JP2012041404A - 繊維複合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維径が30nm以下である繊維と、シルセスキオキサンまたはシルセスキオキサンの重合体を含む組成物とを含む混合物を硬化させて得られる繊維複合体。
【選択図】なし
Description
1.繊維径が30nm以下である繊維と、シルセスキオキサンまたはシルセスキオキサンの重合体を含む組成物とを含む混合物を硬化させて得られる繊維複合体。
2.前記繊維がキチン繊維である前項1に記載の繊維複合体。
3.前記キチン繊維がキチン不織布である前項2に記載の繊維複合体。
4.前記シルセスキオキサンが、かご型または部分かご型構造を有するシルセスキオキサンである前項1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合体。
5.前記かご型または部分かご型構造を有するシルセスキオキサンが、一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である前項4に記載の繊維複合体。
6.前記一般式(A−1)〜(A−3)において、重合性の官能基が、オキシラニル、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニル、アクリルまたは(メタ)アクリルである、前項5に記載の繊維複合体。
7.線膨張係数が120ppm/K以下である前項1〜6のいずれか1項に記載の繊維複合体。
8.以下の工程(1)および(2)を含む、繊維径が30nm以下である繊維とシルセスキオキサンとの繊維複合体の製造方法。
(1)シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物を、繊維径が30nm以下である繊維に含浸させる工程
(2)工程(1)で前記繊維に含浸させた前記シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物を硬化反応させる工程
9.前記繊維がキチン繊維である前項8に記載の製造方法。
10.前記キチン繊維がキチン不織布である前項9に記載の製造方法。
11.前記シルセスキオキサンが、一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である前項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
12.前記一般式(A−1)〜(A−3)において、重合性の官能基が、オキシラニル、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニル、アクリルまたは(メタ)アクリルである、前項11に記載の製造方法。
13.前記重合体の重量平均分子量が3,000〜4,000,000である、前項8〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
14.前記工程(1)において、前記組成物が重合開始剤を含む前項8〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
15.前記重合開始剤が、カチオン重合開始剤またはラジカル重合開始剤である前項14に記載の製造方法。
16.前記工程(1)において、前記組成物が硬化剤を含む前項14または15に記載の製造方法。
17.前記硬化剤が、酸無水物またはアミンである前項16に記載の製造方法。
18.前記工程(2)において、硬化反応が熱硬化反応である前項8〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
19.前記工程(2)において、硬化反応が光硬化反応である前項8〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
20.前記組成物がさらにエポキシ樹脂またはオキセタン樹脂を含む前項8〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
21.前項8〜20のいずれか1項に記載の製造方法により製造される繊維複合体。
22.前項1〜7および21のいずれか1項に記載の繊維複合体を用いる基板。
本発明の繊維複合体に用いる繊維の繊維径は、30nm以下であり、20nm以下であることが好ましく、15nm以下であることがより好ましい。また、下限は特に限定されないが、通常4nmである。繊維径は、走査型電子顕微鏡(SEM)および電界放出型電子顕微鏡等により測定することができる。
(ii)工程(i)で得られたキチン分散液を攪拌した後、キチンを摩砕して解繊する。攪拌時の温度は室温〜40℃とすることが好ましい。キチンの解繊は、市販の石臼式摩砕機(例えば、スーパーマスコロイダー、増幸産業製)を用いて行うことができる。摩砕時の砥石の回転数は1000〜1500rpmで行うことが好ましく、摩砕回数は1〜3回が好ましい。摩砕時の温度は室温〜60℃とすることが好ましい。
