JP2012045895A - 積層体及びその製造方法並びに動力伝動用ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンブラックなどの無機顔料による色相に優れ、かつ繊維層とゴム層との層間密着性を向上できる積層体を提供する。
【解決手段】本発明の積層体は、繊維層5とゴム層3とが積層された積層体であって、前記繊維層5が、アルカリを保持するとともに、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物が含浸された布帛で形成されている。この積層体は動力伝動用ベルトに適しており、前記積層体と、この積層体のゴム層3に圧縮ゴム層4が形成された動力伝動用ベルト1であってもよい。この動力伝動用ベルト1は、前記積層体のゴム層2がベルト長手方向に沿って心線2が埋設され、かつ圧縮ゴム層4がベルト長手方向に沿って少なくとも1つのリブ部7を有するVリブドベルトであってもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、Vリブドベルト、ローエッジVベルト、平ベルトなどの動力伝動用ベルトなどに利用できる積層体及びその製造方法並びに動力伝動用ベルトに関する。
Vリブドベルトは、帆布などの布帛を有する動力伝動用ベルトであり、通常、ベルト長手方向に延びる心線を埋設した接着ゴム層と、この接着ゴム層の表面に積層され、かつベルト長手方向に延びる複数のリブ部を有する圧縮ゴム層と、前記接着ゴム層の裏面(背面)に積層された帆布とで構成されている。Vリブドベルトの背面帆布として広く使用されている織布は、通常、経糸と緯糸の交叉角90度の平織帆布を機械的にテンター処理して両糸をベルト長手方向に対して120度で交叉するように広角度処理させている。詳細には、この帆布は、綿繊維糸100%の紡績糸で構成され、打ち込み本数が経糸、緯糸ともに10本以上/10mm、単糸引張力が9N以上/本である平織物を、強制的に広角度処理することによってベルトでの打ち込み本数を経糸、緯糸ともに14本以上/10mmとしている。そして、この帆布は、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、未加硫ゴムを帆布に擦り込むフリクションを行ったり、またRFL液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬することによって、ゴム層との接着性を向上させている。
しかし、帆布をRFL液に浸漬後、未加硫ゴムを帆布に擦り込むフリクションを行う方法では、フリクション工程に多大な時間を必要とする。また、ベルト伝達を向上させる目的でこの処理帆布をベルト背面に使用すると、ゴム粕が発生し、発生したゴム粕がベルト背面にゴムの粘着物として堆積して異音を引き起こしたり、飛散して他の部材を汚染する。一方、ソーキング液に浸漬する場合も多くの作業時間を必要とし、フリクションの場合ほどでもないが、ゴム粕が発生し、同様の問題を有している。
これに対して、特開2003−14052号公報(特許文献1)には、背面帆布として、カーボンブラック分散液とRFL液との混合溶液で接着処理した布帛を用いた動力伝動用ベルトが開示されている。この動力伝動用ベルトでは、ベルト背面上でのゴム粕の発生を阻止して背面駆動時における粘着や騒音を阻止するとともに、他の機械へのゴム粕の飛散を抑制できる。
しかし、この動力伝動用ベルトでは、帆布をカーボンブラック分散液及びRFL液の混合溶液で処理する場合には、前記混合溶液の帆布への浸透性が低く、カーボンブラックが付着し難いため、処理後の帆布が赤みがかったり、さらに経時的に変色する。そのため、浸透性を高めるために界面活性剤を大量に添加する方法や、カーボンブラックの濃度を高くする方法などの処方が必要であるが、いずれの処方においても接着ゴム層との接着力が低下することとなる。従って、良好な色相(黒色)と、接着ゴム層との接着性とを両立するためのバランスのとれた処方が必要である。
特開2003−14052号公報(請求項1)
従って、本発明の目的は、カーボンブラックなどの無機顔料による色相に優れ、かつ繊維層とゴム層との層間密着性を向上できる積層体及びその製造方法並びに動力伝動用ベルトを提供することにある。
本発明の他の目的は、ゴム粕の発生を抑制でき、かつ優れた色相と高い層間密着性とを両立できる動力伝動用ベルトを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、アルカリを保持するとともに、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む分散液が含浸された布帛で形成された繊維層をゴム層と積層することにより、カーボンブラックなどの無機顔料による色相に優れ、かつ繊維層とゴム層との層間密着性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の積層体は、繊維層とゴム層とが積層された積層体であって、前記繊維層が、アルカリを保持するとともに、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物が含浸された布帛で形成されている。前記アルカリは、アミン化合物及び/又は無機アルカリ化合物であってもよい。前記アルカリの保持量は、布帛100質量部に対して0.1〜5質量部である。前記液状組成物において、無機顔料と、フェノール類、アルデヒド類及びゴムの総量との割合(質量比)は、固形分換算で、前者/後者=10/90〜40/60程度である。前記フェノール類とアルデヒド類とは縮合してプレポリマーを構成していてもよい。前記無機顔料はカーボンブラックであり、前記フェノール類はレゾルシンであり、前記アルデヒド類はホルムアルデヒドであり、前記ゴムはビニルピリジン骨格を有するジエン系ゴムであってもよい。前記繊維層は、さらに界面活性剤を含み、かつこの界面活性剤の割合が、無機顔料100質量部に対して5質量部以下であってもよい。前記ゴム層及び/又は繊維層が架橋剤又は加硫剤を含んでいてもよい。前記ゴム層は無機顔料を含んでいてもよい。
本発明には、布帛をアルカリ性溶液で処理した後、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物を含浸させて繊維層を形成する工程、得られた繊維層とゴム層とを積層して一体化する工程を含む前記積層体の製造方法も含まれる。前記アルカリ性溶液は、アミン化合物及び/又は無機アルカリ化合物を含み、かつpHが11以上である水溶液であってもよい。この製造方法では、積層状態で繊維層及び/又はゴム層を架橋又は加硫してもよい。
本発明には、前記積層体と、この積層体のゴム層に圧縮ゴム層が形成された動力伝動用ベルトも含まれる。この動力伝動用ベルトは、ベルト長手方向に沿って心線が埋設され、かつ圧縮ゴム層がベルト長手方向に沿って少なくとも1つのリブ部を有するVリブドベルトであってもよい。
