JP2012044079A - アモルファスカーボン半導体及びその製造方法並びに光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

アモルファスカーボン半導体及びその製造方法並びに光電変換素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程を従来よりも簡素化することが可能なアモルファスカーボン半導体及びその製造方法、並びに、このアモルファスカーボン半導体を用いた光電変換素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】気体に高周波を照射することにより生成したラジカル及び加熱したフラーレンを、真空成膜室へと供給する工程と、真空成膜室へと供給されたラジカル及びフラーレンを反応させる過程を経てアモルファスカーボン半導体を成膜する工程と、を有するアモルファスカーボン半導体の製造方法及び光電変換素子の製造方法、フラーレンの構造を壊すことにより生成されたフラーレン由来の物質とフラーレンとが含まれるアモルファスカーボン半導体、並びに、該アモルファスカーボン半導体をp層に用いた光電変換素子とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アモルファスカーボン半導体及びその製造方法、並びに、アモルファスカーボン半導体を用いた光電変換素子及びその製造方法に関する。
太陽電池は、発電量当たりの二酸化炭素排出量が少なく、発電用の燃料が不要という利点を有している。そのため、様々な種類の太陽電池に関する研究が、盛んに進められている。現在、実用化されている太陽電池の中では、単結晶シリコン又は多結晶シリコンを用いた、一組のpn接合を有する単接合太陽電池が主流となっている。
アモルファスカーボン半導体(以下において、「アモルファスカーボン膜」ということがある。)は、バンドギャップを広範囲に変化させることが可能であることから、新規太陽電池材料として注目されている。しかし、現状のアモルファスカーボン膜は、アモルファスシリコン等の従来太陽電池材料と比較して構造が複雑であるため、構造を制御することが難しく、半導体特性を制御することは困難である。
このようなアモルファスカーボン膜に関する技術として、例えば特許文献1には、アモルファスカーボン膜を成長させるための原料ガスに高周波(マイクロ波)を照射して該原料ガスのプラズマを生成し、基材上にアモルファスカーボン膜を形成する工程を含み、高周波(マイクロ波)の出力強度を周期的に変化させつつ高周波(マイクロ波)を原料ガスに照射することを特徴とする、アモルファスカーボン膜の製造方法が開示されている。そして、特許文献1には、原料ガスとして、炭化水素ガス、窒素ガス、及び、アルゴンガス等を用いる旨、記載されている。また、特許文献2には、π結合を持ち、5員環、6員環、7員環のうち少なくともいずれかを含む多環炭素の集合体と、多環炭素に結合した水素及び/又は窒素と、から成り、水素及び/又は窒素の含有量が5〜20重量%である半導体カーボン膜が開示されている。そして、特許文献2には、5員環を含む多環炭素としてフラーレン等が例示されている。また、特許文献3には、バック電極と、n型半導体層と、フラーレン又はカーボンナノチューブからなるナノカーボン分子層と、アモルファスカーボン層であるp型半導体層と、表面電極とを順次積層してなる炭素系光電素子が開示されている。
特開2008−291327号公報 特開2009−231810号公報 特開2003−209270号公報
特許文献1に開示されている技術によれば、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボン膜を製造することが可能になると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、照射する高周波(マイクロ波)の出力強度を周期的に変化させる必要があるため、製造工程が複雑化しやすいという問題があった。また、特許文献2に開示されている技術を用いると、成膜時の温度が高温化しやすいため、製造時に使用されるエネルギーが増大しやすいという問題があった。また、特許文献3に開示されている技術のように、フラーレンの最表面にレーザー光を照射してアモルファスカーボン層を形成すると、深さ方向の均一性を確保することが難しいという問題があった。また、特許文献3に開示されている技術で用いているレーザー光の照射系は小さいため、大面積基板への対応が難しく、スキャン機構を追加する必要があるという問題もあった。