(ii)工程(i)の減圧濾過後、完全に水分が除去される前に、流し込んだキチン繊維懸濁液の質量を基準として、好ましくは純水を追加し、再度減圧濾過する、という操作を好ましくは2〜5回行う。さらに、流し込んだキチン繊維懸濁液の質量を基準として、好ましくは極性の高い有機溶媒を追加し、減圧濾過する、という操作を好ましくは1〜3回行うことにより、メンブランフィルター上にキチン繊維の堆積物を得る。該有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、メタノールおよびアセトンが挙げられる。
(iii)工程(ii)で得られたキチン繊維の堆積物を加圧加熱することにより、キチン不織布を得ることができる。加圧加熱の条件は、圧力は0.1〜2MPaが好ましく、温度は60〜100℃が好ましく、時間は0.5〜2時間が好ましい。
シルセスキオキサンは、かご型または部分かご型構造を有するシルセスキオキサンが好ましい。かご型シルセスキオキサンは閉じた空間を有するシルセスキオキサンである。また、部分かご型シルセスキオキサンは、その骨格を形成するSi−O−Si結合の一部分が開裂して閉じていた空間が開いた状態の構造を有する化合物である。
下記一般式(A−1)〜(A−3)で表されるシルセスキオキサンから選ばれる少なくとも1種、必要に応じて他のモノマーを加えた組成物を、繊維径が30nm以下である繊維に含浸させることで、混合物とし、この混合物を硬化させることで、繊維複合体とすることができる。シルセスキオキサンが繊維の空隙の隅々まで進入することにより、高い透明性を保持することができる。
(1)シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物を、繊維径が30nm以下である繊維に含浸させる工程
(2)工程(1)で前記繊維に含浸させた前記シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物を硬化反応させる工程
以下、各工程に分けて説明する。
含浸は、減圧下脱泡して溶存空気を除去してシルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物を調整し、気泡が入らないように、繊維径が30nm以下である繊維に前記組成物を塗布し、圧力をかけることにより行う。前記圧力は、0.1〜2MPaが好ましい。
シルセスキオキサンの重合体は、前記一般式(A−1)〜(A−3)で表されるシルセスキオキサンから選ばれる少なくとも1種、必要に応じて他のモノマーを加えて、付加重合、開環重合、または重縮合することにより、Bステージ化、すなわち溶媒に再可溶な重合体(完全には硬化させず半硬化の状態)とすることで、組成物とすることができる。得られる組成物を繊維径が30nm以下である繊維に含浸させることで、混合物とし、この混合物を硬化させることで、繊維複合体とすることができる。
シロセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、シルセスキオキサンが有する重合性の官能基の種類によって、カチオン重合開始剤およびラジカル重合開始剤等を適宜選択して用いることができるが、通常カチオン重合開始剤が好ましい。
シロセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物は、硬化剤を含有することが好ましい。硬化剤としては一般の樹脂の硬化に用いられている化合物であれば特に制限されず、アミンおよび酸無水物などを使用することができる。
硬化剤と併用して、硬化促進剤を使用してもよい。硬化促進剤としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、2−メチルイミダゾールおよび2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。しかしながら、硬化性がよく、着色がないものであれば、これらに限定されない。
シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物の調製に使用する溶剤は、前記組成物や重合体を溶解可能であればよく、特に制限はない。
本発明の繊維複合体に、エポキシ樹脂またはオキセタン樹脂を配合してもよい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂など)、2個のオキシラニルを有するエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂および水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、多官能複素環式エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂およびトリグリシジルイソシアヌレートなど)、3個以上のオキシラニルを有するエポキシ樹脂(ポリ(エポキシ化シクロヘキセンオキサイド)などの多官能脂環式エポキシ樹脂)並びに脂環エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製 製品名:セロキサイド2021、同製品名:セロキサイド 3000および同製品名:セロキサイド 2081)などが挙げられる。
