JP2012033920A - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】投影光学系の結像特性を補正する。
【解決手段】第1レチクルR1を介した照明光ILを反射型の第2レチクルR2に第1光学系PL1を介して照射し、第2レチクルR2を介した照明光ILを第2光学系PL2を介してウエハWに照射する。ここで、第1レチクルR1の位置に応じて、照射領域IAR2内の第2レチクルR2の反射面を微小変形する及び又は第2レチクルR2を照射領域IAR2(照明光IL)に対して相対駆動する。これにより、照射領域IAR2内の第2レチクルR2の反射面の面形状を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法に係り、特に電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程で用いられる露光装置及び露光方法、並びに前記露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが、主として用いられている。
半導体素子の高集積化に伴い、パターンは次第に微細化しており、このパターンの微細化に対応するため、従来においても、露光波長の短波長化、投影光学系の開口数の増大化(高NA化)等が、図られてきた。例えば露光波長は、ArFエキシマレーザの193nmにまで短波長化しており、開口数は、いわゆる液浸露光装置の場合、1を超えるようになっている。しかるに、半導体素子の高集積化に対する要求は留まることがなく、これに伴って露光装置にはより一層の解像度の向上が要求されるようになり、今や投影露光装置の解像限界を超えた微細なパターン像を基板(ウエハ)上に形成できることが求められるようになっている。このための有力な対処策として、いわゆるダブルパターニング法などが、最近、行われている。
また、投影露光装置には、高解像度とともに高スループットが要求される。このため、高エネルギの照明光が用いられるようになり、露光装置の使用に伴うレチクル(又はマスク)又は投影光学系を構成するレンズ素子等の熱膨張等が問題となってきた。
従来、レチクルの熱膨張に対する対策として、レチクルを冷却する方法、例えば温度制御された空気(気体)を吹き付ける方法(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。また、投影光学系(を構成するレンズ素子等)の熱膨張に対する対策としては、投影光学系等に対する照射エネルギ量から投影光学系の光学特性の変化等を演算により推定し、その結果に基づいて、投影光学系のレンズ素子を駆動する等によりパターンの投影像の結像状態を維持、向上させることが行われてきた(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、露光装置の使用により時間の経過とともに変化するレチクル(又はマスク)又は投影光学系を構成するレンズ素子等の熱膨張に起因するパターンの投影像の結像状態の変化を補正することには、従来の投影露光装置では、限界があった。
特開2010−80855号公報 米国特許出願公開第2008/0218714号明細書
本発明の第1の態様によれば、エネルギビームを照射して物体を露光し、前記物体上にパターンを形成する露光装置であって、前記エネルギビームの光路上に配置されたパターンが形成された第1マスクを介した前記エネルギビームを第2マスクに照射し、前記パターンの像を前記第2マスク上に結像する第1光学系と、前記第2マスクを介した前記エネルギビームを前記物体に照射し、前記パターンの像の前記第2マスクを介した像を前記物体上に結像する第2光学系と、前記第1光学系の結像面上に前記第2マスクを保持し、前記パターン像の前記第2マスクを介した像の前記物体上での結像状態を変化させる第2マスク保持装置と、を備える露光装置が、提供される。
これによれば、第1マスクにエネルギビームが照射され、第1マスクを介したエネルギビームが第1光学系を介して第2マスクに照射され、第1マスクに形成されたパターンの像が第1光学系によって第2マスク上に結像される。次いで、第2マスクを介したエネルギビームが第2光学系を介して物体に照射され、前記パターンの像の第2マスクを介した像が第2光学系によって物体上に結像される。また、第2マスク保持装置が、第1光学系の結像面上に位置する第2マスクを保持し、パターン像の第2マスクを介した像の物体上での結像状態を変化させる。従って、第1マスクに形成されたパターンの像の結像状態の調整が、第2マスク保持装置により、露光の進行過程においても可能になる。
本発明の第2の態様によれば、本発明の露光装置により前記物体上にパターンを形成することと、パターンが形成された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第3の態様によれば、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光方法であって、前記エネルギビームをパターンが形成された第1マスクに照射し、前記第1マスクを介した前記エネルギビームを第1光学系を介して前記第1マスクの前記パターンに対応する位相シフターが形成された第2マスクに照射し、該第2マスク上に前記パターンの像を結像し、前記第2マスクを介した前記エネルギビームを第2光学系を介して前記物体上に照射し、前記第2マスクに形成された前記位相シフターを介した前記パターンの像を前記物体上に結像する露光方法が、提供される。
これによれば、位相シフトマスクをパターンのみが形成された第1マスクと位相シフターのみが設けられた第2マスクとに分離することが可能となり、しかも、位相シフトマスクを用いる場合と同様の高解像度のパターンの像の物体上への結像が可能になる。従って、位相シフトマスクの製造等に関するコストの低減が可能となる。
