JP2012041973A - 摩擦伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦伝動ベルトについて、長期に亘って持続する被水時の異音抑制効果を得る。
【解決手段】摩擦伝動ベルトBはベルト本体10にゴム組成物で形成されたプーリ接触部分13が含まれるものであって、プーリ接触部分13を形成するゴム組成物は、エチレン−α−オレフィンエラストマーをベースゴムとし、そのベースゴム100質量部に対して3質量部以上の脂肪酸誘導体が配合されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦伝動ベルトに関する。
自動車の補機駆動ベルト伝動装置等に用いられる摩擦伝動ベルトを構成するゴム材料としては、環境への負荷が小さく、耐熱性に優れ、しかも比較的安価である等の理由から、エチレン・プロピレンゴム(EPM)やエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラストマーが広く使用されている。
ところで、摩擦伝動ベルトのベルト表面には、エチレン−α−オレフィンエラストマーやオイル成分、カーボンブラック等の疎水性部分と短繊維等の親水性部分とが混在している。そのため、摩擦伝動ベルトが被水すると、親水性部分を中心に浸水してその部分の摩擦係数が低下することになり、ベルト表面の摩擦係数が場所によって不均一となるので、ベルト走行中に摩擦伝動ベルトとプーリとの間でスリップが生じると共にスティックスリップ音が発生する。例えば、雨天時等に自動車を走行させると補機駆動ベルト伝動装置内に雨水が入り込み、摩擦伝動ベルトが被水して異音が発生する問題がある。このような被水時の異音対策として多くの対策がなされている。
特許文献1には、圧縮ゴム層に綿短繊維及びパラ系アラミド短繊維を含有するとともにリブ側面から突出させ、さらに突出したパラ系アラミド短繊維がフィブリル化したVリブドベルトが記載されている。
特許文献2には、エチレン含量が60〜75質量%のエチレン−α−オレフィンエラストマーを原料ゴムとして、原料ゴム100質量部に対して短繊維の総添加量を10〜40質量部とし、該短繊維としてアラミド繊維を短繊維の総添加量の35〜100質量%含有させ、そしてカーボンブラックを25〜55質量部添加したゴム組成物で圧縮ゴム層を形成した伝動ベルトが記載されている。
特許文献3には、短繊維及びシリカを含有するエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物で圧縮ゴム層が形成された摩擦伝動ベルトが記載されている。
特許文献4には、摩擦伝動ベルトの伝動面が、ゴム成分100質量部に対して溶解度指数が8.3〜10.7(cal/cm1/2)の可塑剤が10〜25質量部、及び無機充填材(カーボンブラック)が60〜110質量部配合されたエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物で形成されており、無機充填材によって可塑剤が適度にブリードされて潤滑膜となる構成が記載されている。
特開2001−165244号公報 特開2004−150524号公報 特開2006−194322号公報 特開2007−232205号公報
しかしながら、被水時の異音抑制のために短繊維の含有量を増やすとベルト本体の屈曲性が劣化すると共にクラックの発生が起こりやすくなり、ベルト走行やクラックの発生に伴って短繊維が抜け落ちてしまい、異音抑制効果が消失してしまう。また、被水時の異音抑制のために可塑剤を用いて伝動面に潤滑膜を形成すると、可塑剤は融点が低いので経時に伴って蒸発し、潤滑膜自体が消失してしまう可能性がある。
本発明の摩擦伝動ベルトは、長期に亘って持続する被水時の異音抑制効果を得ることを目的とする。
本発明の摩擦伝動ベルトは、ベルト本体にゴム組成物で形成されたプーリ接触部分が含まれるものであって、
上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物は、エチレン−α−オレフィンエラストマーをベースゴムとし、そのベースゴム100質量部に対して3質量部以上の脂肪酸誘導体が配合されていることを特徴とする。
上記脂肪酸誘導体は、ベースゴム100質量部に対する配合量が20質量部以下であることが好ましい。
上記プーリ接触部分の表面には脂肪酸誘導体による潤滑膜が形成されていることが好ましい。
上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物は、繊維長1mm以上の短繊維がベースゴム100質量部に対して5〜30質量部配合されていることが好ましい。
上記脂肪酸誘導体は、脂肪酸エステル化合物、脂肪酸アミド化合物、脂肪酸アルコール化合物、及び脂肪酸金属塩化合物のうち少なくとも1つであることが好ましい。
上記脂肪酸誘導体を構成する脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、及びリグノセリン酸のうち少なくとも1つであることが好ましい。
