JP2008056303A - パレット - Google Patents
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Abstract
【課題】滑止テープの有効利用を図ることが可能なパレットを提供する。
【解決手段】本発明のパレット20では、荷物30が載置されるデッキボード21のうち把持部25を一部に含む線状の領域に滑止テープ10を固着したので、滑止テープ10が、デッキボード21に載置された荷物30の滑り止めと、把持部25を把持した手の滑り止めとの両方に兼用され、滑止テープ10の有効利用が図られる。また、滑止テープ10を従来より幅狭の幅7〜14[mm]にしたので、滑止テープ10を熱溶着にてデッキボード21に固着する際の加熱時間が短くなり、デッキボード21、特に把持部25の熱変形を防ぐことができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のパレット20では、荷物30が載置されるデッキボード21のうち把持部25を一部に含む線状の領域に滑止テープ10を固着したので、滑止テープ10が、デッキボード21に載置された荷物30の滑り止めと、把持部25を把持した手の滑り止めとの両方に兼用され、滑止テープ10の有効利用が図られる。また、滑止テープ10を従来より幅狭の幅7〜14[mm]にしたので、滑止テープ10を熱溶着にてデッキボード21に固着する際の加熱時間が短くなり、デッキボード21、特に把持部25の熱変形を防ぐことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、合成樹脂のパレットであって、荷物が載置されるデッキボードに手を差し込むための持ち手孔を貫通形成したパレットに関する。
従来、この種のパレットとして、デッキボードに1対の持ち手孔を貫通形成し、それら1対の持ち手孔の間を片手で把持可能な把持部としたパレットが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、合成樹脂製のパレットには、必要に応じて滑止テープを固着する場合があり(例えば、特許文献2参照)、上記した持ち手孔及び把持部を備えたパレットにおいても、滑止テープを必要とされる場合があった。
特開2001−72067号公報(第1図,第4図)
特公昭63−38293号公報(第4頁右欄の第25行から次頁左欄の第4行まで、第1図、第2図)
しかしながら、上記した滑止テープの有無によりパレット全体のコストが変動するため、従来のパレットに単に滑止テープを固着させるだけではなく、滑止テープの有効利用を図ったパレットの開発が求められていた。なお、従来の滑止テープは、画一的に幅が20[mm]になっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、滑止テープの有効利用を図ることが可能なパレットの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るパレットは、合成樹脂製のパレットであって、荷物が載置されるデッキボードに1対の持ち手孔を貫通形成し、それら1対の持ち手孔の間を片手で把持可能な把持部としたパレットにおいて、デッキボードのうち1対の持ち手孔の間を通りかつ把持部を一部に含む線状の領域に、荷物を滑り止めするための滑止テープを固着したところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のパレットにおいて、滑止テープが固着された線状の領域に把持部を複数設けたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のパレットにおいて、滑止テープの幅を7〜14[mm]にしたところに特徴を有する。
請求項1のパレットでは、荷物が載置されるデッキボードのうち把持部を一部に含む線状の領域に滑止テープを固着したので、滑止テープが、デッキボードに載置された荷物の滑り止めと、把持部を把持した手の滑り止めとの両方に兼用され、滑止テープの有効利用が図られる。
また、請求項2のパレットでは、滑止テープが固着された線状の領域に把持部を複数設けたので、任意の把持部を選んで把持することができる。
さらに、請求項3の構成では、滑止テープを従来より幅狭の幅7〜14[mm]にしたので、滑止テープを熱溶着にてデッキボードに固着する際の加熱時間が短くなり、デッキボード、特に把持部の熱変形を防ぐことができる。また、滑り止め効果を高めるために滑止テープの使用長さが増加しても、従来の滑止テープに代えて本発明に係る幅狭の滑止テープを使用すれば、コスト増加を抑えることができる。ここで、滑止テープの幅を再現なく小さくすると、パレットへの固着作業が困難になるが、本発明では滑止テープの幅を7[mm]以上にしたので、固着作業を容易に行うことができる。また、従来の滑止テープの幅20[mm]に対して、本発明では滑止テープの幅を14[mm]以下にしたので、滑止テープの材料費を3割以上、低減させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1に示した本実施形態のパレット20は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の成形品であって、平面略正方形の1対のデッキボード21,21を上下に対向配置して備え、それらデッキボード21,21の外縁部同士の間を側壁22で接合した偏平直方体形状をなしている。また、パレット20の内部には、図2に示すようにデッキボード21,21の間で突っ張り状態になった補強壁27や、デッキボード21,21の内面から突出した補強リブ28等が備えられている。さらに、図1に示すようにデッキボード21の平面形状の図心には、角孔21Kがパレット20の上下に貫通形成されている。また、パレット20の側壁22には、縦横何れかの一方向に、1対のフォーク挿入孔23,23が貫通形成され、ここにフォークリフトのフォークを挿入することができるようになっている。
各デッキボード21には、内側にフォーク挿入孔23を備えた部分全体に亘って複数の丸孔29が貫通形成されている。また、各デッキボード21の外面21Gには、複数(例えば、8つ)の矩形溝26が形成されている。これら矩形溝26は、フォーク挿入方向と直交した方向に延びて互いに平行になっており、所定の間隔をあけてデッキボード21の外面21G全体に分散配置されている。
