JP2012031830A - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン10が低負荷状態で運転される場合にエンジン10の運転に要求される燃料量が少なくなることと、燃料噴射弁24の通電時間の許容下限値が存在することとに起因して、パージ制御によって燃料蒸発ガスのパージを十分に行うことができなくなること。
【解決手段】燃料噴射弁24から噴射される燃料及びパージ制御によってパージされる燃料蒸発ガスによってエンジン10の運転に要求される燃料を燃焼室43に供給すべく燃料噴射弁24及びパージバルブ42を通電操作する処理を行う。こうした処理が行われるエンジンシステムにおいて、燃料噴射弁24の通電時間が許容下限値を下回ると想定される場合に、燃料噴射弁24の燃料噴射圧の目標値を低下させる。そして、実際の燃料噴射圧を上記目標値に制御すべく燃料ポンプ30を通電操作する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料タンクに貯留される燃料を内燃機関の燃焼室に供給する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁の燃料噴射圧をその目標値に制御すべく操作される燃圧調節手段と、前記燃料タンクの燃料蒸発ガスを前記内燃機関の吸気通路にパージさせるパージ手段とを備えて構成される内燃機関の燃焼制御システムに適用される内燃機関の燃料供給制御装置に関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、燃料タンクで発生した燃料蒸発ガスをキャニスタに一時的に吸着させ、吸着させた燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気通路に供給(パージ)して内燃機関で燃焼させるパージ制御を行うものが知られている。この制御によれば、エバポエミッションを低減させることが可能となる。
ここでパージ制御が行われると、燃料噴射弁から噴射される燃料とは別に、キャニスタから吸気通路へとパージされる燃料蒸発ガスが燃焼室に供給される。このため、パージ制御が行われる場合には、パージ制御による燃料蒸発ガスのパージ量を見込んで燃料噴射弁の燃料噴射量が減量される。詳しくは、燃料噴射弁の通電時間を短くすることで、燃料噴射量が減量される。
特許第4349438号公報
ところで、内燃機関が低負荷状態で運転される場合には通常、内燃機関の運転に要求される燃料量が少なくなる。このような状況下においてパージ制御を行う場合、燃料蒸発ガスを十分にパージすることができなくなるおそれがある。つまり、燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定すると、上記要求される燃料量のうち燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を少なく(燃料噴射弁の通電時間を短く)設定することが要求される。しかしながら、燃料噴射弁の特性上、燃料噴射弁の通電時間が許容下限値を下回ると燃料噴射弁の燃料噴射量の調節精度が低下するため、許容下限値を下回って上記通電時間を短く設定することができない。このため、上記要求される燃料量のうち燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を少なく設定することができず、燃料蒸発ガスのパージ量が制限されることで、パージ制御によって燃料蒸発ガスのパージを十分に行うことができなくなるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関が低負荷状態で運転される場合であっても、燃料蒸発ガスのパージを十分に行うことのできる内燃機関の燃料供給制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、燃料タンクに貯留される燃料を内燃機関の燃焼室に供給する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁の燃料噴射圧をその目標値に制御すべく操作される燃圧調節手段と、前記燃料タンクの燃料蒸発ガスを前記内燃機関の吸気通路にパージさせるパージ手段とを備えて構成される内燃機関の燃焼制御システムに適用され、前記燃料噴射弁の基本となる噴射量を算出する噴射量算出手段と、前記パージされる燃料蒸発ガス量に基づき前記算出された基本となる噴射量を補正する補正手段と、前記補正された基本となる噴射量に基づく前記燃料噴射弁の通電時間がその許容下限値を下回ると想定される場合に、前記目標値を低下させる燃圧低下手段とを備えることを特徴とする。