上記脂肪酸誘導体は、融点が100℃以下であることが好ましい。
上記短繊維は、ナイロン短繊維、メタ系アラミド短繊維、パラ系アラミド短繊維、ビニロン短繊維、ポリエステル短繊維、又はポリケトン短繊維であることが好ましい。
上記ベルト本体がVリブドベルト本体であってもよい。
本発明の摩擦伝動ベルトによれば、プーリ接触部分を形成するゴム組成物は、エチレン−α−オレフィンエラストマーをベースゴムとし、そのベースゴム100質量部に対して3質量部以上の脂肪酸誘導体が配合されているので、長期に亘って持続する被水時の異音抑制効果を得ることができる。
Vリブドベルトの斜視図である。 Vリブドベルトの製造方法を示す説明図である。 補機駆動ベルト伝動装置のプーリのレイアウト図である。 注水異音試験(I)の走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 摩擦係数測定装置を示す図である。 走行耐久試験の走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 注水異音試験(II)の走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るVリブドベルトBを示す。このVリブドベルトBは、例えば、自動車補機駆動用途に好適に用いられるものであり、ベルト周長700〜3000mm、ベルト幅10〜36mm、及びベルト厚さ4.0〜5.0mmに形成されている。
このVリブドベルトBは、ベルト外周側の接着ゴム層11とベルト内周側の圧縮ゴム層12との二重層に構成されたVリブドベルト本体10を備えており、そのVリブドベルト本体10のベルト外周側表面に補強布17が貼設されている。また、接着ゴム層11には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように設けられた心線16が埋設されている。
接着ゴム層11は、断面横長矩形の帯状に構成され、例えば、厚さ1.0〜2.5mmに形成されている。接着ゴム層11は、ベースゴムに種々の配合剤が配合されたゴム組成物で形成されている。接着ゴム層11を構成するゴム組成物のベースゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)などのエチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。これらのうち、環境に対する配慮や耐摩耗性、耐クラック性などの性能の観点から、エチレン−α−オレフィンエラストマーが好ましい。配合剤としては、例えば、架橋剤(例えば、硫黄、有機過酸化物)、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、カーボンブラックなどの補強材、充填材等が挙げられる。なお、接着ゴム層11を形成するゴム組成物は、ベースゴムに配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたものである。
圧縮ゴム層12は、プーリ接触部分を構成する複数のVリブ13がベルト内周側に垂下するように設けられている。これらの複数のVリブ13は、各々がベルト長さ方向に延びる断面略逆三角形の突条に形成されていると共に、ベルト幅方向に並設されている。各Vリブ13は、例えば、リブ高さが2.0〜3.0mm、基端間の幅が1.0〜3.6mmに形成されている。また、リブ数は、例えば、3〜6個である(図1では、リブ数が6)。
圧縮ゴム層12は、ベースゴムであるエチレン−α−オレフィンエラストマーに種々の配合剤が配合されたゴム組成物で形成されている。圧縮ゴム層12を構成するベースゴムのエチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)等が挙げられる。配合剤としては、例えば、架橋剤(例えば、硫黄、有機過酸化物)、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、炭酸カルシウムやカーボンブラックなどの補強材、充填材、短繊維14等が挙げられる。なお、圧縮ゴム層12を形成するゴム組成物は、ベースゴムに配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたものである。
圧縮ゴム層12を形成するゴム組成物には脂肪酸誘導体が配合されている。脂肪酸誘導体は、ベースゴム100質量部に対する配合量が3質量部以上であり、3〜20質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましく、5〜15質量部であることがさらに好ましい。脂肪酸誘導体は、例えば、融点が30〜120℃である。脂肪酸誘導体を構成している脂肪酸としては、例えば、炭素数が12〜30である。脂肪酸誘導体を構成している脂肪酸としては、例えば、飽和脂肪酸であるラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)、マルガリン酸(炭素数17)、ステアリン酸(炭素数18)、アラキジン酸(炭素数20)、ベヘン酸(炭素数22)、リグノセリン酸(炭素数24)や、1価の不飽和脂肪酸であるオレイン酸(炭素数18)、2価の不飽和脂肪酸であるリノール酸(炭素数18)等が挙げられる。そして、これらの脂肪酸の誘導体としては、例えば、脂肪酸エステル化合物、脂肪酸アミド化合物、脂肪酸アルコール化合物、脂肪酸金属塩化合物等が挙げられる。これらのうち、異音抑制効果の点からは、脂肪酸誘導体としては脂肪酸エステル化合物または脂肪酸金属塩化合物であることが好ましい。
