JP2012030637A - 水中重量物の降下および浮上方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜水艇の外部には浮力体2が備えられ、潜水艇内のボンベ11の液化ガスを気化して浮力体に圧入して浮力剤とする。浮力体内のガス圧と水圧は常に平衡が保たれるように制御され、艇の降下時は浮力体内のガスを圧縮・液化してボンベに格納し、浮上する時は浮力体の体積を膨張させながら浮上する。浮上時に艇船尾に備えたフック7に海底の重量物を複数個連結して浮上させる。また艇船尾に具備したスクリュー5に連動した発電機10で電力を発生させる。
【選択図】図1
Description
が開発を待っている。これら鉱石は、八丈島、小笠原諸島など南方海域の調査で、我が国の排他的経済水域内に分布が確認されている。本願発明者による非特許文献1の「“風力よ”エタノール化からトウモロコシを救え <風力発電による海洋資源回収と洋上工場>」に示してあるように、海底熱水鉱床には、すず、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、鉛、金、銀、マンガン、アンチモン、ビスマス、水銀、ウラン、蛍石などの金属や非金属現が豊富であり、マンガンクラストに含有するコバルトの量はマンガン団塊の3倍以上である。コバルトは純金属としての用途よりも、合金としての用途が高く、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステンなどに、コバルトを20〜65%加えた合金は高温でも耐摩耗性と耐食性に優れ、ジェット機やガスタービンに用いられている。また、鉄、ニッケルと共に強磁性体のコバルトは磁性合金としても有用である。そのほかにコバルト合金は非常に硬く丈夫なため、切削工具としても広く使われている。このように高性能合金に必要なコバルトは年間生産量の大半がアフリカ大陸のザンビアに偏存している。このため、海底に広く分布するマンガンクラストは各国の注目の的になっている。マンガンクラストの主要産地は沖ノ鳥島や南鳥島周辺や南太平洋から太平洋中央部の海山の山頂や斜面に分布している。このマンガンクラストは、マンガン団塊が水深4,000〜6,000mの海底に存在しているのに対し、水深500〜2,500m付近の海山の斜面に、約10cm厚の薄膜状海底鉱床として存在する。しかも、マンガン団塊の埋蔵量は、モアー博士らの推定結果によれば、約5,000億トンである。これを最近の世界の年間消費量で計算すれば、マンガン14万年、ニッケル7万年、銅2千年、コバルト42万年分の供給量に匹敵するといわれている。しかも、深海とはいえ、場所を選べば海底をすくうだけで高品位な希少金属を採取することが可能なため、多くの国が商業化を見込み、鉱区を設定し、調査・研究と実用的な採取法の開発にしのぎを削っている。日本近海では、大東沖・沖大東海嶺に分布している。さらに排他的経済水域以外のハワイ南東方から東にかけての中部太平洋域にも、2ヶ所で北海道と同じ面積の鉱区を取得している。我が国の他にも、中国、韓国、フランス、ロシア、ドイツも国連海洋条約の下で鉱区を取得している。
しかし、これら鉱物資源は水深1000mから6000mに存在するため、100から600気圧下での採掘作業や輸送の技術的問題がネックとなり、1気圧以下の宇宙開発に比べると、極端に開発が遅れている。しかし昨今の資源高と資源の枯渇は、海底開発に拍車をかけ、世界中で深海調査が行われている。わが国の有人深海調査船「しんかい2000」が2003年引退し、その後継機として潜行深度6,000メートル、乗員2名(パイロットを含めて3名)、0.7m/秒の速度で、2時間かけて6,500メートルまで潜行可能な「しんかい6000」が活躍している。又、無人探査機として「かいこう」や「うらしま」など5艇があり、潜行深度は「かいこう」が7,000メートル、これに積み込んだ子機「ランチャー」は11,000メートルの潜行記録がある。外国でもアメリカの4,500メートル調査艇「アルピン」などがあるが、いずれも調査のみであって、深海鉱物資源の採掘艇は無い。
海底鉱物資源の採掘に関しては本願発明者による特許文献1「海洋資源エネルギー抽出・生産海洋工場」において風力発電や潮流発電などの流体エネルギーから得られた電力により、マンガンクラストあるいは海底熱水鉱床中の泥状硫化物を採鉱し港に輸送する総合工場構想について開示されている。採掘した海底鉱物資源の海上への輸送については、科学技術振興事業団の笹井らが「深海底鉱物資源の揚鉱方法及び揚鉱装置」において、両端開口部で液面が同じ高さに維持されるU字管の中の海水が循環流動する特性を利用し、深海底から鉱物資源を海面に浮上させる方法を特許文献2に開示している。
