以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
図1は、本発明の実施形態に係る振込金額照合システム50の構成を例示する図である。振込金額照合装置としてのサーバ30は、ネットワーク20を介して、端末としての現金自動預払機1及びユーザ端末40(図1に示したパーソナルコンピュータ40A、携帯電話機40B)に接続する。現金自動預払機1は、銀行や日本郵政株式会社等の金融機関や、コンビニエンスストア等の店舗に設置されるATMの機能を有する。ネットワーク20は、好適にはインターネット等の広域ネットワークであるが、これに限定されず、金融機関の専用回線等であってもよい。例えば、サーバ30と現金自動預払機1との間を金融機関の専用回線によって接続し、サーバ30とユーザ端末40との間をインターネット等の広域ネットワークで接続してもよい。好適には、ユーザ端末40は、ブラウザが動作可能なネットワーク端末装置であり、サーバ30はユーザ端末40に対するウェブサーバであり、ユーザ端末40とサーバ30との間の通信は、SSL(Secure Socket Layer)等のセキュリティプロトコルを用いて行われる。
図2は、本発明の実施形態に係る振込金額照合システム50に含まれる装置の機能ブロック図である。図2に示すように、サーバ30は、振込情報制御部31、振込予定記憶部32、振込照合部33、記憶部34、送受信部35、表示部36及び識別情報入力部37を備えている。振込情報制御部31は、端末45に送信するメッセージの生成、振込予定記憶部32への情報の記憶及びこれからの情報の検索、表示部36又は端末45の表示手段(表示部5、表示部44等)に表示する情報の生成等を制御するために用いられる。振込予定記憶部32に記憶される情報については、図3を示して後述する。表示部36は、金融機関担当者等が、イベント幹事等の集金者又はイベント参加者等の振込予定者に替わって、振込金額照合システム50に対する操作を行うために使用することができる。以下の説明においては、イベント幹事等の集金者又はイベント参加者等の振込予定者が、端末45からネットワーク20を介してサーバ30に接続する状況について示す。
現金自動預払機1は、制御部2、記憶部3、操作受付部4、表示部5、カード取扱部6、通帳取扱部7、現金取扱部8及び送受信部9を備える。ユーザ端末40は、制御部41、記憶部42、操作受付部43、表示部44及び送受信部45を備える。すなわち、本発明の実施形態に係る振込金額照合システム50において、ユーザ端末40は、現金自動預払機1のカード取扱部6、通帳取扱部7及び現金取扱部8以外の構成要素を備えている。現金自動預払機1及びユーザ端末40は、サーバ30に対する端末45として動作する。
以下、現金自動預払機1で代表して端末45の動作を説明するが、現金の預け払いを除き、ユーザ端末40もまた端末45として動作することができる。
図3は、本発明の実施形態に係るサーバ30の振込予定記憶部32に記憶される振込予定データベース70のデータ構造を示す図である。サーバ30は、サーバ30と端末45(例えば、現金自動預払機1)とが通信可能に接続される振込金額照合システム50において、端末45から送信される集金予定の登録を、振込予定データベース70のデータ構造を用いて振込予定記憶部32に記憶すると共に、端末45からの送信要求に基づいて、この振込予定データベース70に記憶された情報から振込予定金額を検索することができる。
図3に示すように、本実施形態の振込予定データベース70のデータ構造においては、一つの集金予定識別子について、複数の振込予定者識別子を関連付けることができる。具体的には、本実施形態において、サーバ30は、ある幹事が主催する一つのイベントに複数の参加者が参加して、それぞれの参加者ごとに振込予定金額が割り当てられる状況等を、この振込予定データベース70のデータ構造を用いて振込予定記憶部32に記憶することができる。集金者識別子は、例えば、幹事を識別するために用いることができる。集金者名は、例えば、幹事の氏名を格納するために設けることができる。振込予定者識別子は、それぞれの参加者を識別するための識別子として用いることができ、振込予定者名は、それぞれの参加者の氏名を格納するために設けることができる。振込予定金額は、特定の集金予定識別子と関連付けられている振込予定者が、現金自動預払機1等を用いて振込を行う予定の金額を格納するために用いられる。
