JP2012046674A - コーティング組成物、及びその製造方法 - Google Patents

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允彦 中村
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信行 音澤
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Abstract

【課題】本発明は、環境負荷が低く、基材表面に高い撥液性を付与できるコーティング組成物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】α位が塩素原子であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレートに基づく構成単位を含有する含フッ素重合体と、ハイドロフルオロカーボン(HFC)及びハイドロフルオロエーテル(HFE)の群から選ばれる一種以上の溶媒を含む含フッ素溶媒とを含むコーティング組成物であって、α位が塩素原子であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレートに基づく構成単位の割合が各単量体に基づく構成単位の合計において40質量%以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング組成物、及びその製造方法に関する。
繊維、不織布、紙、石材、ガラス等の基材表面に水、オイル、アルコール、その他有機溶剤等に対する撥液性を付与する技術として、分子内に炭素数8以上のポリフルオロアルキル基(アルキル基の水素原子の少なくとも2個、最大で全ての水素原子がフッ素原子に置換された構造を有する基。以下、ポリフルオロアルキル基を「R基」と記す。)を含有する重合性単量体に基づく構成単位を含む重合体、または前記構成単位と他の単量体に基づく構成単位との共重合体を、有機溶媒溶液または水性分散液とした組成物を用いて物品を処理することが行われている。
一般的に撥液性は、コーティング膜におけるR基の表面配向により、表面エネルギーの低い表面が形成されることによって発現する。種々の液体に対する撥液性を両立させるためには、表面におけるR基の配向が重要であり、R基の表面配向を実現するためには、重合体中に炭素数8以上のペルフルオロアルキル基(アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された構造を有する基。以下、ペルフルオロアルキル基を「R基」と記す。)を有する単量体に基づく構成単位を有することが必要であるとされてきた。
しかし、最近、EPA(米国環境保護庁)によって、炭素数が8以上のR基を有する化合物は、環境、生体中で分解し、その分解生成物が蓄積するおそれ、すなわち環境負荷が高いおそれが指摘されている。そのため、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位を含まない重合体を含む撥液剤組成物が強く要求されている。
炭素数6以下のR基を有する単量体を使用した撥液剤組成物は、炭素数8以下のR基を有する単量体を使用した場合と比べ、R基の表面配向が弱くなるため撥液機能が低下する。そのため、炭素数6以下のR基を有する単量体を用いて、高い撥液性を付与するために、R基を含有する単量体の割合を増やしフッ素含有率の高い重合体を使用することが行われている。
しかしながら、フッ素含有率の高いポリマーは、ポリマーが過度の疎水性となるため、乳化重合が困難となる。また、フッ素含有率の高いR基を含有する単量体をハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)中で重合した例が知られているが(特許文献1)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)はオゾン層破壊能を有するためモントリオール議定書の規制対象物質であり、環境負荷が大きい。
そこで、炭素数が6以下のR基、特に炭素数が6のR基を有する単量体からなる重合体を使用した場合であっても、種々の溶剤に対し高レベルの撥液性を付与できる組成物が望まれていた。
WO2009/028572号
本発明は、環境負荷が低く、基材表面に高い撥液性を付与できるコーティング組成物、及びその製造方法を提供する。
本発明は、下記の構成要素を有するコーティング組成物、及びコーティング組成物の製造方法を提供する。
[1]下記単量体(a)に基づく構成単位を含有する含フッ素重合体と、下記含フッ素溶媒とを含むコーティング組成物であって、該単量体(a)に基づく構成単位の割合が各単量体に基づく構成単位の合計において40質量%以上であることを特徴とするコーティング組成物。
単量体(a):α位が塩素原子であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレート。
含フッ素溶媒:ハイドロフルオロカーボン(HFC)及びハイドロフルオロエーテル(HFE)の群から選ばれる一種以上の溶媒。
[2]前記含フッ素重合体が、さらに単量体(b)に基づく構成単位を含有する含フッ素重合体である[1]に記載のコーティング組成物。
単量体(b):α位が水素原子またはメチル基であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
[3]前記含フッ素重合体が、前記単量体(a)に基づく構成単位からなるホモポリマ−である[1]に記載のコーティング組成物。
