JP2012047815A - フィルム剥離装置およびフィルム剥離方法 - Google Patents

フィルム剥離装置およびフィルム剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルムの排出に必要な構成を簡単にすることを実現する。
【解決手段】本発明のフィルム剥離装置において、液晶パネル1を搬送する搬送ユニットは、保護フィルム5aにおける第1の角部が初期剥離された位置Aから第2の角部が剥離される位置Bまで、液晶パネル1を、液晶パネル1の下面に対して垂直な線を軸として回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、位置Bから第2の角部における粘着面が排出ユニットに接触する位置Cまで、液晶パネル1を、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部の対角方向と、液晶パネル1の下面の法線方向との合力方向に移動させ、位置Cから第3および第4の角部が剥離される位置Eまで、液晶パネル1を、保護フィルム5aにおける剥離された部分と液晶パネル1に貼り付けられた部分との境界線Lに対し垂直な方向に移動させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、板状体である被保護部材の表面に貼着されたフィルムを剥離するためのフィルム剥離装置およびフィルム剥離方法に関する。
近年、電子デバイスの生産工程または電気製品の組立工程においては、傷、ゴミ、埃、パーティクル等によって、デバイス不良または製品品位低下などを招く。このため、その対策として、電子デバイスまたは電気製品の表面または外装を保護するために、保護フィルムが広く利用されている。
例えば、液晶パネルの最表面には、偏光板が設けられている。この偏光板の表面に傷がついた液晶パネルおよび偏光板の表面がゴミ、埃などで汚れた液晶パネルは、不良品として扱われる。このため、被保護部材となる偏光板の表面には、偏光板の製造途中から保護フィルムが貼付けられている。そして、保護フィルムが貼付けられた状態の偏光板が、液晶パネルに貼付けられる。
しかし、最終製品の液晶テレビには、保護フィルムは不要なものであるため、液晶テレビの組立工程には、保護フィルムを剥離する工程が存在する。
このように被保護部材から保護フィルムを剥離する技術は、例えば特許文献1〜3に開示されている。特許文献1の技術では、搬送ローラ上で搬送される矩形状の基板における下流側の2つの角部それぞれに対して、圧着ローラにより粘着テープを押し付ける。そして、フィルムの対角方向に圧着ローラを移動させてフィルムの角部を剥離する。続いて、圧着ローラをフィルムの辺縁方向に移動させ、剥離されたフィルムの端を2本のベルトの間に挟み、ベルトの動作によって剥離されたフィルムを排出する。
また、特許文献2の技術では、板状体から保護フィルムの周縁部を剥離してその保護フィルムの周縁部を保持する剥離ロボットと、液晶パネルの上方から圧縮気体を噴射する2台の押えロボットとを用いて、板状体から保護フィルムを剥離している。
また、特許文献3の技術では、一体的に回転移動する第1および第2のアームを備えた剥離機構を用いて、ワークから保護フィルムを剥離している。この剥離機構は、ワーク設置面に対して垂直方向に伸びる回転軸の回りに回転する主軸と、主軸と一体に回転して保護フィルムを剥離する第1のローラと、主軸と第1のローラとの間に設けられ、主軸に対して垂直方向に伸びる第2のローラと、第1のローラから保護フィルムを離脱する離脱爪とを備えている。
特開2004− 39939号公報(2004年 2月 5日公開) 特開2009−233988号公報(2009年10月15日公開) 特開2009−040594号公報(2009年 2月26日公開)
近年、液晶テレビの価格下落が続く中、コストダウンに対する要求が強まっている。ここで、保護フィルムを剥離するフィルム剥離装置は、液晶テレビの商品価値を高めることに寄与しない装置である。それゆえ、このようなフィルム剥離装置は、できるだけ安価にする必要がある。
しかしながら、特許文献1の技術では、保護フィルムを剥離するために、保護フィルムの角部を剥離するための粘着テープ、圧着ローラ、ローラを駆動する手段が各々2組必要となる。さらには、剥離された保護フィルムを排出するための2本のベルト、ベルトを駆動するための手段などが必要になる。それゆえ、特許文献1の技術では、保護フィルムを剥離すために多くの構成要素が必要である。このため、基板からフィルムを剥離する工程を自動化するには、多大な投資が必要となる。
また、特許文献2の技術では、板状体から保護フィルムを剥離するために、剥離ロボット、および2台の押えロボットという3台のロボットを用いている。また、特許文献3の技術では、ワークから保護フィルムを剥離するために、一体的に回転移動する第1および第2のアームを備えた剥離機構を用いている。特許文献2または3の技術では、保護フィルムを剥離するために、アームを備えたロボットを少なくとも1台必要としている。それゆえ、保護フィルムが剥離された板状体(ワーク)を後工程のラインに搬送する場合、別途搬送ロボットが必要になる。すなわち、特許文献2または3の技術では、板状体(ワーク)から保護フィルムを剥離する動作、保護フィルムが剥離された板状体(ワーク)を後工程のラインへ搬送する動作という一連の動作のために、少なくとも2台のロボットが必要になるので、簡単な構成で基板からフィルムを剥離するという点で改善の余地がある。
本発明は、上記従来の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムの剥離・排出に必要な構成を簡単にすることが可能な、フィルム剥離装置、およびフィルム剥離方法を実現することにある。
本発明のフィルム剥離装置は、上記の課題を解決するために、板状体の下面に貼り付けられた矩形のフィルムを、板状体から剥離するフィルム剥離装置であって、上記フィルムにおける第1の角部を剥離し、剥離された第1の角部を狭持する初期剥離手段と、上記初期剥離手段により第1の角部が狭持された状態で、上記板状体を移動させ、上記板状体からフィルム全面を剥離する移動手段と、剥離されたフィルムを受け取り、外部へ排出する排出手段とを備え、上記板状体の上面から見て上記第1の角部と隣接する角部を第2の角部とし、第1の角部と対角関係にある角部を第3の角部とし、第1〜第3の角部以外の角部を第4の角部としたとき、上記移動手段は、第1の角部が初期剥離された第1の位置から上記第2の角部が剥離される第2の位置まで、上記板状体を、板状体の下面に対して垂直な線を軸として回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、上記第2の位置から上記第2の角部における粘着面が上記排出手段に接触する第3の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された第2の角部の対角方向と、板状体の下面の法線方向との合力方向に移動させ、上記第3の位置から上記第3および第4の角部が剥離される第4の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された部分と板状体に貼り付けられた部分との境界線に対し垂直な方向に移動させることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記移動手段は、フィルムにおける初期剥離された上記第1の角部が初期剥離手段により狭持された状態で、第1の角部から順番に第2〜第3の角部を剥離する。また、上記第2の位置から上記第2の角部における上記粘着面が上記排出手段に接触する第3の位置まで移動させたときに、粘着面を介して第2の角部を排出手段上に貼り付ける。その後、上記第3の位置から第3および第4の角部が剥離される第4の位置まで、移動体を移動させることにより、第3の角部、第4の角部を、順番に排出手段上に貼り付ける。そして、最後に、初期剥離手段による第1の角部の狭持を排除し、フィルムにおける第1の角部を排出手段上に落下させ貼り付ける。
