現在のフルカラー画像形成装置においては、高画質/高生産への対応性の高さから、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色重ねのタンデム作像方式が多く用いられ、これが主流となっている。しかしながら、近年の画像形成装置の市場動向においては、更なる高画質化要求や、光沢性、特殊色の使用、セキュリティ対策等が望まれているために、これら基本4色を超えるさらなるトナー色構成を採用することのできる画像形成装置への要求が高まってきている。
これは、昨今のフルカラー画像形成装置の分野における軽印刷技術分野への応用が高まっていることから、今まで常識的に使用されてきたトナー基本色のブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色以外に、光沢用の透明トナー、色空間拡大のためのグレートナーやRGBトナー、あるいは、例えば磁気トナーや特別注文成分を含有したセキュリティー対策用の特殊トナーなどを使用可能とした画像形成装置に対する市場要求が高まっていることによるものである。この種の基本4色以上のさらなるトナー色を使用可能とする構成を満足させようとするためには、当然ながら現在主流の4色タンデム型の画像形成装置の基本構成では足りず、像担持体、現像装置、像担持体クリーニング装置や、これらのうちの少なくとも2つを一体化したプロセスカートリッジなどの作像デバイスを搭載するための基本プラットフォームを、4色以上のトナー作像が可能となるように構成する必要がある。
ところが、基本4色以上のトナーを使用することを要求するユーザーの要望は種々様々であり、例えば、基本4色に1色だけを加えた5色トナー構成を要求するユーザーもいれば、さらに1色を加えた6色トナー構成を、さらには、基本4色にさらに4色のトナーを加えた8色のトナー構成を要求するユーザーも存在する。このようなユーザーの要望を満足させるためには、トナー色構成数を本来的に左右する画像形成装置の基本プラットフォームを、まずは予め6色や8色の作像デバイスを搭載できるように構成しておかなければならない。
ここで、画像形成に使用するトナー色数を増やすためにプロセスカートリッジなどの作像デバイス自体を増減することに対しては、希望するトナー色数に応じた作像デバイスを搭載できるように基本プラットフォームを構成した上で、この基本プラットフォームに従来から用いられていたプロセスカートリッジなどの作像デバイスを適用することで対応が可能である。すなわち、例えば特許文献1や特許文献2に記載されるような位置決め精度を確保しながらも着脱性を容易にしたプロセスカートリッジが従来から知られており、これらプロセスカートリッジは、メンテナンスや定期交換などを必要としていることから着脱することをその性質上有しているので、この種のプロセスカートリッジを4色以上搭載可能な基本プラットフォームに適用することで、作像デバイス自体の増減は容易に達成することが可能である。
その一方で、このようにプロセスカートリッジの搭載数を作動可能な状態に増やすためには、当然ながらこれを動作させるための駆動手段乃至駆動源を設けておく必要があり、受注生産に頼ることなく市販の画像形成装置で4色以上のトナー使用要求に対応しようとすれば、これら駆動手段乃至駆動ユニットを、プロセスカートリッジが挿入される基本プラットフォームに予め備えておく必要がある。
しかしながら、駆動手段は、高価な構成部材(例えばモータ)を複数個必要とする場合が多い。したがって、例えば、8色のトナー数に対応可能なように基本プラットホームが構成される場合において、この高価な構成部材を複数個必要とする駆動手段を予め基本プラットフォームに8色分搭載しておくとなると、6色のトナーを使用することを検討しており、8色ものトナーを使用する予定のないユーザーに対しては、画像形成装置購入の際に2色分の駆動手段を余計なコストとして負担させることになり、さらには、環境保全が大きく取り上げられている昨今では、無駄なCO2排出源ともなって時代要請に対して逆行することにもなりかねない。
