)画素53G、緑(G)画素53Gの組が2次元的に配列された画素領域52を有して成る。そして、青画素53B、赤画素53R、緑画素53G及び緑画素53Gが図1の混成型の光電変換部14で形成される。
第3実施の形態の固体撮像装置58は、薄膜化されたシリコン単結晶の半導体層12がp型半導体領域による素子分離領域15で各画素に分離される。青画素53B、赤画素53R及び緑画素53Gでは、同じp+型半導体領域18、n型半導体領域16及びn+型半導体領域17を形成し、pn接合jを有する半導体層12内に複数のp型の有機光電変換膜13を埋め込んでなる混成型の光電変換部14が形成される。混成型の光電変換部14では、p+型半導体領域19の光入射側の面上に遮光膜19が形成され、光電変換部13の光入射側とは反対側の面に電子ブロッキング膜21が形成される。図示しないが、例えば金属膜による遮光膜19と有機光電変換膜13との間には絶縁膜が形成される。
青画素53Bの青感度を有する有機光電変換膜13としては、ポリフィニン系化合物、あるいはペリレン系化合物を用いることができる。赤画素53Rの赤感度を有する有機光電変換膜13としては、例えばフタロシアニン系化合物、ポリフィリン系化合物、あるいはメロシアニン系化合物の有機材料を用いることができる。緑画素53Gの緑感度を有する有機光電変換膜13としては、例えばキナクリドン系化合物、あるいはポリフィリン系化合物の有機材料を用いることができる。但し、結晶シリコンよりも光吸収係数が高く、かつ図2Aに示すようなシリコンに対するエネルギーバンド構造を持つ有機化合物であれば、種類は問わない。
光電変換部14の上部及び下部には、対をなす上部電極22及び下部電極23が形成される。光入射側の上部電極22は、透明電極で形成される。隣合う画素の透明電極である上部電極22間には画素分離のための絶縁膜59が形成される。図8では図示しないが、前述と同様に上部電極22の上にはカラーフィルタ、オンチップマイクロレンズが形成される。また、下部電極23の下部には、絶縁膜を介して画素トランジスタを形成した半導体領域が配置され、さらに層間絶縁膜を介して複数層の配線を有する多層配線層が配置される。
本実施の形態では、1画素の面積を1.4μm×1.4μmとしている。半導体層12の膜厚d2は、300nm程度であるが、用いる有機材料の光吸収係数値に依存し、この限りではない。その他の構成は、図1の基本構成で説明したと同様であるので、図8において図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
[固体撮像装置の製造方法例]
第3実施の形態の固体撮像装置58における青画素53B、赤画素53R及び緑画素53Gの製造プロセスは、前述の図4に示すと同様である。縦孔38を形成する際の条件を示す。ここでは、CCPエッチング装置を用いたドライエッチング条件の一例を次に示す。なお、第1実施の形態と同様に、加工条件、CCPエッチング装置以外の使用装置はこの限りではない。
ガス種と流量:NF3/O2/HBr=40/15/200sccm
圧力:100mT
上部印加パワー:700W
下部印加パワー:400W
エッチング時間:20sec
RF周波数:上部/下部=40MHz/3MHz
有機光電変換膜13の形成時の焼成温度は、溶媒により異なるが、典型的には80〜150℃である。上部電極22はITO(Indium Tin Oxide))膜であり、透明ガラス基板上に膜厚30nm程度で蒸着形成されている。下部電極23は、膜厚30nm程度の金属電極あり、シリコンに対してオーミック抵抗の低い、例えばインジウム、銅、アルミニウム、マグネシウム合金などからなる金属で形成するのが望ましい。電子ブロッキング膜21には、膜厚10nmのシリコン酸化(SiO)膜を用いた。遮光膜19には、タングステン(W)膜を用いた。ブロッキング膜21のエッチバックには、シリコンとの選択比が高い条件で行った。
この条件としては、例えば次の通りである。
ガス種と流量:C/O/Ar=30/400/15sccm
圧力:30mT
第3実施の形態に係る固体撮像装置58によれば、青画素53B、赤画素53R及び緑画素53Gの光電変換部が全て混成型の光電変換部14で構成されるので、高感度でかつ高速で安定した駆動を可能にする固体撮像装置を提供できる。しかも、全画素が混成型の光電変換部で構成されるので、半導体層12の膜厚d2が更に薄くなり、シリコンベースの光電変換部に比べて更なる光電変換部の薄膜化を図ることができる。因みに、本実施の形態では、画素全体の光電変換部の膜厚d2が300nm程度と薄膜化される。光電変換部が薄膜化されることで、イオン注入工程数削減、シミュレーション評価工数の削減、3次元多層構造が可能、デバイス適用範囲(アプリ先)が広がる、などの効果がある。
その他、基本構成及び第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