[4]前記単量体(a)が、α位が塩素原子であり、炭素数6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレートである[1]〜[3]のいずれかに記載のコーティング組成物。
[5]前記ハイドロフルオロカーボン(HFC)が、炭素数が6以上であり常温・常圧で液体のハイドロフルオロカーボンである[1]〜[4]のいずれかに記載のコーティング組成物。
[6]前記ハイドロフルオロエーテル(HFE)が、炭素数が5以上であり常温・常圧で液体のハイドロフルオロエーテルである[1]〜[5]のいずれかに記載のコーティング組成物。
[7]重合開始剤存在下、重合溶媒と下記単量体(a)を各単量体の合計において40質量%以上含む混合液を重合させ含フッ素重合体を得る工程と、該含フッ素重合体を下記含フッ素溶媒に溶解または分散させる工程とを含むことを特徴とするコーティング組成物の製造方法。
単量体(a):α位が塩素原子であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレート。
含フッ素溶媒:ハイドロフルオロカーボン(HFC)及びハイドロフルオロエーテル(HFE)の群から選ばれる一種以上の溶媒。
本発明のコーティング組成物であれば、環境負荷が低く、基材表面に高い撥液性を付与できる。また、本発明の製造方法であれば、環境負荷が低く、基材表面に高い撥液性を付与するコーティング組成物を得ることができる。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。また、本明細書における(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。また、本明細書における単量体は、重合性不飽和基を有する化合物を意味する。本明細書におけるR基は、アルキル基の水素原子の一部またはすべてがフッ素原子に置換された基であり、R基は、アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基である。本明細書における常温・常圧とは、25℃、1気圧を意味する。
<含フッ素重合体>
本発明における含フッ素重合体は、単量体(a)に基づく構成単位を40質量%以上含有し、必要に応じて単量体(b)に基づく構成単位、その他の単量体(c)に基づく構成単位を含む含フッ素重合体である。
(単量体(a))
単量体(a)は、α位が塩素原子であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレートであり、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
CH=CClCOO−X−Z (1)
式(1)中のZは、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、炭素数4〜6がより好ましく、炭素数6が最も好ましい。Xは、2価有機基または単結合が好ましい。2価有機基としては、アルキレン基が含まれる基が好ましい。前記アルキレン基としては、直鎖であっても、分岐を有するものであってもよい。また、前記2価有機基には、−O−、−NH−、−CO−、−SO−、−CD=CD−(D、Dはそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。)等が含まれていてもよい。2価有機基としては、−R−Q−R−で表される基(R、Rはそれぞれ独立して、単結合、1個以上の酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜22の飽和または不飽和の炭化水素基を示し、Qは単結合、−OCONH−、−CONH−、−SONH−または−NHCONH−を示す。)が好ましい。
2価有機基の具体例としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−(CH11−、−CHCHCH(CH)−、−CH=CHCH−、−(CHCHRO)CHCH−(pは1〜10の整数、Rは水素原子またはメチル基を示す。)、−COCONHC−、−COCOOC−、−COOC−、一CHCH−SO−CHCH一等が好ましく挙げられる。単量体(a)としては、撥液性能が高いことから、α−クロロアクリル酸2−(ペルフルオロヘキシル)エチル(CH=CClCOOCHCH13)が特に好ましい。
単量体(a)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(単量体(b))
単量体(b)は、α位が水素原子またはメチル基であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートである。単量体(b)を共重合させることで、ガラス転移点(Tg)が低下し低温での加工性が優れる。単量体(b)としては、α位が水素原子またはメチル基である以外は、単量体(a)で挙げたものと同じものが挙げられる。好ましい単量体(b)は、α位が水素原子またはメチル基である以外は前記好ましい単量体(a)と同じものが挙げられ、下記化合物(2)が特に好ましい。
CH=CRCOO−X−Z (2)
ただし、Zは、炭素数4〜6のR基であり、Xは、炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rは水素原子またはメチル基である。
単量体(b)としては、具体的に、アクリル酸2−(ペルフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸2−(ペルフルオロヘキシル)エチルが挙がられる。なかでも、含フッ素重合体の溶剤への耐久性が良好であることから、メタクリル酸2−(ペルフルオロヘキシル)エチル(CH=CCHCOOCHCH13)が特に好ましい。