従来技術では、既述の特許文献1や特許文献2に記載されるように、メンテナンスや定期交換を必要とするプロセスカートリッジなどの作像デバイスについては、着脱性を維持しながらも位置決め精度を高めることができる方法が多数提案されているが、これら先行技術は、作像デバイス自体の着脱性だけについて言及するのみで、これら作像デバイスの動作に必要な駆動手段乃至駆動源の着脱性に関しては何ら検討されていないのが実情である。
これに対応して、例えば、8色のプロセスカートリッジを搭載可能なように基本プラットフォームを予め設計しておきながらも、画像形成装置の出荷当初には基本トナー4色の作像デバイス及びこれに対応する駆動手段だけしか設けずに、更なるトナー色の使用を購入者が希望した場合には、サービススタッフなどの作業員を画像形成装置の設置場所まで派遣して、増加させるトナー色に対応する駆動手段を基本プラットフォームに取付けることも考えられた。しかしながら、このような対応策をとるためには、これら作業を行う作業員を予め準備しておく必要があり、さらに、当該作業員には、非常に高い技術力と非常に大きな労力とを要求するものであり、現実的ではなかった。ここで、作業員に求められるこれら技術力と労力とに関して具体的な例をあげて説明すると、例えば、駆動手段などは、通常、画像形成装置の背面側に取り付けられているのが一般的であるため、駆動手段を更に取り付けようとする場合には、背面側を壁などに沿わして配置された画像形成装置を一旦壁際から動かして、通常的には開放しない背面側のパネルなどを除去・開放しなければならず、作業者への負担が大きいことになる。また、このような背面側の所謂ユーティリティ領域には、高圧電源や高温部品などの作業者には危険な部品が多数配置されているため、これらの構成部品を適切に且つ安全に取り扱うためには専門技術的な能力が必要とされる。
また、このようなサービススタッフなどの作業員を用意しておくビジネスモデルの代替案として、製造者側からユーザーに高度な教育を施すことで、画像形成装置の出荷当初には基本トナー4色の作像デバイス及びこれに対応する駆動手段だけしか設けずに、更なるトナー色の使用を購入者が希望した場合には、当該高度な教育を受けたユーザーが駆動手段を含めた作像デバイスの取付けを行うようなビジネスモデルも昨今(特に欧米で)考えられてきている。しかしながら、この場合であっても、駆動手段を更に取り付ける際には、先に記述したように、背面側を設置スペースの壁などに沿わして配置された画像形成装置を一旦動かして、通常的には開放しない背面側のパネルなどを除去した上で駆動手段を取り付けなければならず、今度はユーザーに非常に大きな労力を負わせることになる。また、これに加えて、通常は製造者側の作業員などしか触れる事のない背面側の所謂ユーティリティ領域にユーザーがアクセスしなければならないことから、今度はユーザーが高圧電源部品や高温に加熱されている部品などに触れてしまうなどの危険にさらされるため、ユーザーの安全性の観点からも問題点が多い。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
まず、本発明の作像デバイス保持装置が設けられる画像形成装置の一例を示す概略断面構成図である図1を用いて、当該画像形成装置の構成とその画像形成動作とを概略で説明する。なお、図1に示す例では、最大6色の作像デバイスであるプロセスカートリッジを搭載可能な画像形成装置を示しているが、本発明が適用される画像形成装置では、追加・削除される作像デバイスの個数に制限はなく、5色でも8色でもあるいは更なるトナー色数であっても、基本プラットフォームがそのトナー色数に対応することができるように構成されていれば対応が可能であり、さらには、4色よりも少ないトナー色数であっても対応が可能なものである。
この図1に示した画像形成装置では、第1乃至第6の6つの作像デバイスであるプロセスカートリッジ200(a,b,c,d,e,f)が本体略中央から上方に向かって配置されている。このプロセスカートリッジ200(a,b,c,d,e,f)自体は、それらそれぞれにおいて、像担持体としての感光体10(a,b,c,d,e,f)、像担持体クリーニング手段としてのクリーニング装置20(a,b,c,d,e,f)、帯電手段としての帯電ローラ30(a,b,c,d,e,f)、現像手段としての現像装置50(a,b,c,d,e,f)などを備えている通常公知のものである。このプロセスカートリッジ200(a,b,c,d,e,f)に搭載されている各感光体10(a,b,c,d,e,f)上には、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。
