本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面にもとづいて説明する。図1は、本発明を適用したスロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの内部構造図である。図3は、前面扉を示す背面図である。図4は、スロットマシンの構成を示すブロック図である。尚、以下においては、スロットマシンの正面図である図1の左側を左側、右側を右側、上側を上側、下側を下側、手前側を前面側、奥側を背面側として説明する。
まず、本実施例のスロットマシン1の概略を説明すると、図1〜図3に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する箱状に形成された筐体1a(図2参照)と、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1b(図3参照)と、から構成されている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rそれぞれの外周面には、例えば「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」(図示略)、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」(図示略)、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられるリールモータ32L,32C,32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L,2C,2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L,2C,2Rの内側には、図2に示すように、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)と、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55(図4参照)と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では後述するレギュラーボーナス(以下、RBと略称する)では2、RB以外の遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20、後述するRB中である旨を点灯により報知するRB中LED19が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、該MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの背面には、図3に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のビッグボーナス(以下、BBと略称する)終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図4参照)を有する投入メダルセレクタ131、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)を備えるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。尚、これらスイッチの前面には開閉扉が設けられており、各スイッチが被覆されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数としてRBでは2が定められ、RB以外の遊技状態では3が定められており、規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では10枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101及び各種中継基板が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、RB中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された複数の演出効果LED52、スピーカ53L,53R、演出に用いられる演出スイッチ54(図1参照)、リールLED55、演出装置ユニット70に設けられる液晶表示器51、演出装置ユニット70に設けられる役物(図示略)を駆動する役物モータ56、該役物の位置を検出する役物センサ57、演出装置ユニット70に設けられるシャッタを駆動するシャッタモータ58、該シャッタの位置を検出するシャッタセンサ59等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出装置ユニット70は、前面が開口する箱状に形成され、内部にシャッタ、役物(図示略)及び液晶表示器51が設けられた演出ボックス70aと、演出ボックス70aの背面に取り付けられる演出制御基板ケース800と、演出制御基板90とドアベース中継基板等とを中継するパネル中継基板804と、から主に構成される(図5参照)。