燃料噴射弁の燃料噴射圧を低下させると、燃料噴射弁の同一の通電時間に対する燃料噴射量が減少するため、同一の燃料量を噴射するために要求される燃料噴射弁の通電時間が長くなる。この点に鑑み、上記発明では、パージされる燃料蒸発ガス量に基づき上記基本となる噴射量を補正し、補正された基本となる噴射量に基づく燃料噴射弁の通電時間が、燃料噴射量の調節精度を維持可能な時間(許容下限値)を下回ると想定される場合に、燃料噴射圧の目標値を低下させる。このため、内燃機関の運転に要求される燃料量が少ない状況下において燃料蒸発ガスのパージ量が多く設定されることで、燃料噴射弁から噴射すべき燃料量が少なくなる場合であっても、燃料噴射弁の通電時間を長くすることができ、上記通電時間を許容下限値以上とすることができる。これにより、燃料噴射量の調節精度の低下を回避しつつ、燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定することができる。したがって、燃料蒸発ガスのパージを十分に行うことができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記燃料噴射弁には、アルコールと石油との混合割合が任意の燃料が供給されることを特徴とする。
上記発明では、アルコールを石油に混合したアルコール混合燃料や、アルコール100%のアルコール燃料(以下、これらの燃料を単にアルコール混合燃料と記載)が内燃機関の燃料として使用されている。そして、アルコール混合燃料中のアルコール濃度が高いと、所望の内燃機関の出力を得る上で要求される燃料量が多くなるため、上記燃焼制御システムに備えられる燃料噴射弁は、単位時間当たりの燃料噴射量(燃料噴射率)が多いものとされる傾向がある。ここで燃料噴射率が多くなると、燃料噴射弁の通電時間の許容下限値に対応する燃料噴射量が多くなる。このため、アルコール混合燃料中のアルコール濃度が低い等の理由により内燃機関の運転に要求される燃料量が少ない場合、燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を少なく設定することが困難となり、燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定することが困難となるおそれがある。したがって、アルコール混合燃料が使用される上記発明は、上記燃圧低下手段を備えるメリットが大きい。
一実施形態にかかるシステム構成図。 一実施形態にかかる燃料噴射量及び通電時間の関係を示す図。 一実施形態にかかる燃圧低下処理の手順を示すフローチャート。
以下、本発明にかかる制御装置を車載エンジンシステムに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるエンジン10は、多気筒火花点火式内燃機関である。このエンジン10では、ガソリンとアルコールとの混合割合が任意の燃料が使用される。つまり、ガソリン又はアルコール単独の燃料が使用されたり、ガソリンにアルコールが所定の割合で混合された燃料(以下、これらの燃料を単にアルコール混合燃料と記載)が使用されたりする。なお本実施形態では、アルコールとしてエタノールを想定している。
エンジン10の吸気通路12には、上流側から順に、吸入される空気量(吸気量)を検出するエアフローメータ14、DCモータ等によって開度(スロットル開度)が調節される吸気絞り弁(スロットルバルブ16)が設けられている。
スロットルバルブ16の下流側にはサージタンク18が設けられている。サージタンク18には、吸気圧を検出する吸気圧センサ20が設けられている。
サージタンク18の下流側には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド22が接続されており、吸気マニホールド22において各気筒の吸気ポート近傍には、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁24が設けられている。
燃料噴射弁24には、燃料供給通路26及びデリバリパイプ27を介して燃料タンク28内に貯留された燃料が供給される。燃料供給通路26には、このタンク内の燃料を汲み上げて燃料噴射弁24へと圧送する電動式の燃料ポンプ30が設けられている。詳しくは、燃料ポンプ30は、通電操作によって燃料噴射弁24への燃料圧送量を可変設定可能なものであり、燃料圧送量を調節することで燃料噴射弁24の燃料噴射圧を調節する。なお、デリバリパイプ27には、燃料噴射弁24の実際の燃料噴射圧(実燃圧)を検出する燃圧センサ32が設けられている。