(単量体(c))
その他の単量体(c)は、単量体(a)及び単量体(b)以外の単量体であり、単量体(a)及び単量体(b)と共重合可能な単量体である。その他の単量体(c)としては、例えば、R基を有さない(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリロニトリル類、ビニル類、オレフィン類等、及び架橋しうる官能基を有する単量体などが挙げられる。架橋しうる官能基としては、共有結合、イオン結合または水素結合のうち少なくとも一つ以上の結合により架橋構造を形成できる官能基が好ましい。前記官能基としては、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基、シラノール基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基、カルボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基等が好ましい。また、エポキシ基、水酸基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、カルボキシル基がより好ましい。架橋しうる官能基を有する単量体としては、上記例に挙げた官能基を有する(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類またはビニルエステル類及び共重合可能な基を2個以上もつ化合物が好ましく挙げられる。
含フッ素重合体における単量体(a)に基づく構成単位の割合は、各単量体に基づく構成単位の合計において、40質量%以上であり、55〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
含フッ素重合体における単量体(b)に基づく構成単位の割合は、各単量体に基づく構成単位の合計において、0〜60質量%が好ましく、0〜45質量%がより好ましく、0〜30質量%が特に好ましい。上記の範囲であれば、各種溶剤に対する撥液性が優れる。
その他の単量体(c)に基づく構成単位の割合は、各単量体に基づく構成単位の合計において、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましく、0〜10質量%が特に好ましい。
本発明における含フッ素重合体は、単量体(a)に基づく構成単位に基づく重合体と、単量体(a)に基づく構成単位及び単量体(b)に基づく構成単位からなる共重合体をそれぞれ単独で用いてもよく、併用して用いてもよい。
なかでも、本発明における含フッ素重合体は、撥液性に優れることから、前記単量体(a)に基づく構成単位からなるホモポリマ−であることが最も好ましい。
本発明における単量体に基づく構成単位の割合は、NMR分析及び元素分析から求める。なお、NMR分析及び元素分析から求められない場合は、撥水撥油剤組成物の製造時の単量体の仕込み量に基づいて算出してもよい。
含フッ素重合体の数平均分子量(Mn)は、1000〜200000が好ましく、10000〜100000がより好ましく、10000〜50000が特に好ましい。含フッ素重合体の数平均分子量が上記範囲であれば、撥液性、造膜性、保存安定性に優れる。
含フッ素重合体の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)で測定される、ポリメタクリル酸メチル換算の分子量である。
<含フッ素溶媒>
本発明における含フッ素溶媒は、ハイドロフルオロカーボン(以下、「HFC」とする。)及びハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」とする。)の群から選ばれる一種以上の溶媒である。
HFCとしては、炭素数が6以上であり常温・常圧で液体であることが好ましい。具体的には、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン(CFCFCFCFCFCFH)、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロヘキサン(CFCFCFCFCHCH)、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン(CFCFCFCFCFCFCHCH)等が挙げられる。なかでも、沸点が低すぎずコーティング性能が良い点から、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタンが特に好ましい。
上記HFCは、一種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
HFEとしては、炭素数が5以上であり常温・常圧で液体であることが好ましい。具体的には、メチルペルフルオロイソプロピルエーテル(CHOCF(CF)、メチルペルフルオロブチルエーテル(CHOCFCFCFCF)、メチルペルフルオロヘキシルエーテル(CHOCFCFCFCFCFCF)、メチルペルフルオロオクチルエーテル(CHOCFCFCFCFCFCFCFCF)、エチルペルフルオロブチルエーテル(CHCHOCFCFCFCF)、エチルペルフルオロヘキシルエーテル(CHCHOCFCFCFCFCFCF)等が挙げられる。なかでも、沸点が低すぎずコーティング性能が良い点から、メチルペルフルオロヘキシルエーテル、エチルペルフルオロブチルエーテルが特に好ましい。