第1乃至第6の感光体10(a,b,c,d,e,f)に対向して、中間転写手段として構成された無端ベルト状の中間転写ベルト100が配置され、各感光体10(a,b,c,d,e,f)が当該中間転写ベルト100の表面に当接するように配置される。なお、中間転写ベルト100は、一般に複数のローラに内接及び/又は外接されることで張架されて走行駆動させられ、図1に示した例では、中間転写ベルト100は、支持ローラ26、27及び29などに巻き掛けられている。また、これら支持ローラのうちの1つが駆動装置(図示せず)によって駆動される駆動ローラとして構成され、当該駆動ローラが回転駆動することにより、中間転写ベルト100は、図中時計回りに回転駆動させられる。
感光体10(a,b,c,d,e,f)上に各色トナー像を形成し、その各トナー像を中間転写ベルト100上に転写(一次転写)する構成は実質的に同一であるため、トナー色の違いを表す符号a、b、c、d、e及びfを適宜省いて、トナー像を中間転写ベルト100上に転写する構成を説明する。
この感光体10は反時計回り方向に回転駆動され、このとき感光体10表面に図示していない除電装置からの光が照射されて表面電位が初期化される。初期化された感光体表面は帯電ローラ30によって所定の極性に一様に帯電される。この帯電面に、図示しない露光装置から出射する光変調されたレーザビームが照射され、感光体10の表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。感光体10上に形成された静電潜像は、これが現像装置50を通るとき、トナー像として可視像化される。
一方、中間転写ベルト100の内側には、そのベルトを挟んで感光体10に対向して位置する一次転写ローラ37が配置されており、この一次転写ローラ37が中間転写ベルト100の裏面に当接することで、感光体10と中間転写ベルト100との適正な一次転写ニップ部が形成される。
上記一次転写ローラ37には、感光体10上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。これにより、感光体10と中間転写ベルト100との間に転写電界が形成され、感光体10上のトナー像が、その感光体10と同期して回転駆動される中間転写ベルト100上に静電的に一次転写される。このように、各感光体10には、各色トナー像がそれぞれ形成され、その各色のトナー像は、中間転写ベルト100の回転駆動方向上流側から逐次タイミングを併せて中間転写ベルト100上に重ね合わされ、所望の画像が形成される。
一方で、図1に示すように、装置本体内の下部には記録紙やシート等の記録媒体が積層されて収容される記録媒体収容部としての給紙カセット23、23’が配置されている。この給紙カセット23、23’に積層された記録媒体は、給送ローラ24、24’が回転することにより発生する摩擦搬送力により記録媒体の積層束から搬送を開始され、未だ回転駆動をしていないレジストローラ対25まで搬送され、当該レジストローラ対25において、所謂ループを形成することで記録媒体のレジストレーションが行われる。
レジストレーションされた記録媒体は、中間転写ベルト100に逐次一次転写されたトナー像とのタイミングを計って、レジストローラ対25の回転駆動により搬送され、中間転写ベルト100の支持ローラでもある対向ローラ27と二次転写ローラ28とで構成される二次転写ニップ部で、当該二次転写ローラ28に所定の電圧を印加するなどして画像を二次転写される。二次転写された記録媒体は、記録媒体搬送方向下流側に配設された定着装置800までさらに搬送され、当該定着装置800に設けられた定着ローラ及び加圧ローラの熱と圧力とを受けることにより半永久画像として記録媒体に定着させられ、さらに各種ローラ対を用いて搬送されることにより、画像形成装置機外に排出されて画像形成動作が完了する。