図3に例示する振込予定データベース70においては、集金予定識別子が「A001」である情報は3つあり、いずれも集金者識別子は「00256」であり、集金者名は「S」である。これらの3つの情報は、振込予定者識別子が「10432」、「10433」及び「10434」である別個の情報と関連付けられており、それぞれに異なる振込予定者名及び振込予定金額と関連付けられる。具体的には、振込予定者識別子が「10432」である情報は、振込予定者名が「A」であり振込予定金額が「8,000円」である情報と関連付けられる。振込予定者識別子が「10433」である情報は、振込予定者名が「B」であり振込予定金額が「10,000円」である情報と関連付けられる。振込予定者識別子が「10434」である情報は、振込予定者名が「C」であり振込予定金額が「5,000円」である情報と関連付けられる。したがって、集金予定識別子が「A001」である情報は、「A」、「B」及び「C」の3名の振込予定者からそれぞれ「8,000円」、「10,000円」及び「5,000円」の金額が、集金者名「S」に振り込まれるという予定を記憶するために用いられている。
更に、図3に例示する振込予定データベース70において、集金予定識別子が「A002」である情報は、前述の集金予定識別子「A001」と同じ集金者名「S」に対して、振込予定者「A」が「4,000円」の金額を振り込む予定であるという予定を記憶するために用いられている。
また更に、図3に例示する振込予定データベース70において、集金予定識別子が「A003」である情報は、集金者識別子が「00734」であり集金者名が「T」である集金者に対して、振込予定者「A」及び振込予定者「D」のそれぞれが「3,500円」及び「6,000円」の金額を振り込む予定であるという予定を記憶するために用いられている。振込予定者「A」は、集金予定識別子が「A001」及び「A002」である情報にも含まれているので、図3の振込予定データベース70において振込予定者識別子「10432」に関連付けられる情報を検索すると、集金予定識別子が「A001」、「A002」及び「A003」が検索され、これらの集金予定識別子に関連付けられている集金者名を知ることもできる。
したがって、図3に例示する振込予定データベース70において、一方では、一つの集金予定識別子を用いて情報を検索すると、複数の振込予定者識別子を検索することができ、それぞれの振込予定者識別子に関連付けられている振込予定者名及び振込予定金額を知ることができる。他方では、一つの振込予定者識別子を用いて情報を検索すると、複数の集金予定識別子を検索することができ、それぞれの集金予定識別子に関連付けられている集金者名を知ることもできる。
このようにして、本実施形態の振込予定データベース70のデータ構造は、一つの集金予定識別子に複数の振込予定者識別子を関連付け、複数の振込予定者名及び振込予定金額を記憶することができる。したがって、振込予定データベース70において、集金予定識別子を検索キーとして、複数の振込予定者名及び振込予定金額を検索することができる。更に、本実施形態の振込予定データベース70のデータ構造は、このように記憶された情報について、振込予定者識別子を検索キーとして、複数の集金予定識別子、集金者名及び振込予定金額を検索することもできる。したがって、振込予定データベース70を用いることにより、特定の振込予定者が複数の振込予定を有していることを、知ることができる。
図3に示した振込予定データベース70に格納される情報は、上述に限定されず、適宜追加することができる。例えば、一つの集金予定識別子に対してコメント情報を関連付けて記憶し、集金予定者や振込予定者が振込予定データベース70を使用するときに表示し、「平成22年4月1日のお花見食事会」等の当事者間において分かりやすい名称を用いて、振込予定データベース70を使用してもよい。また、例えば、一つの集金予定識別子に対して集金用の銀行口座の情報を関連付けて記憶してもよい。
また、図3に示した振込予定データベース70は、集金者識別子に関連付けられる集金者名を編集することにより、例えば、幹事を代行者に変更する等の、振込予定の引継の情報を記憶するために用いることも可能である。このような引継が行われた場合に、編集のあった集金者名との関連付けを有する振込予定者に対して、サーバ30は、表示部5を用いる画面表示等によって、集金者名の変更があったことを報知してもよい。
図4から図8は、本発明の実施形態に係る端末45の操作画面を示す説明図である。図4、図6及び図8は、イベント幹事等の集金者による操作画面の操作を例示しており、図5及び図7は、イベント参加者等の振込予定者による操作画面の操作を例示している。現金自動預払機1の利用者が集金者であるか、あるいは振込予定者であるかは、カード又は通帳を現金自動預払機1に受け付けて認証する時点で、振込予定データベース70に格納されている情報から集金者識別子を有する利用者であるか、振込予定者識別子を有する利用者であるかに基づいて自動的に認証してもよく、図4から図8に示す操作メニューに「集金予定登録」と「集金振込」との両者を表示しておき、「集金予定登録」が指定された場合には集金者として認証し、「集金振込」が指定された場合には振込予定者として認証してもよく、適宜設計できる。以下、現金自動預払機1で代表して端末45の動作を説明する。
