JP2012042649A - レンズ鏡胴 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定筒部の内径よりも外側への退避レンズ群の退避を可能としつつズーム駆動の際の動作音を抑制することのできるレンズ鏡胴を提供する。
【解決手段】沈胴状態と撮影状態とで移行すべく、複数のレンズ群をそれぞれ保持する複数のレンズ保持枠を内部に保持する可動レンズ鏡筒が固定筒部21aの内部に保持され、各レンズ保持枠は、撮影状態では全てのレンズ群を同一の撮影光軸上の撮影位置としかつ沈胴状態では退避レンズを固定筒部21aの外側の退避位置に退避させるべく移動可能に保持する退避レンズ保持枠(31)を含むレンズ鏡胴10である。可動レンズ鏡筒を動作させるための可動鏡筒用駆動源(51)と、退避レンズ保持枠を撮影位置と退避位置との間で移動させるための退避枠用駆動源(52)と、を備え、退避レンズ保持枠は、撮影位置において、可動鏡筒用駆動源からの駆動力により撮影光軸OA方向に沿って進退駆動される。
【選択図】図23

Description

本発明は、1つの形態ではレンズ群を沈胴し、他の1つの形態ではレンズ群を所定位置まで繰り出して使用するレンズ鏡胴に関する。
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、「デジタルカメラ」という)等の撮像装置では、撮影性能の向上とともに携帯性の向上が強く求められている。このため、撮像装置では、非撮影時に、少なくとも一部のレンズ群を撮影光軸上の撮影位置から退避させるとともに、各レンズ群間の距離が撮影に最低限必要な距離未満で可能な限り小さくなるようにカメラ筐体内に沈胴させ、撮影時に、これら各レンズ群間の距離が撮影に必要な距離となるようにカメラ筐体内から繰り出させる構成とされているものがある。この撮像装置では、レンズ鏡胴を沈胴状態とすることにより、可動レンズ鏡筒収納時の撮影光軸方向の長さ寸法(以下、厚さ寸法ともいう)を小さくすることができ、携帯に好適なものとすることができる。
しかしながら、この技術では、撮影位置から退避されるレンズ群の退避位置が実質的にカメラ本体部の固定筒部の最大外径の内側となっている。そのため、可動レンズ鏡筒収納時の厚さ寸法は小さくすることはできるが、固定筒部の外径が大きくなってしまい、カメラ本体(撮像装置)を正面(物体側)から見た場合にその大きさが大きくなるという不都合がある。
そこで、退避されるレンズ群の少なくとも一つを固定筒部の内径よりも外側に退避させる退避レンズ保持枠で保持する構成のレンズ鏡胴が既に知られている(特許文献1参照)。このレンズ鏡胴では、可動レンズ鏡筒を撮影光軸方向に移動させるための可動鏡筒用駆動源とは別の退避枠用駆動源を有する退避枠駆動機構が、沈胴時(非撮影時)に退避レンズ保持枠を固定筒部の外側の退避位置へと退避させる。これにより、レンズ鏡胴では、従来の固定筒部の内側にレンズ群が退避される構成に比べて、沈胴時の各レンズ群間の距離の増大を招くことなく固定筒部の外径の増大を抑制することができる。
しかしながら、上記した従来のレンズ鏡胴では、可動鏡筒用駆動源とは別の退避枠用駆動源を有する退避枠駆動機構が、退避レンズ保持枠を退避位置と撮影位置との間で移動させ、かつ撮影位置にある退避レンズ保持枠を撮影光軸方向へと移動させる構成である。このため、従来のレンズ鏡胴では、ズーム駆動の際、可動鏡筒用駆動源により可動レンズ鏡筒が撮影光軸方向に移動されるとともに、退避枠用駆動源により退避レンズ保持枠が撮影光軸方向に移動されることから、2つの駆動源が同時に駆動されるので、動作音が大きくなってしまう懸念がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、固定筒部の内径よりも外側への退避レンズ群の退避を可能としつつズーム駆動の際の動作音を抑制することのできるレンズ鏡胴を提供することを目的とする。
請求項1に記載のレンズ鏡胴は、複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させてレンズ群を収納する沈胴状態から前記レンズ群の少なくとも一部を物体側に移動することにより撮影状態とすべく、前記複数のレンズ群をそれぞれ保持する複数のレンズ保持枠と、該各レンズ保持枠を内部に保持する可動レンズ鏡筒と、該可動レンズ鏡筒を内部に保持する固定筒部と、を備え、前記各レンズ保持枠は、撮影状態では全てのレンズ群を同一の撮影光軸上の撮影位置としかつ沈胴状態では少なくとも1つのレンズ群を含む退避レンズを前記固定筒部の内径位置よりも外側の退避位置に退避させるべく、少なくとも1つの前記レンズ群を移動可能に保持する退避レンズ保持枠を含むレンズ鏡胴であって、前記固定筒部に対して前記可動レンズ鏡筒を動作させるための可動鏡筒用駆動源と、前記退避レンズ保持枠を前記撮影位置と前記退避位置との間で移動させるための退避枠用駆動源と、を備え、前記退避レンズ保持枠は、前記撮影位置において、前記可動鏡筒用駆動源からの駆動力により前記撮影光軸方向に沿って進退駆動されることを特徴とする。
請求項2に記載のレンズ鏡胴は、請求項1に記載のレンズ鏡胴であって、前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部に対する前記可動レンズ鏡筒の動作に連動して進退移動することを特徴とする。
請求項3に記載のレンズ鏡胴は、請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡胴であって、前記可動レンズ鏡筒は、前記固定筒部に対して前記撮影光軸回りに回転される回転筒を有し、前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部に対する前記回転筒の回転を、前記退避レンズ保持枠の撮影光軸方向の直進移動に変換する直進変換機構により、前記回転筒に接続可能とされていることを特徴とする。
請求項4に記載のレンズ鏡胴は、請求項3に記載のレンズ鏡胴であって、前記直進変換機構は、前記退避レンズ保持枠に設けられたカムピンと、前記回転筒の周面に設けられ前記カムピンの受け入れが可能とされたカム溝と、を有し、該カム溝内での前記カムピンの係合位置に応じて前記退避レンズ保持枠を進退させることを特徴とする。
請求項5に記載のレンズ鏡胴は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴であって、前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部の外側で撮影光軸に平行に設けられた主ガイド軸により、長手方向に沿って移動可能にかつその軸線回りに回転可能に支持されていることを特徴とする。
請求項6に記載のレンズ鏡胴は、請求項5に記載のレンズ鏡胴であって、前記退避レンズ保持枠は、保持枠回動付勢手段により前記主ガイド軸回りの方向で撮影位置へ向けて回動付勢され、かつ保持枠直進付勢手段により前記主ガイド軸に沿う方向で物体側へ向けて直進付勢されていることを特徴とする。
請求項7に記載のレンズ鏡胴は、請求項6に記載のレンズ鏡胴であって、さらに、前記固定筒部が固定される鏡胴ベースを備え、該鏡胴ベースには、係合片部が設けられ、前記退避レンズ保持枠には、係合突起が設けられ、該係合突起と前記係合片部とは、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置から前記退避位置へ向けて回動されると、前記退避レンズ保持枠の物体側への直進移動を規制すべく撮影光軸方向で係合可能であるとともに、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置であると係合が解除されることを特徴とする。
請求項8に記載のレンズ鏡胴は、請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴であって、前記固定筒部の外側に、前記退避枠用駆動源により撮影光軸方向に移動される進退移動部材を備え、前記退避レンズ保持枠は、前記進退移動部材の撮影光軸方向への移動を、前記退避レンズ保持枠の前記撮影位置と前記退避位置との間での回転運動に変換する回転変換機構により、前記進退移動部材に接続可能とされていることを特徴とする。
請求項9に記載のレンズ鏡胴は、請求項8に記載のレンズ鏡胴であって、前記直進変換機構と前記回転変換機構とは、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置であって撮影光軸方向で最も後退された位置で、前記退避レンズ保持枠に対する接続状態の切り換えが可能であることを特徴とする。
請求項10に記載のレンズ鏡胴は、請求項8または請求項9に記載のレンズ鏡胴であって、前記回転変換機構は、前記退避レンズ保持枠に設けられたカム面と、前記進退移動部材に設けられ前記カム面との係合が可能とされた当接部と、を有し、該当接部の前記カム面への係合位置に応じて前記退避レンズ保持枠を回動させることを特徴とする。
請求項11に記載の撮像装置は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする。
請求項12に記載のデジタルカメラは、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする。
請求項13に記載の携帯型情報端末装置は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする。
請求項14に記載の画像入力装置は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする。
請求項1に記載のレンズ鏡胴では、単一の駆動源で可動鏡筒の動作と退避レンズの撮影光軸方向に沿う進退駆動とを行うことができるため、単一の駆動源でズーム駆動させることができるので、可動鏡筒用駆動源と退避枠用駆動源とでズーム駆動を行う構成に比較して、ズーム駆動させる際の動作音を低減することができる。
上記した構成に加えて、前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部に対する前記可動レンズ鏡筒の動作に連動して進退移動することとすると、退避レンズは他のレンズ群との協働により、撮影光学系における倍率(画角すなわち焦点距離)の設定するものであり、撮影光軸上における互いの間隔が適宜調節されるものであることから、それらを統括的に単一の駆動源で進退駆動させることにより、構成の複雑化を抑制しつつより適切かつ迅速な移動を可能とすることができる
上記した構成に加えて、前記可動レンズ鏡筒は、前記固定筒部に対して前記撮影光軸回りに回転される回転筒を有し、前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部に対する前記回転筒の回転を、前記退避レンズ保持枠の撮影光軸方向の直進移動に変換する直進変換機構により、前記回転筒に接続可能とされていることとすると、回転筒の回動を利用して退避レンズ保持枠を撮影位置で進退駆動させることから、可動レンズ鏡筒を動作させる機構の基本的な構成を変更する必要がないので、簡易な構成とすることができる。
上記した構成に加えて、前記直進変換機構は、前記退避レンズ保持枠に設けられたカムピンと、前記回転筒の周面に設けられ前記カムピンの受け入れが可能とされたカム溝と、を有し、該カム溝内での前記カムピンの係合位置に応じて前記退避レンズ保持枠を進退させることとすると、簡易な構成で固定筒部に対する可動レンズ鏡筒の動作を利用して駆動部材を移動させることができる。このため、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
上記した構成に加えて、前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部の外側で撮影光軸に平行に設けられた主ガイド軸により、長手方向に沿って移動可能にかつその軸線回りに回転可能に支持されていることとすると、簡易な構成で退避レンズ保持枠の撮影光軸方向への移動を可能としつつ回転筒の回動方向への移動を可能とすることができる。このため、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
上記した構成に加えて、前記退避レンズ保持枠は、保持枠回動付勢手段により前記主ガイド軸回りの方向で撮影位置へ向けて回動付勢され、かつ保持枠直進付勢手段により前記主ガイド軸に沿う方向で物体側へ向けて直進付勢されていることとすると、退避レンズの退避位置から撮影位置への移動を補助することができるので、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
上記した構成に加えて、さらに、前記固定筒部が固定される鏡胴ベースを備え、該鏡胴ベースには、係合片部が設けられ、前記退避レンズ保持枠には、係合突起が設けられ、該係合突起と前記係合片部とは、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置から前記退避位置へ向けて回動されると、前記退避レンズ保持枠の物体側への直進移動を規制すべく撮影光軸方向で係合可能であるとともに、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置であると係合が解除されることとすると、簡易な構成で退避レンズ保持枠における退避位置と撮影位置との移行を確実なものとすることができる。