このように、上記の構成によれば、上記移動手段は、上記初期剥離手段により第1の角部が狭持された状態で、上記板状体が第1〜第4の位置にあるときに、移動の方向を変えることで上記板状体からフィルム全面を剥離している。これにより、全面剥離されたフィルムを効率的に上記排出手段上に貼り付けることができる。すなわち、搬送手段による板状体の移動動作によって、剥離されたフィルムを排出手段上に貼り付けており、フィルムの排出・剥離のために別途ロボットを必要としない。それゆえ、上記の構成によれば、フィルムの剥離・排出に必要な構成を簡単にすることが可能なフィルム剥離装置を実現することができる。
本発明のフィルム剥離装置で、上記排出手段は、フィルムにおける剥離された上記第2の角部と接触する部分に、下方向に傾斜した傾斜部を備えたことが好ましい。
上記の構成によれば、上記排出手段は、フィルムにおける剥離された上記第2の角部と接触する部分に、下方向に傾斜した傾斜部を備えているので、フィルムの剥離中に上記排出手段に貼り付いた第2の角部に掛かる力の方向が、フィルムの剪断方向となる。このように、第2の角部に掛かる力の方向をフィルムの剪断方向とすることにより、フィルム剥離中にフィルムの第2の角部が排出手段から外れて、フィルム剥離が失敗することがなくなる。
本発明のフィルム剥離装置では、上記排出手段は、フィルムにおける剥離された上記第2の角部を把持する補助把持手段を備えたことが好ましい。
上記の構成によれば、上記排出手段は、フィルムにおける剥離された上記第2の角部を把持する補助把持手段を備えているので、剥離されたフィルムの粘着力が弱い場合であっても、補助把持手段がフィルムにおける剥離された第2の角部を把持することになる。それゆえ、上記の構成によれば、フィルムの粘着面での粘着力の大小に拠らず、フィルムにおける剥離された第2の角部を排出手段上に貼り付けることができる。
本発明のフィルム剥離装置では、上記排出手段は、剥離された保護フィルムを受け取る排出コンベアを備え、該排出コンベア上で保護フィルムが複数積層された後、外部へ排出することが好ましい。
例えば、液晶パネルの偏光板(板状体)に貼付けられている保護フィルムは、50μm程度の厚さの樹脂フィルムである。このため、保護フィルムは、偏光板から剥離されると、重力により簡単に変形する。さらに、保護フィルムの片面には粘着層が形成されているため、保護フィルムが装置の周辺に貼り付くと、剥離されたフィルムの排出不良により、装置の停止が発生する。
上記の構成によれば、上記排出手段は、剥離された保護フィルムを受け取る排出コンベアを備え、該排出コンベア上で保護フィルムが複数積層された後、外部へ排出する、すなわち、上記排出手段は、剥離されたフィルムを積層体として外部に排出する。積層体は、1枚のフィルムと比較して各段に剛性が高い。このため、フィルムの排出のときに生じる、周辺装置への貼り付きなどをなくすことができる。
本発明のフィルム剥離装置では、上記移動手段は、上記フィルムにおける粘着面がフィルム剥離装置の設置面と平行になるように、上記板状体を把持することが好ましい。
上記の構成によれば、上記移動手段は、上記フィルムにおける粘着面がフィルム剥離装置の設置面と平行になるように、上記板状体を把持するので、初期剥離された第1の角部を狭持した状態で移動したときに効率的にフィルムを剥離することができる。
本発明のフィルム剥離装置では、上記初期剥離手段は、上記フィルムおける第2〜第4の角部が剥離された後、上記第1の角部の狭持を解除することが好ましい。
上記の構成によれば、上記初期剥離手段は、上記フィルムおける第2〜第4の角部が剥離された後、上記第1の角部の狭持を解除するので、第1〜4の角部を含むフィルム全面を効率的に排出手段上に載置することができる。
本発明のフィルム剥離方法は、上記の課題を解決するために、板状体の下面に貼り付けられた矩形のフィルムを、板状体から剥離するフィルム剥離方法であって、上記フィルムにおける第1の角部を剥離し、剥離された第1の角部を狭持する初期剥離工程と、上記第1の角部が狭持された状態で、上記板状体を移動させ、上記板状体からフィルム全面を剥離し、剥離されたフィルムを排出手段により外部へ排出するフィルム剥離工程とを含み、上記板状体の上面から見て上記第1の角部と隣接する角部を第2の角部とし、第1の角部と対角関係にある角部を第3の角部とし、第1〜第3の角部以外の角部を第4の角部としたとき、上記フィルム剥離工程では、第1の角部が初期剥離された第1の位置から第2の角部が剥離される第2の位置まで、上記板状体を、板状体の下面に対して垂直な線を軸として回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、上記第2の位置から上記第2の角部における粘着面が上記排出手段に接触する第3の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された第2の角部の対角方向と、板状体の下面の法線方向との合力方向に移動させ、上記第3の位置から上記第3および第4の角部が剥離される第4の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された部分と板状体に貼り付けられた部分との境界線に対し垂直な方向に移動させることを特徴としている。
上記の構成によれば、フィルムの剥離・排出に必要な構成を簡単にすることが可能なフィルム剥離方法を実現することができる。
本発明のフィルム剥離装置は、以上のように、上記フィルムにおける第1の角部を剥離し、剥離された第1の角部を狭持する初期剥離手段と、上記初期剥離手段により第1の角部が狭持された状態で、上記板状体を移動させ、上記板状体からフィルム全面を剥離する移動手段と、剥離されたフィルムを受け取り、外部へ排出する排出手段とを備え、上記板状体の上面から見て上記第1の角部と隣接する角部を第2の角部とし、第1の角部と対角関係にある角部を第3の角部とし、第1〜第3の角部以外の角部を第4の角部としたとき、上記移動手段は、第1の角部が初期剥離された第1の位置から上記第2の角部が剥離される第2の位置まで、上記板状体を、板状体の下面に対して垂直な線を軸として回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、上記第2の位置から上記第2の角部における粘着面が上記排出手段に接触する第3の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された第2の角部の対角方向と、板状体の下面の法線方向との合力方向に移動させ、上記第3の位置から上記第3および第4の角部が剥離される第4の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された部分と板状体に貼り付けられた部分との境界線に対し垂直な方向に移動させる構成である。