燃料タンク28で発生した燃料蒸発ガスは、蒸発ガス処理装置34によって吸気通路12に供給(パージ)される。蒸発ガス処理装置34は、キャニスタ36、導管38、パージ管40及びパージバルブ42等を備えて構成されている。詳しくは、燃料タンク28には、導管38を介して燃料蒸発ガスを吸着する吸着材(例えば活性炭)が収納されたキャニスタ36が接続されている。キャニスタ36には、外気が導入される大気導入孔36aが設けられており、大気導入孔36aには、開度調節が可能な電磁駆動式の大気開放弁36bが設けられている。
また、キャニスタ36には、パージ管40を介して吸気通路12(サージタンク18)が接続されており、パージ管40上には、電磁駆動式のパージバルブ42が設けられている。パージバルブ42は、通電操作によってその開度が可変設定可能なものである。具体的には、パージバルブ42の開度は、このバルブに入力されるパルス信号のデューティ比を調節することで調節される。
こうした構成において、燃料タンク28の燃料蒸発ガスは、導管38を介してキャニスタ36に移送されて吸着される。そして、パージバルブ42の開弁によってパージ管40に吸気負圧が作用し、更に大気開放弁36bの開弁によって大気導入孔36aを介してキャニスタ36に外気が導入されると、キャニスタ36に吸着された燃料蒸発ガスがキャニスタ36から離脱して吸気通路12にパージされる。そして、パージされた燃料蒸発ガスは、燃焼室43で燃焼に供される。
燃料タンク28には、アルコール混合燃料中のエタノールの濃度(以下、アルコール濃度)を検出するアルコール濃度センサ44が設けられている。本実施形態では、アルコール濃度センサ44として、燃料中に浸漬された一対の白金電極を有し、アルコール濃度に応じた電極間の抵抗値の変化によって出力電圧を変化させるものを想定している。
上記エンジン10の吸気ポート及び排気ポートのそれぞれは、吸気バルブ46及び排気バルブ48のそれぞれにより開閉される。詳しくは、吸気バルブ46の開弁によって燃料噴射弁24から噴射供給される燃料と吸気との混合気が燃焼室43に導入され、点火プラグ50の火花放電によって混合気が着火され燃焼に供される。燃焼によって発生したエネルギは、ピストン52を介して、エンジン10の図示しないクランク軸の回転エネルギとして取り出される。なお、クランク軸付近には、クランク軸の回転角度を検出するクランク角度センサ54が設けられている。
燃焼に供された混合気は、排気バルブ48の開弁によって排気として排気通路56に排出される。排気通路56には、排気浄化を行うための排気後処理システムとして、排気中の有害成分を浄化する三元触媒58が設けられている。排気通路56において、三元触媒58の上流側には、排気中の酸素濃度や未燃成分(CO,HC及びH2等)に応じてリニアな電気信号を出力するA/Fセンサ60が設けられている。詳しくは、A/Fセンサ60は、広域の空燃比を検出可能な、いわゆる全領域空燃比センサである。
電子制御装置(ECU62)は、エンジンシステムの各種制御に必要な各種アクチュエータを操作する制御装置である。ECU62は、エアフローメータ14や、吸気圧センサ20、燃圧センサ32、アルコール濃度センサ44、クランク角度センサ54、更にはA/Fセンサ60等の検出信号を逐次入力する。ECU62は、これらの入力信号に基づき、燃料ポンプ30の通電操作による燃圧制御や、燃料噴射弁24の通電操作による燃料噴射制御、パージバルブ42の通電操作によるパージ制御等を行う。
上記燃圧制御は、燃圧センサ32によって検出される実燃圧を目標燃圧に制御すべく燃料ポンプ30を通電操作することで行われる。この目標燃圧は、エンジン負荷(吸気圧)等に基づき可変設定される。具体的には、吸気圧センサ20によって検出される吸気圧よりも目標燃圧をやや高くすること、及び目標燃圧と吸気圧との差圧をエンジン10の運転状態に応じた所定圧に維持することを条件として目標燃圧が可変設定される。この設定は、燃料噴射弁24から適切に燃料噴射させるための設定である。