脂肪酸エステル化合物としては、例えば、n−ブチルステアレート、多価アルコール脂肪酸エステル等の物質が挙げられ、市販品として、ラインケミー社製のアフラックス54、花王製のエキセパールBS,旭電化製のアデカプルーバー等が挙げられる。
脂肪酸アミド化合物としては、例えば、オレイルアミド、ラウリルアミド等の物質が挙げられ、市販品として、扶桑化学工業製のプラストロジンS、日本精化製のニュートロン、日本化成製のダイヤミッドY等が挙げられる。
脂肪酸アルコール化合物としては、例えば、ステアリルアルコール、ココナットアルコール等の物質が挙げられ、市販品として、花王製のカルコール、新日本理化製のリカフロー、日本油脂製のNAA等が挙げられる。
脂肪酸金属塩化合物としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の物質が挙げられ、市販品として、ストラクトール社製のストラクトールA60、ラインケミー社製のアクチプラスト、テクニカルプロセッシング社製のTE−80等が挙げられる。
圧縮ゴムに配合された脂肪酸誘導体は、一部がプーリ接触表面にブリードされ、潤滑膜が形成されていることが好ましい。潤滑膜は、例えば厚さ0.1〜1μmである。潤滑膜は、プーリ接触表面に均一に形成されていることが好ましい。この潤滑膜は融点が30〜120℃の脂肪酸誘導体で形成されているので、長時間経過しても蒸発して消失してしまう可能性が低くなる。
このように、本実施形態に係るVリブドベルトBでは、プーリ接触部分であるVリブ13を含む圧縮ゴム層12を形成するゴム組成物が、エチレン−α−オレフィンエラストマーをベースゴムとし、そのベースゴム100質量部に対して3質量部以上の脂肪酸誘導体が配合されているので、プーリ接触部分の表面の親水性・疎水性の状態が均一に保たれる。このため、VリブドベルトBが被水した場合でも、プーリ接触部分の表面の水濡れ状態が不均一な状態になることがなく、プーリ接触部分の摩擦係数が均一な状態に保たれ、ベルト走行中の被水時のスリップによる異音の発生が抑制される。
また、このVリブドベルトBによれば、圧縮ゴム層12を形成しているゴム組成物に脂肪酸誘導体が含まれているので、カーボンの凝集が解裂することによりゴム組成物中のカーボンブラックの分散性を高めることができ、その結果としてVリブドベルトBの屈曲性及び耐久性が優れたものとなる。
圧縮ゴム層12に配合される短繊維14としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、綿短繊維、ポリエステル短繊維、ポリケトン短繊維、メタアラミド短繊維、パラアラミド短繊維等が挙げられる。なお、短繊維14は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。短繊維14は、ベルト幅方向に配向するように設けられていることが好ましい。短繊維14のうち一部分は、プーリ接触表面、つまり、Vリブ13表面に露出している。Vリブ13表面に露出した短繊維14は、Vリブ13表面から突出していてもよい。
短繊維14は、ベースゴム100質量部に対する含有量が5〜30質量部であることが好ましい。短繊維14の含有量が5質量部未満では摩擦係数が大きくなり、耐摩耗性が劣化する。また、短繊維14の含有量が30質量部を超えるとベルト屈曲性が低下してクラックが生じやすくなり、ベルト寿命が短くなってしまう。
短繊維14は、例えば、長さが0.2〜5.0mmであり、摩擦係数の安定化の観点から1.0mm以上であることが好ましい。短繊維14は、例えば、繊維径が10〜50μmである。なお、短繊維14は、例えば、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液(以下「RFL水溶液」という)等に浸漬した後に加熱する接着処理が施された長繊維を長さ方向に沿って所定長に切断して製造される。
なお、圧縮ゴム層12は、短繊維14を含まない構成であってもよく、また、Vリブ13表面に短繊維14が植毛等されて付着した構成であってもよい。
接着ゴム層11と圧縮ゴム層12とは、別々のゴム組成物で形成されていても、また、全く同じゴム組成物で形成されていてもいずれでもよい。
