JP2012041188A - フォーク用滑り止め具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フォーク用滑り止め具21は、磁石シート31とウレタンゴムシート41とを重ね合わせて接着剤で接合した構造をしている。磁石シート31とウレタンゴムシート41とは、例えば、それぞれ長さが1000mm、幅Wが100mm、厚さが2mmである。ウレタンゴムシート41の硬さは、硬度90であり、引張応力32MPaが好ましい。上記接着剤としては、エポキシ系接着剤であり、且つ硬化後にある程度の弾性を有した無溶剤弾性接着剤が用いられる。
【選択図】図2
Description
このようなパレットとしては、木製のものが多いが、近年、軽量で再利用可能なスチール製やプラスチック製のパレットの使用が年々増えている。
しかしながら、このような鉄材のフォークでスチール製やプラスチック製のパレットを搬送すると、フォークとパレットとの間の摩擦力が十分に得られず、車体の停止時等に、フォーク上でパレットが滑ってしまう可能性がある。
また、本発明は、フォークへの着脱が容易で、なおかつ耐摩耗性が高いフォーク用滑り止め具を提供することを目的とする。
本発明のフォーク用滑り止め具では、磁石の部分が、フォークリフトのフォークに着脱自在に固定される。そして、積荷が載せられたパレット内に滑り止め部を挿入して搬送する。
滑り止め部は、ウレタンゴムのため、スチール製やプラスチック製のパレットと所定以上の摩擦力を発生し、パレットが滑り止め部に安定した状態で保持される。
好適には、本発明のフォーク用滑り止め具の前記ウレタンゴムは、ポリエーテル系である。
好適には、本発明のフォーク用滑り止め具の前記磁石は、フェライト系であり、前記接着剤は、エポキシ樹脂系であり、前記磁石との間で当該磁石の伸縮を吸収可能な弾力性を有する無溶剤タイプである。
好適には、本発明のフォーク用滑り止め具の前記薄板状のウレタンゴムの厚みは約1〜約3mm、マグネットの厚みは約1〜約3mmである。
また、本発明によれば、フォークへの着脱が容易で耐摩耗性が高いフォーク用滑り止め具を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態のフォークリフト1の外観図である。
図2は、本発明の実施形態のフォーク用滑り止め具11の構造を説明するための図である。
図3は、図1に示すフォークリフト1のフォークにフォーク用滑り止め具11が取り付けられた状態の外観図である。
また、内側マスト9に沿って昇降可能なリフトブラケットに一対のフォーク13が取り付けられている。
また、フォークリフト1には、マスト8,9をチルトさせるためのチルトシリンダが設けられる。
内側マスト9とリフトブラケットを昇降させるためのリフトシリンダが設けられている。また、バックレスト11が設けられている。
そして、チルトシリンダを縮小駆動してマスト8,9をフォークリフト1側にチルトさせる。また、リフトシリンダを伸長駆動して積荷を持ち上げ、その持ち上げた積荷を所定の場所まで搬送する。
図2(A)は正面図、図2(B)は側面図である。
図2(A)に示すように、フォーク用滑り止め具21は、例えば、長手方向の長さLが1000mm、幅Wが100mm、厚さが4mmである。
フォーク用滑り止め具21のサイズは、その全域がフォーク5の荷積面の内側あるいは同じサイズの領域に位置するように規定される。
フォーク用滑り止め具21は、磁石シート31とウレタンゴムシート41とを重ね合わせて接着剤で接合した構造をしている。
ここで、磁石シート31が本発明の磁石の一例であり、ウレタンゴムシート41が本発明の滑り止め部の一例である。
磁石シート31には、等方性フェライトマグネットシートおよび異方性フェライトマグネットシートの2種類がある。
フォーク用滑り止め具21は、ウレタンゴム層(表面)とマグネット層(裏面)の2層構造である。フォーク用滑り止め具21の厚みは、荷扱いの邪魔ならないように、フォークリフトの爪をパレットに差し込む際に、マットが引っ掛からない程度(5mm以下)ににする。例えば、ウレタンゴム2〜3mm、マグネット2mmとする。
また、フォーク用滑り止め具21は、溝や凹凸のないフラットな形状で、且つ、厚みが5mm以下にすることで、作業者にとって、装着後も違和感のない形状にすることができる。
荷滑り試験を、以下の(1)〜(3)を移動側とし、以下の(a),(b),(c),(d)を押付け側として用いて行った。
(1)
フォークリフトの爪と同じ材質(鋼材SCM435)のスチールパレット
(2)
樹脂パレット
(3)
木製パレットが当たる場合を想定。
(a)鋼材
(b)ウレタンゴムシート
(c)合成ゴムシート
(d)フェルトシート
表1中のμsは静摩擦係数を示し、μkは動摩擦係数を示し、μsは試験開始直後のピーク値を取り、μkは安定区間の平均値である。n1,n2,n3はそれぞれ回数を示す。
なお、ゴムは硬さにグレード(硬度30〜110)があるため、いずれも硬度Hs約70程度のもので比較した。
ウレタンゴムは、引裂強さはブタジエンゴムより少し劣るが耐摩耗性が非常に優れている。
ウレタンゴムの中でも種類がある為に、どの程度の硬度(一般的な硬さで、30〜110が存在)が最適か検証した。
