JP2012031110A - ジケトピラセンの合成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 二硫化炭素を溶媒として用いずに高収率でジケトピラセンを合成する。
【解決手段】 特定の溶媒を用いる。具体的にはベンゼン環に2つ以上の塩素原子を有する溶媒を用いる。2つの塩素原子はベンゼン環においてメタ位に配置せず、オルト位置に配置されている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二硫化炭素を溶媒に用いずにジケトピラセンを合成する合成方法に関する。
ジケトピラセンは以下の構造式で示される。ジケトピラセンを以下では化合物1と記すこともある。
Figure 2012031110
ジケトピラセンを合成する場合は溶媒に二硫化炭素が用いられる(非特許文献1)。
ジケトピラセンを得る場合には塩化アルミニウムや臭化アルミニウムを触媒として用いる。これらを溶解することができる二硫化炭素が非特許文献1では溶媒として用いられている。
Journal of the American Chemical Society 91、918(1969)
二硫化炭素の引火点は−30℃でありジケトピラセンを工業的に得る場合には別の溶媒を用いるべきである。
また、非特許文献1の合成方法だと反応中に攪拌停止が生じる。また収率が17%と低い。
よって本発明は、
ジケトピラセンの合成方法であって、
前記合成方法は、臭化アルミニウムとオキサリルブロミドと溶媒の存在下にてアセナフテンから前記ジケトピラセンを得る方法であり、
前記溶媒は、前記臭化アルミニウムと前記オキサリルブロミドと前記アセナフテンを溶解する液体であり且つ下記一般式(1)で示され、
Figure 2012031110
(X1乃至X6はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、フッ素原子、置換あるいは無置換のアルキル基から選ばれる。
ただしX1乃至X6のうち少なくとも隣り合う2つはそれぞれ独立に塩素原子、フッ素原子から選ばれる。)
前記合成方法は、以下AあるいはBのいずれか一方の工程を有することを特徴とするジケトピラセンの合成方法を提供する。
A:容器に収容されている前記臭化アルミニウムと前記溶媒とを有する溶液に、前記アセナフテンと前記オキサリルブロミドと前記溶媒とを有する溶液を滴下し且つ混合する工程。
B:前記臭化アルミニウムと前記溶媒とを有する溶液と共に、前記アセナフテンと前記オキサリルブロミドと前記溶媒とを有する溶液を容器に滴下し且つ混合する工程。
本発明により、二硫化炭素を用いずにジケトピラセンを高収率で合成できる。
本発明に係るジケトピラセンの合成方法は、臭化アルミニウムとオキサリルブロミドと溶媒の存在下にてアセナフテンから前記ジケトピラセンを得る方法である。触媒として臭化アルミニウムを用い、アセナフテンとオキサリルブロミドとを反応させて得る。
アセナフテンは以下の構造で示される。
Figure 2012031110
オキサリルブロミドは以下の構造で示される。
Figure 2012031110
臭化アルミニウムを溶解させる溶媒として一般式(1)に示される化合物Xを用いる。
Figure 2012031110
この反応式を以下に示す。この反応ではアシル化が2回行われている。
Figure 2012031110
またこれら3種の化合物(臭化アルミニウムとアセナフテンとオキサリルブロミド)を反応場に供給する順序がジケトピラセンの収率に大きく影響する。
順序を説明する前に溶媒である化合物Xについて説明する。
化合物Xは以下の一般式(1)で示される。
Figure 2012031110
(X1乃至X6はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、フッ素原子、置換あるいは無置換のアルキル基から選ばれる。
