JP2012037010A - ボルト・ナットの緩止具 - Google Patents

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Abstract

【課題】
スパナ、ボックスレンチ、きく、のような緩締工具を用いてボルトとナットを容易に螺合・螺脱し得る緩み止め機能付きナットを安価に提供すること。
【解決手段】
弾性のある金属線材を螺巻した、螺合したナットから突き出したボルトの突出部分の螺条に嵌合可能である緩止コイル部と、前記緩止コイル部の上端から下方に屈曲し、前記ナットと係合可能なナット係合部と、前記緩止コイル部の下端から外方に向かって、前記ナットの外縁を越えて延伸した金属線によって構成された締付自動調整部を具備した緩止具を、
前記緩締工具を装着することによって、前記締付自動調整部が押圧されて前記緩止コイル部が拡径するように、前記ナット上面に形成された緩止具係合部と、前記ナット係合部を介して、前記緩止具を前記ナットに係合させた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、螺合結合したナットとボルトの緩みを防ぐため、前記ボルトのねじ溝に嵌め込まれるコイル状に形成された弾性のある金属製線材を用いる緩止具に関する。
上述の技術の起源は古く、昭和9年には既に「一条の強弾性金属線をその下端より螺巻して使用『ボルト』に螺合せしむべき螺旋部分を捲成し、その上方一捲又は数捲を大捲部分となし、その上方余端を折曲げして下方に導き、螺旋部分の下方一に置いて『ナット』に嵌合せしめ得る如き六角ナットを屈曲形成せしめて成る『ナット』の緩み止め金具の構造」が提案されている。
実公昭212319
上記は、一般的な「ボルトのねじ溝に嵌め込まれるコイル状に形成された弾性のある金属製線材を用いる緩止具」の原典となる文献である。この文献は、弾性のある金属線材を「コイル」状に巻いた、所謂「コイルばね」を「ボルトの緩み止め」に用いることができる基本的な原理を示している。以下、本明細書では、これを「緩止コイル」と称する。
上記の特許文献1では、「緩止コイル」は図1の「屈曲形成し螺条部分(14)」である。この「屈曲形成し螺条部分(14)」が「直径よりも大巻する部分(16)」を経て、「ナットと係合している部分(17)」を介してナットと係合している。前記「直径よりも大巻する部分(16)」は、コイル上端から金属線を延伸ばし下方向に屈曲させてナットと係合するために(一旦)コイルを一旦“外側”に拡径したものであり、機能的には「直径よりも大巻する部分(16)」と「ナットと係合している部分(17)」で「ナットと係合」している。
本明細書では、この「屈曲形成し螺条部分(14)」をナットと係合させるため部材を「ナット係合部(15)」と呼ぶ。例えば、特許文献1においては、「直径よりも大巻する部分(16)」と「ナットと係合している部分(17)」によって、「ナット係合部(15)」が形成されている。
基本原理を、図1により説明する。ここで「緩止コイル」の上端は六角ナットに固定されている。下端は自由端とする。これに「ボルト」を螺合(挿入)する−すなわち、ボルトを右回転させると、該ボルトと該緩止コイルの摩擦力の作用により、該緩止コイルは捻られるように回転する。
この時、緩止コイルの「上端」が六角ナットに固定されているため、金属線の弾性により、緩止コイル「緩む」ように(拡径するように)動く。従って、該ボルトと該緩止コイル間の摩擦力は小さくなり、装着(ボルトの挿入)は容易に可能となる。
しかし、取り外す場合は、逆に「径が縮小する」ように力が働く。この場合、該ボルトと該緩止コイル間の摩擦力が増大して(締め付けるような状態になり)、回転が阻止される。
さらに取り外す方向に力を加えると(より締め付けられて)一層強い力で締め付けられる。従って、一旦装着してしまったら、もはや人為的にも「抜く」ことは難しく、極めて強力な「緩止」防止効果がある。
上記の構成では、十分な「緩み防止」の効果を得るには、コイルの内径がボルトの外径より若干小さく(この方が「強い」摩擦力が発生する)する必要があるが、このように“強い摩擦力”が生じるように構成すると、装着時(=ねじ込む時)の「金属線とボルトの摩擦力」も大きくなるため、装着が難しくなる。
これに対して、図2のように「ツマミ」を具備したものもある。
特開2001−59514
特許文献2は、コイルバネ部(特許文献1の「屈曲形成し螺条部分(14)」)により「ナットの離脱方向の回転を規制」するものである。要するに、意味する内容は特許文献1と本質的に同じである。もっとも、特許文献2では、特許文献1と異なり、「バネ部(14)」(特許文献1における「屈曲形成し螺条部分(14)」に相当する)とナット12は(直接的には)係合していない。そのため、特許文献1であれば「ナットの一部」として、普通にナットにボルトを装着する感覚で操作できるが、特許文献2の構成では「緩止具を後付けできる」半面、緩み止め機能を持つ「バネ部(14)」とナットを別々に装着しなければならない。
図2は特許文献2の構成例である。特許文献1と異なり、バネ部(緩止具)はナットと係合していない。バネ部(緩止具)はボルトにナットを装着した後に、別途(ボルトの先端から)ボルトに螺合させる。図2の「ツマミ」22は、「バネ部」を回転させてボルトに装着させるためのものである。この後(図示しないが)バネ部(緩止具)に適合したキャップを被せても良い。図3は、単に、キャップとバネ部(緩止具)を一体にした構成である。上記バネ部(緩止具)は、例えば、「ナット2の締り状態の点検時には、ツマミ部33に治具等を引掛けて、引張って取り外す。このとき、バネ部32は離脱方向には回せないためキャップ部31とバネ部32は破壊されて取り外され、新しい緩み止め30が装着される。ナットの形状をしたキャップ部31(b)も同様に用いられる」と特許文献2に記載されているように、メンテナンスの際には「破壊」して取り外すことになる。
しかし、上述の構成には、以下の問題点がある。
第一に、メンテナンスの問題がある。
特許文献1の方法も、特許文献2の方法も、装着した「緩止具」を外すことが難しい。両者とも、ナットを締め付けている「バネ」を緩める構成を持たない。従って、外すためには(上述のように)破壊することになる。この場合、同部品を再装着することはできない。しかし、鉄道等のように安全性を重視する場合、メンテナンスは頻繁に(随時)行われる。しかも、単に「増し締め」するだけでなく、必要に応じて部品を外し(点検した上で)再び装着することもある。このようなメンテナンスが頻繁に行われる場合、部品を外して点検する度に「破壊」して取り外す方法は、非常に手間がかかり、また、部品も無駄になる。従って、とても実用に耐えるものとは思えない。特に、特許文献2の方法は「ナット」と「緩止具(バネ部32)」が別々になっているため、頻繁にメンテナンスが必要な用途には不向きである。
第二に、(第一の問題とも関連するが)工具の問題(作業効率性の問題)がある。
特許文献1の方法は、ナットに金属線を巻き付けているため(ナットに適合した)汎用の工具が使用できない。また、上記のように、取外不能(破壊して取り外す)である。尚、特許文献2の方法は(特許文献1のような構成でないため)ナット自体は普通に工具を使用して装着できる。しかし、何れも(上記のように)取り外しできない。勿論、工具を使用しても同じである。従って、実質的に両者とも汎用工具の使用には適さず実用性が低い。
第三の問題として、コストの問題がある。
特許文献1の方法は(ナットに金属線を巻き付けているだけなので)コスト的な増加は僅少かもしれない。しかし、特許文献2の方法は、(1)金属線を加工して「ツマミ」を形成し、(2)さらに、(1)の「ツマミ」に適合する「キャップ」を使用しなければならない。従って、特許文献2の方法では、コスト増が問題となる恐れもある。さらに、緩止具を外す度に(破壊するため)新規部品が必要になる。従って、メンテナンスコストは多大になろう。