<6.第4実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図9に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置の第4実施の形態を示す。図9は、特に固体撮像装置の構成のうちの混成型の光電変換部の要部を示す。第4実施の形態に係る固体撮像装置61は、混成型の光電変換部14と画素トランジスタ(図示せず)からなる画素を有した画素領域を備えて成る。混成型の光電変換部14は、前述と同様に、p+型半導体領域18、n型半導体領域16及びn+型半導体領域17を形成した薄膜化された半導体層12内に、複数のp型の有機光電変換膜13が埋め込まれて構成される。
そして、本実施の形態では、特に、混成型の光電変換部14において、半導体層12と有機光電変換膜13との界面が凹凸形成に形成される。この凹凸形状は、次の製造工程で示す、有機光電変換膜を埋め込む縦孔62を、ボッシュプロセス法を用いて形成することにより得られる。
第4実施の形態の固体撮像装置は、上記の界面が凹凸形状をなす混成型の光電変換部を有する画素を、第1実施の形態の赤画素53R及び緑画素53Gに置き換えて、あるいは第3実施の形態の青、赤及び緑の全画素53B〜53Gに置き換えて構成される。その他の構成は、第1、第3実施の形態で説明したと同様であるので、対応する部分には同一符号を付して、重複説明を省略する。
[固体撮像装置の製造方法例]
第4実施の形態の固体撮像装置61における混成型の光電変換部の製造プロセスは、縦孔の形成工程を除いて、基本的に前述の図4に示すと同様である。本実施の形態では、有機光電変換膜13を埋め込む縦孔の形成において、エッチングステップとデポジッションステップを交互に複数回繰り返す加工法(いわゆるボッシュプロセス)を用いて内側壁面が凹凸形状の縦孔62を形成する。この内側壁面が凹凸形状の縦孔62内に有機光電変換膜13を埋め込むことにより、半導体層12と有機光電変換膜13との界面が凹凸形状に形成される。
ここでは、CCPエッチング装置を用いたドライエッチング条件の一例を次に示す。凹凸の大きさは、SFガスとCガスとの流量比や、SFガスに内側壁面の保護作用を促進させるOガスを添加することで制御することができる。
エッチングステップ デポジッションステップ
ガス種と流量: SF=30sccm C=20sccm
圧力: 10mT 10mT
上部印加パワー: 500W 500W
下部印加パワー: 30W 40W
ステップ時間: 12sec 10sec
第4実施の形態に係る固体撮像装置61によれば、混成型の光電変換部14において、半導体層12と有機光電変換膜13との界面が凹凸形状に形成されるので、界面面積が増大し、有機光電変換膜13からの電子の移動をより促進することができる。電子移動度の促進により、更に高速駆動を行うことができる。
その他、基本構成及び第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。なお、この第4実施の形態の混成型の光電変換部は、本発明の各実施の形態混成型の光電変換部においても適用可能である。
<7.第5実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図10に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置の第5実施の形態を示す。第5実施の形態に係る固体撮像装置64は、図10Bに示すように、1画素を青画素53B、周りの3画素を全て赤、緑を同一画素53RGとした4画素の組が2次元的に配列された画素領域を有して成る。そして、青画素53Bは、シリコン半導体領域に形成されたフォトダイオードPDによる光電変換部を有して形成される。同一画素53RGは、赤の混成型の光電変換部と緑の混成型の光電変換部とが積層した2層積層光電変換部14RGを有して構成される。
すなわち、本実施の形態では、薄膜化されたシリコン単結晶の半導体層12がp型半導体領域による素子分離領域15で各画素に分離される。青画素53Bでは、半導体層12にp+型半導体領域18、n型半導体領域16及びn+型半導体領域17を形成し、pn接合jを有したフォトダイオードPDによる光電変換部が形成される。同一画素53RGでは、p+型半導体領域18、n型半導体領域16及びn+型半導体領域17を形成し、pn接合jを有する半導体層12内に複数本、例では3つの2層積層有機膜65が埋め込まれて形成される。この2層積層有機膜65は、緑及び赤の波長帯にそれぞれ感度を持つ有機膜(以後緑有機光電変換膜、赤有機光電変換膜という)13G、13Rを2層に積層して形成される。この緑有機光電変換膜13Gと赤有機光電変換膜13Rの積層順序は、上層から緑有機光電変換膜13G、赤有機光電変換膜13Rの順がより好ましい。緑光電変換膜13G及び赤光電変換膜13Rの2層積層有機膜65の数は、緑と赤の出力信号強度が略同等になるように、奇数が好ましい。
図10では、2層積層有機膜65の数を分かり易くするために、便宜的に3つとしたが、本実施の形態では6つとする。青画素53での半導体層12の膜厚d3は1μm程度である。同一画素53RGにおける各緑有機光電変換膜13G及び赤有機光電変換膜13Rの膜厚t1は、それぞれ略0.5μm程度とすることができる。画素面積は、1.4μm×1.4μmとする。