ただしX1乃至X6のうち少なくとも隣り合う2つはそれぞれ独立に塩素原子、フッ素原子から選ばれる。)
X1乃至X6のいずれかが置換あるいは無置換のアルキル基である場合、この置換あるいは無置換のアルキル基はどのようなものでも構わない。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基を挙げることができる。これらはジケトピラセンの収率が15%以上45%以下の範囲となると考えられるものである。
合成に際して化合物Xは1種類に限定されず、2種類以上混合してもよい。
化合物Xにおいて、X1乃至X6のうち少なくとも隣り合う2つはそれぞれ独立に塩素原子、フッ素原子から選ばれる。
これに対して本発明に係る化合物Xとは異なる化合物、即ち骨格が一般式(1)で示される化合物であって、X1乃至X6において少なくとも隣り合う2つの原子の組み合わせが、塩素原子と塩素原子、塩素原子とフッ素原子、フッ素原子とフッ素原子の何れにも該当しない場合であって、たとえ塩素原子とフッ素原子とがメタ位、あるいはパラ位の関係にあったとしてもジケトピラセンの収率は著しく下がる。
また本発明に係る化合物Xは塩素原子およびまたはフッ素原子を計3つ以上有しても良い。
本発明で用いられる前記一般式(1)で示される化合物Xの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
オルトジクロロベンゼン、1、2−ジフルオロベンゼン、2−クロロフルオロベンゼン、1、2、3−トリクロロベンゼン、1、2、4−トリクロロベンゼン、1、2、3−トリフルオロベンゼン、1、2、4−トリフルオロベンゼン
1、2−ジクロロ−4−フルオロベンゼン、1、2−ジクロロ−3−フルオロベンゼン、1、3−ジクロロ−2−フルオロベンゼン、1、4−ジクロロ−2−フルオロベンゼン、2、4−ジクロロ−1−フルオロベンゼン、
1−クロロ−2、3−ジフルオロベンゼン、1−クロロ−2、4−ジフルオロベンゼン、2−クロロ−1、3−ジフルオロベンゼン、2−クロロ−1、4−ジフルオロベンゼン、4−クロロ−1、2−ジフルオロベンゼン
1、2−ジクロロ−4−メチルベンゼン、1、2−ジクロロ−4−エチルベンゼン、1、2−ジクロロ−4−プロピルベンゼン1、2−ジクロロ−4−イソプロピルベンゼン、4−tert−ブチル−1、2−ジクロロベンゼン
2−クロロ−1−フルオロ−4−メチルベンゼン、2−クロロ−1−フルオロ−4−エチルベンゼン、2−クロロ−1−フルオロ−4−プロピルベンゼン、2−クロロ−1−フルオロ−4−イソプロピルベンゼン、4−tert−ブチル−2−クロロ−1−フルオロベンゼン
1−クロロ−2−フルオロ−4−メチルベンゼン、1−クロロ−2−フルオロ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−2−フルオロ−4−プロピルベンゼン、1−クロロ−2−フルオロ−4−イソプロピルベンゼン、4−tert−ブチル−1−クロロ−2−フルオロベンゼン
1、2−ジフルオロ−4−メチルベンゼン、1、2−ジフルオロ−4−エチルベンゼン、1、2−ジフルオロ−4−プロピルベンゼン1、2−ジフルオロ−4−イソプロピルベンゼン、4−tert−ブチル−1、2−ジフルオロベンゼン
1、2、3、4−テトラクロロベンゼン、1、2、3、5−テトラクロロベンゼン、1、2、3、4−テトラフルオロベンゼン、1、2、3、5−テトラフルオロベンゼン、1、2、4、5−テトラフルオロベンゼン
次に順序について説明する。
先述の非特許文献1に記載の順序、即ち
アセナフテンが溶媒に溶解した溶液に、オキサリルブロミド、臭化アルミニウムをこの順番に投入し混合する、と収率が低い。
そして本発明者は以下AあるいはBの工程のいずれか一方を行うとジケトピラセンが高収率で得られることを見出した。
工程A:
容器に収容された臭化アルミニウムを化合物Xに溶解させた溶液に、アセナフテンとオキサリルブロミドを化合物Xに溶解させた液を滴下、混合することが好ましいこと本発明者により見出された。
