JP2012041808A - 鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋同士を仮結合する際、鉄筋同士の交差部の仮止めをワンタッチの取付け作業で迅速かつ容易に実施し得ると共に、結束作業の極めて面倒な結束線を用いた場合と同等の十分な強度を鉄筋同士の交差部において確保できる鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を提供する。
【解決手段】鉄筋コンクリートに使用する鉄筋同士の交差部を仮止めする鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具であって、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を互いに直接接触させた状態で、交差部における第1の鉄筋の延在方向と第2の鉄筋の延在方向に共通する垂直方向から挿入することで、第1の鉄筋に係合する第1の係合部110(111,112)を有すると共に、当該第2の鉄筋に係合する第2の係合部120(121,122)を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートの施工に使用する鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具に関する。
従来から鉄筋コンクリートは、建築、土木の構造物に広く使用されている。ここで、コンクリートの強度を高めるため、鉄筋は必要不可欠なものである。鉄筋コンクリート工事の施工手順としては、鉄筋を配筋(配置)し、コンクリートを打設する(流し込む)ことにより最終的な形状とする。その鉄筋を配筋する際、鉄筋同士の接触部を仮止めするため、作業員が手作業にて鉄筋同士の交差部をいわゆる結束線といわれる金属製の針金を用いて何度もぐるぐる巻いている。
なお、このような結束線を用いたものとは異なり、鉄筋を配筋する際、鉄筋同士の交差部を仮止めするような針金状のクリップが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このような結束線を用いたものとは異なり、鉄筋を配筋する際、鉄筋同士の交差部を仮止めするような板金状のクリップも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−170406号公報(3ページ、図1) 特開平9−158399号公報(6ページ、図1)
結束線を使用した場合、作業員が手作業によって鉄筋同士の交差部に結束線を用いて何度もぐるぐる巻くようにして結束するため、多数ある鉄筋の交差部毎にこのような作業が発生し、多くの工数がかかる。また、一般に重量が嵩む鉄筋同士をしっかりと固定しないと位置ずれを起こす可能性があるため、両手を用いながらしっかりと結束作業を行う必要がある。従って、作業者が1人で行う場合は、片手で鉄筋を押さえながら、もう片方の手で針金をぐるぐる巻く必要があり、非常に作業性が悪い。また、作業者の熟練も要する。また、結束線は、先尖形状を有し、作業者の安全性確保に欠ける。
一方、特許文献1の記載の構造は、その記載内容から、最初に結束する鉄筋の一方にクリップのU状部を嵌着し、次にクリップの端部を開きながら一方の鉄筋に沿わせてクリップを移動させ、交差する他方の鉄筋に嵌着する必要がある。なお、特許文献1の図面上では鉄筋の外周面がなだらかな形状として図示されているが、実際の鉄筋はリブ形状が一定間隔で連続的に形成されている。そのため、実際の作業では滑らかに鉄筋に沿わせてクリップを移動させることが困難であり、極めて作業性が悪くなる。
また、一方の鉄筋に対してクリップの引っ掛り部分を移動させながら他方の鉄筋にこのクリップを嵌着させる際、上述のようにクリップの自由端部を開く必要があり、結局のところ両手での作業となり、非常に作業性が悪い。
また、鉄筋に嵌着する部分は半円弧状の開口部を有するため、開くことによる塑性変形により、鉄筋同士の当初の保持力が確保できない虞がある。特に鉄筋は重量があるため、その重量により仮止めした形状が崩れてしまい、鉄筋コンクリートとして鉄筋が果たす強度上の効果がなくなってしまう虞がある。また、先尖形状を有することにより作業者の安全性の確保に欠ける。
また、特許文献2の記載構造は、その文献の記載内容から、鉄筋同士を接触させて固定する形状にはなっていない。一般に、コンクリートは圧縮力には強いが、引っ張り力には弱い物性がある。また、鉄筋コンクリートは一旦施工すると何十年も内部が見えないまま構築された構造物としての特質を有するような構造体である。従って、地震等の外的要因によりコンクリート自体に引っ張り応力が働くと、鉄筋同士が直接接触した状態で締結されている場合は強度的に非常に強い一つのしっかりとした鉄筋の構造体を形成する。また、鉄筋コンクリートは、コンクリートに伝わった応力を鉄筋で分散させることが理想的である。
しかしながら、鉄筋同士の間に介在した部分を有するクリップを鉄筋の結束に用いた鉄筋コンクリートは、コンクリートに伝わった応力を鉄筋で分散させることが困難であり、鉄筋同士の間に介在した部分への応力の集中によりクリップの破損が生じ、鉄筋コンクリート自体の強度低下を招く虞がある。
また、鉄筋は錆により著しい強度低下を招く。そのため、アルカリ性の物性を有するコンクリートが錆を防止する役割を担っている。しかし、コンクリートへの雨水の浸み込み等により、防錆の役割を果たさない場合がある。そこで、一定のかぶり厚さ(鉄筋から外壁までのコンクリートの厚さ)を確保することが必要となる。ここで、鉄筋同士の間に介在した部分があるクリップを用いると、かぶり厚さ確保するための厚みが余分に必要となり、鉄筋同士の交差部が多数あることに鑑みると全体として非常に大きな鉄筋コンクリートの構造物となってしまい好ましくない。
以上のことから、多数の鉄筋の交差部を1箇所ごとにぐるぐる巻きにしなければならない作業性を極めて低下させる結束線を用いることなく、かつ上述した特許文献1や特許文献2に記載されたクリップを用いた場合の問題点も同時に解決可能な、作業性に優れかつ鉄筋同士の仮結合部の強度を十分確保できる鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具が要望されていた。
本発明の目的は、鉄筋同士を仮結合する際、鉄筋同士の交差部の仮止めをワンタッチの取付け作業で迅速かつ容易に実施し得ると共に、結束作業の極めて面倒な結束線を用いた場合と同等の十分な強度を鉄筋同士の交差部において確保できる鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、
鉄筋コンクリートに使用する鉄筋同士の交差部を仮止めする鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具であって、
第1の鉄筋と第2の鉄筋の交差部を互いに直接接触させた状態で、前記交差部における第1の鉄筋の延在方向と第2の鉄筋の延在方向に共通する垂直方向から挿入することで、当該第1の鉄筋に係合する第1の係合部を有すると共に、当該第2の鉄筋に係合する第2の係合部を有することを特徴としている。
本発明の請求項1に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具によると、従来の結束線を使用してぐるぐる巻きにする必要がないので、上述した鉄筋同士を直接に接触させた状態で十分な強度を確保しつつ鉄筋仮組み付けの作業性を高めることができる。なお、鉄筋の交差部は多数あるので、一箇所毎の作業性が高まる結果、全体的な作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
また、かぶり厚さ確保のための余分なコンクリートの厚みが不要となる。この結果、鉄筋同士の間に介在した部分を有する特許文献2に記載されたクリップを用いた場合のように構造物の大型化を招く問題点を解消することができる。
また、一方向から挿入できるため、一つの動作で鉄筋同士の交差部の仮止めを行うことができる。また、鉄筋にこのクリップを嵌着させる際、特許文献1のように挿入時にクリップの自由端部を開く必要がない。また、片手で作業することができ、作業性の向上を図ることができる。
この結果、結束線の代わりに利用可能な特許文献1に記載されたクリップの作業性の悪さやクリップの端部の開きによる強度低下の問題点を本発明は解決することができる。
また、仮組み付け具自体に線状の尖った自由端部がないため、鉄筋仮止め中の作業者の安全が確保される。
また、第1の鉄筋と第2の鉄筋の交差部を互いに直接接触させた状態で結束することができるため、鉄筋の構造体全体としての剛性力を高めることができコンクリートから局所的に伝わった応力を鉄筋全体に分散して一部の鉄筋に過大な応力がかかるのを防止する。
この結果、特許文献2に記載されているクリップの鉄筋同士を直接接触できないことによる鉄筋同士を組み付けた時の鉄筋全体の強度や耐久性を確保できる。