補強布17は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された平織、綾織、朱子織等に製織した織布17’で構成されている。補強布17は、Vリブドベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理及び/又はVリブドベルト本体10側となる表面にゴム糊をコーティングして乾燥させる接着処理が施されている。なお、補強布17の代わりにベルト外周側表面部分がゴム組成物で構成されていてもよい。また、補強布17は、編物で構成されていてもよい。さらに、補強布17を設けずに、ベルト背面が露出したゴム組成物で構成されていてもよい。
心線16は、ポリエステル繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚り糸16’で構成されている。心線16は、Vリブドベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が施されている。
次に、上記VリブドベルトBの製造方法を、図2に基づいて説明する。
VリブドベルトBの製造では、外周にベルト背面を所定形状に形成する成形面を有するゴムスリーブと、内周にベルト内側をリブ形状に形成する複数のリブ溝が設けられた成形面を有する円筒状金型と、が用いられる。このゴムスリーブは円筒状金型の筒内部空間に挿入して用いられる。
まず、ゴムスリーブの外周に各ベルト材料を順に巻き付ける。ゴムスリーブの外周を補強布17となる織布17’で被覆した後、その上に、接着ゴム層11の外側部分11bを形成するための未架橋ゴムシート11b’を巻き付ける。次いで、その上に、心線16となる撚り糸16’を螺旋状に巻き付けた後、その上に、接着ゴム層11の内側部分11aを形成するための未架橋ゴムシート11a’を巻き付け、さらにその上に、圧縮ゴム層12を形成するための未架橋ゴムシート12’を巻き付ける。このとき、圧縮ゴム層12を形成するための未架橋ゴムシート12’として、巻付方向に直交する方向に配向した短繊維14が配合されたものを用いる。
しかる後、ベルト材料を巻き付けたゴムスリーブを円筒状金型に挿入してセットし、円筒状金型の内部のゴムスリーブを加熱すると共に水蒸気などによってゴムスリーブを膨張させ、ゴムスリーブを半径方向外方に押圧する。このとき、ベースゴムが流動すると共に架橋反応が進行し、撚り糸16’及び織布17’のゴムへの接着反応も進行し、加えて、
円筒状金型の内周のリブ形状によって、ベルト材料の外周部分にVリブ13が成形される。このときの加熱温度は例えば150〜190℃であり、圧縮ゴム層12を形成するための未架橋ゴムシート12’に含まれている脂肪酸誘導体の融点は例えば30〜120℃であるので、これらの架橋反応、接着反応、Vリブ13の成形と同時に、脂肪酸誘導体の一部が加熱されて溶融し、Vリブ13表面にブリードして潤滑膜が形成される。こうして、筒状のベルトスラブ(ベルト本体前駆体)が成形される。成形釜を冷却した後、ゴムスリーブを円筒状金型から抜き取ってからベルトスラブを取り外す。
最後に、分割されて外周にVリブ13が形成されたベルトスラブを所定幅に幅切りし、それぞれの表裏を裏返すことによりVリブドベルトBが得られる。
なお、ここでは、複数のリブ溝が設けられた成形面を有する円筒状金型を用いてVリブドベルトを形成するとして説明したが、特にこれに限られない。例えば、表面にリブ溝が設けられていないベルトスラブを研磨することによりVリブドベルト形成してもよい。
本発明のVリブドベルトBによれば、圧縮ゴム層12を形成しているゴム組成物に脂肪酸誘導体が含まれているので、ベルトスラブを円筒状金型から取り外すときの離型性がよく点や、ゴム組成物の粘度が低くなって未架橋ゴム組成物の状態での加工性がよくなる点て、VリブドベルトBの製造が容易になる。
次に、上記VリブドベルトBを用いた自動車のエンジンルームに設けられる補機駆動ベルト伝動装置30について説明する。
図3は、その補機駆動ベルト伝動装置30のプーリレイアウトを示す。この補機駆動ベルト伝動装置30は、4つのリブプーリ及び2つのフラットプーリの6つのプーリに巻き掛けられたサーペンタインドライブ方式のものである。
この補機駆動ベルト伝動装置30のレイアウトは、最上位置のパワーステアリングプーリ31、そのパワーステアリングプーリ31の下方に配置されたACジェネレータプーリ32、パワーステアリングプーリ31の左下方に配置された平プーリのテンショナプーリ33と、そのテンショナプーリ33の下方に配置された平プーリのウォーターポンププーリ34と、テンショナプーリ33の左下方に配置されたクランクシャフトプーリ35と、そのクランクシャフトプーリ35の右下方に配置されたエアコンプーリ36とにより構成されている。これらのうち、平プーリであるテンショナプーリ33及びウォーターポンププーリ34以外は全てリブプーリである。そして、VリブドベルトBは、Vリブ13側が接触するようにパワーステアリングプーリ31に巻き掛けられ、次いで、ベルト背面が接触するようにテンショナプーリ33に巻き掛けられた後、Vリブ13側が接触するようにクランクシャフトプーリ35及びエアコンプーリ36に順に巻き掛けられ、さらに、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ34に巻き掛けられ、そして、Vリブ13側が接触するようにACジェネレータプーリ32に巻き掛けられ、最後にパワーステアリングプーリ31に戻るように設けられている。