上記した構成に加えて、前記固定筒部の外側に、前記退避枠用駆動源により撮影光軸方向に移動される進退移動部材を備え、前記退避レンズ保持枠は、前記進退移動部材の撮影光軸方向への移動を、前記退避レンズ保持枠の前記撮影位置と前記退避位置との間での回転運動に変換する回転変換機構により、前記進退移動部材に接続可能とされていることとすると、簡易な構成で退避用駆動源による退避レンズ保持枠の退避位置と撮影位置との移行を確実なものとすることができる。
上記した構成に加えて、前記直進変換機構と前記回転変換機構とは、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置であって撮影光軸方向で最も後退された位置で、前記退避レンズ保持枠に対する接続状態の切り換えが可能であることとすると、退避レンズ保持枠の駆動制御における駆動源の乗り換え(受け渡し)を円滑なものとすることができる。
上記した構成に加えて、前記回転変換機構は、前記退避レンズ保持枠に設けられたカム面と、前記進退移動部材に設けられ前記カム面との係合が可能とされた当接部と、を有し、該当接部の前記カム面への係合位置に応じて前記退避レンズ保持枠を回動させることとすると、簡易な構成で退避用駆動源による退避レンズ保持枠の退避位置と撮影位置との移行を確実なものとすることができる。
本発明に係る一例としてのレンズ鏡胴10の沈胴収納状態Dを物体側から見た様子を示す模式的な斜視図である。 レンズ鏡胴10の沈胴収納状態Dを像面側から見た様子を示す模式的な斜視図である。 レンズ鏡胴10の撮影状態Pを図2と同様に像面側から見た様子を示す模式的な斜視図である。 各レンズ群を突出した撮影状態Pと沈胴させて収納した沈胴収納状態D(単に沈胴状態ともいう)とのレンズ鏡胴10における各レンズ群、各レンズ保持枠ならびに各種レンズ鏡胴10の要部をそれぞれ示す縦断面図である。 ヘリコイドに嵌合する第1の回転筒22の斜視図である。 第2の回転筒24に形成されたカム溝の形状を展開して模式的に示す展開図である。 カム筒26に形成されたカム溝の形状を展開して模式的に示す展開図である。 第1のライナー23に形成されたカム溝およびキー溝の形状を展開しかつヘリコイドを省略して模式的に示す展開図である。 固定枠21の固定筒部21aに形成されたカム溝およびキー溝の形状を展開しかつヘリコイドを省略して模式的に示す展開図である。 第1の回転筒22に形成されたキー部、直進溝およびカム溝の形状を展開して模式的に示す展開図である。 第3レンズ保持枠31およびその進退駆動機構30の構成と、第4レンズ保持枠41およびその進退駆動機構40の構成と、を説明するための説明図であり、沈胴収納状態Dでの様子を模式的な斜視図で示している。 第3レンズ保持枠31およびその進退駆動機構30の構成と、第4レンズ保持枠41およびその進退駆動機構40の構成と、を説明するための図11と同様の説明図であり、撮影状態Pでの様子を示している。 図1に示す矢印A2から見たレンズ鏡胴10を示す模式的な側面図である。 第4レンズ保持枠41の構成を説明するための模式的な斜視図である。 第4レンズ保持枠41の第4レンズ保持枠回動基部93の連結壁部分96の段差部96aの構成を説明するための説明図である。 第4レンズ保持枠41の周辺の構成を説明するための模式的な斜視図である。 螺合部材45の構成を説明するための模式的な斜視図である。 第4レンズ保持枠41およびその進退駆動機構40の作用を説明するための説明図である。 第3レンズ保持枠31の構成を説明するための模式的な斜視図であり、(a)は側方からみた様子を示し、(b)は(a)の矢印A3から見た様子を部分的に示している。 第3レンズ保持枠31の周辺の構成を説明するための模式的な斜視図である。 第3レンズ保持枠31およびその進退駆動機構30の作用を説明するための説明図である。 第3レンズ保持枠31の係合突起66と鏡胴ベース81の係合片部81aとの構成を説明するための模式的な斜視図であり、(a)は撮影光軸OA方向に係合している様子を示し、(b)はその係合が解除された様子を示している。 第3レンズ保持枠31における湾曲壁部分63bの段差部65と、そのカム面65aおよび側方係合面65bに係合する雌ねじ部材35の当接部35aと、その係合位置に応じて移動される第3レンズ保持枠31のカムピン31cと、そのカムピン31cが係合される第1の回転筒22のカム溝22eと、の相対的な位置関係を模式的に示す説明図であり、(a)は雌ねじ部材35(当接部35a)が最も像面側とされた様子を示し、(b)は雌ねじ部材35が(a)よりも物体側へと移動された様子を示し、(c)は雌ねじ部材35が(b)よりも物体側へと移動された様子を示し、(d)は雌ねじ部材35が(c)よりも物体側へと移動された様子を示し、(e)は雌ねじ部材35が(d)よりも物体側へと移動された様子を示している。 第1の回転筒22の内周面を展開した図10におけるカム溝22eの周辺を拡大して示す説明図である。 第3レンズ保持枠31のカムピン31cが第1の回転筒22のカム溝22eに係合した状態を示す模式的な斜視図である。 図25の状態において、第1の回転筒22が回転された様子を示す模式的な斜視図である。 本発明に係るレンズ鏡胴10が用いられたカメラ100の外観構成を模式的に示す物体側から見た斜視図であり、(a)は撮影レンズをカメラのボディ内に沈胴収納している状態、(b)は撮影レンズがカメラのボディから突出している状態を示している。 撮影者側である背面側から見たカメラ100の外観を示す模式的な斜視図である。 カメラ100の機能構成を示すブロック図である。
以下に、本発明に係るレンズ鏡胴およびそれを有する撮像装置の実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明に係るレンズ鏡胴の一実施例としてのレンズ鏡胴10の概略的な構成を、図1ないし図10を用いて説明する。
レンズ鏡胴10を含む光学装置は、第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13、第4レンズ群14、シャッタ/絞りユニット15、固体撮像素子16、第1レンズ保持枠17、カバーガラス18、ローパスフィルタ19、固定枠21、第1の回転筒22、第1のライナー23、第2の回転筒24、第2のライナー25、カム筒26、直進筒27、ズームモータ51、レンズバリア55、鏡胴ベース81、押え板82、押え板83、押え板84を具備している。なお、第1の回転筒22、第2の回転筒24および直進筒27は、可動レンズ鏡筒として機能する。また、ズームモータ51は、スプラインギア等と共に可動レンズ鏡筒を撮影光軸OA方向へと進退させる可動鏡筒用駆動源として機能し、可動レンズ鏡筒を介して可動レンズ保持枠を駆動するレンズ保持枠駆動手段として機能する。
この光学装置(撮影レンズ系)は、撮影状態P(図4の上半分参照)について説明すると、物体側から、第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13および第4レンズ群14が順次配列されるとともに、第2レンズ群12と第3レンズ群13との間に、シャッタ/絞りユニット15が挿入配置され、第4レンズ群14の像面側には、CCD(電荷結合素子)等を用いて構成される固体撮像素子16が配置される。これら第1レンズ群11から第4レンズ群14は、焦点距離可変のズームレンズを構成する。この明細書では、撮影レンズ系における光学的な軸線、すなわち撮影状態Pとされた光学素子群の中心軸位置となる回転対称軸を、撮影光軸OAとする。
第1レンズ群11は、1枚以上のレンズからなる。この第1レンズ群11は、それらを一体的に保持する第1レンズ保持枠17を介して直進筒27に固定保持されている。第1レンズ群11の物体側には、公知のレンズバリア55が設けられている。このレンズバリア55は、撮影状態では撮影レンズ系の光路を開放し、沈胴状態では当該光路を遮断するように構成されている。
第2レンズ群12は、1枚以上のレンズからなる。この第2レンズ群12は、それらを一体的に保持する第2レンズ保持枠(明確には図示されていない)に形成されたカムフォロワがカム筒26の第2レンズ群用のカム溝26b(図7参照)に挿通されて第2のライナー25の直進溝25aに係合し、これらカム筒26および第2のライナー25により支持されている。
第3レンズ群13は、1枚以上のレンズからなる。この第3レンズ群13は、第3レンズ保持枠31により一体的に保持されており、沈胴収納状態で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避されるとともに、撮影状態で撮影光軸OA(撮影光路)上に配置される。このことについては、後に詳細に説明する。
第4レンズ群14は、1枚以上のレンズからなる。この第4レンズ群14は、第4レンズ保持枠41により一体的に保持されており、沈胴収納状態で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避されるとともに、撮影状態で撮影光軸OA(撮影光路)上に配置される。この構成については、後に詳細に説明する。この第4レンズ群14は、本実施例では、ピント合わせ、つまり合焦を行うフォーカスレンズとして用いられる。
シャッタ/絞りユニット15は、シャッタおよび開口絞りを含むものである。このシャッタ/絞りユニット15は、そこに一体的に形成されたカムフォロワがカム筒26のシャッタ/絞りユニット用のカム溝26c(図7参照)に挿通されて第2のライナー25の直進溝25aに係合し、これらカム筒26および第2のライナー25により支持されている。
固定枠21は、内方に円筒形状の固定筒部21a(図2および図3等参照)を有する。この固定筒部21aの内周面には、軸方向に沿う直進溝21b、およびカム溝21c(図9参照)が形成されている。その直進溝21bには、第1のライナー23の後述するキー部23a(図2および図4参照)が係合しており、カム溝21cには、第1の回転筒22の後述するカムフォロワ22a(図5参照)が係合している。
第1の回転筒22の基端部外周面には、ヘリコイド状のカムフォロワ22aと、ギア部22b(図5参照)と、が形成されている。その第1の回転筒22の内周面には、図5および図10に示すように、案内溝22cと直進溝22dとカム溝22eとが設けられている。案内溝22cは、撮影光軸OAに直交する面に沿って設けられ、環状を呈する。この案内溝22cは、直進案内部材として機能する。直進溝22dは、撮影光軸OA(撮影光路)に沿う案内溝である。カム溝22eは、第3レンズ保持枠31の直進移動のための案内溝である。このカム溝22eにおける作用については、後に詳細に説明する。
第1のライナー23の外周面には、キー部23a(図2参照)とフォロワ23b(図4参照)とが設けられている。キー部23aは、基端部から突出形成され、固定筒部21aの直進溝21bに係合している(図2参照)。フォロワ23bは、撮影光軸OAに直交する面に沿って、回転中心から放射方向へ向けて(以下、径方向ともいう)突設されており、第1の回転筒22の一対の案内溝22c(図5および図10参照)に係合される。このような構成により、第1の回転筒22と第1のライナー23とは、撮影光軸OA(撮影光路)方向に一体的に移動するとともに、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。
第1のライナー23の内面には、図3および図8に示すように、直進溝23cとヘリコイド23d(図3参照)とが設けられている。直進溝23cは、撮影光軸OA(撮影光路)方向に沿って延在されている。この直進溝23cには、第2のライナー25の基端部外周に突設されたキー部25b(図4参照)が係合される。ヘリコイド23dは、第2の回転筒24の基端部の外周面に形成されたヘリコイド(図示せず)に螺合される。
さらに、第1のライナー23には、第1逃げ溝23eと第2逃げ溝23fとが形成されている。第1逃げ溝23eは、後述する第2の回転筒24のカムフォロワ24a(図4参照)の挿通のために、周壁部を貫通して設けられている。第2逃げ溝23fは、撮影光軸OA(撮影光路)方向に沿って延在するように、周壁部を貫通して設けられている。この第2逃げ溝23fは、第3レンズ保持枠31の後述するカムピン31cの第1の回転筒22のカム溝22eへの係合のために、当該カムピン31cの挿通を許すものである(図4参照)。このため、第2逃げ溝23fは、第3レンズ保持枠31が第3レンズ群13を撮影光軸OA上の撮影位置(撮影状態P)とする状態であるとき、そのカムピン31cを受け入れ可能な位置関係とされている(図4参照)。
第2の回転筒24の基端部の外周面には、図示は略すが、ヘリコイドが形成され、当該ヘリコイドが第1のライナー23の内周に設けられたヘリコイド23d(図3参照)に螺合している。また、第2の回転筒24の基端部近傍の外周面には、カムフォロワ24a(図4参照)が突設され、このカムフォロワ24aが第1のライナー23のカムフォロワの第1逃げ溝23e(図8等参照)を通して第1の回転筒22の内周に設けられた直進溝22d(図10参照)に係合している。