図4から図8に例示する操作画面は、現金自動預払機1においては、表示部5による表示の上に設けられる、タッチパネル等を用いた操作受付部4により構成され、表示部5に表示される画面上のボタン等に顧客が触れることにより、現金自動預払機1に対する顧客の操作が入力として受け付けられる。パーソナルコンピュータ40A又は携帯電話機40Bにおいては、操作受付部4は、それぞれが備えるキーボード又はキーパッド等の入力装置、及びマウス等のポインティングデバイスにより構成され、表示部5は、ディスプレイ装置又はディスプレイパネル等により構成される。
図4は、具体的には、イベント幹事等の集金者による操作画面の操作を例示している。図4(a)に示す操作画面は、現金自動預払機1の表示部5の所定領域内に、「払い出し」、「入金」、「振込」、「集金予定登録」及び「残高確認」を表す画面上のボタン5A〜5Eを含む。
現金自動預払機1は、通常のATMと同様に通帳又はカードを受け付け、サーバ30と通信して顧客を認証する。顧客により、画面上のボタン5D「集金予定登録」が選択されると、表示部5は、図4(b)のようになる。
図4(b)において、表示部5には、「集金予定登録」というメッセージを表示する領域5F、「振込予定の入力(振込予定者)(振込予定金額)」というメッセージを含む画面上のボタン5G、振込予定を保存して集金予定登録を終了するための「保存して終了」という表示を含む画面上のボタン5W、及び以前の操作に戻るための「戻る」という表示を含む画面上のボタン5Zが表示される。イベント幹事等の集金者が画面上のボタン5Gを指定することにより、イベント参加者等の振込予定者と当該振込予定者に対する振込予定金額とを関連付ける操作を行うことができる。関連付けられた情報は、イベント幹事等の集金者が画面上のボタン5Wを指定することにより、サーバ30に送信され、図3に示した振込予定データベース70のデータ構造を用いて振込予定記憶部32に格納される。当該集金者の情報は、振込予定データベース70における集金者名及び集金者識別子と関連付けられる。
図4(c)は、前述の画面上のボタン5Wが指定され、振込予定者ごとの振込予定金額が振込予定記憶部32に格納された状況を示している。表示部5は、図3に示した振込予定データベース70における振込予定識別子を含む「振込予定登録A001」というメッセージを表示する領域5H、及び振込予定者と振込予定金額とを関連付けて表示する領域5Mを含む。具体的には、図4(c)に示す例において、振込予定者である「Aさん」、「Bさん」及び「Cさん」のそれぞれに対して、「8,000円」、「10,000円」及び「8,000円」の振込予定金額が関連付けられたことが表示される。これらの情報は、図3に示した振込予定データベース70のデータ構造において、集金者名「S」及び集金者識別子「00256」とも関連付けられている。
このようにして、一つの振込予定識別子を、複数の振込予定者及び振込予定金額に関連付けることができる。この例においては、領域5Hに振込予定者識別子を含むメッセージを表示しているが、これに限定されず、領域5Hには、振込予定データベース70において振込予定者識別子との関連付けを有するコメント情報等を表示してもよい。例えば、「お花見食事会の振込予定登録」等の表示を、領域5Hに表示してもよい。
図5は、具体的には、イベント参加者等の振込予定者による操作画面の操作を例示している。図5(a)に示す操作画面は、現金自動預払機1の表示部5の所定領域内に、「集金振込」を表す画面上のボタン5Jを含む。図4(a)と共通する箇所は省略する。顧客により、画面上のボタン5J「集金振込」が選択されると、表示部5は、図5(b)のようになる。
図5(b)において、表示部5には、「集金振込」というメッセージを表示する領域5K、「集金振込A001」という表示を含む画面上のボタン5L、「まとめて振込」という表示を含む画面上のボタン5M、「戻る」という表示を含む画面上のボタン5Zが表示される。画面上のボタン5Lとしては、適宜、「集金振込A002」等の他の集金予定識別子を含む複数のボタンも表示される。集金振込のための画面上のボタンは、サーバ30が振込予定データベース70に格納されている情報から、現金自動預払機1の利用者を振込予定者として検索した集金予定識別子に基づいて表示される。例えば、現金自動預払機1の利用者が、振込予定者識別子「10432」に関連付けられる利用者である場合に、サーバ30は、図3に示した振込予定データベース70に格納されている情報から、集金予定識別子「A001」、「A002」及び「A003」を検索し、これらの集金予定識別子に基づいて、集金振込のための画面上のボタンが表示部5に表示される。イベント参加者等の振込予定者が画面上のボタン5Lを選択すると、表示部5は、図5(c)のようになる。