また、本発明の請求項2に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、請求項1に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具において、
前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、線状部材からなり、前記第1の係合部は、前記第2の鉄筋を挟んだ位置で前記第1の鉄筋に係合する2つのU字状に折り曲げられた第1の鉄筋結合用係合部からなると共に、前記第2の係合部は、前記第1の鉄筋を挟んだ位置で前記第2の鉄筋に係合する2つのU字状に折り曲げられた第2の鉄筋結合用係合部からなり、かつ前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、前記第1の係合用係合部と第2の係合用係合部を互いに連結する連結部を有することを特徴としている。
本発明の請求項2に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具によると、特許文献1に記載の一方の鉄筋に対して係合部が一箇所のみであることから応力集中を生ずるクリップの代わりに、それぞれの鉄筋に対して2箇所の係合部を有することにより、応力を分散させることができかつバランスを確保できる。
この結果、鉄筋同士を直接接触させた状態において結合するので、従来のような鉄筋の交差部を結束線でぐるぐる巻く面倒な作業を行うことなく結束線と同等の強度を鉄筋の交差部へのワンタッチの仮止め作業によって十分な確保できる。
また、仮組み付け具自体に線状の尖った自由端部がないため、鉄筋仮止め中の作業者の安全が確保される。
また、本発明の請求項3に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、請求項1に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具において、
前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、板状部材からなり、U字状に折り曲げることで形成される折り曲げ部と、当該折り曲げ部から互いに対向して延在する延在部とを有し、前記折り曲げ部が前記第1の鉄筋に係合する第1の係合部をなすと共に、前記延在部の、折り曲げ部と反対側の両縁部にそれぞれ切欠き部が形成され、各切欠き部が前記第2の鉄筋に係合する切欠きからなる第2係合部をなし、前記第1の係合部は、前記第1の鉄筋に対して面接触するようになっており、前記第2の係合部はそれぞれ、前記第2の鉄筋に対して線接触するようになっていることを特徴としている。
本発明の請求項3に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具によると、特許文献1に記載の一方の鉄筋に対して係合部が一箇所のみであることから応力集中を生ずるクリップの代わりに、一方の鉄筋に対して2箇所で線接触する係合部を有し、かつ他方の鉄筋に対しては面接触する係合部を有することにより、各鉄筋への係合部に応力を分散させることができかつバランスを確保できる。
また、鉄筋同士を直接接触させた状態においてワンタッチで結合させることができるので、従来のように多数ある鉄筋の交差部を1箇所ごとに結束線でぐるぐる巻く面倒な作業を行うことなく結束線と同等の強度を鉄筋の交差部において確保できる。
また、仮組み付け具自体に線状の尖った自由端部がないため、鉄筋仮止め中の作業者の安全が確保される。
また、本発明の請求項4に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、請求項3に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具において、
前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、板状部材からなり、当該板状部材をU字状に折り曲げることで形成される折り曲げ部と、当該折り曲げ部から互いに対向して延在する延在部とを有し、前記折り曲げ部が前記第1の鉄筋が係合する第1の係合部をなすと共に、前記延在部の切欠き部に設けられた突設部であって更なる板状部材をU字状に折り曲げた突設部が第2の係合部をなし、各係合部にそれぞれ対応する前記第1の鉄筋及び第2の鉄筋に対して面接触するようになっていることを特徴としている。
本発明の請求項4に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具によると、特許文献1に記載の一方の鉄筋に対して係合部が一箇所のみであることから応力集中を生ずるクリップの代わりに、それぞれの鉄筋に対しては面接触の係合部を有することにより、応力を分散させることができかつバランスを確保できる。
この結果、鉄筋同士を直接接触させた状態において結合するので、従来のような鉄筋の交差部を結束線でぐるぐる巻く面倒な作業を行うことなく、鉄筋の交差部へのワンタッチの仮止め作業によって結束線と同等の十分な強度を確保できる。
また、仮組み付け具自体に線状の尖った自由端部がないため、鉄筋仮止め中の作業者の安全が確保される。
また、本発明の請求項5に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、請求項3及び請求項4に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具において、
前記第1の係合部の内面に設けられ、前記第1の鉄筋の外周面に軸線方向に所定間隔で形成された凸部に引っ掛って前記第1の鉄筋と鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具とのずれを防止する第1のずれ防止部と、前記第2の係合部の内面に設けられ、前記第2の鉄筋の外周面に軸線方向に所定間隔で形成された凸部に引っ掛って前記第2の鉄筋と鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具とのずれを防止する第2のずれ防止部の少なくとも何れか一方のずれ防止部を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項5に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具によると、鉄筋の外周面に形成された凸部に当該鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具のずれ防止部が引っ掛ることによって、鉄筋の仮組み状態のずれを防止する。その結果鉄筋仮組み付け中の鉄筋同士のずれを防止できる。また、鉄筋仮組み付け後の鉄筋の構造物全体としての剛性を高めることができる。
本発明によると、鉄筋同士を仮結合する際、鉄筋同士の交差部の仮止めをワンタッチの取付け作業で迅速かつ容易に実施し得ると共に、結束作業の極めて面倒な結束線を用いた場合と同等の十分な強度を鉄筋同士の交差部において確保できる鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を提供することにある。
本発明の第1の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す斜視図である。 図1に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の鉄筋への組み付け方法を示す斜視図である。 図1に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図1に対応する斜視図である。 図1に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図2に対応する斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を示す斜視図である。 図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す斜視図である。 図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の鉄筋への組み付け方法を示す斜視図である。 図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図6に対応する斜視図である。 図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図7に対応する斜視図である。 図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第2変形例を示す、図5に対応する斜視図である。 鉄筋コンクリートの鉄筋を仮組み付けした状態を、各鉄筋の交差部に結束線やクリップ、鉄筋仮組み付け具等を示さない状態で示す斜視図である。 図11に対応する図であり、図5に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を各鉄筋の交差部に仮止めした状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を示す斜視図である。 図13に示した第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す斜視図である。 図13に示した第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す説明図であり、第2の鉄筋結合用係合部を拡大して示す第2の鉄筋幅方向断面図である。 図13に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の鉄筋への組み付け方法を示す斜視図である。 第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例、第2変形例及び第3変形例を示す、図13に対応する斜視図である。