上記HFEは、一種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明における含フッ素溶媒が、HFC及びHFEの混合溶媒である場合、HFC及びHFEを、それぞれ1種ずつを混合してもよく、2種以上を混合してもよい。
本発明における含フッ素溶媒は、本発明の効果に影響を与えない範囲でHFC及びHFE以外の溶媒を含んでいてもよい。含フッ素溶媒がHFC及びHFE以外の溶媒を含む場合、含フッ素溶媒におけるHFC及びHFEの割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95〜100質量%であることが特に好ましい。
<コーティング組成物>
本発明のコーティング組成物は、前記含フッ素重合体と、前記含フッ素溶媒、必要に応じてその他の含フッ素重合体、併用剤を添加し、希釈したものである。
コーティング組成物において、含フッ素重合体の量は、含フッ素溶媒(100質量部)に対して、0.1〜30.0質量部が好ましく、0.5〜15.0質量部がより好ましく、1.0〜5.0質量部が特に好ましい。本発明のコーティング組成物は、含フッ素重合体が含フッ素溶媒に均一に溶解または分散しているものであれば特に限定されないが、なかでも含フッ素重合体が含フッ素溶媒に均一に溶解されていることが好ましい。
本発明のコーティング組成物は、さらに本発明の効果に影響を与えない範囲で、その他の含フッ素重合体を含んでいてもよい。その他の含フッ素重合体としては前記の含フッ素溶媒に可溶であればよく、例えば、含フッ素ポリエーテル、主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素ポリマーなどが挙げられる。
含フッ素ポリエーテルとしては、例えば下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
RO−(CFCFO)h−(CFO)i−R´。(3)
ただし、式(3)中のR、R´は任意の原子または原子団を表し、同一であっても異なっても良い。また、hは1以上の整数、iは0以上の整数を示す。
このようなポリマーとして例えばフォンブリンPFPE(ソルベー社製)などが挙げられる。
主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素ポリマーとしては、例えば、下図の構造を有するものが挙げられる。図中のQは炭素数10以下の、エーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基を示す。エーテル性酸素原子はペルフルオロアルキレン基の一方の末端に存在していてもよく、両末端に存在していてもよく、炭素原子間に存在していてもよい。エーテル性酸素原子を有しないペルフルオロアルキレン基の場合は炭素数2〜6、一方の末端にエーテル性酸素原子を有するまたは炭素原子間にエーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキレン基の場合は炭素数1〜4、両末端にエーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキレン基の場合は炭素数1〜3であることがより好ましい。
このようなポリマーとして例えばサイトップ(旭硝子株式会社製)、テフロン(登録商標)AF(デュポン社製)などが挙げられる。
Figure 2012046674

その他の含フッ素重合体の量は、コーティング組成物全量において、0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましく、0〜5質量%が特に好ましい。
また、本発明のコーティング組成物は、併用剤として、安定剤、帯電防止剤、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤などを含んでいてもよい。
特に安定剤としては、4−tert−ブチル−2、6−ジメチルフェノール、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、1,4−ベンゾキノン、ヒンダードアミン類等の酸化防止剤、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなどのチオール系ラジカル捕捉剤、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレート等の有機スズ系塩化物ポリマー安定剤等が挙げられる。
上記併用剤の量は、含フッ素重合体(100質量部)に対して、0.001〜3.0質量部が好ましい。
本発明のコーティング組成物にあっては、単量体(a)を含有する含フッ素重合体であっても特定のHFC及び/またはHFEを溶媒として用いることで均一に溶解または分散させることができ、コーティングに用いた際に均一に塗布することが可能となる。これにより、水や炭化水素系の溶剤に限らず、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤や酢酸エチル、酢酸ブチル、などのエステル系溶剤さらにはエタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール系溶剤に対しても高い撥液性を付与することができる。
<コーティング組成物の製造方法>
本発明の製造方法は、重合開始剤存在下、重合溶媒と下記単量体(a)を各単量体の合計において40質量%以上含む混合液を重合させ含フッ素重合体を得る工程と、含フッ素重合体を含フッ素溶媒に溶解または分散させる工程を含む。
含フッ素重合体を得る工程において、混合液は重合開始剤、上記単量体(a)、重合溶媒を含有し、さらに必要に応じて上記単量体(b)、上記単量体(c)、連鎖移動剤を含有してもよい。
