JP2012031260A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及びそれを用いてなるコーティング剤組成物、並びに硬化塗膜 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及びそれを用いてなるコーティング剤組成物、並びに硬化塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】活性エネルギー線照射により硬化させコーティング層とした際の、汚れの付着防止性や、汚れ除去性などの防汚性能に優れ、かつ塗膜硬度、耐擦傷性にも優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】片末端に水酸基を有するポリシロキサン化合物と多価アオシナネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)および反応性フッ素含有化合物(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、コーティング剤組成物、硬化塗膜に関するものであり、更に詳しくは、防汚性能(耐汚染性)、塗膜外観、塗膜硬度、耐擦傷性に優れるコーティング層を得ることが可能な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
ディスプレイやモニター、タッチパネル化された機器の画面や、携帯電話等電化製品の表面に指紋等の汚れが付着すると、画面の透明性や画面の鮮明性が低下してしまったり、美観性が損なわれたりしてしまうために、様々な汚れのふき取り方法が検討されたり、汚れの付着防止性や汚れ除去性の向上のためにコーティング剤を上塗りする方法が検討されてきた。
上記、コーティング層の防汚性(汚れの付着防止性や、汚れ除去性)を向上させるための方法としては、コーティング層の撥水撥油性を向上させる目的で、コーティング剤にフッ素構造やシリコーン構造を導入する方法が知られており、例えば特許文献1では、紫外線硬化型樹脂とフッ素原子含有のアルキルアルコキシシランを含むオリゴマーとを併用したコーティング剤が開示されており、特許文献2では、活性エネルギー線硬化性の化合物とポリフルオロアルキル基含有重合性モノマーからなる重合性フッ素共重合体とを併用したコーティング剤が開示されている。
また、ウレタンアクリレートオリゴマーは、活性エネルギー線照射により硬化する性質を有しており、硬化後は高硬度の塗膜を得ることもできるために、ハードコート用途のコーティング剤として広く用いられており、更には、コーティング層に防汚性能を付与するためにシリコーン構造が導入されたウレタンアクリレートオリゴマーも知られており、例えば特許文献3には、主としてイソシアネート類と両末端に水酸基を1個ずつ有するポリジメチルシロキサンジオールとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを用いてなる光硬化性樹脂組成物が記載されている。
特開平10−104403号公報 特開2002−241446号公報 特開2003−192751号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に開示の技術においても、コーティング膜に撥水撥油性が付与されるため高い防汚性能が発揮されるものの、フッ素原子含有のアルキルアルコキシシランを含むオリゴマーやポリフルオロアルキル基含有重合性モノマーは、コーティング剤中に含まれるその他の樹脂成分(ポリマーやオリゴマー)との相溶性や、溶媒に対する溶解性が低く、またフッ素成分とシリコーン成分は相溶性が低いという問題点があった。
従って、上記フッ素系、シリコーン系の化合物を用いたコーティング剤の設計は、自由度がかなり低いものであり、両者の性能を同時に発現させることは非常に困難であった。例えば、特許文献1で開示されているシリコーン構造が導入されたウレタンアクリレートオリゴマーとフッ素系化合物とを組み合わせて用いることも、両者の相溶性が低いため困難であった。
また、上記特許文献3に開示の技術では、ウレタンアクリレートにある程度の防汚性が付与されているものの、近年ではタッチパネル化の普及に伴い、様々な環境で使用される画面に対して防汚性能が要求されており、使用用途によっては、十分な性能を発揮することができず、更なる防汚性能の改善が求められていた。
そこで、本発明ではこのような背景下において、汚れの付着防止性や、汚れ除去性などといった防汚性能に優れ、かつ塗膜外観、塗膜硬度、耐擦傷性にも優れるコーティング層を形成するのに有用な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及びそれを用いてなるコーティング剤組成物、並びに硬化塗膜を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、一定の防汚性能を有するポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物に、特定構造の反応性フッ素含有化合物を配合して得られる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が、両成分の相溶性に優れ、配合時の外観および硬化塗膜とした際の外観にも優れるものであり、かつ、ポリシロキサン構造による防汚性能とフッ素含有化合物の防汚性能とが相乗効果的に発揮され優れた防汚性能が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の要旨は、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、および下記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものであり、更には、かかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いてなるコーティング剤組成物、並びに硬化塗膜に関するものである。
[式中、
R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。
はアルキレン基、
はアリーレン基、
は下記の一般式(2)または(3)で示される置換基
はアルキレン基、又はオキシアルキレン基
はアルキレン基
は水素原子またはエステル結合残基である。
a、bはそれぞれ1〜30の整数であり、c、dはそれぞれ0〜60の整数である(ただし、構成単位の結合順序は任意である。)。]
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、特定構造の反応性フッ素含有化合物とを含有しているために、活性エネルギー線照射により硬化させコーティング層とした際の、汚れの付着防止性や、汚れ除去性などといった防汚性能に優れるものである。
更に、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、特定構造の反応性フッ素含有化合物とは特別に相溶性に優れるものであり、そのため、配合時の外観および硬化塗膜とした際の外観にも優れるものである。
なお、本発明のポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、特定構造の反応性フッ素含有化合物から得られる硬化塗膜は、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物由来のポリシロキサン部分と、反応性フッ素含有化合物由来のフッ素部分がともに硬化塗膜表面付近に存在するために、それぞれの性能を同時にかつ、相乗効果的に発揮し、優れた防汚性能を得ることができる。理由は明らかではないが、特定構造の反応性フッ素含有化合物を用いることにより、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物と最適な相溶性が得られることとなり、上記硬化塗膜の表面状態となり得るものと推測される。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、および上記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B)を必須成分として含有してなるものである。
まず、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)(以下、「ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)」と記載することがある。)について説明する。
ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、その構造中にポリシロキサン構造を含有するものであればよく、特には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の構成成分として、下記一般式(4)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物、下記一般式(5)で示される両末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物であることが好ましい。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、一般式(4)および(5)両方由来の構造部位を有するものであってもよい。
〔式中、R1はアルキル基を示し、R2はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を示し、R3は炭化水素基又は酸素原子を含む有機基を示す。aは1以上の整数であり、bは1〜3の整数である。〕
〔式中、R1、R3は炭化水素基又は酸素原子を含む有機基を示し、R2はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を示し、aは1以上の整数であり、b、cは1〜3の整数である。〕
まず、上記一般式(4)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)(以下、「ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)」と記すことがある。)について説明する。
かかるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)は、上記一般式(4)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物(x1)(以下、「ポリシロキサン系化合物(x1)」と記すことがある。)と、多価イソシアネート系化合物(x2)と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)、必要に応じて更にポリオール系化合物(x4)を反応させてなるものである。
かかるポリシロキサン系化合物(x1)について、一般式(4)中のR1はアルキル基であり、アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
一般式(4)中のR2はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、ソクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は置換基を有するものであってもよい。置換基としては、通常、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルファニル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。なお、かかる置換基が炭素原子を有する場合には、該炭素原子は上記Rの説明中で規定している炭素数には含めないものとする。
一般式(4)中のRは、炭化水素基又は酸素原子を含む有機基である。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
酸素原子を含む有機基としては、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
一般式(4)中のaは1以上の整数であり、好ましくは5〜200、特に好ましくは5〜120の整数である。bは1〜3の整数であり、好ましくは1〜2の整数である。
本発明で用いられるポリシロキサン系化合物(x1)の重量平均分子量としては、通常100〜50,000であることが好ましく、特には500〜10,000、更には1,000〜10,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が低すぎると防汚性能が低下する傾向があり、高すぎると塗膜硬度や耐擦傷性が低下する傾向がある。
一般式(4)で示されるポリシロキサン系化合物(x1)の具体例としては、例えば、信越化学工業社製の「X−22−170BX」、「X−22−170DX」、「X−22−176DX」、「X−22−176F」、チッソ社製の「サイラプレーンFM−0411」、「サイラプレーンFM−0421」、「サイラプレーンFM−0425」、「サイラプレーンFM−DA11」、「サイラプレーンFM−DA21」、「サイラプレーンFM−DA26」等の商品が挙げられる。
本発明で用いられる多価イソシアネート系化合物(x2)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ポリイソシアネート、或いはこれらポリイソシアネートの3量体化合物又は多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業(株)製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)、等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート系化合物、特にはポリイソシアネートの3量体又は多量体化合物であることが、塗膜硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、及びブリードの原因となる未反応の低分子量成分を少なくできる点でより好ましい。
本発明で用いられる水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、高硬度の塗膜が得られる点でペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオール系化合物(x4)を用いてもよい。かかるポリオール系化合物(x4)としては、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール、等が挙げられる。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールや、これらポリアルキレングリコールのランダム或いはブロック共重合体が挙げられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが挙げられる。
前記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
ポリオール系化合物(x4)の重量平均分子量としては、50〜8000が好ましく、特に好ましくは50〜5000、更に好ましくは600〜3000である。ポリオール(x4)の重量平均分子量が大きすぎると、硬化時に塗膜硬度等の機械的物性が低下する傾向があり、小さすぎると硬化収縮が大きく安定性が低下する傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)は、1個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましく、硬化塗膜の硬度の点で3個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが特に好ましく、更には6個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、
(イ):ポリシロキサン系化合物(x1)、多価イソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(x2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を一括に仕込み反応させる方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(x1)と多価イソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(x2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させる方法、