また、本発明のフィルム剥離方法は、以上のように、上記フィルムにおける第1の角部を剥離し、剥離された第1の角部を狭持する初期剥離工程と、上記第1の角部が狭持された状態で、上記板状体を移動させ、上記板状体からフィルム全面を剥離し、剥離されたフィルムを排出手段により外部へ排出するフィルム剥離工程とを含み、上記板状体の上面から見て上記第1の角部と隣接する角部を第2の角部とし、第1の角部と対角関係にある角部を第3の角部とし、第1〜第3の角部以外の角部を第4の角部としたとき、上記フィルム剥離工程では、第1の角部が初期剥離された第1の位置から第2の角部が剥離される第2の位置まで、上記板状体を、板状体の下面に対して垂直な線を軸として回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、上記第2の位置から上記第2の角部における粘着面が上記排出手段に接触する第3の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された第2の角部の対角方向と、板状体の下面の法線方向との合力方向に移動させ、上記第3の位置から上記第3および第4の角部が剥離される第4の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された部分と板状体に貼り付けられた部分との境界線に対し垂直な方向に移動させる構成である。
それゆえ、フィルムの剥離・排出に必要な構成を簡単にすることが可能なフィルム剥離装置、およびフィルム剥離方法を実現することができる。
本発明における実施の一形態のフィルム剥離装置を用いた液晶テレビの製造工程の一部を示す斜視図である。 図1の保護フィルム剥離装置によって剥離される保護フィルムを備えた液晶パネルの概略構成を示す断面図である。 図1のフィルム剥離装置の構成を示す斜視図である。 図1のフィルム剥離装置における初期剥離ユニットの構成を示す斜視図である。 図1のフィルム剥離装置を用いた保護フィルムの剥離手順を示すフローチャートである。 図1のフィルム剥離装置による保護フィルムの剥離中に移動する液晶パネルの中心の軌道を示す上面図であり、(a)は、図5におけるステップS5直後の液晶パネルの位置を示し、(b)〜(e)はそれぞれ、図5におけるステップS6〜S9における液晶パネルの中心の軌道を示す。 本発明における実施の他の形態のフィルム剥離装置の構成を示す斜視図である。 図7のフィルム剥離装置を用いた保護フィルムの剥離手順を示すフローチャートである。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の一形態について、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、本発明のフィルム剥離装置の一例として、液晶パネルの表面に貼り付けられた保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離装置について説明する。本実施形態の保護フィルム剥離装置(フィルム剥離装置)は、液晶パネルの偏光板に貼り付けられた保護フィルムを剥離する。
まず、本実施形態の保護フィルム剥離装置によって剥離される保護フィルムを備えた液晶パネルについて説明する。図2は、本実施形態の保護フィルム剥離装置によって剥離される保護フィルムを備えた液晶パネルの概略構成を示す断面図である。
図2に示されるように、液晶パネル(板状体)1は、TFT基板2とカラーフィルター基板3とが貼り付けられた構成になっている。TFT基板2とカラーフィルター基板3との間には、図示しない液晶材料が極少量注入されている。TFT基板2の表面およびカラーフィルター基板3の表面には、それぞれ、偏光板4a,4bが貼り付けられている。液晶パネル1には、図示していない駆動ICや信号入力回路基板等を取り付けられている。
偏光板4a,4bの面積は、液晶パネル1の表示エリア(映像表示領域)よりも大きく、TFT基板2またはカラーフィルター基板3の表面面積よりも小さい。偏光板4a,4bの損傷・汚れ防止を目的にして、保護フィルム5a,5bが粘着剤を介して貼り付けられている。
この保護フィルム5a,5bは、偏光板4a,4bの製造途中で貼り付けられる。その後、所定のサイズよりも大きめにカットされ、所定のサイズまで端面を研磨して製作される。このため、偏光板4a,4bと保護フィルム5a,5bとは、大きさ(表面積)がほぼ同等になっている。つまり、本実施形態では、偏光板4a,4bの側面と、保護フィルム5a,5bの側面とが、互いに同一平面となっている。
なお、偏光板4a,4bをTFT基板2またはカラーフィルター基板3に貼り付ける粘着剤は、各基板表面に形成されたガラス面との粘着性が良くなっている。このため、偏光板4a,4bと保護フィルム5a,5bとの間の粘着力と比較して、偏光板4a,4bとTFT基板2またはカラーフィルター基板3との間の粘着力の方がはるかに強い。
図1は、本実施形態のフィルム剥離装置10を用いた液晶テレビの製造工程の一部を示す斜視図である。すなわち、図1は液晶パネル1の裏側の偏光板4aに貼り付けられた保護フィルム5aを剥離するフィルム剥離工程を示している。以下では、図2の液晶パネル1の裏面に形成された保護フィルム5aの剥離について説明するが、保護フィルム5bの剥離についても同様である。
図1に示されるように、フィルム剥離工程では、フィルム剥離装置10によって、保護フィルム5aを剥離して、バックライトモジュール6への取付けを行う。フィルム剥離工程では、保護フィルム剥離装置10と、供給ライン20と、組立ライン30とが用いられる。液晶パネル1が収納された収納ボックス21は、供給ライン20により送られてくる。また、バックライトモジュール6を載せた組立パレット31は、組立ライン30により、前工程から送られてくる。
供給ライン20は、液晶パネル1を収納するための収納ボックス21と、供給コンベア22と、位置検出カメラ23とから構成されている。供給コンベア22は、液晶パネル1が収納された収納ボックス21を搬送し、フィルム剥離装置10への受渡し位置で停止させ、空となった収納ボックス21を搬送する。位置検出カメラ23は、収納ボックス21内の液晶パネル1を撮像し、撮像した画像から収納ボックス21内の液晶パネル1の位置および傾きを検出する。供給ライン20は、位置検出カメラ23による検出結果を元に、液晶パネル1をフィルム剥離装置10に供給する。
組立ライン30は、バックライトモジュール6を載せるための組立パレット31と、組立コンベア32と、位置決め装置33とから構成されている。組立コンベア32は、バックライトモジュール6が載せられた組立パレット31を前工程から搬送する。組立コンベア32は、取付け位置で組立パレット31を停止させる。そして、取付け位置にて、保護フィルム5aが剥離された液晶パネル1がバックライトモジュール6上に取り付けられた後、後工程へ搬送する。位置決め装置33は、液晶パネル1をバックライトモジュール6上に取り付けるために、バックライトモジュール6の位置決めを行う装置である。
フィルム剥離装置10は、搬送ユニット(移動手段)11と、初期剥離ユニット(初期剥離手段)12と、フィルム排出ユニット(排出手段)13と、図示しない制御ユニットとから構成されている。
図3は、本実施形態のフィルム剥離装置10の構成を示す斜視図である。図1および図3に示されるように、搬送ユニット11は、供給ライン20の受渡し位置にて液晶パネル1を把持し、該液晶パネル1を、保護フィルム5aの初期剥離位置(初期剥離ユニット12の位置)まで移動させる。初期剥離ユニット12は、液晶パネル1に貼り付けられた保護フィルム5aの角部(第1の角部)を剥離し、剥離された角部を把持する。ここでいう「初期剥離」とは、液晶パネル1に貼り付けられた保護フィルム5aのうち、部分的に角部にある保護フィルム5aを液晶パネル1から剥離し、剥離された保護フィルム5aの角部を狭持することを意味する。それゆえ、「初期剥離」された状態では、保護フィルム5aにおける剥離された第1の角部以外の部分は、液晶パネル1に貼り付けられた状態になっている。搬送ユニット11は、初期剥離ユニット12により保護フィルム5aの角部が初期剥離された状態で、液晶パネル1を後述する軌道に沿って移動させることで、液晶パネル1から保護フィルム5aを剥離する。また、搬送ユニット11は、保護フィルム5aを剥離した後、液晶パネル1を組立ライン30の取付け位置へ移動させ、バックライトモジュール6上に液晶パネル1を取り付ける。