単量体(a)の割合は、各単量体の合計において、40質量%以上であり、55〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、100質量%が特に好ましい。また、単量体(b)の割合は、各単量体の合計において、0〜60質量%が好ましく、0〜45質量%がより好ましく、0〜30質量%が特に好ましい。その他の単量体(c)の割合は、各単量体の合計において、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましく、0〜10質量%が特に好ましい。
上記の範囲であれば、各種溶剤に対する撥液性が優れる。混合液中に含有される単量体としては、前記単量体(a)を単独で用いることが最も好ましい。
重合開始剤としては、アゾ系開始剤や有機過酸化物系開始剤などを使用することができ、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートなどが挙げられる。なかでも、アゾ系開始剤が好ましく、アゾビスイソブチロニトリルまたは2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が特に好ましい。
重合開始剤は単量体100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲の量で用いられる。重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等、一般的な方法が適用可能であり、重合後に溶液化する後処理工程が簡便であることや乳化剤など撥液性能に悪影響を及ぼす化合物を使用する必要がないことから溶液重合が好ましい。
重合溶媒は、単量体に不活性でこれらを溶解するものであり、例えば、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカンなどのペルフルオロカーボン類、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン等のハイドロフルオロカーボン類、メチルペルフルオロイソプロピルエーテル、メチルペルフルオロブチルエーテル、メチルペルフルオロヘキシルエーテル、メチルペルフルオロオクチルエーテル、エチルペルフルオロブチルエーテル、エチルペルフルオロヘキシルエーテル等のハイドロフルオロエーテル類、その他一般的な有機溶剤として、アセトン、クロロホルム、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)などが挙げられる。
これら重合溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上の混合物として用いても良い。
上記に加え必要に応じて連鎖移動剤として、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノールなどのチオール類、その他メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、テトラクロロメタン、クロロホルムなどの連鎖移動性が高い化合物を用いることができる。
単量体(a)をラジカル重合する際には、副反応によりポリマーが着色するという問題があるが、上記の連鎖移動剤を添加することで副反応による着色を抑制することができる。着色の抑制の観点から、連鎖移動剤としてはn−ドデシルメルカプタン、またはイソプロピルアルコールが特に好ましい。
連鎖移動剤は単量体100質量部に対して、0.01〜30質量部の範囲の量で用いられる。
重合温度は、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましく、45〜65℃が特に好ましい。
重合時間は、1時間〜72時間が好ましく、10時間〜50時間が特に好ましい。
含フッ素重合体を含フッ素溶媒に溶解または分散させる工程は、重合溶媒が、本発明における含フッ素溶媒の場合、重合によって得られた反応液をそのまま本発明のコーティング組成物として用いることもできる。また、重合溶媒が、本発明における含フッ素溶媒でない場合には、含フッ素ポリマーを溶解しない貧溶媒中での再沈殿後、真空乾燥によって溶媒を完全に除いたのちに含フッ素溶媒によって置き換える工程を加えることなどによって、本発明における含フッ素溶媒に置き換えることが好ましい。コーティング組成物は、さらに用途に応じて適宜本発明における含フッ素溶媒によって希釈してもよい。
コーティング組成物における含フッ素重合体の量は、含フッ素溶媒(100質量部)に対して、0.1〜30.0質量部が好ましく、0.5〜15.0質量部がより好ましく、1.0〜5.0質量部が特に好ましい。
本発明の製造方法において、前記含フッ素重合体を得る工程と、前記含フッ素重合体を含フッ素溶媒に溶解または分散させる工程は同時に行ってもよく、別々に行っても良い。さらに、必要に応じて、その他の含フッ素重合体、添加剤を添加してもよい。その他の含フッ素重合体としては、含フッ素溶媒に可溶であればよく、例えば、前記の含フッ素ポリエーテル、主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素ポリマーなどが挙げられる。
本発明のコーティング組成物は、基材表面に処理することで高い撥液性を付与することができる。
処理される基材としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維等)、不織布、樹脂、紙、燃料電池、皮革、金属、石材、コンクリート、石膏、ガラス等が挙げられる。
