JP2012047267A - トルク伝達構造及び動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内圧上昇がある場合でも装置の設計自由度の制限を抑制することを可能とする。
【解決手段】インナー・スプライン17を備えたクラッチ・ハウジング3と、スプラインを備えたハブ・シャフトと、インナー・スプライン17にスプライン係合するアウター・プレート9a及びスプラインに係合するインナー・プレート9bからなるメイン・クラッチ9とを備えたトルク伝達構造であって、クラッチ・ハウジング3に相対回転可能に設けられインナー・スプライン17を形成した外側可動筒状体部24と、クラッチ・ハウジング3に外側可動筒状体部24を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固により固定が可能な外側易溶融部26とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】インナー・スプライン17を備えたクラッチ・ハウジング3と、スプラインを備えたハブ・シャフトと、インナー・スプライン17にスプライン係合するアウター・プレート9a及びスプラインに係合するインナー・プレート9bからなるメイン・クラッチ9とを備えたトルク伝達構造であって、クラッチ・ハウジング3に相対回転可能に設けられインナー・スプライン17を形成した外側可動筒状体部24と、クラッチ・ハウジング3に外側可動筒状体部24を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固により固定が可能な外側易溶融部26とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、トルク伝達構造及び動力伝達装置に関する。
従来の動力伝達構造である電磁摩擦クラッチとしては、例えば特許文献1に示すようなものがある。
この電磁摩擦クラッチは、自動車のトルク伝達系に介設されたもので、メイン・クラッチ及びパイロット・クラッチの他、押圧プレート、電磁石、アーマチュア、カム機構などを備えている。
電磁石を通電制御すると、アーマチュアが電磁石に引き付けられてパイロット・クラッチが締結制御される。この締結制御によりカム機構が働き、押圧プレートが締結移動してメイン・クラッチが締結される。
電磁石の通電制御が解除されると、カム機構の働きがなくなる。
そして、前記メイン・クラッチ等はクラッチ・ハウジング、ローター、及びハブ・シャフトで囲まれた空間内に収容され、ローターとクラッチ・ハウジングとの間のオー・リング、ローターとハブ・シャフトとの間のXリングなどにより密閉され、潤滑オイルによる潤滑環境が形成されている。
ここで、電磁石の通電制御によりメイン・クラッチが締結制御されると、プレート間の摩擦により内部温度が上昇し、高温高圧となってクラッチ・ハウジング、オー・リングやXリングなどに作用する。
このような高圧になったとき、内圧によりクラッチ・ハウジングが破損し、オー・リングやXリングなどが破壊すると再走不可能になるため、温度上昇を考慮した電磁石の通電制御を行わせ、或いはクラッチ・ハウジング、オー・リングやXリングの耐圧性を高める設計を行わざるを得ず、装置の設計自由度が制限されるという問題があった。
解決しようとする問題点は、内圧上昇を考慮して装置の設計自由度が制限される点である。
本発明は、内圧上昇がある場合でも装置の設計自由度の制限を抑制することを可能とするため、インナー・スプラインを備えた外側回転部材と、スプラインを備えた内側回転部材と、前記インナー・スプラインにスプライン係合するアウター・プレート及び前記スプラインに係合するインナー・プレートからなるクラッチとを備えたトルク伝達構造であって、前記外側回転部材に相対回転可能に設けられ前記インナー・スプラインを形成した外側可動筒状体部又は前記内側回転部材に相対回転可能に設けられ前記スプラインを形成した内側可動筒状体部と、前記外側回転部材に前記外側可動筒状体部を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固により前記固定が可能な外側易溶融部又は前記内側回転部材に前記内側可動筒状体部を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固により前記固定が可能な内側易溶融部とを備えたことをトルク伝達構造の特徴とする。