(ハ):多価イソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(x2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(x1)を反応させる方法、
(ニ):多価イソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(x2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(x1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらの中でも、(ロ)または(二)の方法が好ましく、反応制御の安定性の点で、特に好ましくは(ロ)の方法である。
なお、予めポリオール系化合物(x4)と多価イソシアネート系化合物(x2)を反応させる場合には、例えば、公知一般のウレタン系ポリオールの製造例に従えばよい。
かかる(ロ)の方法にあたっては、ポリシロキサン系化合物(x1)の水酸基と多価イソシアネート系化合物(x2)のイソシアネート基を、イソシアネート基を残存させる条件下で反応させた後、次いで多価イソシアネート系化合物(x2)の該残存イソシアネート基と上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の水酸基を反応させるのである。
ポリシロキサン系化合物(x1)と多価イソシアネート系化合物(x2)との反応モル比は、例えば、多価イソシアネート系化合物(x2)のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(x1):多価イソシアネート系化合物(x2)0.001〜1:1程度であり、多価イソシアネート系化合物(x2)のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(x1):多価イソシアネート系化合物(x2)0.001〜2:1程度であればよい。
この反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)が得られる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)100重量部中に含まれるポリシロキサン系化合物(x1)に由来する構造部分の重量としては、上記モル比の範囲内で0.1〜80重量部であることが好ましい。
かかる反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクトエ酸亜鉛、オクトエ酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等が挙げられ、中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。
かかる反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
かかる反応の反応温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜90℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
かくして得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)の重量平均分子量としては500〜50,000であることが好ましく、更には500〜30,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化収縮が大きく塗膜物性が低下する傾向があり、大きすぎると高粘度となり取り扱いにくく、また硬化塗膜の硬度や耐擦傷性がより低下する傾向がある。
尚、上記の重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(昭和電工社製、「Shodex GPC system−11型」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
以下、後述のウレタン(メタ)アクリレート系化合物の重量平均分子量の測定は、上記の方法に準じて測定される。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)の60℃における粘度は、500〜15万mPa・sであることが好ましく、特には500〜12万mPa・s、更には1000〜10万mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では塗工性が低下する傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、上記一般式(5)で示される両末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)(以下、「ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)」と記すことがある。)について説明する。
〔式中、R1、R3は炭化水素基又は酸素原子を含む有機基を示し、R2はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を示し、aは1以上の整数であり、b、cは1〜3の整数である。〕
かかるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)は、上記一般式(5)で示される両末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物(y1)(以下、「ポリシロキサン系化合物(y1)」と記すことがある。)と、多価イソシアネート系化合物(y2)と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)、更に必要に応じてポリオール系化合物(y4)を反応させてなるものである。
かかるポリシロキサン系化合物(y1)について、一般式(5)中のR、Rは、炭化水素基又は酸素原子を含む有機基である。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
酸素原子を含む有機基としては、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
一般式(5)中のR2はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は置換基を有するものであってもよい。置換基としては、通常、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルファニル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。なお、かかる置換基が炭素原子を有する場合には、該炭素原子は上記R2の説明中で規定している炭素数には含めないものとする。
一般式(5)中のaは1以上の整数であり、好ましくは5〜200、特に好ましくは5〜120の整数である。bは1〜3の整数であり、好ましくは1〜2の整数である。
ポリシロキサン系化合物(y1)の重量平均分子量としては、通常100〜50,000であることが好ましく、特には500〜10,000、更には1,000〜10,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が低すぎると防汚性能が低下する傾向があり、高すぎると透明性や耐擦傷性が低下する傾向がある。
ポリシロキサン系化合物(y1)の具体例としては、信越化学工業社製の「X−22−160AS」、「KF−6001」、「KF−6002」、「KF−6003」、チッソ社製の「サイラプレーンFM−4411」、「サイラプレーンFM−4421」、「サイラプレーンFM−4425」、東亞合成社製の「マクロモノマーHK−20」等の商品が挙げられる。