以上のような構成の補機駆動ベルト伝動装置30では、上記VリブドベルトBを用いているので、ベルト走行時の被水による異音の発生が抑制される。しかも、長時間に亘って補機駆動ベルト伝動装置30を運転した場合でも、被水による異音発生の抑制効果が持続される。
なお、本実施形態では、VリブドベルトBとしたが、特にこれに限定されるものではなく、ベルト本体のプーリ接触部分がゴム組成物で形成された摩擦伝動ベルトであれば、Vベルトであってもよく、背面側にもリブ部を有するダブルVリブドベルトであってもよく、また、その他の種類の摩擦伝動ベルトであってもよい。
また、本実施形態では、圧縮ゴム層12全体を単一のゴム組成物で形成したが、特にこれに限定されるものではなく、Vリブ13表面の少なくともプーリ接触部分が上記ゴム組成物で形成されていればよい。
また、本実施形態では、4つのリブプーリを有する補機駆動ベルト伝動装置30としたが、一対のリブプーリを含む3つ以上であれば特にこれに限定されるものではなく、さらに多くのリブプーリを有するものであってもよい。
Vリブドベルトについて行った試験評価について説明する。
(試験評価用ベルト)
以下の実施例1〜5及び比較例1,2のVリブドベルトを作製した。それぞれの構成は表1及び2にも示す。
<実施例1>
EPDM(デュポンダウエラストマー社製、商品名:ノーデルIP4725)をベースゴムとして、ベースゴム100質量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン社製、商品名:シーストSO)60質量部、ステアリン酸(日本油脂社製、商品名:ビーズステアリン酸椿)1質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、商品名:亜鉛華2号)5質量部、硫黄(鶴見化学工業社製、商品名:オイル硫黄)1.6質量部、架橋促進剤(大内新興化学工業社製、商品名:ノクセラーMSA)3質量部、プロセスオイル(日本サン石油社製、商品名:サンパー2280)8質量部、ナイロン短繊維(旭化成社製、商品名:レオナ66 1mmカット品)15質量部、綿短繊維5質量部、及び、脂肪酸エステル化合物(ラインケミー社製、商品名:アフラックス54)5質量部を配合して混練機で混練し、未架橋ゴム組成物を得た。この未架橋ゴム組成物で圧縮ゴム層を形成したVリブドベルトを作製し、これを実施例1とした。
なお、接着ゴム層をEPDMのゴム組成物で構成した。そして、ベルト周長を1200mm、ベルト幅を10.68mm、及びベルト厚さを4.8mmとし、そして、リブ数を3とした。
<実施例2>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して10質量部としたことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例2とした。
<実施例3>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して15質量部としたことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例3とした。
<実施例4>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して20質量部としたことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例4とした。
<実施例5>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して30質量部としたことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例5とした。
<比較例1>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物に脂肪酸エステル化合物を配合しなかったことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例1とした。
<比較例2>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して2質量部としたことを除いて実施例1と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例2とした。
Figure 2012041973
Figure 2012041973
また、以下の実施例6〜11及び比較例3,4のVリブドベルトを作製した。それぞれの構成は表3及び4にも示す。
<実施例6>
