JP2012043596A - 電池の製造方法、電池、車両および電子機器 - Google Patents

電池の製造方法、電池、車両および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】固体電解質を用い、高エネルギー密度で充放電特性の優れた電池およびこれを優れた生産性で製造することのできる技術を提供する。
【解決手段】基材10の表面を、ノズルスキャン法による塗布で線状に形成した固体電解質の隔壁11によって正極領域12と負極領域13とに区画する。正極領域12には、正極集電体層121および正極活物質層122を順次積層する。一方、負極領域13には、負極集電体層131および負極活物質層132を順次積層する。予め基材10表面が正極領域12と負極領域13とに区画されているので両極間の短絡が未然に防止されており、固体電解質による薄い隔壁11を介して正負活物質層122、132を対向させることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、活物質層間に固体電解質層を介在させてなる電池の製造方法、該構造を有する電池および該電池を備える機器に関するものである。
例えばリチウムイオン電池のような化学電池を製造する方法としては、従来より、正極活物質および負極活物質をそれぞれ付着させた集電体としての金属箔をセパレータを介して重ね合わせ、セパレータに電解液を含浸させる技術が知られている。しかしながら、電解液として揮発性の高い有機溶剤を含んだ電池は取り扱いに注意が必要であり、またさらなる小型化・大出力化が求められることから、近年では電解液に代えて固体電解質を用い、微細加工により全固体電池を製造するための技術が提案されてきている。
例えば特許文献1には、絶縁性の基板上にいずれも金属箔からなる正極集電体および負極集電体を近接させて形成し、これらの集電体上に、それぞれ正極活物質および負極活物質を含むスラリーを塗布することによって活物質層を形成する。そして、こうして形成された正負の電極間の空隙に固体電解質材料を充填することで、基板表面に沿った方向に正負の活物質が固体電解質を介して対向する電池構造を得ている。
特開2006−147210号公報(例えば、図1)
これまで実用化されている固体電解質は、液体電解質に比べると一般にイオン伝導度が低い。このため、固体電解質を用いた電池において良好な充放電特性を得るには、正負活物質の間に介在する電解質層の厚さを小さくすることが有効である。そのためには、正極と負極との間隔をできるだけ小さくすることが望まれる。また、高エネルギー密度を得るためには、正負の活物質の対向面積を大きくすることが必要であり、このためには、基板表面に直交する方向への活物質の高さを大きくすることが望まれる。
しかしながら、上記従来技術では、互いに対向するように形成した正極と負極との空隙に固体電解質を充填するという方法で電池が形成される。そのため、製造工程において正負極の短絡のおそれがあり、上記要求に応えるには至っていなかった。特に、電池の生産性を向上させるべく各層を塗布により形成することを考えた場合、両極間の短絡を確実に防止しながら正負の活物質の間隔を小さく、かつそれぞれを高く形成することは難しかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、固体電解質を用い、高エネルギー密度で充放電特性の優れた電池およびこれを優れた生産性で製造することのできる技術ならびに該電池を備える機器を提供することを目的とする。
この発明にかかる電池の製造方法は、上記目的を達成するため、絶縁性の基材表面に固体電解質材料を含む塗布液を線状に塗布し、前記基材の表面に、線状の固体電解質によって互いに隔てられた正極領域と負極領域とを形成する電解質塗布工程と、前記基材表面の前記正極領域に、前記基材表面からの高さが前記固体電解質の高さよりも低い正極集電体層を形成する正極集電体層形成工程と、前記正極集電体層の表面に正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、前記基材表面の前記負極領域に、前記基材表面からの高さが前記固体電解質の高さよりも低い負極集電体層を形成する負極集電体層形成工程と、前記負極集電体層の表面に負極活物質層を形成する負極活物質層形成工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、絶縁性基材の表面に固体電解質材料を含む塗布液が塗布されることにより、まず固体電解質による線状の構造物が形成される。こうして形成された構造物を挟んで対向する基材の表面領域を正極領域および負極領域として、正負極の構造体を形成することができる。すなわち、正極領域においては基材表面に正極集電体層、正極活物質層を順次形成することで正極構造体を形成する。一方、負極領域においては基材表面に負極集電体層、負極活物質層を順次形成することで負極構造体を形成する。