本発明は、前記トルク伝達構造を備えた動力電圧装置であって、前記クラッチを締結移動により締結する押圧部材と、前記内側回転部材に相対回転可能に支持されたカム・リングと、このカム・リングと前記外側回転部材との間に設けられ電磁力により締結制御されるパイロット・クラッチと、前記カム・リングと前記押圧部材との間に形成され前記パイロット・クラッチの締結によりスラスト力を発生させ前記押圧部材を締結移動させるカム機構とを備えたことを動力伝達装置の特徴とする。
本発明のトルク伝達構造は、上記構成であるため、温度上昇により設定温度なると外側易溶融部又は内側易溶融部が溶融して外側回転部材に対し外側可動筒状体部が相対回転し、或いは内側回転部材に対し内側可動筒状体部が相対回転することができる。
このため、クラッチでのアウター・プレート及びインナー・プレート間の滑りはなくなり、温度上昇を規制することができる。
この温度上昇の規制により内部温度が設定温度を下回れば、外側易溶融部又は内側易溶融部が再凝固することも可能であり、外側回転部材に対し外側可動筒状体部を再度固定し、或いは内側回転部材に対し内側可動筒状体部を再度固定してトルク伝達を行わせることができる。
したがって、クラッチ・ハウジング等の耐圧性を高める等の設計を無理にする必要がなく、内圧上昇による破損を防止しながら設計の自由度の制限を抑制することができる。
本発明の動力伝達装置は、上記構成であるため、上記トルク伝達構造の効果を動力伝達装置において奏させることができる。
内圧上昇がある場合でも装置の設計自由度の制限を抑制することを可能にするという目的を、外側易溶融部又は内側易溶融部により実現した。
図1は、本発明の実施例1に係る動力伝達装置としての電磁摩擦クラッチの断面図である。
図1の電磁摩擦クラッチ1は、例えば四輪駆動車のリヤ側に配置され、終減速装置に備えられてプロペラシャフトに結合される。
そして、プロペラシャフトへ伝達されたトルクは、電磁摩擦クラッチ1を介して終減速装置に入力され、リヤ・デファレンシャル、アクスル・シャフトを介して後輪へ伝達される。
電磁摩擦クラッチ1は、外側回転部材であるクラッチ・ハウジング3及びローター5と、内側回転部材であるハブ・シャフト7と、クラッチとしてのメイン・クラッチ9と、締結機構11とを備えている。
このクラッチ・ハウジング3は、一端開口のハウジング本体部13を備え、このハウジング本体部13の他端部には、連結軸15が設けられ、内周にメイン・クラッチ用及びパイロット・クラッチ用のインナー・スプライン17,19が設けられ、他端部内周に雌ねじ部21が形成されている。
前記クラッチ・ハウジング3には、インナー・スプライン17を形成した外側可動筒状体部24が設けられている。
クラッチ・ハウジング3には、外側可動筒状体部24を固定し設定温度で溶融して相対回転を許容し再凝固可能な外側易溶融部26が設けられている。これら外側可動筒状体部24及び外側易溶融部26については、図2、図3を用いて後述する。
ローター5は、壁部であるローター本体部21と、内周側のボス部23と、外周側の外筒部25とが一体に形成されたものである。
ボス部23及び外筒部25間には、ローター本体部21の背面側において収容空間部27が設けられている。ローター本体部21には、非磁性部29が設けられている。
外筒部25の端部外周面には、雄ねじ部31が設けられている。この雄ねじ部31がハウジング本体部13の雌ねじ部19にねじ込まれて、ハウジング本体部13に対するローター5の固定が行われている。雄ねじ部31の端部には、ナット33が締結され、ハウジング本体部13に対するローター5の緩み止めを行っている。ローター5の外周には、オー・リング35が支持され、ハウジング本体部13の内周に密接している。
ハブ・シャフト7は、外側回転部材の内周側に配置された内側回転部材(回転部材)であり、クラッチ・ハウジング3及びローター5の内周側に配置されている。このハブ・シャフト7は、中空に形成され、中間部に隔壁37を設けている。ハブ・シャフト7には、隔壁37を挟んで、一側にスプライン39が設けられ、他側には、インナー・スプライン41が設けられている。
このハブ・シャフト7は、ベアリング43によってクラッチ・ハウジング3に回転自在に支持され、ブッシュ45によってローター5のボス部23内周に回転自在に支持されている。ボス部23のシール収容凹部47にXリング49が支持され、このXリング49は、ハブ・シャフト7の外周面に密接している。