バケットによる揚鉱について益田は特許文献3「深海鉱物バケット採鉱装置」において、採鉱船による海底鉱物資源の連続バケット採鉱装置にロープと耐圧浮力筒を用い鉱物資源が重くなるのを補償する牽引駆動方式を開示している。竹山は特許文献4「海底鉱物資源の採取方法およびその粉砕装置および連結装置」において、海底で採取した鉱物資源を採取直後に海底で細粒に粉砕し、その細粒を海上の船舶に輸送ホースで揚鉱する方法について開示している。吉岡は特許文献5「深底資源吸引揚装置」において、ポンプで高圧化した気体と液体を共に深海の気液分離室へ圧送し、液体は気液分離室の下部から外部に放流し、気体は気泡となってエアリフトパイプに入り上昇し、同時に下端に接続した吸引パイプの吸引口に吸引力を起こし、海底等の深部の資源を吸引し、資源が上昇する速度で上部まで引揚げる機構について開示している。海洋科学技術センターの青木らは特許文献6「燃料電池搭載型深海潜水調査船運用システム」において、深海潜水調査船の駆動源として燃料電池を搭載し、母船から水素ガス及び酸素ガスをホースで補給する方法についてに開示している。
気体や氷結体を積み込み、海底ではそれらを浮力体として使うことを提案している。しかし現時点では、深海底での利用報告が無いため、陸上での液化ガスや氷結体の応用例を示す。三菱重工業株式会社の渥美らは特許文献7「液化ガスを利用した動力発生装置」において、タンクに貯蔵した液体空気などの液化ガスをポンプで昇圧した後、外気等を利用した熱交換器で加熱してほぼ常温の高圧空気とし、この高圧空気を高圧空気駆動エンジンに導いてその膨張により動力を得ること及びこれを自動車の動力として用いることを開示している。また金属ナトリウムを水と反応させて水素を生成し、これを燃料電池の燃料に供し、かつ廃棄物の水は再度金属ナトリウムから水素を発生させる反応に使用することが、三菱重工業株式会社の玉木による特許文献8「燃料電池の燃料供給システム」に開示され、生田は特許文献9「水素の製造方法及び水素−酸素の製造方法並びにこれらの製造装置」において、金属ナトリウムを石油に入れた状態で水と反応させて水素を生成する方法を開示している。
そこで本願発明では、場所を選ばない発電法として、潜水艇が重力により降下し、浮力により浮上する時に発生する、流体エネルギーをスクリューにより回転エネルギーに変換して発電を行い、これを海底での作業用電力や、海上における電力に使うことを提案している。 水中の浮力を利用して発電する方法について、国土総合建設株式会社の森崎は特許文献11「浮力を利用したエネルギー発生方法と装置」において、海上と海底に固定された車輪の間を無端ベルトが回転する構造にしておき、そのベルトに多数の風船を付け、その風船が最も海底に来た時に空気を送入することによって生じる浮力で風船が順次浮上し、海上に来た時に風船の中の空気を抜くことにより、ベルトが浮力のみで回転するエネルギーを発電機に伝え電力変換する方法が開示されている。水中で物質を化学反応、気化、又は昇華させた時に発生する気体を浮力として使い、海上と海底に固定された車の間を無端ベルトが回転する構造にしておき、そのベルトに多数の円筒形容器を付け、発生させた気体を円筒容器内に入れて、回転により発電する方法が、田野瀬によって特許文献12「水中で気体を発生させ、その浮力を利用して発電する浮力発電システム」が開示されている。
そこで考えたのが浮力の利用である。一般に、浮力体の排水量が浮上させる物質の総排水量を超えた時に浮上を開始する。さらに重要なことは、浮力体の内圧と水圧とが常に等しいことである。もしこのバランスが崩れると浮力体は破壊する。深海魚の浮き袋が破壊しないのは水圧と浮き袋の内圧とのバランスが取れているからである。もし、深さ[h]における浮力体の内圧[P(h)]と水圧[W(h)]とを等価[P(h)=W(h)]に制御できれば、浮力体の容積をV(h)とすると、P(h1)×V(h1)= P(h2)×V(h2)=一定、であるから、V(h2)=V(h1)×P(h1)/P(h2)である。 ここで浮力体が深さh1から、深さh2まで浮上したとすると、浮力体の内圧は P(h1)> P(h2)あるから、深さh2における浮力体V2の容積はV(h2)=V(h1)×P(h1)/P(h2)> V(h1)となり、容積は増大することがわかる。
