JP2012030531A - 機能性化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高い調湿性を有し、かつ、珪藻土保持性に優れた機能性化粧シートを提供すること。
【解決手段】基材上に、珪藻土及び電子線硬化樹脂を含有する硬化物層を積層してなる機能性化粧シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁、床、及び天井等の建築物の内装材として好適に使用される機能性化粧シートに関する。
日本の気候下においては、夏季には湿度が上昇し不快指数が高まり、一方、冬季には湿度が低下し乾燥するといった問題がある。さらに、近年、建築物の気密性が向上してきており、屋外の温度、湿度の変化にともない室内の相対湿度が上昇することで生じる結露が問題となっている。結露はカビやダニの発生、建築材料の腐蝕などの原因となるため、結露への対策が求められている。
上記のような理由から屋内の湿度を適度な範囲に保つことを目的として、調湿性材料の化粧材への適用が検討されている。調湿性材料として、シリカゲルやゼオライトなどの研究もなされているが、珪藻土が特に注目を集めている。珪藻土は微細な孔を多数持ち、広い表面積を有するため優れた調湿性を有している。この珪藻土を化粧材へ適用した例として特許文献1及び2が挙げられる。特許文献1は、基材上に、珪藻土を含有するポリオレフィン系樹脂からなる吸放湿性樹脂層を、熔融押出しして積層・接着してなる吸放湿性化粧材を開示している。特許文献2は、珪藻土にフッ素樹脂を混練し、さらにバインダーを加えて混練した壁材原料を塗装した壁材を開示している。
特開2002−36449号公報 特開2007−56608号公報
上述のように、珪藻土は調湿性を有しているため、調湿性を向上させる観点からは、化粧材に含まれる珪藻土の量は多ければ多いほど好ましい。しかし、珪藻土は非常に細かい粒子からなるため、その取り扱い時に粉塵を発生し易いだけでなく、化粧材として加工した後も、摩擦や振動により化粧材表面から粉落ちし易い。したがって、現実的には、化粧材に珪藻土を多く含ませ過ぎると化粧材表面から珪藻土が粉落ちし易くなる(化粧材の珪藻土保持性が低下する)という問題が生じる。また、珪藻土を多く含ませすぎれば、珪藻土を含む層の形成自体が難しく、そもそも化粧材を作製できない、という問題も起こりうる。
特許文献1や特許文献2の発明では、それぞれポリオレフィン系樹脂やフッ素樹脂を用いることで、珪藻土を含む化粧材を作製しているが、珪藻土の調湿性を利用しつつ、より高いレベルの珪藻土保持性を有する化粧材の開発が求められている。
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、高い調湿性を有し、かつ、珪藻土保持性に優れた機能性化粧シートを提供することを目的とするものである。
本発明は、
(1)基材上に、珪藻土及び電子線硬化樹脂を含有する硬化物層を積層してなる機能性化粧シート、
(2)前記電子線硬化樹脂は、2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含む1種以上の重合性化合物が電子線の照射により架橋して形成されたものである、上記(1)に記載の機能性化粧シート、
(3)前記2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量Mwが5,000以上である、上記(2)に記載の機能性化粧シート、
(4)前記珪藻土と前記電子線硬化樹脂の含有比(質量)が、珪藻土/電子線硬化樹脂で、0.5/1〜4/1である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の機能性化粧シート、
(5)前記珪藻土の含有量が、機能性化粧シートの単位面積当たり、30g/m2〜400g/m2である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の機能性化粧シート、
(6)前記硬化物層の厚さが10μm〜500μmである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の機能性化粧シート、
(7)前記基材が透湿性シートである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の機能性化粧シート、及び
(8)前記珪藻土が珪藻頁岩である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の機能性化粧シート
を提供するものである。
本発明の機能性化粧シートは、高い調湿性を有し、かつ、珪藻土保持性に優れる。
本発明の機能性化粧シートの一例の断面を示す模式図である。 本発明の調湿性試験を説明するグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下の説明において、必要により図面を参照するが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の機能性化粧シートの一例の断面を示す模式図である。機能性化粧シート1は、基材2上に、珪藻土3a及び電子線硬化樹脂3bを含有する硬化物層3を積層してなる。硬化物層3の積層方法は特に限定されないが、基材2上に、後述する電子線硬化性組成物を塗工した後、当該電子線硬化性組成物に電子線を照射することで硬化物層3を積層する方法が、製造容易性及び基材2と硬化物層3の密着性の観点から好ましい。