メイン・クラッチ9は、クラッチ・ハウジング3とハブ・シャフト7との間の内部空間に介設された摩擦クラッチであり、アウター・プレート9aがクラッチ・ハウジング3のインナー・スプライン17に係合し、インナー・プレート9bがハブ・シャフト7のスプライン39に係合している。
締結機構11は、メイン・クラッチ9をローター5とクラッチ・ハウジング3の受圧面との間で締結させるものである。この締結機構11は、カム機構51と押圧部材である押圧プレート53とアーマチャ55とパイロット・クラッチ57とからなっている。
カム機構51は、ボール・カムで構成され、カム・プレート59の背面側がニードル・ベアリング61を介してローター5側に当接している。
カム・プレート59と押圧プレート53との間には、カム機構51の図示しないボールが介設されている。押圧プレート53は、スプライン39に係合し、メイン・クラッチ9方向へ押圧移動可能となっている。
アーマチャ55は、パイロット・クラッチ57を挟んでローター本体部21に対向し電磁石65の磁力によって引き付けられ、パイロット・クラッチ57をローター本体部21に対して締結するように移動する。
パイロット・クラッチ57は、アーマチャ55とローター本体部21との間に介設され、アウター・プレートがクラッチ・ハウジング3のインナー・スプライン17に係合し、インナー・プレートがカム・プレート59にスプライン係合している。
電磁石65は、クラッチ・ハウジング3、ローター5、及びハブ・シャフト7で囲まれた内部空間に対し、外部で収容空間部27内に配置され、ローター本体部21に軸方向に対向するように配置されている。電磁石65は、電流制御に応じた電磁力を発生するもので、ヨーク67に固定されている。ヨーク67は、ベアリング69を介して、ボス部23の軸受支持部23aを相対回転自在に支持している。ヨーク67には、ピン71が取り付けられ、このピン71が車体の固定側に係合している。電磁石65は、車体側の電源及びコントローラに対してハーネスを介し電気的に接続されている。
図2は、外側易溶融部周辺の拡大断面図である。
図1、図2のように、クラッチ・ハウジング3には、筒状体収容凹部75が設けられている。この筒状体収容凹部75は、インナー・スプライン17に対応して形成され、この筒状体収容凹部75には、両側にシール収容凹部77a,77bが形成されている。筒状体収容凹部75のシール収容凹部77a,77b間には、結合凹部81が周回状に形成されている。
外側可動筒状体部24は、内周に前記のようにインナー・スプライン17が形成され、アウター・プレート9aがスプライン係合している。この外側可動筒状体部24は、前記結合凹部81に径方向に対向する結合突部83が外周に周回状に形成されている。外側可動筒状体部24には、さらに結合突部83の両側にシール摺接部85a,85bが形成されている。
この外側可動筒状体部24は、筒状体収容凹部75内に嵌合するように収容され、前記シール収容凹部77a,77bに支持させたシール87a,87bがシール摺接部85a,85bに密接し、摺接可能となっている。
シール87a,87bの材料は以下のとおりである。
易溶融部26が内圧上昇で、例えば250℃〜300℃程度で溶融して、内外のトルク伝達を遮断するのであれば、シール87a,87bは、その温度域で軟化せずにシール性を保持できる材料でなければならない。
シール材料としては、石綿や、黒鉛やセラミック、鉄、銅、ステンレス、チタン、或いはそれらを含めた合金などで、無端・有端に係らずリング状に形成する。
また、耐熱性があり、クッション性に優れた別部材(ゴム、セラミックファイバー、樹脂、硬化性又は半硬化性のガスケットなど)に、上記シール材料を薄膜・薄板状に形成して組合せ被覆しリング状に形成しても良い。
なお、シール87a,87bの摺動面においては、シール性を向上させるために、相手部材への接触部の凹凸形状を適宜工夫した形状に設定する。
以上のようなシール87a,87bであれば、易溶融部26の溶融温度を超える耐熱温度を確保してシール性を保持できる。
シール摺接部85a,85bは、端部が延長され、筒状体収容凹部75の両端部に相対回転可能に嵌合している。
なお、実際には、クラッチ・ハウジング3の受圧面3a側が溶接などにより組付けられる構造とし、この溶接前に外側可動筒状体部24を筒状体収容凹部75内に軸方向から挿入嵌合して組みつけられる。
前記筒状体収容凹部75に相対回転可能に支持させた外側可動筒状体部24の結合突部83と前記結合凹部81との間には、空間部89が形成され、この空間部89に前記外側易溶融部26が収容され、凝固状態で結合突部83を結合凹部81に結合固定している。