本発明によれば、アルカリ性溶液で処理した後、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む分散液を含浸させた布帛で形成された繊維層をゴム層と積層するため、カーボンブラックなどの無機顔料による色相に優れ、かつ繊維層とゴム層との層間密着性を向上できる。この積層体は、動力伝動用ベルトに適しており、ゴム粕の発生を抑制できるともに、優れた色相と高い層間密着性とを両立できる。
図1は、本発明の動力伝動用ベルトの一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の動力伝動用ベルトの他の例を示す概略断面図である。
[積層体]
本発明の積層体は、繊維層とゴム層とで構成されており、繊維層が、アルカリを保持するとともに、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物が含浸された布帛で形成されているという特徴を有している。本発明では、アルカリを保持する布帛を前記液状組成物で処理することにより、例えば、前記液状組成物で布帛を含浸する前に、アルカリ性溶液で布帛を処理することにより、良好な色相(黒色)の維持と、ゴム層との接着性とを両立できる。この理由は、布帛をアルカリで処理することにより、布帛の表面が粗くなり、液状組成物との濡れ性が向上するため、液状組成物の布帛への浸透性が向上し、布帛に無機顔料が付着し易くなるとともに、布帛に担持されたアルカリがフェノール類とアルデヒド類との架橋反応を促進するためであると推定できる。そのため、従来のように、界面活性剤を大量に添加したり、無機顔料の濃度を高くする処方を採用せずに、無機顔料の色相と層間の接着性とを両立できる。また、ゴムのフリクションやソーキングも不要であるため、ゴム粕の発生による問題も回避できる。
(繊維層及びその製造方法)
繊維層を構成する布帛としては、不織布であってもよいが、強度などの点から、織布や編布が好ましく、例えば、平織、綾織、朱子織などの織布(特に平織)が汎用される。
布帛を構成する繊維としては、例えば、綿、麻、絹などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維など)、スチレン系繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、アクリル系繊維、ビニルアルコール系繊維、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維など)、全芳香族ポリエステル繊維、ポリアミド繊維(ポリアミド6繊維など)、全芳香族ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維などの有機繊維などが挙げられれる。これらの繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの繊維のうち、綿やレーヨンなどのセルロース繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維などが汎用され、綿が特に汎用される。
繊維の繊維径は、例えば、0.1〜3mm、好ましくは0.2〜2mm、さらに好ましくは0.3〜1.5mm(特に0.5〜1mm)程度である。綿糸の場合は、例えば、5〜100番、好ましくは10〜50番、さらに好ましくは15〜30番程度であってもよい。繊維は、紡績糸やマルチフィラメント(双糸や3本以上の撚糸など)であってもよい。
繊維にアルカリを保持させる方法としては、布帛をアルカリ性溶液で処理する方法が好ましく、前記布帛をアルカリを含むアルカリ性溶液に浸漬した後、乾燥する方法が特に好ましい。なお、浸漬の代わりに、アルカリ性溶液をスプレーする方法やコーティングする方法であってもよいが、簡便な方法で、アルカリ性溶液で布帛を均一に処理できる点から、浸漬する方法が好ましい。さらに、布帛が平織などの織布である場合、熱処理前にテンターを用いて広角度処理を施してもよい。
アルカリとしては、アミン化合物(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類など)、無機アルカリ化合物(例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属化合物など)などが挙げられる。これらのアルカリは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアルカリのうち、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属化合物、トリエタノールアミンなどの三級アミンなどが汎用される。
溶媒としては、特に限定されず、例えば、水の他、水溶性溶媒(例えば、エタノールやイソプロパノールなどのアルコール、アセトンなどのケトン類など)又はこれらの混合溶媒などが使用されるが、通常、水が使用される。
アルカリの割合は、溶液全体に対して、例えば、1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%、さらに好ましくは3〜20質量%程度である。
アルカリを保持する布帛は、試料1gを採取し、50ml蒸留水に1時間浸漬した水溶液のpHが、例えば、8〜12、好ましくは9〜11、さらに好ましくは9.5〜10.5(特に9.8〜10.3)程度であってもよい。布帛に対するアルカリの担持量(保持量)は、例えば、布帛100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜3質量部、さらに好ましくは0.3〜2質量部(特に0.4〜1質量部)程度である。
アルカリ性溶液のpHは、強アルカリ性であるのが好ましく、例えば、11以上であってもよく、好ましくは11〜14、さらに好ましくは12〜13.5(特に12〜13)程度である。
アルカリ性溶液中での浸漬時間は、特に限定されず、例えば、常温(25℃程度)で1秒〜1時間、好ましくは10秒〜30分、さらに好ましくは30秒〜10分程度である。
乾燥方法は、特に限定されず、自然乾燥であってもよいが、生産性などの点から、加熱処理して乾燥するのが好ましい。熱処理温度は80〜250℃程度の範囲から選択できるが、水の沸点以上でアルカリの沸点未満が好ましく、例えば、100〜200℃、好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは100〜150℃程度である。熱処理時間は、例えば、30秒〜10分、好ましくは1〜8分、さらに好ましくは1.5〜5分(特に2〜4分)程度である。
アルカリを保持する布帛は、さらに無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物を含浸させる。含浸方法としては、液状組成物をスプレーする方法やコーティングする方法であってもよいが、簡便な方法で、布帛に液状組成物を均一に含浸できる点から、浸漬する方法が好ましい。液状組成物中での浸漬時間は、特に限定されず、例えば、常温(25℃程度)で1秒〜10分、好ましくは3秒〜1分、さらに好ましくは5秒〜30秒程度である。