一方、気体は雰囲気温度に敏感である。一般に、水温は低緯度海域では0から4000mまで1.5℃と変化は無いが、高緯度海域では海上で約28℃、1000mで10℃、2000m以下は低緯度海域と同じ1.5℃であると言われている。さらに、海水の密度は低緯度海域では0から4000mまで1.0284g/cm3と変化は無いが、高緯度海域では海上で1.0242g/cm3、1000mで1.027g/cm3、2000m以下では低緯度海域と同じ1.0284g/cm3である。塩濃度は低緯度海域では水面では33.2%、1000mで34.8%、それ以下では平均35%と変わらない。 高緯度海域では海上で約36.9%、1000mで35.2%、それ以下では低緯度海域と同じ35%である。これら物理定数は海域によって異なるため、その都度制御機構に入力することが望ましい。例えば、水深5000mにおける水圧は500気圧であるから、水面上(0m、1気圧)での浮力体の容積は500倍と成り、浮力も500倍に成る。この現象は、深度が浅くなるに連れて浮力が必然的に増大するため、浮力体の牽引力は増大することを意味する。すなわち、海底から海上に浮力体が上昇するに連れて、浮力が増加するため、それに応じて被鉱物資源の格納籠をある間隔をおいて数珠繋ぎに連結すれば、浮力のみで複数個の荷物を揚鉱することができる。海上ではそれらのガスを回収して再度液化すれば、再生可能エネルギーサイクルを構築できる。 又この浮力の増大で発生する流体エネルギーをスクリューで捕らえ、回転エネルギーに変換して発電すれば、艇内の浮力制御用電力、海底での掘削機や集鉱シャベルなどの駆動電力、あるいは洋上や陸上の作業用電力として利用できる。
この浮力・重力発電は、風力発電や太陽光発電あるいは温度差発電が抱える欠点、すなわち、台風、強風、凪、無風、雨、曇、落雷、夜、月の満ち欠け、あるいは温度差も関係なく、景観に悪影響もなく、低周波公害も無く、氷結も関係なく、建設工事も必要なく、重力バランスを考えることも無く、しかも1年中24時間休むことなく発電できる。ただ必要なのは水深のみ。この浮力・重力発電システムで得られた電力の最大の利点は、深海底での鉱物資源回収用電力としの利用である。海底近くで浮上と降下を繰り返し、発電すれば、送電ロスが皆無と成る。さらに、浮上して水面に近づくに連れて浮力が増すため発電量が大きくなることも浮力発電の特徴である。欠点としては、重力で降下する時の発電量が少ないことと、浮上・降下の距離が短いので操作の繰り返しが煩雑であることである。これを解消するには、複数の発電艇を浮上・降下させて、夫々の発電機で得られた電力を平均化すれば一定電力を供給することが可能である。これら浮力体の内圧と水圧の制御システムを構築することが、本発明が解決しようとする課題である。
ところが本願発明では浮力体は潜水艇の外部に備えてあり、艇内の船体構造は復殻式で、外殻と内殻の間には液化ガスやドライアイスあるいは圧縮ガスを入れるボンベ室、内殻内部には油圧コンプレッサー室、液化ガス製造装置室、蓄電地室、発電装置室を設備する。そして、降下する時には浮力体内のガスを液化あるいは圧縮して潜水艇内部のボンベに移行し、錘としての重力を得、浮上する時はボンベから気化させた液化ガス又は圧縮ガスを浮力体に封入して浮力を得る。一旦浮上を開始した後は、浮力体にはガスを一切供給せず、浮力体の容積のみを膨張させて、浮力を増大させる。
一般的に、潜水艦では、降下のための錘として密度1.02の海水を用いるが、本願発明では、錘として、密度が1.18と重い液体酸素、密度1.56のドライアイス、密度0.81の液体窒素又は密度0.071の液体水素も用いる。一般に多くのガスは加圧だけでは液化しない。しかし、ドライアイスだけは使用する深さを考慮しなければならない。ドライアイスが昇華して発生するCO2は約130気圧で液化する。すなわち、水深が1300mより深い海水では液化二酸化炭素であるため、ガスとはならないため、1300mより浅くなって初めて浮力剤の役割を開始する。潜水艇が降下する重力源としての錘は、潜水艇本体、発電機、ボンベは勿論であるが洋上でボンベに圧入する液化ガスあるいは圧縮ガスの重量が非常に大きくなる。たとえば、簡単のために、水の密度=1、水温=1.5℃、大気圧=1気圧として大まかな計算を行うと、深度5000m(水圧500気圧)の地点で、浮力1トン得るためのガスの重量は、酸素で約714kg、二酸化炭素で約981kg、空気で約647kg、窒素で約624kg、水素45kgである[M(g)(ガス1モル当たりの重さ)× 500(気圧)×1000(リットル)/22.4(リットル)≒22.3M(kg)]。本発明の特徴は、これらのガス重量を、降下時の錘として用いることである。そして、このガスを全て浮力体に移すので、潜水艇の重量はその分だけ軽くなる。しかし、浮力体内のガスの重量は同じである。ただし、浮力体は深度が浅くなるに連れて膨張し、海面に到達した時点では浮力は約800倍になる。この水圧と浮力の関係を利用したのが本発明の特色である。