そこで本発明は、製造工程を従来よりも簡素化することが可能なアモルファスカーボン半導体及びその製造方法、並びに、このアモルファスカーボン半導体を用いた光電変換素子及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、気体に高周波(ラジオ波)を照射することにより生成したラジカル、及び、加熱したフラーレンを、真空成膜室へと供給する供給工程と、真空成膜室へと供給されたラジカル及びフラーレンを反応させる過程を経て、アモルファスカーボン半導体を成膜する成膜工程と、を有することを特徴とする、アモルファスカーボン半導体の製造方法である。
本発明において、「ラジカル」は、例えば、窒素ガスに高周波(ラジオ波)を照射することにより生成した窒素ラジカルを用いることができ、このほか、アルゴンラジカルやヘリウムラジカル、酸素ラジカル、ネオンラジカル、水素ラジカル等を用いることも可能である。また、本発明において、「フラーレン」は、C60のほか、C70、C76、C82、C84、C90、C96、C240、C540等の公知のフラーレンを適宜用いることができる。また、本発明において、「真空成膜室」は、アモルファスカーボン半導体を成膜し得る真空度の空間であれば良く、真空成膜室の真空度は、例えば、1×10−5Pa以上1×10−4Pa以下とすることができる。また、本発明において、「アモルファスカーボン半導体」とは、物質全体として見た時にアモルファスとしての特性を有するカーボン半導体をいい、その一部に結晶性の物質を含有していても良い。
本発明の第2の態様は、気体に高周波(ラジオ波)を照射することにより生成したラジカル、及び、加熱したフラーレンを、真空成膜室へと供給する供給工程と、真空成膜室へと供給されたラジカル及びフラーレンを反応させる過程を経て、p型アモルファスカーボン半導体を成膜する成膜工程と、を有することを特徴とする、光電変換素子の製造方法である。
本発明において、「p型アモルファスカーボン半導体」とは、p型の半導体として機能する、アモルファスカーボン半導体をいう。本発明の光電変換素子の製造方法は、上記供給工程及び成膜工程を有していれば良く、光電変換素子に含まれる他の構成要素(例えば、n層、i層、表面電極、裏面電極等)は、公知の方法によって製造することができる。なお、本発明における「光電変換素子」には、太陽電池のほか、光検出素子等も含まれる。
本発明の第3の態様は、フラーレンの構造を壊すことにより生成されたフラーレン由来の物質、及び、フラーレンが含まれることを特徴とする、アモルファスカーボン半導体である。
本発明の第4の態様は、上記本発明の第3の態様にかかるアモルファスカーボン半導体をp層に用いていることを特徴とする、光電変換素子である。
本発明の光電変換素子は、本発明の第3の態様にかかるアモルファスカーボン半導体をp層に用いていれば良く、その他の構成要素(例えば、n層、i層、表面電極、裏面電極等)は、公知の形態とすることができる。
本発明の第1の態様では、ラジカルとフラーレンとを反応させ、フラーレンの構造を壊すことにより発生させた、フラーレン由来のアモルファス化したカーボンを堆積させることにより、アモルファスカーボン半導体を成膜する。例えばフラーレンとしてC60を用いた場合、C60自体はn型半導体としての機能を有するが、C60の構造を壊して発生させた、C60由来のカーボンを堆積させることにより作製したアモルファスカーボン半導体は、p型半導体としての機能を有する。ラジカルを用いて製造する本発明の第1の態様では、ラジカルを発生させる高周波(ラジオ波)の出力を周期的に変化させる必要がないので、製造工程を簡略化することができる。したがって、本発明の第1の態様によれば、製造工程を簡略化することが可能な、アモルファスカーボン半導体の製造方法を提供することができる。
本発明の第2の態様では、上記本発明の第1の態様と同様の方法で、p型アモルファスカーボン半導体を成膜する。上述のように、本発明の第1の態様によれば、アモルファスカーボン半導体の製造工程を簡略化することが可能であり、こうして製造されるアモルファスカーボン半導体はp型半導体としての機能を有する。本発明の第1の態様と同様の方法でp型アモルファスカーボン半導体を成膜することにより、p型アモルファスカーボン半導体の製造工程を簡略化することが可能になるので、本発明の第2の態様によれば、製造工程を簡略化することが可能な、光電変換素子の製造方法を提供することができる。