EPDM(デュポンダウエラストマー社製、商品名:ノーデルIP4725)をベースゴムとして、ベースゴム100質量部に対して、カーボンブラックHAF(東海カーボン社製、商品名:シースト3)65質量部、ステアリン酸(日本油脂社製、商品名:ビーズステアリン酸椿)1質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、商品名:亜鉛華2号)5質量部、硫黄(鶴見化学工業社製、商品名:オイル硫黄)1.6質量部、架橋促進剤(大内新興化学工業社製、商品名:ノクセラーMSA)4質量部、ナイロン短繊維(旭化成社製、商品名:レオナ66 1mmカット品)15質量部、プロセスオイル(日本サン石油社製、商品名:サンパー2280)8質量部、及び、脂肪酸エステル化合物(ラインケミー社製、商品名:アフラックス54)3質量部を配合して混練機で混練し、未架橋ゴム組成物を得た。この未架橋ゴム組成物で圧縮ゴム層を形成したVリブドベルトを作製し、これを実施例6とした。
なお、接着ゴム層をEPDMのゴム組成物で構成した。そして、ベルト周長を1160mm、ベルト幅を17.8mm、及びベルト厚さを4.3mmとし、そして、リブ数を5とした。
<実施例7>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して10質量部としたことを除いて実施例6と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例7とした。
<実施例8>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して20質量部としたことを除いて実施例6と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例8とした。
<実施例9>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物に、脂肪酸エステル化合物の代わりに脂肪酸アミド化合物(扶桑化学工業社製、商品名:プラストロジンS)を配合し、その配合量をベースゴム100質量部に対して5質量部としたことを除いて、実施例6と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例9とした。
<実施例10>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物に、脂肪酸エステル化合物の代わりに脂肪酸アルコール化合物(花王社製、商品名:カルコール)を配合し、その配合量をベースゴム100質量部に対して5質量部としたことを除いて、実施例6と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例10とした。
<実施例11>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物に、脂肪酸エステル化合物の代わりに脂肪酸金属塩化合物(ストラクトール社製、商品名:ストラクトールA60)を配合し、その配合量をベースゴム100質量部に対して5質量部としたことを除いて、実施例6と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを実施例11とした。
<比較例3>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物に脂肪酸エステル化合物を配合しなかったことを除いて実施例6と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例3とした。
<比較例4>
圧縮ゴム層を形成する未架橋ゴム組成物の脂肪酸エステル化合物の配合量をベースゴム100質量部に対して2質量部としたことを除いて実施例6と同一構成のVリブドベルトを作製し、これを比較例4とした。
Figure 2012041973
Figure 2012041973
(試験評価方法)
<注水走行試験(I)>
図4は、注水走行試験(I)の走行試験機40のプーリレイアウトを示す。このベルト走行試験機40は、最下位置に設けられた大径の駆動リブプーリ41(プーリ径140mm)と、その右方に設けられた第1従動リブプーリ42(プーリ径100mm)と、第1従動リブプーリ42の上方に設けられた大径の第2従動リブプーリ43(プーリ径110mm)と、駆動リブプーリ41の上方であって第2従動リブプーリ43の左方に設けられた小径のアイドラプーリ44(プーリ径80mm)と、アイドラプーリ44の左方に設けられた小径の第3従動リブプーリ45(プーリ径60mm)と、からなる。そして、VリブドベルトBは、Vリブ13側が接触するように駆動リブプーリ41、第1従動リブプーリ42、第2従動リブプーリ43、及び第3従動リブプーリ45に順に巻き掛けられた後、ベルト背面が接触するようにアイドラプーリ44に巻き掛けられて駆動リブプーリ41に戻るように設けられている。
