JP2012049189A - 電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子部品素子を2層以上の外装樹脂で被覆した電子部品において、第1の外装樹脂と第2の外装樹脂との間で界面剥離が生じないようにする。
【解決手段】 本発明の高圧抵抗部品(電子部品)100は、外装樹脂を、電子部品素子を直接被覆する第1の外装樹脂7と、電子部品素子を第1の外装樹脂を介して被覆する第2の外装樹脂8とで構成し、第1の外装樹脂7と第2の外装樹脂8とのモノマー構造を同一とするとともに、第1の外装樹脂7の弾性率を第2の外装樹脂8の弾性率よりも低くした。
【選択図】 図5
【解決手段】 本発明の高圧抵抗部品(電子部品)100は、外装樹脂を、電子部品素子を直接被覆する第1の外装樹脂7と、電子部品素子を第1の外装樹脂を介して被覆する第2の外装樹脂8とで構成し、第1の外装樹脂7と第2の外装樹脂8とのモノマー構造を同一とするとともに、第1の外装樹脂7の弾性率を第2の外装樹脂8の弾性率よりも低くした。
【選択図】 図5
Description
本発明は、電子部品素子を外装樹脂で被覆した電子部品に関し、さらに詳しくは、電子部品素子を第1の外装樹脂と第2の外装樹脂とを含む2層以上の外装樹脂で被覆した電子部品に関する。
従来から、抵抗、コンデンサ、圧電部品、半導体装置などの電子部品において、電子部品素子(電子部品本体)を熱硬化型の外装樹脂により被覆し、電気絶縁性を確保するとともに、電子部品素子を応力、湿度、熱などの外部環境から保護することがおこなわれている。
しかしながら、外装樹脂は、加熱して硬化させる際や、外部から熱衝撃が加わった際に、電子部品素子に対して締め付け応力を与え、電子部品素子の特性を変動させてしまうおそれがある。
そこで、特許文献1(特開2000−196401号公報)に開示された電子部品では、電子部品素子を、まずシリコンーンゴムなどの弾性材料で被覆し、その弾性材料上をエポキシ樹脂などの熱硬化型の外装樹脂で被覆するようにしている。なお、特許文献1に開示された電子部品は、弾性材料の膜厚を確保しにくい電子部品素子の両端エッジ部の弾性体材料を、2層構造にしたことを特徴としている。
特許文献1に開示された電子部品の構造によれば、外装樹脂を加熱して硬化させる際や、外部から熱衝撃が加わった際に、外装樹脂により発生する締め付け応力を、弾性材料で緩和させることができるため、電子部品素子の特性が変動するのを抑制することができるとされている。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された電子部品には、シリコーンゴムなどの弾性材料と、エポキシ樹脂などの外装樹脂との密着性が悪く、弾性材料と外装樹脂との間で界面剥離が生じるという問題があった。そして、界面剥離が生じると、弾性材料と外装樹脂との間に空間が形成されるため、外部からの衝撃に対する機械的強度が弱くなってしまうという問題があった。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものである。その手段として、本発明の電子部品は、外装樹脂を、電子部品素子を直接被覆する第1の外装樹脂と、電子部品素子を第1の外装樹脂を介して被覆する第2の外装樹脂とで構成し、第1の外装樹脂と第2の外装樹脂とのモノマー構造を同一とするとともに、第1の外装樹脂の弾性率を第2の外装樹脂の弾性率よりも低くした。
なお、第1の外装樹脂の弾性率は8000MPa以下であることが好ましい。この場合には、外部から熱衝撃を受けても、電子部品素子の特性が変化しない電子部品を得ることができるからである。
また、第2の外装樹脂の弾性率は12000MPa以上であることが好ましい。この場合には、抗折強度の大きな電子部品を得ることができるからである。
本発明の電子部品は、上述の構成からなり、第1の外装樹脂と第2の外装樹脂とのモノマー構造が同一であるため、両者の密着性が良く、両者間で界面剥離が生じることがない。したがって、界面剥離に起因して、外部からの衝撃に対する機械的強度が弱くなってしまうのを抑制することができる。
また、外装樹脂を加熱して硬化させる際や、外部から熱衝撃が加わった際に発生する締め付け応力を、第1の外装樹脂で緩和させることができるため、電子部品素子の特性が変動するのを抑制することができる。