無機顔料としては、例えば、黒色顔料[カーボンブラック(アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなど)など]、白色顔料[チタン系白色顔料(酸化チタンなど)、亜鉛系白色顔料(酸化亜鉛、硫化亜鉛など)、複合白色顔料(リトポンなど)、体質顔料(ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ベントナイトなど)など]、クロムエローなどの黄色顔料、酸化鉄赤などの赤色顔料、モリブデートオレンジなどの橙色顔料、クロムグリーンなどの緑色顔料、紺青などの青色顔料、マンガンバイオレットなどの紫色顔料、カドミウム系顔料、鉛系顔料、コバルト系顔料などが挙げられる。これらの無機顔料は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの無機顔料のうち、黒色顔料や白色顔料などが汎用され、カーボンブラックが特に好ましい。無機顔料(特にカーボンブラック)の平均粒径は、例えば、10〜70nm、好ましくは15〜50nm、さらに好ましくは20〜40nm程度である。カーボンブラックは、HAF、MAF、EPC、ISAなどのグレードのカーボンブラックを分散液の状態で用いてもよい。分散液は、親水化処理したカーボンブラックを用いて水中に分散させた分散液や、界面活性剤を用いてカーボンブラックを水中に分散させた分散液であってもよい。分散液中の無機顔料(特にカーボンブラック)の割合は、例えば、1〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは20〜35質量%程度である。
フェノール類としては、例えば、芳香族モノオール[例えば、フェノール、アルキルフェノール(例えば、o−,p−又はm−クレゾール、3,5−キシレノール、t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのC1−20アルキルフェノール)、アリールフェノール(例えば、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クミルフェノール)など]、芳香族ポリオール(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロールなど)、アミノフェノール(3−アミノフェノール、4−アミノフェノールなど)などが挙げられる。これらのフェノール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのフェノール類のうち、芳香族ジオール、アミノフェノールなどが好ましく、レゾルシン、ハイドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン(特に、レゾルシン)が特に好ましい。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどの芳香族アルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒドの縮合体も使用できる。これらのアルデヒド類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアルデヒド類のうち、ホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒドが好ましく、ホルムアルデヒドが特に好ましい。ホルムアルデヒドは、通常、ホルマリンとして用いられる。
アルデヒド類の割合は、ゴム層に対する接着層の接着力を高める点から、フェノール類1モルに対して、例えば、0.5〜3モル、好ましくは0.6〜2.5モル、さらに好ましくは0.7〜2モル(特に0.8〜1.5モル)程度である。
フェノール類とアルデヒド類とは、液状組成物中において、縮合してプレポリマーを形成していてもよい。プレポリマーの割合は、ゴム100質量部に対して、例えば、10〜100質量部、好ましくは20〜80質量部、さらに好ましくは30〜60質量部(特に35〜50質量部)程度である。
プレポリマーは、慣用の方法で調製でき、例えば、水中で前記アルカリ性化合物(例えば、水酸化ナトリウムなど)を触媒として用いて、前記フェノール類と前記アルデヒド類とを反応させることにより水分散液として調製できる。水分散液中のプレポリマーの割合は、例えば、1〜50質量%、好ましくは3〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%程度である。
ゴムとしては、例えば、ジエン系ゴム(例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、又はこれらのジエン系ゴムの水添物など)、オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレン非共役ジエンゴム(EPDM)など)、アクリル系ゴム、フッ素ゴム、シリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキルクロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)、オレフィン−ビニルエステル共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EAM)など)などが挙げられる。これらのゴムは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのゴムは、ゴム層を構成するゴム種との密着性などを考慮して選択できるが、これらのゴムのうち、繊維層とゴム層との接着性を向上させる点から、塩基性のジエン系ゴムが好ましく、ビニルピリジン骨格を有するジエン系ゴムが特に好ましい。このようなジエン系ゴムとしては、ブタジエン−ビニルピリジン系共重合体で構成されていてもよく、この共重合体は、さらに他の共重合性単量体を含んでいてもよい。他の共重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらのうち、スチレンなどの芳香族ビニル系単量体が汎用される。すなわち、ビニルピリジン−ブタジエン系共重合体としては、例えば、ブタジエン−ビニルピリジン共重合体、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体などが汎用される。
ゴムは、慣用の乳化剤を用いて水中に分散させたラテックスであってもよい。さらに、ラテックスと前記プレポリマーを含む水分散液との混合液において、固形分濃度は、例えば、5〜40質量%、好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは15〜30質量%程度に調整されてもよい。
本発明では、液状組成物において、無機顔料と、フェノール類、アルデヒド類及びゴムの総量との割合(質量比)は、固形分換算で、前者/後者=5/95〜50/50、好ましくは10/90〜40/60、さらに好ましくは15/85〜35/65(特に20/80〜30/70)程度である。