実施例1〜5及び比較例1,2のVリブドベルトのそれぞれを走行試験機40に巻き掛け、注水走行試験(I)を行った。1リブ当たり100Nの張力が負荷されるように設定し、駆動リブプーリ41を反時計回りに2000rpmで回転させてベルト走行させた。このとき、Vリブドベルトの駆動リブプーリ41に巻き掛かる直前位置に1分当たり100mlの水をかけた。このときの雰囲気温度は25℃であった。そして、駆動リブプーリ41の位置において聴感で異音の発生状態を観測し、異音が断続的に観測されたときを「異音有り」、それ以外のときを「異音無し」として評価した。
<摩擦係数測定試験>
図5は、摩擦係数測定装置50を示す。この摩擦係数測定装置50は、プーリ径60mmのリブプーリ51とその側方に設けられたロードセル52とからなる。なお、ロードセル52は、後述の試験片がリブプーリ51に向かって水平に延びた後に巻き掛けられる、つまり、巻き付け角度が90°となるように設けられている。
この摩擦係数測定装置50のロードセル52に、各試験片(Vリブドベルト)の一端を、リブ側が下側となるようにして固定し、リブ側が接触するようにリブプーリ51に巻き掛け、他端に1.75kgの分銅53を取り付けて吊した。それに続いて、分銅53を引き上げようとする方向にリブプーリ51を48rpmの回転速度で回転させ、ロードセル52で試験片のロードセル52とリブプーリ51との間の水平部分に負荷される張力T1を計測した。このとき、試験片のリブプーリ51と分銅との垂直部分に負荷される張力T2は分銅の重さ分の17.15Nであった。
試験片としては、実施例1〜5及び比較例1,2のVリブドベルトのそれぞれについて、3PKの形状のものを用いた。そして、摩擦係数測定装置50を用いて、雰囲気温度25℃においてこれらの乾燥時及び被水時の摩擦係数μ’を測定した。ここで、被水時の摩擦係数とは、霧吹きでプーリ表面が濡れた程度に被水した試験片について試験を行ったときの摩擦係数である。なお、摩擦係数μ’は数1の式に基づいて算出した。数1中のθは試験片のリブプーリ51への巻き付け角であり、ここでは、θ=π/2である。
Figure 2012041973
<走行耐久試験>
図6は、走行耐久試験の走行試験機60のプーリレイアウトを示す。このベルト走行試験機60は、最上位置に配された大径の第1従動リブプーリ61(プーリ径120mm)と、それと上下方向に並ぶように配された大径の駆動リブプーリ62(プーリ径120mm)と、それらの上下方向中間に設けられたアイドラプーリ63(プーリ径80mm)と、アイドラプーリ63の右方に配された小径の第2従動リブプーリ64(プーリ径55mm)と、からなる。そして、VリブドベルトBは、Vリブ13側が第1従動リブプーリ61、駆動リブプーリ62、及び第2従動リブプーリ64に、並びに、ベルト背面がアイドラプーリ63に接触するようにして巻き掛けられている。
実施例1〜5及び比較例1,2のVリブドベルトのそれぞれを走行試験機60に巻き掛け、走行耐久試験を行った。第2従動リブプーリ64を側方に引っ張るように490Nのデッドウェイトを負荷すると共に第1従動リブプーリ61に8.8kwの負荷を与え、85℃の雰囲気温度下で駆動リブプーリ62を反時計回りに4800rpmで回転させた。Vリブドベルトのリブ表面にクラックが生じてベルト走行不可となるまでベルト走行させ、そのときの走行時間をベルトクラック寿命とした。
<注水走行試験(II)>
図7は、注水走行試験(II)の走行試験機70のプーリレイアウトを示す。このベルト走行試験機70は、自動車の補機駆動ベルト伝動装置であって、クランクシャフトプーリ71(プーリ径150mm)と、その右方に設けられたウォーターポンププーリ72(プーリ径100mm)と、それらの左右方向中間のやや上方に設けられたオートテンショナプーリ73(プーリ径60mm)と、ウォーターポンププーリ72の上方に設けられたACジェネレータプーリ74(プーリ径50mm)と、ウォーターポンププーリ72の下方に設けられたエアコンコンプレッサプーリ75(プーリ径70mm)と、からなる。これらのうち、ウォーターポンププーリ72及びオートテンショナプーリ73は平プーリであり、それ以外は全てリブプーリである。そして、VリブドベルトBは、Vリブ13側が接触するようにクランクシャフトプーリ71、エアコンコンプレッサプーリ75に巻き掛けられ、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ72に巻き掛けられた後、Vリブ13側が接触するようにACジェネレータプーリ74に巻き掛けられ、次いでベルト背面が接触するようにオートテンショナプーリ73に巻き掛けられ、最後にクランクシャフトプーリ71に戻るように設けられている。ウォーターポンププーリ72がVリブドベルトBに接している場所から側方に10cm離れた位置に騒音計が設置されている。