多価イソシアネート系化合物(y2)としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A1)に関する説明の中で、多価イソシアネート系化合物(x2)として例示したものと同様のものが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A1)に関する説明の中で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)として例示したものと同様のものが挙げられる。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオール系化合物(y4)を用いてもよく、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A1)に関する説明の中でポリオール系化合物(x4)として例示したものと同様のものが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)は、2個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましく、硬化塗膜の硬度の点で4個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが特に好ましく、更には6個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、
(イ):ポリシロキサン系化合物(y1)、多価イソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(y2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を一括に仕込み反応させる方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(y1)と多価イソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(y2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させる方法、
(ハ):多価イソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(y2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(y1)を反応させる方法、
(ニ):多価イソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させた多価イソシアネート系化合物(y2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(y1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらのなかでも(ロ)又は(ニ)の方法が好ましく、反応制御の安定性や相溶性の点で、特に好ましくは(二)の方法である。
なお、予めポリオール系化合物(y4)と多価イソシアネート系化合物(y2)を反応させる場合には、例えば、公知一般のウレタン系ポリオールの製造例に従えばよい。
かかる(ロ)の方法にあたっては、ポリシロキサン系化合物(y1)の水酸基と多価イソシアネート系化合物(y2)のイソシアネート基を、イソシアネート基を残存させる条件下で反応させた後、次いで多価イソシアネート系化合物(y2)の該残存イソシアネート基と上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の水酸基を反応させるのである。
ポリシロキサン系化合物(y1)と多価イソシアネート系化合物(y2)との反応モル比は、例えば、多価イソシアネート系化合物(y2)のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(y1):多価イソシアネート系化合物(y2)0.001〜1:1程度であり、多価イソシアネート系化合物(y2)のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(y1):多価イソシアネート系化合物(y2)0.001〜2:1程度であればよい。
この反応性生物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)が得られる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)100重量部中に含まれるポリシロキサン系化合物(y1)に由来する構造部分の重量は、上記モル比の範囲内で0.1〜80重量部であることが好ましい。
かかる反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、上記と同様のものが挙げられる。
かかる反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
かかる反応の反応温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜90℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
かくして得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)の重量平均分子量としては、通常500〜50,000であることが好ましく、更には500〜30,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化収縮が大きく塗膜物性が低下する傾向があり、大きすぎると高粘度となり取り扱いにくく、また硬化塗膜の硬度や耐擦傷性がより低下する傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)の60℃における粘度は、500〜15万mPa・sであることが好ましく、特には500〜12万mPa・s、更には1000〜10万mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では塗工性が低下する傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)としては、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)及び/又はウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)を用いることが好ましいが、防汚性能に優れる点で、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)を用いることが特に好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)および(A2)を併用する場合には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)の配合割合(重量比)は、好ましくは(A1)/(A2)=5/95〜95/5、特に好ましくは(A1)/(A2)=20/80〜80/20である。
次に、下記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B)について説明する。
[式中、
R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。
はアルキレン基、
はアリーレン基、
は下記の一般式(2)または(3)で示される置換基
はアルキレン基、又はオキシアルキレン基
はアルキレン基
は水素原子またはエステル結合残基である。
a、bはそれぞれ1〜30の整数であり、c、dはそれぞれ0〜60の整数である(ただし、構成単位の結合順序は任意である。)。]
上記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B)は、その構造中に、Xで示されるフッ素原子含有構造部位、および(メタ)アクリロイル基を含有することを特徴とするものであり、かかる構造を有することによりウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)と併用した際に優れた防汚性能を発揮することが可能となる。特にXがオキシアルキレン基である場合には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)との相溶性が特に向上し好ましい。
一般式(1)中のR1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。
一般式(1)中のXはアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(1)中のXはアリーレン基であり、アリーレン基の炭素数としては、通常6〜12、好ましくは6である。具体的には、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