以下、本発明の第1の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の鉄筋への組み付け方法を示す斜視図である。
本実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具100(以下、適宜これを「鉄筋仮組み付け具100」とする)は、鉄筋コンクリートの補強材としての役目を果たす鉄筋同士の仮組み付けに際して、これらの交差部を仮止めするのに使用する。鉄筋仮組み付け具100は、本実施形態では金属製で鉄筋の交差部を仮止めするためにしっかりと支えるに十分な太さの線状部材からなり、第1の鉄筋結合用係合部110(111,112)と、第2の鉄筋結合用係合部120(121,122)と、これら第1の鉄筋結合用係合部110と第2の鉄筋結合用係合部120を互いに結合する連結部130(131〜134)を有している。なお、第1の鉄筋結合用係合部110と第2の鉄筋結合用係合部120と連結部130とは、それらを構成する線材の端部が互いに結合して先端部を有さない線材の連結体の形態をなしている。
本実施形態によって仮組み付けされる鉄筋10,20は、いわゆる鉄筋コンクリートに使用される鉄筋であって、例えば、鉄製の棒状部材の軸線方向に周方向に所定間隔で突起部11,21を有することで形成されている。鉄筋仮組み付け具100の第1の鉄筋結合用係合部110は、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20を互いに直接接触させた状態で交差した部分を仮止めするようになっている。
第1の鉄筋結合用係合部110は、第2の鉄筋20を挟んだ(跨いだ)状態で第1の鉄筋10に係合する鉄筋仮組み付け具100の組み付け状態において第1の鉄筋10の軸線方向から見てU字状に折り曲げられた2つの線材部分からなる。また、第2の鉄筋結合用係合部120は、第1の鉄筋10を挟んだ(跨いだ)状態で第2の鉄筋20に係合する鉄筋仮組み付け具100の組み付け状態において第1の鉄筋10の軸線方向から見てU字状に折り曲げられた2つの線材部分からなる。そして、連結部130は、上述したように第1の鉄筋結合用係合部110と第2の鉄筋結合用係合部120を結合した4つのL字状の線材部分からなる。
そして、本実施形態に係る鉄筋仮組み付け具100が、これら第1の鉄筋結合用係合部110、第2の鉄筋結合用係合部120、及び連結部130を構成するに当たって、上述したように一本の線材の端部同士を接続することで、尖った先端部を有さない線材の連続体として構成されている。なお、鉄筋仮組み付け具100を製造するにあたっては、1本の線材を一定に折り曲げた後各端部をしっかりと溶接等によって固着して線材の閉じた接続体としての鉄筋仮組み付け具を形成するようになっている。
本実施形態においては、第1の鉄筋結合用係合部111,112同士は、これが係合する第1の鉄筋10の長手方向に沿ってある程度広い間隔を有しており、第2の鉄筋結合用係合部121,122同士は、第1の鉄筋10の直径より若干広い程度の間隔を有している。
第1の鉄筋結合用係合部110の鉄筋仮組み付け具100の組み付け状態において第1の鉄筋10の軸線方向から見てU字状に折り曲げられた内側の寸法形状は、第1の鉄筋の外周であって突起部11の形成されていない部分にそれ自体の弾性力を利用してぴったりと接触したまま嵌合する寸法形状となっている。また、第2の鉄筋結合用係合部120の鉄筋仮組み付け具100の組み付け状態において第2の鉄筋20の軸線方向から見てU字状の折り曲げられた内側の寸法形状は、第2の鉄筋20の外周であって突起部21の形成されていない部分にそれ自体の弾性力を利用してぴったりと接触したまま嵌合する寸法形状となっている。
連結部130は、本実施形態に係る鉄筋仮組み付け具100を、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20に交差して直接接触させた状態で、これら鉄筋10,20の交差部において各鉄筋の長手方向に対し共通する垂直方向から挿入する際に、干渉することなくこの挿入作業ができるように形成されている(図2の一点鎖線で示す矢印参照)。
そして、鉄筋仮組み付け具100を構成する第1の鉄筋結合用係合部110、第2の鉄筋結合用係合部120に加えて、これらを連結する各連結部130も、鉄筋仮組み付け具100を第1及び第2の鉄筋10,20の交差部を確実に仮止めするために必要な弾性力を有している。
より詳細には、第1の鉄筋結合用係合部111,112は、上述したように線材をU字状に折り曲げて形成されているが、この第1の鉄筋結合用係合部111,112が第1の鉄筋10に係合した際、このU字状を含む平面が第1の鉄筋10の軸線方向に対して垂直となるように係合するようになっている。また、第2の鉄筋結合用係合部121,122は、上述したように線材をU字状に折り曲げて形成されているが、この第2の鉄筋結合用係合部121,122が第2の鉄筋20に係合した際、このU字状を含む平面が第2の鉄筋20の軸線方向に対して垂直となるように係合するようになっている。
そして、それぞれがL字状をなす線材からなる連結部131乃至134は、図1乃至図3に示すように、第1の鉄筋結合用係合部111の手前側端部(一方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部121の左側端部(一方の端部)とにおいて連結部131の両端が結合し、第1の鉄筋結合用係合部111の奥側端部(他方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部122の左側端部(一方の端部)とにおいて連結部133の両端が結合している。
また、第1の鉄筋結合用係合部112の手前側端部(一方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部121の右側端部(他方の端部)において連結部132の両端が結合し、第1の鉄筋結合用係合部112の奥側端部(他方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部122の右側端部(他方の端部)とにおいて連結部134の両端が結合している。
このような構成によって、第2の鉄筋結合用係合部121,122が第2の鉄筋12にしっかりと係合すると、この係合力がL字型をなす連結部131乃至134を伝わって第1の鉄筋結合用係合部111,112のそれぞれを第1の鉄筋10の軸線方向と垂直方向で第2の鉄筋20に第1の鉄筋10を押し付ける方向であって第1の鉄筋10の軸線方向と垂直方向に作用する外力として作用する。これによって、第1の鉄筋10を第2の鉄筋20にしっかりと押し付けることが可能となる。第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部に鉄筋仮組み付け具100を係合させると、このようなしっかりとした押し付け力によって、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20とが互いにずれることなくしっかりと仮止めされる。