演出制御基板ケース800は、演出制御基板90の各種電子部品の実装面を被覆するカバー体802と、演出制御基板90の実装面の裏面を被覆するベース体801と、から構成され、演出制御基板90を収納した状態で演出ボックス70aの背面に取り付けられる。なお、演出制御基板ケース800の詳細については後述する。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、演出効果LED52、スピーカ53L,53R、リールLED55、液晶表示器51、役物モータ56、シャッタモータ58等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53L,53Rからの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に直接または中継基板を介して接続された演出スイッチ54、役物センサ57、シャッタセンサ59等のスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、役物モータ56やシャッタモータ58の駆動を行うモータ駆動回路99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、RTワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、内部当選フラグ、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。RTワークは、現在の遊技状態がリプレイタイム(以下、RTと略称する)(0)〜(4)のいずれかである場合にその旨を示すRTフラグ、RT残りゲーム数が格納されるワークである。停止相ワークは、リールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L,32C,32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる6種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及びRTワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、RTワーク及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化3は、BB終了時に行う初期化であり、初期化3では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化4では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化5は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化5では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1、初期化2を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
前述のようにリールを滑らかに回転開始させるためには、リールモータの回転開始時にロータの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、従来のように設定変更に伴ってリールモータの停止相を示すデータを含むRAM41cのデータを初期化してしまうと、設定変更後、ロータの正確な停止位置を特定することが不可能であり、最初にリールモータを回転させる場合には、急激にロータの永久磁石が励磁相に吸引されてしまい、回転の開始時にリールが振動してしまうため、リールの回転態様が見苦しくなってしまうとともに、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうという問題がある。
これに対して本実施例では、リールモータ32L,32C,32Rの停止時における停止相を示すデータがRAM41cに割り当てられた停止相ワークに設定されることで、ロータの正確な停止位置を特定可能とする。そして起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、RAM41cが初期化されるが、停止相ワークは初期化されないようになっており、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータが維持されるようになっている。このため、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合にも、これらのロータの正確な停止位置を特定することが可能となり、このような状況であってもリールを滑らかに回転開始させることが可能となる。これにより設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、起動時において設定変更モードへ移行させる際の操作方法によって、停止相ワークを初期化させるか否かを選択できるようになっている。これにより、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、ステッピングモータの励磁相を記憶するために割り当てられた停止相ワークを利用して不正プログラムなどが常駐してしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動し、設定変更モードへ移行させる場合において、RAM41cが初期化されるが、この際、停止相ワークを初期化しないことにより、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータを維持することで、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合にも、これらの停止相を特定することができるようになっているが、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされる場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することで、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合に、これらの停止相を特定することができるようにしても良い。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、遊技状態としてRB、RT(0)〜(4)があり、RBでは規定数の賭数として2が定められ、RB以外の遊技状態では規定数の賭数として3が定められており、RTでは賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、RB以外の遊技状態では、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス(1)(2)が、再遊技役としてリプレイ(1)、リプレイ(2)が、小役としてブドウ、スイカ、チェリー、10枚役(1)〜(3)、2枚役(1)〜(4)、1枚役(1)〜(4)が定められている。