工程B:
また、臭化アルミニウムを化合物Xに溶解させた液と共に、アセナフテンとオキサリルブロミドを化合物Xに溶解させた液を、容器に滴下する(例えば同時に滴下する)ことでも化合物1が収率よく得られることも本発明者により見出された。
工程Aにおいても工程Bにおいても共通することは、臭化アルミニウムの当量が反応場(反応溶液中)においてアセナフテンとオキサリルブロミドのそれぞれの当量よりも最初から(混合開始時から)大きいということである。これにより収率が上がる。
特に工程Bにおいては、臭化アルミニウムが、アセナフテンとオキサリルブロミドに対して当量より多い量になるように滴下するのが好ましく、滴下時間は同じであることが、さらに好ましい。
工程AあるいはBにおいて滴下時間は、45分以上であることがジケトピラセンを高い収率で得ることができる。
実施例では工程Aを仕込み方法1と、そして工程Bを仕込み方法2と記す。また非特許文献1の順序を仕込み方法3と以下記す。仕込み方法3は比較例に用いる。
その他工程Aあるいは工程Bに共通する反応条件を示す。
反応温度は0℃未満では、反応時間が長くなり、35度より高いと、不純物の生成量が多くなる傾向にあることから、0℃以上35℃以下の範囲が好ましい。
化合物Xの使用量として好ましくはアセナフテンに対して1重量%以上100重量%以下の範囲であり、より好ましくは、8重量%以上20重量%以下の範囲である。
臭化アルミニウムの使用量は、アセナフテンとオキサリルブロミドの当量数よりも多い量であることが好ましく、使用するアセナフテンの量を1当量とした場合アセナフテンに対して2.0当量以上がより好ましい。臭化アルミニウムを過剰に用いると後処理操作が煩雑になるため、臭化アルミニウムの使用量としてより好ましくは、2.5当量以上4.0当量以下が好ましい。
オキサリルブロミドの使用量は、臭化アルミニウムの当量数よりも少ないことが好ましく、アセナフテンに対して1.0当量以上2.0当量以下がより好ましい。
その他反応条件として常圧下で行うことができる。また窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
以下に3種の仕込み方法と溶媒である化合物Xを様々に変えた実施例と比較例を記す。これら例は化合物1であるジケトピラセンの合成方法である。3種の仕込み方法とは先述の仕込み方法1と仕込み方法2と仕込み方法3のことである。
各実施例、比較例を説明する前に、ジケトピセンの純度測定について説明する。絶対純度とは固体の総量に対した、化合物の含有量の比率である。絶対純度を測定し、固体の総量と絶対純度の比率から算出して収率の値を求めた。
絶対純度測定は、液体クロマトグラフィーより、標品を用いて検量線を作成して行った。検量線とサンプル測定結果から、固体に含まれる化合物1の量を算出して収率を求めた。標品とはジケトピラセンであり、以下の方法で調整されたものをいう。本発明の合成方法で合成したジケトピラセンをシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により精製した後、クロロホルムにて再結晶して標品を得る。サンプルとは各実施例および比較例で得られた物質のことである。ジケトピラセンが固体に含まれるとは有機物及び無機物中にジケトピラセンが含有されているということである。
絶対純度測定に使用する液体クロマトグラフィーは、検量線の作成に用いられ、さらに合成且つ精製して得られたジケトピラセンの純度測定に用いられる。
液体クロマトグラフィーによる分析は、カラムは、ワイエムシィ社製ODS−H80を用い、溶媒はアセトニトリル:水=8:2の混合溶媒を用いた。溶液流量1.0ml/minにて展開し、検出はUV(紫外線)254nmの波長にて行った。検出することで所望の純度がわかり、所望の純度を得ることができた場合、標品を用いた検量線からジケトピラセンの含有量を求め、固体の総量に対する比率を算出することで絶対純度を測定した。