一実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図である。 図2(A)は第2レチクルステージの構成を概略的に示す図、図2(B)は第2レチクルステージによる第2レチクルの変形を説明するための図である。 第2レチクルの面位置計測を説明するための図である。 図1の露光装置の制御系を中心的に構成する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。 変形例に係る第2レチクルステージの構成を概略的に示す図である。 図6(A)はカッティング露光の対象となるL/Sパターンの一例を示す図、図6(B)はL/Sパターンにカッティングパターン(マスキングパターン)が重ねて転写された状態を示す図、図6(C)はラインカッティング露光により最終的にウエハ上に形成されるデバイスパターンを示す図である。 図7(A)及び図7(B)は、図6(C)のデバイスパターンを形成するため、図6(A)のL/Sパターンに対してカッティング露光を行う際に用いられるカッティングレチクル及びマスキングレチクルの一例を示す図である。 図8(A)は位相シフター付きL/Sパターンが形成された位相シフトレチクルの一例を示す図、図8(B)は位相シフター付きL/Sパターンのうち、L/Sパターンのみが形成された第1レチクルの一例を示す図、図8(C)は、位相シフターのみが形成された第2レチクルの一例を示す図、図8(D)はウエハ上に結像(再結像)された像の空間像の信号波形光強度分布を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。以下においては、第1レチクルR1(及び第2レチクルR2)とウエハWとが相対走査される走査方向である図1における紙面内左右方向をY軸方向、これに直交する紙面直交方向をX軸方向、X軸及びY軸に直交する方向(紙面内の上下方向)をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、照明系IOP、第1レチクルR1を保持してXY平面に平行な面内で移動する第1レチクルステージRST1、中間結像面を有する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、第2レチクルR2を保持して投影光学系PLの中間結像面に実質的に沿って移動する第2レチクルステージRST2、ウエハWを保持してXY平面内で移動するウエハステージWST、及びこれらの制御系等を備えている。ここで、第1レチクルR1は、透過型のレチクルであり、第2レチクルR2は、反射型のレチクルである。
照明系IOPは、光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)により設定(制限)され、第1レチクルR1上でX軸方向に細長く伸びる矩形(又は円弧状)の照明領域IAR1に照明光(露光光)ILを照射し、回路パターンが形成された第1レチクルR1を均一な照度で照明する。照明系IOPの構成は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されている。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
第1レチクルステージRST1は、照明系IOPの下方(−Z側)に配置されている。第1レチクルステージRST1上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成された第1レチクルR1が載置されている。第1レチクルR1は、例えば真空吸着により第1レチクルステージRST1上に固定されている。
第1レチクルステージRST1は、例えばリニアモータ等を含む第1レチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図4参照)によって、水平面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定ストローク範囲で駆動可能となっている。第1レチクルステージRST1のXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「第1レチクル干渉計」という)14によって、移動鏡12(又は第1レチクルステージRST1の端面に形成された反射面)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。第1レチクル干渉計14の計測情報は、主制御装置120(図1では不図示、図4参照)に供給される。主制御装置120は、第1レチクル干渉計14からの計測情報に基づいて、第1レチクルステージ駆動系11を介して第1レチクルステージRST1のY軸方向の位置(及びX軸方向の位置、並びにθz方向の回転)を制御する。
投影ユニットPUは、第1レチクルステージRST1の下方(−Z側)に配置されている。投影ユニットPUは、筐体40と筐体40の内部に保持された複数の光学素子(レンズ、ミラー等)と、第2レチクルステージRST2に保持された反射型の第2レチクルR2(の反射面)とを含む。複数の光学素子は、第1レチクルR1を介した照明光ILを第2レチクルR2に照射して第1レチクルR1に形成されたパターンの像を第2レチクルR2の反射面(パターン面)に結像する第1結像光学系PL1と、第2レチクルR2の反射面からの照明光ILをウエハWに照射し、ウエハW上に第1レチクルR1に形成されたパターンの像と第2レチクルR2に形成されたパターンの像との合成像をウエハW上に結像する第2結像光学系PL2とを構成する。第1結像光学系PL1は、等倍又はほぼ等倍(倍率が1より少し大きい)の屈折光学系である。また、第2結像光学系PL2は、投影倍率が1より小さい縮小系である。本実施形態では、第1結像光学系PL1と第2レチクルR2と第2結像光学系PL2とによって、全体として両側テレセントリックな縮小系(投影倍率が例えば1/4倍又は1/5倍)かつ反射屈折系から成る投影光学系PLが構成されている。この場合、投影光学系PLの中間結像面である第1結像光学系PL1の結像面に、第2レチクルR2の反射面が配置されている。
また、第2結像光学系PL2の一部(上端部)に投影光学系PLの瞳面が設けられ、その瞳面に反射面のZ位置及び面形状が可変の補償光学系42が設けられている。