本願発明は上述の問題点を解決するために考案されたものである。すなわち、第一に、汎用の工具を用いて「装着」及び「離脱」を簡単に行えること、第二に、これらを安価に提供できること、である。
具体的には、「スパナ」、「ボックスレンチ」、「きく」等々の、一般的な(JIS規格に適合した)汎用工具を用いることで、簡単に「締め付け」あるいは「取り外し」が行える「緩止具付ナット」を提供することを課題とした。また、一般的な(JIS規格に適合した)汎用ナットと(バネを構成する)金属線のみを使用して、大量生産に適した製造方法によって加工し得ることを課題にした。
本願発明では、上記の汎用工具の装着時には「自動的に、バネによるボルトの締付を緩める(緩止機能を解除する)」特徴と、それ以外の場合(すなわち、上記の汎用工具を外した場合)には「バネによりボルトを締付ける(緩止機能を持つ)」特徴と、を有することによって上記課題を実現した。
本発明の第一の構成は、
スパナ、ボックスレンチ、きく、のようなナットの緩み締め操作を行う緩締工具を用いて、ボルトに容易に螺合・螺脱し得る緩み止め機能付きナットであって、
弾性のある金属線材によって構成された緩止具が、
前記ボルトと螺合した前記ナットから突き出した該ボルトの突出部分の螺条に嵌合可能であり、前記金属線を螺巻した緩止コイル部と、
前記緩止コイル部の上端から下方に屈曲し、前記ナットと係合可能なナット係合部と、
前記緩止コイル部の下端から接線方向に外方に向かって、前記ナットの外縁を越えて延伸した金属線によって構成された締付自動調整部を具備し、
前記緩締工具を装着することによって、前記締付自動調整部が押圧されて前記緩止コイル部が拡径するように、前記ナット側面に形成された緩止具係合部と、前記ナット係合部を介して、前記緩止具を前記ナットに係合させたことを特徴とするものである。
上記の構成によれば、本願発明の締付自動調整部は、緩止コイル部の下端から「接線方向に外方に向かって」かつ「前記ナットの外縁を越えて」延伸された金属線により構成された締付自動調整部は、「前記ナットの外縁を越えて」延伸されているため、緩締工具が装着されて締付自動調整部が押圧される。この場合、緩止コイル部の下端から「接線方向に外方に向かって」金属線は延伸されて締付自動調整部が構成されているため、押圧された締付自動調整部によって、比較的スムーズに緩止コイルは拡径し、緩止コイルによるボルトの締め付けが緩み、コイルの金属線とボルトの摩擦力が小さくなって、緩締操作が簡単に行える。
また、緩締工具の装着を解くと、締付自動調整部の押圧が解かれるため、金属線の弾性により元の形状に戻ってボルトを締め付ける。このため、緩締工具をナットに装着した時だけ「緩止具」は緩むが、他の時はボルトを締め付け「緩み止め」として働くことになる。
本発明の第二の構成は、上記の第一の構成に加えて、
緩止具係合部は、ナット係合部と嵌合可能であって、緩止具を構成する金属線と略同じか若干細い縦溝をナット側面に刻んだものであることを特徴とするものである。
上記の構成によれば、ナット上に形成する緩止具係合部は、細い縦溝をナット側面に刻んだものであるため、ナットを簡単に加工できる。また、ナット係合部は緩止具と一本の金属線で形成されているため、当該部分を同金属線と略同じか若干細い細溝に圧入する等の方法によって簡単に係合させることができる。
例えば、ナット上面に加工する場合、旋盤によって加工する必要があるために手間がかかる。しかし、側面に細溝を形成するだけなら、旋盤でなくカッターを用いることができる。
本発明の第三の構成は、上記の第二の構成に加えて、
ナット係合部は、その断面が略楕円、あるいは、その一部を切り落した形状の細長形状であり、その最短径部分は緩止具係合部と略同じか若干太く緩止具係合部と嵌合可能であり、その最長径部分は該ナット係合部が該緩止具係合部と嵌合した状態で回転することを防ぐために緩止係合部の細溝の幅より長くしたことを特徴とするものである。
上記の第三の構成により、緩止具をナットの端部において支持した場合でも、当該緩止具が無用に回転することを防ぐことができる。
本発明の第四の構成は、上記の第三の構成に加えて、
ナット係合部はナットと係合する際に該ナットと接触する接合部を有し、前記接合部は緩止具を構成する金属線の側面をプレスして形成されたものであることを特徴とするものである。
この構成により、一本の金属線を加工して、仕上げの段階にて緩止具のナット係合部(ナットと係合する部分)を簡単に構成することができる。
本発明の第五の構成は、上記の第三または四の構成に加えて、
ナット係合部はナットと係合する際に該ナットと接触する接合部を有し、前記接合部は緩止具を構成する金属線の側面をプレスして形成されたものであることを特徴とするものである。
この構成によっても、上記の第四の構成と同様に、一本の金属線を加工して、仕上げの段階にて緩止具のナット係合部(ナットと係合する部分)を簡単に構成することができる。
本発明の第六の構成は、上記の第一から第五の構成の何れか一つに加えて、
緩止具係合部が、ナットの角部に該角部を削ることによって形成されたことを特徴とするものである。
このように、六角ナットを削って形成することで、加工前のナットの外寸法を逸脱することなく当該部材を構成することが可能となり、汎用工具が(加工前のナットと同様に)使用できる。
また、ナットを加工する際、ナットの角部は最も肉厚であるため、強度的にも加工に適している。
本発明の第七の構成は、上記の第六の構成に加えて、
ナットは、締付自動調整部を動きやすくなるために、前記ナットの一部を削ることにより形成した締付自動調整部軌道面を有し、ナットの緩み締め操作に適合した緩締工具を装着した場合に、該締付自動調整部が該ナットに引っ掛からずに緩止コイル部を押圧・拡径し得ることを特徴とするものである。
この構造は非常に重要である。
例えば、側面作用部を有する締付自動調整部を押圧して緩止コイルの締め付けを緩まる場合、上記側面作用部は若干回転するように移動する。この時、例えばナットの角部に引っ掛かってしまうと、工具を装着しても自動的にコイルを拡径することができない。このような場合、予め、ナットの一部を削ることで、当該締付自動調整部が動く領域を確保することができる。この領域を確保するために削ったナットの部分(の削った表面)を本発明では「締付自動調整部軌道面」と呼んでいる。
本発明の第八の構成は、上記の第七の構成に加えて、
締付自動調整部軌道面は、六角ナットの一角を該六角ナットの中心軸に平行な平面に沿って切断したものであることを特徴とするものである。
この構成によって、市販されている規格適合品の六角ナットを加工するだけで構成でき、当該ナットを緩締できる規格適合品の緩締工具を使用することが可能になる。
また、ナット加工は、六角ナットを一回の切断することで実現できる。
本発明の第九の構成は、上記の第七または第八の構成に加えて、
緩止具係合部が形成された六角ナットの角部(の正六角形の頂点)と、締付自動調整部軌道面が形成された角部(の正六角形の頂点)とが、ナットの中心から180°の角度をなすことを特徴とする。
このように構成することにより、緩止具係合部が形成された六角ナットの角部(の正六角形の頂点)と、一部を削り落した六角ナットの角部(の正六角形の頂点)とが、ナットの中心を中心として対称に配置されるため、構造的に安定なものとなる。
本発明の第十の構成は、上記の第七または第八の構成に加えて、
緩止具係合部が形成された六角ナットの角部(の正六角形の頂点)と、締付自動調整部軌道面が形成された角部(の正六角形の頂点)とが、後者を基準に前者をナットの中心から反時計回りに120°の位置に設けたことを特徴とするものである。