図3に示されるように、搬送ユニット11は、6軸で構成される垂直多関節型の搬送ロボット111と、パネル吸着ハンド112と、背面保持部113とで構成されている。パネル吸着ハンド112は、搬送ロボット111の先端に取り付けられており、液晶パネル1を吸着把持する。また、背面保持部113は、パネル吸着ハンド112の第1の角部に設けられている。すなわち、背面保持部113は、パネル吸着ハンド112により液晶パネル1が吸着把持されたとき、液晶パネル1の第1の角部と当接するようになっている。保護フィルム5aの初期剥離時に液晶パネル1が撓まないように、液晶パネル1の背面(液晶パネル1における保護フィルム5aと反対側の面)を抑える。
図4は、本実施形態のフィルム剥離装置10において保護フィルム5aの角部の初期剥離を行う部分(初期剥離ユニット12)の構成を示す斜視図である。ここで、初期剥離位置での液晶パネル1の長辺と平行な軸をx軸とし、短辺と平行な軸をy軸とし、x軸およびy軸と垂直な軸をz軸とする。z軸は、液晶パネル1の法線と平行な軸であるともいえる。
初期剥離ユニット12は、液晶パネル1の裏側に設けられた保護フィルム5aの角部を初期剥離する。具体的には、初期剥離ユニット12は、搬送ユニット11によって搬送された液晶パネル1における保護フィルム5aの第1の角部を初期剥離し、剥離された保護フィルム5aの第1の角部を、保護フィルム5aの剥離完了(保護フィルム5aの全面が液晶パネル1から剥離される)まで狭持する。また、初期剥離ユニット12は、保護フィルム5aの剥離完了後、第1の角部の狭持を解除する。これにより、剥離された保護フィルム5aがフィルム排出ユニット13上に載置される。
より詳細には、図4に示されるように、初期剥離ユニット12は、傾斜ヘッド121と、傾斜ヘッド駆動部122と、エアノズル123と、剥離防止部124と、狭持部125とから構成されている。
傾斜ヘッド121は、少なくとも保護フィルム5aにおける表面と側面とが成す頂辺部、すなわち保護フィルム5aの稜線部(以下、単に稜線部と記す)を押圧するようになっていればよい。本実施形態では、傾斜ヘッド121は、円筒部材を傾けた構造になっており、この円筒部材の側面が保護フィルム5aの稜線部を押圧するようになっている。
傾斜ヘッド駆動部122は、傾斜ヘッド121を駆動して保護フィルム5aの稜線部に押圧するための機構である。より具体的には、傾斜ヘッド駆動部122は、傾斜ヘッド121をx−y平面内(x軸方向およびy軸方向)に移動させる駆動機構と、z軸方向に弾性力を持ってスライド可能なスライド機構とから構成されている。
エアノズル123は、傾斜ヘッド121の押圧によって生じた、保護フィルム5aと偏光板4aとの隙間に圧縮空気を吹き付ける。また、剥離防止部124は、エアノズル123による圧縮空気の吹付けによって剥離された保護フィルム5aが所定量だけ剥離される(所定量以上剥離されない)ようにする。狭持部125は、剥離防止部124との間に、エアノズル123による圧縮空気の吹付けによって剥離された保護フィルム5aを挟む。これにより、初期剥離ユニット12は、剥離中の保護フィルム5aを狭持する。
また、図1に示される初期剥離ユニット駆動部126は、初期剥離ユニット12を駆動する部材である。より具体的には、初期剥離ユニット駆動部126は、剥離された保護フィルム5aをフィルム排出ユニット13上に載せるために、初期剥離ユニット12を斜め下方に移動させる。
また、図1に示されるように、フィルム排出ユニット13は、排出コンベア131と、フィルム受け部(傾斜部)132と、フィルム受け駆動部133と、廃棄ボックス134とから構成されている。また、このフィルム排出ユニット13は、供給ライン20と組立ライン30との間に配置されている。搬送ユニット11が供給ライン20から組立ライン30へ液晶パネル1を搬送するときに、フィルム排出ユニット13は液晶パネル1の真下に配置されている。このフィルム排出ユニット13は、排出コンベア131で、剥離された保護フィルム5aを受けて、すでに剥離された保護フィルム5aの上に新たに剥離された保護フィルム5aを積層する。そして、排出コンベア131上に、積層した保護フィルム5aが一定枚数溜まると、排出コンベア131を駆動させて、保護フィルム5aをまとめて廃棄ボックス134へ搬送する。
排出コンベア131は、駆動可能な複数のローラで構成されている。排出コンベア131の搬送面は、床面(フィルム剥離装置10の設置面)に対して略平行に設置されている。
フィルム受け部132は、剥離された保護フィルム5aにおける垂れた部分を受ける板状の部材である。フィルム受け部132は、排出コンベア131の終端部(廃棄ボックス134側の端部)に設置され、排出コンベア131の搬送面に対して下方向に傾斜している。
フィルム受け駆動部133は、フィルム受け部132を駆動する部材である。より具体的には、フィルム受け駆動部133は、排出コンベア131とフィルム受け部132との境界線を中心軸として、フィルム受け部132を回転駆動させる。これにより、排出コンベア131の搬送面に対するフィルム受け部132の傾斜角度を変更することができる。廃棄ボックス134は、剥離された保護フィルム5aを収納する容器であり、満杯になると作業者によって交換される。
次に、本実施形態のフィルム剥離装置10を用いた保護フィルム5aの剥離方法(剥離手順)について、図1、図3、図5および図6に基づいて説明する。図5は、本実施形態のフィルム剥離装置10を用いた保護フィルム5aの剥離手順を示すフローチャートである。また、図6は、フィルム剥離装置10による保護フィルム5aの剥離中に移動する液晶パネル1の中心の軌道を示す上面図である。図6(a)は、図5におけるステップS5直後の液晶パネル1の位置を示す。図6(b)〜(e)はそれぞれ、図5におけるステップS6〜S9における液晶パネル1の中心の軌道を示す。なお、以下の剥離動作は、フィルム剥離装置10の制御ユニットによって制御される。
まず、ステップS0(スタート)では、搬送ロボット111およびパネル吸着ハンド112が待機位置で待機状態にある。そして、ステップS1(液晶パネル取り出し可能?)では、供給ライン20の受渡し位置で停止している収納ボックス21内の液晶パネル1が搬送ロボット111により取り出し可能か否かが判断される。より具体的には、ステップS1では、液晶パネル1を収納した収納ボックス21が供給コンベア22の受渡し位置に到着すると、収納ボックス21内の液晶パネル1を位置検出カメラ23で撮像する。撮像した画像から収納ボックス21内の液晶パネル1の位置および傾きを算出し、この結果をフィルム剥離装置10に送信する。送信されることにより、液晶パネル1の取出しが可能(yes)となる。液晶パネル1を収納した収納ボックス21が受渡し位置にない場合や液晶パネル1の位置および傾きの算出中は、取出し不可能(no)となり、搬送ユニット11は待機状態を継続する。