液状組成物には、さらに架橋剤が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。本発明では、液状組成物に架橋剤が含まれていない場合でも、繊維層とゴム層との層間密着性は高く、ゴムの滲み出しも抑制できるが、その理由は、加硫時に繊維層とゴム層とが一体化する過程において、ゴム層から繊維層に架橋剤が供給され、繊維層に含浸されたゴムも前記架橋剤により(特に繊維層とゴム層との界面及びその近辺において)架橋されるためであると推定される。液状組成物に架橋剤が配合すると、繊維層に含浸されたゴムの架橋が促進され、布帛の隙間からゴムが滲み出るのを抑制できる。さらに、得られた積層体を動力伝動用ベルトとして利用して走行しても、長期的な粘着による摩耗を抑制できる。
架橋剤としては、慣用の架橋剤を利用でき、例えば、硫黄系加硫剤、有機過酸化物、金属酸化物などが利用できる。架橋剤は、前記ゴムに対する架橋効果に加えて、ゴム層を構成するゴム種も考慮して選択するのが好ましい。
硫黄系加硫剤としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、塩化硫黄(一塩化硫黄、二塩化硫黄など)などが挙げられる。これらの硫黄系加硫剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、水に対する分散性に優れる点から、コロイド硫黄、高分散性硫黄が好ましく、沈降硫黄又は粉末硫黄を分散剤と共にボールミルやコロイドミルにかけて作製したゾルを乾燥した硫黄であるコロイド硫黄が特に好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ハイドロパーオキサイド(t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラブチルハイドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド(ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイドなど)、アルキルパーオキシエステル(t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエートなど)、パーオキシカーボネート(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネートなど)、ジアルキルパーオキサイド[ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジt−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−アミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなど]、パーオキシケタール(エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレートなど)、ケトンパーオキサイド(メチルエチルケトンパーオキサイドなど)などが挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機過酸化物のうち、ジアルキルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、パーオキシカーボネートなどが汎用される。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらの金属酸化物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属酸化物のうち、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどが好ましく、酸化亜鉛が特に好ましい。
これらの架橋剤は、液状組成物中に含まれるゴムラテックスの種類に応じて選択するのが望ましい。具体的には、ゴムラテックスがカルボキシル基やクロロスルホニル基などの官能基を有するゴムラテックスである場合に、金属酸化物による架橋効果を期待できる。また、ジエン系ゴムやオレフィン系ゴムなどの場合、コロイド硫黄及び有機過酸化物を選択してもよいが、架橋剤が水に分散可能であれば、単独で用いる場合に限定されず、これらの架橋剤を併用してもよい。
架橋剤の割合(複数種を組み合わせる場合、合計量)は、固形分換算で、ゴム(未加硫ゴム)100質量部に対して、例えば、0.2〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部、さらに好ましくは1〜15質量部(特に3〜10質量部)程度である。さらに、架橋剤として硫黄系加硫剤を用いた場合、硫黄系加硫剤(特にコロイド硫黄)の割合は、固形分換算で、ゴム100質量部に対して、例えば、0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜3質量部程度である。有機過酸化物の割合は、固形分換算で、ゴム100質量部に対して、例えば、0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜3質量部程度である。金属酸化物の割合は、固形分換算で、ゴム100質量部に対して、例えば、0.2〜15質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは3〜8質量部程度である。架橋剤の割合が多すぎると、帆布が硬くなり過ぎてゴム層との接着力が低下する。
前記架橋剤(特に硫黄系加硫剤)に加えて加硫促進剤を配合してもよい。加硫促進剤としては、例えば、チウラム系促進剤[例えば、テトラメチルチウラム・モノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラム・ジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラム・ジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラム・ジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィドなど]、チアゾ−ル系促進剤[例えば、2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−メルカプトベンゾチアゾ−ルの亜鉛塩、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなど)など]、スルフェンアミド系促進剤[例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなど]、ビスマレイミド系促進剤(例えば、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−1,2−エチレンビスマレイミドなど)、ウレア系促進剤(例えば、エチレンチオウレアなど)などが挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの加硫促進剤のうち、TMTD、DPTT、CBSなどが汎用される。