このため、照明光ILによって第1レチクルR1上の照明領域IAR1が照明されると、第1レチクルR1を透過した照明光ILが第1結像光学系PL1を介して第2レチクルR2に照射され、第2レチクルR2の反射面上の照明領域IAR2内に第1レチクルR1のパターンの等倍像若しくは微小拡大像が結像される。照明光ILは第2レチクルR2の反射面により反射され、補償光学系42を含む第2結像光学系PL2を介して表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハWに照射され、照明領域IAR1に共役なウエハW上の領域(以下露光領域と呼ぶ)IAに第2レチクルR2の反射面を介した第1レチクルR1のパターンの一部(照明領域IAR1内の回路パターン)の縮小像が、形成される。ここで、第2レチクルR2にパターンが形成されている場合には、照明領域IAR2内の第2レチクルR2のパターンの像と照明領域IAR1内の第1レチクルR1のパターンの像とを合成した合成像が、ウエハW上に形成される。以下では、特に断らない限り、第2レチクルR2の反射面はパターンが形成されていない反射面であるものとする。
そして、第1レチクルステージRST1とウエハステージWSTとの同期駆動により、照明領域IAR1(照明光IL)に対して第1レチクルR1を走査方向(Y軸方向)に相対移動し、同時に露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動することにより、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)が走査露光され、そのショット領域内に第1レチクルR1のパターンが転写される。なお、図1において、符号ILLは、投影光学系PL内部の照明光ILの主光線を模式的に示す。
補償光学系42には、結像特性補正コントローラ41(図1では不図示、図4参照)が接続されている。結像特性補正コントローラ41は、照明光ILを反射する補償光学系42の反射面のZ位置及び面形状を変化させることで、ウエハW上に投影される像の形成状態を調整する。ここで、補償光学系42の反射面の形状(面位置)は、例えばその面位置を変化させる不図示のアクチュエータの駆動量を測定するエンコーダ等、又は反射面の形状を測定するセンサにより測定され、その計測結果が結像特性補正コントローラ41に送信される。結像特性補正コントローラ41は、主制御装置120からの投影像の歪みの修正に関する指示に従って補償光学系42を制御する。本実施形態では、結像特性補正コントローラ41と補償光学系42とによって、ウエハW上に投影される像の形成状態を調整し、あるいは良好に維持するため、投影光学系PLの光学特性、例えば、球面収差(結像位置の収差)、コマ収差(倍率の収差)、非点収差、像面湾曲、歪曲収差(ディストーション)等の諸収差(結像特性)を調整する結像特性補正装置が構成されている。結像特性補正装置は、ピエゾ素子等のアクチュエータによって一部のレンズエレメントを、Z軸方向(光軸AXpに平行な方向)に微小駆動及びXY平面に対して傾斜させる構成を含むこともできる。勿論、この場合、そのアクチュエータを、結像特性補正コントローラ41によって制御することとしても良い。
図2(A)には、第2レチクルR2を保持する第2レチクルステージRST2の構成が概略的に示されている。
第2レチクルステージRST2は、一種のピンチャック方式のレチクルホルダであり、その上面には、エッチング加工により多数のピンPが形成されている。第2レチクルステージRST2は、フレキシブルな素材、あるいは力を加えたときに変形する(撓む)素材かつ弾性を有する素材により形成されている。第2レチクルR2は、第2レチクルステージRST2に例えば真空吸着され、反射面RP2を+Z方向に向けて多数のピンPに支持されている。
第2レチクルステージRST2は、レチクルベースRB2上に配置されている。第2レチクルステージRST2の底部には、磁石ユニット50Bを構成する複数の永久磁石がXY二次元方向にマトリクス状に配置されている。この磁石ユニット50Bに対応して、レチクルベースRB2の内部には、コイルユニット50Aを構成する複数のコイルがXY二次元方向にマトリクス状に配置されている。この複数のコイルは、X駆動コイル、Y駆動コイル、及びZ駆動コイルを含む。なお、コイルユニット50Aを構成する複数のコイルは、XZ駆動コイルとYZ駆動コイルとを含んでいても良い。
本実施形態では、磁石ユニット50Bとコイルユニット50Aとによって、第2レチクルステージRST2をX軸、Y軸、Z軸、θx、θy、及びθzの各方向に6自由度で駆動可能な磁気浮上方式の平面モータが構成されている。すなわち、平面モータ(50A,50B)によって、第2レチクルステージRST2を駆動する第2レチクルステージ駆動系50(図4参照)が構成されている。第2レチクルステージ駆動系50は、主制御装置120によって制御される。
この場合、磁気浮上方式の平面モータ(50A,50B)が用いられているので、レチクルベースRB2の上面を平坦度が高くなるように加工する必要はない。
第2レチクルステージ駆動系50(磁気浮上型の平面モータ(50A,50B))を構成する複数の駆動コイルには、Z軸方向の駆動力を発生するコイル(Z駆動コイル、又はXZ駆動コイル、YZ駆動コイル)が含まれている。以下では、これらZ駆動コイル、又はXZ駆動コイル、YZ駆動コイルを、Z推力発生コイルと総称する。
主制御装置120は、第2レチクルステージ駆動系50(平面モータ(50A,50B))を制御して、より具体的には固定子を構成するコイルユニット50Aに含まれる複数のZ推力発生コイルに供給される電流量を個別に制御して、一例として図2(B)に示されるように、第2レチクルステージRST2の下面の中央に+Z方向の大きな力(黒塗り矢印参照)を、その両外側に+Z方向の小さい力(白抜き矢印参照)を加える。第2レチクルステージRST2には、その全面に自重による下向きの力が作用しているので、この場合のように、一部のみにZ軸方向の外力が加えられると、第2レチクルステージRST2は変形する。図2(B)の場合は、凸形状に変形する。そして、第2レチクルステージRST2は変形とともに、第2レチクルステージRST2に吸着保持された第2レチクルR2も変形する。このように、主制御装置120は、第2レチクルステージ駆動系50(平面モータ(50A,50B))を制御することで、第2レチクルステージRST2に保持された第2レチクルR2の反射面RP2を微小変形させることができる。反射面RP2上の照明領域IAR2内に、照明光ILが照射されるため、第2レチクルR2による照明光ILの反射分布(例えば双方向反射率分布など)が変化し、第2レチクルR2が一種の補償光学系として機能する。ここで、双方向反射率分布とは、光の反射モデルの1つである双方向反射率分布関数、すなわち反射表面上のある地点に対して、ある方向から光が入射したとき、それぞれの方向へ、どれだけの光が反射されるかを表す、反射地点に固有の関数を用いて表現することができる。本明細書では、反射面における光の反射状態を表す、双方向反射率分布などの上位概念として反射分布なる用語を用いている。