図5(c)は、前述の画面上のボタン5Lが選択され、集金予定識別子「A001」に関連付けられている振込予定が処理される状況を表している。この例では、メッセージを表示する領域5Kには「集金振込A001」が表示され、特定の集金予定識別子に関連付けられる振込が行われることが示される。更に、表示部5は、「AAA銀行・BBB支店宛に8,000円の振込」というメッセージを含む画面上のボタン5Nを含む。このメッセージは、図3に示した振込予定データベース70において、振込予定者に対して当該集金予定識別子が関連付けられている振込予定金額を含み、適宜、集金者識別子に関連付けられたコメント情報又は集金者識別子に関連付けられた集金用銀行口座等の情報を含む。振込予定者が画面上のボタン5Nを選択することにより、サーバ30は、振込照合部33を用いて、振込金額(ボタン5Nにより指示された情報)と、振込予定金額(振込予定データベース70に記憶された情報)とを照合する。照合の結果は、振込情報制御部31を用いて、例えば「照合できました」等のメッセージ(図示せず)を表示部5に表示することにより、振込予定者に報知することができる。更に、銀行口座間の送金処理を行う銀行サーバ(図示せず)等により、所定の送金処理が行われる。送金処理の結果は、振込情報制御部31を用いて、例えば「送金は本日中に処理されます」等のメッセージ(図示せず)を表示部5に表示することにより、振込予定者に報知することができる。
上述のサーバ30による照合は、例えば、振込予定データベース70に記憶された、振込予定者識別子「10432」に関連付けられた振込予定金額と、集金予定識別子「A001」に関連付けられた振込予定金額との間で行うことができる。本発明に係る自動取引装置としてのサーバ30の振込照合部33による照合は、これに限定せず、振込予定者名「A」に関連付けられた振込予定金額と、集金者識別子「00256」に関連付けられた振込予定金額との間での照合を行うこともできる。振込予定データベース70のデータ構造においては、振込予定者識別子は振込予定者名と一対一に対応しており、集金者識別子と集金者名とは一対一に対応しているため、図5(c)を示して説明した振込照合部33による照合は、振込予定者識別子を振込予定者名に置き換え、集金者識別子を集金者名に置き換えて行うこともできる。したがって、本発明に係る振込金額照合装置としてのサーバ30は、異なる金融機関の間で送受信される送金処理等においても、振込予定者氏名及び集金者名を用いて、入金処理による振込金額と振込予定記憶部に記憶された振込予定金額とを照合することができ、照合の結果を振込予定者に報知することができる。
図6は、具体的には、イベント幹事等の集金者による操作画面の操作を例示しており、前述の図5に示した振込予定者からの振込が行われた後の状況を表している。一例として、図5に示したように、「集金振込A001」に対する振込が行われた場合について説明する。
図6(a)は、図4(a)に示した操作画面と同様であるが、表示部5は、集金者に対して振込があったことを示すメッセージの表示領域5Pを含むことも可能である。集金者が画面上のボタン5D「集金予定登録」を選択することにより、表示部5は、図6(b)のようになる。
図6(b)に示すように、表示部5は、図4(c)に示した状況と同様であるが、「集金振込A001」に対する振込が行われたことにより、メッセージを表示する領域5Hには「登録済み集金予定A001」が表示され、図4(c)に示した振込予定者「Aさん」については入金がすでに行われたことが、「入金済」というメッセージの表示領域5Rによって示されている。この「入金済」というメッセージは、「集金振込A001」における「Aさん」の振込金額に対する、サーバ30の振込照合部33による照合の結果として表示される。
図6(c)は、集金者が他の集金予定識別子についての集金予定登録を表示部5に表示している状況を示している。この例では、「登録済み集金予定A002」において、振込予定者である「Aさん」は、まだ振込を行っておらず、振込予定金額「4,000円」が未納であることが示されている。
このように、図4から図6に示したように、本発明に係る振込金額照合装置としてのサーバ30は、振込予定データベース70のデータ構造を用いて振込予定者からの振込予定金額を振込予定記憶部32に記憶し、振込照合部33を用いて振込金額と振込予定金額とを照合し、振込情報制御部31を用いて照合の結果を振込予定者に報知することができる。