深海底や海底の地盤中にはマンガン団塊、マンガンクラスト、海底熱水鉱床などの未掘削の鉱物資源が豊富にあり、その他にも、沈没船や遺跡が発見されている。これら海底や湖底の調査は陸上に比べ手間がかかる。2009年1月ユネスコの水中文化遺産保護条約が発効し、水中考古学が脚光を浴びつつあり、深海での調査が盛んに成り、陸上への輸送が盛んに成ると考える。さらに深海底の事故処理も急を要す。2010年4月20日米国ルイジアナ州沖のメキシコ湾で起きた石油掘削施設の爆発炎上により、崩壊した海底1500mの掘削井戸からは1日当たり5000バーレル以上の原油が流出し、メキシコ沿岸地域を汚染し、環境への影響が懸念された。これら噴出原油の回収や海底に未開発のまま存在する鉱物資源を、簡便な方法で陸上まで輸送することが急がれる。海底や湖底から水面まで揚げる荷物は固体と液体に分離できるが、湧出原油、深層水又は汚泥物などの液体物については密閉容器が必要である。そのため、浮力を極力少なくし、降下時は重力だけで海底に運び、海底では容器に液体回収物を満載した後、浮上させるような、密閉容器が必要である。そこで密閉容器を折畳み容器構造とし、畳んだ状態で水底に運搬し、水底で容器を拡大しながら目的の液体物を挿入する方式が望ましい。一方、荷物が固体の場合は、降下時に浮力を発生させない籠状容器を採用する。潜水艇の船尾にはスクリューを備え、重力により降下する場合と、浮力により浮上する場合に発生する流体エネルギーを回転エネルギーに変えて発電機を回し電力を得る機構を有している。潜水艇に搭載する発電機を小型と大型に分け、小型の場合は、主浮力体駆動用モーターの電池充電用に供し、海底や湖底と水面上を荷物の運搬のみに特化させる。一方、大型発電機を搭載した潜水艇は、水面と水底間を往復して発電に特化させても良い。
水中では10m降下する毎に1気圧上昇するから、5000m降下するならばその点での水圧は500気圧に及ぶ。主浮力体がこの圧力に打ち勝つためには、頑強な構造体が要求される。しかし、これを満足する主浮力体を作れば、材料が重すぎて浮力を得ることが難しい。ここで注目に値するのが、深海魚の浮き袋である。非特許文献2「Deep-Sea fishes」に開示されているように、深海魚の浮き袋の壁は頑丈なグアニン結晶で覆われ、浮き袋の内容物は気体ではなく脂肪やワックスであるという。とくに、はだかいわし類などの深海魚は餌を求めて深海と浅海の間を往復すると言われるから、毎日数百気圧に及び気圧変化を受けている。深海魚は自分の体だけを浮上させれば良い。しかし、本願発明のように潜水艇本体よりも重い重量物を浮上させるためには大きな体積の主浮力体(浮き袋)が必要である。深海魚に習うとすると、大きな主浮力体を満たすにはその体積に見合うだけの油脂が必要である。油脂の密度は約0.8から0.94と水(1.0)より軽いため、浮力剤として申し分ない。さらにこの油脂で満たされた主浮力体に潜水艇内部から油圧をかければ容易に水圧と平衡を取ることができる。しかし、残念ながら油脂など液体は体積を収縮させることはできない。これに反し、気体は圧縮して体積を縮小でき、縮小した形(浮力を小さくした状態)で降下することができる。このため、小型主浮力体ならば油脂を使うことが可能だが、本願発明のように水深が浅くなるに連れて主浮力体の容積を大きくして浮力増を狙う機能を有する大型主浮力体には使えない。従って、深海魚のように水深によって主浮力体の全内容物を気体から油脂に置換することはできない。しかし、主浮力体の内容物を深度によって油脂と気体とを使い分けたり、又は内容物を油脂と気体の混合体とすれば、深さに左右れない主浮力体内容物が可能に成る。これらに使用する油脂としては石油系鉱物油(密度0.8)やパラフィン(密度0.87-0.94)などが有望である。
潜水艇が降下開始前には、主浮力体伸縮駆動機構を作動して蛇腹型主浮力体を収縮させ、同時に潜水艇内部のコンプレッサーで吸収した主浮力体内部の気体を吸引した後、圧縮気体としあるいは液化気体にしてボンベに貯蔵する。ここで主浮力体の排水量が潜水艇を構成する全重量(主浮力体も含む)より小さく成った時に、降下を開始する。この時点で主浮力体内部から潜水艇内のコンプレッサーへの気体移行を中止する。そして、これ以降は主浮力体伸縮駆動機構を収縮させながら主浮力体内部のガス圧と水圧との平衡を保ちながら降下する。そして目的到達水深近くになったら、主浮力体伸縮駆動機構を膨張に転じさせ、内圧と水圧との平衡を保ちながら主浮力体を膨張させて潜水艇を静止させる。