このとき、正極領域と負極領域とは固体電解質による構造物によって隔てられているため、正極と負極との間で集電体や活物質の接触は生じず、短絡の問題が解消されている。そして、固体電解質による構造物を高く、かつ幅を狭く(すなわち高アスペクト比に)形成することにより、正負の活物質を、薄い電解質層を介して、しかも広い面積で対向させることが可能となる。このように、この発明によれば、固体電解質を用い、高エネルギー密度で充放電特性の優れた電池を優れた生産性で製造することができる。
なお、この発明における各工程の順序については、正極集電体層形成工程および負極集電体層形成工程がいずれも電解質塗布工程よりも後であり、正極活物質層形成工程が正極集電体層形成工程よりも後であり、負極活物質層形成工程が負極集電体層形成工程よりも後であるという条件が満たされる範囲において任意である。
例えば、固体電解質塗布工程後に正極集電体層形成工程、正極活物質層形成工程、負極集電体層形成工程、負極活物質層形成工程をこの順番で実行してもよく、また、固体電解質塗布工程後に正極集電体層形成工程、負極集電体層形成工程、正極活物質層形成工程、負極活物質層形成工程をこの順番で実行してもよい。また、上記において「正極」と「負極」とを入れ替えた順番でもよい。また、正極集電体と負極集電体とを同一材料で形成する場合には、正極集電体層形成工程と負極集電体層形成工程とを同時に実行することも可能である。
この発明にかかる電池の製造方法において、例えば、電解質塗布工程では、固体電解質により、それぞれ複数の正極領域および負極領域を形成するようにしてもよい。原理的には電解質層を介した1対の正極活物質層と負極活物質層とによって電池の単位セルが構成されるが、正極領域および負極領域を複数形成することで、基材上に複数の単位セルを形成することが可能となり、これらを適宜組み合わせることで電池出力を増大させることができる。
より具体的には、例えば、正極集電体層形成工程では、複数の正極領域を一体的に覆う連続した正極集電体層を形成する一方、負極集電体形成工程では、複数の負極領域を一体的に覆う連続した負極集電体層を形成することができる。このようにすると、1対の正極活物質層と負極活物質層およびこれらの間に介在する電解質層からなる単位セルが正負の集電体層によって電気的に並列接続されることとなるので、電池全体としての出力電流を大きくすることができる。
また、例えば、正極集電体層形成工程または負極集電体層形成工程において、複数の正極領域のうちの一部に形成される正極集電体層と、複数の負極領域のうちの一部に形成される負極集電体層とを電気的に接続するようにしてもよい。このようにすると、複数の単位セルを電気的に直列接続することが可能となるので、電池全体としての出力電圧を高めることができる。
これらの発明において、例えば、電解質塗布工程では、塗布液を曲線状または折れ線状に塗布するようにしてもよい。このようにすると、塗布により形成された曲線状または折れ線状の固体電解質による構造物を挟んで正負の活物質層が対向する面積が大きくなるので、より電流容量の大きな電池を製造することが可能となる。
また、例えば、電解質塗布工程では、塗布液を吐出するノズルを基材表面に対して相対移動させて塗布液を基材に塗布するようにしてもよい。このような、いわゆるノズルディスペンス法による塗布では、アスペクト比の高い構造物を短時間で形成する技術が確立されており、これを適用することで、特性の良好な電池をより優れた生産性で製造することが可能となる。
また、例えば、電解質塗布工程では、塗布液を互いに平行な複数の曲線状または折れ線状に塗布するようにしてもよい。こうすることで基材上に複数の正極領域および負極領域を形成して、上記したように電池の出力を増大させることができる。
この場合にもノズルディスペンス法を適用し、互いに離隔した複数の吐出口を有するノズルの各吐出口から塗布液を吐出させるとともに、該ノズルを基材表面に対して相対移動させて塗布液を基材に塗布するようにすれば、短時間で効率よく複数の正極領域および負極領域を基材上に形成することが可能である。
また、正極活物質層および負極活物質層を連続的に覆う保護層を形成する保護層形成工程をさらに備えるようにしてもよい。こうすることで、正極活物質層および負極活物質層が露出することによる電池の損傷や劣化を未然に防止することができる。この保護層としては、絶縁体、電解質のいずれであってもよい。
また、この発明にかかる電池は、上記目的を達成するため、絶縁性の基材と、固体電解質材料を含む塗布液が前記基材の表面に塗布されてなる線状の固体電解質によって前記基材の表面を複数領域に区画する隔壁と、前記複数領域のうちの一部領域の表面に形成された、前記基材表面からの高さが前記隔壁の高さよりも低い正極集電体層と、前記正極集電体層の表面に積層された正極活物質層と、前記複数領域のうち前記正極集電体層が形成された領域に隣接する領域の表面に形成された、前記基材表面からの高さが前記隔壁の高さよりも低い負極集電体層と、前記負極集電体層の表面に積層された負極活物質層とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、上記したように、固体電解質による幅が狭くて高い隔壁を構成することが可能であり、これを挟んで対向する正負の活物質の間隔を小さく、かつ対向面積を大きく取ることが可能である。このため、このように構成された電池は高エネルギー密度で充放電特性の優れたものとなる。本願発明者らの知見によれば、隔壁を構成する固体電解質の線幅が50μm以下であるときに特に良好な特性の電池が得られ、また、このような線幅については、公知の塗布技術によって実現可能なものである。