図7は、具体的には、イベント参加者等の振込予定者による操作画面の操作を例示している。図7に示す操作画面は、図5(b)に示す操作画面において、振込予定者が画面上のボタン5M「まとめて振込」を選択した場合に表示される。この画面上のボタン5M「まとめて振込」が選択されることにより、サーバ30は、振込予定データベース70において特定の振込予定者識別子に関連付けられる複数の集金者識別子を検索し、それぞれの集金者識別子に関連付けられる集金者名を検索することができる。これらの検索結果は、現金自動預払機1に送信され、現金自動預払機1は複数の集金者識別子及び集金者名を受信することができる。
図7(a)に例示する操作画面においては、メッセージを表示する領域5Kには「まとめて集金振込」が表示され、「幹事Sさん」という集金者名の表示を含む画面上のボタン5S、「幹事Tさん」という集金者名の表示を含む画面上のボタン5T、及び「戻る」という表示を含む画面上のボタン5Zが表示される。顧客により、画面上のボタン5S「幹事Sさん」が選択されると、表示部5は、図7(b)のようになる。
図7(b)において、表示部5には、「幹事Sさん宛」というメッセージを表示する領域5U、及び金額を入力するための領域5Vが表示される。「幹事Sさん宛」というメッセージは、特定の集金者識別子に関連付けられる振込をまとめて行うことを、振込予定者に示している。領域5Vに振込金額が入力されると、サーバ30に、この入力された金額が送信される。すなわち、サーバ30には、特定の集金者識別子に対して入力された振込金額の情報が送信される。図7(b)の例においては、振込予定者は、領域5Vに「70,000円」という金額を入力したことを示している。サーバ30は、振込照合部33を用いて、振込金額(領域5Vに入力された情報)と、振込予定金額(振込予定データベース70に記憶された、特定の集金者識別子に関連付けられる振込予定金額を合計した情報)とを照合し、照合の結果を現金自動預払機1に送信する。現金自動預払機1が、この照合の結果をサーバ30から受信すると、表示部5は、図7(c)のようになる。
図7(c)に示す例においては、表示部5は、「幹事Sさんからの集金予定は3件、計15,500円です。続行しますか?」というメッセージを表示する領域5Y、及び「15,500円振込」という表示を含む画面上のボタン5Xを含む。領域5Yに表示されるメッセージは、サーバ30の振込情報制御部31による振込予定金額の合計金額を算出によって、生成される。例えば、サーバ30は、図3に示した振込予定データベース70において、振込予定者が振込予定者識別子「10432」に関連付けられており、この振込予定者識別子との関連付けを有する集金予定識別子「A001」、「A002」及び「A003」の振込予定額がそれぞれ「8,000円」、「4,000円」及び「3,500円」であることから、振込情報制御部31を用いてこれらの合計金額を算出できる。領域5Yに表示されるメッセージにより、前述の図5(b)に示した振込予定者により入力された金額「70,000円」と、振込予定金額の合計とが一致していないという照合の結果が、振込予定者に報知される。サーバ30は、この照合の結果に基づいて、画面上のボタン5Xに表示する振込予定金額の合計の情報を振込情報制御部31を用いて生成できる。振込予定者が画面上のボタン5Xを選択すると、サーバ30に送金指示が送信される。振込予定者により入力された金額と、振込予定金額の合計とが一致していた場合の照合の結果は、振込情報制御部31を用いて、例えば「照合できました」等のメッセージを領域Yに表示することにより、振込予定者に報知することができる。次いで、銀行口座間の送金処理を行う銀行サーバ(図示せず)等により、所定の送金処理が行われる。送金処理の結果は、振込情報制御部31を用いて、例えば「送金は本日中に処理されます」等のメッセージ(図示せず)を表示部5に表示することにより、振込予定者に報知することができる。
このようにして、振込金額照合装置としてのサーバ30は、振込予定者が入力した振込金額と、特定の集金者識別子に関連付けられる複数の振込金額の合計とを照合し、照合の結果を振込予定者に報知することができる。
図8は、具体的には、イベント幹事等の集金者による操作画面の操作を例示しており、前述の図7に示した振込予定者からの「まとめて振込」(図5(b)の画面上のボタン5M)が行われた後の状況を表している。図8(a)において、表示部5に表示される情報は、図6(a)と共通である。