この種の画像形成装置において、図1に例示的に示される画像形成装置では、最大6色のトナーによるカラー画像形成動作が可能なように構成されていて、プロセスカートリッジ200が画像形成装置の垂直方向で見た上下方向に6段重ねで配置されている。ここで、図2は、本発明の画像形成装置の別の状態を示すための概略断面構成図であり、図1に示される画像形成装置の作像デバイスの一部が取り外された一例を示す概略断面構成図である。図2からも明らかなように、ここに図示した例では、最大6色の作像デバイスとしてのプロセスカートリッジを搭載可能に構成された基本プラットフォームにおいて、上側2段におけるプロセスカートリッジ200(e,f)が取り除かれている。また、図2に示される画像形成装置では、プロセスカートリッジ200(e,f)を動作させるための駆動手段も存在しないことが見て取れる。すなわち、図2における、上側2つの作像デバイスが存在するべき空間には、作像デバイスが挿入されるべき空間だけが存在しているだけである。
この図2における符号160で囲まれた部分の拡大図が図3に示されていて、当該図3は、図2における作像デバイスが取り外された部分を拡大して示した概略断面構成図である。なお、図3における作像デバイスが取り外されていない部分に存在する作像デバイスは、プロセスカートリッジ200dであり、図示した例におけるプロセスカートリッジ200dでは、像担持体である感光体10d、感光体10d上に形成された静電潜像にトナーを付与して現像する現像装置50d、感光体10d上に形成されたトナー像のうち中間転写ベルトに転写されずに残ったトナーを当該感光体上から除去するためのクリーニング装置20dなどが設けられていて、これらのユニット範囲は仮想線150で囲われている。また、ここに示したプロセスカートリッジ200dは、その他の搭載されているプロセスカートリッジ200a,b,c及び必要に応じて搭載されるべきプロセスカートリッジ200e,fと全く同一の構成である。なお、感光体上に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布装置や、感光体を一様に帯電するための例えば帯電ローラ30などの帯電装置などをプロセスカートリッジ200に含めるように構成することもできる。
次に、図4〜図6を用いて、本発明の構成の詳細を説明する。図4〜図6は、本発明を説明するために、本発明の駆動源保持フレーム610及びプロセスカートリッジ200が挿入される状態を概略で示した概念図であり、発明の理解を深めるために、駆動源保持フレーム610及びプロセスカートリッジ200を概略平面で示した概略構成図である。なお、当該図4〜6は、概念図として示したものであることから、後述する図7に示される、本発明が図2に示される画像形成装置に適用された場合における作像デバイス保持装置600の概略斜視図とは必ずしも構成部材の位置や形状などが一致していないことに注意されたい。
まず、図4に示した状態は、後述する駆動源保持フレーム610及びプロセスカートリッジ200が挿入される前の、画像形成装置本体側の状態を示したものであり、プロセスカートリッジ200及び本発明の特徴的な駆動源保持フレーム610が挿入されていない上側2段の内のいずれか一方の状態を示した概念に対応する。この状態では、駆動源保持フレーム610及びプロセスカートリッジ200を保持するために、画像形成装置本体に位置固定式に設けられた前側板500及び後側板540だけが存在する。また、この前側板500には、駆動源保持フレーム610の断面外形と略同一の断面外形を有し、当該駆動源保持フレーム610が嵌挿可能な前側板切欠き510が設けられ、後側板540には、後述する作像デバイス保持装置600の駆動源保持フレーム610に一体的に取り付けられた駆動手段300、310、320が後側板540に干渉しないように嵌挿可能な後側板切欠き550が設けられ、前側板500及び後側板540で作像デバイス保持装置600が保持されるように構成されている。さらにまた、当該前側板500には、(前部)駆動源保持フレーム位置決め手段として複数の(前部)位置決めピン530、530’が配設されており、この位置決めピン530、530’は、図示した例では前側板切欠き510の左右方向に1本ずつ、合計2本設けられている。さらにまた、後側板540には、当該駆動源保持フレーム610を画像形成装置の所定位置に位置決めするための(後部)駆動源保持フレーム位置決め手段として、(後部)位置決めピン560、570が、後側板切欠き550の左右に2本設けられている。このように構成された前後側板500、540に、本発明の特徴的な作像デバイス保持装置600の駆動源保持フレーム610が嵌挿される。
