JP2012041476A - エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シェルによってコア剤が内包されたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルであって、前記シェルは、水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を含有し、前記コア剤は、疎水性イミダゾール化合物であるエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル。
【選択図】なし
Description
しかしながら、このようなマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物は、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物とを途中段階まで反応させ、反応生成物を微粉砕して得られた粉体であり、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との接触界面が硬化しているにすぎない。そのため、このようなマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物をエポキシ樹脂用硬化剤又は硬化促進剤として用いる場合には、時間の経過とともに硬化反応が進行しやすく、充分な貯蔵安定性が得られない。
例えば、特許文献2には、アミン化合物と、有機溶媒中に所定のポリマーからなる膜物質が溶解された疎水性溶液とを、混合して溶解し、これを乳化剤を溶解した水性媒体中に乳化分散させた後、加熱して上記有機溶媒を除去することにより、上記アミン化合物と膜物質とを相分離させて膜物質によってアミン化合物を被覆保護するマイクロカプセルの製法が記載されている。
以下、本発明を詳述する。
ここで、本発明のエポキシ樹脂用マイクロカプセルにおいては、上記シェルが、水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を含有し、上記コア剤が、疎水性イミダゾール化合物である。上記シェル、即ち上記シェルを構成するポリマーが、高極性の上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を含有する一方で、上記コア剤が疎水性であることにより、相分離によるコアシェル構造が形成されやすく、コア剤の保持性に優れたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを得ることができる。また、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は各種溶剤に可溶であり、上述のような相分離によるコアシェル構造の形成に適しているため、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、上述のような相分離によるコアシェル構造の形成によって、アスペクト比の小さい小粒子径のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを得ることができる。
上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は、水酸基の含有量の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が35モル%である。上記水酸基の含有量が15モル%未満であると、上記シェルは、後述する無機ポリマーを充分に取り込めないことがある。上記水酸基の含有量が35モル%を超えると、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂の水への溶解度が高くなり、コアシェル構造を有するエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを製造することができないことがある。上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は、水酸基の含有量のより好ましい下限が20モル%、より好ましい上限が30モル%である。
上記アセタール化に使用するアルデヒドとして、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等が挙げられる。なかでも、ブチルアルデヒドが好ましい。
上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基の含有量の好ましい上限が7モル%である。上記アセチル基の含有量が7モル%を超えると、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂の親水性が高くなって、コアシェル構造を有するエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを製造することができないことがあり、また、上記シェルの軟化点が低下し、エポキシ樹脂組成物の硬化開始温度以下で上記シェルが軟化して上記コア剤が放出されるため、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が低下することがある。上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基の含有量のより好ましい上限が5モル%である。
上記シェルが上記無機ポリマーを含有することで、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルは耐溶剤性が向上し、溶剤と混合する場合であっても硬化剤又は硬化促進剤として好適に用いられる。なお、本発明のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルにおいては、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂が上記無機ポリマーと反応することができ、これにより、上記シェルは無機骨格を有することができる。
上記疎水性イミダゾール化合物は、水に最大限溶解させたときの濃度が5重量%未満であれば特に限定されないが、炭素数11以上の炭化水素基を有するイミダゾール化合物が好ましい。
なお、本発明のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルにおけるシェル厚みは特に限定されないが、好ましい下限が0.05μm、好ましい上限が1.0μmであり、より好ましい下限が0.1μm、より好ましい上限が0.5μmである。
エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、走査型電子顕微鏡を用いて1視野に約100個のマイクロカプセルが観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個のマイクロカプセルの最長径及び最短径を、ノギスを用いて測定する。最長径を粒子径とし、粒子径の数平均値を求め、これを平均粒子径とする。また、最短径に対する最長径の比(最長径/最短径)の数平均値を求め、これをアスペクト比とする。なお、アスペクト比は、1に近くなるほど真球状に近いことを意味する。
また、粒子径のCV値は、下記式(1)で表される。
CV値(%)=(粒子径の標準偏差σ/数平均粒子径Dn)×100 (1)
上記乳化剤は特に限定されず、例えば、アルキル硫酸スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。
このとき、上述のように、上記シェル、即ち上記シェルを構成するポリマーが、高極性の上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を含有する一方で、上記コア剤が疎水性であることにより、相分離によるコアシェル構造が形成されやすく、コア剤の保持性に優れたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを得ることができる。また、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は各種溶剤に可溶であり、上述のような相分離によるコアシェル構造の形成に適しているため、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、上述のような相分離によるコアシェル構造の形成によって、アスペクト比の小さい小粒子径のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルは、コア剤の保持性に優れ、アスペクト比が小さく、小粒子径であり、このようなエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを硬化剤又は硬化促進剤として用いることで、貯蔵中に部分的に上記コア剤が滲み出してエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が低下したり、硬化が不均一となったりする等の問題を軽減することができる。