上記のような構造を有する電池は種々の応用分野が考えられるが、例えば電気自動車のような各種車両の電源として、またこの電池を電源として動作する回路部を備えた各種の電子機器に適用することが可能である。
本発明によれば、固体電解質を用いた電池を製造するのに際して、基材表面を正極領域と負極領域とに区画する固体電解質の構造物をまず形成し、その後で正極領域、負極領域にそれぞれ集電体層と活物質層とを積層する。このため、両極を短絡させることなく、薄い電解質層を介して正負の活物質を広い面積で対向させることができ、薄型で特性の良好な電池およびこれを備えた機器を提供することができる。
リチウムイオン二次電池モジュールの概略構造を示す図である。 図1のリチウムイオン二次電池モジュールの製造方法を示すフローチャートである。 各工程におけるモジュールの様子を模式的に示す第1の図である。 各工程におけるモジュールの様子を模式的に示す第2の図である。 本発明にかかる電池の製造方法に好適な塗布装置の一例を示す図である。 シリンジポンプの構造を示す図である。 集電体の接続パターンの例を示す図である。 隔壁形状の変形例を示す図である。 隔壁形状の他の変形例を示す図である。 本発明にかかる電池を搭載した機器の一例としての車両を模式的に示す図である。 本発明にかかる電池を搭載した機器の他の例としての電子機器を模式的に示す図である。
図1はリチウムイオン二次電池モジュールの概略構造を示す図である。より詳しくは、図1(a)は本発明にかかる電池の一実施形態としてのリチウムイオン二次電池モジュール1の上面図であり、図1(b)はそのA−A’切断面を示す断面図である。なお、図1(b)においては、本モジュールの断面構造をわかりやすくするために、上下方向(厚さ方向)の寸法を誇張して表示している。
このリチウムイオン二次電池モジュール1では、例えばガラス基板、セラミック基板、樹脂基板などの絶縁性基材10の表面に、固体電解質によりジグザグの折れ線状に形成された隔壁11で互いに隔てられた正極領域12と負極領域13とが設けられている。後述するように、隔壁11は、固体電解質材料を含む塗布液をノズルスキャン法によって基材10の表面に塗布することによって形成されている。
図1(b)に示すように、正極領域12においては、基材10の表面を覆うように正極集電体層121が形成されており、該正極集電体層121の表面にさらに正極活物質層122が積層されている。図1(a)に示すように、正極集電体層121は正極領域12の外部まで延びており、複数の正極領域12に形成された正極集電体層121は互いに電気的に接続されている。
同様に、正極領域12と隔壁11によって隔てられた負極領域13では、基材10の表面に負極集電体層131、さらにその表面に負極活物質層132が順番に積層されている。負極集電体層131は負極領域13の外部まで延びて、複数の負極領域13を互いに電気的に接続している。
そして、このように正極領域12に形成された正極活物質層121の表面および負極領域13に形成された負極活物質層131の表面を覆うように、連続した保護層14が形成されている。該保護層14としては、例えば隔壁11を形成しているものと同じ固体電解質を用いることができる。
このような構造においては、正極領域12に積層された正極集電体層121および正極活物質層122からなる正極構造体120と、負極領域13に積層された負極集電体層131および負極活物質層132からなる負極構造体130とが、線幅が狭く背の高い線状の固体電解質からなる隔壁11を隔てて対向配置されている。このため、固体電解質を介して正負の活物質間で電荷およびイオンが移動することで二次電池として機能する。
なお、後出の各図においては、理解を容易にするために、各機能層を区別するためそれぞれに付すハッチングの種類を図1に示すものと共通にしている。
図2は図1のリチウムイオン二次電池モジュールの製造方法を示すフローチャートである。また、図3および図4は各工程におけるモジュールの様子を模式的に示す図である。この製造方法では、基材10上に積層する各機能層をいずれも当該機能層の材料を含む塗布液の塗布により形成する。
まず最初に、基材10を準備し、後述する塗布装置に該基材10を搬入する(ステップS101)。そして、基材10の表面に対し、固体電解質材料を含む塗布液をノズルスキャン法でジグザグの折れ線状に塗布する(ステップS102)。この塗布液を乾燥硬化させることにより、図3(a)に示すように、基材10表面に固体電解質による隔壁11が形成される。また、該隔壁11によって基材10表面が区画され、こうして区画された表面領域がその並びにおいて交互に正極領域12または負極領域13となる。