図8(b)は、図8(a)において集金者が画面上のボタン5D「集金予定登録」を指定した後の状況を表している。表示部5のメッセージを表示する領域5Hには「登録済み集金予定(合算)」が表示される。領域5Hのメッセージは、振込予定者に「まとめて振込」が行われた集金予定がある場合に、サーバ30の振込情報制御部31により自動的に設定されてもよく、画面上のボタン5D「集金予定登録」の指定後にサブメニューを設け、サブメニューの中から選択されてもよい。表示部5は、更に、図4(c)及び図6(b)と同様に、振込予定者ごとの振込予定金額、及びすでに入金が行われた振込予定者について「入金済」というメッセージの表示領域5Rを含む。図8(b)に示す表示部5は、特定の集金者識別子に関連付けられる複数の振込金額の合計に対する入金を表しているので、図8(b)におけるメッセージの表示領域5Rは、「Aさん」からの複数の振込が完了したことを表している。「Aさん」からの複数の振込の一部が未納である場合には、サーバ30は、振込情報制御部31を用いて、未納金額を領域5Qに表示してもよい。また、前述の図6(c)に示したように、表示部5には、特定の集金予定識別子についての集金予定登録を表示することもできる。したがって、表示部5は、特定の集金予定における未納者及び集金予定金額を表示することも可能である。
このように、図7及び図8に示したように、本発明に係る振込金額照合装置としてのサーバ30は、振込予定データベース70のデータ構造を用い振込予定者からの振込予定金額を振込予定記憶部32に記憶し、振込照合部33を用いて振込予定者による振込金額と複数の集金予定識別子に関連付けられている振込予定金額の合計額とを照合し、振込情報制御部31を用いて照合の結果を振込予定者に報知することができる。
図9は、本発明の実施形態に係る集金予定登録の処理を表すフロー図である。この処理は、振込金額照合装置としてのサーバ30において行われる。
ステップS101で、サーバ30は、集金予定登録を開始する。具体的には、端末45において集金予定登録を表す画面上のボタン5D(図4(a)又は図6(a))が選択されたことが端末45からサーバ30に送信され、サーバ30は、集金予定登録を開始する。
ステップS102で、サーバ30は、集金予定の入力を受け付ける。すなわち、サーバ30は、振込予定者及び振込予定金額の入力を受け付ける。
ステップS103で、サーバ30は、集金予定を登録する。具体的には、ステップS102で受け付けた振込予定者及び振込予定金額の入力に基づき、振込予定データベース70のデータ構造を用いてこれらを関連付け、更に集金予定識別子を関連付けて、振込予定記憶部32に記憶する。
ステップS104で、サーバ30は、集金予定登録を終了するかどうかを判定する。端末45から終了の指示を受信した場合は終了し、集金予定の入力を更に受信した場合は、ステップS102に進み、集金予定の入力を受け付ける。
図10は、本発明の実施形態に係る集金振込の処理を表すフロー図である。この処理は、ネットワーク20に接続される端末45としての現金自動預払機1等と、振込金額照合装置としてのサーバ30との間で行われる。以下、現金自動預払機1を端末45として例示するが、ユーザ端末40が用いられる場合についても同様に処理を行うことができる。
ステップS110で、現金自動預払機1は、集金振込を開始する。具体的には、端末45において利用者の認証が行われた後に、集金振込を表す画面上のボタン5J(図5(a))が選択されたことが端末45からサーバ30に送信される。サーバ30は、利用者の認証により、振込予定データベース70の振込予定者識別子を現金自動預払機1の利用者に関連付け、以後の処理を行う。
ステップS111で、サーバ30は、現金自動預払機1からの集金振込を受信することに応じて、振込予定を検索する。すなわち、振込予定データベース70のデータ構造を用いて、振込予定記憶部32に記憶されている情報から、振込予定者識別子との関連付けを有する集金予定識別子及び振込予定金額を検索する。
ステップS112で、サーバ30は、検索結果を送信する。すなわち、前段のステップS111で検索された、振込予定者識別子との関連付けを有する集金予定識別子及び振込予定金額が、現金自動預払機1に送信される。このときに、振込予定者識別子に以前の不足金額が関連付けられている場合には、以前の不足金額も送信することができる。
ステップS113で、現金自動預払機1は、サーバ30から検索結果を受信することに応じて、受信した集金予定識別子ごとに集金振込を受け付ける。例えば、現金自動預払機1の表示部5には、図5(b)に示したように、「集金振込A001」及び「集金振込A002」等の、集金予定識別子ごとに画面上のボタン5L等が表示される。
ステップS114で、現金自動預払機1は、振込金額の入力を受け付ける。これにより、サーバ30に、特定の集金予定識別子に対して入力された振込金額の情報が送信される。
