JP2012037814A - 感放射線性樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、容易に微細かつ精巧なパターンを形成でき、保存安定性と短時間での低温焼成とを両立し、かつ十分な放射線感度及び現像性を有する感放射線性樹脂組成物、並びに耐熱性、圧縮特性等の要求特性に優れる硬化膜及び硬化膜の形成方法を提供することである。
【解決手段】[A](A1)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される1種以上と、(A2)エポキシ基含有不飽和化合物とを含む単量体を共重合してなるアルカリ可溶性樹脂、[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、[C]感放射線性重合開始剤、並びに[D]下記式(1)で表される化合物を含有する感放射線性樹脂組成物。
Figure 2012037814

【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、その組成物から形成される硬化膜及び硬化膜の形成方法に関する。
層間絶縁膜、保護膜又はスペーサーとしての硬化膜を形成する材料としては、感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている。この感放射線性樹脂組成物としては、例えば不飽和カルボン酸、エポキシ基含有不飽和化合物等からなる共重合体を含有する組成物が知られている(特開2001−354822号公報参照)。しかし、これらの組成物を用いる場合、硬化膜として実際に商業上要求されるレベルまで表面硬度を高めるためには、200℃以上の高温での焼成工程が必要とされる。
一方、近年コントラスト向上のために溶解性に優れた染料を使用する着色レジストの普及が進んでいる。一般的に、染料は顔料と比較して耐熱性が悪く200℃以上の焼成工程では退色等の現象が見られる。従って、通常200℃以上が必要とされる上記焼成工程での低温化が望まれている。
上記事情に鑑み、低温焼成であっても硬化可能なポリイミド前駆体を含むフレキシブルディスプレイのゲート絶縁膜用塗布液の技術が開発されている(特開2009−4394号公報参照)。しかし、この塗布液は、露光現像によるパターン形成能を有しないため微細なパターン形成が不可能である。さらに、硬化反応の進行が不充分であることに起因してか、得られる硬化膜は耐熱性、耐溶媒性、強度、電圧保持率等において満足のいくレベルではない。
そこでエポキシ系材料の硬化剤として用いられているアミン化合物の添加により低温であっても架橋反応を進行させる方策も考えられる。しかし、一般的なアミン化合物の添加では、組成物中に存在するエポキシ基との経時的な反応を招来し、保存安定性が低下することがある。
このような状況から、保存安定性と低温焼成とを両立し、かつ十分な解像度及び放射線感度を有する感放射線性樹脂組成物、並びに優れた要求特性を有する硬化膜の開発が望まれている。
特開2001−354822号公報 特開2009−4394号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は保存安定性と短時間での低温焼成とを両立し、かつ十分な放射線感度及び現像性を有する感放射線性樹脂組成物、並びに耐熱性、圧縮特性等の要求特性に優れる硬化膜及び硬化膜の形成方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
[A](A1)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される1種以上と、(A2)エポキシ基含有不飽和化合物とを含む単量体を共重合してなるアルカリ可溶性樹脂(以下、「[A]アルカリ可溶性樹脂」と称することがある)、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、「[B]重合性化合物」と称することがある)、
[C]感放射線性重合開始剤、並びに
[D]下記式(1)で表される化合物(以下、「[D]化合物」と称することがある)
を含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2012037814
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基である。但し、R及びRは互いに結合して、それらが結合する窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。上記アルキル基、アリール基及びアラルキル基は水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい。)
当該組成物は、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物、[C]感放射線性重合開始剤及び[D]化合物を含有する。感光性材料である当該組成物は、感放射線性を利用した露光・現像によって容易に微細かつ精巧なパターンを形成でき、かつ充分な解像度及び放射線感度を有する。また、当該組成物は、[C]感放射線性重合開始剤を含有することで、低露光量の場合であっても耐熱性等の硬化膜の要求特性をより向上できる。さらに、[D]化合物を含有することで、効果的な硬化触媒として作用し、当該組成物の保存安定性と低温焼成における硬化膜の硬化促進とを高いレベルで両立できる。
[D]化合物は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、ジブチルベンジルアミン、トリナフチルアミン、N−エチル−N−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−フェニル−N−メチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン、N,N−ジメチル−4−メトキシアニリン、N−フェニルピペリジン、N−(4−メトキシフェニル)ピペリジン、N−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、6−ベンジルオキシ−N−フェニル−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。[D]化合物を特定の化合物からなる群より選択される1種以上とすることで、当該組成物の保存安定性と低温焼成における硬化膜の硬化促進とをより高いレベルで両立できる。
当該組成物は、層間絶縁膜、保護膜又はスペーサーとしての硬化膜を形成するのに好適である。
本発明の硬化膜の形成方法は、
(1)当該組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を焼成する工程
を有する。
本発明の形成方法によると、耐熱性、耐溶媒性、電圧保持率等の要求特性をバランス良く満足するスペーサー等を形成できる。
上記工程(4)の焼成温度としては200℃以下が好ましい。当該組成物は、上述のように硬化促進剤としての[D]化合物を含有するため、かかる低い低温焼成を実現でき低温焼成が望まれるフレキシブルディスプレイ等に用いられる硬化膜の形成材料として好適である。
当該組成物から形成される硬化膜も本発明に好適に含まれる。
なお、本明細書にいう「焼成」とは、スペーサー等に要求される表面硬度が得られるまで加熱することを意味する。また、「感放射線性樹脂組成物」の「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念である。
以上説明したように、本発明の感放射線性樹脂組成物は、容易に微細かつ精巧なパターンを形成でき、保存安定性と短時間での低温焼成とを両立し、かつ十分な放射線感度及び現像性を有し、耐熱性、圧縮特性等の要求特性に優れる硬化膜及び硬化膜の形成方法を得ることができる。従って、当該脂組成物は、低温焼成が望まれるフレキシブルディスプレイ等に用いられるスペーサー等の形成材料として好適である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物、[C]感放射線性重合開始剤及び[D]化合物を含有し、さらに任意成分を含有してもよい。以下、各成分を詳述する。