塗布液としては、固体電解質として機能する高分子電解質材料、例えばポリエチレンオキシド、ポリスチレンなどの樹脂、支持塩としての例えばLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)および溶剤としての例えばジエチレンカーボネートなどを混合したものを用いることができる。また、塗布直後のアスペクト比の高い形状が維持されるように、例えばせん断速度1s−1(1/秒)で20Pa・s(パスカル秒)ないし2000Pa・s程度の粘度を有するものが望ましい。また硬化支援のための光硬化剤または熱硬化剤を高分子電解質材料に添加してもよい。
線状に塗布される塗布液の線幅Wとしては、例えば10μmないし50μmとすることができる。また、基材10表面からの高さHとしては、例えば10μmないし500μmとすることができる。このようなアスペクト比(H/W)の高いパターンを短時間で効率よく形成する方法として、ノズルスキャン法が好適である。また、ジグザグ状パターンの1辺の長さLとしては、例えば20μmないし3mmとすることができる。
このようにして隔壁11で区画された基材10表面の正極領域12に、正極集電体材料を含む塗布液を塗布し、これを乾燥硬化させて正極集電体層121を形成する(ステップS103)。このとき、図3(b)に示すように、正極領域12だけでなくその外部領域まで塗布液を塗布し、各正極領域12を塗布液によって相互に接続するようにする。正極領域12外にまで延設された正極集電体層121は、各正極領域12を電気的に接続するほか、外部へ電荷を取り出すためのタブ電極としても機能する。
この場合の塗布液としては、例えば正極集電体として機能する導電性粒子としてのアルミニウムの粉末を含んだ導電性ペーストを用いることができる。また塗布方法としては、上記と同様のノズルスキャン法でもよく、またインクジェット法やスクリーン印刷法などの他の公知の方法であってもよい。この場合、基材10表面には既に隔壁11が形成されているため、基材10上に塗布された塗布液が負極領域13に回り込んでしまうことが未然に防止されているので、塗布位置の制御には高い位置精度を必要としない。
同様にして、正極領域12と隔壁11を隔てて隣接する基材10表面の負極領域13に負極集電体材料を含む塗布液を塗布し、これを乾燥硬化させて負極集電体層131を形成する(ステップS104)。この場合にも、図3(c)に示すように、複数の負極領域13を互いに接続するように連続的に塗布液を塗布する。隔壁11によって隔てられているため、正極領域12に形成された正極集電体層121と負極領域13に形成された負極集電体層131とが接触することはなく、正負極の短絡が未然に防止されている。この場合の塗布液としては、例えば負極集電体として機能する導電性粒子としての銅の粉末を含んだ導電性ペーストを用いることができる。
正極集電体層121および負極集電体層131の厚さについては、例えば5μmないし20μmであって隔壁11の高さHよりも小さな(例えばH/2以下の)値とするのが好ましい。集電体層を隔壁11の高さよりも薄くすることで、隔壁11の上端まで充填される活物質層の厚さを確保することができ、正負の活物質の対向面積を大きくすることができる。また、正負両極の集電体層の厚さをほぼ同じとすることが望ましい。
続いて、正極領域12を覆う正極集電体層121の表面に、正極活物質材料を含む塗布液を塗布し、これを乾燥硬化させて正極活物質層122を形成する(ステップS105、図4(a))。同様に、負極領域13を覆う負極集電体131の表面に、負極活物質材料を含む塗布液を塗布し、これを乾燥硬化させて負極活物質層132を形成する(ステップS106、図4(b))。これにより、正極集電体層121上に設けられた正極活物質層122と、負極集電体層131上に設けられた負極活物質層132とが、薄い固体電解質層(隔壁11)を介して対向する電池構造が実現される。
活物質層122,132の厚さについては、これを大きくすることで電解質層を介した正負の活物質の対向面積を広く取ることができることからできるだけ厚いことが望ましいが、両者の短絡を防止するため、塗布直後の塗布液の液面が隔壁11の上端を超えない程度の塗布量とするのが望ましい。
正極活物質材料を含む塗布液としては、例えば、正極活物質材料として公知のLiCoO2(LCO)、導電助剤としての例えばアセチレンブラック、結着剤としてのSBR、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)および溶剤としての純水などを混合した水系LCO材料を用いることができる。正極活物質材料としては、上記したLCOの他、LiNiO2またはLiFePO4、LiMnPO4、LiMn24、またLiMeO2(Me=Mxyz;Me、Mは遷移金属、x+y+z=1)で代表的に示される化合物、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052などを用いることができる。また、負極活物質材料を含む塗布液としては、例えば、負極活物質材料としてのLi4Ti512(LTO)に、導電助剤としてのアセチレンブラックまたはケッチェンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを混合したものを用いることができる。なお、負極活物質材料としては上記したLTOの他に例えば黒鉛、金属リチウム、SnO2、合金系などを用いることが可能である。