本発明の第3の態様にかかるアモルファスカーボン半導体は、例えば、上記本発明の第1の態様で製造することができる。したがって、本発明の第3の態様によれば、簡略化した製造工程によって製造することが可能な、アモルファスカーボン半導体を提供することができる。さらに、本発明の第3の態様にかかるアモルファスカーボン半導体には、電子の良導体であるフラーレンが含まれているので、本発明の第3の態様によれば、電子伝導抵抗を低減し得る、アモルファスカーボン半導体を提供することも可能になる。
本発明の第4の態様にかかる光電変換素子は、例えば、上記本発明の第2の態様で製造することができる。したがって、本発明の第4の態様によれば、簡略化した製造工程によって製造することが可能な、光電変換素子を提供することができる。さらに、電子の良導体であるフラーレンを含むアモルファスカーボン半導体をp層に用いているので、本発明の第4の態様によれば、電子伝導抵抗を低減し得る、光電変換素子を提供することも可能になる。
アモルファスカーボン半導体の製造方法を説明するフローチャートである。 アモルファスカーボン半導体を作製する際に用いられる装置を説明する図である。 光電変換素子の製造方法を説明するフローチャートである。 光電変換素子を説明する図である。 太陽電池のIV特性を示す図である。 太陽電池の分光感度を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されるものではない。
図1は、本発明のアモルファスカーボン半導体の製造方法を説明するフローチャートである。図1に示すように、本発明のアモルファスカーボン半導体の製造方法は、供給工程(S11)及び成膜工程(S12)を有し、供給工程及び成膜工程を経て、アモルファスカーボン半導体を製造する。
図2は、本発明のアモルファスカーボン半導体の製造方法で用いられる装置を示す図である。図2に示した装置9は、アモルファスカーボン半導体を製造可能な超高真空成膜装置9であり、真空成膜室1を超高真空に保ちながら試料交換を可能とする真空システム(ロードロックチャンバー)7を有している。装置9を用いてアモルファスカーボン半導体を成膜する際には、試料を試料台7aにセットし、ターボ分子ポンプ6を用いて試料台7aが設置されているロードロックチャンバー7の真空度を調整する。そして、ロードロックチャンバー7の真空度が1×10−5Pa程度になったら、ゲートバルブ8を開けて、試料をステージ2にセットする。真空成膜室1には、アモルファスカーボン半導体が成膜される基板を配置可能なステージ2が備えられており、ラジカルを真空成膜室1へと供給可能な材料投入部3、及び、加熱したフラーレンを真空成膜室1へと供給可能な材料投入部4等が、真空成膜室1に接続されている。このように構成される装置9は、ターボ分子ポンプ等によって構成される真空ポンプ5、6を用いて、真空成膜室1内の真空度が調整される。以下、図1及び図2を参照しつつ、本発明のアモルファスカーボン半導体の製造方法について説明を続ける。
供給工程(以下において、「S11」ということがある。)は、気体に高周波(ラジオ波、RF波)を照射することにより生成したラジカル、及び、加熱したフラーレンを、真空成膜室へと供給する工程である。S11は、例えば、流量2.53×10−3Pa・m/sの窒素ガスへ、出力200WのRF波発生器を用いて発生させたRF波を照射することにより生成した窒素ラジカルを、材料投入部3から真空成膜室1へと供給し、これと同時に、Kセルを用いて450℃にまで加熱したC60を、材料投入部4から真空成膜室1へと供給する工程、とすることができる。
成膜工程(以下において、「S12」ということがある。)は、上記S11で真空成膜室1へと供給されたラジカル及びフラーレンを反応させる過程を経て、アモルファスカーボン半導体を成膜する工程である。S12は、例えば、真空成膜室1において、450℃にまで加熱して昇華させたC60と窒素ラジカルとを反応させることにより、C60の構造を壊してC60由来のアモルファス化したカーボンを生成し、壊されずに一部残存したC60とアモルファス化したカーボンとを、ステージ2の上に配置された基板上に堆積させることにより、基板上にアモルファスカーボン半導体を成膜する工程、とすることができる。