<[A]アルカリ可溶性樹脂>
[A]アルカリ可溶性樹脂は、溶媒中で重合開始剤の存在下、(A1)化合物及び(A2)化合物を含む単量体をラジカル共重合することによって製造できる。また、[A]アルカリ可溶性樹脂の製造においては、(A1)化合物及び(A2)化合物と共に、(A3)化合物として上記(A1)及び(A2)以外の不飽和化合物をラジカル共重合することが好ましい。
(A1)化合物としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル、両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する不飽和多環式化合物及びその無水物等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等;
不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等;
不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等;
多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステルとしては、例えばコハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等;
両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートとしては、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等;
カルボキシル基を有する不飽和多環式化合物及びその無水物としては、例えば5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等が挙げられる。
これらのうち、モノカルボン酸、ジカルボン酸の無水物が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が、共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性及び入手の容易性からより好ましい。これらの(A1)化合物は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
[A]アルカリ可溶性樹脂は、(A1)化合物から誘導される構造単位を、(A1)化合物並びに(A2)(及び必要に応じて任意の(A3)化合物)から誘導される構造単位の合計に基づいて、好ましくは5質量%〜35質量%、特に好ましくは10質量%〜30質量%含有する。(A1)化合物の構造単位の割合を5質量%〜35質量%とすることによって、[A]アルカリ可溶性樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を最適化すると共に、放射線性感度及び現像性に優れる感放射線性樹脂組成物が得られる。
(A2)化合物はラジカル重合性を有するエポキシ基含有不飽和化合物である。エポキシ基としては、オキシラニル基(1,2−エポキシ構造)、オキセタニル基(1,3−エポキシ構造)が挙げられる。
オキシラニル基を有する不飽和化合物としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロへキシルメタクリレート等が挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートが、共重合反応性及び樹脂組成物の硬化性の向上の観点から好ましい。
オキセタニル基を有する不飽和化合物としては、例えば
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン等のアクリル酸エステル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。これらの(A2)化合物は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
[A]アルカリ可溶性樹脂は、(A2)化合物から誘導される構造単位を、(A1)化合物並びに(A2)(及び任意の(A3)化合物)から誘導される構造単位の合計に基づいて、好ましくは5質量%〜35質量%、より好ましくは10質量%〜30質量%含有している。[A]アルカリ可溶性樹脂における(A2)化合物から誘導される構造単位の割合を5質量%〜35質量%とすることによって、優れた耐溶媒性を有する硬化物を形成できる。
(A3)化合物は、上記の(A1)化合物及び(A2)化合物以外であって、ラジカル重合性を有する不飽和化合物であれば特に制限されるものではない。(A3)化合物としては、例えばメタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、水酸基を有するメタクリル酸エステル、アクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン、テトラヒドロフラン骨格、フラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピラン骨格、下記式(2)で表される骨格をもつ不飽和化合物、下記式(3)で表されるフェノール性水酸基含有不飽和化合物及びその他の不飽和化合物が挙げられる。
Figure 2012037814
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基である。mは1以上の整数である。)
Figure 2012037814
(式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。R〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基である。Yは単結合、−COO−又は−CONH−である。pは0〜3の整数である。但し、R〜R10の少なくとも1つはヒドロキシル基である。)
メタクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えばシクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート等が挙げられる。
水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、例えばヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルグリコサイド、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えばシクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸アリールエステルとしては、例えばフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル酸アリールエステルとしては、例えばフェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸ジエステルとしては、例えばマレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等が挙げられる。
ビシクロ不飽和化合物としては、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)マレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
不飽和芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
テトラヒドロフラン骨格を含有する不飽和化合物としては、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オン等が挙げられる。