次に、図5を用いて、本発明の作像デバイス保持装置600の構成を説明すると共に、当該作像デバイス保持装置600の駆動源保持フレーム610が、画像形成装置に設けられた前後側板500、540に嵌挿された状態の概念を説明する。
本発明の作像デバイス保持装置600は、プロセスカートリッジ200である作像デバイスの駆動源300、310、320を保持する駆動源保持フレーム610であって、画像形成装置本体に着脱自在に構成される駆動源保持フレーム610と、この駆動源保持フレーム610に一体的に保持された駆動源300、310、320に設けられる連結手段であって、対応する作像デバイスに駆動源300、310、320からの駆動力を動力連結するための連結手段350、360、370と、を備えて成り、さらに、当該駆動源保持フレーム610を画像形成装置の所定位置に位置決めするための駆動源保持フレーム位置決め手段として、前部駆動源保持フレーム位置決め手段530、530’及び後部駆動源保持フレーム位置決め手段560、570を備えて成る。なお、この図5に図示した例における駆動源保持フレーム610では、当該駆動源保持フレーム610のリブ580、580’に孔部900、900’が設けられ、当該孔部900、900’に前部位置決めピン530、530’が嵌挿されることによって、さらには、駆動源保持フレーム610の後端に設けられた孔部970、980に後部位置決めピン560、570が嵌挿されることによって、駆動源保持フレーム610が位置決めされる。
ここで、これら駆動源であるモータ300、310、320のうち、駆動源300は、感光体10用の駆動源であり、そのシャフト350が感光体10との連結手段として設けられていて、当該シャフト350が感光体10に直接嵌めこまれることで感光体10を回転駆動させることができるように構成されている。また、駆動源310は、現像装置50用の駆動源であり、駆動源320は、クリーニング装置20用の駆動源であり、これら駆動源310、320にそれぞれ設けられた係合ジョイント360、370が、対応する現像装置50及びクリーニング装置20に設けられた係合ジョイント660、670と動力連結される(図6参照)。これら、連結手段360、370らは通常公知の係合ジョイントなどを使用することが可能であり、ここに図示した例では、連結手段360、370は、凹部を有する係合ジョイントとして構成されていて、現像装置50及びクリーニング装置20に設けられた係合ジョイント660、670の対応する凸部と係合することで動力連結することが可能である。また、例えば、感光体10に嵌め込まれるシャフト状の連結手段350を、連結手段360、370と同様に係合ジョイントとして構成することも可能であるし、さらにまた、これら係合ジョイントは、ここに図示した凹部と凸部との係合ジョイントとは別の構成、例えば互いに相補する歯車状のギアをかみ合わせる係合ジョイントなどで構成することもできる。
ここで、図5からも明らかなように、駆動源保持フレーム610は、後部位置決めピン560、570に孔部970、980が嵌挿されることに加えて、駆動源保持フレーム610の前端部に設けられたリブ580、580’に配設された孔部900、900’が前側板500に設けられた2つの位置決めピン530、530’に嵌め込まれることによっても駆動源保持フレーム610の位置決めがなされるように構成されている。このように、駆動源保持フレーム610が挿入される方向で見て、前部及び後部で位置決めされるように構成されていれば、正確な位置決めを達成することができるために好適である。なお、図示した例では、前側板500に設けられた2つの位置決めピン530、530’を駆動源保持フレーム610が挿入される前側板切欠き部510の両端に設けた例を示しているが、本発明はこの実施形態に限られず、例えば、前側板切欠き部510の一端部側に2つの位置決めピン530、530’を設けてもよいし、これら位置決めピンのいずれか一方だけを設けてもよい。さらには、3つ以上の位置決めピン530、530’、・・・を前側板540に設けてもよい。ただし、駆動源保持フレーム610の正確な位置合わせに対しては少なくとも位置決めピンを2つ以上設けていたほうが効果的である。