第2の回転筒24の内周面には、図6に示すように、案内溝24bとカム溝24cとが形成されている。案内溝24bは、撮影光軸OA(撮影光路)に直交する面に沿って設けられており、図示は略すが第2のライナー25の外周面に突設された直進案内部材であるフォロワ(またはキー)が係合されている。このような構成により、第2のライナー25と第2の回転筒24とは、撮影光軸OA(撮影光路)方向に一体的に移動するとともに、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。カム溝24cは、直進筒27の移動のためのカム溝である。
第2のライナー25の内周面には、図示は略すが、撮影光軸OA(撮影光路)に直交する面に沿う案内溝が形成され、この案内溝には、カム筒26の外周面(前側)に突設された直進案内部材であるフォロワ(またはキー)が係合している。このカム筒26は、図4に示すように、第2のライナー25の内周に嵌合されている。カム筒26は、基端部外周に突設された係止突起26aが第2の回転筒24の基端部に嵌合係止して、第2の回転筒24と一体的に回転動作するようになっている。このような構成により、カム筒26と第2のライナー25とは、撮影光軸OA(撮影光路)方向に一体的に移動するとともに、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。
その第2のライナー25と第2の回転筒24との間には、直進筒27の基端部側が挿入されている。この直進筒27の基端部近傍の外周面には、カムフォロワ27aが突接されている。そのカムフォロワ27aは、第2の回転筒24の内周面に形成されたカム溝24c(図6参照)に係合している。また、直進筒27の内周面には、図示は略すが、軸方向に沿って直進溝が形成され、当該直進溝には第2のライナー25の外周面のキー部が係合している。
レンズ鏡胴10では、第1の回転筒22が、そのギア部22b(図5参照)に螺合されたギア(図示せず)を介して、ズームモータ51(図1等参照)の駆動力が適宜ギア伝達されて回動される。これにより、第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13およびシャッタ/絞りユニット15が、所定のごとくズーミング動作する。
なお、第2の回転筒24における、第2のライナー25の外周面のフォロワ(またはキー)に係合する案内溝24bと、直進筒27のカムフォロワ27aに係合するカム溝24cと、が図6に示されている。カム筒26における、第2レンズ群12のレンズ保持枠のカムフォロワに係合するカム溝26b、およびシャッタ/絞りユニット15のカムフォロワに係合するカム溝26cが、図7に示されている。第1のライナー23における、第2のライナー25のキー部25bに係合する直進溝23c、第2の回転筒24のカムフォロワ24aのための第1逃げ溝23e、および第3レンズ保持枠31の後述するカムピン31cのための第2逃げ溝23fが、図8に示されている。そして固定枠21の固定筒部21aにおける、第1のライナー23のキー部23aに係合する直進溝21bと、第1の回転筒22のカムフォロワ22aに係合するカム溝21cと、第3レンズ保持枠31および第4レンズ保持枠41の固定筒部21aの外側と内側とでの移動のための切り欠き部と、が図9にそれぞれ示されている。第1の回転筒22における、第1のライナー23のフォロワ23bに係合する案内溝22cと、第2の回転筒24のカムフォロワ24aが係合する直進溝22dと、第3レンズ保持枠31の後述するカムピン31cが係合するカム溝22eと、が図10に示されている。
上述した構成においては、第1の回転筒22は、固定筒部21aと単にヘリコイド螺合するのではなく、カムフォロワ22aをヘリコイド状のカム溝21c(図9参照)に係合させており、そのカム溝21cにおける収納状態から広角位置側への駆動により、最大繰り出し位置まで完全に繰り出す。その後は、図9に示すように、カム溝21cの物体側端部が固定筒部21aの端面に平行になっていることから、第1の回転筒22は、広角位置から望遠位置への駆動では撮影光軸OA(撮影光路)方向へ移動することなく定位置で回転する。このため、第1の回転筒22は、沈胴状態から広角位置へ移動する際、最初は回転しながら被写体側へ繰り出し、その回転途中において最大繰り出し位置に到達する。つまり、繰り出し動作の早い段階で、固定筒部21aに近接している鏡筒である第1の回転筒22と第1のライナー23とを完全に繰り出すことにより、撮影光軸OA(撮影光路)上に第3レンズ保持枠31を挿入するスペースをあらかじめ確保するようになっている。退避レンズ保持枠としての第3レンズ保持枠31は、挿入のためのスペースが確保されると、進入動作を開始することができる。このように、第1の回転筒22が最大繰り出し位置に到達すると、直ちに第3レンズ保持枠31の進入動作を開始することにより、電源オン時等における沈胴状態から広角位置への移行に要する時間を最小に抑えることができる。
これら第1の回転筒22等の位置は、一般的なDC(直流)モータを用いて構成したズームモータ51(図1参照)では、ズームモータ51の出力軸に直接固定されたエンコーダ形状を備えたピニオンギヤと、この近傍に設置された例えばフォトインタラプタからなるズームカウント検出器によって発生される駆動パルスのカウントを用いて制御することができる。なお、第1の回転筒22を移動させるための駆動源は、DCモータとして、エンコーダとフォトインタラプタによる検出器により駆動位置検出を達成するようにしているが、これら全体をパルスモータに置き換えても同様の機能を達成可能である。
次に、レンズ鏡胴10において、退避レンズ保持枠としての第3レンズ群13および第4レンズ群14が、沈胴収納状態で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避するとともに、撮影状態で撮影光軸OA(撮影光路)上に配置する構成を、図1ないし図26を用いて説明する。
レンズ鏡胴10では、図1ないし図3に示すように、これらの図を正面視して、固定枠21の縦辺部に第3レンズ保持枠31が設けられているとともに、固定枠21の上辺部に第4レンズ保持枠41が設けられている。この固定枠21の一隅の角部には、第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とが収容される退避位置としての収容空間21Qが形成されている(図2および図3参照)。この収容空間21Qは、固定枠21の固定筒部21aの外方位置に設けられており、その固定筒部21aに設けられた切り欠き部(図9参照)により固定筒部21aの内方位置との間での、第3レンズ保持枠31および第4レンズ保持枠41の移動が可能とされている。このため、第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とは、図2ないし図4に示すように、沈胴状態における可動レンズ鏡筒の最大外径(ここでは、第1の回転筒22の最大外径)よりも外側に退避可能である。そして、第3レンズ群13と第4レンズ群14とは、その収容空間21Qにおいて、光軸方向に重なった状態で収容される(図2および図4参照)。
この第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とは、図4に示すように、シャッタ/絞りユニット15と固体撮像素子16との間に配設されている。本実施例では、第3レンズ保持枠31がシャッタ/絞りユニット15に最も近接して配設され、第4レンズ保持枠41が固体撮像素子16に最も近接して配設されている。第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とは、それぞれに対応して設けられた進退駆動機構(30、40(図2等参照))により、可動レンズ鏡筒(回転筒22、24、直進筒27)の固定枠21への沈胴状態(図2参照)で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避されて収容空間21Qに収納され(退避位置)、可動レンズ鏡筒の固定枠21からの進出状態(図3参照)で撮影光軸OA(撮影光路)上に進入され(撮影位置)、その撮影光軸OA方向(繰り出し方向)への移動が可能とされている。
本実施例においては、第3レンズ群13と第4レンズ群14との双方を退避させるため、収納動作において、先ず第4レンズ保持枠41が収納位置(収容空間21Q)へと移動した後に、第4レンズ群14よりも物体側(前側)に配置される第3レンズ群13の第3レンズ保持枠31の収納動作が許可され、その第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)が収納位置(収容空間21Q)へと移動した後に、第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15が沈胴収納位置へと移動される。これは、第1の回転筒22等の沈胴収納位置への移動を第3レンズ保持枠31の収納動作完了以後とすることによって、第3レンズ保持枠31との干渉なしに安全に第1の回転筒22等を繰り込むことが可能となることによる。
先ず、第4レンズ保持枠41およびその進退駆動機構40の構成について説明する。第4レンズ保持枠41(第4レンズ群14)における進退駆動機構40は、図11ないし図18に示すように、第4レンズ群14を保持する第4レンズ保持枠41に対応して、第4群主ガイド軸42、第4群副ガイド軸43、第4群リードスクリュー44、螺合部材(ラック)45、圧縮トーションスプリング46、スクリュー付勢片47(図1および図13参照)、摺動壁部49(図13等参照)、第4群モータ53およびギア71〜74を有する。なお、図11、図12および図16では、他の構成の理解容易のために摺動壁部49を省略して示している。また、図15では、理解容易のために、後述する連結壁部分96の内壁面における段差部96a以外の箇所にドットを付して示している。
第4レンズ保持枠41は、一端に第4レンズ群14を保持しかつ他端が回動可能にかつスライド移動可能に第4群主ガイド軸42に挿通されるものであり、図14に示すように、第4レンズ保持部91と、第4レンズ保持枠アーム部92と、第4レンズ保持枠回動基部93と、を有する。
第4レンズ保持部91は、第4レンズ保持枠41における一端側(先端側)に位置され、第4レンズ群14を保持する。第4レンズ保持部91は、全体に円筒形状を呈する枠部材である。
第4レンズ保持枠アーム部92は、撮影光軸OA方向での位置を異ならせて、第4レンズ保持部91と第4レンズ保持枠回動基部93とを繋いでおり、第4レンズ保持枠41におけるアーム部を構成する。この他端側に第4レンズ保持枠回動基部93が連続されている。
第4レンズ保持枠回動基部93は、互いに等しい軸線上に挿通孔(94a、95a)が設けられた円板状の前側軸嵌合部分94および円板状の後側軸嵌合部分95と、それらの間に略円柱状の空間を形成すべく両部分94、95を連結する連結壁部分96と、を有する。その挿通孔94aおよび挿通孔95aは、第4群主ガイド軸42との相対的な移動を可能としつつ当該第4群主ガイド軸42の挿通を許す貫通孔とされている。後側軸嵌合部分95には、第4レンズ保持枠アーム部92が連続されている。連結壁部分96は、挿通孔94aおよび挿通孔95aの軸線(挿通される第4群主ガイド軸42の軸線)に直交する面で見て、当該軸線を中心として湾曲された円筒状を呈する。
この連結壁部分96の内壁面には、円筒内周面に対して凹状とされた段差部96aが設けられている。この段差部96aは、図15に示すように、基端側にカム斜面形状を為すカム面96bと、その下端に連続しつつ撮影光軸OA方向に延在する側方係合面96cと、前側軸嵌合部分94の下端面により形成され撮影光軸OAとほぼ垂直に交わる平面となる前側係合面96dと、を形成している。
この第4レンズ保持枠回動基部93は、連結壁部分96を介在させた前側軸嵌合部分94の挿通孔94aおよび後側軸嵌合部分95の挿通孔95aにより、第4群主ガイド軸42の軸線回りに回転可能にかつその軸線方向に移動可能に、当該第4群主ガイド軸42に支承される(図16等参照)。
この第4群主ガイド軸42は、固定筒部21aの外方位置において、撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行に設けられており、互いに撮影光軸OA方向に間隔を置いて固定枠21に固定された鏡胴ベース81と押え板82とに狭持されている(図1および図13参照)。このため、第4レンズ保持枠41は、第4群主ガイド軸42回りに適宜回動されることにより、第4レンズ群14を固定枠21の固定筒部21aの外部に退避して収容空間21Qに収容した収納位置(沈胴収納状態D(図2および図11参照))と、撮影光軸OA(撮影光路)上に第4レンズ群14を挿入した撮影位置(撮影状態P(図3および図12参照))と、の間で移動(回転移動)可能とされている。また、第4レンズ保持枠41は、撮影位置(撮影状態P)において第4群主ガイド軸42に沿って適宜移動されることにより、撮影光軸OA(撮影光路)上に挿入した第4レンズ群14を当該撮影光軸OA上で移動(直進移動)可能とされている。