第2レチクルステージRST2のXY平面内の位置情報は、図1に示されるように、第2レチクル干渉計65によって計測される。第2レチクル干渉計65は、第2レチクルステージRST2に形成された反射面を介して、第2レチクルステージRST2のXY平面内での位置(ヨーイング量θzを含む)を計測する。第2レチクル干渉計65の計測情報は、主制御装置120に供給される(図4参照)。主制御装置120は、第2レチクル干渉計65からの計測情報に従って、第2レチクルステージ駆動系50を介して第2レチクルステージRST2をXY平面内で駆動(位置制御)する。
本実施形態の露光装置100では、図2(A)に示されるように、第1結像光学系PL1の下端(射出端)に照明光ILの光路を挟んで±Y側に、それぞれ、第2レチクルR2の反射面RP2のZ軸方向に関する位置(面位置)を計測する面位置計測センサ61、62が設けられている。面位置計測センサ61、62のそれぞれは、第2レチクルR2の反射面RP2上の複数の点に、複数の計測光を照射する。ここで、複数の計測光は、図3に示されるように、照明光ILにより照明される反射面RP2上の照明領域IAR2の+Y側、−Y側に、走査方向(Y軸方向)に直交する非走査方向(X軸方向)に延びるライン61、62(厳密にはライン61、62上の複数の点)上に照射される。面位置計測センサ61、62は、反射面RP2からの反射光を受光することにより、ライン61、62上での第2レチクルR2の反射面RP2の面形状(面位置分布)を計測する。面位置計測センサ61、62は、ライン61、62(厳密にはライン61、62上の複数の点)上に計測光を照射可能であれば、いかなる構成のセンサであっても良く、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される多点焦点位置検出系を、面位置計測センサとして用いることもできる。面位置計測センサ61,62からの計測情報は、主制御装置120に供給される(図4参照)。
図1に戻り、ウエハステージWSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系24(図1では不図示、図4参照)によって、ステージベース22上をX軸方向、Y軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、Z軸方向、θx方向、θy方向、及びθz方向に微小駆動される。ウエハステージWST上に、ウエハWが、ウエハホルダ(不図示)を介して例えば真空吸着等によって保持されている。なお、ウエハステージWSTは、単一の6自由度駆動ステージに限らず、各ステージの駆動方向を組み合わせることで、ウエハWを6自由度駆動可能となる複数のステージによって構成しても良い。
ウエハステージWSTのXY平面内の位置情報(回転情報(ヨーイング量(θz方向の回転量θz)、ピッチング量(θx方向の回転量θx)、ローリング量(θy方向の回転量θy))を含む)は、レーザ干渉計システム(以下、「干渉計システム」と略述する)18によって、移動鏡16(又はウエハステージWSTの端面に形成された反射面)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。干渉計システム18の計測情報は、主制御装置120に供給される(図4参照)。主制御装置120は、干渉計システム18からの計測情報に基づいて、ステージ駆動系24を介してウエハステージWSTのXY平面内の位置(θz方向の回転を含む)を制御する。
また、ウエハWの表面のZ軸方向の位置及び傾斜は、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される斜入射方式の多点焦点位置検出系から成るフォーカスセンサAF(図1では不図示、図4参照)によって計測される。このフォーカスセンサAFの計測情報も主制御装置120に供給される(図4参照)。
投影ユニットPUの第2結像光学系PL2の側面には、ウエハWに形成されたアライメントマーク等を検出するウエハアライメント系(以下、アライメント系)ASが設けられている。アライメント系ASとして、一例として画像処理方式の結像式アライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。
露光装置100では、さらに、第1レチクルステージRST1の上方に、例えば米国特許第5,646,413号明細書等に開示される、露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系から成る一対のレチクルアライメント系13(図1では不図示、図4参照)が設けられている。レチクルアライメント系13の検出信号は、主制御装置120に供給される(図4参照)。
図4には、本実施形態の露光装置100の制御系を中心的に構成する主制御装置120の入出力関係が、ブロック図にて示されている。主制御装置120は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、装置全体を統括して制御する。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100の動作を、簡単に説明する。
露光に先立って、レチクルローダ(不図示)によって、第1レチクルR1が第1レチクルステージRST1上にロードされる。同時に、第1レチクルR1に対応する第2レチクルR2が第2レチクルステージRST2上にロードされる。さらに、露光装置100に併設されたコータ・デベロッパ(不図示)によりその表面に感応層(レジスト層)が形成されたウエハWが、ウエハローダ(不図示)によって、ウエハステージWSTのウエハホルダ(不図示)上にロードされる。