フラン骨格を含有する不飽和化合物としては、例えば2−メチル−5−(3−フリル)−1−ペンテン−3−オン、フルフリル(メタ)アクリレート、1−フラン−2−ブチル−3−エン−2−オン、1−フラン−2−ブチル−3−メトキシ−3−エン−2−オン、6−(2−フリル)−2−メチル−1−ヘキセン−3−オン、6−フラン−2−イル−ヘキシ−1−エン−3−オン、アクリル酸−2−フラン−2−イル−1−メチル−エチルエステル、6−(2−フリル)−6−メチル−1−ヘプテン−3−オン等が挙げられる。
テトラヒドロピラン骨格を含有する不飽和化合物としては、例えば(テトラヒドロピラン−2−イル)メチルメタクリレート、2,6−ジメチル−8−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−オクト−1−エン−3−オン、2−メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルエステル、1−(テトラヒドロピラン−2−オキシ)−ブチル−3−エン−2−オン等が挙げられる。
ピラン骨格を含有する不飽和化合物としては、例えば4−(1,4−ジオキサ−5−オキソ−6−ヘプテニル)−6−メチル−2−ピラン、4−(1,5−ジオキサ−6−オキソ−7−オクテニル)−6−メチル−2−ピラン等が挙げられる。
上記式(2)で表される骨格を含有する不飽和化合物としては、例えばポリエチレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記式(3)で表されるフェノール性水酸基含有不飽和化合物としては、Yとpの定義により下記式(4)〜(8)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2012037814
(式(4)中、qは1から3の整数である。R〜R10は上記式(3)と同義である。)
Figure 2012037814
(式(5)中、R〜R10は上記式(3)と同義である。)
Figure 2012037814
(式(6)中、rは1から3の整数である。R〜R10は上記式(3)と同義である。)
Figure 2012037814
(式(7)中、R〜R10は上記式(3)と同義である。)
Figure 2012037814
(式(8)中、R〜R10は上記式(3)と同義である。)
その他の不飽和化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
これらの(A3)化合物のうち、メタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、マレイミド化合物、テトラヒドロフラン骨格、フラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピラン骨格、上記式(2)で表される骨格を有する不飽和化合物、上記式(3)で表されるフェノール性水酸基含有不飽和化合物、不飽和芳香族化合物、アクリル酸環状アルキルエステルが好ましい。これらのうちスチレン、t−ブチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オン、4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレンが、共重合反応性及びアルカリ水溶液に対する溶解性の点からより好ましい。これらの(A3)化合物は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
[A]アルカリ可溶性樹脂は、任意成分である(A3)化合物から誘導される構造単位を、(A1)化合物、(A2)化合物及び(A3)化合物から誘導される構造単位の合計に基づいて、好ましくは10質量%〜80質量%、より好ましくは20質量%〜70質量%含有していてもよい。[A]アルカリ可溶性樹脂における(A3)化合物から誘導される構造単位の割合を10質量%〜80質量%とすることによって、現像性及び形成される硬化物の耐溶媒性に優れる感放射線性樹脂組成物が得られる。
[A]アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2×10〜1×10が好ましく、5×10〜5×10がより好ましい。[A]アルカリ可溶性樹脂のMwを2×10〜1×10とすることによって、当該組成物の放射線感度及び現像性を高めることができる。なお、本明細書における重合体のMw及び数平均分子量(Mn)は下記の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:GPC−101(昭和電工社)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[A]アルカリ可溶性樹脂を製造するための重合反応に用いられる溶媒としては、例えばアルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、ケトン類、エステル等が挙げられる。
アルコールとしては、例えばベンジルアルコール等;
グリコールエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとしては、例えばエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等;
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等;
ジエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等;
ジプロピレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えばジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えばプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル等;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとしては、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとしては、例えばプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート等;
ケトンとしては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトン等;
エステルとしては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。
これらの溶媒のうち、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましく、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
[A]アルカリ可溶性樹脂を製造するための重合反応に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用できる。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物及び過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
[A]アルカリ可溶性樹脂を製造するための重合反応においては、分子量を調整するために、分子量調整剤を使用できる。分子量調整剤としては、例えばクロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
<[B]重合性化合物>
当該感放射線性樹脂組成物に含有される[B]重合性化合物としては、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート等のほか、直鎖アルキレン基及び脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有し、かつ3個〜5個の(メタ)アクリロイロキシ基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記[B]重合性化合物の市販品としては、例えば