また、摩擦力という観点から試験を行った結果、下記表3に示すように、硬度が100を超えると、摩擦力が急激に落ちることが分かった。
また、下記表3の摩擦力は、ポリプロピレンのパレットとの間の摩擦力を一例として示している。
下記表3において、硬度の単位はHs、傷数は5cm×5cm内での傷の数、摩擦力(静摩擦係数)の単位はμsである。
すなわち、この範囲の硬さを選定したのは耐久性と摩擦力のバランスを考慮したためである。すなわち、硬度70未満だと表面に傷や凹凸が発生しやすく、硬度100Hsを超えると摩擦力が低下し、滑り止め効果が薄れるという不都合があるためである。この範囲は、実験により導き出されたものである。なお、90Hsが耐久性と摩擦力の双方の観点から最適であることが確認できた。
ウレタンゴムとフェライトマグネットを板状で張り合わせ、尚且つ重量物を何度も荷扱いしても剥離し難くするために接着剤に要求される仕様は以下であることを見出した。
(2) ウレタンゴムとマグネットの伸縮性がそれぞれ異なる為に、大きな荷重がかかった時にも耐えうるように、ある程度接着層が伸び縮みできるような「弾性」を有している必要がある。
(3) 接着剤の中に溶剤が入っていると、ウレタンゴムの成分と反応してしまい、接着力は十分であっても、製品自体が反り曲がってしまうため、「無溶剤タイプ」の接着剤である必要がある。
従って、使用用途面、接着強度面から、当製品に使用する最適な接着剤は「エポキシ系接着剤であり、且つ硬化後にある程度の弾性を有した無溶剤弾性接着剤」を採用することとした。
すなわち、厚さ2mmの薄板状の磁石板を用意し、これを長さL=1000mm、幅W=100mmに切断して磁石シート31を形成する。
厚さ2mmの薄板状のウレタンゴムを用意し、これを長さL=1000mm、幅W=100mmに切断してウレタンゴムシート41を形成する。
フォークリフト1のフォーク5にフォークリフト1の磁石シート31側を近づける。このとき、フォーク5は鉄製であるため、磁石シート31がフォーク5に磁力によって強く引き付けられ、磁石シート31がフォーク5の荷積面に接合して固定される。
そして、チルトシリンダを縮小駆動してマスト8,9をフォークリフト1側にチルトさせる。また、リフトシリンダを伸長駆動して積荷を持ち上げ、その持ち上げた積荷を所定の場所まで搬送する。
このとき、フォーク用滑り止め具21のウレタンゴムシート41がパレットと接合する。ウレタンゴムシート41は、パレットがスチール製やプラスチック製であっても、安定した搬送に十分な摩擦力を発生する。そのため、フォークリフト1が停止等した場合にでも、パレットが滑り不安定な状態になることはない。
また、フォーク用滑り止め具21は、磁石シート31の磁力により着脱可能にフォーク13に安定した状態で装着できるため、木製のパレットを用いて搬送を行う場合でも、フォーク13上でパレットが滑ることはない。
また、フォーク用滑り止め具21は、磁石シート31とウレタンゴムシート41とを接着剤で貼り合わせるというシンプルな構造であるため、製造コストを安価にできる。
また、既製品のようにパレットとの接触部分に凹凸や突起物をつけたものとは異なり、フラットな形状の為、耐摩耗性に優れ、作業性も良い。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した実施形態で、図3に示すように、フォーク13の荷積面の略全域にフォーク用滑り止め具21を取り付けた場合を例示したが、荷積面の一部に単数あるいは複数のフォーク用滑り止め具21を取り付けるようにしてもよい。
また、上述したフォーク用滑り止め具21のサイズは、一例であり、フォーク13のサイズ等に応じて適宜変更可能である。
8…外側マスト
9…内側マスト
13…フォーク
21…フォーク用滑り止め具
31…磁石シート
41…ウレタンゴムシート
Claims (6)
- フォークリフトの強磁性体で作られたフォークに取り付けられるフォーク用滑り止め具であって、
前記フォークの荷積面に着脱可能な状態で磁力によって直接面着して固定される磁石と、
前記磁石に接着剤を介して固定され、ウレタンゴムで形成された滑り止め部と
を有するフォーク用滑り止め具。 - 前記磁石は、その全域が前記荷積面の内側に位置する平面形状の薄板状をしており、
前記滑り止め部は、前記磁石板と同じ平面形状を有し、前記磁石板に接着剤を介して面着される薄板状である
請求項1に記載のフォーク用滑り止め具。 - 前記ウレタンゴムは、硬度70〜100Hsである。
請求項1または請求項2に記載のフォーク用滑り止め具。 - 前記ウレタンゴムは、ポリエーテル系である
請求項3に記載のフォーク用滑り止め具。 - 前記磁石は、フェライト系であり、
前記接着剤は、エポキシ樹脂系であり、前記磁石との間で当該磁石の伸縮を吸収可能な弾力性を有する無溶剤タイプである
請求項4に記載のフォーク用滑り止め具。 - 前記薄板状のウレタンゴムの厚みは約1〜約3mm、マグネットの厚みは約1〜約3mmである
請求項5に記載のフォーク用滑り止め具。
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