さて、各デッキボード21には、四隅に1対ずつ計8つの持ち手孔24が形成されている。各持ち手孔24は矩形状をなし、その矩形の長辺が矩形溝26の長手方向に向けられている。そして、対(ペア)になった両持ち手孔24,24は、デッキボード21の端部寄りに配置された矩形溝26を間に挟んで、その矩形溝26に対して線対称に配置されている。より詳細には、4対の持ち手孔24のうち2対の持ち手孔24が、デッキボード21の一の側縁寄りの共通の矩形溝26における両端部に配置され、残りの2対の持ち手孔24が、デッキボード21の他の側縁寄りの共通の矩形溝26における両端部に配置されている。そして、デッキボード21のうち各対の持ち手孔24,24に挟まれた部分が、本発明に係る把持部25になっている。
図3に示すように、パレット20のうち荷物載置面になっている一方のデッキボード21の外面21Gには、上記した矩形溝26の底面26Aに滑止テープ10が溶着されている。そして、滑止テープ10がデッキボード21の外面21Gから突出して、滑止テープ10の上面10Aがデッキボード21の外面21Gより僅かに上方にオフセットしている。なお、他方のデッキボード21には、滑止テープ10は固着されていない。
滑止テープ10は、合成樹脂の射出成形、押出成形、又は、カレンダー成形等によって成形されている。また、滑止テープ10の幅は、7〜14[mm](例えば、10[mm])、厚さは、2〜5[mm]になっている。ここで、滑止テープ10を構成する合成樹脂としては、弾性及び耐摩耗性に富み、かつ、比較的低温で熱接着性を有するものが好ましい。この点において滑止テープ10を構成する好適な材料としては、エチレン系重合体が挙げられ、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(EEA)、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン系アイオノマー、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン系共重合体系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。そして、これら合成樹脂を単独或いは2種類以上組み合わせ、必要に応じて熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤等を添加した合成樹脂により、滑止テープ10を成形することができる。また、特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)で滑止テープ10を成形することが好ましい。なお、溶着に関しては、滑止テープ10及びパレット20の各溶着面に熱風を吹き付けて表面を溶融してから、それらの溶着面同士を接合してローラーで押圧すればよい。
本実施形態の滑止テープ10の構成に関する説明は以上である。次に、滑止テープ10の作用効果について説明する。図4に示すように滑止テープ10に荷物30を載置すると、荷物30の底面が滑止テープ10に摩擦係合する。これにより、パレット20が傾いたとき、或いは、パレット20を輸送中の車両が、加速・減速・旋回等したときに、パレット20上の荷物30を滑り止めすることができる。
さて、空のパレット20は、何れかの把持部25を把持して移動することができる。詳細には、パレット20の四隅に配置された何れかの把持部25を選択し、図5に示すようにその把持部25の両側にある持ち手孔24,24の一方に親指を差し込むと共に他方に残りの指を差し込むようにして把持部25を把持する。そして、パレット20を引き摺りながら、或いは、パレット20を持ち上げて移動すればよい。このとき、把持部25を把持した手が滑止テープ10に押し付けられ、手が滑ることを防止することができる。
このように、本実施形態のパレット20では、荷物30が載置されるデッキボード21のうち把持部25を一部に含む線状の領域に滑止テープ10を固着したので、その滑止テープ10が、デッキボード21に載置された荷物30の滑り止めと、把持部25を把持した手の滑り止めとの両方に兼用され、滑止テープ10の有効利用が図られる。また、把持部25を、滑止テープ10が固着された線状の領域(矩形溝26が形成された領域)に対をなして設けたので、それらのうち任意の把持部25を選んで把持することができる。さらに、滑止テープ10を従来より幅狭の幅7〜14[mm]にしたので、滑止テープ10を熱溶着にてデッキボード21に固着する際の加熱時間が短くなり、デッキボード21、特に把持部25の熱変形を防ぐことができる。また、滑り止め効果を高めるために滑止テープ10の使用長さが増加しても、従来の滑止テープに代えて本実施形態の幅狭の滑止テープ10を使用すれば、コスト増加を抑えることができる。ここで、滑止テープ10の幅を小さくし過ぎると、パレット20への固着作業が困難になるが、本実施形態では滑止テープ10の幅を7[mm]以上にしたので、固着作業を容易に行うことができる。また、従来の滑止テープの幅20[mm]に対して、本実施形態では滑止テープ10の幅を14[mm]以下にしたので、滑止テープの材料費を3割以上、低減させることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態のパレット20は、板構造のデッキボード21を備えていたが、格子構造(メッシュ構造)のデッキボードを備えたものであってもよい。
(2)前記実施形態では、複数の滑止テープ10がパレット20に全て平行に配置されていたが、複数の滑止テープを非平行に配置してもよい。
(3)前記実施形態では、滑止テープ10はパレット20に熱溶着により固着されていたが、例えば、接着剤により固着してもよい。
10 滑止テープ
20 パレット
21 デッキボード
24 持ち手孔
25 把持部
30 荷物
20 パレット
21 デッキボード
24 持ち手孔
25 把持部
30 荷物
Claims (3)
- 合成樹脂製のパレットであって、荷物が載置されるデッキボードに1対の持ち手孔を貫通形成し、それら1対の持ち手孔の間を片手で把持可能な把持部としたパレットにおいて、
前記デッキボードのうち前記1対の持ち手孔の間を通りかつ前記把持部を一部に含む線状の領域に、荷物を滑り止めするための滑止テープを固着したことを特徴とするパレット。 - 前記滑止テープが固着された前記線状の領域に前記把持部を複数設けたことを特徴とする請求項1に記載のパレット。
- 前記滑止テープの幅を7〜14[mm]にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
Priority Applications (1)
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- 2006-08-31 JP JP2006236434A patent/JP2008056303A/ja active Pending
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