アロニックスM−400、同M−402、同M−405、同M−450、同M−1310、同M−1600、同M−1960、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同M−8100、同M−8530、同M−8560、同M−9050、アロニックスTO−1450、同TO−1382(以上、東亞合成社);
KAYARAD DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120、同MAX−3510(以上、日本化薬社);
ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業社);
ウレタンアクリレート系化合物として、ニューフロンティア R−1150(第一工業製薬社);
KAYARAD DPHA−40H、UX−5000(以上、日本化薬社);
UN−9000H(根上工業社);
アロニックスM−5300、同M−5600、同M−5700、M−210、同M−220、同M−240、同M−270、同M−6200、同M−305、同M−309、同M−310、同M−315(以上、東亞合成社);
KAYARAD HDDA、KAYARAD HX−220、同HX−620、同R−526、同R−167、同R−604、同R−684、同R−551、同R−712、UX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、UX−8101、UX−0937、MU−2100、MU−4001(以上、日本化薬社);
アートレジンUN−9000PEP、同UN−9200A、同UN−7600、同UN−333、同UN−1003、同UN−1255、同UN−6060PTM、同UN−6060P(以上、根上工業社);
SH−500Bビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業社)等が挙げられる。
[B]重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]重合性化合物の含有割合としては、[A]アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、20質量部〜200質量部が好ましく、40質量部〜160質量部がより好ましい。[B]重合性化合物の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は密着性に優れ低露光量においても十分な硬度を有したスペーサー等が得られる。
<[C]感放射線性重合開始剤>
当該組成物に含有される[C]感放射線性重合開始剤は、放射線に感応して[B]重合性不飽和化合物の重合を開始しうる活性種を生じる成分である。このような[C]感放射線性重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。
O−アシルオキシム化合物としては、例えばエタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。これらのうち、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)又はエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。これらO−アシルオキシム化合物は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
アセトフェノン化合物としては、例えばα−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物が挙げられる。
α−アミノケトン化合物としては、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる
これらのアセトフェノン化合物のうちα−アミノケトン化合物が好ましく、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン又は2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンがより好ましい。
ビイミダゾール化合物としては、例えば2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。これらのうち、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール又は2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールがより好ましい。
[C]感放射線性重合開始剤としては、市販品を使用してもよく、例えば2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル))−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア379)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(イルガキュアOXE02)(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)等が挙げられる。
[C]感放射線性重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。当該感放射線性樹脂組成物における[C]感放射線性重合開始剤の含有割合としては、[A]アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、1質量部〜40質量部が好ましく、5質量部〜30質量部がより好ましい。[C]感放射線性重合開始剤の含有割合を1質量部〜40質量部とすることで、当該組成物は、低露光量の場合でも高い硬度等を有する硬化膜が形成できる。
<[D]化合物>
当該組成物が、アミノ基を有する[D]化合物を含有することで当該組成物の保存安定性と低温焼成における硬化促進とを高いレベルで両立できる。通常の1級アミン化合物や2級アミン化合物をエポキシ化合物と共存させると、組成物溶液の保存中にアミンのエポキシ基への求核攻撃により硬化反応が進行し、製品としての品質を損なうおそれがある。しかし、本発明では[D]化合物を3級アミンとすることで、組成部中ではエポキシ化合物と共存させても保存安定性は良好であり、組成物から塗膜を形成し、加熱した時に硬化触媒として十分に機能する。
[D]化合物は、上記式(1)で表わされる化合物からなる群より選択される少なくとも1種である。上記式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基である。但し、R及びRは互いに結合して、それらが結合する窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。上記アルキル基、アリール基及びアラルキル基は水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい。
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば直鎖状又は分岐状の、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
上記炭素数6〜18のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記炭素数7〜30のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
[D]化合物としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、ジブチルベンジルアミン、トリナフチルアミン、N−エチル−N−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−フェニル−N−メチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン、N,N−ジメチル−4−メトキシアニリン、N−フェニルピペリジン、N−(4−メトキシフェニル)ピペリジン、N−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、6−ベンジルオキシ−N−フェニル−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