ブドウは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では5枚のメダルが払い出される。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、RBでは5枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では4枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄は左リールの上段または下段のいずれかに必ず停止するように制御されるようになっており、入賞ラインL1、L3の入賞ラインまたは入賞ラインL2、L4の入賞ラインにチェリー組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるため、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では8枚のメダルが払い出されることとなる。
10枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−黒7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−白7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−オレンジ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
2枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−プラム−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−スイカ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−チェリー−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。
1枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−プラム−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−スイカ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−チェリー−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ベル−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。
リプレイ(1)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイ(2)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)(2)のいずれかが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
尚、本実施例では、RT(2)(3)においてリプレイ(2)は、必ずBB(1)(2)のいずれかと当選するため、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなくRT(4)へ移行する構成を採用した場合には、RT(2)(3)においてリプレイ(2)の組合せが入賞ラインに揃うことはない。
BB(1)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、BB(2)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。尚、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなくRT(4)へ移行する構成を採用した場合には、BB(1)(2)は、RT(4)においてのみ入賞可能となる。
BB(1)(2)のいずれかが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行する。RBは、小役、特にブドウの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が348枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
次に、演出制御基板ケース800の詳細な構造について説明する。図5は、前面扉に対する演出制御基板ケースの取り付け構造を示す斜視図である。図6は、(a)(b)は演出制御基板ケースを示す斜視図である。図7は、ベース体を示す背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図である。図8は、(a)はベース体を示す正面図、(b)は図7のA−A断面図、(c)は図7のB−B断面図である。図9は、カバー体を示す背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図である。図10は、(a)はカバー体を示す正面図、(b)は図9のC−C断面図、(c)は図9のD−D断面図である。図11は、演出制御基板ケースの構成を示す分解斜視図である。図12は、(a)〜(c)はベース体をカバー体により閉塞する状況を示す部分断面図である。図13は、(a)はカバー体が非閉塞位置に位置した状態を示す断面図、(b)はスライドロックを示す部分拡大図、(c)は係止片を示す平面図である。図14は、(a)はカバー体が閉塞位置に位置した状態を示す断面図、(b)はスライドロックを示す部分拡大図、(c)は係止片を示す平面図である。図15は、(a)は図14のE−E断面図、(b)は図14のF−F断面図である。図16は、コネクタ周辺の構造を示す拡大図である。図17は、音量スイッチ周辺の構造を示す拡大図である。図18は、演出制御基板の周辺の構造を示す拡大図である。