なお、電子線硬化性組成物の基板2への塗工方法については特に制限が無く、グラビアコート、グラビアリバースコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方法が使用できる。
[基材]
基材2は、硬化物層3を支持するシート状の支持体である。その坪量としては、10g/m2〜300g/m2が好ましく、30g/m2〜200g/m2がより好ましく、40g/m2〜180g/m2がさらに好ましい。
機能性化粧シート1を壁紙等の内装化粧材として壁やボードに貼布する場合、壁やボードが有する調湿性を利用するためには、基材2は透湿性シートであることが好ましい。具体的には、基材2は500g/m2・24h以上の透湿度を有することが好ましい。基材2が高い透湿性を有することで、機能性化粧シート1が有する調湿性と壁やボードが有する調湿性の両方の利用が可能となる。
基材2の具体例としては、紙、織布、及び不織布等が挙げられ、より具体的には、上質紙、薄葉紙、クラフト紙、壁紙用裏打ち紙、並びに和紙等の紙、及び、ガラス繊維、石綿、ポリエステル繊維、並びにビニロン繊維等の繊維から成る織布又は不織布が挙げられる。紙の場合、水酸化アルミニウム粉末等の難燃剤を添加することもできる。
基材2が高い透水性を有する場合、珪藻土3aに吸着された水分が、基材2を通って、その裏面に存在する壁やボード等に浸透することがある。場合によっては、裏面に浸透した水分により、壁やボードが湿気を帯びたり、反りを生じたり、又はカビと錆が発生したりするおそれがある。従ってこの現象を防止するために、基材2の裏側の面(硬化物層3と反対側の面)に防水層を積層してもよい。
また防水層は基材2の表側の面(硬化物層3側の面)、あるいは表裏両面に積層してもよい。防水層は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、及びシリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート等の防水性を有する材料を用いて形成すればよい。防水層の厚みは、1〜100μmが好ましく、2液硬化型ウレタン樹脂等の接着剤で貼り合わせたり、又は熔融押し出し法(エクストルージョンコート法)等で、塗工することによって形成することができる。
[硬化物層]
硬化物層3は、珪藻土3aと電子線硬化樹脂3bを含有するものであり、電子線硬化性組成物に電子線を照射することで硬化して得られる。電子線硬化樹脂3bは高い架橋密度を有するため、硬化物層3中における珪藻土3aの保持性が高くなる。
硬化物層3中における珪藻土3aと電子線硬化樹脂3bの含有比(質量)は、珪藻土/電子線硬化樹脂で、0.5/1〜4/1が好ましく、0.8/1〜4/1がより好ましく、1/1〜4/1がさらに好ましい。調湿性の観点からは、珪藻土3aの含有量は多いほど好ましいが、多すぎると珪藻土保持性が低下するおそれがある。
同様に、調湿性と珪藻土保持性のバランスの観点から、珪藻土3aの含有量は、機能性化粧シート1の単位面積当たり、30g/m2〜400g/m2が好ましく、50g/m2〜400g/m2がより好ましく、100g/m2〜400g/m2がさらに好ましい。
また、硬化物層3の厚さとしては、10μm〜500μmが好ましく、50〜450μmがより好ましく、80〜400μmさらに好ましい。
電子線の加速電圧については、用いる電子線硬化性組成物や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常、加速電圧70〜300kV程度で電子線硬化性組成物を硬化させることが好ましい。なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材2として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと硬化物層3の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材2への余分な電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材2の劣化を最小限にとどめることができる。また、照射線量は、硬化物層3の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜100kGy(1〜10Mrad)の範囲で選定される。さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
[珪藻土]