本発明の繊維複合体に、酸化防止剤を配合してもよい。酸化防止剤を配合することにより、酸化劣化を防止し着色の少ない成形体とすることができる。
本発明の繊維複合体に、紫外線吸収剤を配合してもよい。紫外線吸収剤を配合することで、繊維複合体の耐候性を向上させることができる。
(c)難燃剤、例えば、三酸化アンチモン、ブロム化合物およびリン化合物等。
(d)イオン吸着体。
(e)シランカップリング剤。
(f)ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカなどの金属酸化物のナノ粒子分散液。
この工程は、工程(1)で繊維径が30nm以下である繊維に含浸させた、シルセスキオキサンを含む組成物またはシルセスキオキサン重合体を含む組成物を加圧、加熱および光硬化等の処理を施すにより硬化させる工程である。
加熱硬化の際の温度および時間は、用いるシルセスキオキサンが有する重合性の官能基に応じて適宜設定することができる。加熱の際、重合体を完全に硬化させず半硬化の状態すなわちBステージの状態としたのち、プレス機で挟んで加圧しながら加熱硬化させることにより、いっそう表面が平滑な成形体を得ることができる。この場合の圧力は、通常0.1〜2.0MPaが好ましく、0.2〜1.0MPaがより好ましい。
また、シルセスキオキサンが有する重合性の官能基の種類によっては、シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物に重合開始剤(光酸発生剤)を加えることで光硬化によって硬化反応させることができる。
<化合物(II)の製造>
下記の経路により化合物(II)を製造した。
窒素雰囲気下、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた内容積2.0リットルの反応容器に50質量%水酸化カリウム水溶液(2500g)及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(580g、50mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(50g)を加えて撹拌しながらアリルブロミド(1210g、100mol)を滴下ロートから滴下した。滴下終了後、室温で24時間撹拌したのち、水を加えてヘキサンで抽出した。有機層を水洗したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。そして減圧濃縮で溶媒留去したのち減圧蒸留を行い、圧力1.4kPa、塔頂温度76℃の留分で3−アリロキシメチル−3−エチル−オキセタンを780g(収率89%)得た。
化合物(II)を国際公開第2004/024741号に開示されている方法に従って合成した。即ち、窒素雰囲気下、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた内容積2.0リットルの反応容器に、化合物(I)(400g)、トルエン(620g)を仕込み、マグネチックスターラーで攪拌しながら加熱し、液温を80℃にした。Pt触媒[ユミコアプレシャスメタル株式会社製、製品名 Pt−VTSC−3.0X(白金3質量%キシレン溶液)](80μL)をマイクロシリンジで加えたのち、第1段で製造した3−アリロキシメチル−3−エチル−オキセタン(288g)を添加した。そして還流温度で3時間攪拌した後、室温まで冷却してから富士シリシア化学株式会社製、商品名SHシリカ(2.0g)を加え1時間攪拌した。SHシリカを濾過して得た濾液をエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物にメタノール(3000g)を加え、さらに活性炭(18g)加え室温で1時間攪拌した。活性炭を濾過で除去した濾液をエバポレーターで濃縮し、無色の粘ちょう液体を595g得た。1H NMRの測定の結果、化合物(II)であることがわかった(収率83%)。
カニ殻由来の乾燥キチン粉末(ナカライテスク社製キチン(粉末),商品コード07946−62)20gを2リットルの純水に分散させ、酢酸を10g添加し、室温にて約1時間撹拌しキチン繊維分散液を調製した。その後、得られたキチン繊維分散液中のキチン繊維を、石臼式摩砕機(スーパーマスコロイダー、増幸産業製)を用いて、1時間解繊処理し、キチン繊維の懸濁液とした。解繊時の砥石の回転数は1500rpmとした。解繊処理後のキチン繊維を電界放出型電子顕微鏡で観察し、写真を撮影した。この写真中のキチン繊維を無作為に50本選び、その繊維径を測定し、繊維径の最小値及び最大値を求めた。その結果、得られたキチン繊維は、繊維径が10〜20nmの範囲に入ることがわかった。また、均一でかつ高いアスペクト比を有するナノファイバーであることも確認できた。