なお、以下の説明においては、前面扉1bの背面に取り付けられた基板ケースをスロットマシン1の正面から見た場合を規準としてケースの上下左右方向を説明することとする。つまり、
図5に示すように、演出制御基板ケース800(以下、基板ケース800と略称する)は、演出ボックス70aの背面に取り付けられるベース体801と、前面に演出制御基板90が取り付けられ、ベース体801に組み付けられるカバー体802と、から主に構成され、図6に示すように、演出制御基板90を内部に収納した状態でベース体801にカバー体802を組み付けることで、演出制御基板90に対する不正行為を抑制できるようになっている。
(ベース体)
図7および図8に示すように、ベース体801は、透光性を有する合成樹脂材からなり、平面視長方形状に形成された底板810と、底板810の背面810Bにおける右短辺に沿って立設された右側壁811と、上下の長辺に沿って立設された外側壁812a,812bおよび該外側壁812a,812bの内側に並設される内側壁813a,813bと、から主に構成される。
右側壁811の後端における長手方向の中央位置には、カバー体802に係合する係合凸部814が僅かに突設されているとともに、カバー体802の係合凸部860が係合する係合孔830が底板810に沿って形成されている。また、それらの上下側には、ベース体801にカバー体802を組み付ける組み付け手段を構成する封止片815a,815bが突設されている。封止片815a,815bには、後述するワンウェイネジ816(図11参照)が螺入されるネジ穴817が形成されている。
外側壁812a,812bには、L字形に形成された複数(本実施例では4つ)の規制溝818a〜818dがそれぞれ形成されている。詳しくは、外側壁812a,812bの後端から底板810に向けて垂設される第1溝818eと、該第1溝818eの前端から右側に向けて屈曲し底板810に対して平行に延設される第2溝818fと、から構成されている。
内側壁813a,813bの右側には、後述する演出制御基板90の上下端縁を支持する支持片819a,819bが背面側に向けて突設されている。また、底板810におけるこれら支持片819a,819bの間には、後述する演出制御基板90を支持する支持片819a,819bと同高さの円柱状の第1ボス820,820が立設されているとともに、これら第1ボス820,820の近傍位置には、該第1ボス820,820よりも高さが低い円柱状の第2ボス821,821が立設されている。また、底板810の背面810B上には、高さの低い補強用リブ822が格子状に形成されている。
底板810の左側の短辺における上下位置には、略台形状の凸部823a,823bが突設されており、該凸部823a,823bには、後述するカバー体802の係止片870a,870bが差し込み可能な係止孔824hを構成する被係止部材824a,824bが形成されている。被係止部材824a,824bは、凸部823a,823bの背面に立設された上下一対の支持壁825a,825bと、該支持壁825a,825bの後端間に架設される係止杆825cと、から側面視コ字形に形成され、該被係止部材824a,824bと凸部823a,823bとにより、カバー体802の係止片870a,870bが差し込み可能な係止孔824hが構成されている。
なお、凸部823a,823bの先端には切欠部826が形成されていることで、係止杆825cの直前が開放されて係止孔824hが大きくなっている(図12(a)参照)。
また、底板810の前面810Fには、断面視L字形の複数(本実施例では4つ)の取付片827a〜827dが左右方向に向けて取り付けられており、図5に示すように、演出ボックス70aの背面に形成された取付溝828a〜828dに押し込んで右側にスライドさせることにより、取付片827a〜827dが取付溝828a〜828dに係合されるようになっている。また、取付片827a〜827dが取付溝828a〜828dに係合された状態において、演出ボックス70aの背面に対し出没可能に形成された係合爪829が右側壁811に弾性係合し、これにより左側へのスライドが規制されることで、演出ボックス70aの背面に基板ケース800が取り付けられる。
(カバー体)
図9および図10に示すように、カバー体802は、透光性を有する合成樹脂材からなり、平面視長方形状に形成された上板850と、右側壁851a、左側壁851b、上下の外側壁852a,852bと、により前面側が開口する箱状に形成されている。上板850の一部は背面側に向けて膨出されていることで、第1上面850aと第2上面850bとを有している。
第1上面850aには、演出制御基板90に設けられる基板側コネクタCN1(図11参照)を外部に臨ませるための第1コネクタ用開口853と、基板側コネクタCN2〜C4を外部に臨ませるための第2コネクタ用開口854a、基板側コネクタCN5を外部に臨ませるための第2コネクタ用開口854b、基板側コネクタCN6を外部に臨ませるための第2コネクタ用開口854c、演出制御基板90に設けられる音量スイッチSWを外部に臨ませるためのスイッチ用開口855と、が形成されている。
第1コネクタ用開口853は、図16に示すように上方に開放する開口であって、演出制御基板90および基板側コネクタCN1が開口に臨むように配設される。そしてその一部は、基板90に対して略平行をなす庇片856aにより背面側から被覆されている。庇片856aの先端からは、前端が基板側コネクタCN1の背面に近接する屈曲片856bが基板側に向けて延設されているとともに、その内側からは、前端が基板90の背面に近接する進入防止壁857が延設されている。