珪藻土3aは、含水コロイド珪酸であり蛋白石の1種で、珪藻類の遺骸が海底に堆積したできたものである。また珪藻の他に放散虫、海綿のとげ、石灰粒などを含む。一般に比重はおよそ2.0で粘土に似て硬度は高い。珪藻土は、内部に細孔を有し、雰囲気の湿度に応じ該細孔内に湿気(水分)を保持したり、細孔内部から湿気を放出して、吸放湿剤として働き、雰囲気の湿度変化を収束させることができる。尚、本発明でいう湿度とは、相対湿度を言う。珪藻土は、水に溶解したり、水で膨潤したりせず、更に空気中で長時間曝露されても、変質したりカビを生じたりせず、吸湿と放湿の周期を良好に繰り返すことができる。
珪藻土3aの平均粒径は、0.1〜100μmが好ましい。また、珪藻土3aの平均細孔径は、湿度を40〜60%に保つためには2〜6nmが好ましく、比表面積は100m2/g以上が好ましい。珪藻土3aは具体的には、稚内、秋田、岡山、石川、大分等で採掘された各地産のものがあるが、なかでも稚内産の珪藻頁岩を用いるのが好ましい。稚内産の珪藻頁岩は細孔半径2〜8nmの細孔容量が全細孔容量の70%以上を占め、その細孔容量も大きい。
[電子線硬化樹脂]
電子線硬化樹脂3bは、重合性モノマー及び重合性オリゴマー(プレポリマーとも呼ばれる)からなる群から選ばれる一種以上の重合性化合物が電子線の照射により架橋することで形成される。
本発明の重合性モノマー及び重合性オリゴマーとしては、従来電離放射線硬化性樹脂組成物中に慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
上記重合性化合物のうち、珪藻土保持性の観点から、2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが好ましい。その中でも、重量平均分子量Mwが5,000以上の2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いると、珪藻土保持性がより良好になる。重合性化合物として2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーのみを使用して電子線硬化樹脂3bを形成してもよいし、又は、2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーに加えて、付与したい物性に応じて、他の重合性モノマーや重合性オリゴマーを適宜併用することもできる。
[電子線硬化性組成物]
電子線硬化性組成物は、電子線の照射により硬化し、硬化物層3を形成するものである。電子線硬化性組成物は、上記重合性化合物と、上記珪素土3aとを含む。
珪藻土3aの含有量は、重合性化合物の含有量100質量部に対し、好ましくは50〜400質量部、より好ましくは80〜400質量部、さらに好ましくは100〜400部の範囲である。調湿性の観点からは、珪藻土3aの含有量は多いほど好ましいが、多すぎると電子線硬化性組成物の流動性が低下して、塗工適性が低下するという恐れがある。
電子線は(紫外線と比較して)高エネルギーを有するため、組成物中に珪藻土3aが上記のように多量に含まれている場合でも、電子線照射により、珪藻土3aに阻害されることなく組成物は十分に硬化され、珪藻土3aの保持性が高くなる。
電子線硬化性組成物は、必要により、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の難燃材、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン等の防カビ材、銀イオン担持ゼオライト等の抗菌剤、染料又は顔料等の着色剤、熱安定剤、可塑剤、及び体質顔料、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含有してもよい。
電子線硬化性組成物は、無溶剤化が可能である(溶剤を含ませず使用が可能である)ことから、環境や人体への負荷を低減することができる。また、電子線硬化性組成物に光重合用開始剤を含ませずとも安定な硬化特性が得られる点で優れている。
[装飾]
機能性化粧シート1には、吸放湿性を阻害しない範囲内で、硬化物層3の表面に、装飾層を設けても良い。装飾層としては、例えば公知のインキと印刷法によって設けた絵柄印刷層、及びアルミニウム、クロム等の金属薄膜層等が挙げられる。この場合、全面ではなく、部分的に設けることが好ましい。絵柄としては、木目柄、石目柄、布目柄、皮絞、タイル貼、煉瓦積、文字、幾何学図形等任意である。インキのバインダーとしては、2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等が用いられる。インキの着色剤としては、弁柄、黄鉛、群青、カーボンブラック、チタン白、アルミニウム箔粉、二酸化チタン被覆雲母、箔粉等の無機顔料、ポリアゾレッド、キナクリドンレッド、ベンジジンイエロー、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料等が用いられる。又、機能性化粧シート1の表面に、凹凸模様をエンボスしたり、更にエンボスの凹部に、着色インキをワイピング法により、充填し着色することもできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
後述の実施例1〜4及び比較例1〜3で得た化粧シートについて、以下の評価を行った。