実施例6〜11及び比較例3,4のそれぞれのVリブドベルトを走行試験機70に巻き掛けて、注水走行試験(II)を行った。1リブ当たり100Nの張力が負荷されるように設定し、そして、クランクシャフトプーリ71を反時計回りに800rpmで回転させてベルト走行させた。ベルト走行中はVリブドベルトのクランクプーリ71に巻き掛かる直前位置に1分当たり1500mlの水をかけると共に、ACジェネレータプーリ74に回転負荷を付与して50Aの発電がなされるようにした。このときの雰囲気温度は25℃であった。そして、走行試験機70に設置された騒音計でベルト走行時に発生する異音の大きさを測定した。測定された異音が70dB未満のときを「異音無し」、70dB以上75dB未満のときを「小」、75dB以上80dB未満のときを「中」、80dB以上のときを「大」として評価した。
(試験評価結果)
試験評価の結果を表5及び表6に示す。
Figure 2012041973
Figure 2012041973
表5によれば、圧縮ゴム層のゴム組成物にベースゴム100質量部に対する脂肪酸エステル化合物の配合量が3質量部以上である実施例1〜5と、圧縮ゴム層のゴム組成物に脂肪酸エステル化合物が配合されていない、またはベースゴム100質量部に対する脂肪酸エステル化合物の配合量が3質量部未満である比較例1,2とを比較すると、前者の場合はVリブドベルトの被水による異音発生が無いことが分かる。また、圧縮ゴム層のゴム組成物下の脂肪酸エステル化合物の配合量が多くなるほど、乾燥時及び被水時の摩擦係数の差が小さくなることが分かる。さらに、圧縮ゴム層のゴム組成物にベースゴム100質量部に対する脂肪酸エステル化合物の配合量が3〜20質量部である実施例1〜4と、30質量部である実施例5とを比較すると、前者はベルトクラック寿命の点で優れていることが分かる。
表6によれば、圧縮ゴム層のゴム組成物にベースゴム100質量部に対する脂肪酸誘導体の配合量が3質量部以上である実施例6〜11と、圧縮ゴム層のゴム組成物に脂肪酸誘導体が配合されていない、またはベースゴム100質量部に対する脂肪酸誘導体の配合量が3質量部未満である比較例3,4とを比較すると、Vリブドベルトの被水走行時に、後者では「中」または「大」レベルの異音が発生するのに対して前者では異音の発生が無い、或いは「小」レベルの異音であることが分かる。
以上説明したように、本発明は摩擦伝動ベルトについて有用である。
B Vリブドベルト(摩擦伝動ベルト)
10 Vリブドベルト本体(ベルト本体)
13 Vリブ(プーリ接触部分)
14 短繊維

Claims (9)

  1. ベルト本体にゴム組成物で形成されたプーリ接触部分が含まれる摩擦伝動ベルトであって、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物は、エチレン−α−オレフィンエラストマーをベースゴムとし、そのベースゴム100質量部に対して3質量部以上の脂肪酸誘導体が配合されていることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  2. 請求項1に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記脂肪酸誘導体は、ベースゴム100質量部に対する配合量が20質量部以下であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  3. 請求項1又は2に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分の表面には脂肪酸誘導体による潤滑膜が形成されていることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物は、繊維長1mm以上の短繊維がベースゴム100質量部に対して5〜30質量部配合されていることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記脂肪酸誘導体が脂肪酸エステル化合物、脂肪酸アミド化合物、脂肪酸アルコール化合物、及び脂肪酸金属塩化合物のうち少なくとも1つであることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記脂肪酸誘導体を構成する脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、及びリグノセリン酸のうち少なくとも1つであることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記脂肪酸誘導体は、融点が100℃以下であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記短繊維は、ナイロン短繊維、メタ系アラミド短繊維、パラ系アラミド短繊維、ビニロン短繊維、ポリエステル短繊維、又はポリケトン短繊維であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記ベルト本体がVリブドベルト本体であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
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