外側易溶融部26は、本実施例において錫(融点:230℃)、亜鉛(融点:420℃)系の低融点金属を主体とした合金で形成されている。本実施例での融点は、200〜250℃に設定されている。なお、外側易溶融部26の融点は、電磁摩擦クラッチ1の故障モード時の温度(メイン・クラッチ9近傍)250〜350℃を想定して設定している。この温度幅は、故障モード時の条件による。
外側易溶融部26は、トルク伝達が可能で、溶融、再凝固ができるものであればよく、樹脂などで形成することもできる
図3(A)は、矩形溝構造の凹凸形状間の外側易溶融部を示す断面図、(B)は、波形溝構造の凹凸形状間の外側易溶融部を示す断面図である。
図3(A)は、矩形溝構造の凹凸形状間の外側易溶融部を示す断面図、(B)は、波形溝構造の凹凸形状間の外側易溶融部を示す断面図である。
図1〜図3(A)のように、前記クラッチ・ハウジング3の結合凹部81及び外側可動筒状体部24の結合突部83は、径方向対向面81a,83aを備えている。この径方向対向面81a,83aは、矩形の凹凸形状が周方向に連続するように形成されている。この凹凸形状は、組立段階では、凹凸のピッチがずれて形成され、一方の突部が他方の凹部に内外対向している。
径方向対向面81a,83aの凹凸形状により、外側易溶融部26は、結合凹部81及び結合突部83に食い込む形態となり、回転方向の結合を強固に行わせている。
なお、図3(B)のように、結合凹部81及び結合突部83の径方向対向面81a,83aの凹凸形状を波形状に形成することもできる。この場合は、外側易溶融部26の厚みを均一にすることが可能である。
[トルク伝達]
電磁石65への通電制御によって、ローター5、ヨーク67、アーマチャ55間で周回状の磁路が形成される。この磁路の形成によって、アーマチャ55がローター5側へ引き付けられる。
[トルク伝達]
電磁石65への通電制御によって、ローター5、ヨーク67、アーマチャ55間で周回状の磁路が形成される。この磁路の形成によって、アーマチャ55がローター5側へ引き付けられる。
アーマチャ55は、周回状の磁路の形成により吸引され、パイロット・クラッチ57がローター5に対して締結される。この締結によって、カム・プレート59がクラッチ・ハウジング3側に回転方向に係合する。
一方、ハブ・シャフト7側にスプライン係合する押圧プレート53は、カム・プレート59に対して回転変位し、ボールがカム面に乗り上げる。このボールの乗り上げによりカムが働き、ニードル・ベアリング61を介したローター5側に対する反力として推力を発生する。
この推力は押圧プレート53に作用し、押圧プレート53が移動し、メイン・クラッチ9を締結する。メイン・クラッチ9は、締結力に応じ、例えばクラッチ・ハウジング3からハブ・シャフト7へトルク伝達を行う。
電磁石65への通電制御が解除されると、パイロット・クラッチ57のインナー・プレート及びアウター・プレート間が滑り、カム機構51が働かなくなる。このため、押圧プレート53による押圧移動もなくなり、メイン・クラッチ9の締結が解除され、フリー状態となる。
電磁石65への通電制御が行われているとき、アウター・プレート9a及びインナー・プレート9b間の滑りによる摩擦熱で内部温度が上昇すると、内圧上昇によりクラッチ・ハウジング3やオー・リング35及びXリング49に内圧による負荷がかかる。
温度上昇により内部温度が設定温度、例えば200〜250℃に達すると外側易溶融部26が溶融してクラッチ・ハウジング3に対し外側可動筒状体部24が相対回転することができる。
このため、メイン・クラッチ9でのアウター・プレート9a及びインナー・プレート9b間の滑りはなくなり、温度上昇を規制することができる。
この温度上昇の規制により内部温度が設定温度を下回れば、外側易溶融部26は再凝固することができ、再度クラッチ・ハウジング3に対し外側可動筒状体部24を結合し、トルク伝達を行わせることができる。
[実施例1の効果]
本発明の実施例1は、インナー・スプライン17を備えたクラッチ・ハウジング3と、スプライン39を備えたハブ・シャフト7と、インナー・スプライン17にスプライン係合するアウター・プレート9a及びスプライン39に係合するインナー・プレート9bからなるメイン・クラッチ9とを備えたトルク伝達構造であって、クラッチ・ハウジング3に相対回転可能に設けられインナー・スプライン17を形成した外側可動筒状体部24と、クラッチ・ハウジング3に外側可動筒状体部24を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固可能な外側易溶融部26とを備えた。