続いて、第1の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具100の実際の使用方法について説明する。鉄筋コンクリートの構造体を施行するにあたって、最初に基礎となる土台部分を作った後、鉄筋コンクリートの構造体の強度を確保するために多数の鉄筋を1本ずつ相互に仮組み付けしていく。この仮組み付けの際に、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を互いに直接接触させた状態で本実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具100を所定の方向からこの交差部に対して押し付けて第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を仮結合する。この所定の方向とは、上述した通り第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部における第1の鉄筋10の延在方向と第2の鉄筋20の延在方向に共通する垂直方向である。
即ち、この垂直方向の一方向のみで鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具100を第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部に仮結合することができるので、作業者が1人であっても、例えば一方の手で第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を押さえて他方の手で鉄筋仮組み付け具100を上述の方向から交差部に向かって押し付けることで、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を互いに直接接触させた状態でワンタッチで仮結合することができる。
このようにして鉄筋コンクリートを構成する上で必要とされる鉄筋組立体の極めて多数の各鉄筋の交差部をワンタッチの作業で1箇所ずつ仮結合していくことで、各鉄筋の交差部をいちいち結束線でぐるぐる巻きにしながら極めて多数の鉄筋の交差部をそれぞれ仮結合する必要がなくなる。従って、全ての鉄筋の交差部の仮組み付け自体が簡単に行え、鉄筋の仮組み付け作業を極めて効率的に短時間で終えることができる。
その後、仮組み付けされた鉄筋の構造体の周りに板などで所定の枠組みを行い、この空間にコンクリートを流し込んで養生することで十分な強度を有する鉄筋コンクリートの構造体を施工する。
以下、上述した第1の実施形態に係る鉄筋仮組み付け具100の作用について説明する。
第1の実施形態に係る鉄筋仮組み付け具100によると、鉄筋同士を直接に接触させた状態で十分な強度を確保しつつ、従来の結束線を使用して鉄筋の交差部をぐるぐる巻きにする必要がないので、鉄筋同士の仮結合の作業性を高めることができる。なお、一般に鉄筋コンクリートの補強部をなす鉄筋の交差部は多数あるので、一箇所毎の作業性が高まる結果、全体的な作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
また、一方向のみからの押し付け動作で、鉄筋同士の交差部を結合することができる。また、鉄筋同士を仮結合するにあたって、特許文献1のように作業中にクリップの自由端部を開く必要がない。このような開放した自由端部を有するクリップの類は、その自由端部を作業者が無理に開いてクリップ同士を塑性変形(永久変形)させてしまうことが多く、鉄筋同士の結合力を極端に低下させる虞があるが、本実施形態のような線材の連続体からなる鉄筋仮組み付け具によると、このような不都合を生じさせずに済む。また、片手で作業することができ、作業性の向上を図ることができる。
この結果、結束線の代わりに利用可能な特許文献1に記載されたクリップの作業性の悪さやクリップの端部の開きによる強度低下の問題点を本発明は解決することができる。
また、仮組み付け具自体に線状の尖った自由端部がないため、鉄筋仮止め中の作業者の安全が確保される。
また、特許文献1に記載のクリップは、一方の鉄筋に対して係合部が一箇所のみであるので、好ましくない応力集中を生ずる虞があるが本実施形態に係る鉄筋仮組み付け具は、それぞれの鉄筋に対して第1の鉄筋係合部が所定距離離間した2箇所の鉄筋係合部を有することにより、応力を分散させることができかつ鉄筋交差部に仮組み付け具が嵌合した際のバランスを確保できる。第1の鉄筋と第2の鉄筋の交差部を互いに直接接触させた状態で結束することができるため、コンクリートから伝わった応力が分散され、鉄筋の構造体全体としての剛性力を高めることができる。
この結果、特許文献2に記載されているクリップの鉄筋同士を直接接触できないことによる鉄筋同士を組み付けた時の鉄筋全体の強度や耐久性を確保できる。
また、かぶり厚さ確保のための余分なコンクリートの厚みが不要となる。この結果、鉄筋同士の間に介在した部分を有する特許文献2に記載されたクリップを利用した場合のように構造物の大型化を招くという問題点を解消することができる。
続いて、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。なお、上述した第1の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
図3は、図1に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図1に対応する斜視図である。また、図4は、図1に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図2に対応する斜視図である。
第1の実施形態においては、第1の鉄筋結合用係合部111,112同士がある程度の広い間隔を隔てて形成されていたが、この変形例に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具100’は、上述した実施形態と異なり、第1の鉄筋結合用係合部150(151,152)が第2の鉄筋20の直径より若干広い間隔を有している程度に留まっている。なお、この変形例の第2の鉄筋結合用係合部160(161,162)は、第1の実施形態と同等に第1の鉄筋10の直径より若干広い間隔を有している。
このような構成によって、第1の実施形態に係る鉄筋仮組み付け具100ほど鉄筋10,20の交差部に仮組み付けしたときに第1の鉄筋結合用係合部150が安定して第2の鉄筋20に係合して全体的に鉄筋の交差部をしっかりと仮結合するまでには至らない。しかしながら、第1の鉄筋結合用係合部150(151,152)同士の幅及び第2の鉄筋結合用係合部160(161,162)同士の幅が共に狭くなっているので、例えば隣接する鉄筋10,20の交差部同士の距離が狭い場所等においては、これらの鉄筋10,20の交差部に鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具100’同士を干渉させることなく仮結合でき、作業性を高めることができる。
なお、本実施形態では1本の線材を一定に折り曲げた後各端部をしっかりと溶接等によって固着して線材の閉じた接続体としての鉄筋仮組み付け具を形成するようになっているが、固着しなくても同様の作用効果を発揮する形状にしても良い。
続いて、本発明の第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具について説明する。なお、上述した第1の実施形態及びその変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を示す斜視図である。また、図6は、図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す斜視図である。また、図7は、図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の鉄筋への組み付け方法を示す斜視図である。
本実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200は、板状部材からなり、側面視でU字状に折り曲げることで形成されている。そして、このように折り曲げることで、折り曲げ部210と、折り曲げ部210から互いに対向して延在する延在部220,230とを有している。なお、第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200は、強度と成型性、耐久性に優れた樹脂でできているが、本実施形態と異なりこの仮組み付け具を十分な強度を有する鉄などの金属で作っても良い。
そして、折り曲げ部210が、第1の鉄筋10に係合する第1の鉄筋結合用係合部210をなしている。また、延在部220,230の、折り曲げ部210と反対側の両縁部221,231に第2の鉄筋20に係合する切欠きからなる第2の鉄筋結合用係合部222,232が形成されている。
これによって、鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200を第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部に仮結合させた状態において、第1の鉄筋結合用係合部210は、第1の鉄筋10に対して面接触するようになっており、第2の鉄筋結合用係合部222,232は、第2の鉄筋20に対してそれぞれ線接触するようになっている。