さらにまた、駆動源300、310、320には、これら駆動源の動作電力を供給しなければならないが、この電源供給に関しては、図示した例では、駆動源保持フレーム610側に設けられたハーネスコネクタ690と、これに対応して嵌め込まれる画像形成装置側に設けられたハーネスコネクタ590とを結線することで達成されている。なお、この電気結線用のハーネスコネクタは、ドロワコネクタであってもよい。
次に、図6を用いて、プロセスカートリッジ200が駆動源保持フレーム610にセットされた状態を説明する。図6に示されているように、本発明の作像デバイス保持装置600の駆動源保持フレーム610には、プロセスカートリッジ200が嵌挿されるが、この際、プロセスカートリッジ200の感光体10は、連結手段350が当該感光体10に挿入されることで駆動源300と動力連結され、現像装置50は、係合ジョイントである連結手段360と当該現像装置50に設けられた対応する係合ジョイント660が係合することで動力連結され、同様に、クリーニング装置20は、係合ジョイントである連結手段370と当該クリーニング装置20に設けられた対応する係合ジョイントである連結手段670が係合することで動力連結される。
ここで、このプロセスカートリッジ200の駆動源保持フレーム610への挿入方向は、当該駆動源保持フレーム610が画像形成装置に挿入される方向と同一であり、すなわち、図6で見れば、駆動源保持フレーム610は、図中下方から画像形成装置に設けられた前後側板500、540に挿入されると共に、同一方向である図中下方からプロセスカートリッジ200が挿入される。なお、図示した例における駆動源保持フレーム610に挿入されたプロセスカートリッジ200を位置決めするために、当該プロセスカートリッジ200には、駆動源保持フレーム610の孔に挿入された後部駆動源保持フレーム位置決め手段である位置決めピン560、570が挿入される孔部950、950’が設けられており、当該孔部950、950’に位置決めピン560、570が挿入されることによって、当該駆動源保持フレーム610内で位置決めされる。さらに、プロセスカートリッジ200のプロセスカートリッジリブ980、980’には、駆動源保持フレーム610のリブ580、580’に設けられた孔900、900’に挿入された駆動源保持フレーム610の前部位置決め手段である位置決めピン530、530’が挿入される孔部990、990’が設けられていて、当該プロセスカートリッジ200もまたその前後で駆動源保持フレーム610内での位置決めがなされるように構成されている。さらにまた、このように位置決めされたプロセスカートリッジ200は、前部の位置決めピン530、530’にネジなどの固定部材770、770’が挿入・固定されることで、画像形成装置に対して駆動源保持フレーム610と共に一体的に位置固定される。
なお、ここに図示した例では、駆動源保持フレーム610の駆動源保持フレーム位置決め手段560、570及び530、530’をプロセスカートリッジ200の作像デバイス位置決め手段としても兼用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、駆動源保持フレーム610の位置決め手段とは別個にプロセスカートリッジ200の位置決め手段を設けてもよい。しかしながら、これら位置決め手段を駆動源保持フレーム610とプロセスカートリッジ200とで兼用する方が、構成が簡易になると共に、構成部材を減らすことができるため好適である。
また、ここに図示した例では、感光体10、現像装置50及びクリーニング装置20を一体的に構成したプロセスカートリッジ200を作像デバイスとした例を示したが、本発明はこれに限られず、例えば、感光体10、現像装置50及びクリーニング装置20のうちの少なくとも2つを一体的に構成するプロセスカートリッジを使用することも可能であるし、さらにまた、感光体10、現像装置50、あるいは、クリーニング装置20などを単体の作像デバイスとしてそれぞれ構成することも可能である。これらの場合には、対応する作像デバイスの位置決め手段をそれぞれ設けることで対応が可能である。