一般式(1)中のXは、下記一般式(2)または(3)で示されるフッ素原子含有置換基である。
なお、反応性フッ素含有化合物(B)において、aが2以上の場合には、一般式(2)、(3)で示される置換基を両方含むものであってもよいし、一方のみを含むものであってもよい。
一般式(1)中のXは、アルキレン基またはオキシアルキレン基である。
アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
オキシアルキレン基の場合には、下記一般式(7)で示される構造であればよく、nが2以上のポリオキシアルキレン基の場合は、同一オキシアルキレン鎖のホモ重合体でもよいし、相異なるオキシアルキレン鎖がランダム或いはブロック状に共重合したものでもよい。
(式中、Yはアルキレン基、nは1以上の整数である。)
一般式(5)中のYはアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(5)中のnは1以上の整数であり、好ましくは1〜30、特に好ましくは2〜20、更に好ましくは5〜15である。
一般式(1)中のXはアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(1)中のXは水素原子またはエステル結合残基である。
エステル結合残基としては、一価の飽和炭化水素基またはアリール基等が挙げられる。
一価の飽和炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基等の直鎖アルキル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐アルキル基、クロヘキシル基、イソボニル基、ジシクロペンタニル基等の脂環式アルキル基等が挙げられる。
アリール基としては、通常炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15のものが挙げられる。具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
また、上記X、X、X,X、Xは置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルファニル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。なお、かかる置換基が炭素原子を有する場合には、該炭素原子は上記X、X、X,X、Xの説明中で規定している炭素数には含めないものとする。
一般式(1)中、a、bはそれぞれ1〜30の整数であり、c、dはそれぞれ0〜60の整数である。更に、
aと(b+c+d)との割合は、0.1≦a/(b+c+d)≦10であることが好ましく、特に好ましくは0.1≦a/(b+c+d)≦8であり、
cと(b+c)との割合は、0≦c/(b+c)<0.95であることが好ましく、特に好ましくは0≦c/(b+c)<0.9であり、
dと(a+b+c)との割合は、0≦d/(a+b+c)≦5であることが好ましく、特に好ましくは0≦d/(a+b+c)≦3である。
なお、一般式(1)中のa〜dが2以上の整数である場合は、一般式(1)中の[ ]で括られた各構造部位は、同一構造の繰り返しでもよいし、異なる構造の繰り返しであってもよい。
反応性フッ素含有化合物(B)の重量平均分子量は、通常1,000〜100,000であり、好ましくは2,500〜40,000、特に好ましくは3,000〜30,000である。
反応性フッ素含有化合物(B)の製造方法については、特に限定されず、公知一般のフッ素含有化合物製造方法に従えばよく、例えば、特開2010−47680号公報に記載の方法に準じて製造すればよい。
反応性フッ素含有化合物(B)の配合量は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して0.5〜500重量部であることが好ましく、特に好ましくは2〜200重量部、更に好ましくは5〜100重量部である。かかる配合量が多すぎると相溶性が低下し相分離を起こしたり塗膜が白濁したりする傾向があり、少なすぎると防汚性能が充分に発揮されなくなる傾向がある。
本発明では、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)および反応性フッ素含有化合物(B)に加えて、更にエチレン性不飽和化合物[ただし、(A)および(B)を除く](C)(以下、「エチレン性不飽和化合物(C)」と記載することがある。)を含有することが、塗膜硬度や耐擦傷性に優れる点で好ましい。
エチレン性不飽和化合物(C)の含有量は、(A)〜(C)成分の全体に対して、0〜99重量%であることが好ましく、特に好ましくは25〜98重量%、殊に好ましくは50〜97重量%、更に好ましくは75〜96重量%である。エチレン性不飽和化合物[(A)および(B)を除く](C)の含有量が多すぎると充分な防汚性能が得られない傾向がある。なお、エチレン性不飽和化合物(C)が少なすぎると塗膜硬度や耐擦傷性が低下する傾向がある。
エチレン性不飽和化合物[ただし(A)および(B)を除く](C)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1)及び/又はエチレン性不飽和モノマー(C2)であることが好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1)としては、下記一般式(6)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1−1)であることが、様々な用途に用いた際にも要求される物性を付与しやすい点で好ましい。
〔式中、R1は多価イソシアネート系化合物のウレタン結合残基、R2は水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物のウレタン結合残基、aは2〜50の整数である。〕
上記一般式(6)で示されるウレタン(メタ)アクリレート(C1−1)(以下、「ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1−1)」と略すことがある。)は、多価イソシアネート系化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を反応させてなるものである。
上記一般式(6)中のaは2〜50の整数であればよく、好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜10である。
かかる多価イソシアネート系化合物としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A1)に関する説明の中で、多価イソシアネート系化合物(x2)として例示したものと同様のもの、或いは、多価イソシアネート系化合物(x2)とポリオール系化合物(x4)とを反応させたものが挙げられる。
かかる水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A1)に関する説明の中で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)として例示したものと同様のものが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1−1)の製造方法は、公知一般のウレタン(メタ)アクリレート系化合物の製造方法に準じて製造すればよい。例えば、上記多価イソシアネート系化合物(x2)、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応器に一括又は別々に仕込み反応させればよい。
なお、多価イソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との反応モル比は、例えば、多価イソシアネート系化合物のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の水酸基が1個である場合は、多価イソシアネート系化合物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物が1:2〜3程度であり、多価イソシアネート系化合物のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の水酸基が1個である場合は、多価イソシアネート系化合物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物が1:3〜4程度である。