半導体層12は、3つの2層積層有機膜65により4つの半導体層部121〜124に分離される。2層積層有機膜65を構成する緑有機光電変換膜13Gと赤有機光電変換膜13Rは、互いに電子ブロッキング膜21で分離される。さらに、緑有機光電変換膜13Gで生成された電子が第1、第3の半導体層部121、123へのみ移動させるように、電子ブロッキング膜21は、緑有機光電変換膜13Gと第2、第4の半導体層部122、124との界面に延長して形成される。また、赤有機光電変換膜13Rで生成された電子が第2、第4の半導体層部122、124へのみ移動させるように、電子ブロッキング膜21は、赤有機光電変換膜13Rと第1、第3の半導体層部121、123との界面に延長して形成される。これらの電子ブロッキング膜21は、混色防止及び色ごとの電子を区別して取り出すための膜であり、膜厚t2が10nm程度であって、透明の絶縁膜、例えばシリコン酸化膜で形成される。なお、電子ブロッキング膜21は、前述と同様に有機光電変換膜の底部、すなわち赤有機光電変換膜13Rと下部電極23との間にも形成される。
青画素53Bには青色のカラーフィルタ(図示せず)が形成され、同一画素53RGには黄色(緑と赤は透過する)のカラーフィルタ(図示せず)が形成される。
その他の構成は、前述した図6の第1実施の形態及び図1の基本構成と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
次に、第5実施の形態の固体撮像装置64の動作を説明する。上部電極22と下部電極23間に、上部電極22が負、下部電極23が正となる所要のバイアス電圧が印加される。青画素53Bでは、入射した光hνによりフォトダイオードPDで光電変換され生成された信号電荷となる電子が画素トランジスタを通じて青信号として出力される。
一方、同一画素53RGでは、入射した光hνにより緑有機光電変換膜13Gと赤有機光電変換膜13Rでそれぞれ光電変換され、電子・正孔対が生成される。緑有機光電変換膜13Gで生成された信号電荷となる電子eは、第1、第3の半導体層部121、123に移動し半導体層部121、123内を移動して画素トランジスタを通じて緑信号として出力される。緑光電変換膜13Gで生成された正孔hは、透明電極である上部電極22を通じて排出される。赤有機光電変換膜13Rで生成された信号電荷となる電子eは、第2、第4の半導体層部122、124に移動し半導体層122、124部内を移動して画素トランジスタを通じて緑信号として出力される。赤光電変換膜13Rで生成された正孔hは、電子ブロッキング層21を抜けて透明電極である上部電極22を通じて排出される。
[固体撮像装置の製造方法例]
図11に、第5実施の形態の固体撮像装置64の製造方法例、特に同一画素53RGの2層積層有機膜65を有する混成型の光電変換部14の形成方法例を示す。図11Aに示すように、不純物注入されてn+型半導体領域、n型半導体領域及びp+型半導体領域が形成された半導体層12に、ドライエッチングにより奇数個の縦孔38を形成す同じ手法で例えばシリコン酸化膜による電子ブロッキング膜21を形成する。次いで、各縦孔38内に、一方の内側壁面から幅10nm程度離して、すなわち幅10nm程度の間隙38aを残して選択的にレジストマスク67を形成する。
次に、図11Bに示すように、縦孔38の隙間38a内を含み半導体層12の上面にわたって例えばシリコン酸化膜による電子ブロッキング膜21を形成する。
次いで、シリコンとの高い選択比条件で間隙38a内の高さ0.5μmの電子ブロッキング膜21が残りて、他の上部側の電子ブロッキング膜21をエッチバックする。この選択比条件としては、例えば、ガス種と流量がC4F8/O2/Ar=30/400/15sccm、圧力が30mTの条件とする。
次に、図11Cに示すように、レジストマスク67を例えば酸素(O2)アッシングで剥離除去し、縦孔38内に膜厚0.5μmの赤有機光電変換膜13Rを塗布により埋め込む。
次に、図11Dに示すように、赤有機光電変換膜13Rの表面に電子ブロッキング膜21を形成する。この電子グロッキング膜21は、成膜の後、上記と同条件で残膜が10nmになるまでドライエッチバックして形成する。次いで、縦孔38の上部の他方の内側壁面から幅10nm程度離して、すなわち幅10nm程度の間隙38bを残して選択的にレジストマスク68を形成する。
次に、図11Eに示すように、間隙38b内を含み半導体層12の上面にわたって例えばシリコン酸化膜によるブロッキング膜21を形成する。
次に、間隙38b内の電子ブロッキング膜21を残して他の電子ブロッキング膜21を上記と同条件でドライエッチバックして除去し、次いで、レジストマスク68を剥離除去する。
次に、図11Fに示すように、縦孔38内の上部に膜厚0.5μmの緑有機光電変換膜13Gを塗布にて埋め込む。次いで、各半導体層部121〜124のp+型半導体領域18の表面に遮光膜19を形成する。