特許文献1に記載のクリップが、一方の鉄筋に対して係合部が一箇所のみであることから応力集中を生ずるが、本実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具によると、一方の鉄筋10に対して2箇所の線接触の第2の鉄筋結合用係合部222,232を有し、かつ他方の鉄筋20に対しては面接触の第1の鉄筋結合用係合部210を有することにより、応力を分散させることができかつバランスを確保できる。この結果、鉄筋同士を直接接触させながら仮結合させるので、従来のような鉄筋10,20の交差部を結束線でぐるぐる巻く面倒な作業を行うことなく結束線を用いた場合と同等の強度を鉄筋10,20の交差部において確保することができる。
また、仮組み付け具自体に線状の尖った自由端部がないため、鉄筋仮止め中の作業者の安全が確保される。
続いて、本発明の第2の実施形態の第1変形例について説明する。なお、上述した第2の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
図8は、図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図6に対応する斜視図である。また、図9は、図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図7に対応する斜視図である。
この第1変形例に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200’は、板状部材からなり、側面視でU字状に折り曲げることで形成される折り曲げ部210と、折り曲げ部から互いに対向して延在する延在部220,230とを有している。そして、折り曲げ部210が、第2の実施形態と同等に第1の鉄筋10が係合する第1の鉄筋結合用係合部210をなしている。しかしながら、第2の実施形態と異なる点として、延在部220,230の切欠き部222,232のそれぞれに板状部材をU字状に折り曲げた突設部223,233が、第2の鉄筋に係合する第2の鉄筋結合用係合部223,233をなしている。そして、第1の鉄筋結合用係合部210及び第2の鉄筋結合用係合部223,233が、それぞれ対応する第1の鉄筋10及び第2の鉄筋20に対して面接触するようになっている。
この第1変形例に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200’によると、上述した第2の実施形態の作用に加えて、それぞれの鉄筋10,20に対して面接触の係合部を有することにより、応力を分散させることができかつバランスを確保できる。
また、鉄筋同士を直接接触させた状態において結合するので、従来のような鉄筋の交差部を結束線でぐるぐる巻く面倒な作業を行うことなく鉄筋の交差部へのワンタッチの仮止め作業によって結束線と同等の強度を確保できる。
続いて、本発明の第2の実施形態の第2変形例について説明する。なお、上述した第2の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図10は、図5に示した第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第2変形例を示す、図5に対応する斜視図である。
この第2変形例に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200”は、第2の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200において、第1の鉄筋結合用係合部210の内面に、第1の鉄筋10の外周面に軸線方向に所定間隔で形成された突起部11に引っ掛って第1の鉄筋10と鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200”とのずれを防止する複数のずれ防止部211が所定間隔隔てて形成されている。
この第2変形例に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200”によると、鉄筋10の外周面に形成された突起部11に鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具200”のずれ防止部211が引っ掛ることによって、鉄筋10の仮組み状態のずれを防止する。その結果、鉄筋の構造物全体としての剛性を高めることができる。
なお、上述の第1の実施形態及びその変形例において、鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の材質を強度に優れた金属としていたが、この材質はこのような鉄などの金属に限らず樹脂等、本発明の作用を発揮する材質であれば如何なる材質でも良い。
更に、上述の実施形態に追加して第3の実施形態について、以下に説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を示す斜視図である。また、図14は、図13に示した第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す斜視図である。また、図15は、図13に示した第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を鉄筋に仮組み付けした状態を示す説明図であり、第2の鉄筋結合用係合部を拡大して示す第2の鉄筋幅方向断面図である。また、図16は、図13に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の鉄筋への組み付け方法を示す斜視図である。
第3の実施形態に係る鉄筋仮組み付け具300は、鉄筋コンクリートの補強材としての役目を果たす鉄筋同士の仮組み付けに際して、これらの交差部を仮止めするのに使用する。鉄筋仮組み付け具300は、本実施形態では金属製で鉄筋の交差部を仮止めするためにしっかりと支えるに十分な太さの線状部材からなり、第1の鉄筋結合用係合部310(311,312)と、第2の鉄筋結合用係合部320(321,322)と、これら第1の鉄筋結合用係合部310と第2の鉄筋結合用係合部320を互いに結合する連結部330(331〜334)を有している。そして、連結部330は第1の鉄筋結合用係合部320と連結する第1連結部331a,332a、333a,334aと第2の鉄筋結合用係合部320と連結する第2連結部331b,332b,333b,334bとからなる。なお、第1の鉄筋結合用係合部310と第2の鉄筋結合用係合部320と連結部330とは、それらを構成する線材の端部が互いに結合して先端部を有さない線材の連結体の形態をなしている。
本実施形態によって仮組み付けされる鉄筋10,20は、いわゆる鉄筋コンクリートに使用される鉄筋であって、例えば、鉄製の棒状部材の軸線方向に周方向に所定間隔で突起部11,21(図14参照)を有することで形成されている。そして、鉄筋仮組み付け具300の第1の鉄筋結合用係合部310は、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20を互いに直接接触させた状態で交差した部分を仮止めするようになっている。
第1の鉄筋結合用係合部310は、第2の鉄筋20を挟んだ(跨いだ)状態で第1の鉄筋10に係合している。そして、第1の鉄筋結合用係合部310はそれぞれ、鉄筋仮組み付け具300を第1の鉄筋10と第2の鉄筋20に取り付けた状態において第1の鉄筋10の軸線方向から見てU字状に折り曲げられた2つの線材部分からなる。
また、第2の鉄筋結合用係合部320は、鉄筋仮組み付け具300の組み付け状態において第2の鉄筋20の軸線方向から見て1辺が開口部326(図15参照)をなす略5角形の形状からなり、開口部326をなさない残りの4辺が第2の鉄筋20の外周面に周方向所定間隔隔てて点接触した状態で第2の鉄筋20の周囲を囲う4つの直線延在部(図15参照)を有している。なお、図15に示すように、この4つの直線延在部321a〜321dによって鉄筋係合領域325を形成している。
そして、第1の直線延在部321aと第2の直線延在部321bの各一端はそれぞれ第2連結部331b,332b,333b,334bに接続される接続部の一部をなし、各接続部間で開口部326を形成している(図13参照)。
また、第1の直線延在部321aの接続部側と反対側の他端は第3の直線延在部321cの一端と連結し、第2の直線延在部321bの接続部側と反対側の他端は第4の直線延在部321dの一端と連結し、第3の直線延在部321cの他端と第4の直線延在部321dの他端とは互いに連結している。その結果、それぞれの直線延在部は、図15に示すようにA点、B点、C点、D点の4箇所で第2の鉄筋20の外周面と周方向所定間隔隔てて点接触するように鉄筋を係合する鉄筋係合領域325を形成している。