ここで、海底に到達している潜水艇に重量物を牽引させ、浮上準備に取り掛かる。先ず、潜水艇外部の主浮力体伸縮起動機構を駆動して、主浮力体の体積を膨張させながら、同時に潜水艇内部のボンベのコックを開き主浮力体にガスを圧入し、潜水艇が浮上を開始したら、潜水艇内部のボンベのコックを閉じて、以後は主浮力体伸縮起動機構を駆動して主浮力体の内圧と水圧とが平衡を保ちながら、主浮力体の体積を膨張させる。これにより、水深が浅くなるに連れて浮力が増大し、浮上速度が速くなり、主浮力体が海面に到達した時点で浮上が完了する。
本願発明では、主浮力体内のガス圧と水圧とが平衡を保たせる手段として、機械的手段と電気的手段が考えられる。機械的方法は、電気回路のような判断部が無いため連動動作が容易で、とくに内圧と水圧比較は1:1の対応が取れる。一般に圧力制御弁はパイロットポペットをパイロットばねをネジ込みハンドルで回転してガスの出し入れを調整している。本発明ではこのパイロットばねが水圧を検知する油圧シリンダーと連動した構造を有し、海面に露出した油圧ポンプのシリンダーが油圧でパイロットを押す構造であるため、直接水圧とガス圧を制御できる。一方電気式制御装置は水圧と浮力の内圧をセンサーで検知し、比較回路で圧力の大小を判別するため、その出力信号を電流増幅して電磁弁やモーターを正転又は逆転させることにより早い応答が期待できる。
本発明では、重力により降下する場合と、浮力により浮上する場合に発生する流体エネルギーを回転エネルギーに変えて発電する機構を有するが、そのために、潜水艇1の船尾には発電装置室(発電機)10が艇外部のプロペラ(スクリュー)5に連動している。潜水艇1に搭載する発電機を大型と小型に分けて必要に応じて使い分けることもできる。発電機が小型の場合は、主浮力体駆動用モーター15の駆動用電源として蓄電池14を充電用に供し、海底や湖底と水面上を荷物の運搬のみに特化させる。一方、大型発電機を搭載した潜水艇は、水面と水底間を往復して発電に特化させることもできる。
水面から水深1300mの間の浮力体として、潜水艇から独立し、独自で浮力材ガスを供給する機構を有する補助浮力体を備えており、必要に応じて、荷物運搬の替え添え役として、あるいは1300mより浅い海面下での荷物運搬用に使うことができる。この補助浮力体にはドライアイスが封入されており、深さが1300mより浅い位置(130気圧より低圧)に到達したら自発的にドライアイスが昇華して二酸化炭素が生成され、補助浮力体に封入されるようになっている。
図3は荷揚げ容器の形状と構造の概略図である。(A)は固体運搬用籠、(B)は液体物運搬用密閉容器を降下時に収縮させた状態図、(C)は液体物を回収途中の状態図、(D)は液体物が回収容器に満たされた状態図である。(A)は深海底や深湖底で回収した鉱物資源、埋没遺跡物、沈没船、あるいは海底に運ぶ掘削器具、集鉱装置、回収した鉱物のかすとしての廃棄物など重量物(固体)9を運搬するための籠8である。(B)、(C)、(D)は湧出原油、深層水又は汚泥物などの液体物については密閉型荷揚げ容器である。この密閉容器19は、浮力を極力少なくし、降下時は重力だけで海底に運び、海底では密閉容器19容器に液体回収物を回収するために流体回収物吸入口のバルブ20を開き、同時に容器収縮・拡大用モーター21で密閉容器収縮・拡張駆動機構22を駆動する。そして、液体回収物を満載した後、浮上させる。そこで密閉容器を折畳み容器構造とし、畳んだ状態(B)で水底に運搬し、水底で容器を拡大しながら目的の液体物を挿入(C,D)する方式を採用する。
(C)では浮上が開始したら、以後は主浮力体を伸縮・膨張させる駆動機構3を駆動して主浮力体2の内圧と水圧とが平衡を保ちながら、主浮力体の体積を膨張させる。これにより、水深が浅くなるに連れて浮力が増大し、浮上速度が速くなる。
(D)では、海上又は目的到達深度近くになった時点で、潜水艇1の船首の外部に取り付けた主浮力体(蛇腹構造の折畳み風船)2を主浮力体伸縮・駆動機構3により駆動し、主浮力体2内のガスを吸引して圧縮するコンプレサー12、圧縮したガスを断熱膨張して液化する液化ガス製造装置13などで製造した液化ガス又は圧縮ガス18をボンベ11に貯蔵する。これにより浮力が小さくなり潜水艇1は浮上を停止する。潜水艇1の船尾の牽引機構6に連結し、浮上させた重量物9は海上の作業船のクレーで回収する。