上記の構成では、緩止具に工具を装着して締付自動調整部が機能している場合、最も力が加わる位置をナット係合部で支える構造となるため、使いやすい構成が実現できす。
本発明の第十一の構成は、上記の第六の構成に加えて、
ナットは、六角ナットの角部を削り落した締付自動調整部軌道面を有し、緩止具係合部がナットの角部以外の側面部に形成され、前者を基準に後者をナットの中心から反時計回りに120°から180°の範囲に設けたことを特徴とする請求項6に記載された緩み止め機能付きナット。
上述のように、180°の配置では「緩止解除」しない場合に適しており、120°の場合は「緩止解除」した場合に適している。このため、必要に応じて「120°〜180°」の範囲で位置を調整することにより、より実用的な構成を実現することが可能になる。
本発明の第十二の構成は、上記の第一から第十一の構成の何れか一つに加えて、
締付自動調整部は、ナット外縁近傍からナット側面に沿って下方向に延伸した側面機能部を有することを特徴とするものである。
上記の側面機能部は締付工具の側方からの押圧に対して有効に機能するものである。
例えば「スパナ」を使う場合、「スパナ」は多くの場合、ナットの側面から装着させる。
この場合、例えば、スパナを多少ナットの上にずらせて装着したら、側面機能部がない締付自動調整部を押圧することも不可能ではないが、敢えてスパナをずらせて装着する使用方法は慣れないと難しく、またスパナとナットが接している接触面積が小さくなるため、上手くナットを操作できない恐れもある。
しかし、上記のような「側面機能部」が具備されていれば、スパナを上にずらせて使用することもなく、普通にナットに装着しても、確実に「スパナ」が締付自動調整部を押圧することで、緩止コイルの締め付けを緩めることができる。
本発明の第十三の構成は、上記の第一から第十二の構成の何れか一つに加えて、
締付自動調整部は、ナット外縁近傍に屈曲機能部を有することを特徴とするものである。
上記の屈曲機能部は締付工具の上方からの押圧に対して有効に機能するものである。
この「屈曲機能部」は、上部に壁面のある、例えば「ボックスレンチ」のような緩締工具を用いる場合に効果がある。
また、この「屈曲機能部」は当該部分が金属線の長さに余裕を持たせる「遊び」の役割を担う。
本発明の第十四の構成は、上記の第十二あるいは第十三の構成に加えて、
締付自動調整部は、緩止コイル部の下端からナット外縁近傍までナット上面と平行に延伸したものであることを特徴とするものである。
この構成は、緩締工具からの押圧力を最も効果的に緩止コイル部に伝達できる。
本発明の第十五の構成は、上記の第十四の構成に加えて、
締付自動調整部の屈曲機能部は、金属線を一旦上方向に屈曲させ、直ちに下方向に屈曲させることにより、突起状の形状であることを特徴とするものである。
上記のように屈曲機能部を「突起状」に形成することで、屈曲機能部を簡単に構成できる。
本発明の第十六の構成は、上記の第十二あるいは第十三の構成に加えて、
締付自動調整部は、緩止コイル部の下端からナット外縁近傍まで若干上方向となる傾斜を有して延伸したものであることを特徴とするものである。
この構成は、第十二あるいは第十三の構成に次いで緩締工具からの押圧力を効果的に緩止コイル部に伝達できるものであり、さらに、上方向への傾斜によって当該部分が上部に出っ張ることで、当該部分の端部に屈曲機能部を簡単に構成できる。
本発明の第十七の構成は、上記の第十六の構成に加えて、
締付自動調整部の側面機能部は、緩締コイル下端からナット外縁近傍まで若干上方向となる傾斜を有して延伸した金属線の端部から金属線を略垂直かつ若干外向きに下方向に延伸したものであり、緩締工具は装着によって前記機能部と当接するが、前記側面機能部が弾性変形して、前記工具に装着可能であることを特徴とするものである。
上記のように構成することにより、締付自動調整部はナット側面に沿って延伸され、例えば「きく」のように、ナットの上部から覆いかぶせるように使用するが「レンチ」異なり上部に壁面がない緩締工具であっても、若干外向きに下方向に延伸した側面機能部が「きく」の下部内側面と当接することで、確実に締付自動調整部を押圧して緩止コイルの締め付けを緩めることができる。
また、緩締コイル下端からナット外縁近傍まで若干上方向となる傾斜を有して延伸した金属線の端部から金属線を略垂直かつ若干外向きに下方向に延伸すれば、その折れた部分は「上に凸」の形状となるため、屈曲機能部が簡単に構成できる。
本発明の第十八の構成は、上記の第一から第十七の何れかの構成に加えて、
ナットと係合している緩止具の最大外径が、前記ナットと適合する「スパナ」の装着前は該「スパナ」の内寸法よりも大きく、該「スパナ」を装着することにより「スパナ」の内壁に締付自動調整部が当接し、押圧されることで、締付自動調整部が弾性変形して、前記の緩止具の最大外径が該「スパナ」の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とすることで、該「スパナ」が装着可能であり、かつ同工具の装着によって自動的にボルトの締め付けを解除するものである。
上記の寸法の範囲であれば、本願発明は緩締工具の装着によって緩止具が弾性変形して工具の内側に入り込めるため、当該緩締工具の装着は可能である。
本発明の第十九の構成は、上記の第十八の構成に加えて、
ナットと係合している緩止具の最大外径が、弾性変形させることにより、前記ナットと適合する「スパナ」の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とするものである。
上記の寸法の範囲であれば、本願発明はナットと適合する「スパナ」の装着によって緩止具が弾性変形して「スパナ」の内側に入り込めるため、当該「スパナ」の装着は可能である。そして、同該工具の装着によって、締付自動調整部が当接し、押圧されることにより、緩締コイルは拡径され、ボルトへの締め付けが解除される。
本発明の第二十の構成は、上記の第十八の構成に加えて、
ナットと係合している緩止具の最大外径が、弾性変形させることにより、前記ナットと適合する「きく」の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とするものである。
上記の寸法の範囲であれば、ナットと適合する「きく」の装着によって緩止具が弾性変形して「きく」の内側に入り込めるため、当該「きく」の装着は可能である。
本発明の第二十一の構成は、上記の第十八の構成に加えて、
ナットと係合している緩止具の最大外径が、弾性変形させることにより、前記ナットと適合する「ボックスレンチ」の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とするものである。
上記の寸法の範囲であれば、ナットと適合する「ボックスレンチ」の装着によって緩止具が弾性変形して「ボックスレンチ」の内側に入り込めるため、当該「ボックスレンチ」の装着は可能である。
本発明の第二十二の構成は、上記の第一から第二十一の何れかの構成に加えて、
ナット係合部と緩止具係合部が溶接によって接合されたことを特徴とするものである。
上記構成によって、追加部材なしに強固な係合が簡単に得られる。
本発明の第二十三の構成は、上記の第一から第五の何れかの構成に加えて、
ナット係合部と緩止具係合部の係合が、「かしめ」により接合されていることを特徴とするものである。
上記構成によっても、追加部材なしに強固な係合が簡単に得られる。
本発明の第二十四の構成は、上記の第六から第十の何れかの構成に加えて、
角部を削ることによって形成された緩止具係合部の先端部分を「かしめ」ることによってナット係合部と緩止具係合部の係合されていることを特徴とするものである。