上記説明したような構成で本発明の作像デバイス保持装置600が構成されているので、例えば、感光体10、現像装置50又はクリーニング装置20などや、これらのうちの少なくとも2つを一体化したプロセスカートリッジ200などの作像デバイスと、当該作像デバイスを駆動させるための駆動源を保持している駆動源保持フレーム610との両者を容易に画像形成装置に一体的に位置決め・保持できるようになるので、基本4色以上の数のトナーを使用することができる基本プラットフォームを有する画像形成装置において、基本4色以上のトナーによる画像形成を行うことを意図した場合に備えて余分な駆動源を予め画像形成装置に設けておく必要がなくなり、ユーザーに無駄なコスト負担を強いることなく容易且つ安価に画像形成装置のトナー構成に対するフレキシブル性を増大させることが可能になる。
さらに、この種の作像デバイスが駆動源保持フレーム610に挿入される方向と、当該駆動源保持フレーム610が画像形成装置に挿入される方向とが同一であることにより、画像形成装置の一方向側面を開放するだけで、作像デバイス保持装置600及び作像デバイス200を画像形成装置に容易に挿入することが可能となるため、例えば、画像形成装置において搬送ジャムした記録媒体を取り除いたり、トナーカートリッジあるいはプロセスカートリッジ200などを取り替えたりするために本来的に画像形成装置に設けられている開放面であって、ユーザーが頻繁に開放することを元来意図された開放面だけを開放するだけで、本発明の作像デバイス保持装置600を画像形成装置に容易に組み込むことが可能であり、その結果、画像形成装置で通常的には開放しない背面側や側面側を開放することが無く、ユーザー自らが容易に且つ安全に作像デバイス保持装置600及び作像デバイス200を増減することが可能となる。
これまで、本発明の概要を概念図である図4〜6を用いて説明してきたが、次に図7を用いて、本発明が図2に示されるような画像形成装置に適用された例を示す。なお、図4〜6は、発明の理解を深めるための概念図として示したものであるため、本発明が図2に示される画像形成装置に適用された場合の概略斜視図を示した図7とは必ずしも構成部材の位置や形状などが一致していないことに注意されたい。図4〜6に示されている構成部材と同一の作用効果を奏する部材には同一の符号をつけることによって、その詳細な説明は省略する。
図7に示される作動デバイス保持装置600は、図7中左方に開口を有した枠体である駆動源保持フレーム610を備えて成り、この駆動源保持フレーム610の背面にはプロセスカートリッジ200に配置された感光体10、現像装置50及びクリーニング装置20を動作させるための駆動源であるモータ300、310、320が一体的に取り付けられている。このモータ300、310、320の駆動軸は、枠体である駆動源保持フレーム610の内部側に回転可能に突出しており、その先端には、これらモータの駆動力をプロセスカートリッジ200内に配置された感光体10、現像装置50及びクリーニング装置20に動力連結するための連結手段としての係合ジョイント350、360、370が設けられている。
これに対応して、作像デバイス保持装置600の駆動源保持フレーム610に挿入されるプロセスカートリッジ200は、先に記述したように、当該プロセスカートリッジ200内に感光体10、現像装置50及びクリーニング装置20を回転駆動可能に配置された通常公知のプロセスカートリッジ200であり、駆動源保持フレーム610内部に突出した連結部材350、360、370と対応する係合ジョイント650、660、670がプロセスカートリッジ200の背面側に突出している。なお、ここで言う背面側とは、画像形成装置の背面側乃至後部側と同一の方向を指し示しており、この背面側乃至後部側と対をなす用語である正面側乃至前部側とは、通常の画像形成装置であれば、例えば、搬送ジャムした記録媒体を取り除いたり、トナーカートリッジあるいはプロセスカートリッジ200などを取り替えたりするために本来的に画像形成装置に設けられている開放面であって、ユーザーが頻繁に開放することを元来意図された開放面を有する側に相当する。