加硫促進剤の割合(複数種を組み合わせる場合は合計量)は、固形分換算で、ゴム100質量部に対して、例えば、0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは2〜5質量部程度である。0.5質量部未満の場合は加硫促進効果が低く、15質量部を超えると帆布に含浸されるラテックス成分の加硫導入時間が短くなるために、ベルト本体が架橋される前に帆布が先に硬化してしまい接着力が低下するといった問題がある。加硫促進剤の割合が少なすぎると加硫促進効果が低く、多すぎると帆布に含浸されるゴムの加硫導入時間が短くなるため、ゴム層が架橋される前に帆布が先に硬化してしまい接着力が低下し易い。
さらに、前記架橋剤に加えて架橋助剤を配合してもよい。架橋助剤としては、例えば、多官能(イソ)シアヌレート[例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)など]、ポリジエン(例えば、1,2−ポリブタジエンなど)、不飽和カルボン酸の金属塩[例えば、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウムなど]、オキシム類(例えば、キノンジオキシムなど)、グアニジン類(例えば、ジフェニルグアニジンなど)、多官能(メタ)アクリレート[例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。これらの架橋助剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。架橋助剤の割合(複数種を組み合わせる場合は合計量)は、固形分換算で、ゴム100質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜8質量部、さらに好ましくは0.1〜5質量部程度である。
液状組成物には、無機顔料、フェノール類、ホルムアルデヒド類、ゴムのための界面活性剤が含まれていてもよいが、その割合は、無機顔料100質量部に対して、10質量部以下(例えば、0〜10質量部)、好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下(例えば、0.0001〜1質量部)程度であるのが好ましい。本発明では、無機顔料などを分散させるための界面活性剤が含まれていればよく、布帛に無機顔料や樹脂成分などを含浸させるための界面活性剤の割合が5質量部以下であっても(特に実質的に含まれていなくても)、液状組成物の布帛に対する浸透性が高いため、無機顔料が少量であっても布帛の表面に均一に付着する。
無機顔料を分散させるための分散剤などとして、液状組成物に含まれる界面活性剤としては、例えば、慣用のノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
繊維層は、さらに慣用の添加剤、例えば、共加硫剤、加硫助剤、加硫遅延剤、加工剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィンなど)、増強剤(含水シリカなどの酸化ケイ素など)、充填剤(炭酸カルシウム、タルク、マイカなど)、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、加工助剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、熱安定剤など)、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、駆出剤などを含んでいてもよい。
繊維層の厚みは、例えば、0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mm、さらに好ましくは0.3〜1mm(特に0.4〜0.8mm)程度である。
(ゴム層)
ゴム層を構成するゴムとしても、前記繊維層で例示されたゴムが挙げられる。これらのゴムは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのゴムのうち、ジエン系ゴム(例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、水素化ニトリルゴム、SBRなど)、クロロスルホン化ポリエチレン(例えば、CSM、ACSMなど)、オレフィン系ゴム(例えば、EPR、EPDMなど)などが汎用され、積層体を動力伝動用ベルトなどのベルトに利用する場合、耐油性及び耐寒性を有する点から、エチレン−α−オレフィン系エラストマーが特に好ましい。
エチレン−α−オレフィン系エラストマーにおいて、α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−C3−12オレフィン系単量体などが挙げられる。これらのうち、プロピレンなどのα−C3−4オレフィン(特にプロピレン)が好ましい。エチレン−α−オレフィン系エラストマーには、さらに非共役ジエン系単量体が含まれているのが好ましい。非共役ジエン系単量体としては、例えば、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどが挙げられる。これらのうち、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどが汎用される。エチレン−α−オレフィン系エラストマーとしては、例えば、EPR、EPDMなどが汎用される。
ゴム層は、前記繊維層で例示された架橋剤、加硫助剤及び架橋助剤を含んでいてもよい。架橋剤、加硫助剤及び架橋助剤のゴムに対する割合も、前記繊維層と同様である。ゴム層がエチレン−α−オレフィン系エラストマーである場合、架橋剤は、コロイド硫黄などの硫黄系加硫剤と、酸化亜鉛などの金属酸化物との組み合わせであり、加硫助剤は、チウラム系促進剤とスルフェンアミド系促進剤との組み合わせであってもよい。
ゴム層も、繊維層と同様の添加剤を含んでいてもよい。特に、ゴム層も、カーボンブラックなどの無機顔料を含んでいてもよい。無機顔料(特にカーボンブラック)の割合は、ゴム100質量部に対して、例えば、1〜100質量部、好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは20〜60質量部(特に30〜50質量部)程度である。さらに、ゴム層は、含水シリカなどの増強剤、加工剤などを含んでいてもよい。
ゴム層の厚みは、例えば、0.3〜10mm、好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは0.6〜3mm(特に0.8〜2mm)程度である。
ゴム層は、慣用の成形方法、例えば、前記ゴム組成物を溶融混練して押出成形や射出成形によりシート状に成形できる。ゴム層は、繊維層と積層する前に加硫されていてもよいが、繊維層との接着性を向上させる点から、繊維層との積層工程で架橋又は加硫するのが望ましい。そのため、繊維層に積層する前のゴム層は、未加硫ゴム組成物が完全に架橋又は加硫しない条件(例えば、加硫温度よりも低い温度)で溶融混練してシート状に成形するのが好ましい。