ステップS115で、サーバ30は、現金自動預払機1から振込金額の情報を受信することに応じて、受信した振込金額と、ステップS111で検索した振込予定金額とを、振込照合部33を用いて照合する。
ステップS116で、サーバ30は、照合した振込金額が、振込予定金額と相違するかどうかを判定する。判定の結果が真である(相違する)場合は、サーバ30は、現金自動預払機1に不足金額又は振込予定金額の情報を送信する。判定の結果が偽である(相違しない)場合は、ステップS118に進む。
ステップS117で、現金自動預払機1は、振込予定金額の集金振込を実行する。このときに、ステップS116おいてサーバ30による判定が真である場合には、現金自動預払機1はサーバ30から不足金額又は振込予定金額の情報を受信している。現金自動預払機1は、サーバ30からこれらの情報を受信した場合には、受信した金額を用いて振込予定金額を変更する。したがって、ステップS114において入力された振込金額を用いて、あるいはサーバ30から受信した不足金額又は振込予定金額を用いて、集金振込が実行される。
ステップS118で、サーバ30は、入金処理を実行する。具体的には、サーバ30は、特定の集金予定識別子に関連付けられる振込予定金額に対して、所定の入金処理を行う。更に、サーバ30は、入金処理の結果を現金自動預払機1に送信する。
ステップS119で、現金自動預払機1は、サーバ30から入金処理の結果を受信する。例えば、現金自動預払機1は、表示部5に、振込金額が照合されて入金処理が完了したことのメッセージを表示し、現金自動預払機1の利用者に対して、照合の結果を含む入金処理の完了を報知することができる。
このようにして、現金自動預払機1及び振込金額照合装置としてのサーバ30を用いて、振込予定記憶部32に記憶された特定の集金予定識別子に関連付けられている振込予定金額と、入金処理による振込金額とを照合し、入金処理を行うことができる。
図11は、本発明の実施形態に係る複数の集金振込をまとめて行う処理を表すフロー図である。図11と共通する箇所は説明を省略する。
ステップS124で、現金自動預払機1は、複数の集金振込をまとめて行う指示をサーバ30に送信する。この指示は、図5(b)に示した画面上のボタン5M「まとめて振込」を利用者が指定することにより行うことができる。
ステップS125で、サーバ30は、現金自動預払機1から複数の集金振込をまとめて行う指示を受信することに応じて、集金者識別子ごとに振込予定金額を合算する。更に、サーバ30は、合算の結果を現金自動預払機1に送信する。
ステップS126で、現金自動預払機1は、振込金額の合計額の入力を受け付ける。例えば、現金自動預払機1の表示部5には、図7(b)に示したように、「幹事Sさん宛」の集金者識別子に関連付けられる情報が表示され、特定の幹事等に対してまとめて振込を行うことが表示される。振込金額の合計額の入力により、サーバ30に、特定の集金者識別子に対して入力された振込金額の合計の情報が送信される。
ステップS127で、サーバ30は、複数の集金振込をまとめた合計の振込金額と、ステップS123で検索した振込予定金額(複数の振込予定金額の合計)とを、振込照合部33を用いて照合する。
ステップS128で、サーバ30は、照合した合計の振込金額が、合計の振込予定金額と相違するかどうかを判定する。判定の結果が真である(相違する)場合は、サーバ30は、現金自動預払機1に不足金額又は振込予定金額の情報を送信する。判定の結果が偽である(相違しない)場合は、ステップS130に進む。
ステップS129で、現金自動預払機1は、振込予定金額の合計額の集金振込を実行する。このときに、ステップS128おいてサーバ30による判定が真である場合には、現金自動預払機1はサーバ30から不足金額又は振込予定金額の情報を受信している。現金自動預払機1は、サーバ30からこれらの情報を受信した場合には、受信した金額を用いて振込予定金額の合計を変更する。したがって、ステップS126において入力された合計の振込金額を用いて、あるいはサーバ30から受信した不足金額又は振込予定金額の合計を用いて、集金振込が実行される。
ステップS130で、サーバ30は、振込予定金額の合計額について入金処理を実行する。
このようにして、現金自動預払機1及び振込金額照合装置としてのサーバ30を用いて、振込予定記憶部32に記憶された複数の集金予定識別子に関連付けられている振込予定金額と、入金処理による振込金額とを照合し、入金処理を行うことができる。