それ以後、図示しないが、前述と同様の透明電極である上部電極22及び下部電極23を形成する。また、青画素53B及び同一画素53RGの各画素トランジスタ、多層配線層、カラーフィルタ、オンチップマイクロレンズの形成工程は説明を省略する。
第5実施の形態に係る固体撮像装置64によれば、緑、赤の画素が、緑有機光電変換膜13G及び赤有機光電変換膜13Rを2層に積層した同一画素53RGとして構成される。従って、実効的集光面積は、同一画素数のもとでは、緑と赤に関しては、従来のシリコンベース構造の裏面照射型の固体撮像装置(カラーフィルタがベイヤー配列)に比べて2.2倍、1.1倍にもなる。理想的には、シリコンの0.5倍以上の量子効率をもつ有機材料を用いれば、赤感度は1.1倍以上、緑感度はシリコンベースのものとほぼ同程度を実現でき、かつ全画素の光電変換部の膜厚が従来の3μm程度から1μm程度に薄膜化することができる。
その他、基本構成及び第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
<8.第6実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図12に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置の第6実施の形態を示す。第6実施の形態に係る固体撮像装置67は、赤、緑及び青を同一画素53RGBとして構成し、この同一画素53RGBが2次元的に配列された画素領域を有して成る。同一画素53RGBは、赤の混成型の光電変換部と緑の混成型の光電変換部と青の混成型の光電変換部とが積層した3層積層光電変換部14RGBを有して構成される。
すなわち、本実施の形態では、薄膜化されたシリコン単結晶の半導体層12がp型半導体領域による素子分離領域15で各画素に分離される。各1画素領域において、同一画素53RGBが構成される。同一画素53RGBは、p+型半導体領域18、n型半導体領域16及びn+型半導体領域17を形成し、pn接合jを有する半導体層12内に複数本、例では3つの3層積層有機膜68が埋め込まれて形成される。この3層積層有機膜68は、青、緑及び赤の波長帯にそれぞれ感度を持つ有機膜(以後青有機光電変換膜、緑有機光電変換膜、赤有機光電変換膜という)13B13G、13Rを3層に積層して形成される。
この3層積層有機膜68を有する固体撮像装置67は、入射光hνを縦方向に分光できるため、カラーフィルタや光学ローパスフィルタを不要とする。この青有機光電変換膜13Bと緑有機光電変換膜13Gと赤有機光電変換膜13Rの積層順序は、上層から青有機光電変換膜13B、緑有機光電変換膜13G、赤有機光電変換膜13Rの順がより好ましい。青有機光電変換13B、緑有機光電変換膜13G及び赤有機光電変換膜13Rの3層積層有機膜68の数は、青と緑と赤の出力信号強度が略同等になるように、3の倍数が好ましい。
図12では、3層積層有機膜68の数を分かり易くするために、便宜的に3つとしたが、本実施の形態では6つとする。同一画素53RGBにおける3層積層有機膜68の膜厚が600nm程度である。各色有機光電変換膜13B、13G、13Rの膜厚は略0.2μm程度である。画素面積は、1.4μm×1.4μmとする。
半導体層12は、3つの3層積層有機膜68により4つの半導体層部121〜124に分離される。3層積層有機膜68を構成する青有機光電変換膜13B、緑有機光電変換膜13G及び赤有機光電変換膜13Rは、互いに電子グロッキング膜21で分離される。さらに、電子ブロッキング膜21は、第1、第3の3層積層有機膜68の青有機光電変換13Bで生成された電子が第1、第4の半導体層部121、124へのみ移動させるように、青有機光電変換膜13Bと半導体層部122、123との界面に形成される。電子ブロッキング膜21は、第2、第3の3層積層有機膜68の緑有機光電変換膜13Gで生成された電子が第2の半導体層部122へのみ移動させるように、緑有機光電変換膜13Gと第1、第3の半導体層部121、123との界面に形成される。電子ブロッキング膜21は、第2、第3の3層積層有機膜68の赤有機光電変換膜13Rで生成された電子が第3の半導体層部123へのみ移動させるように、赤有機光電変換膜13Rと第2、第4の半導体層部122,124との界面に形成される。
第1の3層積層有機膜38の赤有機光電変換膜13R、第2の3層積層有機膜68の青有機光電変換膜13B、第3の3層積層有機膜68の緑有機光電変換膜13Gは、それぞれ全周囲が電子ブロッキング膜21で被覆される。なお、電子ブロッキング膜21は、前述と同様に有機光電変換膜の底部、すなわち各3層積層膜68の底部との間にも形成される。
その他の構成は、前述した第1実施の形態及び基本構成と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