これらの正負極活物質材料を含む各塗布液において、活物質材料以外の組成は共通するものであってもよい。また、上記した正極活物質材料を含む塗布液の組成のうち正極活物質材料を負極活物質材料に置き換えたものを負極活物質層形成用の塗布液としてもよく、逆に上記した負極活物質材料を含む塗布液のうち負極活物質材料を正極活物質材料に置き換えたものを正極活物質層形成用の塗布液としてもよい。
塗布方法としては種々の公知の塗布方法を適用することが可能であり、例えば前述のノズルスキャン法、インクジェット法またはスクリーン印刷法などを用いることができる。また、塗布液としては、例えばせん断速度1s−1で1mPa・sないし100Pa・s程度の粘度を有するものが望ましい。この製造方法では、先に形成された隔壁11によって塗布液の塗布対象領域外への流出が防止されているので、低粘度の塗布液を用いることで塗布対象領域全体に短時間で効率よく塗布液を行き渡らせることができる。また、隔壁11を構成する固体電解質の表面の凹凸に活物質材料を含む塗布液が浸透することで、正負それぞれの活物質と固体電解質との接触面積を広くなり、電池としての性能を向上させることができる。
そして、こうして形成された正極活物質層122および負極活物質層132を覆うように、固体電解質材料を含む塗布液を塗布して、活物質層の表面を保護する保護層14を形成する(ステップS107、図4(c))。この場合の塗布液の組成としては上記した隔壁11を形成する場合のものと同じでよいが、薄く均一な膜を形成するという目的からより低粘度のものが望ましい。この場合の塗布方法としても、ノズルスキャン法、インクジェット法またはスクリーン印刷法などを用いることができる。また、露出した正負の集電体層のうちタブ電極となる部分をマスクした上でスピンコート法により固体電解質の薄膜を形成してもよい。
このようにして製造されたリチウムイオン二次電池モジュール1は、固体電解質層(隔壁11)を挟んで正極活物質層122と負極活物質層132とが対向した構造を有している。この製造方法では、先に固体電解質による隔壁を形成してから正極構造体120(正極集電体層121、正極活物質層122)および負極構造体130(負極集電体層131、負極活物質層132)を形成しているので、正負極の短絡のおそれがなく、固体電解質層を薄く形成することができる。そして、隔壁11を高く、かつジグザグの折れ線状に形成することで、隔壁11を介した正負の活物質層の対向面積が大きく、充放電特性の良好な電池となる。また、活物質層の厚さおよび幅を大きくすることで、高容量の電池とすることができる。このように、本発明によれば、高エネルギー密度で充放電特性の良好な電池を製造することができる。
図5は本発明にかかる電池の製造方法に好適な塗布装置の一例を示す図である。この塗布装置100は、ノズルから連続的に塗布液を吐出して塗布対象物に塗布するノズルディスペンス法による塗布装置であり、中でも塗布液を吐出するノズルを塗布対象物に対して相対移動させるノズルスキャン法により、塗布対象物の表面に所定のパターンを有する隔壁、配線などの構造物を形成するための装置である。この塗布装置100では、基台101上にステージ移動機構2が設けられ、基材10を保持するステージ3がステージ移動機構2により図5に示すX−Y平面内で移動可能となっている。基台101にはステージ3を跨ぐようにしてフレーム102が固定され、フレーム102にはヘッド部5が取り付けられる。ヘッド部5のベース51には、内部空間に液状の塗布液を貯留するとともに該塗布液を基材10上に吐出するシリンジポンプ52が取り付けられている。
ステージ移動機構2は、下段からステージ3をX方向に移動させるX方向移動機構21、Y方向に移動させるY方向移動機構22、および、Z方向を向く軸を中心に回転させるθ回転機構23を有する。X方向移動機構21は、モータ211にボールねじ212が接続され、さらに、Y方向移動機構22に固定されたナット213がボールねじ212に取り付けられた構造となっている。ボールねじ212の上方にはガイドレール214が固定され、モータ211が回転すると、ナット213とともにY方向移動機構22がガイドレール214に沿ってX方向に滑らかに移動する。
Y方向移動機構22もモータ221、ボールねじ機構およびガイドレール224を有し、モータ221が回転するとボールねじ機構によりθ回転機構23がガイドレール224に沿ってY方向に移動する。θ回転機構23はモータ231によりステージ3をZ方向を向く軸を中心に回転させる。以上の構成により、ヘッド部5の基板Wに対する相対的な移動方向および向きが変更可能とされる。ステージ移動機構2の各モータは、装置各部の動作を制御する制御部6により制御される。