第1コネクタ用開口853の左右幅寸法L10は、基板側コネクタCN1の左右幅寸法L11よりも大きいため、搭載されるコネクタの大型化に対応できるようになっているが、これにより屈曲片856bの前端と基板90との間に隙間が形成されてしまう。しかし、進入防止壁857が第1コネクタ用開口853の内側に配置されていることで、進入防止壁857と基板90との間から針金等の異物を進入させることが困難となるため、不正行為を防止できる。
また、各第2コネクタ用開口854a〜854c、スイッチ用開口855の近傍に位置する膨出部の側壁850cは、背面に向けて各開口から遠ざかる方向に傾斜する傾斜面とされているため、各基板側コネクタCN2〜CN5に対する配線側コネクタ(図示略)の接続時に側壁850cが邪魔になることが防止されている。
また、図17に示すように、音量スイッチSWは、その本体部Hの背面が第1上面850aにほぼ面一をなし、スイッチ部のみがスイッチ用開口855から突出するように設けられていることで、スイッチ操作時に開口周縁に指が引っ掛かることが防止されているため、操作性が向上する。
図9および図10に戻って、右側壁851aの前端における長手方向の中央位置には、ベース体801の係合孔830に嵌合可能な係合凸部860が側方に向けて突設されている。また、右側壁851aの外面における係合凸部860の上下には、ベース体801にカバー体802を組み付ける組み付け手段を構成する封止片861a,861bが突設されている。封止片861a,861bは、前述したワンウェイネジ816(図11参照)の取付孔862が形成される筒状部863aと該筒状部863aと右側壁851aとを連結する連結片863bとから構成され、連結片863bをニッパ等の工具により切断することにより封止状態を解除することができるようになっている。
また、右側壁851aの外面には、ベース体801に組み付けた状態において、ベース体801の右側壁811の後端に当接する当接片864が長手方向に向けて設けられている。つまり、右側壁851aはベース体801の右側壁811よりも内側に配置されるようになっている。
さらに、右側壁851aの上下端部には、ベース体801の外側壁812a,812bを挿通可能とする外スリット865a,865bが形成されているとともに、その内側には内側壁813a,813bを挿通可能とする内スリット866a,866bが形成されている。
上下長辺の外側壁852a,852bの内側には、それぞれ内側壁867a,867bが所定幅寸法離間して並設されており、これら外側壁852a,852bと内側壁867a,867bとの間に、ベース体801の外側壁812a,812bを嵌合できるようになっている。すなわち、これら外側壁852a,852bと内側壁867a,867bとは、ベース体801に対してカバー体802を長手方向に向けてスライド移動させる際のガイド手段を構成している。また、外側壁852a,852bと内側壁867a,867bとの間には、規制溝818a〜818dに嵌合可能な規制突起868a〜868dが双方を連結するように設けられている。
左側壁851bの上下位置からは、ベース体801の被係止部材824a,824bに係止可能な係止片870a,870bが側方に向けて突設されている。係止片870a,870bは、所定幅を有し上板850に対し平行に延設される板状片871aと該板状片871aの先端から背面側、つまりベース体801と反対側に向けて約90度屈曲する屈曲片871bとから平面視略L字形に形成されている。
また、これら係止片870a,870bの上下側部には、被係止部材824a,824bの支持壁825a,825bが差し込み可能な上下一対の切欠溝872,872がそれぞれ内側に向けて形成されている。これにより、左側壁851bから係止片870a,870bを大きく突出させなくても、板状片871aの突出長さ寸法を確保することができるため、係止片870a,870bの破損等を極力防止することができる。
また、左側壁851bの上下端部には、ベース体801の内側壁813a,813bを挿通可能とする内スリット866c,866dが形成されている。
カバー体802の背面には、演出制御基板90を取り付けるためのボスが複数箇所に設けられている。演出制御基板90は、図11に示すように、制御基板90aとROM基板90bとから構成されており、制御基板90aに設けられた基板側コネクタBCN1とROM基板90bに設けられた基板側コネクタBCN2とを直接接続され、互いに一体化された状態でカバー体802の内側に取り付けられる。
図10および図11に示すように、カバー体802の前面(内面)には、制御基板90aの取付位置を決定するための位置決め用ボス873と、制御基板90aを取り付けるためのネジ875が取り付けられるネジ穴を有する取付用ボス874a〜874cとが突設されているとともに、ROM基板90bの取付位置を決定するための位置決め用ボス876a,876bと、ROM基板90bを取り付けるためのネジ878が取り付けられるネジ穴を有する取付用ボス877a〜877cとが突設されている。
また、基板側コネクタBCN1,BCN2に対応する位置、詳しくは、ベース体801に突設された第2ボス821,821に対応する位置には、ROM基板90bの撓みを当接規制する規制用ボス879a,879bが突設されており、第2ボス821,821と規制用ボス879a,879bとにより、制御基板90aとROM基板90bとを互いに挟持することにより、基板側コネクタBCN1,BCN2の接続が解除されることが規制されている。
次に、このように構成されたベース体801とカバー体802とにより演出制御基板90を収納する方法について、図11〜図15に基づいて説明する。
まず、図11に示すように、制御基板90aおよびROM基板90bを、コネクタCN1〜CN6や各種ROM等の電子部品が実装された実装面を、カバー体802の前面(内面)に対向させた状態で、ROM基板90bをネジ878により、制御基板90aをネジ875によりそれぞれカバー体802に取り付ける。そして制御基板90aを取り付ける際に、基板側コネクタBCN1が基板側コネクタBCN2に接続される。