次に、第6実施の形態の固体撮像装置67の動作を説明する。上部電極22と下部電極23間に、上部電極22が負、下部電極23が正となる所要のバイアス電圧が印加される。同一画素53RGBでは、入射した光hνにより青有機光電変換部13Bと緑有機光電変換膜13Gと赤有機光電変換膜13Rでそれぞれ光電変換され、電子・正孔対が生成される。青有機光電変換膜13Bで生成された信号電荷となる電子eは、第1、第4の半導体層部121、124に移動し、半導体層部121、124内を移動して画素トランジスタを通じて青信号として出力される。青有機光電変換膜13Bで生成された正孔hは、透明電極である上部電極22を通じて排出される。
緑有機光電変換膜13Gで生成された信号電荷となる電子eは、第2の半導体層部122に移動し、半導体層部122内を移動して画素トランジスタを通じて緑信号として出力される。赤有機光電変換膜13Rで生成された信号電荷となる電子eは、第3の半導体層部123に移動し、半導体層部123内を移動して画素トランジスタを通じて赤信号として出力される。緑有機光電変換膜13G、赤有機光電変換膜13Rで生成された正孔hは、電子ブロッキング層21を抜けて、上部電極22へ排出される。第1の3層積層有機膜68の赤有機光電変換膜13R、第2の3層積層有機膜68の青有機光電変換膜13B、第3の3層有機光電変換膜68の緑有機光電変換膜13Gで生成された電子は何処にも移動せず、時間の経過と共に再結合し、信号として利用されない。
[固体撮像装置の製造方法例]
第6実施の形態の固体撮像装置67の製造方法例、特に同一画素53RGBの3層積層有機膜68を有する混成型の光電変換部は、前述の図11で説明した工程を利用して形成することができる。すなわち、前述の図11で説明した2層積層有機膜の形成工程を利用し、各色有機光電変換膜及び電子ブロッキングの形成工程を繰り返すことで3層積層有機膜68を形成することができる。
第6実施の形態に係る固体撮像装置67によれば、青、緑及び赤の画素が、青有機光電変換膜13B、緑有機光電変換膜13G及び赤有機光電変換膜13Rを3層に積層した同一画素53RGBとして構成される。従って、実効的集光面積は、同一画素数のもとでは、従来のシリコンベース構造の固体撮像装置(カラーフィルタがベイヤー配列)に比べて約2.8倍にもなる。さらに、光量の損失率が10%程度あるカラーフィルタや、光学ローパスフィルタが無いことを考慮すると、実行的集光面積は、3倍以上の向上が期待できる。よって、理想的には、実効的集光面積は3倍以上、シリコンの0.5倍以上の量子効率を持つ有機材料を用いれば感度が1.5倍以上になり、かつ全画素の光電変換部の膜厚d4が従来の3μ程度から0.6μm程度に薄膜化することができる。
従来のシリコンベース構造と比較して、より光入射効率を向上することができる。赤、緑及び青が同一画素領域で検出されるので、シリコンベース構造よりも偽色を抑制することができる。その他、基本構成及び第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
<9.第7実施の形態>
[固体撮像装置の構成例とその製造方法例]
本発明に係る第7実施の形態に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置は、図示しないが、前述の第5実施の形態あるいは第6実施の形態の固体撮像装置において、有機光電変換膜を埋め込む縦孔を凹凸形状に形成して構成される。すなわち、第5実施の形態あるいは第6実施の形態において、有機光電変換膜を埋め込む縦孔加工を第4実施の形態で述べたボッシュプロセスを用いて形成し、第7実施の形態の固体撮像装置を構成する。
第7実施の形態の固体撮像装置の製造方法は、特に混成型の光電変換部の形成において、その有機光電変換膜を埋め込むための縦孔を、ボッシュプロセスを用いて形成する。混成型の光電変換部を形成するためのそれ以外の工程は、前述の図4と同じである。
第7実施の形態に係る固体撮像装置によれば、第5実施の形態あるいは第6実施の形態の固体撮像装置に比べて、さらに有機光電変換膜からシリコンの半導体層への電子移動度を促進させることができる。その他、基本構成及び第5上記次に、第6実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
上述の第1〜第7実施の形態では、信号電荷を電子eとしたが、図2の信号電荷として正孔hを使用する基本構成を利用して、第1〜第7実施の形態の固体撮像素子を正孔hを信号電荷とする固体撮像装置に置き換えることもできる。その場合は、有機光電変換膜、各半導体領域の導電型を逆の導電型とする。
<10.第8実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図13及び図14に、本発明に係る固体撮像装置、すなわち裏面照射型のCMOS固体撮像装置の第8実施の形態を示す。図13は、第3実施の形態に係る固体撮像装置の赤画素、青画素、緑画素、緑画素の4画素に対応する概略斜視図である。図14Aは図13のA−A線上の断面図、図14Bは図13のB−B線上の断面図、図14Cは図13のC−C線上の断面図を示す。