表1に各実施例と比較例における溶媒と、ジケトピラセンの収率と、選択した工程を示す。
Figure 2012031110
以下に各実施例と比較例を示す。
(実施例1)
実施例1は溶媒として1、2、4―トリクロロベンゼンを用い、仕込み方法1を用いてジケトピラセンを合成した方法である。
窒素気流下、反応容器に臭化アルミニウム1.03kg(3.86mol)、1、2、4−トリクロロベンゼン 2.14 Lを加え攪拌し溶解した。アセナフテン 238g(1.54mol)とオキサリルブロミド 349g(1.62mol)を1、2、4−トリクロロベンゼン0.714Lに溶解した液を反応容器に4時間かけ滴下し、1時間攪拌した。攪拌後、オルトジクロロベンゼンを1.43Lを加えた後に0℃まで冷却して、10%硫酸水溶液で反応を停止させた。反応停止後に、イソプロピルエーテルを6.42Lを加え1時間攪拌し、ろ過した。得られたろ物を水分散洗浄、イソプロピルエーテル分散洗浄、トルエン分散洗浄を行い化合物1を茶色固体147g得た。得られた固体の化合物1の絶対純度を測定した結果、収率42.4%であった。
NMR測定により構造を確認した。ピークの帰属を以下に示す。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=8.01(d、2H、J=6.0Hz)、7.59(d、2H、J=6.0Hz)、3.65(s、4H)
(実施例2)
実施例2は溶媒として1、2、4―トリクロロベンゼンを用い、仕込み方法2を用いてジケトピラセンを合成した方法である。
窒素気流下、反応容器に1、2、4−トリクロロベンゼンを3ml加えた。臭化アルミニウム4.37g(16.4mmol)を1、2、4−トリクロロベンゼン 14.0mLに溶解させた溶液と、アセナフテン 1.01g(6.56mmol)とオキサリルブロミド 1.48g(6.87mmol)を1、2、4−トリクロロベンゼン5.0mLに溶解した液を、容器である反応釜へ45分かけて滴下し、1時間攪拌した。攪拌後、オルトジクロロベンゼンを6.1mlを加えた後に0℃まで冷却して、10%硫酸水溶液で反応を停止させた。反応停止後に、イソプロピルエーテルを27.3mlを加え1時間攪拌し、ろ過した。得られたろ物を水分散洗浄、イソプロピルエーテル分散洗浄、トルエン分散洗浄を行い、化合物1を茶色固体0.61g得た。得られた固体の化合物1の絶対純度を測定した結果、収率40.1%であった。
(実施例3)
実施例2は溶媒として1、2、4―トリクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼンを用い、仕込み方法1を用いてジケトピラセンを合成した方法である。
窒素気流下、反応容器に臭化アルミニウム4.76g(17.8mmol)、1、2、4−トリクロロベンゼン5.0ml、オルトジクロロベンゼン5.0mLを加え攪拌、溶解した。アセナフテン 1.10g(7.13mmol)とオキサリルブロミド 1.62g(7.48mmol)を1、2、4−トリクロロベンゼン1.6ml、オルトジクロロベンゼン1.6mLに溶解した液を45分かけて滴下し、5時間攪拌した。攪拌後、0℃に冷却し、10%硫酸水溶液で反応を停止させた。反応停止後に、イソプロピルエーテルを29.8 mlを加え1時間攪拌し、ろ過した。得られたろ物を水分散洗浄、イソプロピルエーテル分散洗浄、トルエン分散洗浄を行い化合物1を茶色固体0.55g得た。得られた固体の化合物1の絶対純度を測定した結果、収率33.1%であった。
(実施例4)
実施例4は溶媒としてオルトジクロロベンゼンを用い、仕込み方法1を用いてジケトピラセンを合成した方法である。
窒素気流下、反応容器に臭化アルミニウム4.32g(16.2mmol)、オルトジクロロベンゼン 14.0mLを加え攪拌し溶解した。