さらに、外部からの応力に対しては、主に第2の外装樹脂で電子部品素子を保護することができるため、電子部品素子が破損してしまうのを抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1〜4は、それぞれ、本発明の実施形態にかかる高圧抵抗部品(電子部品)100の製造過程を示す。また、図5は、高圧抵抗部品100の完成状態を示す。以下、図1〜5を参照して、まず、高圧抵抗部品100の構造について説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる高圧抵抗部品100は、矩形板状の基板1を備える。基板1には、たとえば、アルミナ基板が用いられる。基板1の表面には、所定の距離を隔てて、1対の電極2a、2bが形成されている。電極2a、2bには、たとえば、Agが用いられる。さらに、基板1の表面には、電極2aと2bとの間に、抵抗膜3が形成されている。抵抗膜3としては、たとえば、酸化ルテニウム系の抵抗材料が用いられる。
そして、図2に示すように、基板1に形成された抵抗膜3上には、ガラス層4が形成されている。ガラス層4は、高電圧のかかる抵抗膜3と外部との電気絶縁性を高めるためのものであり、種々のガラス材料が用いられる。
そして、図3に示すように、基板1に形成された電極2a、2bには、外部端子5a、5bが、はんだ6により接続固定されている。外部端子5a、5bは、たとえば、一方の先端が二股に分かれた形状からなり、その二股に分かれた先端で基板1を挟み込んだ状態で、二股に分かれた先端の一方が電極2a、2bに、はんだ6で接続固定されている。接続端子5a、5bの材質には、たとえば、鉄に、Niめっき、Snめっきを順に施したものが用いられる。はんだ6には、たとえば、Sn−Ag系のはんだが用いられる。
そして、図4に示すように、電極2a、2b、電極膜3、ガラス層4が形成され、外部端子5a、5bがはんだ6により接続固定された基板1の周囲には、外部端子5a、5bの他方の先端を外部に露出させた状態で、第1の外装樹脂7が形成されている。
さらに、図5に示すように、第1の外装樹脂7の周囲には、第2の外装樹脂8が形成されている。なお、図5においては、第2の外装樹脂8を部分的に省略し、省略した部分を二点鎖線で示している。
本実施形態においては、第1の外装樹脂7と第2の外装樹脂8とは、いずれも、モノマー構造が同一の樹脂が用いられている。この結果、第1の外装樹脂7と第2の外装樹脂8とは密着性が良く、両者間で界面剥離が生じるのを抑制することができる。
また、第1の外装樹脂7と第2の外装樹脂8とは、弾性率が異なっている。具体的には、第1の外装樹脂7の弾性率が、第2の外装樹脂の弾性率よりも低く設定されている。特に、第1の外装樹脂7の弾性率は8000MPa以下に、第2の外装樹脂8の弾性率は12000MPa以上に設定されていることが好ましい。
この結果、外装樹脂を加熱して硬化させる際や、外部から熱衝撃が加わった際に発生する締め付け応力を、第1の外装樹脂7で緩和させることができるため、高圧抵抗部品100の特性が変動するのを抑制することができる。また、外部からの応力に対しては、主に第2の外装樹脂8で保護することができるため、高圧抵抗部品100が破損してしまうのを抑制することができる。
かかる構造からなる、本実施形態にかかる高圧抵抗部品100は、たとえば、以下の方法により製造することができる。
まず、第1の外装樹脂7に用いる第1の樹脂組成物7a、第2の外装樹脂8に用いる第2の樹脂組成物8aとを、それぞれ製造する。
第1の樹脂組成物7a、第2の樹脂組成物8aは、それぞれ、原料に、熱硬化性樹脂としてエポキシ当量の異なる2種類のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール系硬化剤と、カップリング剤としてシラン系カップリング剤と、顔料と、有機溶剤としてアセトンと、無機充填物としてシリカと、チクソ性付与剤として微粉シリカとを用いる。
2種類のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、たとえば、エポキシ当量190(g/eq)のビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下「エポキシ当量190樹脂」という)と、エポキシ当量470(g/eq)のビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下「エポキシ当量470樹脂」という)とを用いる。