この多価イソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1−1)が得られる。
上記で得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1−1)中に含まれるエチレン性不飽和基の個数としては、2〜30であることが好ましく、特に好ましくは3〜20、更に好ましくは6〜15である。
エチレン性不飽和基の個数が少なすぎると塗膜の硬度や耐擦傷性が得られない傾向があり、多すぎると塗膜の硬化収縮が大きくなり基材密着性が落ちたり、塗膜が脆くなったりする傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1)の重量平均分子量は、700〜50,000であることが好ましく、更には800〜30,000、特には1000〜10,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると、塗膜硬度及び耐収縮性のバランスを保持させることが困難となったり、基材への濡れ性も低下したりする傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると、2〜3官能の多官能性オリゴマーを用いた際に耐擦傷性や硬度を保持することが困難となる傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1)の60℃における粘度は、200〜15万mPa・sであることが好ましく、特には500〜12万mPa・s、更には500〜10万mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では塗工性が低下する傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
上記エチレン性不飽和モノマー(C2)としては、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1を除く)であればよく、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を1つ含有するモノマーであればよく、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフエステル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエステル等が挙げられる。
また、前記の単官能モノマーの他にアクリル酸のミカエル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも挙げられ、アクリル酸のミカエル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。また、特定の置換基をもつカルボン酸である2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、例えば2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
2官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を2つ含有するモノマーであればよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、エチレン性不飽和基を3個以上含有するモノマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらエチレン性不飽和モノマー(C2)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エチレン性不飽和モノマー(C2)としては、エチレン性不飽和基を1つ以上含有するモノマーであることが好ましく、特に好ましくはエチレン性不飽和基を2つ以上含有するモノマーであり、高硬度の塗膜が得られる点で、更に好ましくはエチレン性不飽和基を3つ以上含有するモノマーである。
具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートであることが高硬度の塗膜を得るためには好ましい。
エチレン性不飽和化合物(C)として、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1)とエチレン性不飽和モノマー(C2)を併用する場合の(C1)および(C2)の含有割合(重量比)としては、(C1):(C2)=5:95〜95:5であることが好ましく、特に好ましくは(C1):(C2)=20:80〜80:20である。
本発明においては、更に光重合開始剤(D)を含有することができる。
かかる光重合開始剤(D)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等があげられる。なお、これら光重合開始剤(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
光重合開始剤(D)の配合量は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、反応性フッ素含有化合物(B)、および、必要に応じて使用するエチレン性不飽和化合物(C)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。かかる配合量が少なすぎると紫外線硬化の場合の硬化速度が極めて遅くなる傾向があり、多すぎても硬化性は向上せず非効率である。
また、本発明においては、上記(A)〜(D)成分の他に、フィラー、電解質塩、染顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、補強剤、艶消し剤、架橋剤等を配合することも可能である。
これらのほかに、塗膜の硬化収縮率を抑える目的で、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類やニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体の如き高分子を配合してもよい。
かくして本発明のポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、および一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B)、好ましくはエチレン性不飽和化合物(C)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られる。
かかる樹脂組成物は必要に応じて、有機溶剤を配合し、粘度を調整して使用することも可能であり、通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%に希釈し、基材に塗布することができる。
かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の芳香族類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これら上記の有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を製造するにあたり、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、反応性フッ素含有化合物(B)、エチレン性不飽和化合物(C)、光開始剤(D)の配合方法については、特に限定されるものではなく、各々別途製造された(A)〜(D)成分を種々順序で配合してもよいし、まず(A)と(C)を同じ反応系で製造した後に、次いで(B)と(D)を配合してもよい。酢酸エチル、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤を使用する場合は、有機溶剤を上記混合物に添加しても良いし、それぞれの組成物を有機溶剤に溶解した後に混合しても良い。