浮上によって、海底から海面に、複数個の重量物を多量に運搬することが可能なことが、本発明の特徴である。主浮力体の深度が浅くなるに連れて、水圧も下がる(10m上昇すると1気圧下がる)。若しここで、主浮力体の体積を固定したまま浮上を続ければ内圧は増大する。ところが本発明では浮力体内のガスの分量は固定したままの状態で、主浮力体の内圧と水圧を平衡(等圧)に維持しているため、必然的に主浮力体の容積は拡大し、その拡大分だけ浮力が増大する。従って、浮上開始直後、前行程で主浮力体に充填されたガス量を維持したまま(潜水艇内部からのガスの供給は停止されたまま)、主浮力体の内圧と外圧(水圧)を等圧に調整しながら(許容範囲は5%内外)、浮力体の容積を膨張させて浮上を行う。ここで主浮力体の内圧と外圧(水圧)とが許容範囲(許容範囲は5%内外)に至らず、内圧が外圧(水圧)以上の時は主浮力体の容積を膨張させ、内圧が外圧(水圧)以下の時は主浮力体の容積を縮小して、内圧と外圧(水圧)を許容範囲(5%内外)に収斂させて浮上を続け、水面又は予定深さに到達した時点で、再度降下準備に取りかかる。
図8は主浮力体(折畳み風船)多段提灯形状を成す浮力体の構造図である。(A)は最大限膨張させた時の縦断面図、(B)は体積を1/10に縮小させた時の縦断面図、(C)は体積を1/4に縮小させた時の縦断面図、(D)は体積を1/2に縮小させた時の縦断面図である。この多段提灯形状の主浮力体は上下に2枚の押さえ板23で挟んであるが、上部の押さえ板23を、ワイヤー25(主浮力体2の内部に)により下方に(矢印の方向に)引っ張ることにより上下の押さえ板23間を縮めることにより体積を縮小させる構造であり、主浮力体を軽量化できることが特徴である。
図9は主浮力体(折畳み風船)を潜水艇の船首に水平に配置した概念図である。(A)は主浮力体を膨張させた時(浮力による浮上時)の概念図、(B)は主浮力体を縮小させた時(重力による降下時)の概念図である。この方式は、主浮力体が安定しないため、主浮力体の要所要所にロープを取り付け、これら複数本のロープを潜水艇の船首部で留め、主浮力体が潜水艇を牽引する。
図11は封筒型浮力体の概略図である。(A)は封筒型浮力体を巻き取り方式により内容積を縮小させる構造、(B)は封筒型浮力体に浮力ガスを封入して内容積を膨張させる構造の概念図である。プラスチックフィルムで作られた帯状の封筒型浮力体(風船)31の一方の端には液化気体用耐圧ボンベ(バルブ付)32、他の端には封筒型浮力体を巻き取りにより伸縮・膨張させる駆動機構33が取り付けられ、モーター15により巻き取られ、真空状態の封筒型浮力体34を形成する。この真空状態の封筒型浮力体34と封筒型浮力体(風船)31の間は、2本の棒を互いに挟み込んで線閉塞を起こさせる、気体遮断用棒状バルブ35によって遮断されている。この封筒型浮力体31は潜水艇船首部を牽引する形で取り付けられる。潜水艇の降下時には、液化気体用耐圧ボンベ(バルブ付)32のバルブを閉めて、かつ封筒型浮力体を巻き取りにより伸縮・膨張させる駆動機構33により、封筒型浮力体(風船)31を全て巻き取り、浮力が最も小さい状態で降下し、浮上時には、液化気体用耐圧ボンベ(バルブ付)32のバルブを開きながら、封筒型浮力体(風船)31を潜水艇1の浮力に相当する体積まで膨張させる。この状態で、浮上を開始させ、浮力体31の内圧と外圧(水圧)が等しくなるように調整しながら浮上する。水深が浅くなり水圧が下がる分だけ、帯状の封筒型浮力体(風船)31の体積を膨張させ、浮力が増大する。この装置では液化ガスの代わりにドライアイスを封入して、水深1300m以内の浮力体としても使える。
図12は主球状浮力体1個に複数個の球状浮力体を連結した構造の浮力体概念図である。(A)は全ての球状浮力体を脱気した概念図、(B)は深海の高い外圧(水圧)下で主球状浮力体のみにガスを圧入した概念図、(C)は浮上中の外圧(水圧)下で主球状浮力体のガスを複数個の球状浮力体に分圧した概念図、(D)は海面近くまで浮上した時の球状浮力体の概念図である。 主球状浮力体36と全ての球状浮力体37は配管40で結合されており、主球状浮力体36の両端の配管40には第一バルブ(弁)38及び第2バルブ(弁)39が具備されている。 (A)は重力により降下してきた浮力体である。これを浮上させる目的で、(B)に示すように、先ず、潜水艇内部の液化ガスを球状浮力体に圧入するために、第1バルブ38を開き(第2バルブは閉めたまま)、主球状浮力体36を潜水艇が浮上する浮力になるまでガスを圧入する(予め主球状浮力体36のみで、重量物を牽引した潜水艇が浮上を開始する体積に設定しておく)。次に(C)に示すように、浮上を開始したら、第2バルブを開き主球状浮力体36のガスを全ての球状浮力体37に分圧し(浮力体の内圧と水圧とが常に平衡に成るように球状浮力体の膨張を制御する)、浮上を続ける。そして浮力体が海上に近づくと(D)のようにすべての球状浮力体37及び主球状浮力体36は夫々の内圧が1気圧となる。このように球状浮力体を数珠状に並べて浮力体を構成し、任意の配管部にバランス良く牽引ロープを繋ぎ、複数本の牽引ロープで潜水艇を牽引することができる。