上記構成によって、尖っていて危険であった緩止具係合部の先端部分を安全なものとすることができると同時に、追加部材なしに強固な係合が簡単に得られる。
本発明により、例えば「スパナ」、「ボックスレンチ」、「きく」等の緩締工具を前記ナットに装着すると、その装着する動作によって自然にコイルが緩むため、金属線から大きな摩擦力を受けることなくボルトの緩締作業が行える。
この機能によって、一旦装着したボルトであっても、工具を装着したら「締め付け」が弱くなるため、ボルトの点検(「緩み止」を外した状態での「締め付け」状況の点検)、締め付け(「緩み止」を外した状態での「締め付け」操作)、交換(他のボルト、あるいは、「締め付け具」付きナットの新しい部品への取り換え)が簡単に行える。
また、締付自動調整部が「緩止コイル部の下部から接線方向にナット外縁まで延伸」しているため、例えば「スパナ」、「ボックスレンチ」、「きく」のような工具を装着されて、締付自動調整部が押圧された場合、緩止コイル部に対し最も有効に力が作用する。
このため、弾性変形しやすく、緩止コイル部の拡径動作もスムーズに行われる。また、工具を外した際の(工具を装着する前の緩止作用がある状態に戻る)復元動作も、緩止コイル部の“ばね作用”が有効に伝達されるため、スムーズに行われる。
上記の一連の動作(工具が装着されたら「締め付け」を弱め、工具を外したら「締め付け」を強める)は、「工具の装着」という動作に付随して自動的に(自然に)行われる。
さらに、締付自動調整部の屈曲機能部が、外縁近傍で若干上方向に膨らんだのちナット側面に沿って下方向に延伸している。すなわち、上方向に小さい凸部が形成されている。これは、例えば、「ボックスレンチ」のように上部に壁面がある工具に対して有効に機能する。
また、六角ナットの角を落とすことで、側面機能部が角の内側に入り込むように動くことが可能となる。
これに対して、角を落とさない場合、緩締工具による押圧に対して側面機能部が前記の角に引っ掛かって殆ど動くことができない恐れもある。
この余裕は重要である。上述のように、本願発明の構成では「工具が金属線を内側に押す」ことで、コイル部の「締め付け」を制御する(緩める)。この「工具が金属線を内側に押した」結果、金属線は内側に動くが、金属線は弾性であり、かつ、ボルトを締め付けて十分な摩擦力を発生できる程度に強い力が働くものであるため、「ナット側面の金属線」を工具で内側に押した場合、正確には(内側に入りつつ)“拡径する方向”に回転する。従って、側面の金属線が動く余裕がないと、十分に機能できない。
また、この余裕が少ないと工具の装着姿勢(ナットに対する工具の角度)が不自由にもなる。これが制約されると使い勝手が悪くなるが、上記の構成は、このような問題は生じない。
さらに、線材略同じか若干細い細溝をナット上面に設け、当該細溝に係合部を嵌め込んでいる。この構成は、極めて強固な係合をナットと線材の間に作ることができる。
しかも、上記の構成は、ナットを加工するコストだけで実現できる。
以上のように、本発明の「緩み止め機能付きナット」は、通常はボルトを「締め付け」ることによって「緩み」を防ぐ(=着脱を困難にする)機能を有する。同時に、ナットに適合した工具を装着すれば“自動的に(自然に)”ボルトの「締め付け」を緩めて着脱容易になる。
従って、通常は「緩止具」として機能しつつ、工具使用時には(工具を装着するだけで)自動的に「緩止」の機能を解除できるため「メンテナンス」が非常に楽になる。
例えば、「緩み」を点検する場合は、従来の「緩み止」では“人の力で外せない”ため、「緩み」が発生しているか否かが判断できなかった。しかし、本願発明の構成では、工具を装着した時点で「緩止機能が解除」されるため、ボルトとナットの係合程度の検査を非常に簡単に行うことができる。また、この過程で(緩みが生じていれば)工具を用いて「締め付ければ」強固な係合を回復できる。
また、部品の交換も容易である。工具を装着している状況では「緩み止め」の機能は停止しているため、部品を簡単に外すことができる。
さらに、本願発明は、規格品(例えば工具、六角ナット、コイル状の金属線)に若干の加工を行うことで実現できる。通常のボルト、ナットに加えて必要な部材は“コイル状の金属線”のみであり、これに加えて(六角)ナットの一部を加工するだけで実現できるため、コスト的にも非常に安価なものにできる。
以下、本発明の実施の形態について、図4〜図28を参照しながら説明する。
図4には本願発明の実施例1を示す。
この実施例は、本願発明の原理を示すための例である。
図4は、本発明の実施例1の緩止機能付きナット101にボルト11が螺合している状態を示す。緩止機能付きナット101は、規格品の六角ナットを加工したもの(以下、施加工六角ナット102)と緩止具103により構成されている。
図4(a)は側面図、図4(b)は斜視図である。
緩止具103には、ナット係合部120が形成されている。また、施加工六角ナット102は、前記ナット係合部120と係合する緩止具係合部130が形成されている。
この緩止具係合部130は、例えば、六角ナットの角部に、ナット係合部120を構成する金属線材と略同じか若干細い縦溝を、前記六角ナットの側面に刻んだものである。
前記ナット係合部120は前記緩止具係合部130に嵌め込まれるようになるため、例えば、スパナ、レンチのように(加工する前の)六角ナットと適合する工具は使用できる。
緩止具103は、上記のナット係合部120の他に、締付コイル部14、及び締付自動調整部110を具備している。
締付コイル部14は、従来技術の締付コイル(特許文献1の「屈曲形成し螺条部分」、特許文献2「バネ部(14)」に相当するもの)と同様のものであり、弾性のある金属線によって形成されている。
材質としては、鉄を主原料とした鋼材である。例えば、錆びにくいステンレス鋼が好ましい。もっとも、弾性があり、安価で加工しやすい材料なら適用できる。緩止具103は、前記の締付コイル部14、締付自動調整部110、ナット係合部の各部材を、一本の線材を加工して形成している。
この締付コイル部14の巻き数は、経験的には3巻前後が丁度良い。
締付自動調整部110は、締付コイル部14の下端から、さらに金属線を接線方向に延伸して構成される。締付コイル部14の下端点(P1)から、当該位置における締付コイル部14の接線方向に締付自動調整部110は延伸されている。
これは、締付自動調整部110が押圧された力を、効率良く「締付コイル部」に伝えるためである。
実施例1では、この締付自動調整部110は施加工六角ナット102の上面に沿って平行に当該ナット外縁に向かって延伸している。
本願発明は、例えば、「スパナ」、「きく」、「ボックスレンチ(ボックスレンチ)」のようなボルトとナットの締付工具を上記ナットに装着することで、この締付自動調整部110が工具に押圧され、締付工具装着時に自動的に締付コイル部14の締め付けを緩ませることで、緩止具103の緩み止め(締付け)を自動的に解除するものである。
図5では、本願発明の緩止機能部分を分かりやすくするため、前記施加工六角ナット102と緩止具103とを分離させたものを示す。ボルト11は点線にて示す。
図5のように、施加工六角ナット102の角部の側面に、緩止係合部130として、細い縦溝を形成する。この緩止係合部130は、緩止具103に具備したナット係合部120と適合するように形成されている。
ナット係合部120は、締付コイル部14と連結されている部分(ナットとは係合していない部分、以下「連結部」)121とナットと係合する部分(以下、「接合部」)122により構成される。
ナット係合部120の連結部122は、緩止係合部130と嵌合わせられる。これを、例えば圧入すれば、極めて強く両者は係合する。