ステップS2(パネル取り出し位置移動)は、上記送信結果に基づき、搬送ロボット111の各軸を駆動させ、パネル吸着ハンド112を送信された液晶パネル1の位置に移動させる工程である。そして、ステップS3(液晶パネル把持)は、パネル吸着ハンド112により液晶パネル1を吸着把持する工程である。パネル吸着ハンド112には、液晶パネル1の大きさに合せて液晶パネル1を吸着把持する複数個の吸着パッド114が配置されている。各吸着パッド114には、パネル吸着用のエア回路(図示せず)が接続されている。各吸着パッド114の吸引力は、パネル吸着用エア回路を制御することにより調整される。これにより各吸着パッド114に個別に吸引力が導かれ、適度な吸引力によって液晶パネル1を吸着することができる。
続いて、パネル吸引用エア回路の圧力が所定値に達すると、ステップS4(初期剥離位置移動)が行われる。ステップS4は、液晶パネル1を初期剥離位置に移動させる工程である。具体的には、ステップS4において、搬送ロボット111の各軸を駆動させて、パネル吸着ハンド112により吸着把持された液晶パネル1を初期剥離位置へ移動させる。
液晶パネル1を初期剥離位置に移動させると、ステップS5(初期剥離)が行われる。ステップS5は、液晶パネル1の裏面に形成された保護フィルム5aの第1の角部を剥離し、剥離された第1の角部を狭持する初期剥離を行う工程である。具体的には、図3および図4に示されるように、液晶パネル1が初期剥離位置に移動したとき、液晶パネル1が、初期剥離ユニット12の傾斜ヘッド121とパネル背面保持部113とで挟み込まれた状態になる。この状態で、傾斜ヘッド121が少なくとも保護フィルム5aの稜線部を押圧するように、傾斜ヘッド駆動部122を駆動する。これにより、剥離対象となる保護フィルム5aが変形する。その結果、偏光板4aと保護フィルム5aとの間に隙間が生じる。この状態から、制御ユニットは、エアノズル123に接続された吹付けエア回路(図示せず)に圧縮空気を供給し、エアノズル123から圧縮空気を吹き付ける。エアノズル123によって吹き付けた圧縮空気は、傾斜ヘッド121の押圧によって生じた偏光板4aと保護フィルム5aとの隙間に入り込むことにより、隙間が大きくなり、保護フィルム5aの第1の角部が剥離する。剥離された保護フィルム5aは、圧縮空気の圧力によって、剥離防止部124に押し付けられる。剥離された保護フィルム5aが剥離防止部124に押し付けられると、制御ユニットは、狭持部125を駆動し、剥離防止部124と狭持部125とで、剥離された保護フィルム5aを挟み込む。また、制御ユニットは、傾斜ヘッド駆動部122を駆動し、傾斜ヘッド121を初期位置に戻す。以上の動作により、保護フィルム5aの初期剥離(ステップS5)が完了する。
次に、初期剥離された保護フィルム5aの第1の角部を初期剥離ユニット12により狭持した状態で、液晶パネル1を搬送ユニット11によって移動させて、液晶パネル1から保護フィルム5aを剥離する(フィルム剥離工程)。具体的には、搬送ロボット111の各軸を駆動して、パネル吸着ハンド112により吸着把持した液晶パネル1を移動させて、保護フィルム5aの剥離を行う。
ここで、保護フィルム5aの各角部について、初期剥離を行った第1の角部を起点として、液晶パネル1の表側(カラーフィルター基板3側)から見て時計回りに、第2の角部、第3の角部、第4の角部とする。すなわち、液晶パネル1の表側(カラーフィルター基板3側)から見て初期剥離を行った第1の角部と隣接する角部を第2の角部とし、第1の角部と対角関係にある角部を第3の角部とし、第1〜第3の角部以外の角部を第4の角部とする。
本実施形態のフィルム剥離装置10は、初期剥離後のフィルム剥離工程での搬送ユニット11の動作に特徴がある。より具体的には、初期剥離ユニット12によって保護フィルム5aの第1の角部が狭持された状態で、搬送ユニット11が液晶パネル1を移動させる動作に特徴がある。搬送ユニット11は、液晶パネル1を所定の軌道に移動させることにより、第2の角部から順番に第4の角部まで剥離し、最終的に保護フィルム5a全面を液晶パネル1から剥離する。以下、搬送ユニット11による液晶パネル1の移動動作について、図5および図6に基づいて、説明する。なお、図6(a)〜(e)に示された破線は、搬送ユニット11による液晶パネル1の移動動作中の、液晶パネル1における中心の軌道を示す。
まず、初期剥離完了(ステップS5の完了)直後の液晶パネル1は、図6(a)に示す位置A(第1の位置)にある。この位置Aは、保護フィルム5aの初期剥離位置と同じ位置である。
図6(a)の状態から、ステップS6(第2の角部剥離)が行われる。ステップS6では、図6(b)に示されるように、搬送ユニット11は、破線で示す軌道(円弧状軌道)に沿って、液晶パネル1を位置Aから位置B(第2の位置)まで移動させる動作を行う。この円弧状軌道の半径は、液晶パネル1の対角線長さとほぼ同等であり、中心角が45度から50度の範囲である。そして、この動作と同時に、保護フィルム5aの貼り付け面(すなわち、液晶パネル1の下面)に対し垂直であり、かつ液晶パネル1の中心付近を通る線を軸として、液晶パネル1を反時計回りに120度から130度程度回転させる動作を行う。この動作により、保護フィルム5aにおける第2の角部が剥離される。そして、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部は、その重力により、下方向に垂れた状態になる。
次に、ステップS7(第2の角部接触)では、図6(c)に示されるように、搬送ユニット11は、位置Bから位置C(第3の位置)に向けて液晶パネル1を移動させる。位置Bと位置Cとは、高さが異なり、位置Cの方が低い位置となっている。すなわち、ステップS2では、位置Bから位置Cに向けて、液晶パネル1を、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部から対角方向の斜め下方に移動させる。すなわち、液晶パネル1を、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部の対角方向と、液晶パネル1の下面の法線方向との合力方向に移動させる。ここでいう「第2の角部の対角方向」とは、偏光板4aに貼り付けられた状態での保護フィルム5aの第2の角部と第4の角部とを結ぶ対角線が、ステップS6(第2の角部剥離)終了直後において、保護フィルム5aの剥離された部分で成す直線方向である。ただし、この対角方向は、厳密に保護フィルム5aの対角線の方向である必要はなく、剥離された第2の角部をフィルム排出ユニット13のフィルム受け部132に接触させることが可能な方向であればよい。また、「液晶パネル1の下面の法線方向」とは、液晶パネル1に対し垂直下側(フィルム排出ユニット13側)の方向であるといえる。また、「合力方向」とは、ベクトルとしての「第2の角部の対角方向」とベクトルとしての「液晶パネル1の下面の法線方向」とを合成した方向を意味する。
この動作により、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部は、フィルム排出ユニット13のフィルム受け部132に接触する。この時、剥離された保護フィルム5aの粘着面は、フィルム受け部132と対向する。このため、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部はフィルム受け部132に貼り付くこととなる。