なお、鉄筋仮組み付け具300に何ら力が作用しない状態においては、鉄筋係合領域325の第1の直線延在部321aとこれに対向する第4の直線延在部321d同士の間隔は、第2の鉄筋20の直径よりも小さくなっており、かつ鉄筋係合領域325の第2の直線延在部321bとこれに対向する第3の直線延在部321c同士の間隔は、第2の鉄筋20の直径よりも小さくなっている。これによって、第2の鉄筋結合用係合部320を第2の鉄筋20に係合させた状態で、第2の鉄筋結合用係合部320自体が有する弾性力により、上述したA点、B点、C点、D点の4箇所で鉄筋にしっかりと係合し、鉄筋仮組み付け具が第2の鉄筋の軸線方向にずれないようになっている。
一方、連結部330は、図13に示すように、第1の鉄筋結合用係合部310と第2の鉄筋結合用係合部320を結合した4つのL字状の線材部分からなる。
そして、本実施形態に係る鉄筋仮組み付け具300が、これら第1の鉄筋結合用係合部310、第2の鉄筋結合用係合部320、及び連結部330を構成するに当たって、上述したように一本の線材の端部同士を接続することで、尖った先端部を有さない線材の連続体として構成されている。なお、鉄筋仮組み付け具300を製造するにあたっては、1本の線材を一定に折り曲げた後、各端部を溶接等によってしっかりと固着して閉じた線材の接続体としての鉄筋仮組み付け具を形成するようになっている。
本実施形態においては、第1の鉄筋結合用係合部311,312同士は、これが係合する第1の鉄筋10の長手方向に沿ってある程度広い間隔を有しており、第2の鉄筋結合用係合部321,322同士は、第1の鉄筋10の直径より若干広い程度の間隔を有している。
第1の鉄筋結合用係合部310のU字状に折り曲げられた内側の寸法形状は、第1の鉄筋10の外周であって突起部11の形成されていない部分にそれ自体の弾性力を利用してぴったりと接触したまま嵌合する寸法形状となっている。また、第2の鉄筋結合用係合部320の開口部326の開口幅は第2の鉄筋20の軸線に垂直な方向の断面直径より小さく、第2の鉄筋20を鉄筋係合領域325に挿入する際に、鉄筋組付け具自体の弾性力によってこの開口部326が拡開し、第2の鉄筋20の挿入後に弾性復元力で開口部326が狭まって第2の鉄筋20がこの開口部から抜け出ることなく第2の鉄筋結合用係合部320が第2の鉄筋20としっかり係合するようになっている。
連結部330は、本実施形態に係る鉄筋仮組み付け具300を、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20に交差して直接接触させた状態で、これら鉄筋10,20の交差部において各鉄筋の長手方向に対し共通する垂直方向から挿入する際に、干渉することなくこの挿入作業ができるように形成されている(図16の一点鎖線で示す矢印参照)。
そして、鉄筋仮組み付け具300を構成する第1の鉄筋結合用係合部310、第2の鉄筋結合用係合部320に加えて、これらを連結する各連結部330も、鉄筋仮組み付け具300を第1及び第2の鉄筋10,20の交差部を確実に仮止めするために必要な弾性力を有している。
より詳細には、第1の鉄筋結合用係合部311,312は、上述したように線材をU字状に折り曲げて形成されているが、この第1の鉄筋結合用係合部311,312が第1の鉄筋10に係合した際、このU字状を含む平面が第1の鉄筋10の軸線方向に対して垂直となるように係合するようになっている。また、第2の鉄筋結合用係合部321,322は、上述したように線材を図15に示すように開口部326を有する5角形に折り曲げて形成されているが、この第2の鉄筋結合用係合部321,322が第2の鉄筋20に係合した際、この5角形を含む平面が第2の鉄筋20の軸線方向に対して略垂直方向に係合するようになっている。
そして、それぞれがL字状をなす線材からなる連結部331乃至334は、図13に示すように、第1の鉄筋結合用係合部311の手前側端部(一方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部321の左側端部(一方の端部)とにおいて連結部331の両端が結合し、第1の鉄筋結合用係合部311の奥側端部(他方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部322の左側端部(一方の端部)とにおいて連結部333の両端が結合している。
また、第1の鉄筋結合用係合部312の手前側端部(一方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部321の右側端部(他方の端部)において連結部332の両端が結合し、第1の鉄筋結合用係合部312の奥側端部(他方の端部)と第2の鉄筋結合用係合部322の右側端部(他方の端部)とにおいて連結部334の両端が結合している。
このような構成によって、第2の鉄筋結合用係合部321,322が第2の鉄筋20にしっかりと係合すると、この係合力がL字型をなす連結部331乃至334を伝わって第1の鉄筋結合用係合部311,312のそれぞれを第1の鉄筋10の軸線方向と垂直方向であって、第2の鉄筋20に第1の鉄筋10を押し付ける方向、かつ第1の鉄筋10の軸線方向と垂直方向に作用する外力として作用する。これによって、第1の鉄筋10を第2の鉄筋20にしっかりと押し付けることが可能となる。第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部に鉄筋仮組み付け具300を係合させると、このようなしっかりとした押し付け力によって、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20とが互いにずれることなくしっかりと仮止めされる。
続いて、第1の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具300の実際の使用方法について説明する。鉄筋コンクリートの構造体を施行するにあたって、最初に基礎となる土台部分を作った後、鉄筋コンクリートの構造体の強度を確保するために多数の鉄筋を1本ずつ相互に仮組み付けしていく。この仮組み付けの際に、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を互いに直接接触させた状態で本実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具300を所定の方向からこの交差部に対して押し付けて第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を仮結合する。この所定の方向とは、上述した通り第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部における第1の鉄筋10の延在方向と第2の鉄筋20の延在方向に共通する垂直方向である。
即ち、この垂直方向の一方向のみの押し込み動作で鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具300を第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部に仮結合することができるので、作業者が1人であっても、例えば一方の手で第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を押さえて他方の手で鉄筋仮組み付け具300を上述の方向から交差部に向かって押し付けることで、第1の鉄筋10と第2の鉄筋20の交差部を互いに直接接触させた状態においてワンタッチで仮結合することができる。
なお、この際、第1の鉄筋結合用係合部311,312を例えば片方の手の親指と人差し指で摘んで、その間隔を少し狭めることで、第2の鉄筋結合用係合部321,322の開口部326を拡げ、第2の鉄筋結合用係合部321,322を第2の鉄筋20に係合し易くすることができる。
このようにして鉄筋コンクリートを構成する上で必要とされる鉄筋組立体の極めて多数の各鉄筋の交差部をワンタッチの作業で1箇所ずつ仮結合していくことで、各鉄筋の交差部をいちいち結束線でぐるぐる巻きにしながら極めて多数の鉄筋の交差部をそれぞれ仮結合する必要がなくなる。従って、全ての鉄筋の交差部を簡単に仮組み付けすることができ、鉄筋の仮組み付け作業を極めて効率的に短時間で終えることができる。
その後、仮組み付けされた鉄筋の構造体の周りに板などで所定の枠組みを行い、この空間にコンクリートを流し込んで養生することで十分な強度を有する鉄筋コンクリートの構造体を施工する。
以下、上述した第1の実施形態に係る鉄筋仮組み付け具300の作用について説明する。
第1の実施形態に係る鉄筋仮組み付け具300によると、鉄筋同士を直接に接触させた状態で十分な強度を確保しつつ、従来の結束線を使用して鉄筋の交差部をぐるぐる巻きにする必要がないので、鉄筋同士の仮結合の作業性を高めることができる。なお、一般に鉄筋コンクリートの補強部をなす鉄筋の交差部は多数あるので、一箇所毎の作業性が高まる結果、全体的な作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