さらに、ゴム層には、積層体が動力伝動用ベルトとして利用される場合、ベルト長手方向に延びる心線が埋設されていてもよい。心線(又はコード)は、厚み方向の略中央部において、ベルトの幅方向に等間隔で複数本埋設されていてもよいが、圧縮ゴム層との界面付近(ゴム層中の圧縮ゴム層寄りの部分)や繊維層との界面付近に埋設されていたり、圧縮ゴム層又は繊維層との界面でゴム層(接着ゴム層)と圧縮ゴム層又は繊維層とに挟まれていてもよいが、通常、厚み方向の中央部又は圧縮ゴム層との界面付近に埋設されている。隣接する心線の間隔(スピニングピッチ)は、例えば、0.5〜2mm、好ましくは0.8〜1.5mm、さらに好ましくは1〜1.3mm程度である。
心線としては、通常、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなど)を使用できる。心線の平均線径(撚りコードの繊維径)は、例えば、0.5〜3mm、好ましくは0.6〜1mm、さらに好ましくは0.7〜0.8mm程度である。
心線を構成する繊維としては、前記繊維層を構成する布帛の繊維として例示された繊維を使用できる。前記繊維のうち、繊維層を補強できる強度の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、アラミド繊維などの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などが汎用され、ベルトスリップ率を低下できる点から、PET繊維やPEN繊維などのポリエステル繊維が特に好ましい。ポリエステル繊維はマルチフィラメント糸であってもよい。マルチフィラメント糸の繊度は、例えば、2000〜10000デニール(特に4000〜8000デニール)程度であってもよい。
心線は、繊維層と同様に、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物で処理した後に、ゴム層に埋設してもよい。例えば、レゾルシンとホルムアルデヒドとのプレポリマー及びブタジエン−ビニルピリジン系共重合体を含む液状組成物に心線を浸漬した後、ゴム層に埋設させてもよい。さらに、液状組成物での処理の前に、慣用の接着性樹脂、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂で前処理を行ってもよい。
(積層体の製造方法)
本発明の積層体は、前記方法により液状組成物を含浸させた繊維層とゴム層とを積層して一体化することにより積層できる。両層を一体化する方法は、特に限定されないが、例えば、積層して加熱することにより一体化する方法であってもよい。本発明では、両層を積層させた状態で、両層の少なくとも一方の層を架橋又は加硫することにより製造されるが、少なくともゴム層を架橋又は加硫するのが好ましく、ゴム層及び繊維層の両層を架橋又は加硫するのが特に好ましい。そのため、加熱温度も、繊維層及び/又はゴム層を架橋又は加硫可能な温度が好ましく、例えば、80〜250℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは120〜200℃(特に150〜180℃)程度である。加熱時間は、例えば、5分〜3時間、好ましくは10分〜2時間、さらに好ましくは15分〜1時間(特に20〜40分)程度である。さらに、本発明では、加熱処理に加えて、加圧処理してもよく、ゴム層と繊維層との積層体に対して、例えば、0.1〜100MPa、好ましくは0.3〜10MPa、さらに好ましくは0.5〜5MPa(特に0.8〜2MPa)程度の圧力を作用させてもよい。
[動力伝動用ベルト]
本発明の積層体は、動力伝動用ベルトに利用してもよい。図1は、本発明の動力伝動用ベルトの一例であるVリブドベルトを示す概略断面図である。
Vリブドベルト1は、ベルト長手方向に延びる複数の心線2を埋設した接着ゴム層3と、この接着ゴム層3の表面に積層され、かつベルト長手方向に沿って3列で延びるリブ部5を有する圧縮ゴム層4と、前記接着ゴム層3の裏面(背面)に積層された繊維層6とで構成され、各リブ部5の縦断面形状は、先端に向かって先細る台形形状である。すなわち、本発明の積層体は、Vリブドベルト1の接着ゴム層3及び繊維層6として利用され、積層体の接着ゴム層3にさらに圧縮ゴム層2が積層されている。
前記圧縮ゴム層は、ベルト使用時において、プーリーと接触して圧縮される層であり、前記繊維層で例示されたゴムで構成されており、接着ゴム層との密着性の点から、通常、前記ゴム層(接着ゴム層)を構成するゴムと同一又は同種のゴムで構成されている。
圧縮ゴム層も、前記ゴム層(接着ゴム層)と同様に、前記繊維層で例示された架橋剤、加硫助剤、架橋助剤及び添加剤を含んでいてもよい。圧縮ゴム層は、通常、心線を除く接着ゴム層と同一の組成であるが、プーリーとの接触面における摩擦係数を低下させてベルト走行時の騒音又は異音を軽減するとともに、強度(特に、Vリブドベルトなどの耐側圧性)を高めるために、さらに短繊維を含んでいてもよい。短繊維としては、例えば、前記繊維層を構成する布帛の繊維として例示された繊維を使用できる。前記繊維のうち、ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、綿、アラミド繊維などの合成繊維などが汎用される。これらの短繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、剛直で高い強度を有する点から、少なくともアラミド繊維を含む短繊維が好ましい。短繊維の平均繊維長は、例えば、1〜20mm、好ましくは2〜15mm、さらに好ましくは3〜10mm程度である。短繊維の平均繊維径は、例えば、例えば、10〜30μm、好ましくは13〜27μm程度である。短繊維の割合は、ゴム100質量部に対して、例えば、1〜30質量部、好ましくは2〜25質量部程度である。
圧縮ゴム層のリブ部の縦断面形状は、台形形状に限定されず、ベルト長手方向に延びる形状であればよく、例えば、略三角形状、略半円状などであってもよい。リブ部の列数(個数)は、3列に限定されず、2〜10列程度から選択できる。
圧縮ゴム層の厚み(リブ部の頂点と、接着ゴム層との界面との最短距離)は、例えば、1〜5mm、好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3mm程度である。
図2は、本発明の動力伝動用ベルトの他の例であるローエッジVベルトを示す概略断面図である。ローエッジVベルト11は、繊維層15と、ベルト長手方向に延びる複数の心線12を埋設した接着ゴム層13と、圧縮ゴム層14と、繊維層16とがこの順序で積層され、横断面形状は、繊維層15から繊維層16に向けて先細る台形形状である。すなわち、ローエッジVベルトでは、前記Vリブドベルトと比べて、圧縮ゴム層にリブ部が形成されずに、さらに繊維層が積層されている点で相違する。このローエッジVベルトは、ベルト長手方向に沿って、所定の間隔をおいてコグ(凸部)を形成してもよい。
本発明の動力伝動用ベルトは、前記Vリブドベルト、ローエッジVベルトに限定されず、平ベルトなどにも利用できる。
[動力伝動用ベルトの製造方法]