この第4レンズ保持枠41では、第4レンズ保持枠アーム部92の中間位置にストッパ41a(図11および図12参照)と遮光片41bとが突設されている。このストッパ41aは、図11および図12に示すように、収納位置(収容空間21Q)から撮影位置(撮影光軸OA上)への回動方向前側に設けられている。ストッパ41aは、第4群副ガイド軸43に当接することにより、第4レンズ保持枠41に保持された第4レンズ群14を撮影光軸OA上(撮影位置)に位置させるように位置設定されている。その第4群副ガイド軸43は、棒状を呈し、撮影光軸OA方向に延在するように鏡胴ベース81に設けられている。この第4群副ガイド軸43は、第4群主ガイド軸42と実質的に平行に設けられている。この第4群副ガイド軸43およびストッパ41aは、圧縮トーションスプリング46との協働により、第4レンズ群14(第4レンズ保持枠41)を撮影光軸OA上(撮影位置)とする位置決めの機能を有する。
また、遮光片41bは、第4レンズ保持枠41(第4レンズ群14)が収納位置にあるか否かを検出するために、板状に延出されて形成されている。この遮光片41bは、第4レンズ保持枠41が収納位置(退避位置)にあると(図2および図11参照)、第4レンズ群14の位置検出装置としてのフォトインタラプタ48の検出部を遮光し、第4レンズ保持枠41が撮影位置にあると(図3および図12参照)、そのフォトインタラプタ48の検出部から外れるものとされている。このフォトインタラプタ48は、検出部が遮光片41bにより遮光されるとL(低レベル)の基準信号を出力し、検出部が遮光されていないとH(高レベル)の基準信号を出力する。このため、L(低レベル)の基準信号が発生すると、第4レンズ保持枠41が収納位置に達したと考えてよいので、その物体側に位置する第3レンズ保持枠31の収納位置への退避動作(可動レンズ鏡筒の収納動作)を開始することができる。この第4レンズ保持枠41は、第4群リードスクリュー44からの駆動力を受けて回転移動および直進移動される。
第4群リードスクリュー44は、図13および図16に示すように、外周面にネジ溝が設けられた棒状を呈し、結像面側端部にギア74が一体固定されている。この第4群リードスクリュー44は、固定筒部21aの外方位置において、押え板82と固定枠21との間で、撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行とされて回転可能に狭持されている。この第4群リードスクリュー44は、先端44aがスクリュー付勢片47の腕部47a(図1および図13参照)から撮像面側へと付勢されることにより、撮影光軸OA方向でのガタが片寄せされている。第4群リードスクリュー44は、第4群モータ53の出力軸に設けられたギア71からの回転駆動力が、ギア72およびギア73を介してギア74へと伝達されることにより、回転駆動される。この回転駆動力の第4レンズ保持枠41への伝達のために、螺合部材45が設けられている。
螺合部材(ラック)45は、図17に示すように、円筒状の挿通基部45aと、そこから延出された柱状の係合脚部45bと、を有する。その挿通基部45aには、第4群主ガイド軸42との相対的な移動を可能としつつ当該第4群主ガイド軸42の挿通を許す貫通孔45cと、係合脚部45bとは反対側に突出された当接部45dと、が設けられている。係合脚部45bには、第4群リードスクリュー44のネジ溝と螺合可能な複数の歯が形成されたラック部45eと、圧縮トーションスプリング46の他方の腕部46bの固定のための係合突起部45f(図16参照)と、係合脚部45bにおけるラック部45eの裏側に位置する摺動当接面45gと、が設けられている。
この螺合部材45は、図16に示すように、第4レンズ保持枠41の第4レンズ保持枠回動基部93における前側軸嵌合部分94と後側軸嵌合部分95との間の空間(連結壁部分96の内方位置)内で、挿通基部45aの挿通孔45cに第4群主ガイド軸42が挿通されて設けられている。このため、螺合部材45は、連結壁部分96の内方位置で、第4群主ガイド軸42を中心として回動可能にかつ第4群主ガイド軸42に沿って移動(直進移動)可能に支持され、第4レンズ保持枠41との相対的な回動および直進移動が可能とされている。この状態において、螺合部材45の当接部45dが、連結壁部分96の内壁面に形成された段差部96a内(図13参照)に位置される(図18参照)。このため、当接部45dは、段差部96aのカム面96b、側方係合面96cおよび前側係合面96d(前側軸嵌合部分94の下端面)と、係合可能とされている(図15参照)。この螺合部材45の下方(後側軸嵌合部分95側)に、圧縮トーションスプリング46が設けられている。
圧縮トーションスプリング46は、連結壁部分96の内方位置において、第4群主ガイド軸42の周囲を取り巻くように配設されている。この圧縮トーションスプリング46は、一方の腕部46aが第4レンズ保持枠41の第4レンズ保持枠アーム部92に固定され、他方の腕部46bが螺合部材45の係合脚部45bの係合突起部45fに固定されている。このため、圧縮トーションスプリング46は、連結壁部分96の内方位置において、螺合部材45を第4群主ガイド軸42上(撮影光軸OA方向)で像面側(後側軸嵌合部分95側)から物体側(前側軸嵌合部分94側)へと向かう方向(前方向(図18を正面視して上側))に常時付勢(以下、直進付勢ともいう)しているとともに、第4レンズ保持枠41と螺合部材45とを第4群主ガイド軸42を中心とする回動方向で互いに離間するように常時付勢(以下、回動付勢ともいう)している。圧縮トーションスプリング46から回動付勢される螺合部材45は、その回動付勢方向前側に位置するラック部45eが第4群リードスクリュー44のネジ溝に螺合される。
螺合部材45のラック部45eは、螺合部材45が第4群リードスクリュー44(そのネジ溝)へと押圧されることにより、撮影光軸OA方向およびそこに直交する方向へのガタが取り除かれた適切な状態で第4群リードスクリュー44(そのネジ溝)に螺合可能とされている。螺合部材45は、撮影光軸OAに直交する面で見て、第4群リードスクリュー44と摺動壁部49(図13参照)との間に位置されており、その摺動壁部49に摺動当接面45g(図17、図18参照)が当接することにより、上述した螺合状態が解除されることが防止されている。
次に、このように構成された第4レンズ保持枠41が、上述した進退駆動機構40により、第4レンズ群14を固定枠21の固定筒部21aから外部に退避した収納位置(沈胴収納状態D)と、撮影光軸OA上に第4レンズ群14を挿入した撮影位置(撮影状態P)との間で回動する際の作用について説明する。
第4レンズ保持枠41(その進退駆動機構40)では、第4レンズ保持枠回動基部93が、その円筒内周面に設けられた段差部96aのカム面96bと、そこに受け入れられた螺合部材45の当接部45dとの摺動により、前後方向(撮影光軸OA方向)に直線運動される螺合部材45の押圧力を受けて回動され、当接部45dと前側係合面96dとの当接により、前後方向に直線運動される螺合部材45の押圧力を受けて直進される(図18等参照)。このため、段差部96aがカム溝として機能し、螺合部材45の当接部45dがカムピンとして機能することとなる。これにより、段差部96aと当接部45dとは、直線運動される螺合部材45の移動を、第4レンズ保持枠41における、第4群主ガイド軸42回りの回動運動と、第4群主ガイド軸42に沿う直進運動と、に変換する変換機構を構成している。この際のカム溝である段差部96a内での当接部45dの位置に対する第4レンズ保持枠回動基部93の動作を説明する。
第4レンズ保持枠41の進退駆動機構40では、上述した構成であることから、圧縮トーションスプリング46の回動付勢により、第4レンズ保持枠41の段差部96aと、螺合部材45の当接部45dと、の間で第4群主ガイド軸42回りの相対的に押圧する力が作用する。また、圧縮トーションスプリング46の直進付勢により、螺合部材45(その挿通基部45aの下端面45i(図18等参照))と、第4レンズ保持枠41の第4レンズ保持枠回動基部93(その後側軸嵌合部分95の上端面95b)と、の間で第4群主ガイド軸42に沿う相対的に離間させる力が作用する。
当接部45dが、図15に示すように、カム面96bが存在しない位置よりも前方(物体側であり正面視上方)に移動されると(退避開始位置B(図18参照))、圧縮トーションスプリング46の回動付勢により、第4レンズ保持枠41がストッパ41aを第4群副ガイド軸43に当接させて第4レンズ群14を撮影光軸OA上(撮影位置)とする回動姿勢となるとともに、螺合部材45のラック部45e(そのネジ溝)が第4群リードスクリュー44(そのネジ溝)に押し当てられてそこに適切に螺合する。
この当接部45dが、その上面(螺合部材45の上端面45h)が前側係合面96dに当接する位置まで前方へ移動されると、圧縮トーションスプリング46の直進付勢により、螺合部材45と第4レンズ保持枠回動基部93(第4レンズ保持枠41)との一体的な直進移動が可能となる。このため、さらに当接部45dが前方に移動される(螺合部材45の広角位置Wまたは望遠位置T等(図18参照))と、当接部45d(その上面(螺合部材45の上端面45h))が前側係合面96dを前方へと押圧して、第4レンズ保持枠回動基部93すなわち第4レンズ保持枠41を前方へ押し上げるので、第4レンズ群14が適宜物体側へと移動される。すなわち、第4レンズ保持枠41は、圧縮トーションスプリング46の回動付勢と第4群副ガイド軸43の規制とにより、第4レンズ群14が撮影光軸OA(撮影光路)上に位置決めされた状態を維持しつつ像面側から物体側へと漸次移動する。当接部45dが望遠位置T(図18参照)から後方(像面側であり正面視下方)に移動される場合も同様である。この当接部45dと第4レンズ保持枠41との一体的な移動は、当接部45dが望遠位置Tとされた状態と、第4レンズ保持枠41の基端面(後側軸嵌合部分95の下端面95c)が鏡胴ベース81(その上面)に当接する状態(図18参照)と、の間で行われる。
当接部45dが、退避開始位置B(図18参照)から後方(像面側であり正面視下方)へ移動されると、当接部45dの側面の下端部がカム面96bに当接して後方へ押圧する。この状態では、当接部45dの下端面45iを基準とする圧縮トーションスプリング46からの直進付勢により、第4レンズ保持枠41の基端面(下端面95c)が鏡胴ベース81に当接している(図18参照)。このため、第4レンズ保持枠41では、第4群リードスクリュー44に沿って移動される当接部45dの位置(図15では正面視の高さ位置)に応じて、その当接部45dが当接するカム面96bのカム軌跡に倣うように、圧縮トーションスプリング46の回動付勢力に抗して第4レンズ保持枠回動基部93が回動される。これにより、第4レンズ保持枠回動基部93すなわち第4レンズ保持枠41は、退避位置へ向けて回動されている移行状態となり、第4レンズ群14が撮影光軸OA上から退避位置へと退避される移行状態となる。このように、退避移行状態では、第4群リードスクリュー44に沿って移動される螺合部材45の当接部45dが第4レンズ保持枠41のカム面96bに係合された変換機構により、圧縮トーションスプリング46の回動付勢力に抗して一方の腕部46aと他方の腕部46bと間隔を狭めるように縮める力が当該圧縮トーションスプリング46に作用する。
当接部45dが、収納位置Sすなわちカム面96bが存在しない位置まで後方に移動されると、圧縮トーションスプリング46の回動付勢により、当接部45dの側面が側方係合面96cに当接して互いに押圧する。この状態では、第4レンズ群14が収容空間21Q(収納位置)に位置されるように(図2、図11等参照)、各位置が設定されている。このように螺合部材45(当接部45d)が収納位置Sに到達すると、圧縮トーションスプリング46では、軸方向(直進付勢方向)に最もチャージされるとともに、軸回り方向(回動付勢方向)に最もチャージされる。
レンズ鏡胴10では、上述したように、この第4レンズ保持枠41の収納動作完了後、第3レンズ保持枠31の収納動作が許可される。その第3レンズ保持枠31およびその退避枠駆動機構としての進退駆動機構30の構成について説明する。第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)における進退駆動機構30は、図11、図12および図19ないし図22に示すように、第3レンズ群13を保持する第3レンズ保持枠31に対応して、第3群主ガイド軸32、第3群副ガイド軸33、第3群リードスクリュー34、雌ねじ部材35、圧縮トーションスプリング36、第3群モータ52およびギア75〜77を有する。
第3レンズ保持枠31は、一端に第3レンズ群13を保持しかつ他端が回動可能にかつスライド移動可能に第3群主ガイド軸32に挿通されるものであり、図19に示すように、第3レンズ保持部61と、第3レンズ保持枠アーム部62と、第3レンズ保持枠回動基部63と、を有する。
第3レンズ保持部61は、第3レンズ保持枠31における一端側(先端側)に位置されており、第3レンズ群13を保持している。第3レンズ保持部61は、全体に円筒形状を呈する枠部材である。
第3レンズ保持枠アーム部62は、第3レンズ保持部61と第3レンズ保持枠回動基部63とを繋いでおり、第3レンズ保持枠31におけるアーム部を構成している。第3レンズ保持枠アーム部62は、中間位置が第3群主ガイド軸32と平行方向に延在する全体にクランク状の屈曲部を構成している。この他端側に第3レンズ保持枠回動基部63が連続されている。