アセナフテン 1.00g(6.40mmol)とオキサリルブロミド 1.47g(6.80mmol)をオルトジクロロベンゼン6.0mLに溶解した液を45分かけて滴下し、2時間攪拌した。攪拌後、0℃まで冷却して、10%硫酸水溶液で反応を停止させた。反応停止後に、イソプロピルエーテルを26.9mlを加え1時間攪拌し、ろ過した。得られたろ物を水分散洗浄、イソプロピルエーテル分散洗浄、トルエン分散洗浄を行い化合物1を茶色固体0.31g得た。得られた固体の化合物1の絶対純度を測定した結果、収率20.8%であった。
(比較例1)
比較例1は化合物Xとは異なる溶媒を用いて仕込み方法1を用いてジケトピラセンを合成した方法である。
窒素気流下、反応容器に臭化アルミニウム5.27g(19.7mmol)、メタジクロロベンゼン 14.0mLを加え攪拌、溶解した。アセナフテン 1.22g(7.90mmol)とオキサリルブロミド 1.79g(8.30mmol)をメタジクロロベンゼン6.0mLに溶解した液を反応容器に45分かけて滴下し、2時間攪拌した。攪拌後、0℃まで冷却して、10%硫酸水溶液で反応を停止させた。反応停止後に、イソプロピルエーテルを32.9 mlを加え1時間攪拌し、ろ過した。得られたろ物を水分散洗浄、イソプロピルエーテル分散洗浄、トルエン分散洗浄を行い化合物1を茶色固体0.14g得た。得られた固体の化合物1の絶対純度を測定した結果、収率7.9%であった。
(比較例2)
比較例2は化合物Xとは異なる溶媒を用いて仕込み方法3を用いてジケトピラセンを合成した方法である。
窒素気流下、反応容器にアセナフテン1.04g(6.72mmol)を仕込み、に1、2、4−トリクロロベンゼンを12.5ml加えた。オキサリルブロミドを1.53g(6.72mmol)を一度に加えた後、臭化アルミニウムを4.50g(16.8mmol)を少しずつ30分で添加し、1時間攪拌した。攪拌後、オルトジクロロベンゼンを6.2mlを加えた後に0℃まで冷却して、10%硫酸水溶液で反応を停止させた。反応停止後に、イソプロピルエーテルを28.0mlを加え1時間攪拌し、ろ過した。得られたろ物を水分散洗浄、イソプロピルエーテル分散洗浄、トルエン分散洗浄を行い化合物1を茶色固体0.092g得た。得られた固体の化合物1の絶対純度を測定した結果、収率2.6%であった。
(比較例3)
比較例3は化合物Xとは異なる溶媒を用いて仕込み方法1を用いてジケトピラセンの合成を試みた方法である。
窒素気流下、反応容器に臭化アルミニウム4.45g(16.7mmol)、メタジブロモベンゼン 14.0mLを加え攪拌、溶解した。アセナフテン 1.03g(6.65mmol)とオキサリルブロミド 1.51g(7.01mmol)をメタジブロモベンゼン6.0mLに溶解した液を反応容器に45分かけて滴下し、攪拌した。攪拌途中で温度が上昇し、溶液が固まり、攪拌が停止した。
(比較例4)
比較例4は化合物Xとは異なる溶媒を用いて仕込み方法3を用いてジケトピラセンを合成した方法である。
1Lコルベンにアルゴン気流下でアセナフテン6.80g(44.1mmol)を仕込み、脱水クロロホルム(600ml)を加えた。氷水で0℃まで冷却した後、オキサリルブロミド10.0g(46.3mmol)を一度に加えた後、臭化アルミニウム29.4g(110mmol)を少しずつ30分で添加した。添加終了後、同温で5時間攪拌した後、一晩静置した。その後、反応物を上澄み部と壁面付着固形部に分けた。上澄み部をNMRで分析した結果、化合物1ではなかった。残りの壁面固形部の化合物1の絶対純度を測定した結果、収率1.8%であった。
(比較例5)
比較例5は化合物Xとは異なる溶媒を用いて仕込み方法3を用いてジケトピラセンの合成を試みた方法である。
1Lコルベンにアルゴン気流下でアセナフテン6.80g(44.1mmol)を仕込み、ジクロロメタン(600ml)を加えた。氷水で0℃まで冷却した後、オキサリルブロミド10.0g(46.3mmol)を一度に加えた後、臭化アルミニウム29.4g(110mmol)を少しずつ30分で添加した。添加終了後、同温で5時間攪拌した後、一晩静置した。反応液をNMRで分析した結果、化合物1ではなかった。
(比較例6)