第8実施の形態に係る固体撮像装置71は、図13に示すように、ベイヤー配列に対応する赤画素、青画素、緑画素、緑画素の組が、2次元的に配列した画素領域を有して成る。各画素は、p型半導体領域による素子分離領域にて分離されている。各画素53R、53G、53Bは、前述の図1に示す混成型の光電変換部14と複数の画素トランジスタから構成される。即ち、図14Aに示すように、各色画素は、p+型半導体領域18とn型半導体領域16とn+型半導体領域17を有する半導体層12に、対応する色の波長光に感度を持つ複数の有機光電変換膜13を埋め込んでなる混成型の光電変換部14を有する。有機光電変換膜13で分離された半導体層12は、前述したと同様に、生成された電子・正孔対のうちの電子eの移動に供される。各色画素53R、53G、53Bの他の構成は図1で説明したと同様であるので、対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
一方、画素領域の水平方向に隣り合う画素は、素子分離領域15にて完全分離される。他方、図14B及び図14Cに示すように、画素領域の垂直方向に隣り合う画素間の素子分離領域15内には、後述する一方の画素の有機光電変換膜13で生成された電子・正孔対のうちの正孔hの移動に供される配線層73が形成される。配線層73は、例えば銅配線、あるいはカーボンナノチューブ等の有機配線を用いることができる。この垂直方向に隣り合う画素間の素子分離領域15上には、混成型の光電変換部14の半導体層上部の遮光膜19が延長して形成される。また、各配線層73は、その上部が有機光電変換膜13の上部側の側面に接して形成され、その下部がそれぞれ転送トランジスタTr11を構成するp型の電荷蓄積領域74に接続される。
1画素に対応する配線層73は複数の画素トランジスタが対応して形成され、少なくとも転送トランジスタTr11が1画素の複数の配線層73の数だけ形成される。この転送トランジスタTr11は、p型の電荷蓄積領域74と転送ゲート電極75とp型のフローティングディフージョンFDとを有して構成される。他の共通する増幅トランジスタ、リセットトランジスタ、さらには選択トランジスタもpチャネルトランジスタで形成される。各配線層73に対応するp型のフローティングディフージョンFDは共通接続されて増幅トランジスタの増幅ゲート電極に接続される。
電子eを転送する転送トランジスタTr1、正孔hを転送する転送トランジスタTr11を含む画素トランジスタは、例えば有機薄膜トランジスタ(有機TFT)で構成することもできる。他の画素トランジスタ(増幅、リセット、選択の各トランジスタ)も有機TFTで構成することもできる。
図13及び図14では、1画素当りの有機光電変換膜13の数を分かり易くするために、便宜的に3つとしたが、本実施の形態では6つとする。有機光電変換膜の幅w3は200nm程度、有機光電変換膜13間の幅w4を50nm程度、正孔用の配線層73の幅w5を100nm程度とする。配線層込みの画素面積は、1.65μm×1.65μmとする。
次に、第8実施の形態の固体撮像装置71の動作を説明する。上部電極22と下部電極23間に、上部電極22が負、下部電極23が正となる所要のバイアス電圧が印加される。光hνが各画素のp型の有機光電変換膜13に入射され、各有機光電変換膜13で電子・正孔対が生成される。以下、1画素について説明する。電子・正孔対のうち電子eは、図14Aに示すように、隣接する半導体層12に移動し、半導体層12内を移動してn型の電荷蓄積領域26に蓄積される。画素トランジスタの駆動により、電子eはn型のフローティングディフージョンFDに転送され、その後が各フローティングディフージョンFDの電子eが共通の増幅トランジスタなどを通じて信号として出力される。
一方、電子・正孔対のうち正孔hは、図14B及び図14Cに示すように、配線層73に移動し、配線層73を通じてp型の電荷蓄積領域74に蓄積される。ここで、有機光電変換膜13の正孔hは、有機光電変換膜13と透明電極である上部電極22との間の障壁より、有機光電変換膜13と配線層73との間の障壁が低いため、配線層へ移動する。その後、画素トランジスタの駆動により、各p型の電荷蓄積領域74の正孔hが各p型のフローティングディフージョンFDに転送され、各フローティングディフージョンFDの正孔hが共通の増幅トランジスタなどを通じて信号として出力される。そして、図13に示すように、信号電荷としての電子eに基く電子信号は、電子用のADコンバータ76でデジタル信号に変換される。信号電荷としての正孔hに基く信号は、正孔用のADコンバータ77でデジタル信号に変換される。正孔hと電子eの移動度の違いを考慮して、電子eと正孔hのフローティングディフージョンFDへの取り出しタイミングに同期させる。その上で、ADコンバータ76と77からの電子信号と正孔信号が信号合成・信号処理回路78を通じて合成され、信号処理された画素信号として出力される。信号合成・信号処理回路78は、輝度処理、色処理、カラーマトリックス処理などを行う。