図6はシリンジポンプの構造を示す図である。より具体的には、図6(a)はヘッド部5に設けられたシリンジポンプ52の内部構造を示す側面図であり、図6(b)はシリンジポンプ52下面に設けられた吐出ノズルの構造を示す図である。また、図6(c)はシリンジポンプ52による材料塗布の様子を模式的に示す図である。シリンジポンプ52の筐体521の内部は、上端が上方に向かって開口し、下端が筐体521の下面522に設けられた吐出ノズル523に連通する空洞となっている。該空洞の上端の開口部から、制御部6からの制御指令に応じて上下動するプランジャ524が挿入されている。
こうして筐体521の内壁とプランジャ524とで形成される筐体521の内部空間SPに、所定の組成を有する塗布液が貯留されており、制御部6からの制御指令によってプランジャ524が押し下げられると、内部空間SPに連通する吐出ノズル523の下端で下向きに開口する吐出口525から塗布液が連続的に吐出される。
図6(b)に示すように、シリンジポンプ52の下面522には、Y方向に所定の距離だけ離隔した複数個(この例では5個)の吐出ノズル523が設けられている。各吐出ノズル523の吐出口525の開口形状は略正方形で、その1辺の長さは塗布すべき塗布液の線幅とほぼ同じとされる。図6(c)に示すように、この塗布装置100では、制御部6が予め作成された制御プログラムに従い、ステージ3に載置した基材10をXY平面内で水平移動させながら各吐出ノズル523の吐出口525から塗布液を吐出させることで、基材10上に所定の線状パターンを形成することができる。複数の吐出口525をY方向に並べて設けることにより、Y方向に互いに離隔した互いに平行な複数本の線状パターンを1度の走査移動で形成することができる。
なお、図6(c)では、固体電解質材料を含む塗布液を吐出ノズル523から吐出させることで基材10上に固体電解質による隔壁11を形成する場合を例示しているが、他の各機能層を形成するのにも同様の装置を適用することができる。塗布液の粘度や線幅等に応じて吐出口525の形状や配置を適宜変更することが望ましい。また、ヘッド部5と同等の構成を有するヘッド部を、塗布液の種類ごとに複数併設してもよい。
次に、本発明にかかるリチウムイオン二次電池モジュールの変形例について説明する。上記したリチウムイオン二次電池モジュール1における隔壁11、正極集電体層121、正極活物質層122、負極集電体層131および負極活物質層132の形状については、上記のものに限定されず、以下に説明するように、種々の構造が実現可能である。
図7は集電体の接続パターンの例を示す図である。図1に示したリチウムイオン二次電池モジュール1では、複数の正極領域12に形成された正極集電体層121が互いに接続される一方、複数の負極領域13に形成された負極集電体層131が互いに接続されている。このような構造では、図7(a)に示すように、1つの正極領域12に形成された正極構造体と、隔壁11を介してこれに隣接する1つの負極領域13に形成された負極構造体とからなるユニットセル15が複数組、互いに並列接続された状態と電気的には等価である。
一方、複数のユニットセル同士を直列に接続した状態とすることも可能である。これを実現するためには、図7(b)に示すように、基材10上に形成される複数のユニットセル15a(正極領域12a/隔壁11a/負極領域13a)、15b(正極領域12b/隔壁11b/負極領域13b)、15c(正極領域12c/隔壁11c/負極領域12c)のうち1つ、例えばユニットセル15aの負極集電体層131aと、別の1つ、例えばユニットセル15bの正極集電体層121bとを互いに接続し、他も同様にして順次各ユニットセルを接続すればよい。このように、集電体層の接続パターンによって、種々の接続状態の電池を構成することが可能である。
図8は隔壁形状の変形例を示す図である。上記したリチウムイオン二次電池モジュール1では、それぞれがジグザグ形状を有する互いに平行な複数の折れ線パターンとして隔壁11が構成されているが、隔壁の形状はこれに限定されない。例えば、図8(a)に示すように、各々が直線状の隔壁11dを形成し、これらによって隔てられた正極領域12dと負極領域13dとに、それぞれ正極集電体層121dと負極集電体層131dとを形成するようにしてもよい。また、図8(b)に示すように、全体が1本につながった折れ線状の隔壁11eを形成し、その長辺で互いに隔てられた正極領域12eと負極領域13eとに、それぞれ正極集電体層121eと負極集電体層131eとを形成するようにしてもよい。
図9は隔壁形状の他の変形例を示す図である。上記の例では折れ線状の各隔壁11の曲げ角がいずれも直角であったが、これに限定されない。例えば、図9(a)に示すように、直角以外の曲げ角を有する隔壁11fであってもよく、また、図9(b)に示すように、曲線による波型のパターンを有する隔壁11gであってもよい。これらのパターンでは隔壁間の間隔を小さくすることができるので、同じデバイス面積内により多くの隔壁を形成することができ、結果的に電池全体での正負の活物質の対向面積をさらに増大させて充放電特性を向上させることができる。前述した塗布装置100では、ステージ3をX方向に移動させながらY方向に往復移動させることにより、これらのパターンを簡単に形成することが可能である。