以降、通常のスキャナと同様に、主制御装置120によって、一対のレチクルアライメント系13、ウエハステージWST上の基準マーク板(不図示)、及びアライメント系AS等を用いて、レチクルアライメント及びアライメント系ASのベースライン計測等が行われる。これらの準備作業に続いて、主制御装置120により、例えばいわゆるショット内多点EGAなどのウエハアライメント(アライメント計測)が実行される。
レチクルアライメント及びアライメント系ASのベースライン計測については、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに詳細に開示されており、これに続くショット内多点EGAについては、例えば米国特許第6,876,946号明細書などに開示されている。
上記ショット内多点EGAにより、ウエハ上のショット領域の配列座標、及び各ショット領域の倍率を含む変形量(倍率、回転、直交度)が、求められる。
そこで、主制御装置120は、結像特性補正コントローラ41を介して投影光学系PLの補償光学系42の反射面の形状を変形させ、必要に応じてレンズ素子を駆動する。さらに主制御装置120は、第1レチクルR1のパターンに対応する第2レチクルR2の反射面形状を設定することにより、投影像の形成状態(歪み等)を初期修正する。具体的には、主制御装置120は、第2レチクルステージRST2をY軸方向に駆動しつつ、面位置計測センサ61,62からの反射面RP2の面位置の計測情報と、第2レチクル干渉計65からの第2レチクルステージRST2のY位置の計測情報とに基づいて、第2レチクルR2の反射面RP2の面形状(Z位置(面位置)分布)を求める。得られた面位置分布(面形状)に基づいて、第2レチクルステージ駆動系50(平面モータ(50A,50B))の複数のZ推力コイルに対する供給電流を個別に制御して、第2レチクルR2の反射面RP2を微小変形させて反射面RP2の形状を第1レチクルR1のパターン像の結像に最適な形状に設定する。
主制御装置120は、アライメント計測(ショット内多点EGA)で得られたウエハW上のショット領域の配列座標と、先に計測したアライメント系ASのベースラインとに基づいて、ウエハステージWSTをウエハW上の各ショット領域の走査開始位置に移動させるステッピング動作と、第1レチクルステージRST1とウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比で同期移動する走査露光動作とを繰り返して、ウエハW上の全ショット領域に、第1レチクルR1のパターンの像をそれぞれ転写する。
ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中に、主制御装置120は、第2レチクルR2が、第1レチクルR1に対して相対的に静止している状態を維持すべく、第2レチクルステージRST2を、第1レチクルステージRST1と同期してY軸方向に移動させても良い。この場合、露光動作中に、第2レチクルR2の反射面の面形状(対応する反射分布)を変更することも可能である。すなわち、主制御装置120は、第2レチクルステージRST2を−Y方向(又は+Y方向)に駆動する際に面位置計測センサ61、62からの計測情報に基づいて、第2レチクルステージ駆動系50(平面モータ(50A,50B))の複数のZ推力コイルに対する供給電流を個別に制御する。これにより、照明領域IAR2に対応する第2レチクルR2の反射面RP2の領域の面形状(反射分布)が部分的に変更される。面形状(反射分布)が部分的に変更された反射面RP2上に照明光ILが照射されることにより、投影像の形成状態(例えば歪みなど)が補正される。従って、主制御装置120は、露光済みのショット領域数が増加するに伴って照明光ILの吸収によって生じる第1レチクルR1の熱膨張を考慮して(熱膨張によるパターン像の変形が低減されるように)、上記の第2レチクルR2の反射面RP2の照明領域IAR2部分の面形状(反射分布)の部分的変更を行うようにしても良い。
あるいは、主制御装置120は、第2レチクルR2を静止させたまま、露光済みのショット領域数が増加するに伴って照明光ILの吸収によって生じる第1レチクルR1の熱膨張を考慮して(熱膨張によるパターン像の変形が低減されるように)、第2レチクルステージ駆動系50(平面モータ(50A,50B)の複数のZ推力コイルに対する供給電流を個別に制御することで、照明領域IAR2に対応する第2レチクルR2の反射面RP2の照明領域IAR2部分の面形状(反射分布)を部分的に変更しても良い。
また、複数枚のウエハに対して露光処理を繰り返す際に、所定間隔で、主制御装置120は、適宜、空間像計測器(不図示)等を用いて投影像の歪みを計測し、その結果に基づいて、結像特性補正コントローラ41及び第2レチクルステージ駆動系50を介して、投影光学系PLの結像特性を補正しても良い。これにより、第1レチクルR1の熱膨張、レンズ素子の熱膨張に起因する結像特性の劣化を低減することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100によると、第1レチクルR1に照明光ILが照射され、第1レチクルR1を介した照明光ILが第1結像光学系PL1を介して第2レチクルR2に照射され、第1レチクルR1に形成されたパターンの像が第1結像光学系PL1によって反射型の第2レチクルR2上に結像される。次いで、第2レチクルR2で反射された照明光ILが第2結像光学系PL2を介してウエハWに照射され、第1レチクルR1に形成されたパターン像の第2レチクルR2を介した像が第2結像光学系PL2によってウエハW上に結像される。また、第1結像光学系PL1の結像面上に第2レチクルR2を第2レチクルステージRST2が保持し、第2レチクルR2の反射面の面形状が、第2レチクルステージRST2を駆動する平面モータ(50A,50B)によって変形される。反射目の面形状の変化に応じて第2レチクルR2による反射分布が変更され、これによりパターンの像の第2レチクルR2の反射面を介した像のウエハW上での結像状態が調整される。従って、第1レチクルR1に形成されたパターンの像の結像状態の調整が、平面モータ(50A,50B)により、露光の進行過程においても可能になる。従って、露光装置の使用により時間の経過とともに変化するレチクル(又はマスク)又は投影光学系PLを構成するレンズ素子等の熱膨張に起因するパターンの像の結像状態の変化を補正することが可能になる。