第8実施の形態に係る固体撮像装置71によれば、1画素において、光電変換されて生成された電子e正孔hの両電荷を信号電荷として利用するので、より感度を向上することができる。実効的趣向面積は、同一画素数のもとでは、従来のシリコンベース構造の固体撮像装置(カラーフィルタがベイヤー配列)に比べて約1.5倍にもなる。よって、理想的には、実効的集光面積は1.5倍以上となる。シリコンの0.5倍以上の量子効率を持つ有機材料を用いれば感度が1.5倍以上になり、従来のシリコンベース構造並かそれ以上を実現でき、かつ全画素の光電変換部の膜厚d5が0.6μm程度に薄膜化することができる。
第8実施の形態では、半導体層12を電子の移動に用い、配線層73を正孔hの移動に用いたが、半導体層12を正孔hの移動に用い、配線層73を電子の移動に用いる構成とすることもできる。この場合は、有機光電変換膜13、半導体層12を含む各半導体領域の導電型を逆の導電型で形成する。その他、基本構成及び第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
本発明は、上記第1〜第8実施の形態に係る固体撮像装置について説明したが、これらの実施の形態は本発明の好ましい形態を示すものである。本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、可視領域の光検出について述べたが、本発明は、使用される有機材料の感度領域によって、可視光以外の領域、例えばテラヘルツ、赤外線、紫外線、X線などの領域の固体撮像装置にも原理的に適用可能である。
<11.第9実施の形態>
[電子機器の構成例]
上述の本発明に係る固体撮像装置は、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話、あるいは撮像機能を備えた他の機器、などの電子機器に適用することができる。
図16に、本発明に係る電子機器の一例としてカメラに適用した第9実施の形態を示す。本実施形態例に係るカメラは、静止画像又は動画撮影可能なビデオカメラを例としたものである。本実施形態例のカメラ101は、固体撮像装置102と、固体撮像装置102の受光センサ部に入射光を導く光学系103と、シャッタ装置104と、固体撮像装置102を駆動する駆動回路105と、固体撮像装置102の出力信号を処理する信号処理回路106とを有する。
固体撮像装置102は、上述した各実施の形態の固体撮像装置のいずれかが適用される。光学系(光学レンズ)103は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置102の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置102内に、一定期間信号電荷が蓄積される。光学系103は、複数の光学レンズから構成された光学レンズ系としてもよい。シャッタ装置104は、固体撮像装置102への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路105は、固体撮像装置102の転送動作及びシャッタ装置104のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路105から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置102の信号転送を行う。信号処理回路106は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、或いは、モニタに出力される。
第9実施の形態に係る電子機器によれば、固体撮像装置において、有機膜と半導体層とによる混成型の光電変換部を有する画素を備えることにより、感度を向上すると共に、高速で安定した駆動が得られる。従って、高品質の電子機器を提供することがでる。例えば、高品質のカメラなどを提供することができる。
11・・画素、12・・半導体層、13・・有機光電変換膜、15・・素子分離領域、16・・n型半導体領域、17・・n+型半導体領域、17・・n+半導体領域、18・・p+型半導体領域、19・・遮光膜、21・・電子ブロッキング膜、22,23・・電極、26・・電荷蓄積領域、FD・・フローティングディフージョン、Tr1・・転送トランジスタ、PD・・フォトダイオード、25・・半導体基板、30・・絶縁膜、31・・層間絶縁膜、32・・多層配線層、e・・電子、h・・正孔

Claims (19)

  1. 混成型の光電変換部と画素トランジスタからなる画素を備え、
    前記混成型の光電変換部は、
    pn接合を有する半導体層と、
    前記半導体層内に配置された複数の柱状ないしは内部がくり抜かれた円柱状の有機物質層と、
    前記半導体層及び前記有機物質層を挟んで上下に配置された一対の電極とを有し、
    前記有機物質層で光電変換が行われ、生成した電荷が前記半導体層内を移動して電荷蓄積領域へ導かれるように構成され、
    前記画素トランジスタが形成された面とは反対の面から光が入射される裏面照射型に構成される
    固体撮像装置。
  2. 青画素、緑画素及び赤画素の各光電変換部が前記混成型の光電変換部で構成されている