なお、これら両基板90a,90bは、ROM基板90bを取り付けた後に制御基板90aを取り付けて基板側コネクタBCN1,BCN2同士を接続してもよいし、これらコネクタを接続して一体化した状態でカバー体802に取り付けてもよい。
このように、演出制御基板90は、電子部品が実装された実装面をカバー体802に対向させた状態で該カバー体802に取り付けられていることで、ベース体801からカバー体802が開放されても、カバー体802から各基板90a,90bを取り外さない限り電子部品が実装された実装面が露呈されないので、電子部品に対して不正行為を行う際に、極力手間がかかるようにすることができる。
次いで、カバー体802をベース体801に組み付けるために、カバー体802の係止片870a,870bを、図11中矢印で示すように、ベース体801の被係止部材824a,824bにより形成された係止孔824h内に差し込む。
ここで、図12(a)に示すように、係止片870a,870bを構成する板状片871aの先端から背面側に向けて約90度屈曲する屈曲片871bの長さ寸法L1は、ベース体801の底板810の上面から係止杆825cまでの前後幅寸法L3および開口幅寸法L4よりも長寸とされているため(L1>L4、L1>L3)、ベース体801に対してカバー体802を約90度の範囲内で傾斜させた傾斜姿勢としても、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込むことはできない。
しかし、屈曲片871bの板厚寸法L2は前後幅寸法L3よりも短寸とされているため(L3>L2)、図12(a)に示すように、ベース体801に対してカバー体802を約90度回転させた起立姿勢とし、屈曲片871bを底板810に平行にすれば、係止孔824h内に差し込むことが可能となる。
そして、図12(b)に示すように、屈曲片871bを係止孔824h内に差し込んだ状態で、係止杆825cを中心としてカバー体802の他端側を少し回転させることで、屈曲片871bは係止孔824hを挿通するため、係止片870a,870bをさらに係止孔824h内に押し込むことが可能となる(図12(c)参照)。
このとき、図13(c)に示すように、切欠溝872,872内に支持壁825a,825bが差し込まれることで、係止片870a,870bは、板状片871aの基部まで係止孔824h内に差し込まれる。この状態において、規制突起868a〜868dが規制溝818a〜818dの第1溝818eに嵌合可能な位置に配置されるため(図13(b)参照)、カバー体802をさらに回転させることにより規制突起868a〜868dが第1溝818eに嵌合され、カバー体802がベース体801に対し略平行な倒伏姿勢となる(図13(a)参照)。つまり、カバー体802は、ベース体801に対して係止片870a,870bの差し込み方向(図13中右方向)、つまり係止孔824h側にずれた非閉塞位置(ベース体801の一部がカバー体802により被覆されない位置)にて倒伏姿勢となる。
なお、カバー体802は、係止片870a,870bを係止孔824h内に差し込まなければ、各規制突起868a〜868dを各規制溝818a〜818dの第1溝818eに嵌合できないことから非閉塞位置に倒伏姿勢にて配置することができない。
次いで、図14(a)に示すように、ベース体801に対してカバー体802を係止片870a,870bの差し込み方向とは逆方向(図13中左方向)にスライドさせて、ベース体801を閉塞する閉塞位置に位置させる。具体的には、カバー体802の右側壁851aがベース体801の右側壁811に当接することにより移動規制される位置が閉塞位置とされ、該閉塞位置に位置したときに、封止片861a,861bの取付孔862と封止片815a,815bのネジ穴817とが合致し、ワンウェイネジ816を螺入可能となる。
また、この移動により、図14(b)に示すように、規制突起868a〜868dが左右方向を向く第2溝818f内を移動し、閉塞位置において奥側の端部に配置されることで、カバー体802の開放方向への移動が規制されることになる。
さらに、図14(c)に示すように、切欠溝872,872内から支持壁825a,825bが逸脱するが、閉塞位置において係止杆825cに屈曲片871bが当接する。つまり、係止片870a,870bは、カバー体802が非閉塞位置と閉塞位置との間を移動する間、係止孔824h内に差し込まれた係止状態が維持されるようになっているとともに、閉塞位置において、係止杆825cに屈曲片871bが当接してスライド移動が規制されることで、係止孔824hからの逸脱が防止される。
よって、閉塞位置においては、カバー体802の上下長辺に形成された規制突起868a〜868dが第2溝818f内に嵌合されるとともに(図14(b)参照)、係合凸部860が係合孔830内に係合される(図15(b)参照)。さらに、左短辺に形成された係止片870a,870bは係止杆825cに係止された状態で維持されていることにより、ベース体801に対するカバー体802の開放方向(後方)への移動が規制される。つまり、規制溝818a〜818dと規制突起868a〜868dおよび係合凸部860と係合孔830は、本発明の規制手段を構成している。
また、閉塞位置に位置した状態において、図15(a)および図18に示すように、基板側コネクタBCN1,BCN2を介して接続された制御基板90aとROM基板90bとが、ベース体801に突設された第2ボス821,821とカバー体802に突設された規制用ボス879a,879bとにより、基板側コネクタBCN1,BCN2に対応する位置が前後から挟持されることで、基板側コネクタBCN1,BCN2の接続が解除されることが防止される。
また、ROM基板90bは、制御基板90aをカバー体802から取り外さない限りカバー体802から取り外すことができないようになっているので、カバー体802がベース体801から取り外されたとしても、プログラムデータ等が記憶されているROM基板90bを簡単にとりはずすことができないようになっている。