[実施例1の効果]
本発明の実施例1は、インナー・スプライン17を備えたクラッチ・ハウジング3と、スプライン39を備えたハブ・シャフト7と、インナー・スプライン17にスプライン係合するアウター・プレート9a及びスプライン39に係合するインナー・プレート9bからなるメイン・クラッチ9とを備えたトルク伝達構造であって、クラッチ・ハウジング3に相対回転可能に設けられインナー・スプライン17を形成した外側可動筒状体部24と、クラッチ・ハウジング3に外側可動筒状体部24を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固可能な外側易溶融部26とを備えた。
このため、メイン・クラッチ9のアウター・プレート9a及びインナー・プレート9b間での滑りにより温度上昇し、この温度上昇により内部温度が設定温度なると外側易溶融部26が溶融してクラッチ・ハウジング3に対し外側可動筒状体部24が相対回転することができる。
この相対回転によりメイン・クラッチ9でのアウター・プレート9a及びインナー・プレート9b間の滑りはなくなり、温度上昇を規制することができる。
この温度上昇の規制により内部温度が設定温度を下回れば、外側易溶融部26が再凝固して再度クラッチ・ハウジング3に対し外側可動筒状体部24を結合してトルク伝達を行わせることができる。
したがって、電磁石65の通電制御により温度制御を行わせ、或いはクラッチ・ハウジング3、オー・リング35やXリング49の耐圧性を高める設計を無理にする必要がなく、これらの破損を防止しながら設計の自由度の制限を抑制することができる。
易溶融部26は、錫亜鉛系の低融点金属で形成された。
このため、トルク伝達を確実に行わせ、溶融、再凝固を確実に可能とする。
クラッチ・ハウジング3及び外側可動筒状体部24の径方向対向面81a,83aを、周方向の凹凸形状に形成した。
このため、易溶融部26が凝固すると径方向対向面81a,83aの凹凸形状に食い込む形態となり、トルク伝達を確実に行わせることができる。
図4は、本発明の実施例2に係り、内側易溶融部を備えた電磁摩擦クラッチの半断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には、同符号又は同符号にAを付し、重複した説明は省略する。
図4のように、本実施例の電磁摩擦クラッチ1Aでは、スプライン39を形成した内側可動筒状体部24Aをハブ・シャフト7Aに相対回転可能に設け、このハブ・シャフト7Aに内側可動筒状体部24Aを固定し設定温度で溶融して相対回転を許容し再凝固可能な内側易溶融部26Aを設けている。
内側可動筒状体部24Aの内周に結合凹部81Aが形成され、結合凹部81Aの両側にシール収容凹部77Aa,77Abが形成され、シール87Aa,87Abが支持されている。
ハブ・シャフト7Aには、結合周面83Aが形成され、端部7Aaは、結合周面83Aよりも径が小さく形成され、端部7Aaでベアリング43により支持されている。
結合周面83Aに前記内側可動筒状体部24Aが嵌合して取り付けられ、本実施例では、実施例1の筒状体収容凹部75に代えて結合周面83Aが内側可動筒状体部24Aを相対回転可能に支持する。シール87Aa,87Abは、結合周面83Aに密接し、摺動可能となっている。
結合周面83Aと結合凹部81Aとの間には、空間部89Aが形成され、この空間部89Aに前記内側易溶融部26Aが収容され、凝固状態で結合周面83Aに結合凹部81Aを結合固定している。
なお、本実施例においても、図3と同様に、結合凹部81A及び結合周面83Aの径方向対向面81Aa,83Aaに、周方向の矩形、波状などの凹凸形状を形成することもできる。
そして、内部温度が設定温度に達すると、内側易溶融部26Aが溶融して内側可動筒状体部24Aがハブ・シャフト7Aに対して相対回転可能となり、アウター・プレート9a及びインナー・プレート9b間の摺動による温度上昇が抑制される。
内部温度が設定値を下回ると内側易溶融部26Aが再凝固してハブ・シャフト7A及び内側可動筒状体部24A間のトルク伝達を可能とする。
したがって、本実施例においても、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。また、本実施例では、内側易溶融部26Aに働くトルクを相対的に低くすることができる。さらに、ハブ・シャフト7Aに対する内側可動筒状体部24Aの組み込み構造を簡単にすることができる。