比較例6は化合物Xとは異なる溶媒を用いて仕込み方法3を用いてジケトピラセンの合成を試みた方法である。
1Lコルベンにアルゴン気流下でアセナフテン6.80g(44.1mmol)を仕込み、ニトロベンゼン(600ml)を加えた。氷水で0℃まで冷却した後、オキサリルブロミド10.0g(46.3mmol)を一度に加えた後、臭化アルミニウム29.4g(110mmol)を少しずつ30分で添加した。添加終了後、同温で5時間攪拌した後、一晩静置した。反応液をNMRで分析した結果、化合物1ではなかった。
(結果)
実施例1乃至4は何れも収率が20%以上と高かった。これに対して比較例1、2、4は10%にも満たない。比較例3、5、6は合成できなかった。
実施例を考察すると溶媒が1、2、4−トリクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、メタジクロロベンゼンの順にジケトピラセンの収率が高く、その差異は、塩素原子の置換位置と置換数によると考える。さらに、実施例と比較例3を考察すると塩素原子と臭素原子の違いがジケトピラセンの収率の違いの原因となっていると考える。
この違いは塩素と臭素との脱離能によると考える。また炭素―ハロゲン結合に関してフッ素原子は塩素原子よりも強く、フッ素原子は塩素原子と同様の効果を得ると考える。即ち化合物Xが有するハロゲン原子の候補は実施例に記載の塩素原子以外にフッ素原子も挙げることができると考える。
ジケトピラセンは蛍光発光化合物を合成する際の原料としても好ましく用いることができる。蛍光発光化合物は有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子用の化合物として好ましく用いることができる。

Claims (4)

  1. ジケトピラセンの合成方法であって、
    前記合成方法は、臭化アルミニウムとオキサリルブロミドと溶媒の存在下にてアセナフテンから前記ジケトピラセンを得る方法であり、
    前記溶媒は、前記臭化アルミニウムと前記オキサリルブロミドと前記アセナフテンを溶解する液体であり且つ下記一般式(1)で示され、
    Figure 2012031110

    (X1乃至X6はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、フッ素原子、置換あるいは無置換のアルキル基から選ばれる。
    ただしX1乃至X6のうち少なくとも隣り合う2つはそれぞれ独立に塩素原子、フッ素原子から選ばれる。)
    前記合成方法は、以下AあるいはBのいずれか一方の工程を有することを特徴とするジケトピラセンの合成方法。
    A:容器に収容されている前記臭化アルミニウムと前記溶媒とを有する溶液に、前記アセナフテンと前記オキサリルブロミドと前記溶媒とを有する溶液を滴下し且つ混合する工程。
    B:前記臭化アルミニウムと前記溶媒とを有する溶液と共に、前記アセナフテンと前記オキサリルブロミドと前記溶媒とを有する溶液を容器に滴下し且つ混合する工程。
  2. 前記溶媒は1、2、4−トリクロロベンゼンかオルトジクロロベンゼンのいずれかあることを特徴とするジケトピラセンの合成方法。
  3. 前記臭化アルミニウムを、前記アセナフテンと前記オキサリルブロミドの何れの当量よりも多く使用することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載のジケトピラセンの合成方法。
  4. 使用する前記アセナフテンの量を1当量とした場合、使用する前記臭化アルミニウムは2.5当量以上4.0当量以下であり且つ使用する前記オキサリルブロミドは1.0当量以上2.0当量以下であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載のジケトピラセンの合成方法。
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