次に、ステップS8(第3の角部剥離)では、図6(d)に示されるように、搬送ユニット11は、位置Cから位置Dに向けて、液晶パネル1を移動させる。液晶パネル1の移動方向は、保護フィルム5aにおける偏光板4aから剥離された部分と剥離されていない部分(偏光板4aに貼り付いた部分)との境界線Lに対して垂直な方向である。また、ステップS8における液晶パネル1の移動方向は、液晶パネル1に貼り付けられた保護フィルム5aの貼付け面に平行である。この動作により、保護フィルム5aにおける第3の角部が剥離される。そして、保護フィルム5aにおける剥離された第3の角部は、その重力により、排出コンベア121のローラ上に落下する。ここで、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部はフィルム受け部132に貼り付いているため、保護フィルム5aにおける第2の角部と第3の角部とを結ぶ辺が、排出コンベア131のローラ上に弛まずに接触することとなる。
次に、ステップS9(第4の角部剥離)では、図6(e)に示されるように、搬送ユニット11は、位置Dから位置E(第4の位置)に向けて、液晶パネル1を移動させる。液晶パネル1の移動方向は、位置Cと位置Dとを結ぶ直線の延長方向である。すなわち、ステップS9では、ステップS8における液晶パネル1の移動方向と同じ方向に、液晶パネル1を移動させる。この動作により、保護フィルム5aにおける第4の角部が剥離される。その結果、保護フィルム5aが完全に液晶パネル1から剥離される。ステップS9にて剥離した保護フィルム5aの第4の角部は、その重力により、排出コンベア131のローラ上に落ちる。ステップS6〜S9により剥離された、保護フィルム5aは、第2の角部と第3の角部と第4の角部とを結ぶ三角形部分が、排出コンベア131のローラ上で皺にならずに接触することとなる。以上のステップS5〜S9により、液晶パネル1の裏面に形成された保護フィルム5aの剥離が完了する。
液晶パネル1における保護フィルム5aの剥離が完了すると、ステップS10(液晶パネル移載)にて、搬送ロボット111の各軸を駆動して、パネル吸着ハンド112により吸着把持した液晶パネル1を組立ライン30の取付け位置へ移動させる。この時、組立ライン30の取付け位置には、バックライトモジュール6を載せた組立パレット31が停止しており、位置決め装置33により、組立パレット31上のバックライトモジュール6の位置決めが行われている。搬送ロボット111の各軸を駆動し、液晶パネル1を位置決めされたバックライトモジュール6上に取り付けた後、パネル吸着用エア回路を制御して液晶パネルの吸着把持を解除する。
次に、ステップS11(待機位置移動)にて、搬送ロボット111の各軸を駆動して、パネル吸着ハンド112をバックライトモジュール6上から退避させ、待機位置へ移動させる。また、パネル吸着ハンド112が退避すると、組立ライン30では、位置決め装置33を解除し、組立コンベア32を駆動してバックライトモジュール6を載せた組立パレット31を後工程に搬送し、前工程から次のバックライトモジュール6を載せた組立パレット31を取付け位置に搬送する。
ここで、液晶パネル1における保護フィルム5aの剥離が完了すると同時に、初期剥離ユニット12の挟持部125で挟持されている、保護フィルム5aにおける第1の角部を解除する。具体的には、まず、挟持部125を駆動して、挟持部125と剥離防止部124とによる第1の角部の挟み込みを解除する。この時、初期剥離された保護フィルム5aの粘着面は、挟持部125側にある。それゆえ、保護フィルム5aにおける剥離された第1の角部は挟持部125に貼り付いた状態となる。続けて、初期剥離ユニット駆動部126を駆動して、初期剥離ユニット12を斜め下方に移動させる。この時、挟持部125が排出コンベア131の搬送面よりも下方となるまで初期剥離ユニット12を移動させる。この動作により、剥離後の保護フィルム5aを排出コンベア131上に載せると共に、挟持部125に貼り付いた保護フィルム5aを取外すことができる。
以上のステップS1〜S11により、液晶パネル1の裏側の保護フィルム5aを剥離し、バックライトモジュール上に取り付ける工程の一連の動作が完了する。上記の動作が所定の回数繰り返され、フィルム排出ユニット13上に剥離後の保護フィルム5aが積層されて溜まると、フィルム排出ユニット13は、保護フィルム5aの排出動作を行う。具体的には、まず、フィルム受け駆動部133を駆動することにより、フィルム受け部132の傾きを大きくし、フィルム受け部132と剥離後の保護フィルム5aとの貼付けを取外す。続いて、排出コンベア131のローラを駆動し、積層された剥離後の保護フィルム5aを塊として送り出し、廃棄ボックス134へ投入する。ここで、剥離後の保護フィルム5aを1枚だけで廃棄ボックス134に投入しようとした場合、フィルム受け部132の傾きを変えても、フィルム受け部132の傾きに合せて保護フィルム5aが曲がるだけである。このため、ローラと保護フィルム5aの貼り付きは解消できない。また、排出コンベア131のローラを駆動すると、ローラに保護フィルム5aが巻き込まれてしまい装置故障となる。一方、本実施の形態のように、剥離後の保護フィルム5aを積層して廃棄ボックス134へ投入した場合、剥離後の保護フィルム5a同士が皺にならずに積層されているため、積層体は、保護フィルム5a同士の貼り付きが強固となり曲がりにくくなる。このため、フィルム受け部132の傾きを変更すると、フィルム受け部132の傾きに合せて曲がることが出来ずに、フィルム受け部132との貼り付きが解除される。また、排出コンベア131のローラを駆動させても、ローラに巻き込まれること無く送り出すことができる。
本実施形態のフィルム剥離方法によれば、搬送ユニット11が収納ボックス21から液晶パネル1を取り出して、バックライトモジュール6に取り付ける動作を行う途中で、保護フィルム5aの剥離を行うことができる。このため、保護フィルム5aの剥離用に搬送ユニット11を別途用意する必要が無く、保護フィルム5aの剥離に必要な装置を極力減らすことができる。よって、本実施形態のフィルム剥離方法によれば、低価格で保護フィルム5aの剥離工程を自動化することができる。
〔実施の形態2〕
以下、本発明における実施の他の形態について、図7および図8に基づいて説明する。また、適宜、実施形態1の図面も参照する。なお、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材には、基本的に同一の番号を付し、その説明を一部省略する。
本実施形態でも、実施の形態1と同様に、本発明のフィルム剥離装置の一例として、図2のような液晶パネル1の裏側の偏光板4aに貼り付けられた保護フィルム5aを剥離するフィルム剥離装置について説明する。本実施形態のフィルム剥離装置を用いたフィルム剥離方法においても、用いられる供給ライン20および組立ライン30は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図7は、本実施形態のフィルム剥離装置10aの構成を示す斜視図である。フィルム剥離装置10aは、搬送ユニット11と、初期剥離ユニット12と、フィルム排出ユニット13aと図示しない制御ユニットとから構成されている。搬送ユニット11、初期剥離ユニット12、および制御ユニットの構成は、実施の形態1のフィルム剥離装置10と同様であるため、説明を省略する。本実施形態のフィルム剥離装置10aでは、フィルム排出ユニット13aの構成が実施の形態1と異なる。
具体的には、フィルム排出ユニット13aは、排出コンベア131と、フィルム受け部132aと、廃棄ボックス134と、補助挟持部(補助把持手段)135とから構成される。
排出コンベア131は、駆動可能な複数のローラで構成されている。排出コンベア131の搬送面が床面(フィルム剥離装置10aの設置面)に対して略平行に設置されている。