1 電磁摩擦クラッチ(動力伝達装置)
3 クラッチ・ハウジング(外側回転部材)
5 ローター
7 ハブ・シャフト(内側回転部材)
9 メイン・クラッチ(クラッチ)
9a アウター・プレート
9b インナー・プレート
17 インナー・スプライン
24 外側可動筒状体部
24A 内側可動筒状体部
26 外側易溶融部
26A 内側易溶融部
39 スプライン
51 カム機構
53 押圧プレート(押圧部材)
57 パイロット・クラッチ
59 カム・リング
81a,83a 径方向対向面
3 クラッチ・ハウジング(外側回転部材)
5 ローター
7 ハブ・シャフト(内側回転部材)
9 メイン・クラッチ(クラッチ)
9a アウター・プレート
9b インナー・プレート
17 インナー・スプライン
24 外側可動筒状体部
24A 内側可動筒状体部
26 外側易溶融部
26A 内側易溶融部
39 スプライン
51 カム機構
53 押圧プレート(押圧部材)
57 パイロット・クラッチ
59 カム・リング
81a,83a 径方向対向面
Claims (4)
- インナー・スプラインを備えた外側回転部材と、
スプラインを備えた内側回転部材と、
前記インナー・スプラインにスプライン係合するアウター・プレート及び前記スプラインに係合するインナー・プレートからなるクラッチとを備えたトルク伝達構造であって、
前記外側回転部材に相対回転可能に設けられ前記インナー・スプラインを形成した外側可動筒状体部又は前記内側回転部材に相対回転可能に設けられ前記スプラインを形成した内側可動筒状体部と、
前記外側回転部材に前記外側可動筒状体部を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固により前記固定が可能な外側易溶融部又は前記内側回転部材に前記内側可動筒状体部を固定し設定温度で溶融し前記相対回転を許容し再凝固により前記固定が可能な内側易溶融部と、
を備えたことを特徴とするトルク伝達構造。 - 請求項1記載のトルク伝達構造であって、
前記外側易溶融部又は内側易溶融部は、錫亜鉛系の低融点金属で形成された、
ことを特徴とするトルク伝達構造。 - 請求項1又は2記載のトルク伝達構造であって、
前記外側回転部材及び前記外側可動筒状体部の径方向対向面又は前記内側回転部材及び前記内側可動筒状体部の径方向対向面を、周方向の凹凸形状に形成した、
ことを特徴とするトルク伝達構造。 - 請求項1〜3の何れかに記載のトルク伝達構造を備えた動力伝達装置であって、
前記クラッチを締結移動により締結する押圧部材と、
前記内側回転部材に相対回転可能に支持されたカム・リングと、
このカム・リングと前記外側回転部材との間に設けられ電磁力により締結制御されるパイロット・クラッチと、
前記カム・リングと前記押圧部材との間に形成され前記パイロット・クラッチの締結によりスラスト力を発生させ前記押圧部材を締結移動させるカム機構と、
を備えたことを特徴とする動力伝達装置。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010190112A Pending JP2012047267A (ja) | 2010-08-26 | 2010-08-26 | トルク伝達構造及び動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012047267A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013181923A (ja) * | 2012-03-02 | 2013-09-12 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 位置標定方法、及び位置標定システム |
-
2010
- 2010-08-26 JP JP2010190112A patent/JP2012047267A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013181923A (ja) * | 2012-03-02 | 2013-09-12 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 位置標定方法、及び位置標定システム |
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