上記のような構造を有するリチウムイオン二次電池モジュールはいずれも、薄型で電気化学特性が良好である。そして、これを用いて構成される電池は有機溶剤を含まない全固体電池であり、取り扱いが容易であるとともに、小型で優れた性能を有するものである。このような電池は、電気自動車、電動アシスト自転車、電動工具、ロボットなどの機械類や、パーソナルコンピュータ、携帯電話や携帯型音楽プレイヤー、デジタルカメラやビデオカメラなどのモバイル機器、スマートICカード、ゲーム機、ポータブル型の測定機器、通信機器や玩具など各種の電子機器に使用することが可能である。
以下に、本発明にかかる電池を搭載した機器の例について説明するが、これらは本実施形態の電池を応用しうる機器の態様の一部を例示するものであって、本発明にかかる電池の適用範囲がこれらに限定されるものではない。
図10は本発明にかかる電池を搭載した機器の一例としての車両、具体的には電気自動車を模式的に示す図である。この電気自動車70は、車輪71と、該車輪71を駆動するモータ72と、該モータ72に電力を供給する電池73とを備えている。この電池73として、上記したリチウムイオン二次電池モジュール1を多数直並列接続した構成を採用することができる。このように構成された電池73は、高い電流供給能力を有するとともに短時間での充電が可能であるため、電気自動車70のような車両の駆動用電源として好適なものである。
図11は本発明にかかる電池を搭載した機器の他の例としての電子機器、具体的にはICカード(スマートカード)を模式的に示す図である。このICカード80は、互いに重ね合わせられることでカード型のパッケージを構成する1対の筐体81,82と、該筐体内に収容される回路モジュール83および該回路モジュール83の電源となる電池84とを備えている。このうち回路モジュール83は、外部との通信のためのループ状のアンテナ831と、該アンテナ831を介した外部機器とのデータ交換および種々の演算・記憶処理を実行する集積回路(IC)を含む回路部832とを備えている。また、電池84としては、上記したリチウムイオン二次電池モジュール1を1組または複数組備えるものを用いることができる。
このような構成によれば、それ自身は電源を有さない一般的なICカードに比べて、外部機器との通信可能距離を拡張することができ、またより複雑な処理を行うことが可能となる。本発明にかかる電池84は小型・薄型で大容量を得ることができるので、このようなカード型の機器に好適に適用することができる。
以上説明したように、この実施形態における電池の製造方法(図2)では、各ステップS102、S103、S104、S105、S106およびS107がそれぞれ本発明の「電解質塗布工程」、「正極集電体層形成工程」、「負極集電体層形成工程」、「正極活物質層形成工程」、「負極活物質層形成工程」および「保護層形成工程」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、ノズルスキャン法による塗布で固体電解質からなる隔壁11を形成しているが、隔壁を形成する方法としてはこれに限定されない。例えば、インクジェット法やスクリーン印刷法によって隔壁を形成してもよい。ただしこれらの場合、隔壁を高くするために、複数回の重ね塗りを必要とする可能性があり、また塗り重ねにおいては高い位置精度を必要とする。
また、上記実施形態では、固体電解質材料を含む塗布液を基材10に塗布した後、これを乾燥硬化させることで隔壁11を形成しているが、これに代えて、塗布液に光硬化性樹脂を添加するとともに、塗布後の塗布液にUV光などの光照射を行うことで隔壁を硬化させるようにしてもよい。この方法では、塗布直後の形状を維持したまま塗布液を硬化させることができるので、特にアスペクト比の高い隔壁を必要とする場合に有効である。
また、上記実施形態では、正負の集電体層と活物質層とをいずれも塗布により形成しているが、これらの各層の形成は塗布によるものに限定されない。例えば、集電体層を真空蒸着法やスパッタリング法により形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電解質塗布工程、正極集電体層形成工程、正極活物質層形成工程、負極集電体層形成工程、負極活物質層形成工程および保護層形成工程をこの順番で実行しているが、各工程の実行順序はこれに限定されず、以下の条件を満たす範囲で順序を入れ換えても構わない。すなわち、原理的にはこれらの各工程の中で電解質塗布工程が最初に実行されることが必要である。また、正極活物質層形成工程は正極集電体層形成工程よりも後に実行され、負極活物質層形成工程は負極集電体層形成工程よりも後に実行されることが必要である。
さらに、保護層形成工程は、正極活物質層形成工程および負極活物質層形成工程が実行された後に実行されることが必要であるが、電池として機能する構造を実現する上では保護層を形成することは必須の要件ではなく、これを省いてもよい。