これらの[D]化合物のうち、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルベンゼンアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノールが好ましい。[D]成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。当該組成物における[D]化合物の含有割合としては、[A]アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.05質量部〜8質量部がより好ましい。[D]化合物の含有割合を0.01質量部〜10質量部とすることで、当該組成物の保存安定性と硬化膜の硬化促進とをより高いレベルで両立できる。
<任意成分>
当該組成物は、上記の[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物、[C]感放射線性重合開始剤及び[D]化合物に加え、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて密着助剤、界面活性剤、保存安定剤及び耐熱性向上剤等の任意成分を含有できる。これらの各任意成分は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。以下、順に詳述する。
[密着助剤]
密着助剤は、得られるスペーサー等と基板との接着性をさらに向上させるために使用できる。このような密着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく、例えばトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
密着助剤の使用量としては、[A]アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。密着助剤の使用量が20質量部を超えると現像残りを生じやすくなる傾向がある。
[界面活性剤]
界面活性剤は、当該組成物の被膜形成性をより向上させるために使用できる。界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びその他の界面活性剤が挙げられる。上記フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル基及び/又はフルオロアルキレン基を有する化合物が好ましく、例えば1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(1,1,2,2−テトラフロロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(n−ヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、パーフロロ−n−ドデカンスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−デカン、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロ−n−ドデカンや、フロロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フロロアルキルリン酸ナトリウム、フロロアルキルカルボン酸ナトリウム、ジグリセリンテトラキス(フロロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フロロアルキルアンモニウムヨージド、フロロアルキルベタイン、他のフロロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフロロアルキルポリオキシエタノール、パーフロロアルキルアルコキシレート、カルボン酸フロロアルキルエステル等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BM CHEMIE社)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471、同F476(以上、大日本インキ化学工業社)、フロラードFC−170C、同−171、同−430、同−431(以上、住友スリーエム社)、サーフロンS−112、同−113、同−131、同−141、同−145、同−382、サーフロンSC−101、同−102、同−103、同−104、同−105、同−106(以上、旭硝子社)、エフトップEF301、同303、同352(以上、新秋田化成社)、フタージェントFT−100、同−110、同−140A、同−150、同−250、同−251、同−300、同−310、同−400S、フタージェントFTX−218、同−251(以上、ネオス社)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン社)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社)等が挙げられる。
その他の界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン−n−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−n−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤、(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.95(以上、共栄社化学社)等が挙げられる。
界面活性剤の使用量としては、[A]アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、1.0質量部以下が好ましく、0.8質量部以下がより好ましい。界面活性剤の使用量が1.0質量部を超えると、膜ムラを生じやすくなる。
[保存安定剤]
保存安定剤としては、例えば硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン、ニトロニトロソ化合物等が挙げられ、より具体的には、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム等が挙げられる。
保存安定剤の使用量としては、[A]アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、3.0質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましい。保存安定剤の配合量が3.0質量部を超えると、当該組成物の感度が低下してパターン形状が劣化する場合がある。
[耐熱性向上剤]
耐熱性向上剤としては、例えばN−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物等が挙げられる。
N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物としては、例えばN,N’,N’’,N’’’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N’,N’’,N’’’−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N’,N’’,N’’’−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N’,N’’,N’’’−テトラ(i−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N’,N’’,N’’’−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N’,N’’,N’’’−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル等が挙げられる。これらのうち、N,N’,N’’,N’’’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。