前記方法により得られたキチン繊維の懸濁液を、純水でキチン繊維濃度0.2質量%になるように希釈し、25℃にて3時間、300rpmで撹拌した。濾過器としてアドバンテック社製を使用し、金属メッシュフィルターの上に同アドバンテック社製の0.1μmPTFEメンブランフィルターを載せた。上部から十分に撹拌を行ったキチン繊維の懸濁液を15g流し込み、減圧濾過した。完全に水分が除去される前に、純水5gを追加し、再度減圧濾過の操作を2回行った。その後、エタノール5gを追加し、再度減圧濾過の操作を2回行う。PTFEメンブランフィルターの上にキチン繊維の堆積物が得られた。このキチン繊維の堆積物をろ紙に挟み込み、2kgの荷重をかけ90℃で6時間乾燥を行い、厚さ40μmのキチン不織布Aを得た。キチン不織布Aの比容積は、2cm3/gであった。
前記キチン繊維不織布Aを、更に110℃で4時間乾燥を行い、得られたものをキチン不織布Bとした。キチン不織布Bの厚さは40μmであり、比容積は、2cm3/gであった。
シルセスキオキサン:合成例1で製造した化合物(II)
繊維径30nm以下である繊維:キチン不織布Aまたはキチン不織布B
重合開始剤:カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)製 商品名 サンエイド SI−100)
容器に合成例1で製造した化合物(II)(100質量部)と、エチレングリコールジメチルエーテル(5質量部)に溶解したカチオン重合開始剤(0.5質量部)を仕込み、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製 あわとり練太郎(商品名)ARE−250)にセットし、混合と脱泡を行い、シルセスキオキサンを含む組成物とした。この組成物を、塗布量が均一となるように、PET(TORAY製 ルミラー100-T60、以下PETと称する)上に塗布し、キチン不織布A、上記組成物、PETの順に積層させた。その後気泡が入らないように注意しながら、金属板で最上層のPETに1MPaの圧力をかけながら、2時間含浸させた。
容器に合成例1で製造した化合物(II)(50質量部)と、エチレングリコールジメチルエーテル(50質量部)に溶解したカチオン重合開始剤(0.5質量部)を仕込み、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製 あわとり練太郎(商品名)ARE−250)にセットし、混合と脱泡を行い、シルセスキオキサンを含む組成物とした。この組成物にキチン不織布Aを5分間含浸させ、混合物とした。得られた混合物を80℃で1時間、120℃で1時間、そして160℃で1時間加熱を行い、繊維複合体として、厚さ80μmのキチン繊維複合化シルセスキオキサン成形体を得た。
容器に合成例1で製造した化合物(II)(80質量部)と、エチレングリコールジメチルエーテル(20質量部)、カチオン重合開始剤(0.5質量部)仕込み、それ以外は実施例2と同様にして、繊維複合体として、厚さ130μmのキチン繊維複合化シルセスキオキサン成形体を得た。
キチン不織布Bを用いて、実施例2と同様にして、繊維複合体として、厚さ80μmのキチン繊維複合化シルセスキオキサン成形体を得た。
キチン不織布Bを用いて、実施例3と同様にして、繊維複合体として、厚さ130μmのキチン繊維複合化シルセスキオキサン成形体を得た。
キチン不織布Aを使用しない以外は、実施例1と同様にして、繊維複合体として、厚さ50μmのシルセスキオキサンフィルムを得た。
キチン不織布Aの物性を評価した。
キチン不織布Bの物性を評価した。
キチン繊維含有量は、複合前後の材料の質量を計測することにより測定した。
実施例1〜5、比較例1〜3で得られたシルセスキオキサン成形体を、ヘーズメータ(日本電色工業株式会社製 NHD5000)で全光線透過率と濁度を測定した。結果を表1に示す。全光線透過率が70〜95%であり、且つ濁度が1〜30である場合に、透明性が高いと判断した。
実施例1〜5、比較例1〜3により得られたシルセスキオキサン成形体を幅3mm×長さ15mmにカットし、セイコー電子工業株式会社製 熱機械分析装置(TMA−100)を使用し、チャック間距離10mm、荷重0.1gで10℃/minで100〜150℃の範囲で線膨張係数を算出した。結果を表1に示す。
実施例1〜5、比較例1、2から得られたシルセスキオキサン成形体のサンプルの短辺と短辺が合わさるように180°折り曲げ試験を行ったところ、何れのサンプルも割れることがなく、可撓性を有し自由に曲げることができた。
Claims (22)
- 繊維径が30nm以下である繊維と、シルセスキオキサンまたはシルセスキオキサンの重合体を含む組成物とを含む混合物を硬化させて得られる繊維複合体。
- 前記繊維がキチン繊維である請求項1に記載の繊維複合体。
- 前記キチン繊維がキチン不織布である請求項2に記載の繊維複合体。
- 前記シルセスキオキサンが、かご型または部分かご型構造を有するシルセスキオキサンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合体。