図6には、締付自動調整部110がスパナ190によって押圧される例である。ここでは、スパナ190を上方向に多少ずらして、スパナ190の内側で締付自動調整部110の金属線の端(P2)を押圧する場合を考える。
図6のように、締付自動調整部110は上面から見れば、同図のように、緩止コイル部14の下端から、接線方向にナット外縁まで直線的に延伸している。
P2の位置で締付自動調整部110が外側から押圧された場合、締付自動調整部110の端部を丸める等してスパナ190の壁面に沿って動けるならば、押圧されることで、P2からP3に動く。
これは緩止コイル部14が弾性のある金属線によって構成されているため、バネ類似の作用によるものである。
上記金属線が図6のように(緩止コイルの締め付けを緩ませる方向に)若干の回転を伴って押圧されることにより、緩止具103は締め付けを緩めて、スパナ190のような緩締工具による緩締操作が容易に実行できる。
図7には、ナット係合部120の構成を示す。図7(a)は全体図である。また、図7(b)は側面図である。この例では、連結部121と接合部122は同じ太さの金属線で構成されている。
図8には、ナット係合部120の接合部122と、施加工六角ナット102の緩止係合部130が係合している様子を示す断面図である。
図8(a)は、先に示した圧入の場合の例である。これで十分な係合力を得られる場合も多い。
しかし、さらに、確実に接合させたい場合は、例えば、図8(b)のように接着剤を用いる方法がある。これは、例えば、(瞬間接着剤のような)金属同士を強固に接着する接着剤181、あるいは、(図示しないが)同181の代わりに、例えば融点の低い「はんだ」のような金属を溶融させて接着させることによっても実現できる。
図9では、上記の接着剤181(含む、はんだ)のような部材を用いず、より強固な係合を得る方法を示す。
図9(a)は、図8(a)を溶接した例である。
例えば、図8(a)の状態で、側面から高温のバーナー等で加熱すると、ナット係合部120の接合部122、施加工六角ナット102の緩止係合部130、双方の表面が溶融して固着する。この場合、上述の例のように、接着に必要な「接着剤」あるいは「(はんだのような)低温で溶融する金属」を別途使用する必要なく、単に側面を加熱するだけで強固な係合が得られる。
尚、このような溶接を行う場合、例えば、(後の章で詳述するが)図20の例のように、施加工六角ナット102の緩止係合部130を(六角ナットの)角部に設けていない場合でも、簡単に強固な接合が得られる。
図9(b)は、図8(a)を「かしめ」た例である。
施加工六角ナット102の緩止係合部130を(六角ナットの)角部に設けた場合、図のように、細溝の側面が尖った形状になる。この尖った部分(図9(b)で点線により表示されているS1)に側面から強い力を加えて、先を潰すように塑性変形させる(かしめる)。この場合、かしめた部分(潰した先の部分:図9(b)のS2)が「蓋」のようになって、非常に強固な接合が実現できる。
図10には、ナット係合部120の接合部122の他の構成を示す。
例えば上述の図9(b)の「かしめ」た場合では、接合部122は潰した先の部分(図9(b)のS2)が蓋となるが、ナット係合部120の接合部122の表面と、施加工六角ナット102の緩止係合部130の内面の接触面は(両者は「圧入」されているだけであるため)接合部122に“仮に”強い回転力が加わると回転してしまう恐れもある。
通常、(特に、ボルトに装着されている時には)上記のような「強い回転力」が加わる恐れは殆どない。
しかし、例えば、(メンテナンス時に)ボルトから外した際、(指を引っ掛けて)金属線部に局所的に強い力を加えたような場合に有り得ない話ではない。
図10は、このような無用な回転を防ぐ構成の例である。
図10(a)は全体図、また、図10(b)は側面図である。ナット係合部120aの接合部122aは、ナット係合部120aの連結部121より(側面から見ると)細くしている。尚、ナット係合部120aの連結部121はナット係合部120の連結部121と同じである(従って、同じ参照番号を割り当てている)。
図11には、上記例の断面図を示す。ここでは、前述の(図9(b)の)「かしめ」る方法を用いた例に、図10のナット係合部120aを適用した場合の断面図を示した(図11(a))。
図11(a)では、ナット係合部120aの接合部122aの側面を、図11(b)のように削り、細長断面形状を形成している。図9(b)の方法と同様にして、細溝の側面が尖った部分(S1)に側面から強い力を加えて、先を潰すように「かしめ」ている(S2)。
この場合、ナット係合部120aの接合部122aの側面と施加工六角ナット102の緩止係合部130の内面の接触面が密に(例えば、接着剤等を用いて)接合していなくとも、緩止係合部130の細溝の幅より接合部122aの最大径が長いため回転する恐れはない。
図12には、上記のナット係合部120aの接合部122aと同様に、施加工六角ナット102の緩止係合部130の細溝よりも最大径が長いナット係合部の接合部の他の構成例(接合部122b)を示す。
図12(a)では、ナット係合部120aの接合部122aの側面を、図11(b)のようにプレスして潰して、細長断面形状を形成している。これも図9(b)の方法と同様にして、細溝の側面が尖った部分(S1)に側面から強い力を加えて、先を潰すように「かしめ」ている(S2)。
この例では、金属線をプレスするだけなので、殆どコスト増加しない。
上記の何れの場合も、比較的簡単な処理で構成できる。
この例は、本願発明の基本原理を示したものである。しかし、スパナ190を多少ずらして使用する等、使い勝手の良いものではない。そこで、以下の実施例2と実施例3では、使い勝手の良い形態を示す。
図13には本願発明の実施例2を示す。
図13は、本発明の実施例2の緩止機能付きナット201にボルト11が螺合している状態を示す。緩止機能付きナット201は、施加工六角ナット202と、緩止具203によって構成されている。
図13(a)は本実施例2の側面図、図13(b)は本実施例2の斜視図である。
施加工六角ナット202は、施加工六角ナット102に加えて、緩止具係合部が形成されていない六角ナットの角部の一つを削り落したものである。実施例1と同様に(加工前の)六角ナットに適合した緩締工具は使用し得る構成である。六角ナットの削り落した部分は、該六角ナットの一角を該六角ナットの中心軸に平行な平面に沿って切断している。
緩止具203は、実施例1と同様に(従来技術の締付コイルに相当する)締付コイル部14と、ナット係合部120(実施例1と同じ)、及び、締付自動調整部210によって構成されている。
実施例2では、実施例1の締付自動調整部110よりも確実に動作し得るように、屈曲機能部212と側面機能部213を具備する。尚、(実施例4のように)屈曲機能部212を介さず側面機能部213を直接に接続する構成も可能である。尚、屈曲機能部212を有していても、前記のように省いた場合と同様に側面機能部213は機能し得る。
具体的には、実施例1の締付自動調整部210も、実施例1の締付自動調整部110のように、締付コイル部14の下端の金属線をさらに延長して構成される。締付コイル部14の下端点(P1)から当該位置におけるコイルの接線方向に、締付自動調整部(基本部)211は延伸されている。
実施例2では、締付自動調整部(基本部)211も、締付自動調整部110のように、施加工六角ナット202の上面に沿って、これと平行に該ナット外縁に向かって延伸している。但し、締付自動調整部110と異なり、該ナット外縁に到達する前に、金属線を一旦上方向に屈曲させて、該ナット外縁に到達したら、今度は下方向に屈曲させた突起を形成する(屈曲機能部212)。