N−(アルコキシメチル)メラミン化合物としては、例えばN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’N’’−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’N’’ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(i−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン等が挙げられる。これらのうち、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましく、市販品としては、例えばニカラックN−2702、同MW−30M(以上、三和ケミカル社)等が挙げられる。
耐熱性向上剤の使用量としては、[A]アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。耐熱性向上剤の使用量が50質量部を超えると、当該組成物の感度が低下してパターン形状が劣化する場合がある。
<当該組成物の調製方法>
当該組成物は、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物、[C]感放射線性重合開始剤及び[D]化合物に加え、必要に応じて任意成分を所定の割合で混合することにより調製される。この感放射線性樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。
当該感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物、[C]感放射線性重合開始剤、[D]化合物及び任意成分を均一に溶解又は分散し、各成分と反応しないものが用いられる。このような溶媒としては、上述した[A]アルカリ可溶性樹脂を合成するために使用できる溶媒として例示したものと同様のものが挙げられる。溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。
各成分の溶解性、各成分との反応性、被膜形成の容易性等の観点から、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、ベンジルアルコール、3−メトキシブタノールが好ましい。
さらに、上記溶媒とともに膜厚の面内均一性を高めるため、高沸点溶媒を併用できる。高沸点溶媒としては、例えばN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン等が挙げられる。これらのうち、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン又はN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
当該組成物の溶媒として、高沸点溶媒を併用する場合、その使用量としては、全溶媒量に対して、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。高沸点溶媒の使用量が50質量%以下の時、被膜の膜厚均一性、感度及び残膜率が良好となる。
当該感放射線性樹脂組成物を溶液状態として調製する場合、固形分濃度(組成物溶液中に占める溶媒以外の成分)は、使用目的や所望の膜厚の値等に応じて任意の濃度(例えば5質量%〜50質量%)に設定できる。より好ましい固形分濃度としては、基板上への被膜の形成方法により異なるが、これについては後述する。このようにして調製された組成物溶液については、孔径0.5μm程度のミリポアフィルタ等を用いて濾過した後、使用に供することができる。
<硬化膜の形成方法>
当該組成物から形成される硬化膜も本発明に好適に含まれる。
本発明の硬化膜の形成方法は、
(1)当該組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を焼成する工程
を有する。
本発明の形成方法によると、耐熱性、耐溶媒性、電圧保持率等の要求特性をバランス良く満足するスペーサー等を形成できる。以下、各工程を詳述する。
[工程(1)]
本工程では、透明基板の片面に透明導電膜を形成し、この透明導電膜の上に当該組成物の被膜を形成する。透明基板としては、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなる樹脂基板等が挙げられる。
透明基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社の登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜等が挙げられる。
塗布法により被膜を形成する場合、上記透明導電膜の上に当該組成物の溶液を塗布した後、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)することにより、被膜を形成することができる。塗布法に用いる組成物溶液の固形分濃度としては、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜35質量%が特に好ましい。当該組成物の塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法が採用できる。これらのうち、スピンコート法又はスリット塗布法が好ましい。
上記プレベークの条件としては、各成分の種類、配合割合等によって異なるが、70℃〜120℃が好ましく、1分〜15分間程度である。被膜のプレベーク後の膜厚は、0.5μm〜10μmが好ましく、1.0μm〜7.0μm程度がより好ましい。
[工程(2)]
本工程では、形成された被膜の少なくとも一部に放射線を照射する。このとき、被膜の一部にのみ照射する際には、例えば所定のパターンを有するフォトマスクを介して照射する方法によることができる。
照射に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。このうち波長が250nm〜550nmの範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
放射線照射量(露光量)は、照射される放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI model 356、Optical Associates Inc.製)により測定した値として、100J/m〜5,000J/mが好ましく、200J/m〜3,000J/mがより好ましい。
当該組成物は、従来知られている組成物と比較して放射線感度が高く、上記放射線照射量が850J/m以下であっても所望の膜厚、良好な形状、高い硬度の硬化膜を得ることができる。
[工程(3)]
本工程では、放射線照射後の被膜を現像することにより、不要な部分を除去して、所定のパターンを形成する。現像に使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等のアルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。上記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒及び/又は界面活性剤を適当量添加してもよい。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー法等のいずれでもよく、現像時間は、常温で10秒〜180秒間程度が好ましい。現像処理に続いて、例えば流水洗浄を30秒〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素で風乾することによって所望のパターンが得られる。