第3レンズ保持枠回動基部63は、全体に円筒形状を呈する円筒ボス部分63aと、その周囲に設けられた湾曲壁部分63bと、を有する。円筒ボス部分63aには、第3群主ガイド軸32との相対的な移動を可能としつつ当該第3群主ガイド軸32の挿通を許す貫通孔63cが設けられている。湾曲壁部分63bは、貫通孔63c(第3群主ガイド軸32)の軸線を中心として湾曲された板状部材を呈する。この湾曲壁部分63bは、円筒ボス部分63a(その外周面)を所定の間隔を置いて取り巻くように設けられている。第3レンズ保持枠回動基部63では、湾曲壁部分63bに第3レンズ保持枠アーム部62が連続されている。この湾曲壁部分63bには、その円筒外周面に対して凸状とされた段差部65が設けられている。この段差部65は、基端側(像面側)に撮影光軸OA方向に対して傾斜されたカム斜面形状を為すカム面65aと、その下端に連続しつつ撮影光軸OA方向に延在する側方係合面65bと、を形成している。
この第3レンズ保持枠回動基部63は、円筒ボス部分63aの貫通孔63cにより、第3群主ガイド軸32の軸線回りに回転可能にかつ撮影光軸OA方向に移動可能に、当該第3群主ガイド軸32に支承される(図11、図12および図20等参照)。
この第3群主ガイド軸32は、固定筒部21aの外方位置において、第3レンズ群13の撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行に設けられており、互いに撮影光軸OA方向に間隔を置くように固定枠21に固定された押え板83と押え板84とに狭持されている(図1および図21参照)。このため、第3レンズ保持枠31は、第3群主ガイド軸32回りに適宜回動されることにより、図2および図11に示すように、沈胴収納状態における第3レンズ群13を固定枠21の収容空間21Qに収容して固定筒部21aから外部に退避した収納位置(沈胴収納状態D)と、図3および図12に示すように、撮影状態における撮影光軸OA(撮影光路)上に第3レンズ群13を挿入した撮影位置(撮影状態P)と、の間で移動(回転移動)可能とされている。また、第3レンズ保持枠31は、撮影位置(撮影状態P)において第3群主ガイド軸32に沿って適宜移動されることにより、撮影光軸OA(撮影光路)上に挿入した第3レンズ群13を当該撮影光軸OA上で移動(直進移動)可能とされている。
この第3レンズ保持枠31では、第3レンズ保持枠アーム部62の中間位置にストッパ31aと遮光片31bとカムピン31cとが突設されている。このストッパ31aは、図11および図12に示すように、収納位置(収容空間21Q)から撮影位置(撮影光軸OA上)への回動方向前側に設けられている。ストッパ31aは、第3群副ガイド軸33に当接することにより、第3レンズ保持枠31に保持された第3レンズ群13を撮影光軸OA上(撮影位置)に位置させるように位置設定されている。その第3群副ガイド軸33は、棒状を呈し、撮影光軸OA方向に延在するように鏡胴ベース81に設けられている。この第3群副ガイド軸33は、第3群主ガイド軸32と実質的に平行に設けられており、ストッパ31aおよび圧縮トーションスプリング36との協働により、第3レンズ群13(第3レンズ保持枠31)を撮影位置(撮影光軸OA上)とする位置決めの機能を有する。
また、遮光片31bは、第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)が収納位置にあるか否かを検出するために、板状に延出されて形成されている。この遮光片31bは、第3レンズ保持枠31が収納位置(退避位置)にあると(図2および図11参照)、第3レンズ群13の位置検出装置としてのフォトインタラプタ37(図11および図12参照)の検出部を遮光し、第3レンズ保持枠31が撮影位置にあると(図3および図12参照)、そのフォトインタラプタ37の検出部から外れるものとされている。このフォトインタラプタ37は、検出部が遮光片31bにより遮光されるとL(低レベル)の基準信号を出力し、検出部が遮光されていないとH(高レベル)の基準信号を出力する。このため、L(低レベル)の基準信号が発生すると、第3レンズ保持枠31が収納位置に達したと考えてよいので、その物体側に位置する第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15の沈胴収納位置への退避動作(可動レンズ鏡筒の収納動作)を開始することができる。
カムピン31cは、第3レンズ保持枠アーム部62の中間位置において、第3レンズ保持部61から第3レンズ保持枠回動基部63へと向かう方向に突出している。このカムピン31cの突出方向は、本実施例では、ストッパ31aの第3群副ガイド軸33への当接により位置決めされた状態において、撮影光軸OAを中心とする放射方向に略沿うものとされている。カムピン31cは、第1の回転筒22が回転されて沈胴状態から最大繰り出し位置に到達した状態において、その第1の回転筒22の内周面に設けられたカム溝22e(図5および図10参照)に係合可能でありかつカム溝22e内を摺動可能とされている。すなわち、カムピン31cは、カム溝22eに対するカムフォロワとして機能する。このカムピン31cは、第3レンズ保持枠アーム部62すなわち第3レンズ保持枠31と一体的に形成されていてもよく、第3レンズ保持枠31に別体で取り付けられるものであってもよい。
また、第3レンズ保持枠31では、第3レンズ保持枠回動基部63において、円筒ボス部分63aを取り巻く湾曲壁部分63bの下端に係合突起66が設けられている。係合突起66は、湾曲壁部分63bの湾曲形状に倣いつつ当該湾曲壁部分63bの下端から下方(像面側)へ向けて延出され、かつその下部から外方(第3群主ガイド軸32の軸線からの放射方向)へ向けて延出された板状を呈する。すなわち、係合突起66は、湾曲壁部分63bの周壁面に直交しつつ撮影光軸を含む断面で見て、湾曲壁部分63bの下端から延出された全体にL字形状の板状を呈する。この係合突起66は、後述するように、第3レンズ保持枠31の段差部65のカム面65aへの雌ねじ部材35の当接部35aの係合(押圧)により、第3レンズ保持枠31の基端面31uが押え板84に当接しつつ収容方向へと回動された状態において、鏡胴ベース81に設けられた係合片部81a(図22参照)に係合可能とされている。この係合片部81aは、撮影光軸OA方向の物体側から、係合突起66における下部から外方へと延出された箇所(その物体側となる上面)と、係合可能とされている(図22(a)参照)。係合片部81aは、第3レンズ保持枠31がストッパ31aを第3群副ガイド軸33に当接させて第3レンズ群13を撮影光軸OA上(撮影位置)とした状態とされると、その係合突起66と係合しない位置設定とされている(図22(b)参照)。この第3レンズ保持枠31は、第3群リードスクリュー34からの駆動力を受けて回転移動される。
第3群リードスクリュー34は、図20および図21に示すように、外周面にネジ溝が設けられた棒状を呈し、結像面側端部にギア77が一体固定されている。この第3群リードスクリュー34は、固定筒部21aの外方位置において、図1および図21に示すように、押え板83と押え板84との間で、撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行とされて回転可能に狭持されている。第3群リードスクリュー34は、退避用駆動源としての第3群モータ52の出力軸に設けられたギア75からの回転駆動力が、ギア76を介してギア77へと伝達されることにより、回転駆動される。この回転駆動力の第3レンズ保持枠31への伝達のために、雌ねじ部材35が設けられている。
雌ねじ部材35は、第3群リードスクリュー34に螺合されており、当接部35aと回転止め突起部35bとを有する。当接部35aは、上述した第3レンズ保持枠31(第3レンズ保持枠回動基部63の湾曲壁部分63b)の段差部65におけるカム面65aおよび側方係合面65bに当接(係合)可能である(図23等参照)。回転止め突起部35bは、固定枠21の固定筒部21aに形成された撮影光軸OA方向に平行なガイド溝(図示せず)に嵌合摺動するものであり、第3群リードスクリュー34の回転に伴って雌ねじ部材35が回ってしまうことを防止する回転止めとして機能する。すなわち、雌ねじ部材35は、回転止め突起部35bが固定枠21のガイド溝に嵌合して回転が阻止されているので、第3群リードスクリュー34の回転によって、撮影光軸OAに沿って進退移動する。このため、雌ねじ部材35は、退避用駆動源としての第3群モータ52により撮影光軸OA方向に移動される進退移動部材として機能する。この雌ねじ部材35の当接部35aが当接(係合)される段差部65が設けられた第3レンズ保持枠31に付勢力を付与するために、圧縮トーションスプリング36が設けられている。
圧縮トーションスプリング36は、第3レンズ保持枠31の第3レンズ保持枠回動基部63と押え板84との間で、第3群主ガイド軸32を取り巻くように配設されている。この圧縮トーションスプリング36は、円筒ボス部分63aと湾曲壁部分63bとの間に設けられた筒状の空間に挿入されており、一方の腕部36aが第3レンズ保持枠31の第3レンズ保持枠アーム部62に固定され(図20参照)、他方の腕部36bが押え板84に固定されている(図21参照)。このため、圧縮トーションスプリング36は、第3レンズ保持枠31(第3レンズ保持枠回動基部63)を、第3群主ガイド軸32上(撮影光軸OA方向)で像面側(押え板84)から物体側(押え板83)へと向かう方向(前方向(図21を正面視して上側))に常時付勢(以下、直進付勢ともいう)しているとともに、第3群主ガイド軸32を中心とする回動方向で収納位置から撮影光軸OA上位置(撮影位置(撮影状態P))へ向かう方向に常時付勢(以下、回動付勢ともいう)している。この第3レンズ保持枠31における回動付勢される方向を、図11、図12等において矢印A1で示す。このことから、圧縮トーションスプリング36は、第3レンズ保持枠31を第3群主ガイド軸32に沿う方向で物体側へ向けて直進付勢する保持枠直進付勢手段として機能するとともに、第3レンズ保持枠31を第3群主ガイド軸32回りの方向で撮影位置へ向けて回動付勢する保持枠回動付勢手段として機能する。また、圧縮トーションスプリング36は、退避レンズ保持枠である第3レンズ保持枠31の回動基部を構成する回動筒体としての第3レンズ保持枠回動基部63への付勢力を付与する筒体付勢手段として機能する。
次に、このように構成された第3レンズ保持枠31が、進退駆動機構30により、第3レンズ群13を固定枠21の固定筒部21aから外部に退避した収納位置(沈胴収納状態D)と、撮影光軸OA上に第3レンズ群13を挿入した撮影位置(撮影状態P)との間で回動する際の作用、および撮影位置(撮影状態P)において撮影光軸OAに沿って進退する際の作用について説明する。
第3レンズ保持枠31(その進退駆動機構30)では、第3レンズ保持枠回動基部63が、湾曲壁部分63bに設けられた段差部65のカム面65aと、そこに係合(当接)された雌ねじ部材35の当接部35aとの摺動により、前後方向に直線運動される雌ねじ部材35の押圧力を受けて回動される。このため、段差部65(カム面65a)がカム突起として機能し雌ねじ部材35の当接部35aがカムピンとして機能する。これにより、段差部65(カム面65a)と当接部35aとは、撮影光軸OAに沿って直線運動される進退移動部材としての雌ねじ部材35の移動を、第3レンズ保持枠31における第3群主ガイド軸32回りの回転運動に変換する回転変換機構を構成している。その雌ねじ部材35は、上述したように、第3群モータ52により第3群リードスクリュー34が適宜回転駆動されることにより、当該第3群リードスクリュー34上で撮影光軸OA方向へと移動する。この雌ねじ部材35の撮影光軸OA方向への移動により、第3レンズ保持枠回動基部63の湾曲壁部分63bの段差部65に対する雌ねじ部材35の当接部35aの撮影光軸OA方向での位置が変化する。
この段差部65と当接部35aとの係合位置に対する第3レンズ保持枠31の動作を、図11、図12および図19ないし図22に加えて、図23ないし図26を用いて説明する。図23は、第3レンズ保持枠31における湾曲壁部分63bの段差部65と、そのカム面65aおよび側方係合面65bに係合する雌ねじ部材35の当接部35aと、その係合位置に応じて移動される第3レンズ保持枠31のカムピン31cと、そのカムピン31cが係合される第1の回転筒22のカム溝22eと、の相対的な位置関係を模式的に示す説明図であり、雌ねじ部材35(当接部35a)が上方(物体側)へと移動される際の様子を(a)〜(e)の順に示している。