図12は、本発明の実施形態に係る現金自動預払機1、サーバ30及びユーザ端末40A、40Bのハードウェア構成の一例を示す図である。本発明の実施形態に係る振込金額照合装置としてのサーバ30、端末としての現金自動預払機1、ユーザ端末40A及び40Bのハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30、現金自動預払機1、ユーザ端末40A及び40Bは、ホスト・コントローラ1001により相互に接続されるCPU1002、RAM1003、グラフィック・コントローラ1004、及び表示装置1005を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1006によりホスト・コントローラ1001に接続される通信インターフェイス1007、ハードディスクドライブ1008、及びCD−ROMドライブ1009を有する入出力部と、入出力コントローラ1006に接続されるROM1010、フレキシブルディスク・ドライブ1011、及び入出力チップ1012を有するレガシー入出力部とを備える。
ホスト・コントローラ1001は、RAM1003と、高い転送レートでRAM1003をアクセスするCPU1002、及びグラフィック・コントローラ1004とを接続する。CPU1002は、ROM1010、及びRAM1003に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ1004は、CPU1002等がRAM1003内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1005上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1004は、CPU1002等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ1006は、ホスト・コントローラ1001と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1008、通信インターフェイス1007、CD−ROMドライブ1009を接続する。ハードディスクドライブ1008は、CPU1002が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス1007は、外部に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1009は、CD−ROM1020からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1003を介してハードディスクドライブ1008、及び通信インターフェイス1007に提供する。
また、入出力コントローラ1006には、ROM1010と、フレキシブルディスク・ドライブ1011、及び入出力チップ1012の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1010は、サーバ30、現金自動預払機1、ユーザ端末40A及び40Bが起動時に実行するブート・プログラムや、これらのハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1011は、フレキシブルディスク1021からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1003を介してハードディスクドライブ1008、及び通信インターフェイス1007に提供する。入出力チップ1012は、フレキシブルディスク・ドライブ1011や、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
CPU1002が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1021、CD−ROM1020、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1008にインストールされ、RAM1003に読み出されてCPU1002により実行される。
CPU1002により実行されるプログラムは、コンピュータを、図1〜図11に関連して説明したサーバ30、現金自動預払機1、ユーザ端末40A及び40Bとして機能させる。また、CPU1002により実行される振込金額照合プログラムは、振込予定者及び前記振込予定者からの振込予定金額を記憶する振込予定記憶ステップと、入金処理に応じて、前記入金処理による振込金額と前記振込予定記憶ステップにおいて記憶された前記振込予定金額とを照合する振込照合ステップと、前記振込照合ステップにおける照合の結果を前記振込予定者に報知する振込情報制御ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。