これらの中でも、(A)、(B)、(C)を配合した後に、最後に(D)を加える方法が好ましく用いられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、コーティング剤組成物として有用であり、各種基材へのトップコート剤やアンカーコート剤など、塗膜形成用の硬化型樹脂組成物として有効に用いられるものであり、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を基材に塗工した後(有機溶剤で希釈した組成物を塗工した場合には、さらに乾燥させた後)、活性エネルギー線を照射することにより硬化される。塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ロール、スピン、スクリーン印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられる。
塗工膜厚(硬化後の膜厚)としては、通常1〜50μmであることが好ましく、特には3〜30μmであることが好ましい。
塗工する対象である基材としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン系樹脂等やそれらの成型品(フィルム、シート、カップ等)、金属、ガラス等が挙げられる。
かかる活性エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。尚、電子線照射を行う場合は、光重合開始剤(F)を用いなくても硬化し得る。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極ランプ等を用いて、100〜3000mJ/cm2程度照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
かくして、本願発明のコーティング剤組成物に活性エネルギー線を照射してなる硬化塗膜が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
尚、実施例中「%」、「部」とあるのは、特にことわりのない限り重量基準を表す。
ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)として、ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[A−1]および[A−2]を下記の方法に従い製造した。
・<ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[A−1]の製造>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(x2)(イソシアネート基含有量21.0%)39.9g、一般式(4)で示されるポリシロキサン系化合物(x1)(R1=ブチル基、R2=メチル基、R3=−C36OC24−、a=80、b=1、水酸基価12mgKOH/g)310.9g、ジブチルスズジラウリレート0.10g、メチルエチルケトン500gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.99%となった時点で、更に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(x3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕149.2g、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4gを約1時間かけて滴下し、そのまま反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[A−1]溶液を得た(固形分濃度50%)。
なお、上記ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[A−1]は、本文中のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)に該当するものである。
・<ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[A−2]の製造>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(y2)(イソシアネート基含有量21.0%)90.6g、一般式(5)で示されるポリシロキサン系化合物(y1)(R1=−C24OC36−、R2=メチル基、R3=−C36OC24−、a=9、b=1、c=1、水酸基価120mgKOH/g)70.6g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(y3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕169.4g、ジブチルスズジラウリレート0.10g、メチルエチルケトン500gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.76%となった時点で、更に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(y3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕169.4g、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4gを約1時間かけて滴下し、そのまま反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[A−2]溶液を得た(固形分濃度50%)。
なお、上記ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[A−2]は、本文中のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)に該当するものである。
反応性フッ素含有化合物(B)として、下記表1で示される、[B−1]〜[B−5]、[B’−1]〜[B’−2]を用意した。
表中、
※1は、一般式(1)中の下記構造部位を2種類含有するものであり、それぞれ、(d、R4、X)=(10、CH3-、H)、(5、CH3-、isobornyl)で示される構造のものである。
※2は、一般式(1)中の下記構造部位を2種類含有するものであり、それぞれ、(d、R4、X)=(10、CH3-、CH3-)、(5、CH3-、H)で示される構造のものである。
※3は、一般式(1)中の下記構造部位を2種類含有するものであり、それぞれ、(d、R4、X)=(10、H、4-(glycidyloxy)butyl)、(5、CH3-、CH3-)で示される構造のものである。

エチレン性不飽和化合物(C)として、エチレン性不飽和化合物[C−1]を下記の方法に従い製造した。
・<エチレン性不飽和化合物[C−1]>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(イソシアネート基含有量37.8%)188.2g、ペンタエリスリトールトリアクリレート〔ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(水酸基価120mgKOH/g)〕811.8g、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、ジブチルスズジラウリレート0.10gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、エチレン性不飽和化合物[C−1]を得た。
なお、エチレン性不飽和化合物[C−1]は、本文中のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1−1)に該当するものである。
光重合開始剤(D)として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASFジャパン社製、「イルガキュア184」)[D−1]を用意した。
<実施例1〜9及び比較例1〜5>
〔活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の製造〕
上記のポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート[A]、反応性フッ素含有化合物[B]、エチレン性不飽和化合物[C]を固形分換算で表2に示す割合となるように配合し、さらに[A]、[B]、[C]の合計100重量部に対して光重合開始剤[D](BASFジャパン社製、「イルガキュア184」)を4重量部添加し、光重合開始剤を除いた固形分が50%濃度となるようにメチルエチルケトンにて希釈し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物溶液を得た。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物溶液について以下の評価を行なった。