処理方法としては、たとえば、公知の塗工方法によって物品にコーティング組成物を含む塗布液を塗布した後、乾燥する方法、または物品をコーティング組成物を含む塗布液に浸漬した後、乾燥する方法が挙げられる。
処理する方法としては、たとえば、ディップコート、スプレーコートが挙げられる。
乾燥する方法としては、たとえば、風乾、または熱処理により媒体を蒸発させる方法が挙げられる。媒体を除去する際の温度は、50〜200℃が好ましく、撥油性能が向上する点から、100〜150℃がより好ましい。
前記処理の後に、さらに、帯電防止加工、柔軟加工、抗菌加工、消臭加工、防水加工等を行ってもよい。
本発明の実施例についてさらに具体的に説明するが、この説明が本発明を限定するものではない。以下において「部」とあるのは「質量部」を意味し、「MEK」とあるのは「メチルエチルケトン」を意味する。
(分子量測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;ポリマーラボラトリーPLgel MIXED−C(5μm)、溶媒;アサヒクリンAK−225(旭硝子株式会社製)/ヘキサフルオロイソプロパノール混合溶媒、カラム温度;40℃、ポリメタクリル酸メチル換算)により測定した。
(フッ素重量分率)
燃焼ピロヒドロリシス法(燃焼条件はM.Noshiro,T.Yarita,Japan nalyst 1977, 26, 721−723に準ずる。フッ素イオン濃度測定;堀場製作所 カスタニーLABpHメーター F−23、フッ素イオン電極;堀場製作所 6561−10C)により測定した。
[合成例A]
α−クロロペルフルオロアルキルアクリレート(CH=CClCOOCHCH13:以下、「α−ClC6FA」とする)の5g、アサヒクリンAK−225(旭硝子株式会社製、HCFC225)の45g、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルの0.05gを耐圧ガラスアンプル(100ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、65℃で15時間重合を行った。その結果得られた重合体を含む溶液を、ヘプタン500gを入れた1Lのガラス製フラスコに攪拌しながら投入し、その後上澄み液をデカンテーションにより取り除くことで、重合体を含む固形物を得た。その固形物を乾燥することでペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Aを4.5g得た。含フッ素重合体Aの数平均分子量は17,000であった。また、フッ素重量分率の分析結果を表1に示す。
[合成例B]
ペルフルオロアルキルメタクリレート(CH=CCHCOOCHCH13:以下、「C6FMA」とする)の20g、アサヒクリンAK−225の46.7g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.11gを耐圧ガラスアンプル(100ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果得られた重合体を含む溶液を、メタノール1000gを入れた2Lのガラス製フラスコに攪拌しながら投入した。沈殿物を含む混合物を濾過することで、含フッ素重合体を含む固形物を得た。その固形物を乾燥することでペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Bを19g得た。含フッ素重合体Bの数平均分子量は33,000であった。また、重合体B中のフッ素重量分率の分析結果を表1(フッ素重量分率分析結果)に示す。
Figure 2012046674

[合成例C]
サイトップCTX−109AE(旭硝子株式会社製)100gをPTFE製の容器(100ml)に入れ、200℃で1時間乾燥させることにより、含フッ素重合体C(9.0g)を得た。
[合成例D]
α−ClC6FAの8g、アサヒクリンAC−6000(旭硝子株式会社製、C13、フッ素重量分率:71.0wt%)の72g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.24gを耐圧ガラスアンプル(100ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果ペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Dを10%含む溶液を80g得た。含フッ素重合体Dの数平均分子量は17000であった。
[合成例E]
α−ClC6FAの7.2g、C6FMAの0.8g、アサヒクリンAC−6000の72g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.24gを耐圧ガラスアンプル(100ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果ペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Eを10%含む溶液を80g得た。含フッ素重合体Eの数平均分子量は17000であった。
[合成例F]
α−ClC6FAの4.8g、C6FMAの3.2g、アサヒクリンAC−6000の72g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.24gを耐圧ガラスアンプル(100ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果ペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Fを10%含む溶液を80g得た。含フッ素重合体Fの数平均分子量は15000であった。