本発明は深海で主浮力体2に圧入したガス量は増減させず、主浮力体2の内圧と外圧(水圧)を一定に保つだけで(すなわち水深が浅くなるに従い水圧が減圧する分だけ主浮力体2の体積を増大させる)、浮力を増大させることができる。従って、例えば水深5000mで浮上開始する主浮力体2は、海面では500倍の容積に成るから、浮力は500倍に成る。この浮力と水圧の関係を利用して、計算上では500倍の重量の荷物を分割して揚荷することができる。実際には、複数個の荷揚げ用容器の下部に取り付けられたフック7と牽引ロープ30の両端に取り付けてあるシャクルにより、夫々の籠または折りたたみ式容器8を順次繋ぎ、先頭を潜水艇1の船尾部分に取り付けたフック7に繋ぎ、浮上を開始する。主浮力体2内には液化ガスを気化させた浮力剤ガスを封入させ、浮上するに連れ外圧(水圧)減少分に相当する浮力が、主浮力体2の容積膨張により増大し、その浮力の増加分に相当する重量物9が順次牽引されて浮上する。ここでもし必要な時は、任意の位置に補助浮力体26を連結すれば、水深1300mの地点を境として浮力が発生し、この補助浮力体が、浮上を助けるため、海面での荷揚げ作業が楽になる。
2 主浮力体
3 主浮力体を伸縮・膨張させる駆動機構
4 フィン
5 プロペラ(スクリュー)
6 牽引機構
7 フック(荷物牽引用)
8 荷揚げ容器(籠)
9 重量物
10 発電装置(発電機)
11 ボンベ室
12 油圧コンプレッサー室
13 液化ガス製造装置室
14 蓄電地室
15 モーター
16 配管
17 ガス出口
18 液化ガス又は圧縮ガス
19 密閉容器
20 流体回収物吸入口のバルブ
21 容器収縮・拡大用モーター
22 密閉容器収縮・拡張駆動機構
23 押さえ板
24 回転伸縮ネジ
25 ワイヤー
26 補助浮力体
27 ドライアイス
28 二酸化炭素(昇華したドライアイス)
29 浮力体
30 ロープ
31 封筒型浮力体(風船)
32 液化気体用耐圧ボンベ(バルブ付)
33 封筒型浮力体を巻き取りにより伸縮・膨張させる駆動機構
34 真空状態の封筒型浮力体
35 気体遮断用棒状バルブ
36 球主球状浮力体
37 球状浮力体
38 第1バルブ
39 第2バルブ
40 配管
Claims (8)
- 深海底及び/又は深湖底から鉱物資源、埋没遺跡物、沈没船、湧出原油、深層水又は汚泥物を水面に荷揚げさせる潜水艇において、前記海底からの採掘重量物の回収に必要な動力源としての電力及び/又は洋上や陸上で電力を得るための発電装置及び前記潜水艇が水中を降下及び浮上に必要とする浮力を得るための浮力体として主浮力体及び/又は補助浮力体から構成され、主浮力体には液化気体又は圧搾気体によるガスを封入し、補助浮力体にはドライアイスを昇華させたガスを封入させるのに、油圧コンプレッサー及び浮力体を伸縮・膨張させる駆動機構を具備させ、該潜水艇船首上部には該浮力体の伸縮・膨張駆動機構と連動させた潜水艇の該主浮力体がスライド若しくは膨張・収縮させる浮上機構を具備した浮上手段と、
該潜水艇内部には、潜水艇が重力により降下させるための降下手段として液化ガス又はガスを圧入したボンベを具備し、該潜水艇の外壁には回転や揺れを抑制させるめに複数枚のフィンを等角度で取り付け、更に船尾には前記発電装置に連動させたプロペラ(スクリュー)を取り付けたことを特徴とする球状若しくは楕円状又は円筒形状の潜水艇。 - 深海底及び/又は深湖底から鉱物資源、埋没遺跡物、沈没船、湧出原油、深層水又は汚泥物を水面に荷揚げさせる潜水艇において、前記海底からの採掘重量物の回収に必要な動力源としての電力及び/又は洋上や陸上で電力を得るための発電装置及び前記潜水艇が水中を降下及び浮上に必要とする浮力を得るための浮力体として主浮力体及び/又は補助浮力体から構成され、主浮力体には液化気体又は圧搾気体によるガスを封入し、補助浮力体にはドライアイスを昇華させたガスを封入させるのに、油圧コンプレッサー及び浮力体を伸縮・膨張させる駆動機構を具備させ、該潜水艇船首上部には該浮力体の伸縮・膨張駆動機構と連動させた潜水艇の該主浮力体がスライド若しくは膨張・収縮させる浮上機構を具備した浮上手段と、
該潜水艇内部には、潜水艇が重力により降下させるための降下手段として液化ガス又はガスを圧入したボンベを具備し、該潜水艇の外壁には回転や揺れを抑制させるめに複数枚のフィンを等角度で取り付け、更に船尾には前記発電装置に連動させたプロペラ(スクリュー)を取り付けたことを特徴とする球状若しくは楕円状又は円筒形状の請求項1記載の潜水艇による重量物の降下および浮上方法。 - 前記潜水艇の降下手段において、水中における任意の深度で所望する重力を得る手段が、該潜水艇船尾の末端部に取り付けられた錘及び該潜水艇内部に具備されたボンベに圧入する液化ガス又は圧縮ガスの充填量を調整し、かつ、前記浮上手段としての主浮力体内のガスを圧縮若しくは膨張させる機構と連動して主浮力体の容積を縮小させる調整機構により降下速度および降下深度を調整可能とすることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の潜水艇による重量物の水中での降下方法。