上記燃料噴射制御は、A/Fセンサ60によって検出される実空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)にフィードバック制御すべく燃料噴射弁24を通電操作することで行われる。詳しくは、まず、アルコール濃度センサ44によって検出されるアルコール濃度に基づき、目標空燃比を可変設定する。これは、アルコール濃度が高いほど理論空燃比が低くなることに鑑みたものである。つまり、例えばガソリンの理論空燃比が14.5であるのに対し、例えばエタノール85%及びガソリン15%の混合燃料(E85)の理論空燃比が9.8であるため、アルコール濃度が高いほど目標空燃比を低く設定することが要求される。次に、エアフローメータ14によって検出される吸気量、クランク角度センサ54によって検出されるエンジン回転速度、及びアルコール濃度から、燃料噴射弁24の基本となる噴射量(基本噴射量)を算出する。詳しくは、アルコール濃度が高いほど、理論空燃比が低くなることに鑑み、基本噴射量を多く設定する。具体的には例えば、E85が使用される場合の基本噴射量を、ガソリン単独の燃料が使用される場合の基本噴射量の1.48倍に設定する。次に、実空燃比と目標空燃比との偏差に基づき、実空燃比と目標空燃比とのずれを補償するための空燃比補正係数を算出し、パージ制御による燃料蒸発ガスのパージ量等に基づき、パージ制御によって基本噴射量から減量可能な燃料量に関する情報であるパージ補正係数を算出する。そして、基本噴射量に、空燃比補正係数及びパージ補正係数等を反映させることで最終的な燃料噴射量(要求噴射量)を算出し、算出された要求噴射量及び上記目標燃圧に基づき燃料噴射弁24の駆動電流の通電時間を算出し、算出された通電時間に基づき燃料噴射弁24を通電操作する。これにより、実空燃比をアルコール濃度に応じた目標空燃比に制御することが可能となる。
また、上記パージ制御は、パージ率をその目標値(目標パージ率)に制御すべくパージバルブ42を通電操作することで行われる。ここでパージ率とは、パージ管40を介して吸気通路12へとパージされる気体の流量(パージガス流量)及び吸気量の検出値の加算値と、パージガス流量との比に関する情報であり、パージ率が高いほど、燃料蒸発ガスのパージ量が多くなる。詳しくは、この制御では、まず、パージ制御の実行条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態では、上記実行条件を、エミッションの増大を抑制する等の観点から設定し、具体的には、空燃比フィードバック制御が実行されているとの条件及び燃料カット制御が実行されていないとの条件等の論理積が真であるとの条件とする。次に、パージ制御の実行条件が成立すると判断された場合、エンジン10の運転状態に基づき、目標パージ率を可変設定する。本実施形態では、目標パージ率を、その上限値(全開パージ率)で制限しつつ、エンジン回転速度の検出値、吸気量の検出値及びキャニスタ36に吸着される燃料蒸発ガス量に対応する値であるパージ濃度等に基づき可変設定する。なお、全開パージ率とは、パージバルブ42が全開とされる場合のパージガス流量及び吸気量の検出値の加算値と、上記全開とされる場合のパージガス流量との比に関する情報である。また、パージ濃度は、例えば燃料蒸発ガスをパージすることによる実空燃比のずれに基づき推定すればよい。具体的には、パージ制御実行時における空燃比補正係数に基づき推定すればよい。そして、パージ率を上記目標パージ率に制御すべく、パージバルブ42に入力されるパルス信号のデューティ比を調節する。なお、吸気圧が一定の場合、上記デューティ比が大きいほど、パージバルブ42の開度が大きくなることで、パージガス流量が多くなる。
ところで近年、法規制等によりエバポエミッションの更なる低減を図ることが要求されている。この要求を満たすための方策の一つとして、市街地での車両走行等、エンジン10が低負荷状態で運転(例えばアイドル運転)される頻度が高い状況において、パージ制御により燃料蒸発ガスを十分にパージさせることも考えられる。しかしながら、エンジン10が低負荷状態で運転される状況下においてパージ制御を行う場合、燃料蒸発ガスを十分にパージすることができなくなるおそれがある。つまり、エンジン10が低負荷状態で運転される場合には通常、エンジン10の運転に要求される燃料量が少なくなる。このような状況下において燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定すると、上記要求される燃料量のうち燃料噴射弁24から噴射すべき燃料量が少なく設定されるため、燃料噴射弁24への通電時間を短く設定することが要求される。しかしながら、図2に一点鎖線にて示すように、燃料噴射弁24の特性上、燃料噴射弁24の通電時間τが許容下限値(噴射下限時間)を下回ると燃料噴射弁24の燃料噴射量Qの調節精度が低下する。このため、燃料噴射弁24の通電時間τを短く設定することができず、エンジン10の運転に要求される燃料量のうち燃料噴射弁24から噴射すべき燃料量を少なく設定することができなくなるおそれがある。この場合、燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定することができず、パージ制御によって燃料蒸発ガスのパージを十分に行うことができなくなるおそれがある。