また、一方向のみからの押し込み動作で、鉄筋同士の交差部を結合することができる。また、鉄筋同士を仮結合するにあたって、特許文献1のように作業中にクリップの自由端部を開く必要がない。このような開放した自由端部を有するクリップの類は、その自由端部を作業者が無理に開いてクリップ同士を塑性変形(永久変形)させてしまうことが多く、鉄筋同士の結合力を極端に低下させる虞があるが、本実施形態のような線材の連続体からなる鉄筋仮組み付け具によると、このような不都合を生じさせずに済む。また、片手で作業することができ、作業性の向上を図ることができる。
この結果、結束線の代わりに利用可能な特許文献1に記載されたクリップの作業性の悪さやクリップの端部の開きによる強度低下の問題点を本発明は解決することができる。
また、仮組み付け具自体に線状の尖った自由端部がないため、鉄筋仮止め中の作業者の安全が確保される。
また、特許文献1に記載のクリップは、一方の鉄筋に対して係合部が一箇所のみであるので、好ましくない応力集中を生ずる虞があるが、本実施形態に係る鉄筋仮組み付け具は、それぞれの鉄筋に対して第1の鉄筋係合部が所定距離離間した2箇所の鉄筋係合部を有することにより、応力を分散させることができかつ鉄筋交差部に仮組み付け具が嵌合した際のバランスを確保できる。
また、第1の鉄筋と第2の鉄筋の交差部を互いに直接接触させた状態で結束することができるため、コンクリートから伝わった応力が分散され、鉄筋の構造体全体としての剛性力を高めることができる。この結果、特許文献2に記載されているクリップの鉄筋同士を直接接触できないことによる鉄筋同士を組み付けた時の鉄筋全体の強度や耐久性を確保できる。
また、かぶり厚さ確保のための余分なコンクリートの厚みが不要となる。この結果、鉄筋同士の間に介在した部分を有する特許文献2に記載されたクリップを利用した場合のように構造物の大型化を招くという問題点を解消することができる。
また、第2の鉄筋結合用係合部320は、第2の鉄筋20の外周面と周方向所定間隔を隔てた4箇所で点接触した状態で第2の鉄筋20に係合しているため、鉄筋等の軸線方向に関する断面寸法のバラツキを吸収できると共に、係合力が向上する。
なお、本実施形態では1本の線材を一定に折り曲げた後各端部をしっかりと溶接等によって固着して線材の閉じた接続体としての鉄筋仮組み付け具を形成するようになっているが、固着しなくても同様の作用効果を発揮する形状にしても良い。また、第2の鉄筋結合用係合部の形状は上述の実施形態に限定されず、同様の作用効果を発揮する形状であればどのようなものでも良い。
続いて、第3の実施形態の第1変形例について説明する。なお、上述した第3の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図17(a)は、第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第1変形例を示す、図13に対応する斜視図である。
第3の実施形態においては、連結部330の一端と鉄筋結合用係合部320の開口側端部を連結していたが、この第1変形例に係る鉄筋仮組み付け具300−1は、上述した実施形態と異なり、連結部330の一端と第2の鉄筋結合用係合部320の開口側端部をガイド部327を介して連結している。そして、このガイド部327は、鉄筋仮組み付け具300−1の組み付け状態において、第2の鉄筋20の軸線方向からみて開口部326を起点とした末広がりの形状をしている。
第3の実施形態の第1変形例によると、上述の実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、ガイド部327が末広がりの形状をしているため、このガイド部327が第2の鉄筋20を第2の鉄筋結合用係合部320に案内する役目を果たす。その結果、鉄筋仮組み付け具300−1を第2の鉄筋20に目掛けて挿入する際にわざわざ組付ける場所を正確に確認して挿入する必要が無くなる。また、鉄筋仮組み付け具300−1を第2の鉄筋20へ挿入する際、第2の鉄筋結合用係合部320とガイド部327の有する弾性力により開口部326が拡開すると共に、挿入後に弾性復元力で開口部326が狭まり、第2の鉄筋20をしっかり係合するようになっている。そのため、挿入方向への挿入力だけで鉄筋同士を極めて容易に結合できる。その結果、鉄筋同士の結合に関する作業性を高めることができる。
続いて、第3の実施形態の第2変形例について説明する。なお、上述した第3の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図17(b)は、第3の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第2変形例を示す、図13に対応する斜視図である。
第2変形例に係る鉄筋仮組み付け具300−2は、上述した第3の実施形態と異なり、第2連結部331b,332b,333b,334bの代わりに各第1連結部331a,332a,333a,334aにおいて第1の鉄筋結合用係合部310とを連結する連結部と反対側他端を基点に図18(b)中で斜め上方に延在した第3連結部330c(331c,332c)を含む連結部330を有する。即ち、第3連結部330cは鉄筋仮組み付け具300−2の組み付け状態において、第2の鉄筋20の軸線方向からみて開口部326を起点とした末広がりの形状をしている。そのため、第1変形例におけるガイド部327と同様の役割を果たしている。
第3の実施形態の第2変形例によると、上述の実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、第3連結部330cが末広がりの形状をしているため、このガイド部327が第2の鉄筋20を第2の鉄筋結合用係合部320に案内する役目を果たす。その結果、鉄筋仮組み付け具300−2を第2の鉄筋20に目掛けて挿入する際に開口部326をわざわざ正確に確認して挿入する必要が無くなる。また、鉄筋仮組み付け具300−2を第2の鉄筋20へ挿入する際、鉄筋仮組み付け具自体の有する弾性力により開口部326が拡開すると共に、挿入後に弾性復元力で開口部326が狭まり、第2の鉄筋20をしっかり係合するようになっている。そのため、挿入方向への挿入力だけで極めて容易に組み付け可能となる。その結果、作業性を高めることができる。
続いて、第3の実施形態の第3変形例について説明する。なお、上述した第3の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図17(c)は、図13に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の第3変形例を示す、図1に対応する斜視図である。
第3変形例に係る鉄筋仮組み付け具300−3は、上述した実施形態と異なり、第2連結部330bの代わりに第1連結部330の第1の鉄筋結合用係合部310と連結する連結部と反対側他端を基点に図17(c)中で斜め下方に延在した第4連結部330d(331d,332d)及びこれと連なるガイド部327を有する。そして、第4連結部330dの一端と第2の鉄筋結合用係合部320の開口側端部はガイド部327を介して連結している。そして、このガイド部327は、鉄筋仮組み付け具300−3の組み付け状態において、第2の鉄筋20の軸線方向からみて開口部326を起点とした末広がりの形状をしている。
第3の実施形態の第3変形例によると、上述の実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、ガイド部327が末広がりの形状をしているため、このガイド部327が第2の鉄筋20を第2の鉄筋結合用係合部320に案内する役目を果たす。その結果、鉄筋仮組み付け具300−3を第2の鉄筋20に目掛けて挿入する際に開口部326をわざわざ正確に確認して挿入する必要が無くなる。また、鉄筋仮組み付け具300−3を第2の鉄筋20へ挿入する際、第2の鉄筋結合用係合部とガイド部327の有する弾性力により開口部326が拡開すると共に、挿入後に弾性復元力で開口部326が狭まり、第2の鉄筋20をしっかり係合するようになっている。そのため、挿入方向への挿入力だけで極めて容易に組み付け可能となる。その結果、作業性を高めることができる。
以上説明した本発明の特有のメリットについて以下に再確認する。図11は、鉄筋コンクリートの鉄筋を仮組み付けした状態を、各鉄筋の交差部に結束線やクリップ、鉄筋仮組み付け具等を示さない状態で示す斜視図である。また、図12は、図11に対応する図であり、図5に示した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を各鉄筋の交差部に仮止めした状態を模式的に示す斜視図である。