ここで、プロセスカートリッジ200を動力連結した状態で収容できるように構成された駆動源保持フレーム610が、まず、画像形成装置本体の前部側に設けられた前側板500の切欠き部510に画像形成装置の正面側から挿入される。図7では、当該前側板切欠き部510に駆動源保持フレーム610がまさに挿入された途中の状態が描かれている。その後、さらに前側板500から後側板540の方へ挿入される駆動源保持フレーム610は、その背面側に設けられたモータ300、310、320の大きさ乃至形状に対応して後側板540に設けられた後側板切欠き部550に当該モータ300、310、320らを嵌挿させ、さらに、後部駆動源保持フレーム位置決め手段として設けられている位置決めピン560、570が当該駆動源保持フレーム610に設けられた孔部970、980に挿入されることによって位置決めされる。この状態で、後側板540に駆動源保持フレーム610の背面が当接するまで挿入されると、今度は、駆動源保持フレーム610の前部側に設けられたリブ580に配設された孔部900、900’に、前側板500に取り付けられている位置決めピン530、530’が挿入され、このように駆動源保持フレーム610の前部側と後部側とを位置決めされた状態で駆動源保持フレーム610は、前側板500と後側板540とに、ひいてはこれら前後側板500、540が位置固定されている画像形成装置本体に位置決めされる。なお、図7では図示はされていないが、駆動源300、310、320に電力を供給するための電気結線用コネクタ690(例えば、ハーネスコネクタ)が駆動源保持フレーム610には設けられていて、当該コネクタ690に、対応するコネクタであって画像形成装置側に設けられたコネクタ590が結線されることによって、駆動源300、310、320には画像形成装置本体側から電力が供給される。
次いで、この駆動源保持フレーム610内にプロセスカートリッジ200が、駆動源保持フレーム610が挿入されるのと同一方向である画像形成装置の正面側から挿入される。この際、駆動源保持フレーム610内部に突出している位置決めピン560、570が、プロセスカートリッジ200の背面側に設けられた孔部950、950’に挿入されることで、プロセスカートリッジ200が駆動源保持フレーム610内で位置決めされるのと同時に、ジョイント350、360、370にプロセスカートリッジ200背面側に突出しているジョイント650、660、670が係合し、プロセスカートリッジ200内の感光体10、現像装置50、クリーニング装置20が、それらそれぞれの駆動源300、310、320と動力連結される。この際に、プロセスカートリッジ200の前部側に設けられたプロセスカートリッジリブ980に配設された孔部990、990’が前側板500に設けられた位置決めピン530、530’に嵌挿されることでもまたプロセスカートリッジ200の位置決めがなされることになる。さらにまた、このように画像形成装置本体に対して一体的に位置決めされたプロセスカートリッジ200と駆動源保持フレーム610とは、位置決めピン530、530’にネジなどの固定手段770、770’を螺入・固定することで、画像形成装置に対して位置決めされた状態で固定される。なお、ここに図示した例における駆動源保持フレーム位置決め手段としての位置決めピン530、530’、560及び570は、当該位置決め手段への駆動源保持フレーム610及びプロセスカートリッジ200の挿入をより容易にするために、その先端に向けて半径が減少する同心状のテーパーが付けられるように、先端部を面取りされて構成されている。
最後に、これまで本発明の好適な実施形態を説明してきたが、本願発明はこれに限定されることなく、例えば、図面では、後側板に駆動源が嵌挿される切欠き部を設ける例を示したが、駆動源をも内包するように駆動源保持フレームを構成して、平面状に構成される駆動源保持フレームの背面側を後側板に突き当てて保持させるようにしてもよいし、正確な位置決めなどが達成できるのであれば、後側板を省略して、前側板だけで本発明の作像デバイス保持装置を保持させてもよい。この場合には、前部駆動源保持フレーム位置決め手段だけで、作像デバイス保持装置の位置決めをなすことになる。