S11及びS12を経てアモルファスカーボン半導体を製造する本発明では、窒素ラジカルを発生させる際に必要とされるRF波発生器の出力を周期的に変化させる必要がないので、製造工程を簡略化することができる。したがって、本発明によれば、製造工程を簡略化することが可能な、アモルファスカーボン半導体の製造方法を提供することができる。
本発明において、真空成膜室1へと供給されるフラーレンの供給量を増やしたい場合には、Kセルの温度を高くすれば良く、フラーレンの供給量を減らしたい場合には、Kセルの温度を低くすれば良い。また、真空成膜室1へと供給される窒素ラジカルの供給量は、RF波を照射される窒素ガスの流量やRF波発生器の出力を変更することによって制御することができる。
本発明において、S12の時間(アモルファスカーボン半導体を成膜する時間)は、特に限定されるものではなく、所望の厚さのアモルファスカーボン半導体膜を作製可能な任意の時間とすることができる。当該時間は、例えば、30秒〜120分程度、とすることができる。
60を用いて、S11及びS12を経て製造したアモルファスカーボン半導体は、C60由来のアモルファス化したカーボン及びC60を有している。かかる形態のアモルファスカーボン半導体は、p型半導体として機能させることができるので、本発明によれば、製造工程を簡略化することが可能な、p型アモルファスカーボン半導体の製造方法を提供することができる。
また、S11及びS12を経て製造したアモルファスカーボン半導体は、フラーレンを壊してアモルファス化したカーボンと、フラーレンを含有している。フラーレンは、電子の良導体であるため、フラーレンを含有するアモルファスカーボン半導体の電子伝導抵抗は、フラーレンを含有していない従来のアモルファスカーボン半導体の電子伝導抵抗よりも低い。したがって、本発明によれば、電子伝導抵抗を低減することが可能な、アモルファスカーボン半導体を提供することができる。
本発明のアモルファスカーボン半導体に含まれている、フラーレン由来の物質やフラーレンは、例えば、ラマン分光法、透過型電子顕微鏡、電気的測定、ホール効果測定によって特定することができる。すなわち、アモルファスカーボン半導体が本発明のアモルファスカーボン半導体であるか否かは、例えば、ラマン分光法、透過型電子顕微鏡、電気的測定、ホール効果測定によって、フラーレン由来の物質やフラーレンが含まれているか否かを調べることにより、調査することができる。
図3は、本発明の光電変換素子の製造方法を説明するフローチャートである。図3に示すように、本発明の光電変換素子の製造方法は、表面電極作製工程(S21)と、正孔輸送層作製工程(S22)と、p層作製工程(S23)と、n層作製工程(S24)と、裏面電極作製工程(S25)と、を有し、これらの工程を経て、光電変換素子が製造される。
図4は、本発明の光電変換素子10を説明する断面図である。図4に示すように、本発明の光電変換素子10(以下において、「太陽電池10」ということがある。)は、紙面下側から順に、基板11と、表面電極12と、正孔輸送層13と、p層14と、n層15と、裏面電極16と、を有し、これらが順に積層される過程を経て、太陽電池10が製造されている。以下、図1〜図4を参照しつつ、本発明について説明を続ける。
表面電極作製工程(以下において、「S21」ということがある。)は、任意の基板上に表面電極を作製する工程である。S21は公知の形態とすることができ、例えば、基板11がガラス基板であり表面電極12がITOである場合には、基板11の表面にITO膜を形成する代わりに、ガラス基板11と該ガラス基板11の表面に形成されたITO12(表面電極12)とを有する基板を用意する工程、とすることも可能である。
正孔輸送層作製工程(以下において、「S22」ということがある。)は、S21で作製された(又は、S21で用意された)表面電極12の表面に、公知の方法で正孔輸送層13を作製する工程である。正孔輸送層13は、公知の形態とすることができる。正孔輸送層13がPEDOT:PSS(3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸)によって構成される場合、S22は、表面電極12の表面に、スピンキャスト法で正孔輸送層13を作製する工程、とすることができる。
p層作製工程(以下において、「S23」ということがある。)は、S22で作製された正孔輸送層13の表面に、p層14を作製する工程であり、上記S11及びS12を経てp層14を作製する工程である。S23は、より具体的には、装置9を用いて、上記S11及びS12により、p型アモルファスカーボン半導体(p層14)を、正孔輸送層13の表面に作製する工程である。