[工程(4)]
本工程では、得られたパターン状被膜をホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により焼成(ポストベーク)することにより硬化膜を得る。焼成温度としては、100℃〜200℃が好ましく、150℃〜180℃がより好ましい。焼成時間としては、例えばホットプレート上では5分〜30分間、オーブンでは30分〜180分間が好ましい。当該組成物は、上述のように[D]化合物を含有するため、かかる低い低温焼成を実現でき低温焼成が望まれるフレキシブルディスプレイ等に用いられるスペーサー等の形成材料として好適である。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例に本発明が限定的に解釈されるものではない。
<[A]アルカリ可溶性樹脂の合成>
[合成例1]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸16質量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート16質量部、メチルメタクリレート38質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸グリシジル20質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇し、この温度を4時間保持して重合することにより、共重合体(A−1)を含有する溶液を得た(固形分濃度=34.4質量%、Mw=8,000、Mw/Mn=2.3)。なお、固形分濃度は共重合体溶液の全質量に占める共重合体質量の割合を意味する。
[合成例2]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル220質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸20質量部、n−ラウリルメタクリレート30質量部、メタクリル酸グリシジル20質量部、スチレン30質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇し、この温度を5時間保持して重合することにより、共重合体(A−2)を含有する溶液を得た(固形分濃度=31.9質量%、Mw=8,000、Mw/Mn=2.3)。
[合成例3]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル220質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸20質量部、n−ラウリルメタクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20質量部、スチレン15質量部及びメタクリル酸グリシジル20質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇し、この温度を5時間保持して重合することにより共重合体(A−3)を含有する溶液を得た(固形分濃度=32.3質量%、Mw=8,000、Mw/Mn=2.3)。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
[実施例1〜11及び参考例1〜4]
表1に示す種類、量の[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物及び[C]感放射線性重合開始剤及び[D]化合物を混合し、固形分濃度が30質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性樹脂組成物(S−1)〜(S−10)及び(CS−1)〜(CS−4)を調製した。なお、表1中の「−」は該当する成分を使用しなかったことを表す。
実施例及び参考例で用いた各成分の詳細を示す。
<[B]重合性化合物>
B−1:KAYARAD DPHA(日本化薬社)
B−2:KAYARAD DPHA−40H(日本化薬社)
B−3:KAYARAD DPEA−12(日本化薬社)
<[C]感放射線性重合開始剤>
C−1:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)
C−2:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)
C−3:エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(イルガキュアOXE02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)
<[D]化合物>
D−1:トリオクチルアミン
D−2:2−ジメチルアミノメチルフェノール
d−1:ジドデシルアミン
Figure 2012037814
<スペーサーの形成>
[実施例12〜22及び比較例1〜11]
無アルカリガラス基板上にスピンナーを用いて、感放射線性樹脂組成物(S−1)〜(S−11)及び(CS−1)〜(CS−4)をそれぞれ塗布した後、85℃で2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.5μmの塗膜を形成した。上記で得られた塗膜に13μm丸の残しパターンのマスクを介して、露光ギャップを250μmとして露光を行った。次いで、水酸化カリウム0.05質量%(1.5wt%CD150CR)水溶液で25℃、現像した後、純水で1分間リンスした。さらにオーブン中、表2に記載の焼成温度及び焼成時間でポストベークすることによりスペーサーを形成した。
<スペーサーとしての特性評価>
実施例12〜22及び比較例1〜11のスペーサーを用いて以下の評価をした。結果を表2にあわせて示す。
[放射線感度]
下記式で表される残膜率から放射線感度(J/m)を評価した。
残膜率(%)=(ポストベーク後の膜厚/露光後膜厚)×100
この残膜率が90%以上になる最小の露光量を感度とした。感度が850J/m以下の場合、放射線感度が良好と判断した。
[現像性]
現像後、未露光部に残渣(現像残り)がなく、パターンが形成される最短の時間(秒)を現像時間とした。時間が短いほど現像性が良好と判断した。
[耐熱性]
スペーサーをさらにオーブン中180℃で30分加熱し、加熱前後の膜厚変化を測定した。下記式で表される変化率(%)を耐熱性として評価した。
変化率(%)=(追加加熱後膜厚/ポストベーク後膜厚)×100
変化率が97%以上であれば、耐熱性が良好と判断した。
[圧縮特性]
スペーサーについて、微小圧縮試験機(フィッシャースコープHM2000Xyp、フィッシャーインストルメンツ社)を用い、50μm×50μmの平面圧子により負荷速度及び除荷速度を2.5mN/秒として、50mNまでの荷重を負荷して5秒間保持したのち除荷して、負荷時の荷重−変形量曲線及び徐荷時の荷重−変形量曲線を作成した。このとき、負荷時の荷重50mNでの変形量と未荷重での変形量との差をL1とし、除荷時の荷重50mNでの変形量と未荷重での変形量との差をL2として、下記式により弾性回復率を算出した。
弾性回復率(%)=(L2/L1)×100
<層間絶縁膜又は保護膜としての硬化膜の形成>
シリコン基板上にスピンナーを用いて、感放射線性樹脂組成物(S−1)〜(S−11)及び(CS−1)〜(CS−4)をそれぞれ塗布した後、90℃で2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。露光機(キヤノン社、MPA−600FA)を用いて、積算照射量が9,000J/mとなるように露光し、この基板をクリーンオーブン内にて表2に記載の焼成温度及び焼成時間でポストベークすることにより、シリコン基板上に層間絶縁膜又は保護膜として適用できる硬化膜を形成した。
<硬化膜としての特性評価>
形成した硬化膜を用いて以下の評価をした。結果を表2にあわせて示す。
[比誘電率]