なお、上記実施形態では、第2レチクルR2を介したパターンの像の形成状態を補正する場合の補正幅を大きく、かつ高応答で行うため、第2レチクルR2として、反射型のレチクルを用いるものとした。しかし、これに限らず、第2レチクルとして透過型のレチクルを用いることとしても良い。
なお、上記実施形態では、第2レチクルステージ駆動系50を磁気浮上方式の平面モータで構成し、該平面モータを、第2レチクルステージRST2の駆動と、第2レチクルR2の反射面の形状の変形のためのアクチュエータとして兼用する場合について説明した。しかし、これに限らず、第2レチクルステージRST2の駆動と、第2レチクルR2の反射面の形状の変形とを、別のアクチュエータで行っても良い。
図5には、第2レチクルステージRST2に複数のアクチュエータ51を設け、該複数のアクチュエータ51を用いて第2レチクルステージRST2上に保持される第2レチクルR2を変形させる、変形例に係る第2レチクルステージRST2の構成が概略的に示されている。
図5のレチクルステージRST2’は、本体部52とテーブル部54と複数のアクチュエータ51とを備えている。本体部52は、レチクルベースRB2(図2(A)、図2(B)参照)上に支持されている。本体部52は、上面が開口した矩形状の底部を有する箱型部材である。テーブル部54は、一種のピンチャック方式のレチクルホルダであり、その上面には、エッチング加工により多数のピンPが形成されている。第2レチクルR2が、テーブル部54に例えば真空吸着され、反射面RP2を+Z方向に向けて多数のピンPに支持されている。テーブル部54は、フレキシブルな素材、あるいは力を加えたときに変形する(撓む)素材でかつ弾性を有する素材により形成され、本体部52内に配置され、本体部52の周壁に複数(本実施形態では4つ)の支持部材53を介して接続され、底部にほぼ平行に支持されている。複数のアクチュエータ51は、例えばピエゾ素子を含み、本体部52の内部に、すなわち、底部とテーブル部54との間の空間内に2次元配列され、テーブル部54の下面に+Z方向の力を加える。ここで、複数のアクチュエータ51のそれぞれを独立に制御してテーブル部54の下面に与える力の分布を作ることにより、テーブル部54は支持部材53により支持された4点を基準に微小変形される。
ここで、複数のアクチュエータ51を用いてテーブル部54を微小変形させることにより、例えば図5に示されるようにテーブル部54の下面の中央に強い力(黒塗り矢印参照)を、周囲に弱い力(白抜き矢印参照)を加えてテーブル部54を変形させることにより、第2レチクルR2の反射面RP2を微小変形させることができる。アクチュエータ51は、前述の平面モータのコイル等に比べて、より稠密に配置できる。このようにすると、前述の実施形態に比べて反射面RP2をより自由に変形させることが可能になる。
図5のレチクルステージRST2’は、レチクルベースRB2内のコイルユニット50A(固定子、図2(A)、図2(B)等参照)と、第2レチクルステージRST2の底部に設けられた磁石ユニット50B(可動子)と、から構成されるムービング・マグネット型の平面モータによって、XY平面内で駆動される。この場合、平面モータは、ムービング・マグネット型に限らず、ムービングコイル型でも良い。いずれにしても平面モータは、磁気浮上方式である必要がなく、エア浮上方式を用いることができる。エア浮上方式の平面モータを採用する場合、レチクルベースRB2の上面の平坦度が高くなるように加工する必要がある。
また、上記実施形態及び変形例の露光装置のそれぞれでは、第2レチクルR2を変形させて所望の反射面の形状(反射分布)を設定することとしたが、これに代えてあるいはこれとともに、予め反射面の形状(反射分布)が異なる第2レチクルを複数用意し、第1レチクルに応じて、あるいは第1レチクルの熱膨張変形に応じて適当な反射面形状を有する第2レチクルを選択して、第2レチクルステージRST2上にロードしても良い。第1レチクルが交換されると、これに対応して第2レチクルステージRST2上の第2レチクルを交換すれば良い。いずれにしても、上記実施形態及び変形例の露光装置のそれぞれでは、ピンチャック方式の第2レチクルステージRST2が採用されていることから、その第2マスクを容易に交換できる。例えば、これまでに説明した所望の反射面の形状(反射分布)を設定するための第2レチクルと、次に説明するカッティングリソグラフィ用の第2レチクルとを、交換しても良い。これにより、例えば同一のラインアンドスペース(L/S)パターンを有する第1レチクルを用いる場合であっても、前者ではそのL/Sパターンの像の結像状態の調整が可能であり、後者では後述するようにそのL/Sパターンのカッティングが可能になる。
また、上記実施形態では、第2レチクルが、投影光学系PLの内部に配置される場合について説明したが、これに限らず、第2レチクルを照明光学系の内部に配置しても良い。特に、次に説明するカッティングリソグラフィを行う場合には、第2レチクルを照明光学系の内部にレチクルブラインドに代えて、あるいはレチクルブラインドとともに、配置することとすることができる。
上記実施形態及び変形例の露光装置(以下、露光装置100と称する)は、最近注目されているカッティングリソグラフィの実施に好適である。カッティングリソグラフィでは、例えば図6(A)に示されるようなウエハ上に形成された微細な線幅のL/SパターンBP上に、例えば図6(B)に示されるようなカッティングパターンCP〜CPを重ねて転写し、そのウエハを現像後にカッティングパターンCP〜CPのレジスト像をマスクとしてエッチングを行う。これにより、L/SパターンBP中の所定のラインパターンが切断されて、図6(C)に示されるようなデバイスパターンDPがウエハ上に形成される。