n層作製工程(以下において、「S24」ということがある。)は、S23で作製されたp層14の表面に、n層15を作製する工程である。S24は公知の形態とすることができる。S24は、例えば、装置9の真空成膜室1で作製されステージ2の上に配置されているp層14の表面に、n層15を作製する工程、とすることができる。より具体的には、例えば、Kセルを用いて450℃にまで加熱し昇華させたC60を材料投入部4から真空成膜室1へと供給し、p層14の表面にC60を堆積させることにより、膜状のフラーレン層(n層15)を作製する工程、とすることができる。このような形態のS24とする場合、n層15の作製時にラジカルは不要であるので、ラジカルは、n層15の作製時に真空成膜室1へ供給されない。
裏面電極作製工程(以下において、「S25」ということがある。)は、S24で作製されたn層15の表面に、裏面電極16を作製する工程である。S25は公知の形態とすることができ、例えば、裏面電極16の構成材料がAlである場合には、電子ビーム蒸着法に代表される蒸着法等によって、n層15の表面に裏面電極16を作製する工程、とすることができる。
S21〜S25を経て太陽電池10を製造する本発明では、S11及びS12を用いてp層14を作製している。そのため、アモルファスカーボン半導体をp層として用いる太陽電池を製造する従来方法と比較して、製造工程を簡略化することができる。したがって、本発明によれば、製造工程を簡略化することが可能な、太陽電池(光電変換素子)の製造方法を提供することができる。
S21〜S25を経て製造される太陽電池10(光電変換素子)は、S11及びS12を用いて作製されたp層14(p型のアモルファスカーボン半導体14)を有している。p層14は、フラーレンを壊してアモルファス化したカーボンと、フラーレンを含有している。フラーレンは、電子の良導体であるため、フラーレンを含有するp層14の電子伝導抵抗は、従来のアモルファスカーボン半導体の電子伝導抵抗よりも低い。したがって、本発明によれば、電子伝導抵抗を低減することが可能な、太陽電池10(光電変換素子)を提供することができる。
本発明の光電変換素子の製造方法が、装置9を用いて膜状のフラーレンによって構成されるn層15を作製する形態のn層作製工程を有する場合、当該n層作製工程の時間(n層15を成膜する時間)は特に限定されるものではなく、所望の厚さのn層15を作製可能な任意の時間とすることができる。当該時間は、例えば、30秒〜120分程度、とすることができる。
本発明に関する上記説明では、ラジカルとして、窒素ガスにRF波を照射することにより発生させた窒素ラジカルが用いられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明で使用可能なラジカルとしては、窒素ラジカルのほか、アルゴンガスにRF波を照射することにより発生させたアルゴンラジカルやヘリウムラジカル、酸素ラジカル、ネオンラジカル、水素ラジカル等を例示することができる。
また、本発明に関する上記説明では、フラーレンとして、C60が用いられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明で使用可能なフラーレンとしては、C60のほか、C70、C76、C82、C84、C90、C96、C240、C540等の公知のフラーレンを例示することができる。
また、本発明に関する上記説明では、正孔輸送層13が備えられる形態の太陽電池10を例示したが、本発明の光電変換素子は当該形態に限定されるものではない。本発明の光電変換素子は、正孔輸送層を備えない形態とすることも可能である。また、本発明に関する上記説明では、p層14とn層15とが直接接合されている形態の太陽電池10を例示したが、本発明の光電変換素子は当該形態に限定されるものではない。本発明の光電変換素子は、p層とn層との間にi層が備えられる形態とすることも可能である。
以下、実施例を参照しつつ、本発明について説明を続ける。
<実施例1>
図2に示した装置9を用いて、厚さ24nmのアモルファスカーボン半導体を作製した。作製条件は、以下の通りとした。
真空成膜室1の真空度:1×10−5Pa
ステージ2に配置した基板:シート抵抗10Ω・cmの基板(日本板硝子株式会社製)
K−cell温度:450℃