- 前記かご型または部分かご型構造を有するシルセスキオキサンが、一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の繊維複合体。
一般式(A−1)〜(A−3)において、Rは、それぞれ独立して、水素、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない−CH2−が−O−若しくはシクロアルキレンで置き換えられてもよい炭素数が1〜45のアルキル、炭素数が4〜8のシクロアルキル、任意の水素が炭素数1〜10のアルキル、またはハロゲンで置き換えられてもよいアリールである。R1は、それぞれ独立して炭素数が1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択される基である。少なくとも1つのXは、水素、ビニル基、または重合性の官能基を有する、炭素数が1〜10のアルキル、シクロアルキル、若しくはフェニルであり、残りのXはR1と同様に定義される基である。 - 前記一般式(A−1)〜(A−3)において、重合性の官能基が、オキシラニル、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニル、アクリルまたは(メタ)アクリルである、請求項5に記載の繊維複合体。
- 線膨張係数が120ppm/K以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維複合体。
- 以下の工程(1)および(2)を含む、繊維径が30nm以下である繊維とシルセスキオキサンとの繊維複合体の製造方法。
(1)シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物を、繊維径が30nm以下である繊維に含浸させる工程
(2)工程(1)で前記繊維に含浸させた前記シルセスキオキサンまたはその重合体を含む組成物を硬化反応させる工程 - 前記繊維がキチン繊維である請求項8に記載の製造方法。
- 前記キチン繊維がキチン不織布である請求項9に記載の製造方法。
- 前記シルセスキオキサンが、一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
一般式(A−1)〜(A−3)において、Rは、それぞれ独立して、水素、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない−CH2−が−O−若しくはシクロアルキレンで置き換えられてもよい炭素数が1〜45のアルキル、炭素数が4〜8のシクロアルキル、任意の水素が炭素数1〜10のアルキル、またはハロゲンで置き換えられてもよいアリールである。R1は、それぞれ独立して炭素数が1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択される基である。少なくとも1つのXは、水素、ビニル基、または重合性の官能基を有する、炭素数が1〜10のアルキル、シクロアルキル、若しくはフェニルであり、残りのXはR1と同様に定義される基である。 - 前記一般式(A−1)〜(A−3)において、重合性の官能基が、オキシラニル、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニル、アクリルまたは(メタ)アクリルである、請求項11に記載の製造方法。
- 前記重合体の重量平均分子量が3,000〜4,000,000である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程(1)において、前記組成物が重合開始剤を含む請求項8〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記重合開始剤が、カチオン重合開始剤またはラジカル重合開始剤である請求項14に記載の製造方法。
- 前記工程(1)において、前記組成物が硬化剤を含む請求項14または15に記載の製造方法。
- 前記硬化剤が、酸無水物またはアミンである請求項16に記載の製造方法。
- 前記工程(2)において、硬化反応が熱硬化反応である請求項8〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程(2)において、硬化反応が光硬化反応である請求項8〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記組成物がさらにエポキシ樹脂またはオキセタン樹脂を含む請求項8〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項8〜20のいずれか1項に記載の製造方法により製造される繊維複合体。
- 請求項1〜7および21のいずれか1項に記載の繊維複合体を用いる基板。
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