これらの図から分かるように、鉄筋コンクリートにおいて鉄筋の交差部は非常に多数存在する。これらの各交差部を上述したように全てそれぞれしっかりと仮結合しなければならないので、従来の結束線を交差部毎にぐるぐる巻いていたのでは、非常に作業性が悪いことがこの図からも明らかである。
また、特許文献1記載されたクリップを用いると、鉄筋の一方にクリップのU状部を嵌着し、次に、その鉄筋に沿わせてクリップを移動しながらクリップの端部を広げて、交差する他方の鉄筋に嵌着する必要がある。この複雑な作業を多数ある交差部の1箇所ごとに行なっていたのでは、作業が非常に面倒であることは明らかである。
また、特許文献2に記載されたクリップを用いると、それぞれの鉄筋の交差部間に鉄筋以外の物が介在するため、鉄筋を仮組み付けした全体の構造物としての剛性が低下することは明らかである。
なお、建築基準法等の適用のない小規模の鉄筋コンクリートの構造物を施工する際に、鉄筋の交差部の鉄筋同士を溶接して固定することも考えられるが、溶接作業は非常に難しく熟練を有すると共に、適切な溶接作業を行わなければ鉄筋の仮組み付けした状態の強度上の問題が生じてしまう。しかしながら、本発明によると、このような不都合を回避することができる。
なお、上述の第2の実施形態の第2変形例の構成の代わりに、第1の鉄筋の外周面に軸線方向に所定間隔で形成された凸部に引っ掛って第1の鉄筋と鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具とのずれを防止する第1のずれ防止部が第1の鉄筋結合用係合部の内面に設けられ、第2の係合部の内面に設けられ、軸線方向に所定間隔で形成された凸部に引っ掛って第2の鉄筋と鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具とのずれを防止する第2のずれ防止部が第2の鉄筋結合用係合部の内周面に共に設けるようにしても良く、もちろんこれらずれ防止部の内少なくとも何れか一方のずれ防止部だけを備えていても良い。
なお、上述した鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、同じサイズの鉄筋同時に限らず互いに異なるサイズを有する全ての鉄筋の組み合わせに対しても適用可能である。つまり、同じサイズ同士の鉄筋の交差部を本発明に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具によって仮結合することに限定されず、異なるサイズ同士の鉄筋の交差部に本発明に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具を嵌め込んでこれら鉄筋同士をその交差部で仮結合することも可能であることは言うまでもない。
また、本発明に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具の材質は、上述したように金属や樹脂等の何れでも構わないが、金属においても本発明の作用を発揮する材質であれば、鉄やステンレス鋼、アルミニウム合金等様々な金属を材料として使用することができる。また、樹脂についても本発明の作用を発揮する材質であれば、様々な材質の樹脂を使用することができる。
10,20 鉄筋
11,21 突起部
100 鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具(鉄筋仮組み付け具)
100’ 鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具
110(111,112) 第1の鉄筋結合用係合部
120(121,122) 第2の鉄筋結合用係合部
130(131〜134) 連結部
150(151,152) 第1の鉄筋結合用係合部
160(161,162) 第2の鉄筋結合用係合部
200,200’,200” 鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具
210 折り曲げ部(第1の鉄筋結合用係合部)
211 ずれ防止部
220,230 延在部
221,231 両縁部
222,232 切欠き部(第2の鉄筋結合用係合部)
223,233 突設部(第2の鉄筋結合用係合部)
300,300−1,300−2、300−3 (鉄筋コンクリート用)鉄筋仮組み付け具
310(311,312) 第1の鉄筋結合用係合部
320(321,322) 第2の鉄筋結合用係合部
321a 第1の直線延在部
321b 第2の直線延在部
321c 第3の直線延在部
321d 第4の直線延在部
325 鉄筋係合領域
326 開口部
327 ガイド部
330(331,332,333,334) 連結部
331a,332a,333a,334a 第1連結部
331b,332b,333b,334b 第2の連結部

Claims (5)

  1. 鉄筋コンクリートに使用する鉄筋同士の交差部を仮止めする鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具であって、
    第1の鉄筋と第2の鉄筋の交差部を互いに直接接触させた状態で、前記交差部における第1の鉄筋の延在方向と第2の鉄筋の延在方向に共通する垂直方向から挿入することで、当該第1の鉄筋に係合する第1の係合部を有すると共に、当該第2の鉄筋に係合する第2の係合部を有することを特徴とする鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具。
  2. 前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、線状部材からなり、前記第1の係合部は、前記第2の鉄筋を挟んだ位置で前記第1の鉄筋に係合する2つのU字状に折り曲げられた第1の鉄筋結合用係合部からなると共に、前記第2の係合部は、前記第1の鉄筋を挟んだ位置で前記第2の鉄筋に係合する2つのU字状に折り曲げられた第2の鉄筋結合用係合部からなり、かつ前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、前記第1の係合用係合部と第2の係合用係合部を互いに連結する連結部を有することを特徴とする、請求項1に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具。
  3. 前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、板状部材からなり、U字状に折り曲げることで形成される折り曲げ部と、当該折り曲げ部から互いに対向して延在する延在部とを有し、前記折り曲げ部が前記第1の鉄筋に係合する第1の係合部をなすと共に、前記延在部の、折り曲げ部と反対側の両縁部にそれぞれ切欠き部が形成され、各切欠き部が前記第2の鉄筋に係合する切欠きからなる第2係合部をなし、前記第1の係合部は、前記第1の鉄筋に対して面接触するようになっており、前記第2の係合部はそれぞれ、前記第2の鉄筋に対して線接触するようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具。
  4. 前記鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具は、板状部材からなり、当該板状部材をU字状に折り曲げることで形成される折り曲げ部と、当該折り曲げ部から互いに対向して延在する延在部とを有し、前記折り曲げ部が前記第1の鉄筋が係合する第1の係合部をなすと共に、前記延在部の切欠き部に設けられた突設部であって更なる板状部材をU字状に折り曲げた突設部が第2の係合部をなし、各係合部にそれぞれ対応する前記第1の鉄筋及び第2の鉄筋に対して面接触するようになっていることを特徴とする、請求項3に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具。
  5. 前記第1の係合部の内面に設けられ、前記第1の鉄筋の外周面に軸線方向に所定間隔で形成された凸部に引っ掛って前記第1の鉄筋と鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具とのずれを防止する第1のずれ防止部と、前記第2の係合部の内面に設けられ、前記第2の鉄筋の外周面に軸線方向に所定間隔で形成された凸部に引っ掛って前記第2の鉄筋と鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具とのずれを防止する第2のずれ防止部の少なくとも何れか一方のずれ防止部を備えていることを特徴とする、請求項3及び請求項4に記載の鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具。

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