[配合液外観]
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物溶液の外観を観察した。
(評価)
○・・・均一で透明
△・・・白濁している
×・・・相分離を起こし、凝集物が沈降している
次いで、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物溶液を、PETフィルム上に、50μmのアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗工し、60℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量450mJ/cm2)を行ない、硬化塗膜(膜厚15μm)を形成し、以下の評価を行った。
[塗膜外観]
○・・・透明で異物がない
×・・・白濁し、塗膜表面に凝集物がみられる
[防汚性]
・[指紋ふき取り性]
硬化塗膜に指で指紋を押し付け、キムワイプにより拭き取った後の塗膜を観察し、以下の通り評価した。
◎・・・軽い力で1〜2回できれいに拭き取れる
○・・・軽い力で3回以上こすると拭き取れる
△・・・何度も強くこすると拭き取れる
×・・・何度も拭いてもなかなか指紋が拭き取れない
・[マジックインキふき取り性]
硬化塗膜に青マジックインキで1往復線を引いて、24時間放置した後、ウエスにより拭き取った後の塗膜を観察し、以下の通り評価した。
○・・・きれいに拭き取れる
△・・・拭き取れるものの線の跡が残る
×・・・拭き取れない
[塗膜硬度]
硬化塗膜について、JIS K 5600−5−4に準じて鉛筆硬度を測定した。
[耐擦傷性]
硬化塗膜について、300gの荷重をかけたスチールウール#0000を、硬化塗膜表面で10往復させた後の表面の傷付き度合いを目視により観察し、以下の通り評価した。
◎・・・全く傷が付かないもの
○・・・わずかに傷が付いたもの
△・・・多少傷が付いたもの
×・・・塗膜が傷つきにより白化したもの
上記実施例および比較例の評価結果を合わせて表2に記載する。
実施例の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物から得られる硬化塗膜は、防汚性は、指紋およびマジックインキのいずれに対しても良好な結果を示し、塗膜硬度、耐擦傷性にも優れた硬化塗膜が得られた。
比較例1および2において、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が反応性フッ素含有化合物を含有しない場合には、指紋ふき取り性に劣るものであり、比較例3において活性エネルギー線硬化型樹脂組成物がポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレートを含有しない場合には、マジックインキのふき取り性に劣るものであった。
更に、比較例4、5では、本願請求項で特定する構造以外の反応性フッ素含有化合物を使用したが、均一な塗膜が得られなかったり、十分な指紋ふき取り性が得られなかったりする結果となった。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、汚れの付着防止性や、汚れ除去性などの防汚性能に優れ、かつ塗膜硬度、耐擦傷性にも優れるため、主として、護コーティング剤、アンカーコーティング剤、磁性粉コーティングバインダー等のコーティング用途に有用に用いることができる。
また、塗料、インク、粘着剤、接着剤、粘接着剤等としても用いることができる。

Claims (10)

  1. ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、および
    下記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B)
    を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。


    [式中、
    R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。
    はアルキレン基、
    はアリーレン基、
    は下記の一般式(2)または(3)で示される置換基
    はアルキレン基、又はオキシアルキレン基
    はアルキレン基
    は水素原子またはエステル結合残基である。
    a、bはそれぞれ1〜30の整数であり、c、dはそれぞれ0〜60の整数である(ただし、構成単位の結合順序は任意である。)。]
  2. ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が、下記一般式(4)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物と多価イソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を反応させてなるポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。

    〔式中、R1はアルキル基を示し、R2はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を示し、R3は炭化水素基又は酸素原子を含む有機基を示す。aは1以上の整数であり、bは1〜3の整数である。〕
  3. ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が、下記一般式(5)で示される両末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物と多価イソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を反応させてなるポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A2)を特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。

    〔式中、R1、R3は炭化水素基又は酸素原子を含む有機基を示し、R2はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を示し、aは1以上の整数であり、b、cは1〜3の整数である。〕
  4. 反応性フッ素含有化合物(B)の重量平均分子量が1000〜100000であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. 反応性フッ素含有化合物(B)の配合量が、(A)100重量部に対して、0.5〜500重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. エチレン性不飽和化合物[ただし、(A)および(B)を除く](C)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. エチレン性不飽和化合物[ただし、(A)および(B)を除く](C)が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1)及び/又はエチレン性不飽和モノマー(C2)であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1)が、下記一般式(6)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(C1−1)を含有することを特徴とする請求項7いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。

    〔式中、R1は多価イソシアネート系化合物のウレタン結合残基、R2は水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物のウレタン結合残基、aは2〜50の整数である。〕
  9. 請求項1〜8いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなることを特徴とするコーティング剤組成物。
  10. 請求項9記載のコーティング剤組成物に活性エネルギー線を照射して得られることを特徴とする硬化塗膜。
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