特に本実施形態では、アルコール濃度が高いほど理論空燃比が低くなることで燃料噴射量が多くなるため、燃料噴射弁24として単位時間当たりの燃料噴射量(燃料噴射率)が多いものが使用され、燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定することが困難となりやすい。これは、燃料噴射率の多い燃料噴射弁24については、噴射下限時間に対応する燃料噴射量Qが多くなるため、エンジン10が低負荷状態で運転される場合に燃料噴射弁24から噴射すべき燃料量を少なく設定することが困難となることによるものである。なお、上記噴射すべき燃料量を少なく設定することの困難さは、ガソリン単独の燃料が使用される場合に特に顕著となりやすい。
こうした問題を解決すべく、本実施形態では、要求噴射量に基づく燃料噴射弁24の通電時間τが噴射下限時間を下回ると想定される場合に目標燃圧を低下させる処理である燃圧低下処理を行う。燃料噴射弁24の燃料噴射圧を低下させると、図2に実線にて示すように、燃料噴射弁24の同一の通電時間τに対する燃料噴射量Qが減少するため、同一の燃料量Qtを噴射するための燃料噴射弁24の通電時間τが長くなる。このため、エンジン10の運転に要求される燃料量が少なくて且つ燃料蒸発ガスのパージ量が多く設定されることで、燃料噴射弁24から噴射すべき燃料量が少なくなる場合であっても、燃料噴射弁24の通電時間τを長くすることができ、上記通電時間τを噴射下限時間以上とすることが可能となる。これにより、燃料噴射量Qの調節精度の低下を回避しつつ、燃料蒸発ガスのパージ量が制限される事態の回避を図る。
図3に、本実施形態にかかる燃圧低下処理を含むエンジン10の燃焼制御処理の手順を示す。この処理は、ECU62によって、例えば所定周期で実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、燃料蒸発ガスのパージ量を算出する。この処理は、エンジン10の運転に要求される燃料量のうち、パージされる燃料蒸発ガスによって供給可能な燃料量を把握するためのものである。具体的には、上記パージ補正係数等によって上記供給可能な燃料量を把握すればよい。
続くステップS12では、上記基本噴射量及びパージ補正係数等に基づき、燃料噴射弁24の要求噴射量を算出する。この処理は、エンジン10の運転に要求される燃料量のうち、燃料噴射弁24から噴射すべき燃料量を算出するためのものである。
続くステップS14では、要求噴射量に基づき目標燃圧を補正する。本実施形態では、要求噴射量が少ないほど目標燃圧が低くなるように目標燃圧を補正する。これにより、燃料噴射弁24の通電時間が噴射下限時間を下回ると想定される場合に吸気圧と燃料噴射圧との差を低減することができ、燃料噴射量の調節精度の低下を回避しつつ、燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定することが可能となる。なお、目標燃圧の補正手法としては、具体的には、要求噴射量が少ないほど小さい値に設定される補正係数A(0<A<1)を目標燃圧に乗算したり、要求噴射量が少ないほど大きい値に設定される補正量(>0)を目標燃圧から減算したりするものとすればよい。
続くステップS16では、要求噴射量と、補正された目標燃圧とに基づき、燃料噴射弁24の通電時間を算出する。詳しくは、上記通電時間は、目標燃圧が低くなるほど長く設定される。これにより、要求噴射量が少なくなる場合であっても、燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定することが可能となる。なお、燃料噴射弁24の通電時間は、要求噴射量及び目標燃圧と上記通電時間とが関係づけられたマップや数式を用いて算出すればよい。
なお、ステップS16の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)要求噴射量が少ないほど目標燃圧が低くなるように目標燃圧を補正する燃圧低下処理を行った。これにより、エンジン10が低負荷状態で運転される場合であっても、パージ制御によって燃料蒸発ガスのパージを十分に行うことができる。更に、市街地での車両走行等、エンジン10が低負荷状態で運転される頻度が高い状況において、パージ制御を適切に行うことも期待できる。