フラーレン:C60(フロンティアカーボン株式会社製nanom purple(Lot No.10A0014−A))
RF波発生器の出力:200W
窒素ガス流量:2.53×10−3Pa・m/s
成膜時間:30min
上記条件で作製したアモルファスカーボン半導体は、ホール測定により、p型の半導体であることが確認できた。
<実施例2>
ガラス基板11の表面にITO12が形成されている基板(シート抵抗10Ω・cm、透過率90%以上、日本板硝子株式会社製)の表面(ITO12の表面)に、PEDOT:PSS(3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸)によって構成される正孔輸送層13をスピンキャスト法で作製した構造体を、装置9のステージ2の上に配置した。そして、実施例1と同様の条件によって、正孔輸送層13の表面にp層14を作製した。その後、RF波発生器の出力をゼロにするとともに窒素ガス流量をゼロにすることによって窒素ラジカルの供給を停止する一方、K−cellの温度を450℃に維持しC60の供給を30分間に亘って継続することにより、装置9を用いて、p層14の表面に、厚さ50nmのn層15を作製した。こうしてn層15を作製したら、装置9から取り出し、電子ビーム蒸着法によって、n層15の表面にAl電極16(裏面電極16)を作製することにより、太陽電池10を作製した。
上記のようにして作製した太陽電池10の性能を評価した。その結果、太陽電池10の変換効率は0.057%、曲線因子FF=0.33、開放電圧Voc=0.39V、短絡電流Isc=0.44mA/cmであった。性能評価の結果を図5及び図6に示す。図5は、太陽電池10のIV特性を示す図である。図5の縦軸は電流密度[mA/cm]であり、横軸は電圧[V]である。また、図6は、太陽電池10の分光感度を示す図である。図6の縦軸は分光応答度[mA/W]であり、横軸は波長[nm]である。
以上より、本発明によれば、太陽電池として作動し得る光電変換素子及びその製造方法、並びに、光電変換素子に使用可能なアモルファスカーボン半導体及びその製造方法を提供することができた。
本発明のアモルファスカーボン半導体は、太陽電池や光検出素子等に代表される光電変換素子に用いることができ、本発明のアモルファスカーボン半導体の製造方法は、このような用途を有するアモルファスカーボン半導体を製造する際に利用することができる。また、本発明の光電変換素子は、電気自動車の動力源や太陽光発電システム等に利用することができ、本発明の光電変換素子の製造方法は、このような用途を有する光電変換素子を製造する際に利用することができる。
1…真空成膜室
2…ステージ
3…材料投入部
4…材料投入部
5…真空ポンプ
6…ターボ分子ポンプ
7…真空システム(ロードロックチャンバー)
7a…試料台
8…ゲートバルブ
9…装置(超高真空成膜装置)
10…太陽電池(光電変換素子)
11…基板
12…表面電極
13…正孔輸送層
14…p層
15…n層
16…裏面電極

Claims (4)

  1. 気体に高周波を照射することにより生成したラジカル、及び、加熱したフラーレンを、真空成膜室へと供給する供給工程と、
    前記真空成膜室へと供給された前記ラジカル及び前記フラーレンを反応させる過程を経て、アモルファスカーボン半導体を成膜する成膜工程と、
    を有することを特徴とする、アモルファスカーボン半導体の製造方法。
  2. 気体に高周波を照射することにより生成したラジカル、及び、加熱したフラーレンを、真空成膜室へと供給する供給工程と、
    前記真空成膜室へと供給された前記ラジカル及び前記フラーレンを反応させる過程を経て、p型アモルファスカーボン半導体を成膜する成膜工程と、
    を有することを特徴とする、光電変換素子の製造方法。
  3. フラーレンの構造を壊すことにより生成されたフラーレン由来の物質、及び、フラーレンが含まれることを特徴とする、アモルファスカーボン半導体。
  4. 請求項3に記載のアモルファスカーボン半導体をp層に用いていることを特徴とする、光電変換素子。
JP2010185788A 2010-08-23 2010-08-23 アモルファスカーボン半導体及びその製造方法並びに光電変換素子及びその製造方法 Pending JP2012044079A (ja)

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