動力伝動用ベルトの製造方法としては、慣用の方法を利用できる。例えば、円筒状の成形ドラムの周面に布帛と接着ゴム層とを巻き付けた後、前記接着ゴム層の上に心線を螺旋状にスピニングし、さらに接着ゴム層、圧縮ゴム層を順次巻きつけて未加硫(又は未架橋)スリーブを得た後、これを加硫(又は架橋)してスリーブを得る方法などが挙げられる。なお、この方法では、心線は、接着ゴム層中において、厚み方向の略中央部に埋設されるが、心線の上に圧縮ゴム層を直接巻きつけることにより、接着ゴム層に埋設される心線を圧縮ゴム層との界面付近に埋設させてもよい。
この方法において、Vリブドベルトを製造する場合には、得られたスリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架して所定の張力下で走行させながら、回転させた研削ホイールを走行中のスリーブに当接するように移動してスリーブの圧縮ゴム層の表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に研磨してもよい。さらに、このようにして得られたスリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、スリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定の幅に切断してVリブドベルトを製造してもよい。
さらに、Vリブドベルトの他の製造方法としては、次の方法も利用できる。すなわち、周面にリブ刻印を設けた円筒状の成形ドラムに、圧縮ゴム層を構成する未加硫ゴムシート、接着ゴム層を構成する未加硫ゴムシートをこの順序で巻き付ける。さらに心線をスピニングした後、背面帆布を巻き付けて未加硫スリーブを形成する。その後、この未加硫スリーブを成形ドラムに押圧しながら加硫することで、圧縮ゴム層にリブを型付けする。得られた加硫スリーブにはリブが形成されているが、必要に応じてリブ表面を研磨し、所定の幅に切断してVリブドベルトを調製してもよい。
Vリブドベルトのさらに他の製造方法としては、円筒状の成形ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に背面帆布、接着ゴム層を構成する未加硫ゴムシートを巻き付け、その上に心線をスピニングした後、さらに圧縮ゴム層を構成する未加硫ゴムシートを順次無端状に巻き付けて未加硫スリーブを形成する。その後、可撓性ジャケットを膨張させて、未加硫スリーブをリブ部に対応した刻印を有する外型に押圧して加硫成形してもよい。得られた加硫スリーブにはリブ部が形成されているが、必要に応じてリブ表面を研磨し、所定の幅に切断してVリブドベルトを調製してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例において、各物性における測定方法又は評価方法、実施例に用いた原料を以下に示す。なお、特にことわりのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(1)接触角(浸透性)
アルカリ性溶液で処理した帆布又は未処理の帆布の上に、各実施例又は比較例のカーボンブラック分散液及びRFL液(ラテックス、レゾルシン及びホルマリン)を含む混合液(黒染め液)を滴下し、接触角計(協和界面科学(株)製「CA−W」)を用いて接触角を測定した。
(2)外観(色相)
アルカリ性溶液で処理された帆布、又は未処理帆布の色の均一性と、1、2、3カ月後の色の経時変化とを目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:色相が均一であり、かつ経過により色が変化しない
△:色相が均一であるが、処理帆布がやや赤みがかり、経時変化により色が微妙に変化していく
×:色相が不均一であり、処理帆布が赤みがかり、経時変化により色が変化していく。
(3)接着力
得られた帆布とゴムとの積層体について、JIS K6256に準拠して平剥離試験を行って、接着力を評価した。
(4)背面粘着走行試験
得られたVリブドベルトについて、駆動側に配設された直径70mmのフラットプーリと、従動側に配設された直径70mmのフラットプーリにVリブドベルトの背面を懸架し、ベルト背面で回転走行させ、ベルト背面の外観状態を1分、3分、5分、7分、9分ごとに観察し、ゴム粕の発生有無を以下の基準で評価した。尚、駆動側の回転数は3500rpmで、従動側の負荷は4.1kWであり、5本のベルトを走行させた。
○:ゴム粕はなく、外観は走行前後に変化がなかった
△:ゴム粕はあったものと、なかったものとが混在し、数字はゴム粕が発生したベルト本数を示す
×:全てのベルトにおいて、ゴム粕が発生した。
(5)耐久走行試験
得られたVリブドベルトについて、駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径120mm)、これにアイドラープーリ(直径85mm)とテンションプーリ(直径45mm)とを組み合わせ、アイドラープーリとベルト背面との巻き付け角度120°、テンションプーリとベルトとの巻き付け角度90°で配置した走行試験機を用いて、試験を行った。この試験機の各プーリにベルトを掛架し、雰囲気温度85°C、駆動プーリの回転数4900rpm、従動プーリの負荷8.8kWとし、テンションプーリに559N/3リブの初張力をかけて走行させ、ベルトのリブ部に亀裂が発生するまでの時間を測定した。
(6)背面伝達走行試験
得られたVリブドベルトについて、駆動側に配設した直径80mmのフラットプーリと、従動側に配設した直径110mmのフラットプーリに、Vリブドベルトの背面を懸架して、ベルト背面で回転走行させ、トルク1.5N・mでのスリップ率(%)を測定した。摩擦係数測定では、直径60mmのプーリに巻き掛けたVリブドベルトの一端を固定し、他端に17.2Nの荷重をかけ、プーリを43rpmで回転させながらベルト張力を測定し、次式により摩擦係数を算出した。
摩擦係数=2×ln(T/17.2)/π (式中、T:ベルト張力)。
実施例1〜2
未処理の綿帆布(綿糸20s/2、経糸70本/5cm、緯糸70本/5cmの平織)を、1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性液、pH11)に60秒間浸漬した後、110℃の恒温槽にて180秒間熱処理を行った。熱処理後の帆布から試料1gを採取し、50ml蒸留水に1時間浸漬した水溶液のpHを測定したところ、pHは10.1でアルカリ性を示した。アルカリ性溶液で処理された帆布の接触角を測定した結果を表1に併記する。
アルカリ性溶液で処理した帆布を、カーボンブラック分散液及びRFL液(ラテックス、レゾルシン及びホルマリン)を含む表1に示す混合液(黒染め液)に10秒間浸漬し、テンターにより120°の広角度処理を行い、150℃で4分間熱処理した。黒染め液で処理された帆布の外観を評価した結果を表1に併記する。
次に、表2に示すゴム配合物からなる厚さ1mmのゴムシート(未加硫ゴムシート)の上に、アルカリ性溶液で処理された前記帆布を載置し、プレス盤で1MPaの圧力を掛け、150℃で20分間加硫して積層体を作製した。得られた積層体の接着力を測定した結果を表1に併記する。
比較例1〜4
アルカリ性溶液での処理を行わずに、未処理帆布のpHを実施例1と同様に測定したところ、pHは6.6であった。未処理帆布の接触角を測定した結果を表1に併記する。