ただし、第1の樹脂組成物7aと第2の樹脂組成物8aとでは、エポキシ当量190樹脂とエポキシ当量470樹脂との配合比を変え、相対的に、第1の樹脂組成物7aはエポキシ当量470樹脂を多く含み、第2の樹脂組成物8aはエポキシ当量190樹脂を多く含むようにする。具体的には、たとえば、第1の樹脂組成物7aは、エポキシ当量190樹脂を30重量%、エポキシ当量470樹脂を70重量%とし、第2の樹脂組成物8aは、エポキシ当量190樹脂を70重量%、エポキシ当量470樹脂を30重量%とする。
モノマー構造が同一の樹脂を2種類配合した場合、低分子量比率が高いと、架橋点間密度が増加するため、高弾性率特性を示し、逆に高分子量比率が高いと、低弾性率特性を示す。このため、上記配合比では、第1の樹脂組成物7aの硬化後の弾性率は7900MPa、第2の樹脂組成物8aの硬化後の弾性率は10300MPaとなる。なお、硬化後の弾性率は、圧縮曲げ試験機で測定する。具体的には、液状の樹脂組成物を板状に成形して硬化した後、これを短冊状にカットして試験片を得る。そして、得られた試験片を2点で支持し、その2点間の中央部を2mm/分の速度で圧縮し、得られた応力・歪曲線から弾性率を求めた。
ここで、第1の樹脂組成物7aと第2の樹脂組成物8aには、エポキシ当量230以下のエポキシ樹脂と、エポキシ当量450以上のエポキシ樹脂を混合したものを用いることが好ましい。エポキシ当量が230以下のエポキシ樹脂は室温において液状であり、エポキシ当量450以上のエポキシ樹脂は室温に置いて固形であるため、両者を混合することで、塗布時の作業性や成形性、硬化前の形状保持が容易になるからである。
すなわち、浸漬(ディップ)により樹脂を電子部品素子に被覆する場合、これらの樹脂を溶剤に溶かして使用するが、固形の樹脂のみの場合に比べて、液状と固形の樹脂を混合した場合には、塗布前の樹脂組成物の粘度を低くすることができるため、塗布時の作業性、成形性に優れる。一方、液状の樹脂のみの場合に比べて、液状と固形の樹脂を混合した場合には、塗布から硬化までの間(乾燥工程)に溶剤が揮発しても、固形成分が残るため、硬化炉に入れるまでの間に液だれが生じてしまうのを防止することができる。
第1の樹脂組成物7a、第2の樹脂組成物8aの製造にあたっては、まず、それぞれ、上記配合比のエポキシ当量190樹脂とエポキシ当量470樹脂とからなるビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に、シラン系カップリング剤5重量部と、顔料50重量部と、アセトン200重量部と、シリカ1000重量部と、微粉シリカ50重量部とを添加し、プラネタリミキサを用いて120分間混練して、樹脂組成物を得る。
次に、上記樹脂組成物100重量部に対し、フェノール系硬化剤7重量部を添加し、さらに、回転式粘度計にて、アセトンを後添加し、混合しながら、粘度が20dPasになるように粘度調整をおこない、第1の樹脂組成物7a、第2の樹脂組成物8aを得る。
一方、これとは別に、複数個の高圧抵抗部品100を一括して製造するために、複数個分の基板1を含む、大きなマザー基板(図示せず)を用意する。
次に、図1に示すように、マザー基板の各基板1の所定部分に、Agペーストを塗布し、焼付けて、電極2a、2bを形成する。
次に、マザー基板の各基板1の所定部分に、酸化ルテニウム系の抵抗ペーストを所定のパターン形状に塗布し、焼付けて、抵抗膜3を形成する。
次に、図2に示すように、マザー基板の各基板1の抵抗膜3上に、ガラス系絶縁ペーストを塗布し、焼付けて、ガラス層4を形成する。
次に、マザー基板を、ダイサーを用いて各基板1に分割する。
次に、図3に示すように、基板1の電極2a、2bに、はんだ6により、外部端子5a、5bを接続固定する。
次に、図4に示すように、外部端子5a、5bの外部導出部分を除き、基板1を樹脂組成物7aに1回浸漬し、基板1の周囲に樹脂組成物7aを付着させ、室温にて5分程度乾燥させる。
次に、図5に示すように、外部端子5a、5bの外部導出部分を除き、基板1を樹脂組成物8aに1回浸漬し、樹脂組成物7aの周囲に樹脂組成物8aを付着させ、室温にて30分程度乾燥させる。