また、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は分解温度が高いことから、本発明のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを半導体接合用接着剤の硬化剤又は硬化促進剤として用いる場合には、リフロー温度下でも硬化物におけるボイドの発生を抑制することができる。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール(BL−10、積水化学工業社製)3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール(BH−2H、積水化学工業社製)3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール(BM−S、積水化学工業社製)3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール(BM−S、積水化学工業社製)3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ヘプタデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール(BH−3、積水化学工業社製)3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール(♯−3000K、電気化学工業社製)3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
熱可塑性ポリマーとしてポリスチレン3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
熱可塑性ポリマーとしてポリメタクリル酸メチル3重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去することにより、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液を得た。得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル分散液中のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール(BM−S、積水化学工業社製)3重量部と、両親媒性イミダゾール化合物として2−メチルイミダゾール3.2重量部と、無機ポリマーとしてシリコーン樹脂(X−41−1053、アルコキシオリゴマー一部エポキシ置換、信越化学工業社製)3重量部とを、酢酸エチルとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶剤(酢酸エチル:イソプロピルアルコール(IPA)=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液を250rpmの速度で攪拌しながら、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を250mL/hの速度で滴下して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で加熱しながら減圧して、溶剤を除去した。しかしながら、比較例3では凝集が生じ、目的とするエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルは得られなかった。
実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルについて以下の評価を行った。結果を表1、2及び3に示す。
高化式フローテスター(島津製作所社製、CFT−500型)を用い、荷重20kg/cm2、オリフィス1mmφ×1mm、予備温度60℃、予備時間5分、チャート速度20mm/分、プランジャー1.0cm2、昇温速度6±0.5℃/minの条件下で、目開き1.19mmのJIS標準篩を通過する1.0gのエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを溶融流出させ、樹脂の流出開始時におけるプランジャー降下量と、樹脂の流出停止時におけるプランジャー降下量との中間のプランジャー降下量を与えるときの温度を測定することにより、シェルの軟化点を求めた。
エポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部及び酸無水物硬化剤(YH309、jER社製)0.29重量部中に、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを0.13重量部添加して、公転自転撹拌機で撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を50μmの厚さに塗布して樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムを40℃で3日間放置した後、酢酸エチル中で24時間以上浸漬、振とうさせた。浸漬後の樹脂フィルムを取り出し、酢酸エチル浸漬前後の樹脂フィルムの重量を測定することで、ゲル分率測定を行った。
なお、ゲル分率は、下記式(2)により算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (2)
式(2)中、W0は樹脂フィルムの基材の重量を表し、W1は酢酸エチルに浸漬する前の樹脂フィルムの重量を表し、W2は酢酸エチルに浸漬し乾燥した後の樹脂フィルムの重量を表す。
エポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部及び酸無水物硬化剤(YH309、jER社製)0.29重量部中に、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを0.13量部添加して、公転自転撹拌機で撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を100μmの厚さに塗布して樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムを170℃で3分間硬化した後、酢酸エチル中で24時間以上浸漬、振とうさせた。浸漬後の樹脂フィルムを取り出し、酢酸エチル浸漬前後の樹脂フィルムの重量を測定することで、ゲル分率測定を行った。なお、ゲル分率は、上記式(2)により算出した。
エポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部及び酸無水物硬化剤(YH309、jER社製)0.29重量部中に、エポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルを0.13量部添加して、公転自転撹拌機で撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を100μmの厚さに塗布して樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムを170℃で15分間硬化した後、260℃の温度条件下に10秒間曝し、得られた硬化物の断面切片をマイクロトームで切り出した。得られた切片を走査型電子顕微鏡により1000倍で10視野観察し、直径20μm以下のボイドが1個以下の場合を○、2個以上の場合を×と評価した。
Claims (4)
- シェルによってコア剤が内包されたエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセルであって、
前記シェルは、水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を含有し、
前記コア剤は、疎水性イミダゾール化合物である
ことを特徴とするエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル。 - 水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は、水酸基の含有量が15〜35モル%であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル。
- シェルの軟化点が100〜150℃であることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル。
- 疎水性イミダゾール化合物は、炭素数11以上の炭化水素基を有するイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のエポキシ樹脂硬化用マイクロカプセル。
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