雌ねじ部材35が、図21および図23に示すように、移動可能範囲における最も像面側(後方であり正面視下方)とされている場合、当接部35aがカム面65aの存在しない位置まで後方に移動され、第3レンズ保持枠回動基部63が回動付勢(矢印A1参照)されていることにより、当接部35aの側面が側方係合面65bに当接して互いに押圧する(図23(a)参照)。このとき、第3レンズ保持枠31は、基端面31uが押え板84に当接されている。ここで、第3レンズ保持枠31は、像面側(押え板84)から物体側(押え板83)へと直進付勢されているが、図22(a)に示すように、湾曲壁部分63bに設けられた係合突起66が、鏡胴ベース81に設けられた係合片部81aに係合していることから、第3レンズ保持枠31の基端面31uが押え板84に当接している状態から物体側(上方)に移動することが防止されている。この当接部35a(その側面)と側方係合面65bとが当接している状態(図23(a)参照)では、第3レンズ保持枠回動基部63すなわち第3レンズ保持枠31は、第3レンズ群13を退避位置としての固定枠21の収容空間21Qに収容して固定筒部21aから外部に退避した収納位置(退避位置)とする回動姿勢である退避収納状態(図2および図11参照)となるように位置設定されている。このため、雌ねじ部材35において、最も像面側(後方であり正面視下方)となる位置を収納位置S(図21参照)とする。このように雌ねじ部材35(当接部35a)が収納位置Sである場合、圧縮トーションスプリング36では、軸回り方向(回動付勢方向)に最もチャージされるとともに、軸方向(直進付勢方向)に最もチャージされる。
ここで、レンズ鏡胴10では、第3レンズ群13すなわち第3レンズ保持枠31を撮影光軸OA(撮影光路)上へと進入させる前に、第1の回転筒22を最大繰り出し位置まで完全に繰り出して、所定の回転姿勢となったところで、第1の回転筒22の回動を一度停止する。この所定の回転姿勢とは、第3レンズ保持枠31が第3レンズ群13を撮影光軸OA上の撮影位置(撮影状態P)とする姿勢とされた際、撮影光軸OA方向で見て、第3レンズ保持枠31のカムピン31cが第1の回転筒22のカム溝22e内に位置する状態をいう。図23では、(a)ないし(e)の各図において、最大繰り出し位置で所定の回転姿勢とされた第1の回転筒22を示している。このように、第1の回転筒22が最大繰り出し位置とされると、撮影光軸OA(撮影光路)上に第3レンズ保持枠31を挿入するスペースが確保される。また、第1の回転筒22が所定の回転姿勢とされると、第3レンズ群13を撮影位置(撮影状態P)とする姿勢の第3レンズ保持枠31が撮影光軸OA方向で物体側(図23で上方)に移動された際、そのカムピン31cをカム溝22eで受け入れることが可能となる(図23(d)、(e)参照)。このため、第1の回転筒22を最大繰り出し位置で所定の回転姿勢として、退避レンズ保持枠としての第3レンズ保持枠31の進入動作を開始する。
雌ねじ部材35が収納位置S(図21参照)から前方(物体側であり正面視上方)に移動すると、当接部35aの左下端部(当接辺部)がカム面65aに当接(係合)する(図23(b)参照)。このとき、第3レンズ保持枠回動基部63では、像面側(押え板84)から物体側(押え板83)へと直進付勢されているが、湾曲壁部分63bの係合突起66が鏡胴ベース81の係合片部81aに係合している(図22(a)参照)ことから、第3レンズ保持枠31の基端面31uが押え板84に当接している状態が維持されている。このため、第3レンズ保持枠回動基部63では、圧縮トーションスプリング36からの回動付勢(矢印A1参照)により、カム面65aと当接部35a(その左下端部)との当接位置に応じて回動され(図23(b)参照)、その回動に応じて第3レンズ保持枠31が保持する第3レンズ群13が収納位置(収容空間21Q)から撮影光軸OA上へ向けて移動(回転移動)する(図11および図12参照)。この第3レンズ保持枠31が所定の位置まで回動すると、遮光片31bがフォトインタラプタ37(図11および図12参照)の検出部から外れるので、フォトインタラプタ37からはL(低レベル)からH(高レベル)となる基準信号(進入基準信号)が出力される。このため、第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)は、フォトインタラプタ37からの進入基準信号を基準としてパルスカウントにより位置制御される。
この状態において、さらに雌ねじ部材35が前方側の所定の位置(図21の符号B参照)まで移動されると、基端面31uが押え板84に当接している状態を維持したまま第3レンズ保持枠31(第3レンズ保持枠回動基部63)がカム面65aのカム軌跡に倣うように回動し(図23(c)参照)、その第3レンズ保持枠31のストッパ31aが第3群副ガイド軸33に当接係合する(図12参照)。これにより、第3レンズ群13が撮影光軸OA上の撮影位置(撮影状態P)とされる(図3および図12等参照)。このストッパ31aと第3群副ガイド軸33とが当接される姿勢(回動位置)は、退避動作の際には、第3レンズ群13の撮影光軸OA上からの退避が開始される箇所となることから、雌ねじ部材35における退避開始位置B(図21参照)となる。このように、ストッパ31aが第3群副ガイド軸33に当接係合する姿勢(回動位置)まで第3レンズ保持枠31が回動すると、湾曲壁部分63bの係合突起66と鏡胴ベース81の係合片部81aとの係合が解除される(図22(b)参照)。このため、第3レンズ保持枠31は、圧縮トーションスプリング36からの直進付勢により、一定の位置でカム面65aに当接する当接部35aの高さ位置(撮影光軸OA方向での位置)に応じて、物体側(上方)に移動することが可能となる。
この状態において、さらに雌ねじ部材35が前方に移動されると、カム面65aへの一定の当接状態とされた当接部35aの高さ位置(撮影光軸OA方向での位置)に応じて、圧縮トーションスプリング36からの直進付勢により、第3レンズ保持枠回動基部63(第3レンズ保持枠31)が適宜物体側へと移動する(図23(c)、(d)参照)。このとき、第3レンズ保持枠回動基部63は、回動付勢されているので(矢印A1参照)、第3群副ガイド軸33に規制された撮影光軸OA上位置を維持する。ここで、雌ねじ部材35が前方側の所定の位置(図21の符号K参照)まで移動されると、第3レンズ保持枠31のカムピン31cが、第1の回転筒22のカム溝22e内へと進入し、カム溝22eにおける第1の回転筒22の周方向(図10および図24で見て上下方向)へと延在し始める位置(図24の符号Sk参照)で当該カム溝22eに嵌合する(図23(d)および図25参照)。このため、雌ねじ部材35が前方(物体側であり正面視上方)へと最大限に移動されても(図21の符号Z参照)、カムピン31cとカム溝22eとの嵌合により、第3レンズ保持枠回動基部63(第3レンズ保持枠31)が適宜物体側へと移動することが防止される(図23(e)参照)。このことから、雌ねじ部材35において、カムピン31cとカム溝22eとを嵌合させる位置は、雌ねじ部材35の撮影光軸OA方向の移動により、第3レンズ保持枠31を動作させるすなわち第3レンズ保持枠31の位置および姿勢を制御する状態と、カムピン31cに対するカム溝22eの移動により、第3レンズ保持枠31を動作させるすなわち第3レンズ保持枠31の位置および姿勢を制御する状態と、の乗り換えを行う乗換位置K(図21参照)となる。換言すると、レンズ鏡胴10では、乗換位置Kにおいて、回転変換機構を介して第3群モータ52の動力を第3レンズ保持枠31に伝達する状態と、後述する直進変換機構を介してズームモータ51の動力を第3レンズ保持枠31に伝達する状態と、を切り換える、すなわち駆動源を乗り換るべく第3レンズ保持枠31に対する接続状態を切り換えることができる。なお、雌ねじ部材35を前方へと最大限に移動するのは(図21の符号Z参照)、上述したカム機構による第3レンズ保持枠31の撮影光軸OA方向への移動を阻害することを防止するために、当接部35aがカム面65aに当接することを回避するためである(図23(e)参照)。このため、雌ねじ部材35において、最も物体側(前方であり正面視上方)となる位置が回避位置Z(図21参照)となる。
このように雌ねじ部材35が回避位置Z(図21参照)とされると、一度停止した第1の回転筒22を再び回動させる。第3レンズ保持枠31は、そのカムピン31cと第1の回転筒22のカム溝22e(図5および図10参照)との摺動により、第1のライナー23に対して前後方向に直線運動される。なお、雌ねじ部材35が乗換位置Kよりも前方とされれば、その当接部35aがカム面65aから離間されることから、本実施例のように、雌ねじ部材35を回避位置Zまで移動させる制御に限定されるものではない。
上述したように、第1の回転筒22は、一度停止した状態において、最大繰り出し位置まで繰り出されていることから、ズームモータ51の回転駆動力がギア部22b(図5参照)を介して第1の回転筒22へと伝達されると、最大繰り出し位置を維持しつつ固定筒部21aに対して回転駆動する。このとき、第3レンズ保持枠31は、第3群主ガイド軸32に撮影光軸OA方向への移動可能に軸支されるとともに、ストッパ31aの第3群副ガイド軸33への押圧により第3レンズ群13を撮影光軸OA(撮影光路)上とする状態に位置決めされていることから、撮影光軸OA方向への移動は可能であるが、固定筒部21aに対して撮影光軸OA回りに回動することはない。
このため、第3レンズ保持枠31のカムピン31cから見ると、第1の回転筒22の回動姿勢に応じて、カム溝22eへの係合位置が変化する(図24および図26等参照)。このカム溝22eは、図24に示すように、同図を正面視した下端が像面側(右側)に開放するとともに撮影光軸OA方向へと延在し、そこ(符号Sk参照)から上方へと延在され(符号Sw参照)、その後被写体側(左側)へと上斜め方向に延在されている(符号St参照)。このため、第3レンズ保持枠31は、カムピン31cの係合位置が、符号SkからSwへと変化する場合、固定筒部21aに対する位置を変化させることはなく、符号SwからStへと変化する場合、固定筒部21aに対して適宜被写体側へと移動する。このとき、第3レンズ保持枠31(第3レンズ保持枠回動基部63)は、撮影光軸OA上位置へと回動付勢されているので(図12等の矢印A1参照)、第3群副ガイド軸33に規制された撮影光軸OA上位置を維持している。このため、このカム溝22eとカムピン31cとは、第1の回転筒22の回動を、第3レンズ保持枠31の第3群主ガイド軸32に沿う移動すなわち撮影光軸OA方向への直進移動に変換する直進変換機構としてのカム構造を構成している。
ここで、レンズ鏡胴10では、第1の回転筒22が、カムピン31cをカム溝22eにおける符号Swの位置に係合させる回動姿勢となると、当該第1の回転筒22の回動姿勢に応じて所定のごとくズーミング動作する第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15が、撮影状態における広角位置となるように設定されている。また、レンズ鏡胴10では、第1の回転筒22が、カムピン31cをカム溝22eにおける符号Stの位置に係合させる回動姿勢となると、第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15が、撮影状態における望遠位置となるように設定されている。
なお、ズームモータ51の駆動により第1の回転筒22を逆向きに回動させると、上述した動作を逆転させることができ、その後に第3群モータ52の駆動により雌ねじ部材35を逆向きに移動させると、上述した動作を逆転させることができる。
このように、レンズ鏡胴10では、第3群モータ52の駆動により、第3レンズ群13が退避位置(沈胴収納状態D)と撮影位置(撮影状態P)とを移行する。また、レンズ鏡胴10では、ズームモータ51の駆動により、第1レンズ群11、第2レンズ群12、およびシャッタ/絞りユニット15が、収納位置(沈胴収納状態D)と撮影位置(撮影状態P)とを移行するとともに所定のごとくズーミング動作し、そのズーミング動作に連動して第3レンズ群13が所定のごとくズーミング動作する。
すなわち、雌ねじ部材35が収納位置S(図21参照)とされると、第3レンズ群13が撮影光軸OA上から固定筒部21aの外部に退避された退避位置(収容空間21Q)に収容される。また、雌ねじ部材35が退避開始位置B(図21参照)とされると、第3レンズ群13が撮影光軸OA上の撮影位置(撮影状態P)とされる。
その雌ねじ部材35が乗換位置K(図21参照)とされると、第3レンズ群13が撮影光軸OA上で広角位置へと移動されるとともに、第3レンズ保持枠31のカムピン31cと、第1の回転筒22のカム溝22eと、が嵌合される(図24(c)および図25参照)。
カムピン31cとカム溝22eとが嵌合した状態で第1の回転筒22が回動されると、カムピン31cのカム溝22eへの係合位置(図26参照)に応じて、第3レンズ群13が撮影光軸OA上において広角位置を経て望遠位置まで移動される(図3および図12等参照)。
このように、進退駆動機構30は、回転変換機構を介することで第3群モータ52による雌ねじ部材35の撮影光軸OA方向への移動により第3レンズ保持枠31を第3群主ガイド軸32回りに回転運動させて、固定枠21の収容空間21Qに収容して固定筒部21aから外部に退避した収納位置(沈胴収納状態D(図2および図11参照))と、撮影光軸OA(撮影光路)上に挿入した撮影位置(撮影状態P(図3および図12参照))と、の間で第3レンズ群13を移動(回転移動)させる。また、進退駆動機構30は、直進変換機構を介することで固定筒部21aに対する第1の回転筒22の回転により第3レンズ保持枠31を第3群主ガイド軸32に沿って直進移動させて、撮影光軸OA(撮影光路)上に挿入した第3レンズ群13を当該撮影光軸OAに沿って移動(直進移動)させる。この進退駆動機構30では、雌ねじ部材35を乗換位置K(図21参照)とするとともに、第1の回転筒22をカムピン31cが符号Skの位置でカム溝22eに係合する回動姿勢とすることにより、回転変換機構を介して第3群モータ52を動力源とする第3レンズ保持枠31の回転駆動制御(第3群リードスクリュー34による送りねじ機構での制御)と、直進変換機構を介してズームモータ51を動力源とする第3レンズ保持枠31の直進駆動制御(カム溝22eのカム軌跡によるカム機構での制御)と、を切り換える、すなわち駆動源を乗り換えて第3レンズ保持枠31を駆動制御することができる。