さらに、締付自動調整部210は、前記屈曲機能部212の端部であるナット外縁近傍から、ナット側面に沿って下方向に延伸した側面機能部213を備えている。
図14では、本願発明の緩止具203を分かりやすくするために、図13からボルト11、施加工六角ナットナット202を除いたものを示す。但し、コイルとボルトの関係を示すために、ボルト11は点線によって表示している。
図15には、側面機能部213の機能を説明する。図15(a)のように、締付自動調整部210が緩締工具によってP4からP5に動かされる場合を例にする。
図15(b)は上面図である。締付自動調整部210は上面から見れば、同図のように、緩止コイル部14の下端から、接線方向にナット外縁まで直線的に延伸している。
P2の位置で締付自動調整部が外側から押圧された場合、P2は矢印の方向にしか動けない。この動作によって、弾性金属によって構成された緩止具は締付けを緩める。
しかし、通常の六角ナットを使用した時、例えば図15(b)のように、(点線部のS3で示した)ナットの角が引っ掛かり、側面機能部213が機能しなくなる場合がある。
実施例2では、締付自動調整部210の側面機能部213が(点線部で示した)S3に引っ掛からないように、六角ナットの角の一つを落としている(図15(b))。
これは、例えば、図15(b)の点線部を切り落とすことで、一般に市販されている六角ナットに少し手を加えるだけで作ることができる。
図16には、実施例2の緩止機能付きナット201にスパナ190を装着する場合を示す。
規格に適合した六角ナットを操作する規格に適合した「スパナ」の場合、操作対象のナットの寸法と適合している。すなわち、六角ナットの寸法より若干大きめではある(=遊びがある)が、ボルトと螺合し得る緩止コイルの金属線の太さの遊びは有り得ない。
例えば図16(a)のようにスパナ190を装着する場合、緩止自動調整部210の側面機能部213に、スパナ190の最奥部の壁面が当接する。
この場合、「スパナ」は緩止自動調整部210の側面機能部213がある方向から装着する必要がある。
上記スパナ190をナット202とフィットするように“押し込む”と、側面機能部はP4からP5に移動させられる。上述のように、六角ナットの角は落としてあるため、側面機能部がナットの角に引っ掛かることなく、スムーズにP4からP5に押し込められる。
これに伴い、弾性金属によって構成された緩止コイル部の締付けが弱まり、手作業によってもナットの緩締作業が簡単に行える。
図16(b)から明らかなように、ナット202と緩止具203により構成される緩止機能付きナット201は、緩止具203が弾性変形することにより、ナット202と適合するスパナ190の内寸法より小さくなるため、上記スパナ190に装着し得る。
図17には、ナット202の角と側面機能部213との関係を示している。
ナットの角を落とす目的は、側面機能部213が引っ掛かることを防ぐためであり、同側面機能部213が動ける範囲なら、落とす量は少ない方が良い。
図18には、ナット202と緩止具203の係合の例を示す。
図18の場合も、実施例1のように、ナット202角部の側面に緩止係合部130として、細い縦溝を形成している。緩止具203のナット係合部120は、上記細溝と適合するように形成している。
これを、例えば圧入すれば、極めて強く両者は係合する。これは、実施例1と同様に実現できる。
図19及び図20には、実施例2と同種の構造で、ナットの角を切り落とした部分を基準として(ナットの中心で)反時計回に、ナット係合部と係合している部分のなす角(以下、配置角)を色々と変えた場合の実施例を示す。
図19(a)では、ナットの角を切り落とした部分(六角ナットの最も下の部分)とナット係合部のなす配置角は(前者を基準に、反時計回りに)120°である。
尚、図13〜図17の例では、配置角は180°である。図19(b)では、配置角は60°である。
このように、ナット係合部を六角ナットの角部に配置する場合、配置角(°)は60の倍数となる。
これに対して、図20は、ナット係合部を六角ナットの角部に配置しない場合の例である。図20(a)では配置角150°、図20(b)では配置角90°となる。
図21〜図25には実施例3を示す。
図21は、本発明の実施例3の緩止機能付きナット201にボルト11が螺合している状態を示す。緩止機能付きナット301は、施加工六角ナット302と、緩止具303によって構成されている。
図21(a)は側面図、図21(b)は斜視図である。
施加工六角ナット202aは、実施例2と同様である。緩止具303は、実施例2と同様に(従来技術の締付コイルに相当する)締付コイル部14と、ナット係合部120(実施例1と同じ)、及び、締付自動調整部210によって構成されている。本発明は、実施例2の締付自動調整部210の代わりに、締付自動調整部310を備えた発明の例である。
締付自動調整部310は、締付コイル部14の下端の金属線をさらに延長して構成される。締付コイル部の下端から、当該位置におけるコイルの接線方向に、締付自動調整部(基本部)311は延伸されている。
また、側面機能部313は、同212のように垂下するのでなく、若干(半径方向に)外側に開いて延伸している。
従って、屈曲機能部312は、締付自動調整部(基本部)311から側面機能部313に至るように折れることで形成できる。
図22には、(実施例2の場合と同様に)実施例3と同種の構造で、配置角を色々と変えた場合の実施例を示す。図22(a)は、配置角が240°の例である。また、図22(b)は、配置角が270°の例である。
これらの配置角の例(202e、202f)は、勿論、実施例2においても使用できる。また、逆に、実施例2で示した例(202a〜202d)も実施例3で使用できる。
図23〜図25においては、実施例3の例で「ボックスレンチ」を使用した場合の、本願発明の構成例と動作について示している。
図23(a)のように、緩締工具(「ボックスレンチ」390)を使用する場合に、図23(b)に示すように上から被せるようになる。この場合、側面機能部302が押圧されるか、あるいは、図24(a)のように、屈曲機能部312が押圧される。側面機能部が押圧される場合は、次の実施例4で説明する。ここでは屈曲機能部312が押圧された場合について説明する。
図24(a)のように、ボックスレンチ390を装着すると、同390の上部壁に屈曲機能部312が押圧されるか、ボックスレンチ390の側内壁部に側面機能部313が押圧される。ここでは、屈曲機能部が押圧されたものとする。この時、屈曲機能部312は図24(b)のような位置のあるものとする。
図25(a)のように、ボックスレンチ390の上内壁がP6で屈曲機能部312を押圧すると、屈曲機能部312が潰される形状になる。
この場合、当該部分に集中した力は、金属線の弾性によって全体に及ぶため、緩止コイル部14を緩ませるように作用する。
従って、結果的に(側面を押圧された)実施例1あるいは実施例2と同様に、屈曲機能部312も(締付の緩みに応じて)若干回転し、図25(b)のように移動する(P7)。
尚、側面機能部313が先に押圧された場合でも、屈曲部分が残っている場合には、「ボックスレンチ」の上壁によってさらに押圧される場合もある。
図23〜図25によって明らかなように、施加工六角ナット202aと緩止具303により構成される緩止機能付きナット301は、緩止具303が弾性変形することで、施加工六角ナット202aと適合するボックスレンチ390の内寸法より小さくなり、ボックスレンチ390に装着し得る。
図26〜図28に示すように、実施例4においては、(側面機能部だけで)屈曲機能部を有さない例を示す。尚、ここでは「きく」を使用した場合の、本願発明の構成例と動作についても示している。
図26は、(屈曲機能部を持たないで)締付自動調整部(基本部)と側面機能部が直接接合している例を示す。