また、上記実施形態では、正極集電体層121を構成する材料としてアルミニウムを、負極集電体層131を構成する材料として銅をそれぞれ用いているが、これら以外の材料を用いてもよく、また正負の集電体を同一材料(例えば金)によって形成してもよい。この場合、正極集電体層形成工程と負極集電体層形成工程とを同時に実行することが可能である。
また、上記実施形態で例示した集電体、活物質、電解質等の材料はその一例を示したものであってこれに限定されず、リチウムイオン電池の構成材料として用いられる他の材料を使用してリチウムイオン電池を製造する場合においても、本発明の製造方法を好適に適用することが可能である。また、リチウムイオン電池に限らず、他の材料を用いた化学電池(全固体電池)全般の製造に本発明を適用することが可能である。
この発明は、電解質としてポリマー電解質などの固体電解質を用いた全固体電池の製造技術に好適に適用することができ、特に薄型で電気化学特性の良好な電池を優れた生産性で製造するのに適している。
1 リチウムイオン二次電池モジュール(電池)
10 基材
11 (固体電解質の)隔壁
12 正極領域
121 正極集電体層
122 正極活物質層
13 負極領域
131 負極集電体層
132 負極活物質層
14 (固体電解質の)保護層
52 シリンジポンプ
523 吐出ノズル(ノズル)
S102 電解質塗布工程
S103 正極集電体層形成工程
S104 負極集電体層形成工程
S105 正極活物質層形成工程
S106 負極活物質層形成工程
S107 保護層形成工程

Claims (13)

  1. 絶縁性の基材表面に固体電解質材料を含む塗布液を線状に塗布し、前記基材の表面に、線状の固体電解質によって互いに隔てられた正極領域と負極領域とを形成する電解質塗布工程と、
    前記基材表面の前記正極領域に、前記基材表面からの高さが前記固体電解質の高さよりも低い正極集電体層を形成する正極集電体層形成工程と、
    前記正極集電体層の表面に正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、
    前記基材表面の前記負極領域に、前記基材表面からの高さが前記固体電解質の高さよりも低い負極集電体層を形成する負極集電体層形成工程と、
    前記負極集電体層の表面に負極活物質層を形成する負極活物質層形成工程と
    を備えることを特徴とする電池の製造方法。
  2. 前記電解質塗布工程では、前記固体電解質により、それぞれ複数の前記正極領域および前記負極領域を形成する請求項1に記載の電池の製造方法。
  3. 前記正極集電体層形成工程では、複数の前記正極領域を一体的に覆う連続した前記正極集電体層を形成する一方、前記負極集電体形成工程では、複数の前記負極領域を一体的に覆う連続した前記負極集電体層を形成する請求項2に記載の電池の製造方法。
  4. 前記正極集電体層形成工程または前記負極集電体層形成工程において、前記複数の正極領域のうちの一部に形成される前記正極集電体層と、前記複数の負極領域のうちの一部に形成される前記負極集電体層とを電気的に接続する請求項2に記載の電池の製造方法。
  5. 前記電解質塗布工程では、前記塗布液を曲線状または折れ線状に塗布する請求項1ないし4のいずれかに記載の電池の製造方法。
  6. 前記電解質塗布工程では、前記塗布液を吐出するノズルを前記基材表面に対して相対移動させて、前記塗布液を前記基材に塗布する請求項1ないし5のいずれかに記載の電池の製造方法。
  7. 前記電解質塗布工程では、前記塗布液を互いに平行な複数の曲線状または折れ線状に塗布する請求項5に記載の電池の製造方法。
  8. 前記電解質塗布工程では、互いに離隔した複数の吐出口を有するノズルの各吐出口から前記塗布液を吐出させるとともに、該ノズルを前記基材表面に対して相対移動させて、前記塗布液を前記基材に塗布する請求項7に記載の電池の製造方法。
  9. 前記正極活物質層および前記負極活物質層を連続的に覆う保護層を形成する保護層形成工程をさらに備える請求項1ないし8のいずれかに記載の電池の製造方法。
  10. 絶縁性の基材と、
    固体電解質材料を含む塗布液が前記基材の表面に塗布されてなる線状の固体電解質によって前記基材の表面を複数領域に区画する隔壁と、
    前記複数領域のうちの一部領域の表面に形成された、前記基材表面からの高さが前記隔壁の高さよりも低い正極集電体層と、
    前記正極集電体層の表面に積層された正極活物質層と、
    前記複数領域のうち前記正極集電体層が形成された領域に隣接する領域の表面に形成された、前記基材表面からの高さが前記隔壁の高さよりも低い負極集電体層と、
    前記負極集電体層の表面に積層された負極活物質層と
    を備えることを特徴とする電池。
  11. 前記隔壁を構成する固体電解質の線幅が50μm以下である請求項10に記載の電池。
  12. 請求項10または11に記載の電池を搭載することを特徴とする車両。
  13. 請求項10または11に記載の電池と、
    前記電池を電源として動作する回路部と
    を備えたことを特徴とする電子機器。
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