    請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記混成型の光電変換部において、前記有機物質層と前記半導体層との界面に自己集積分子膜が形成されている
    請求項1又は2記載の固体撮像装置。
  4. 前記有機物質層と前記半導体層との界面が凹凸状に形成されている
    請求項1又は2記載の固体撮像装置。
  5. 青画素の光電変換部がpn接合を有する半導体層で構成され、
    緑画素及び赤画素の光電変換部が前記混成型の光電変換部で構成されている
    請求項1記載の固体撮像装置。
  6. 青画素の光電変換部がpn接合を有する半導体層で構成され、
    緑及び赤を同一画素として該同一画素が前記混成型の光電変換部で構成され、
    前記同一画素では、緑色及び赤色の光に感度を持つ2種類の有機物質層が前記半導体層の深さ方向に互いに分離されて積層され、
    前記2種類の有機物質層でそれぞれ生成された電荷が異なる前記半導体層内を移動する
    請求項1記載の固体撮像装置。
  7. 青、緑及び赤を同一画素として該同一画素が前記混成型の光電変換部で構成され、
    前記同一画素では、青色、緑色及び赤色の光に感度を持つ3種類の有機物質層が前記半導体層の深さ方向に互いに分離されて積層され、
    前記3種類の有機物質層でそれぞれ生成された電荷が異なる前記半導体層内を移動する
    請求項1記載の固体撮像装置。
  8. 前記混成型の光電変換部において、前記有機物質層と前記半導体層との界面に自己集積分子膜が形成されている
    請求項5乃至7のいずれかに記載の固体撮像装置。
  9. 前記有機物質層と前記半導体層との界面が凹凸状に形成されている
    請求項5乃至8のいずれかに記載の固体撮像装置。
  10. 画素に対応するpn接合を有する半導体層に複数の深さ方向の縦孔を形成する工程と、
    前記縦孔内に底部の絶縁膜を介して有機物質層を埋め込む工程と、
    前記有機物質層を除く前記半導体層の光入射される側の裏面に遮光膜を形成する工程と、
    前記有機物質層及び前記半導体層を挟んで一対の電極を配置する工程と、
    を有して混成型の光電変換部を形成し、
    前記半導体層の光入射されない側の電極上に絶縁膜を介して画素を構成する画素トランジスタを配置する
    固体撮像装置の製造方法。
  11. 青画素、緑画素及び赤画素の各光電変換部を前記混成型の光電変換部で形成する
    請求項10記載の固体撮像装置の製造方法。
  12. 前記混成型の光電変換部において、前記有機物質層と前記半導体層との界面に自己集積分子膜を形成する
    請求項10又は11記載の固体撮像装置の製造方法。
  13. 前記縦孔を形成する工程において、凹凸状の内壁面を有する縦孔を形成する
    請求項10又は11記載の固体撮像装置の製造方法。
  14. 青画素の光電変換部を、pn接合を有する半導体層で形成し、
    緑画素及び赤画素の光電変換部を前記混成型の光電変換部で形成する
    請求項10記載の固体撮像装置の製造方法。
  15. 青画素の光電変換部を、pn接合を有する半導体層で形成し、
    緑及び赤を同一画素として該同一画素を前記混成型の光電変換部で形成し、
    前記同一画素では、緑色及び赤色の光に感度を持つ2種類の有機物質層を前記半導体層の深さ方向に互いに分離して積層し、かつ前記2種類の有機物質層で生成された電荷がそれぞれ異なる領域内を移動するように前記半導体層を分離する
    請求項10記載の固体撮像装置の製造方法。
  16. 青、緑及び赤を同一画素として該同一画素を前記混成型の光電変換部で形成し、
    前記同一画素では、青色、緑色及び赤色の光に感度を持つ3種類の有機物質層を前記半導体層の深さ方向に互いに分離して積層し、かつ前記3種類の有機物質層で生成された電荷がそれぞれ異なる領域内を移動するように前記半導体層を分離する
    請求項10記載の固体撮像装置の製造方法。
  17. 前記混成型の光電変換部において、前記有機物質層と前記半導体層との界面に自己集積分子膜を形成する
    請求項14乃至16のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  18. 前記縦孔を形成する工程において、凹凸状の内壁面を有する縦孔を形成する
    請求項14乃至16のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  19. 固体撮像装置と、
    前記固体撮像装置の光電変換部に入射光を導く光学系と、
    前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備え、
    前記固体撮像装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の固体撮像装置で構成される
    電子機器。
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