図26(a)及び(b)のように、締付自動調整部(基本部)411は、締付コイル部14の下端点(P1)から外縁(P9)まで、施加工六角ナット202の上面と平行に延伸している。
また、側面機能部は、実施例2のように外縁(P9)から垂下するのでなく、実施例3のように若干(半径方向に)外側に開いて下方向に延伸している。
きく490は、図27(a)及び(b)のように、ナットの角と適合する「角部」が、レンチやスパナと異なり6以上(例えば、倍の12)ある。
この「きく」の特徴は、(スパナのように)角を合わせなくとも、簡単に装着できる点にある。
これを本発明に適用した場合の締付自動調整部410の動きを図28に示す。
図28(a)には、きく490を、緩止具403とナット402で構成された実施例4の緩止機能付きナット401に装着した場合の断面図である。
きく490を装着すると、同490の壁面に側面機能部413が押圧される。図のようにボルトを装着している場合、これ以上締まる方向には回転できないため、図28(b)のようにP10からP11に移動するように動く。
尚、もし、「きく」の位置が悪い場合、例えば、図28(b)のP9にきくの“山”が重なって、反対方向にしか動けないような場合、側面機能部413は動くことができずに(実際問題として)「装着できない」ことになる。しかし、この場合でも「きく」の位置を(上手く装着できるように)ほんの少しずらせば、難なく装着できる。何れの場合でも、「きく」を装着できる場合、必ず、図28(b)のような位置関係になる。
上記のように、「きく」490の谷間に側面機能部413が入り込んだ場合、前述するボックスレンチ390で押圧した場合よりも若干移動量は小さくなるが、図28(a)のように、多少外向きに開いている形状の場合では、上方への「遊び」がなくなるように移動するために、十分な移動量が確保できる。
図28(a)及び図28(b)から明らかなように、ナット402と緩止具403により構成される緩止機能付きナット401は、緩止具403が弾性変形することで、ナット402と適合し得る「きく490」の内寸法より小さくなり、きく490に装着し得る。
尚、上記の実施例の説明は、各実施例において「スパナ」、「きく」、「レンチ」を用いた場合を例に説明した。しかし、上述の説明から明らかなように、側面機能部は「スパナ」や「きく」のように横側から作用する緩締工具に適合するものであり、屈曲機能部は「レンチ」のように上側から作用する緩締工具に適合するものである。
従って、上記の実施例2〜4では、各々側面機能部と屈曲機能部を具備しているため「スパナ」、「きく」、「レンチ」の全てに対応できる。
また、ナットに関しては、実施例1で示したように(角を落としていない)「六角ナット」の適用も可能である事例も示したが、側面機能部を有する場合(実施例2〜4)のように「六角ナット」の角を落とした構成の方が好ましいことは言うまでもない。尚、通常は六角ナットを使用するが、規格に従ったものであれば、六角以外のナットでも使用し得る。
六角ナットは「緩止具」と係合させる係合部(例えば、細溝)が必要なため、何も手を加えない「六角ナット」を使用することは難しい。ユーザには「緩止具」をナットに係合させた「緩止機能付きナット」の形で提供されると思われる。
従来法(特許文献1)の説明図 従来法(特許文献2)の説明図(その1) 従来法(特許文献2)の説明図(その2) 実施例1の説明図 実施例1における緩止具とナットの係合 実施例1における締付自動調整部の動き 実施例1のナット係合部(斜視図、側面図) 実施例1のナット係合部の断面図(その1) 実施例1のナット係合部の断面図(その2) 実施例1のナット係合部(その他の例) 実施例1のナット係合部の断面図(その他の例) 実施例1のナット係合部の形成例(その他の例) 実施例2の説明図(その1) 実施例2の説明図(その2) 実施例2における締付自動調整部の動き(その1) 実施例2における締付自動調整部の動き(その2) 実施例2におけるナットの角落とし部分の範囲 実施例2における緩止具とナットの係合 実施例2における他の構成例(その1) 実施例2における他の構成例(その2) 実施例3の説明図 実施例3における他の構成例(その1) 実施例3における締付自動調整部の動き(その1) 実施例3における締付自動調整部の動き(その2−1) 実施例3における締付自動調整部の動き(その2−2) 実施例4の説明図 実施例4における締付自動調整部の動き(その1) 実施例4における締付自動調整部の動き(その2)
11 ;ボルト
12 ;六角ナット
13 :緩止具(特許文献1のもの)
14 ;緩止コイル(コイルバネ)
15 ;ナット係合部
16 ;ナット係合部(ナットと係合していない部分)
17 ;ナット係合部(ナットと係合している部分)
21 ;ツマミ部(その1)
22 ;ツマミ部(その2)
31 ;キャップ(その1)
32 ;キャップ(その2)
101 ;緩止機能付きナット(実施例1)
102 ;施加工六角ナット
103 ;緩止具
110 ;締付自動調整部
120 ;ナット係合部
121 ;ナット係合部(ナットと係合していない部分)
122 ;ナット係合部(ナットと係合している部分)
122a ;ナット係合部(122の別の構成例)
130 ;緩止具係合部
190 ;スパナ
201 ;緩止機能付きナット(実施例2)
202 ;施加工六角(変形七角)ナット(実施例2)
203 ;緩止具(実施例2)
201a ;緩止機能付きナット(実施例2の他の構成1)
202a ;施加工六角(変形七角)ナット(202の他の構成1)
203a ;緩止具(実施例2の他の構成1)
201b ;緩止機能付きナット(実施例2の他の構成2)
202b ;施加工六角(変形七角)ナット(202の他の構成2)
203b ;緩止具(実施例2の他の構成2)
201c ;緩止機能付きナット(実施例2の他の構成3)
202c ;施加工六角(変形七角)ナット(202の他の構成3)
203c ;緩止具(実施例2の他の構成3)
201d ;緩止機能付きナット(実施例2の他の構成4)
202d ;施加工六角(変形七角)ナット(202の他の構成4)
203d ;緩止具(実施例2の他の構成4)
210 ;締付自動調整部
211 ;締付自動調整部(基本部)
212 ;屈曲機能部
213 ;側面機能部
301 :緩止機能付きナット(実施例3)
302 :施加工六角(変形七角)ナット(202aに同じ)
303 ;緩止具(実施例3)
301a :緩止機能付きナット(実施例3)
302a :施加工六角(変形七角)ナット(202の他の構成5)
303a ;緩止具(実施例3の他の構成1)
301b :緩止機能付きナット(実施例3)
302b :施加工六角(変形七角)ナット(202の他の構成6)
303b ;緩止具(実施例3の他の構成2)
310 ;締付自動調整部
311 ;締付自動調整部(基本部)
312 ;屈曲機能部
313 ;側面機能部
390 ;ボックスレンチ
401 :緩止機能付きナット(実施例4)
402 :施加工六角(変形七角)ナット(202aに同じ)
403 ;緩止具(実施例4)
410 ;締付自動調整部
411 ;締付自動調整部(基本部)
413 ;側面機能部
490 ;きく

Claims (24)

  1. スパナ、ボックスレンチ、きく、のようなナットの緩み締め操作を行う緩締工具を用いて、ボルトに容易に螺合・螺脱し得る緩み止め機能付きナットであって、
    弾性のある金属線材によって構成された緩止具が、
    前記ボルトと螺合した前記ナットから突き出した該ボルトの突出部分の螺条に嵌合可能であり、前記金属線を螺巻した緩止コイル部と、
    前記緩止コイル部の上端から下方に屈曲し、前記ナットと係合可能なナット係合部と、