次に、上述の実施例に示したレンズ鏡胴10を含む光学系装置を、撮影光学系として採用してカメラ100(撮像装置)100を構成した例について図27ないし図29を参照して説明する。図27は、物体、すなわち被写体側である前面側から見たカメラ100の外観を示す斜視図であり、図28は、撮影者側である背面側から見たカメラ100の外観を示す斜視図であり、図29は、カメラ100の機能構成を示すブロック図である。なお、ここでは、カメラ100について説明しているが、いわゆるPDA(personal data assistant)や携帯電話機等の携帯型情報端末装置にカメラ機能を組み込んだものが近年登場している。
このような携帯型情報端末装置も外観は若干異にするもののカメラ100と実質的に全く同様の機能・構成を含んでいるものが多く、このような携帯型情報端末装置に本発明に係るレンズ鏡胴10を含む光学系装置を採用してもよい。また、同様に、本発明に係るレンズ鏡胴10を含む光学系装置を画像入力装置に採用してもよい。
図27および図28に示すように、カメラ100は、撮影レンズ101、シャッタボタン102、ズームレバー103、ファインダ104、ストロボ105、液晶モニタ106、操作ボタン107、電源スイッチ108、メモリカードスロット109および通信カードスロット110等を備えている。さらに、図29に示すように、カメラ100は、受光素子201、信号処理装置202、画像処理装置203、中央演算装置(CPU)204、半導体メモリ205および通信カード206等も備えている。また、明確には図示されていないが、これら各部は、駆動電源としてのバッテリにより給電されて動作する。
カメラ100は、撮影レンズ101と、CCD(電荷結合素子)撮像素子等のエリアセンサとしての受光素子201と、を有しており、撮影光学系である撮影レンズ101により形成される撮影対象となる物体、つまり被写体の像を受光素子201により読み取るように構成されている。この撮影レンズ101としては、本実施例において説明したような本発明に係るレンズ鏡胴10を含む光学系装置を用いる。具体的には、レンズ鏡胴10を構成する光学要素であるレンズ等を用いて光学系装置を構成する(例えば、固体撮像素子16(図4参照)を用いて受光素子201を構成する)。レンズ鏡胴10は、各レンズ等を、少なくともレンズ群毎に移動操作し得るように保持する機構を有する。カメラ100に組み込まれる撮影レンズ101は、通常の場合、この光学系装置の形で組み込まれる。
受光素子201の出力は、中央演算装置204により制御される信号処理装置202によって処理され、デジタル画像情報に変換される。信号処理装置202によりデジタル化された画像情報は、やはり中央演算装置204によって制御される画像処理装置203において所定の画像処理が施された後、不揮発性メモリ等の半導体メモリ205に記録される。この場合、半導体メモリ205は、メモリカードスロット109に装填されたメモリカードでもよく、カメラ本体に内蔵された半導体メモリでもよい。液晶モニタ106には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ205に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ205に記録した画像は、通信カードスロット110に装填した通信カード等206を介して外部へ送信することも可能である。
撮影レンズ101は、カメラ100の携帯時には図27(a)に示すように沈胴状態にあってカメラ100のボディ内に埋没している。ユーザーが電源スイッチ108を操作すると、電源が投入され、図27(b)に示すように鏡胴が繰り出され、カメラ100のボディから突出して撮影状態Pとなる構成とする。このとき、撮影レンズ101のレンズ鏡胴10の内部では、ズームレンズを構成する各群の光学系が、例えば広角位置に配置されており、ズームレバー103を操作することによって、各群光学系の配置が変更されて、望遠端への変倍動作を行うことができる。
なお、ファインダ104の光学系も撮影レンズ101の画角の変化に連動して変倍するようにすることが望ましい。
多くの場合、シャッタボタン102の半押し操作により、フォーカシングがなされる。本実施例のズームレンズにおけるフォーカシングは、主として第4レンズ群14の移動によって行うことができる。シャッタボタン102をさらに押し込み全押し状態とすると撮影が行なわれ、その後に上述した通りの処理がなされる。
半導体メモリ205に記録した画像を液晶モニタ106に表示させたり、通信カード等206を介して外部へ送信させたりする際には、操作ボタン107を所定のごとく操作する。半導体メモリ205および通信カード等206は、メモリカードスロット109および通信カードスロット110等のような、それぞれ専用または汎用のスロットに装填して使用される。
なお、撮影レンズ101が沈胴状態にあるときには、第3レンズ群13および第4レンズ群14が撮影光軸OA(撮影光路)上から退避して、第1レンズ群11および第2レンズ群12と並列的に収納されている(図2、図4参照)ので、カメラ100のさらなる薄型化を実現することができる。
この本実施例のレンズ鏡胴10では、退避レンズ保持枠としての第3レンズ保持枠31の退避枠駆動機構としての進退駆動機構30が、固定筒部21a(固定枠21)に対して可動レンズ鏡筒を撮影光軸OA方向へと進退させる可動鏡筒用駆動源としてのズームモータ51の駆動力により、第3レンズ保持枠31を撮影位置で撮影光軸OA方向に進退駆動させるものであることから、単一のズームモータ51でズーム駆動(ズーミング(倍率設定)動作)させることができるので、可動鏡筒用駆動源と退避枠用駆動源とを駆動する構成に比較して、撮影位置(撮影状態P)の第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13およびシャッタ/絞りユニット15を、ズーミング動作させる際の動作音を低減することができる。
また、本実施例のレンズ鏡胴10では、退避枠駆動機構としての進退駆動機構30が、可動鏡筒用駆動源としてのズームモータ51による可動レンズ鏡筒の動作すなわち第1の回転筒22の回動を利用して、退避レンズ保持枠としての第3レンズ保持枠31を撮影位置で進退駆動させることから、可動レンズ鏡筒およびズームモータ51の基本的な構成を変更する必要がないので、簡易な構成とすることができる。
さらに、本実施例のレンズ鏡胴10では、単一のズームモータ51でズーミング動作することができることから、電力消費量およびランニングコストを抑制することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、第3レンズ保持枠31にカムピン31cを設けるとともに、第1の回転筒22の内周壁面にカム溝22eを設ける構成であることから、簡易な構成で固定筒部21aに対する可動レンズ鏡筒(この例では第1の回転筒22)の動作(回転)を利用して第3レンズ保持枠31を移動させることができる。このため、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、撮影状態P(撮影位置)すなわち撮影光軸OA上での第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)の進退駆動を、第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15と同様に、カム構造(直進変換機構)を介して固定筒部21aに対する第1の回転筒22の回転を利用して行うものであることから、簡易な構成で第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)の進退駆動を第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15のズーミング動作に連動させることができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、退避枠駆動機構としての進退駆動機構30が、可動レンズ鏡筒を撮影光軸OA方向へと進退させる可動鏡筒用駆動源としてのズームモータ51とは別の第3群モータ52からの駆動力により、第3レンズ保持枠31を収納位置(沈胴収納状態D)と撮影位置(撮影状態P)とを移行させるものであることから、構成の複雑化を招くことなく、ズーミング(ズーム駆動)の際の動作音を抑制することができる。これは、以下のことによる。第3レンズ群13は、第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15との協働により、撮影光学系における倍率(画角すなわち焦点距離)の設定するものであり、その設定のために撮影光軸OA上における互いの間隔が適宜調節される。このため、撮影状態P(撮影位置)すなわち撮影光軸OA上での第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)の位置は、同じく撮影光軸OA上での第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15の位置と相対的に設定されることから、それらを纏めて(統括的に)単一のズームモータ51で進退駆動させることにより、構成の複雑化を抑制しつつより適切かつ迅速な移動を可能とすることができる。これに対して、沈胴収納状態D(収納位置)とする場合、第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)は撮影光軸OA上から固定筒部21aの外方の収容空間21Qへと退避されるが、第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15は撮影光軸OA上で直進移動されるだけであることから、互いの動作の態様が異なりかつ双方の動作の関連性が薄いので、互いに異なる駆動源で駆動することにより、構成の複雑化を抑制しつつより適切かつ迅速な移動を可能とすることができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、退避枠駆動機構としての進退駆動機構30が、乗換位置Kにおいて第3レンズ保持枠31に対する接続状態を切り換えるので、第3レンズ保持枠31の駆動制御における駆動源の乗り換え(受け渡し)を円滑なものとすることができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、進退駆動機構30が、圧縮トーションスプリング36により回動付勢された第3レンズ保持枠回動基部63のカム面65aに対する雌ねじ部材35の当接部35aの係合位置の変化により回転駆動制御をし、固定筒部21aとの回転位置の変化が防止された第3レンズ保持枠31のカムピン31cに対する第1の回転筒22の回転姿勢に応じたカム溝22eの係合位置の変化により直進駆動制御をし、圧縮トーションスプリング36により直進付勢された第3レンズ保持枠回動基部63のカム面65aの一定の位置に当接する当接部35aの高さ位置(撮影光軸OA方向での位置)の変化により回転駆動制御と直進駆動制御との切り替えを行うものであることから、簡易な構成で、単一の駆動源による第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13およびシャッタ/絞りユニット15のズーミング動作を可能としつつ、第3レンズ群13の固定筒部21aの外側への退避を可能とすることができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、第3レンズ保持枠31が第3群主ガイド軸32に撮影光軸OA方向への移動可能に軸支されるとともに、ストッパ31aの第3群副ガイド軸33への押圧により第3レンズ群13を撮影光軸OA(撮影光路)上とする状態に位置決めされることから、簡易な構成で第3レンズ保持枠31の第3群リードスクリュー34に沿う移動すなわち撮影光軸OA方向への移動を可能としつつ第1の回転筒22の回動方向への移動を規制することができる。このため、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、第3レンズ保持枠回動基部63の段差部65と雌ねじ部材35の当接部35aとが、直線運動される雌ねじ部材35の移動を、第3レンズ保持枠31における第3群主ガイド軸32回りの回動運動に変換する回転変換機構を構成していることから、簡易な構成で、第3レンズ保持枠31を動作させることができる。このため、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、第3レンズ保持枠31にカムピン31cを設け、そのカムピン31cと協働して直進変換機構を構成するカム溝22eを介して、第3レンズ保持枠31を第1の回転筒22に接続することにより、第1の回転筒22の固定筒部21aに対する回転運動で第3レンズ保持枠31を直進移動させることができる。