フィルム受け部132aは、剥離された保護フィルム5aの垂れた部分を受ける板状の部材である。フィルム受け部132aは、排出コンベア131の終端部(廃棄ボックス134側の端部)に設置され、排出コンベア131の搬送面に対して下方向に傾斜している。フィルム受け部132aの表面は、剥離された保護フィルム5aの粘着面との間で粘着しないように処理が施されている。
補助挟持部135は、剥離された保護フィルム5aの第2の角部を、フィルム受け部132aとの間で挟持する。補助挟持部135は、制御ユニットからの指令により、挟持状態と解除状態とを切り替えられる。廃棄ボックス134は、剥離された保護フィルム5aを収納する容器であり、満杯になると作業者によって交換される。
次に、フィルム剥離装置10aを用いた保護フィルム5aの剥離方法(剥離手順)について、図6、図7、および図8に基づいて説明する。図8は、本実施の形態のフィルム剥離装置10aを用いた保護フィルム5aの剥離手順をしめすフローチャートである。なお、以下の剥離動作は、フィルム剥離装置10aの制御ユニットによって制御される。ただし、供給ライン20より液晶パネル1を搬送し、初期剥離ユニット12によって保護フィルム5aの初期剥離が完了するまでの動作(ステップS1〜S5)、および保護フィルム5aの剥離が完了した後の動作(ステップS10,S11)は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。ここでは、ステップS6〜S9について説明する。
まず、初期剥離完了(ステップS5の完了)直後の液晶パネル1は、図6(a)に示す位置Aにある。この位置Aは、保護フィルム5aの初期剥離位置と同じ位置である。
図6(a)の状態から、ステップS6(第2の角部剥離)が行われる。ステップS6では、図6(b)に示されるように、搬送ユニット11は、破線で示す軌道に沿って、液晶パネル1を位置Aから位置Bまで移動させる動作を行う。そして、この動作と同時に、保護フィルム5aの貼り付け面に対し垂直であり、かつ液晶パネル1の中心付近を通る線を軸として、液晶パネル1を反時計回りに回転させる動作を行う。この動作により、保護フィルム5aにおける第2の角部が剥離される。そして、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部は、その重力により、下方向に垂れた状態になる。
次に、ステップS7a(第2の角部接触)では、図6(c)に示されるように、搬送ユニット11は、位置Bから位置Cに向けて液晶パネル1を移動させる。位置Bと位置Cとは、高さが異なり、位置Cの方が低い位置となっている。この動作により、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部は、フィルム排出ユニット13aのフィルム受け部132aに接触する。液晶パネル1が位置Cに到着すると、制御ユニットは、フィルム排出ユニット13aの補助挟持部135を駆動して、解除状態から挟持状態に切り替える。挟持状態では、補助挟持部135をフィルム受け部132aに押し当てることで、保護フィルム5aにおける剥離された第2の角部を挟持する。
次に、ステップS8(第3の角部剥離)では、図6(d)に示されるように、搬送ユニット11は、位置Cから位置Dに向けて、液晶パネル1を移動させる。液晶パネル1の移動方向は、保護フィルム5aにおける偏光板4aから剥離された部分と剥離されていない部分(偏光板4aに貼り付いた部分)との境界線に対して垂直な方向である。この動作により、保護フィルム5aにおける第3の角部が剥離される。そして、保護フィルム5aにおける剥離された第3の角部は、その重力により、排出コンベア131のローラ上に落下する。ここで、保護フィルム5aにける剥離された第2の角部がフィルム受け部132aと補助挟持部135とにより挟持されている。このため、第2の角部と第3の角部とを結ぶ辺が、排出コンベア131のローラ上に弛まずに接触することとなる。
次に、ステップS9(第4の角部剥離)では、図6(e)に示されるように、搬送ユニット11は、位置Dから位置Eに向けて、液晶パネル1を移動させる。液晶パネル1の移動方向は、位置Cと位置Dとを結ぶ直線の延長方向である。すなわち、ステップS9では、ステップS8における液晶パネル1の移動方向と同じ方向に、液晶パネル1を移動させる。この動作により、保護フィルム5aにおける第4の角部が剥離される。その結果、保護フィルム5aが完全に液晶パネル1から剥離される。ステップS9にて剥離した保護フィルム5aの第4の角部は、重力により排出コンベア131のローラ上に落ちる。ステップS6〜S9により剥離された、保護フィルム5aは、第2の角部と第3の角部と第4の角部とを結ぶ三角形部分が、排出コンベア131のローラ上で皺にならずに接触することとなる。
剥離後の保護フィルム5aの粘着力が弱いと、剥離後の保護フィルム5aにおける第2の角部の粘着力だけで、保護フィルム5aの剥離中に掛かる力を受けきれない場合がある。本実施形態のフィルム剥離方法によれば、このような場合であっても、剥離後の保護フィルム5aにおける第2の角部を確実に挟持することができる。このため、保護フィルムの粘着力の大小に係らず、同様の装置構成をとることができる。
なお、本発明は、以下のように表現することもできる。
〔1〕矩形の板状体の下面に貼り付けられた略板状体の形状のフィルムを、板状体から剥離するフィルム剥離装置であって、初期剥離を行う初期剥離手段と、上記初期剥離手段からフィルムを取外すフィルム離脱手段と、剥離されたフィルムを受け取り、排出する排出手段と、板状体をフィルムの貼り付け面が地面と略水平となるように把持し、板状体を初期剥離手段上にフィルムの第1の角部を移動させた後、板状体をフィルムの貼り付け面に対して垂直な軸周りに回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、続けて板状体を剥離されたフィルムの第2の角部から、剥離されたフィルムの対角方向の斜め下方に移動させ、更に板状体をフィルムが剥離された部分と貼り付けられた部分の境界線に対して垂直な方向に移動させうる移動手段を備えていることを特徴とするフィルム剥離装置。なお、「初期剥離」とは、フィルムの一角部が板状体から剥離され、剥離されたフィルムの一部分を把持することを意味する。
〔2〕〔1〕に記載のフィルム剥離装置を用いたフィルム剥離方法であって、上記移動手段によって、板状体を初期剥離手段上にフィルムの第1の角部を合わせ、初期剥離手段によってフィルムの第1の角部を剥離する第1段階と、板状体をフィルムの貼り付け面に対して垂直な軸周りに回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させることで、第1の角部と隣接する第2の角部を剥離する第2段階と、剥離したフィルムの第2の角部から、板状体を、剥離されたフィルムの対角方向の斜め下方に移動させることで、フィルムにおける剥離された第2の角部を排出手段上に接触させる第3段階と、板状体を、フィルムが剥離した部分と貼り付けられた部分の境界線に対して垂直な方向に移動させることで、第2の角部と隣接し、第1の角部と反対側の第3の角部にあるフィルムを剥離し、フィルムの第2の角部と第3の角部とを結ぶ辺を排出手段上に落下させる第4段階と、板状体を第4段階と同方向に更に移動させることで、フィルムの第4の角部を剥離し、排出手段上に落下させる第5段階と、上記フィルム離脱手段によって、初期剥離手段によって把持しているフィルムの第1の角部を取外して、剥離されたフィルムを排出手段上に落下させる第6段階からなるフィルム剥離方法。
上記の構成によれば、板状体から矩形上のフィルムを剥離する際に、初期剥離を行った第1の角部から時計回り、もしくは反時計回りの順番に第4の角部まで剥離を行う。そして、剥離後のフィルムを排出手段上に第2の角部から順番に貼り付けていき、最後に第1の角部を貼り付けることで、剥離されたフィルムの排出に必要な構成を簡単にすることができる。