この未処理の帆布を実施例1と同様に、表1に示す黒染め液で処理した。黒染め液で処理された帆布の外観を評価した結果を表1に併記する。
さらに、黒染め液で処理された帆布を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の接着力を測定した結果を表1に併記する。
Figure 2012045895
Figure 2012045895
表1の結果から明らかなように、比較例3及び4は、黒染め液に界面活性剤を添加していないため、黒染め液の浸透性が低く(帆布に着滴せず接触角を測定できない)、色が不均一である上に、処理帆布が赤みがかり、経時変化が生じた。また、比較例1及び2では、黒染め液に界面活性剤を添加し、浸透性は高いが、カーボンブラック含有量が大きい比較例1では接着力が低く、カーボンブラック含有量が小さい比較例2では、色相が低かった。
一方、予めアルカリ性溶液で処理した帆布を使用した実施例1及び2では、帆布の黒染め液との接触角が大きく、浸透性が高く、接着力、色相共に良好であった。
実施例3
圧縮ゴム層及び接着ゴム層を、それぞれ表2に示すゴム組成物から調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延した未加硫ゴムシートを用いた。圧縮ゴム層には、ゴム組成物100質量部に対して、さらに短繊維として、アラミドカット糸10質量部及びポリアミドカット糸10質量部が含まれ、各繊維はベルト幅方向に配向している。
心線としては、1,000デニールのポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)を2×3の撚り構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.0で緒撚りしたトータルデニール6,000コードを接着処理した繊維を用いた。
これらの材料と、実施例1で調製した黒染め液で処理された帆布とを用いて、慣用の方法に従って、Vリブドベルトを製造した。すなわち、円筒状の成形ドラムの周面に、前記帆布を巻き付け、その上に接着ゴム層を構成する未加硫ゴムシートを巻き付けた。次いで、その上に心線を螺旋状にスピニングした後、さらにその上に圧縮ゴム層を構成する未加硫ゴムシートを巻き付けて未加硫スリーブを形成した後、加硫缶内にて加熱して加硫スリーブを得た。次に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架して所定の張力下で走行させながら、回転させた研削ホイールを、前記加硫スリーブに当接するように移動して、スリーブの圧縮ゴム層の表面にリブ部を形成した。得られたスリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、このスリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定の幅に切断してVリブドベルトを製造した。得られたVリブドベルトはRMA規格による長さ1,100mmのK型3PK1100であった。得られたVリブドベルトの動的性能の評価を行った結果を表3に示す。
実施例4
実施例1で調製した黒染め液で処理された帆布の代わりに、実施例2で調製した黒染め液で処理された帆布を用いる以外は実施例3と同様にして、Vリブドベルトを製造し、評価した結果を表3に示す。
比較例5
実施例1で調製した黒染め液で処理された帆布の代わりに、比較例1で調製した黒染め液で処理された帆布を用いる以外は実施例3と同様にして、Vリブドベルトを製造し、評価した結果を表3に示す。
Figure 2012045895
表3の結果から明らかなように、動的性能について、実施例ではベルト背面上でのゴム粕発生阻止や耐久寿命などの性能において、優れた結果を示した。これに対して、比較例では、ベルト背面上でのゴム粕の発生が見られた。
本発明の積層体は、強度と柔軟性を要求される用途に利用され、例えば、Vリブドベルト、ローエッジVベルト、平ベルトなどの動力伝動用ベルトとして有用である。
1…Vリブドベルト
11…ローエッジVベルト
2,12…心線
3,13…接着ゴム層
4,14…圧縮ゴム層
5…リブ部
6,15,16…繊維層

Claims (14)

  1. 繊維層とゴム層とが積層された積層体であって、前記繊維層が、アルカリを保持するとともに、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物が含浸された布帛で形成されている積層体。
  2. アルカリが、アミン化合物及び/又は無機アルカリ化合物である請求項1記載の積層体。
  3. アルカリの保持量が、布帛100質量部に対して、0.1〜5質量部である請求項1又は2記載の積層体。
  4. 液状組成物において、無機顔料と、フェノール類、アルデヒド類及びゴムの総量との割合(質量比)が、固形分換算で、前者/後者=10/90〜40/60である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. フェノール類とアルデヒド類とが縮合してプレポリマーを構成している請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 無機顔料がカーボンブラックであり、フェノール類がレゾルシンであり、アルデヒド類がホルムアルデヒドであり、かつゴムがビニルピリジン骨格を有するジエン系ゴムである請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 繊維層がさらに界面活性剤を含み、かつこの界面活性剤の割合が、無機顔料100質量部に対して5質量部以下である請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. ゴム層及び/又は繊維層が架橋剤又は加硫剤を含む請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  9. ゴム層が無機顔料を含む請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. 布帛をアルカリ性溶液で処理した後、無機顔料、フェノール類、アルデヒド類及びゴムを含む液状組成物を含浸させて繊維層を形成する工程、得られた繊維層とゴム層とを積層して一体化する工程を含む請求項1記載の積層体の製造方法。
  11. アルカリ性溶液が、アミン化合物及び/又は無機アルカリ化合物を含み、かつpHが11以上の水溶液である請求項10記載の製造方法。
  12. 積層状態で繊維層及び/又はゴム層を架橋又は加硫する請求項10又は11記載の製造方法。
  13. 請求項1記載の積層体と、この積層体のゴム層に圧縮ゴム層が形成された動力伝動用ベルト。
  14. ベルト長手方向に沿って心線が埋設され、かつ圧縮ゴム層がベルト長手方向に沿って少なくとも1つのリブ部を有するVリブドベルトである請求項13記載の動力伝動用ベルト。
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