[合成例G]
α−ClC6FAの2.4g、C6FMAの5.6g、アサヒクリンAC−6000の72g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.24gを耐圧ガラスアンプル(100ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果ポリフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Gを10%含む溶液を80g得た。含フッ素重合体Gの数平均分子量は12000であった。
[合成例H]
α−ClC6FAの3g、アサヒクリンAC−6000の12g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.045g、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタンの0.06gを耐圧ガラスアンプル(50ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果ペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Hを20%含む溶液を15g得た。含フッ素重合体Hの数平均分子量は16000であった。
[合成例I]
α−ClC6FAの3g、アサヒクリンAC−6000の26.85g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.03g、連鎖移動剤としてイソプロピルアルコールの0.15gを耐圧ガラスアンプル(50ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果ペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Iを10%含む溶液を30g得た。含フッ素重合体Iの数平均分子量は22000であった。
[合成例J]
α−ClC6FAの3g、アサヒクリンAC−6000の26.97g、及び重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.03g、連鎖移動剤としてイソプロピルアルコールの0.03gを耐圧ガラスアンプル(50ml)に入れた。系内を3回窒素で置換した後、50℃で48時間重合を行った。その結果ペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Jを10%含む溶液を30g得た。含フッ素重合体Jの数平均分子量は30000であった。
Figure 2012046674
(ガラス基板へのコーティング)
[実施例1]
合成例Aで得た含フッ素重合体Aの2.0部をアサヒクリンAC−6000 100部に溶解し、含フッ素重合体溶液を調製した。得られた含フッ素重合体溶液をガラス基板にディップコート(引き上げ速度:5mm/sec)によりコーティングを行い150℃、1時間乾燥し、試料を得た。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例2]
合成例Aで得た含フッ素重合体Aの1.6部及び合成例Cで得た含フッ素重合体Cの0.4部をアサヒクリンAC−6000 100部に溶解した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[比較例1]
合成例Bで得た含フッ素重合体Bの2.0部をアサヒクリンAC−6000の100部に溶解し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[比較例2]
合成例Bで得た含フッ素重合体Bの1.6部及び合成例Cで得た含フッ素重合体Cの0.4部をアサヒクリンAC−6000の100部に溶解した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例3]
合成例Dで得た含フッ素重合体DのアサヒクリンAC−6000の10%溶液20部にさらにアサヒクリンAC−6000の80部を加え希釈し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例4]
合成例Eで得た含フッ素重合体EのアサヒクリンAC−6000の10%溶液20部にさらにアサヒクリンAC−6000の80部を加え希釈し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例5]
合成例Fで得た含フッ素重合体FのアサヒクリンAC−6000の10%溶液20部にさらにアサヒクリンAC−6000の80部を加え希釈し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[比較例3]
合成例Gで得た含フッ素重合体GのアサヒクリンAC−6000の10%溶液20部にさらにアサヒクリンAC−6000の80部を加え希釈し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例6]
合成例Dで得た含フッ素重合体DのアサヒクリンAC−6000の10%溶液10gを、メタノール200gを入れた500mLのガラス製フラスコに攪拌しながら投入し、その後上澄み液をデカンテーションにより取り除くことで、重合体を含む固形物を得た。その固形物を乾燥することでペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Dを0.9g得た。含フッ素重合体Dの数平均分子量は17000であった。