〔3〕上記排出手段は、第1の角部の次に剥離されたフィルムの第2の角部と、接触する部分を下方向に傾斜させたことを特徴とする〔1〕記載のフィルム剥離装置。
上記の構成によれば、フィルムの剥離中に排出手段に貼り付けた第2の角部に掛かる力をフィルムの剪断方向とすることにより、フィルムの剥離中に第2の角部が排出手段から外れて、フィルムの剥離に失敗することがなくなる。
〔4〕上記排出手段は、フィルムの剥離中に剥離されたフィルムの第2の角部を把持する補助把持手段を備えることを特徴とする〔1〕記載のフィルム剥離装置。
上記の構成によれば、剥離されたフィルムの粘着力が弱い場合でも、フィルム第2の角部を挟持しているため、フィルムの粘着力の大小によらず、同様の装置構成をとることができる。
〔5〕上記排出手段は、剥離された複数枚のフィルムを積層してから排出することを特徴とする〔3〕または〔4〕記載のフィルム剥離装置。
上記の構成によれば、1枚のフィルムと比較して積層されたフィルムの方が格段に剛性が高いため、フィルムを排出した際に生じる、周辺装置への貼り付きなどをなくすことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、液晶テレビなどの電気製品の組立工程において、傷などを防ぐために用いられた保護フィルムを剥離する装置および剥離方法に適用可能である。
1 液晶パネル(板状体)
2 TFT基板
3 カラーフィルター基板
4a、4b 偏光板
5a、5b 保護フィルム(フィルム)
6 バックライトモジュール
10 フィルム剥離装置
11 搬送ユニット(移動手段)
12 初期剥離ユニット(初期剥離手段)
13 フィルム排出ユニット(排出手段)
13a フィルム排出ユニット(排出手段)
20 供給ライン
21 収納ボックス
22 供給コンベア
23 位置検出カメラ
30 組立ライン
31 組立パレット
32 組立コンベア
33 位置決め装置
111 搬送ロボット
112 パネル吸着ハンド
113 背面保持部
114 吸着パッド
121 傾斜ヘッド
122 傾斜ヘッド駆動部
123 エアノズル
124 剥離防止部
125 挟持部
126 ユニット駆動部
131 排出コンベア
132 フィルム受け部
133 フィルム受け駆動部
134 廃棄ボックス
135 補助挟持部(補助把持手段)
A 位置(第1の位置)
B 位置(第2の位置)
C 位置(第3の位置)
D 位置
E 位置(第4の位置)
L 境界線

Claims (7)

  1. 板状体の下面に貼り付けられた矩形のフィルムを、板状体から剥離するフィルム剥離装置であって、
    上記フィルムにおける第1の角部を剥離し、剥離された第1の角部を狭持する初期剥離手段と、
    上記初期剥離手段により第1の角部が狭持された状態で、上記板状体を移動させ、上記板状体からフィルム全面を剥離する移動手段と、
    剥離されたフィルムを受け取り、外部へ排出する排出手段とを備え、
    上記板状体の上面から見て上記第1の角部と隣接する角部を第2の角部とし、第1の角部と対角関係にある角部を第3の角部とし、第1〜第3の角部以外の角部を第4の角部としたとき、
    上記移動手段は、
    第1の角部が初期剥離された第1の位置から上記第2の角部が剥離される第2の位置まで、上記板状体を、板状体の下面に対して垂直な線を軸として回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、
    上記第2の位置から上記第2の角部における粘着面が上記排出手段に接触する第3の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された第2の角部の対角方向と、板状体の下面の法線方向との合力方向に移動させ、
    上記第3の位置から上記第3および第4の角部が剥離される第4の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された部分と板状体に貼り付けられた部分との境界線に対し垂直な方向に移動させることを特徴とするフィルム剥離装置。
  2. 上記排出手段は、フィルムにおける剥離された上記第2の角部と接触する部分に、下方向に傾斜した傾斜部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のフィルム剥離装置。
  3. 上記排出手段は、フィルムにおける剥離された上記第2の角部を把持する補助把持手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム剥離装置。
  4. 上記排出手段は、剥離された保護フィルムを受け取る排出コンベアを備え、該排出コンベア上で保護フィルムが複数積層された後、外部へ排出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のフィルム剥離装置。
  5. 上記移動手段は、上記フィルムにおける粘着面がフィルム剥離装置の設置面と平行になるように、上記板状体を把持することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のフィルム剥離装置。
  6. 上記初期剥離手段は、上記フィルムおける第2〜第4の角部が剥離された後、上記第1の角部の狭持を解除することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のフィルム剥離装置。
  7. 板状体の下面に貼り付けられた矩形のフィルムを、板状体から剥離するフィルム剥離方法であって、
    上記フィルムにおける第1の角部を剥離し、剥離された第1の角部を狭持する初期剥離工程と、
    上記第1の角部が狭持された状態で、上記板状体を移動させ、上記板状体からフィルム全面を剥離し、剥離されたフィルムを排出手段により外部へ排出するフィルム剥離工程とを含み、
    上記板状体の上面から見て上記第1の角部と隣接する角部を第2の角部とし、第1の角部と対角関係にある角部を第3の角部とし、第1〜第3の角部以外の角部を第4の角部としたとき、
    上記フィルム剥離工程では、
    第1の角部が初期剥離された第1の位置から第2の角部が剥離される第2の位置まで、上記板状体を、板状体の下面に対して垂直な線を軸として回転させながら、円弧状軌道に沿って移動させ、
    上記第2の位置から上記第2の角部における粘着面が上記排出手段に接触する第3の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された第2の角部の対角方向と、板状体の下面の法線方向との合力方向に移動させ、
    上記第3の位置から上記第3および第4の角部が剥離される第4の位置まで、上記板状体を、フィルムにおける剥離された部分と板状体に貼り付けられた部分との境界線に対し垂直な方向に移動させることを特徴とするフィルム剥離方法。
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JP2017175040A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 株式会社ディスコ 剥離装置
CN113928674A (zh) * 2021-10-22 2022-01-14 苏州慧工云信息科技有限公司 保护膜去除机构

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