最後に、バッチオーブンにて、たとえば、50℃/22分間、80℃/22分間、155℃/22分間、170℃/22分間の順番で加熱し、樹脂組成物7a、8aを硬化させて、第1の外装樹脂7および第2の外装樹脂8を形成し、本実施形態にかかる高圧抵抗部品100を完成させる。本発明においては、第1の外装樹脂7と第2の外装樹脂8とが同一のモノマー構造からなるため、両者の硬化条件を大きく変えなくても良いという利点があり、本実施形態のように、両者の硬化を同時におこなうようにすることもできる。
以上、本発明の実施形態にかかる高圧抵抗部品(電子部品)100、および、その製造方法の一例について説明した。しかしながら、本発明がこの内容に限定されることはなく、発明の主旨に沿って、種々の設計変更をなすことができる。
たとえば、上記実施形態では、第1の外装樹脂7および第2の外装樹脂8にビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いたが、樹脂の種類はこれには限られず、他の種類の樹脂、たとえば、フェノール樹脂やウレタン樹脂であっても良いし、他の種類のエポキシ樹脂であっても良い。
また、外装樹脂の層数は、第1の外装樹脂7、第2の外装樹脂8の2層には限られず、さらにその上に層を重ねて設けても良い。ただし、外装樹脂の層数は、2層であることが好ましい。外装樹脂を3層以上にすると最も内側に位置する第1の外装樹脂が乾燥しにくくなるため、硬化時に水分が揮発して外装樹脂の表面に膨れが発生しやすくなるからである。また、浸漬により樹脂を電子部品素子に被覆する場合には、3層以上では厚みの制御が難しく、良好な形状に成形することが難しくなるからである。
また、本発明が適用される電子部品は、高圧抵抗部品には限られず、低圧抵抗、コンデンサ、圧電部品、半導体装置など、他の種類の電子部品であっても良い。
また、本発明を高圧抵抗部品に適用する場合であっても、その構造は上記の内容には限られず、基板1、電極2a、2b、抵抗膜3、ガラス層4、外部端子5a、5bの形状、材質などを、適宜、変更することができる。また、ガラス層4は省略しても良い。
[実験例1]
本発明の有効性を確認するため、次の実験をおこなった。
本発明の有効性を確認するため、次の実験をおこなった。
まず、第1の外装樹脂に用いる第1の樹脂組成物、および第2の外装樹脂に用いる第2の樹脂組成物を製造するために、エポキシ当量の異なる、次の3種類のビスフェノールA型エポキシ樹脂を準備した。すなわち、上述のエポキシ当量190樹脂、エポキシ当量470樹脂に加えて、エポキシ当量930(g/eq)のビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エポキシ当量930樹脂」という)を準備した。
これらの3種類のビスフェノールA型エポキシ樹脂のうちの2種類を用い、その配合比を変えて、上述した樹脂組成物の製造方法により、試料1〜14の第1の樹脂組成物、第2の樹脂組成物を製造した。そして、各試料の第1の樹脂組成物、第2の樹脂組成物の硬化後の弾性率を測定した。
表1に、各試料における第1の樹脂組成物、第2の樹脂組成物の配合比、硬化後の弾性率を示す。
次に、各試料を用いて、上述した高圧抵抗部品100を、各試料につき120個製造した。
次に、完成した高圧抵抗部品100を用いて、熱衝撃試験をおこなった。熱衝撃試験は、高圧抵抗部品100を試験槽に投入し、−55℃/30分から125℃30分を100サイクル繰り返し、抵抗値が初期から±1%以上変動した場合を不良とし、不良発生率(%)を求めた。(n=100)
また、完成した高圧抵抗部品100を用いて、抗折強度を測定した。抗折強度は、2点支持の状態で高圧抵抗部品100の側面中央部に速度0.3mm/秒で圧縮応力を加え、割れた時の強度(Kg)を測定し、平均値を求めた。(n=20)
表1に、各試料の熱衝撃試験における不良発生率、抗折強度を示す。
また、完成した高圧抵抗部品100を用いて、抗折強度を測定した。抗折強度は、2点支持の状態で高圧抵抗部品100の側面中央部に速度0.3mm/秒で圧縮応力を加え、割れた時の強度(Kg)を測定し、平均値を求めた。(n=20)
表1に、各試料の熱衝撃試験における不良発生率、抗折強度を示す。