このため、簡易な構成とすることができるとともに、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、固定筒部21aの外側に設けられた第3群主ガイド軸32に軸支される第3レンズ保持枠回動基部63に段差部65を設け、その段差部65と協働して回転変換機構を構成する当接部35aを介して、第3レンズ保持枠31を雌ねじ部材35に接続することにより、雌ねじ部材35の直線運動で第3レンズ保持枠31を回動運動させることができる。このため、簡易な構成とすることができるとともに、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、第3レンズ保持枠31の第3レンズ保持枠回動基部63の湾曲壁部分63bに係合突起66が設けられるとともに、鏡胴ベース81に係合片部81aが設けられており、その係合突起66と係合片部81aとが、第3レンズ保持枠31が基端面31uを押え板84に当接させつつ撮影位置から収納位置側へと回動されると、基端面31uと押え板84との当接状態を維持させるように撮影光軸OA方向で係合可能であるとともに、第3レンズ保持枠31が撮影位置とされるとそのような係合ができない(当該係合が解除される)位置関係とされていることから、簡易な構成で第3レンズ保持枠31における収納位置(沈胴収納状態D)と撮影位置(撮影状態P)との移行を確実なものとすることができる。これは、第3レンズ保持枠31が、その基端面31uが押え板84に当接している状態から物体側(上方)に移動してしまうと、第3レンズ保持部61(第3レンズ群13)を収容空間21Qに適切に収容することができなくなったり、他の部材との干渉により上述した移行動作が妨げられたり、する虞があることによる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、保持枠直進付勢手段としての圧縮トーションスプリング36が、第3レンズ保持枠31を第3群主ガイド軸32に沿う方向で物体側へ向けて直進付勢していることから、進退駆動機構30において、当接部35a(雌ねじ部材35)を撮影光軸OA方向で物体側へと移動させることによる、回転変換機構を介する第3レンズ保持枠31の回転駆動制御から直進変換機構を介する第3レンズ保持枠31の直進駆動制御への切り換え、すなわち第3群モータ52からズームモータ51への駆動源の乗り換えの適切な動作を可能とすることができる。このため、簡易な構成とすることができるとともに、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、保持枠回動付勢手段としての圧縮トーションスプリング36が、第3レンズ保持枠31を第3群主ガイド軸32回りの方向で撮影位置へ向けて回動付勢していることから、進退駆動機構30において、当接部35a(雌ねじ部材35)を撮影光軸OA方向に移動させることによる回転変換機構を介する第3レンズ保持枠31の回転駆動制御と、固定筒部21aに対して第1の回転筒22を回転させることによる直進変換機構を介する第3レンズ保持枠31の直進駆動制御と、が適切に行われることを補助することができる。このため、簡易な構成とすることができるとともに、より小さな構成とすることができ、より小型化に寄与することができる。
本実施例のレンズ鏡胴10では、第3レンズ保持枠31および第4レンズ保持枠41を、固定枠21の固定筒部21aの外方位置であって、沈胴状態における可動レンズ鏡筒の最大外径、すなわち第1の回転筒22の最大外径よりも外側に位置する収容空間21Qに退避させることができるので、固定筒部21aの外径寸法の大きさの増大を招くことなく可動レンズ鏡筒収納時の撮影光軸方向の寸法を小さくすることができる。
したがって、本発明に係るレンズ鏡胴10(それを有するカメラ100)では、固定筒部21aの内径よりも外側への退避レンズ群(13)の退避を可能としつつズーム駆動の際の動作音を抑制することができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係るレンズ鏡胴の一例としてのレンズ鏡胴10について説明したが、複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させてレンズ群を収納する沈胴状態から前記レンズ群の少なくとも一部を物体側に移動することにより撮影状態とすべく、前記複数のレンズ群をそれぞれ保持する複数のレンズ保持枠と、該各レンズ保持枠を内部に保持する可動レンズ鏡筒と、該可動レンズ鏡筒を内部に保持する固定筒部と、を備え、前記各レンズ保持枠は、撮影状態では全てのレンズ群を同一の撮影光軸上の撮影位置としかつ沈胴状態では少なくとも1つのレンズ群を含む退避レンズを前記固定筒部の内径位置よりも外側の退避位置に退避させるべく、少なくとも1つの前記レンズ群を移動可能に保持する退避レンズ保持枠を含むレンズ鏡胴であって、前記固定筒部に対して前記可動レンズ鏡筒を動作させるための可動鏡筒用駆動源と、前記退避レンズ保持枠を前記撮影位置と前記退避位置との間で移動させるための退避枠用駆動源と、を備え、前記退避レンズ保持枠は、前記撮影位置において、前記可動鏡筒用駆動源からの駆動力により前記撮影光軸方向に沿って進退駆動されることを特徴とするレンズ鏡胴であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、第3レンズ保持枠31が退避レンズ保持枠とされていたが、他のレンズ群を保持する保持枠を退避レンズ保持枠とするものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、第3レンズ保持枠31の進退駆動機構30において、第3レンズ保持枠31のカムピン31cと第1の回転筒22のカム溝22eとによりカム構造である直進変換機構が構成されていたが、固定筒部21aに対する可動レンズ鏡筒の回転筒(上記した実施例では第1の回転筒22)の回転を、第3レンズ保持枠31の撮影光軸OA方向の直進移動に変換するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、ズームモータ51の駆動により、第1レンズ群11、第2レンズ群12、およびシャッタ/絞りユニット15のズーミング動作に連動して第3レンズ群13が所定のごとくズーミング動作するものとされていたが、可動レンズ鏡筒を動作させるための可動鏡筒用駆動源(上記した実施例ではズームモータ51)からの駆動力により退避レンズ保持枠(上記した実施例では第3レンズ群13)を進退駆動させるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の撮影装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
10 レンズ鏡胴
13 (退避レンズとしての)第3レンズ群
21a 固定筒部
22 (固定筒部に対して回動される回転筒としての)第1の回転筒
22e (直進変換機構としての)カム溝
24 (可動レンズ鏡筒としての)第2の回転筒
27 (可動レンズ鏡筒としての)直進筒
31 (退避レンズ保持枠としての)第3レンズ保持枠
31c (直進変換機構としての)カムピン
32 第3群主ガイド軸
35 (進退移動部材としての)雌ねじ部材
35a (回転変換機構としての)当接部
51 (可動鏡筒用駆動源としての)ズームモータ
52 (退避枠用駆動源としての)第3群モータ
65a (回転変換機構としての)カム面
66 係合突起
81 鏡胴ベース
81a 係合片部
100 (撮像装置としての)カメラ
OA 撮影光軸
特開2006−330657号公報

Claims (14)

  1. 複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴させてレンズ群を収納する沈胴状態から前記レンズ群の少なくとも一部を物体側に移動することにより撮影状態とすべく、前記複数のレンズ群をそれぞれ保持する複数のレンズ保持枠と、該各レンズ保持枠を内部に保持する可動レンズ鏡筒と、該可動レンズ鏡筒を内部に保持する固定筒部と、を備え、
    前記各レンズ保持枠は、撮影状態では全てのレンズ群を同一の撮影光軸上の撮影位置としかつ沈胴状態では少なくとも1つのレンズ群を含む退避レンズを前記固定筒部の内径位置よりも外側の退避位置に退避させるべく、少なくとも1つの前記レンズ群を移動可能に保持する退避レンズ保持枠を含むレンズ鏡胴であって、
    前記固定筒部に対して前記可動レンズ鏡筒を動作させるための可動鏡筒用駆動源と、前記退避レンズ保持枠を前記撮影位置と前記退避位置との間で移動させるための退避枠用駆動源と、を備え、
    前記退避レンズ保持枠は、前記撮影位置において、前記可動鏡筒用駆動源からの駆動力により前記撮影光軸方向に沿って進退駆動されることを特徴とするレンズ鏡胴。
  2. 前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部に対する前記可動レンズ鏡筒の動作に連動して進退移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
  3. 前記可動レンズ鏡筒は、前記固定筒部に対して前記撮影光軸回りに回転される回転筒を有し、
    前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部に対する前記回転筒の回転を、前記退避レンズ保持枠の撮影光軸方向の直進移動に変換する直進変換機構により、前記回転筒に接続可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡胴。
  4. 前記直進変換機構は、前記退避レンズ保持枠に設けられたカムピンと、前記回転筒の周面に設けられ前記カムピンの受け入れが可能とされたカム溝と、を有し、該カム溝内での前記カムピンの係合位置に応じて前記退避レンズ保持枠を進退させることを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡胴。
  5. 前記退避レンズ保持枠は、前記固定筒部の外側で撮影光軸に平行に設けられた主ガイド軸により、長手方向に沿って移動可能にかつその軸線回りに回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  6. 前記退避レンズ保持枠は、保持枠回動付勢手段により前記主ガイド軸回りの方向で撮影位置へ向けて回動付勢され、かつ保持枠直進付勢手段により前記主ガイド軸に沿う方向で物体側へ向けて直進付勢されていることを特徴とする請求項5に記載のレンズ鏡胴。
  7. 請求項6に記載のレンズ鏡胴であって、
    さらに、前記固定筒部が固定される鏡胴ベースを備え、
    該鏡胴ベースには、係合片部が設けられ、
    前記退避レンズ保持枠には、係合突起が設けられ、
    該係合突起と前記係合片部とは、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置から前記退避位置へ向けて回動されると、前記退避レンズ保持枠の物体側への直進移動を規制すべく撮影光軸方向で係合可能であるとともに、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置であると係合が解除されることを特徴とするレンズ鏡胴。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴であって、
    前記固定筒部の外側に、前記退避枠用駆動源により撮影光軸方向に移動される進退移動部材を備え、
    前記退避レンズ保持枠は、前記進退移動部材の撮影光軸方向への移動を、前記退避レンズ保持枠の前記撮影位置と前記退避位置との間での回転運動に変換する回転変換機構により、前記進退移動部材に接続可能とされていることを特徴とするレンズ鏡胴。
  9. 前記直進変換機構と前記回転変換機構とは、前記退避レンズ保持枠が前記撮影位置であって撮影光軸方向で最も後退された位置で、前記退避レンズ保持枠に対する接続状態の切り換えが可能であることを特徴とする請求項8に記載のレンズ鏡胴。
  10. 前記回転変換機構は、前記退避レンズ保持枠に設けられたカム面と、前記進退移動部材に設けられ前記カム面との係合が可能とされた当接部と、を有し、該当接部の前記カム面への係合位置に応じて前記退避レンズ保持枠を回動させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のレンズ鏡胴。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする撮像装置。
  12. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とするデジタルカメラ。
  13. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする携帯型情報端末装置。
  14. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする画像入力装置。

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