(2)アルコール混合燃料を噴射するための燃料噴射弁24を備える構成とした。この場合、燃料噴射弁24の燃料噴射率が多くなるため、噴射下限時間に対応する燃料噴射弁24の燃料噴射量が多くなり、エンジン10の運転に要求される燃料量が少なくなることによって燃料蒸発ガスのパージ量を多く設定することが困難となりやすい。このため、アルコール混合燃料を噴射するための燃料噴射弁24が備えられる本実施形態は、上記燃圧低下処理の利用価値が高い。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、アルコール濃度を、アルコール濃度センサ44によって直接検出したがこれに限らない。例えば、空燃比補正係数に基づきアルコール濃度を推定してもよい。これは、燃料噴射量及び吸気量が一定の場合においてアルコール濃度が高くなると実空燃比がリーン側に変化し、この変化に応じて空燃比補正係数が変化することに鑑みたものである。
・燃料噴射弁24の通電時間が噴射下限時間を下回ると想定される場合に目標燃圧を低下させる手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、予め規定される目標燃圧(例えば固定値)と、要求噴射量とに基づき燃料噴射弁24の通電時間を算出し、算出された通電時間が噴射下限時間を下回ると判断された場合、上記目標燃圧を低下補正してもよい。具体的には、目標燃圧を所定値低下補正すればよい。なお、目標燃圧を所定値低下補正しても上記通電時間がなお噴射下限時間を下回ると判断された場合には、目標燃圧を更に所定値低下補正すればよい。また例えば、目標燃圧を補正する手法に限らず、要求噴射量に基づき目標燃圧を可変設定してもよい。ここで可変設定する手法としては、要求噴射量が少なくなるほど目標燃圧が低くなるように目標燃圧を可変設定するものを採用すればよい。具体的には例えば、要求噴射量と関係付けられた目標燃圧が規定されるマップを用いて目標燃圧を可変設定すればよい。なお、要求噴射量に加えて、吸気圧を加味して目標燃圧を設定してもよい。これにより、吸気圧(燃料噴射弁24の開口部の圧力)と燃料噴射圧との差を低減することができる。
・上記実施形態では、アルコールとガソリンとの混合割合が任意の燃料が燃料タンクに貯留され、この燃料タンクから燃料噴射弁に上記混合割合が任意の燃料が供給される構成としたがこれに限らない。例えば、アルコールとガソリンとのそれぞれが各別の燃料タンクに貯留され、これら燃料タンクのそれぞれから燃料噴射弁にアルコールやガソリンが供給される構成としてもよい。この場合、燃焼室に供給される燃料中のアルコール濃度は、例えば上記各別の燃料タンクのそれぞれから燃料噴射弁に供給されるアルコール量とガソリン量との割合に基づき推定すればよい。
・燃料として用いられるアルコールは、エタノールに限らず、エタノール以外のアルコール(例えばメタノール)であってもよい。
・内燃機関としては、ポート噴射弁を備えるものに限らず、例えば燃焼室に燃料を直接噴射供給する筒内噴射弁を備えるものであってもよい。
10…エンジン、12…吸気通路、24…燃料噴射弁、28…燃料タンク、30…燃料ポンプ、32…燃圧センサ、34…蒸発ガス処理装置、36…キャニスタ、44…アルコール濃度センサ、62…ECU(内燃機関の燃料供給制御装置の一実施形態)。

Claims (2)

  1. 燃料タンクに貯留される燃料を内燃機関の燃焼室に供給する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁の燃料噴射圧をその目標値に制御すべく操作される燃圧調節手段と、前記燃料タンクの燃料蒸発ガスを前記内燃機関の吸気通路にパージさせるパージ手段とを備えて構成される内燃機関の燃焼制御システムに適用され、
    前記燃料噴射弁の基本となる噴射量を算出する噴射量算出手段と、
    前記パージされる燃料蒸発ガス量に基づき前記算出された基本となる噴射量を補正する補正手段と、
    前記補正された基本となる噴射量に基づく前記燃料噴射弁の通電時間がその許容下限値を下回ると想定される場合に、前記目標値を低下させる燃圧低下手段とを備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。
  2. 前記燃料噴射弁には、アルコールと石油との混合割合が任意の燃料が供給されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
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