評価方法
(1)珪藻土保持性(表面粉落ち)
各化粧シートに指を擦りあて、珪藻土がこぼれ落ちない状態を○、こぼれ落ちる状態を×とした。
(2)調湿性(吸放湿性能)
各化粧シートを10cm×10cm各にカットし、測定サンプルを作製した。各測定サンプルを60℃のオーブンに24時間以上放置した後、25℃90%の吸湿過程(24時間)と、25℃50%の放湿過程(24時間)を繰り返した(図2参照)。48時間後〜72時間後の吸湿過程の重量変化を吸湿量とし、72時間後〜96時間後の放湿過程の重量変化を放湿量とした。値は全てm2換算で示した。
吸湿量及び放湿量の各々において、有用性の高い6.5g/m2以上を○とし、6.5g/m2未満は×とした。
実施例1
2官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量:20,000)100質量部に対して、平均粒径75μmの珪藻土(鈴木産業(株)製「稚内層珪藻頁岩」)200質量部を添加して、電子線硬化性組成物を得た。フリース壁紙(アールストロームジャパン社製「フラット8502」、坪量:147g/m2)の表面に、上記電子線硬化性組成物296.7g/m2(珪藻土含有量197.8g/m2)を塗工して、加速電圧200kV、照射線量100kGy(10Mrad)の電子線を照射した。このようにして、フリース壁紙の上に厚さ300μmの硬化物層を有する化粧シートを得た。
実施例2
電子線硬化性組成物の塗工量を164.4g/m2(珪藻土含有量109.6g/m2)に変更した以外は実施例1と同様の方法を用いて、フリース壁紙の上に厚さ200μmの硬化物層を有する化粧シートを得た。
実施例3
珪藻土の量を200質量部から300質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法を用いて、フリース壁紙の上に厚さ300μmの硬化物層を有する化粧シートを得た。
実施例4
珪藻土の種類を平均粒径50μmの秋田珪藻土に変更した以外は実施例1と同様の方法を用いて、フリース壁紙の上に厚さ300μmの硬化物層を有する化粧シートを得た。
比較例1
フリース壁紙(アールストロームジャパン社製「フラット8502」、坪量:147g/m2)に硬化物層を設けることなく、そのまま化粧シートとして用いた。
比較例2
アクリル系ポリオール樹脂系インキ(昭和インク製「KEK−0715−1」、重量平均分子量:10,000)93.5質量部と平均粒径75μmの珪藻土(鈴木産業(株)製「稚内層珪藻頁岩」)200質量部の混合物を、フリース壁紙(アールストロームジャパン社製「フラット8502」、坪量:147g/m2)の表面に塗工した後、硬化剤(昭和インク製「FW(NT)」、ヘキサメチレンジイソシアネート)を6.5質量部添加し、70℃24h養生することで硬化させた。このようにして、フリース壁紙の上に厚さ200μmの硬化物層を有する化粧シートを得た。
比較例3
珪藻土の量を200質量部から50質量部に変更した以外は比較例2と同様の方法を用いて、フリース壁紙の上に厚さ200μmの硬化物層を有する化粧シートを得た。
上記実施例1〜4及び比較例1〜3の評価結果を以下の表1に示した。
Figure 2012030531
本発明の機能性化粧シート1は、その用途として、壁、床、及び天井等の建築物の内装材が代表的であり、その他に、自動車、電車、船舶、及び航空機等の乗物の内装材、扉、襖、窓枠、及び手摺り等の建具、箪笥等の家具、間仕切り、及び容器等にも利用される。
1 機能性化粧シート
2 基材
3 硬化物層
3a 珪藻土
3b 電子線硬化樹脂

Claims (8)

  1. 基材上に、珪藻土及び電子線硬化樹脂を含有する硬化物層を積層してなる機能性化粧シート。
  2. 前記電子線硬化樹脂は、2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含む1種以上の重合性化合物が電子線の照射により架橋して形成されたものである、請求項1に記載の機能性化粧シート。
  3. 前記2官能ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量Mwが5,000以上である、請求項2に記載の機能性化粧シート。
  4. 前記珪藻土と前記電子線硬化樹脂の含有比(質量)が、珪藻土/電子線硬化樹脂で、0.5/1〜4/1である、請求項1〜3のいずれかに記載の機能性化粧シート。
  5. 前記珪藻土の含有量が、機能性化粧シートの単位面積当たり、30g/m2〜400g/m2である、請求項1〜4のいずれかに記載の機能性化粧シート。
  6. 前記硬化物層の厚さが10μm〜500μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の機能性化粧シート。
  7. 前記基材が透湿性シートである、請求項1〜6のいずれかに記載の機能性化粧シート。
  8. 前記珪藻土が珪藻頁岩である、請求項1〜7のいずれかに記載の機能性化粧シート。
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