しかるに、カッティングリソグラフィは、通常、投影露光装置の解像限界以下の微細な線幅のL/Sパターンを、例えばダブルパターニング法によりウエハ上に形成し、そのL/Sパターンに対して行われるものである。従って、カッティングパターンCP〜CPは、互いに極近接するため、カッティングパターンCP〜CPのそれぞれを個別にウエハ上に転写する必要がある。これは、複数のカッティングパターンを同時に転写すると、互いに光近接効果の影響などを受け、正確な線幅のカッティングパターンをウエハ上に形成することが困難になるからである。そのため、従来の投影露光装置を用いてカッティング露光を行う場合、カッティングパターンCP〜CPのそれぞれが形成された5枚のレチクルが用いられる。
これに対し、露光装置100では、第1レチクルとして、例えばカッティングパターンCP〜CPが、例えば図6(B)に示される配置と同じ配置で形成された図7(A)に示されるカッティングレチクルCRを用い、第2レチクルとして、例えばカッティングパターンCP、CPのそれぞれより一回り大きなマスクパターンMP,MPが所定の位置関係で形成された図7(B)に示されるマスキングレチクルMRを用い、これらのレチクルCR、MRを適宜組み合わせて、5回の露光を行うことで、上述の5枚のレチクルを用いる場合と同様のカッティング露光が可能になる。ここで、カッティングレチクルCRは、カッティングパターンCP〜CPに対応する開口パターンが形成された透過型のレチクルであり、マスキングレチクルMRはマスクパターンMP,MPに対応する反射パターンが形成された反射型のレチクルである。
すなわち、カッティングパターンCP〜CPのうち、任意の1つのみがウエハ上に投影されるように、カッティングレチクルCRに対してマスキングレチクルMRの位置を調整することで、その任意の1つのカッティングパターンの転写が可能になる。従って、例えば各カッティングパターンCP、CP、CP、CP、CPのみが、ウエハ上に投影されるように、カッティングレチクルCRに対するマスキングレチクルMRの位置調整を順次行い、5回の露光を行うことで、従来の投影露光装置で5枚のレチクルを用いて行っていたのと同様のカッティングパターンCP〜CPのウエハ上への転写が可能になる。
上述のカッティング露光では、1枚のカッティングレチクルCRのみを使用する。また、マスキングレチクルのマスクパターンMP,MPの形成には高い精度は要求されない。従って、通常の露光装置において5枚のレチクルを用いる場合と比較すると、レチクルの製造、管理コストの低減が期待できる。
また、露光装置100を用いると、次のような露光も可能である。図8(A)には、通常の位相シフトレチクルPSMに形成されている位相シフターPS付きのL/SパターンPの一例が示されている。
ここでは、図8(B)に示されるように、位相シフトレチクルPSMに形成された位相シフター付きL/Sパターンのうち、L/SパターンPのみが形成された第1レチクルM1と、図8(C)に示されるように、位相シフターPSのみが図8(A)と同じ位置関係で形成された第2レチクルM2とを用意する。
そして、これら第1、第2レチクルM1、M2を、露光装置100の第1、第2レチクルステージRST1、RST2にそれぞれロードして、前述と同様の露光を行う。この場合、照明系IOPからの照明光ILが第1レチクルM1に照射され、第1レチクルM1を介した照明光ILが第1結像光学系PL1を介して第2レチクルM2に照射され、第2レチクルM2上の位相シフターPS上に第1レチクルM1のL/SパターンPの像が結像される。このとき、L/SパターンPの像と位相シフターPSとは、図8(A)と同様の位置関係になる。次いで、第2レチクルM2を介した照明光ILが第2結像光学系PL2を介してウエハW上に照射され、第2レチクルM2形成された位相シフターPSを介したL/SパターンPの像が、ウエハ上に結像(再結像)される。図8(D)には、ウエハ上に結像(再結像)された像の空間像の信号波形が示されている。図8(D)の縦軸は光強度である。図8(D)から、通常の位相シフトレチクルPSMを用いた場合と同様の空間像がウエハ上に形成されることがわかる。
従って、露光装置100によると、位相シフトレチクルPSMをパターンPのみが形成された第1レチクルM1と位相シフターPSのみが設けられた第2レチクルM2とに分離することができ、これにより位相シフトレチクルの製造等に伴うコストの低減が可能になる。また、複数の第1レチクルに対して第2レチクルを共用することも可能になる。
なお、上記実施形態では、第1レチクル干渉計14により第1レチクルステージRST1の位置が計測され、干渉計システム18によりウエハステージWSTの位置が計測される場合について例示した。しかし、これに限らず、第1レチクル干渉計14に代えて、あるいはこれとともに、エンコーダ(複数のエンコーダから構成されるエンコーダシステム)を用いても良い。同様に、干渉計システム18に代えて、あるいはこれとともに、エンコーダ(複数のエンコーダから構成されるエンコーダシステム)を用いても良い。
また、上記実施形態では、露光装置が、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプである場合について説明したが、これに限らず、例えば国際公開第99/49504号、欧州特許出願公開第1,420,298号明細書、国際公開第2004/055803号、米国特許第6,952,253号明細書などに開示されているように、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。また、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書に開示される、液浸露光装置などにも、上記実施形態を適用することができる。
また、上記実施形態では、露光装置がステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置である場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に上記実施形態を適用しても良い。また、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも上記実施形態を適用できる。また、例えば国際公開第2005/074014号などに開示されているように、ウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置にも上記実施形態は適用が可能である。