各試料の熱衝撃試験における不良発生率および抗折強度からわかるように、第1の外装樹脂と第2の外装樹脂の弾性率が同じである試料1、7、8、14に比べて、第1の外装樹脂の弾性率が第2の外装樹脂の弾性率よりも低い試料2〜6、9〜13は、熱衝撃試験における不良発生率、抗折強度ともに許容範囲内である。
また、各試料の熱衝撃試験における不良発生率からわかるように、第1の樹脂組成物の硬化後の弾性率が8000PMa以下であれば、熱衝撃による締め付け応力を第1の外装樹脂で緩和することができ、不良発生率が0%となった。よって、本発明の電子部品において、第1の外装樹脂の弾性率は、8000PMa以下であることが好ましいことが判った。
また、各試料の抗折強度からわかるように、第2の樹脂組成物の硬化後の弾性率が12000PMa以上であれば、一般的な電子部品としては十分な強度である、10kg以上の抗折強度を示した。よって、本発明の電子部品において、第2の外装樹脂の弾性率は、12000PMa以上であることが好ましいことが判った。
[実験例2]
さらに、従来技術に対する本発明の有効性を確認するため、次の実験をおこなった。
さらに、従来技術に対する本発明の有効性を確認するため、次の実験をおこなった。
すなわち、硬化後の弾性率が4300MPaのシリコーン樹脂を第1の樹脂組成物として、硬化後の弾性率が12100MPaのエポキシ樹脂を第2の樹脂組成物として試料15を準備し、これを用いて高圧抵抗部品100を120個製造し、実験例1と同様の方法により、熱衝撃試験における不良発生率、抗折強度を調べた。なお、試料15の第2の樹脂組成物は、エポキシ当量190樹脂を70重量%、エポキシ当量470樹脂を30重量%の比率で配合して製造したものである。
表2に、試料15を用いた高圧抵抗部品の熱衝撃試験における不良発生率、抗折強度を示す。
試料15を用いた高圧抵抗部品は、熱衝撃試験における不良発生率は0%であったが、抗折強度が3Kgであり不十分であった。これは、第1の外層樹脂と第2の外層樹脂とでモノマー構造の異なる樹脂を使用したことにより、第1の外層樹脂と第2の外層樹脂との密着性が悪く、界面剥離が生じて空間が形成されてしまい、機械的強度が低下してしまったためであると考えられる。
1:基板
2a、2b:電極
3:抵抗膜
4:ガラス層
5a、5b:外部端子
6:はんだ
7:第1の外装樹脂
7a:第1の樹脂組成物
8:第2の外装樹脂
8a:第2の樹脂組成物
100:高圧抵抗部品(電子部品)
2a、2b:電極
3:抵抗膜
4:ガラス層
5a、5b:外部端子
6:はんだ
7:第1の外装樹脂
7a:第1の樹脂組成物
8:第2の外装樹脂
8a:第2の樹脂組成物
100:高圧抵抗部品(電子部品)
Claims (4)
- 電子部品素子が外装樹脂により被覆された構造を有する電子部品であって、
前記外装樹脂は、前記電子部品素子を直接被覆する第1の外装樹脂と、前記電子部品素子を前記第1の外装樹脂を介して被覆する第2の外装樹脂とを備え、
前記第1の外装樹脂と、前記第2の外装樹脂とは、モノマー構造が同一であり、
前記第1の外装樹脂は、前記第2の外装樹脂よりも、弾性率が低い、電子部品。 - 前記第1の外装樹脂の弾性率が8000MPa以下である、請求項1に記載された電子部品。
- 前記第2の外装樹脂の弾性率が12000MPa以上である、請求項1または2に記載された電子部品。
- 電子部品素子を準備する工程と、
第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物とを製造する工程と、
前記電子部品素子の周囲に、前記第1の樹脂組成物を塗布する工程と、
前記電子部品の周囲に塗布した前記第1の樹脂組成物の周囲に、前記第2の樹脂組成物を塗布する工程と、
前記電子部品素子の周囲に塗布した第1の樹脂組成物と前記第2の樹脂組成物とを硬化させる工程とを順に備えた電子部品の製造方法であって、
製造された電子部品は、前記電子部品素子を直接被覆する第1の外装樹脂と、前記電子部品素子を前記第1の外装樹脂を介して被覆する第2の外装樹脂とを備え、
前記第1の外装樹脂と、前記第2の外装樹脂とは、モノマー構造が同一であり、
前記第1の外装樹脂は、前記第2の外装樹脂よりも弾性率が低い、電子部品の製造方法。
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