得られた含フッ素重合体Dの2.0部をHFE−7300(住友スリーエム社製、C13OCH、フッ素重量分率:70.6wt%)の100部に溶解し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例7]
合成例Eで得た含フッ素重合体EのアサヒクリンAC−6000の10%溶液10gを、メタノール200gを入れた500mLのガラス製フラスコに攪拌しながら投入し、その後上澄み液をデカンテーションにより取り除くことで、重合体を含む固形物を得た。その固形物を乾燥することでペルフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体Eを0.9g得た。含フッ素重合体Eの数平均分子量は17000であった。
得られた含フッ素重合体Eの2.0部をHFE−7300の100部に溶解し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例8]
合成例Hで得た含フッ素重合体HのアサヒクリンAC−6000の20%溶液10部にさらにアサヒクリンAC−6000の90部を加え希釈し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例9]
合成例Iで得た含フッ素重合体IのアサヒクリンAC−6000の10%溶液20部にさらにアサヒクリンAC−6000の80部を加え希釈し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
[実施例10]
合成例Jで得た含フッ素重合体JのアサヒクリンAC−6000の10%溶液20部にさらにアサヒクリンAC−6000の80部を加え希釈し、含フッ素重合体溶液を調製した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の接触角測定の結果を表3に、接触角測定終了後のコーティング膜の状態を表4に示す。
Figure 2012046674
Figure 2012046674
上記において、試験法は次の通りとした。
<接触角測定>
手法:液滴法
使用装置:自動接触角計 DM−500(協和界面科学株式会社)
液滴量:1.8−2.2μL
解析法:θ/2法
上記に示す条件で各種溶媒の滴下1秒後及び21秒後の接触角を測定した。
<接触角測定終了後の膜状態観察>
上記接触角測定終了後、BEMCOT(300mm×250mm、旭化成製)で液滴をふき取った。その際に、コーティング膜が侵され白色の液滴跡がついたものを「跡有り」、コーティング膜の侵食がなく液滴跡がつかなかったものを「跡なし」とした。
本発明のコーティング組成物で処理された物品は、高度な撥水撥油性、及び溶剤への耐久性を付与できるため、撥水撥油剤、特に有機溶剤への暴露可能性の高い試験研究用白衣用途や産業用機器のガスフィルター用途の撥水撥油剤として有用である。

Claims (7)

  1. 下記単量体(a)に基づく構成単位を含有する含フッ素重合体と、下記含フッ素溶媒とを含むコーティング組成物であって、該単量体(a)に基づく構成単位の割合が各単量体に基づく構成単位の合計において40質量%以上であることを特徴とするコーティング組成物。
    単量体(a):α位が塩素原子であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレート。
    含フッ素溶媒:ハイドロフルオロカーボン(HFC)及びハイドロフルオロエーテル(HFE)の群から選ばれる一種以上の溶媒。
  2. 前記含フッ素重合体が、さらに単量体(b)に基づく構成単位を含有する含フッ素重合体である請求項1に記載のコーティング組成物。
    単量体(b):α位が水素原子またはメチル基であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
  3. 前記含フッ素重合体が、前記単量体(a)に基づく構成単位からなるホモポリマ−である請求項1に記載のコーティング組成物。
  4. 前記単量体(a)が、α位が塩素原子であり、炭素数6であるペルフルオロアルキル基を有するアクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング組成物。
  5. 前記ハイドロフルオロカーボン(HFC)が、炭素数が6以上であり常温・常圧で液体のハイドロフルオロカーボンである請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング組成物。
  6. 前記ハイドロフルオロエーテル(HFE)が、炭素数が5以上であり常温・常圧で液体のハイドロフルオロエーテルである請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物。
  7. 重合開始剤存在下、重合溶媒と下記単量体(a)を各単量体の合計において40質量%以上含む混合液を重合させ含フッ素重合体を得る工程と、前記含フッ素重合体を下記含フッ素溶媒に溶解または分散させる工程とを含むことを特徴とするコーティング組成物の製造方法。
    単量体(a):α位が塩素原子であり、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有するアクリレート。
    含フッ素溶媒:ハイドロフルオロカーボン(HFC)及びハイドロフルオロエーテル(HFE)の群から選ばれる一種以上の溶媒。
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