蒸着法により、この硬化膜上にPt/Pd電極パターンを形成して誘電率測定用サンプルを作成した。この電極パターンを有する基板に、HP16451B電極及びHP4284AプレシジョンLCRメーター(以上、横河・ヒューレットパッカード社)を用いて、周波数10kHzでCV法により比誘電率の測定を行った。比誘電率が3.7以下であったものについて比誘電率を良好と判断した。
[耐溶媒性の評価]
上述の「硬化膜の形成」において、露光を水銀ランプによって積算照射量が3,000J/m2となるように紫外線を照射した以外は同様に操作して硬化膜を得た。得られた硬化膜の膜厚(T1)を測定した。次いで、この硬化膜が形成されたシリコン基板を、70℃に温度制御されたジメチルスルホキシド中に20分間浸漬させた後、当該硬化膜の膜厚(t1)を測定し、浸漬による膜厚変化率を下記式より算出した。膜厚変化率が4.0%以下であるものを良好と判断した。なお、比較例4については浸漬中に硬化膜が剥がれ膜厚を測定することができなかった。
膜厚変化率(%)={(t1−T1)/T1}×100
[表面硬度〕
上述の「耐溶媒性の評価」で形成された硬化膜を有する基板について、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により、硬化膜の表面硬度を測定した。結果が3H以上であったものを表面硬度が良好と判断した。
[電圧保持率]
表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO膜が形成され、さらにITO(インジウム−酸化錫合金)電極を所定形状に蒸着したソーダガラス基板上に、感放射線性樹脂組成物を、スピンコートした後、90℃のクリーンオーブン内で2分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。次いで、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/mの積算照射量で露光した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて、25℃、60秒間、ディップ法による現像を行った。さらに表2に記載の焼成温度及び焼成時間でポストベークを行い、硬化膜を形成した。次いで、この硬化膜を有する基板上に5.5μm径のビーズスペーサーを散布後、これと表面にITO電極を所定形状に蒸着しただけのソーダガラス基板とを対向させた状態で、液晶注入口を残して4辺を0.8mmのガラスビーズを混合したシール剤を用いて貼り合わせ、メルク社製の液晶MLC6608を注入した後に液晶注入口を封止することにより、液晶セルを作製した。この液晶セルを60℃の恒温層に入れて、液晶セルの電圧保持率を液晶電圧保持率測定システム(VHR−1A型、東陽テクニカ社)により測定した。このときの印加電圧は5.5Vの方形波、測定周波数は60Hzである。なお、ここで電圧保持率とは、下記式から算出される値である。液晶セルの電圧保持率の値が低いほど、液晶パネル形成時に「焼き付き」と呼ばれる不具合を起こす可能性が高くなる。一方、電圧保持率の値が低くなるほど、液晶セルは16.7ミリ秒の時間、印加電圧を所定レベルに保持できず、十分に液晶を配向させることができないことを意味し、残像等の「焼き付き」を起こすおそれが高い。
電圧保持率(%)=(基準時から16.7ミリ秒後の液晶セル電位差)/(0ミリ秒で印加した電圧)×100
[膜厚変化率]
調製直後の感放射線性樹脂組成物溶液について、上述の「硬化膜の形成」と同様に操作して形成された硬化膜の膜厚を測定した(下記式において、「調製直後の膜厚」と称する)。また、5日間25℃で感放射線性樹脂組成物溶液を保存し5日後に同様に形成した硬化膜の膜厚を測定した(下記式において、「5日後の膜厚」と称する)。膜厚増加率(%)を下記式から算出した。膜厚増加率が3%以下の場合、保存安定性が良好と判断した。
膜厚増加率(%)=(5日後の膜厚−調製直後の膜厚)/(調製直後の膜厚)×100
Figure 2012037814
表2の結果から当該組成物は、高い放射線感度及び保存安定性を有することがわかった。また、当該組成物から形成されたスペーサーは、低温かつ短時間の加熱によっても良好な現像性、耐熱性及び圧縮特性を有することがわかった。さらに、当該組成物から形成された硬化膜については、比誘電率、耐溶媒性、強度及び電圧保持率に優れることがわかった。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、容易に微細かつ精巧なパターンを形成でき、保存安定性と短時間での低温焼成とを両立し、かつ十分な放射線感度及び現像性を有する。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜は、その要求特性である耐熱性、圧縮特性等に優れる。従って、当該脂組成物は低温焼成が望まれるフレキシブルディスプレイ等に用いられるスペーサー等の形成材料として好適である。

Claims (6)

  1. [A](A1)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される1種以上と、(A2)エポキシ基含有不飽和化合物とを含む単量体を共重合してなるアルカリ可溶性樹脂、
    [B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
    [C]感放射線性重合開始剤、並びに
    [D]下記式(1)で表される化合物
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2012037814
    (式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基である。但し、R及びRは互いに結合して、それらが結合する窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。上記アルキル基、アリール基及びアラルキル基は水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい。)
  2. [D]化合物が、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、ジブチルベンジルアミン、トリナフチルアミン、N−エチル−N−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−フェニル−N−メチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン、N,N−ジメチル−4−メトキシアニリン、N−フェニルピペリジン、N−(4−メトキシフェニル)ピペリジン、N−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、6−ベンジルオキシ−N−フェニル−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールからなる群より選択される1種以上である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 層間絶縁膜、保護膜又はスペーサーとしての硬化膜の形成に用いられる請求項1又は2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. (1)請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
    (2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    (3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
    (4)上記現像された塗膜を焼成する工程
    を有する硬化膜の形成方法。
  5. 上記工程(4)の焼成温度が200℃以下である請求項4に記載の硬化膜の形成方法。
  6. 請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物から形成される層間絶縁膜、保護膜又はスペーサーとしての硬化膜。
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