- 前記潜水艇が水中における任意の深度における浮力を得る手段として、該潜水艇外部の上部に連結した伸縮自在可能とするに主浮力体に液化気体又は圧搾気体によるガスを予め圧入させ、任意の水中深度において浮上速度および浮上深度を維持、調整させるに、前記主浮力体が折りたたみ式浮力体であり、主浮力体内に圧入させたガス圧を変えずに容積を拡大させることにより浮力を調整させ、かつ、任意の水中深度地点において折り畳み式主浮力体内の内圧を膨張および収縮させることにより容積を制御させ、外圧となる水圧と主浮力体の内圧とが平衡を保持する機構を有し、かつ、任意の水中深度地点において該潜水艇が停止状態の作動保持も可能とさせることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の潜水艇による重量物の水中での浮上方法。
- 前記潜水艇に具備された主浮力体の内圧が任意の深度において水圧と平衡を保持する機構として、主浮力体の外部に取り付けられ、水圧を検知する水圧センサーと主浮力体内部に取り付けられた内圧センサーとの差圧を最小値にさせるため、主浮力体の内圧より水圧が高い場合は、液化ガス又はガスを圧入したボンベの電磁弁を開き、主浮力体の内圧を水圧に近づけ、主浮力体の内圧より水圧が低い場合は、主浮力体の伸縮機構を駆動させ、主浮力体の容積を拡張させる制御機構を具備することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3及び請求項4記載の潜水艇による重量物の水中での降下及び浮上方法。
- 前記浮力を得る主浮力体及び補助浮力体がプラスチックス、金属又はゴムからなる蛇腹式若しくは折り畳み式風船体であり、主浮力体に封入させる浮力剤である気体が二酸化炭素、空気、酸素、窒素あるいは水素ガスから選ばれた気体種であり、水深度1300m以内の水中で採用する補助浮力体に封入させる気体はドライアイスを昇華させたガスであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5記載の潜水艇による重量物の水中での浮上方法。
- 深海底及び/又は深湖底で掘削、回収した重量物を順次荷揚げさせる手段として、該潜水艇の船尾部分には荷物を牽引するロープを固定するフックが取り付けられ、荷揚用重量物物が複数個の場合は複数個の荷揚げ容器に回収物を分取させ、各単位毎の回収物は複数個の荷揚げ用容器の下部に取り付けられたフックと牽引ロープの両端に取り付けてあるシャクルで籠若しくは折りたたみ式容器を順次繋ぎ、浮上の開始時には主浮力体の容積を前記液化ガスを気化させた浮力剤を主浮力体に封入させ、浮上するに連れ水圧減少分に相当する浮力が主浮力体の容積膨張により増大し、重量物が水深1300m以内に浮上した時点で昇華させたドライアイスを荷揚げ容器間の任意の位置に連結させた複数個の補助浮力体に封入させることにより主浮力体及び補助浮力体の内圧と水圧とが平衡を保持させ、任意の水深において回収物の重量に応じて所望する浮力を得ることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5及び請求項6記載の水中における潜水艇による重量物の浮上方法。
- 該潜水艇が動力源を得る手段としての発電装置が水中を降下及び浮上する際に、潜水艇の末端部に取り付けられた発電機の回転軸と連動する増速ギアーとプロペラ(スクリュー)とが一体構造を成し、流体エネルギーによりプロペラ(スクリュー)が回転し発電させ、深海底及び/又は深湖底で回収物採取用の動力源となる電力を得ると同時に、該電力は、該潜水艇内部の駆動用機器の駆動に供し、更に、余剰電力は送電線によりは洋上や陸上での電源として供されることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の潜水艇による水中における重量物の沈降及び浮上方法。
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JP5651871B2 (ja) | 2015-01-14 |
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