    前記緩止コイル部の下端から接線方向に外方に向かって、前記ナットの外縁を越えて延伸した金属線によって構成された締付自動調整部を具備し、
    前記緩締工具を装着することによって、前記締付自動調整部が押圧されて前記緩止コイル部が拡径するように、前記ナット側面に形成された緩止具係合部と、前記ナット係合部を介して、前記緩止具を前記ナットに係合させたことを特徴とする、緩み止め機能付きナット。
  2. 緩止具係合部は、ナット係合部と嵌合可能であって、緩止具を構成する金属線と略同じか若干細い縦溝をナット側面に刻んだものであることを特徴とする、請求項1に記載の緩み止め機能付きナット。
  3. ナット係合部は、その断面が略楕円、あるいは、その一部を切り落した形状の細長形状であり、その最短径部分は緩止具係合部と略同じか若干太く緩止具係合部と嵌合可能であり、その最長径部分は該ナット係合部が該緩止具係合部と嵌合した状態で回転することを防ぐために緩止係合部の細溝の幅より長くしたことを特徴とする、請求項2に記載の緩み止め機能付きナット。
  4. ナット係合部はナットと係合する際に該ナットと接触する接合部を有し、前記接合部は緩止具を構成する金属線の側面をプレスして形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の緩み止め機能付きナット。
  5. ナット係合部はナットと係合する際に該ナットと接触する接合部を有し、前記接合部は緩止具を構成する金属線の側面をプレスして形成されたものであることを特徴とする請求項3または4に記載の緩み止め機能付きナット。
  6. 緩止具係合部が、ナットの角部に該角部を削ることによって形成されたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載された緩み止め機能付きナット。
  7. ナットは、締付自動調整部を動きやすくなるために、前記ナットの一部を削ることにより形成した締付自動調整部軌道面を有し、ナットの緩み締め操作に適合した緩締工具を装着した場合に、該締付自動調整部が該ナットに引っ掛からずに緩止コイル部を押圧・拡径し得ることを特徴とする、請求項6に記載された緩み止め機能付きナット。
  8. 締付自動調整部軌道面は、六角ナットの一角を該六角ナットの中心軸に平行な平面に沿って切断したものであることを特徴とする、請求項7に記載された緩み止め機能付きナット。
  9. 緩止具係合部が形成された六角ナットの角部(の正六角形の頂点)と、締付自動調整部軌道面が形成された角部(の正六角形の頂点)とが、ナットの中心から180°の角度をなすことを特徴とする請求項7または8に記載された緩み止め機能付きナット。
  10. 緩止具係合部が形成された六角ナットの角部(の正六角形の頂点)と、締付自動調整部軌道面が形成された角部(の正六角形の頂点)とが、後者を基準に前者をナットの中心から反時計回りに120°の位置に設けたことを特徴とする請求項7または8に記載された緩み止め機能付きナット。
  11. ナットは、六角ナットの角部を削り落した締付自動調整部軌道面を有し、緩止具係合部がナットの角部以外の側面部に形成され、前者を基準に後者をナットの中心から反時計回りに120°から180°の範囲に設けたことを特徴とする請求項2に記載された緩み止め機能付きナット。
  12. 締付自動調整部は、ナット外縁近傍からナット側面に沿って下方向に延伸した側面機能部を有することを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載された緩み止め機能付きナット。
  13. 締付自動調整部は、ナット外縁近傍に屈曲機能部を有することを特徴とする、請求項1〜12の何れか1項に記載された緩み止め機能付きナット。
  14. 締付自動調整部は、緩止コイル部の下端からナット外縁近傍までナット上面と平行に延伸したものであることを特徴とする、請求項13に記載された緩み止め機能付きナット。
  15. 締付自動調整部の屈曲機能部は、金属線を一旦上方向に屈曲させ、直ちに下方向に屈曲させた、突起形状であることを特徴とする、請求項14に記載された緩み止め機能付きナット。
  16. 締付自動調整部は、緩止コイル部の下端からナット外縁近傍まで若干上方向となる傾斜を有して延伸したものであることを特徴とする、請求項13に記載された緩み止め機能付きナット。
  17. 締付自動調整部の側面機能部は、緩締コイル下端からナット外縁近傍まで若干上方向となる傾斜を有して延伸した金属線の端部から金属線を略垂直かつ若干外向きに下方向に延伸したものであり、緩締工具は装着によって前記機能部と当接し、前記側面機能部が弾性変形して、前記工具に装着可能であることを特徴とする、請求項16に記載された緩み止め機能付きナット。
  18. ナットと係合している緩止具の最大外径が、締付自動調整部を弾性変形させることにより、前記ナットを使用し得る緩締工具の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とする、請求項1〜17の何れか1項に記載された緩み止め機能付きナット。
  19. ナットと係合している緩止具の最大外径が、前記ナットと適合する「スパナ」の装着前は該「スパナ」の内寸法よりも大きく、該「スパナ」を装着することにより「スパナ」の内壁に締付自動調整部が当接し、押圧されることで、締付自動調整部が弾性変形して、前記の緩止具の最大外径が該「スパナ」の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とすることで、該「スパナ」が装着可能であり、かつ同工具の装着によって自動的にボルトの締め付けを解除する、請求項18に記載の緩み止め機能付きナット。
  20. ナットと係合している緩止具の最大外径が、前記ナットと適合する「きく」の装着前は該「きく」の内寸法よりも大きく、該「きく」を装着することにより「きく」の内壁に締付自動調整部が当接し、押圧されることで、締付自動調整部が弾性変形して、前記の緩止具の最大外径が該「きく」の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とすることで、該「きく」が装着可能であり、かつ同工具の装着によって自動的にボルトの締め付けを解除する、請求項18に記載の緩み止め機能付きナット。
  21. ナットと係合している緩止具の最大外径が、前記ナットと適合する「ボックスレンチ」の装着前は該「ボックスレンチ」の内寸法よりも大きく、該「ボックスレンチ」を装着することにより「ボックスレンチ」の内壁に締付自動調整部が当接し、押圧されることで、締付自動調整部が弾性変形して、前記の緩止具の最大外径が該「ボックスレンチ」の内寸法よりも小さくなり得ることを特徴とすることで、該「ボックスレンチ」が装着可能であり、かつ同工具の装着によって自動的にボルトの締め付けを解除する、請求項18に記載の緩み止め機能付きナット。
  22. ナット係合部と緩止具係合部の係合が、溶接により接合されたことを特徴とする、請求項1〜21の何れか1項に記載された緩み止め機能付きナット。
  23. ナット係合部と緩止具係合部の係合が、「かしめ」により接合されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載された緩み止め機能付きナット。
  24. 角部を削ることによって形成された緩止具係合部の先端部分を「かしめ」ることによってナット係合部と緩止具係合部の係合されていることを特徴とする、請求項6〜10の何れか1項に記載された緩み止め機能付きナット。
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