また、光源は、ArFエキシマレーザに限らず、KrFエキシマレーザ(出力波長248nm)、F2レーザ(出力波長157nm)、Ar2レーザ(出力波長126nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)などのパルスレーザ光源、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記実施形態を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の露光装置及び露光方法は、物体上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの製造に適している。
42…補償光学系、50…第2レチクルステージ駆動系(平面モーダ)、51…アクチュエータ、61,62…面位置計測センサ、65…第2レチクル干渉計、100…露光装置、120…主制御装置、IL…照明光、PL…投影光学系、PL1…第1結像光学系、PL2…第2結像光学系、R1…第1レチクル、R2…第2レチクル、RP2…反射面、RST1…第1レチクルステージ、RST2…第2レチクルステージ、W…ウエハ。

Claims (15)

  1. エネルギビームを照射して物体を露光し、前記物体上にパターンを形成する露光装置であって、
    前記エネルギビームの光路上に配置されたパターンが形成された第1マスクを介した前記エネルギビームを第2マスクに照射し、前記パターンの像を前記第2マスク上に結像する第1光学系と、
    前記第2マスクを介した前記エネルギビームを前記物体に照射し、前記パターンの像の前記第2マスクを介した像を前記物体上に結像する第2光学系と、
    前記第1光学系の結像面上に前記第2マスクを保持し、前記パターン像の前記第2マスクを介した像の前記物体上での結像状態を変化させる第2マスク保持装置と、を備える露光装置。
  2. 前記第2マスクは、前記第1マスクを介した前記エネルギビームが照射される反射面を有する反射型マスクである請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記第2マスク保持装置は、前記反射面の前記エネルギビームが照射される照射領域内の面形状を変化させる駆動部材を有する請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記駆動部材は、前記第2マスクを前記第1光学系の前記結像面に実質的に沿って駆動すること及び前記第2マスクの反射面の形状を変更することの少なくとも一方を実行して前記照射領域内の面形状を変化させる請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記駆動部材は、前記第2マスクを前記第1光学系の結像面に実質的に沿って駆動するとともに、前記第2マスクの前記反射面の形状を変更する請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記駆動部材は、磁気浮上型の平面モータを含む請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記第2マスクの面位置を計測する面位置計測系をさらに備え、
    前記面位置計測系からの計測情報に基づいて前記平面モータを制御して前記第2マスクの前記反射面の形状を変更する請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記第2マスク保持装置の位置を計測する位置計測系をさらに備え、
    前記位置計測系からの計測情報に基づいて前記第2マスク保持装置を駆動する請求項2〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記第2マスク保持装置に保持される前記第2マスクは交換可能である請求項2〜8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 前記第2マスク保持装置上で、前記第2光学系による前記像の結像状態の補正用の反射型マスクと、前記第1マスクに形成されたパターンの一部をマスキングするための反射型マスクとが交換される請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記第1光学系と前記第2光学系とは、前記第1マスクのパターンを前記物体上に投影する投影光学系を構成し、
    前記第1光学系は、投影倍率が1又は1より僅かに大きく、
    前記第2光学系は、投影倍率が1より小さい請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 前記投影光学系は、その瞳面上に補償光学系を有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の露光装置。
  13. 前記第1マスクを保持して移動する移動部材をさらに備える請求項1〜12のいずれか一項に記載の露光装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の露光装置により前記物体上にパターンを形成することと、
    パターンが形成された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  15. エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光方法であって、
    前記エネルギビームをパターンが形成された第1マスクに照射し、前記第1マスクを介した前記エネルギビームを第1光学系を介して前記第1マスクの前記パターンに対応する位相シフターが形成された第2マスクに照射し、該第2マスク上に前記パターンの像を結像し、前記第2マスクを介した前記エネルギビームを第2光学系を介して前記物体上に照射し、前記第2マスクに形成された前記位相シフターを介した前記パターンの像を前記物体上に結像する露光方法。
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