さらに、ROM基板90bの上下端縁が、ベース体801の支持片819a,819bにより前側から支持されるため、基板の撓み等が防止される。
次いで、図15(b)に示すように、封止片861a,861bの取付孔862に背面側からワンウェイネジ816を取り付け、封止片815a,815bのネジ穴817に螺入する。なお、ワンウェイネジ816は、ドライバー等の工具によりネジを取り付ける方向に回転させることはできても、ネジを取り外す方向には回転させることができない従来公知のワンウェイネジである。
つまり、取付孔862に取り付けたワンウェイネジ816をネジ穴817に螺入すると、ワンウェイネジ816をネジ穴817から取り外して、カバー体802をベース体801に対して開放させることが極めて困難となる封止状態が構成される。そして封止状態が構成された場合、例えば連結片863bをニッパ等の工具にて切断したり、カバー体802やベース体801の一部を破壊するなど、封止に関連する関連部位を破壊しない限り封止状態を解除してカバー体802を開放することができなくなる。
よって、封止状態とされた後にカバー体802を開放する場合、封止に関連する関連部位が破壊された痕跡が必ず残ることになるため、カバー体802が不正に開放された可能性があることを確認することが可能となる。
なお、本実施例では、一度に上下の封止片を封止していたが、上下いずれか一方のみをワンウェイネジ816で取り付けるようにしてもよい。また、封止片は2以上設けてもよい。
また、本実施例では、封止状態を構成する組付手段の一例として、封止片861a,861bと封止片815a,815bとを連結するワンウェイネジ816が適用されていたが、組付手段は、封止状態が解除されたときにその痕跡が確実に残るように構成されたものであれば、ワンウェイネジ等に限定されるものではなく、例えば封止片同士をカシメピンによりカシメたり、溶着したり、あるいは、剥離した際にその痕跡が残る特殊な粘着シールを掛け渡すように貼着してもよい。
次に、封止状態を解除するには、例えば連結片863bをニッパ等の工具にて切断し、筒状部863aとカバー体802との連結状態を解除した後、カバー体802をベース体801に対して非閉塞位置に向けてスライドさせる。つまり、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込む方向に向けてスライドさせる。これにより、規制突起868a〜868dが第1溝818eまで移動するため(図13(b)参照)、規制溝818a〜818dによるカバー体802の開放規制が解除される。
次いで、係止片870a,870bが係止孔824hに奥深く差し込まれた非閉塞位置から、係止杆825cを中心としてカバー体802の右端を回転させ、ベース体801に対してカバー体802が起立する起立姿勢になったときに(図12(b)参照)、カバー体802を起立姿勢のままベース体801に沿ってスライドさせることで、屈曲片871bを係止孔824hから抜き取ることが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施例としての基板ケース800にあっては、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込むことでベース体801に対してカバー体802を非閉塞位置に配置可能となるとともに、該非閉塞位置から、係止片870a,870bの差し込み方向と反対側に向けてスライド移動させて閉塞位置に配置することで開放方向への移動が規制され、組付手段としてのワンウェイネジ816により封止状態とすることが可能となる。よって、カバー体802を開放させるためには、ワンウェイネジ816による封止状態を解除した後、カバー体802を非閉塞位置までスライド移動させることで規制溝818a〜818dと規制突起868a〜868dとによる開放方向への移動の規制が解除されるものの、カバー体802をスライド方向とは異なる方向に移動、例えば左側辺を中心として回転させなければ係止孔824hから係止片870a,870bを抜き出して係止状態を解除することができない。よって、ベース体801に対しカバー体802を開放したり取り外したりするためには、少なくとも2段階の開放動作(スライド動作と回転動作)が必要となって手間を要することになるため、不正行為を抑制することができる。
また、係止片870a,870bは、板状片871aの先端に屈曲片871bが形成されていることで、ベース体801に対してカバー体802を左側辺を中心として傾けなければ(回転させなければ)係止孔824hから屈曲片871bを引き抜くことができないため、開放動作を複雑化することができる。
また、閉塞位置において、屈曲片871bが係止孔824hの開口周縁である係止杆825cに係止されることで、屈曲片871bが閉塞位置でのスライドを規制するスライド規制手段として機能するため、構造を簡素化させることができるばかりか、係止孔824hから係止片870a,870bが逸脱しにくくなる。
また、係止孔824hは、底板810から立設された一対の支持壁825a,825bと該一対の支柱間に架設された係止杆825cにより形成され、係止片870a,870bの両側に、支持壁825a,825bが差し込み可能な切欠溝872,872が形成されていることで、係止片870a,870bを左短辺から大きく突出させることなく、スライド移動のストロークを十分に確保することができるため、係止片870a,870bの破損等が防止される。
また、屈曲片871bは、板状片871aに対して略90度屈曲されていることで、ベース体801に対してカバー体802をある程度回転させて起立姿勢としなければカバー体802を取り外すことができないため、手間がかかるようになる。
また、特に基板ケース800は、筐体1aに対して左側辺を中心として開閉可能に取り付けられた前面扉1bの背面に取り付けられているとともに、非閉塞位置において左側辺を中心としてカバー体802をベース体801に対して約90度回転させる、つまりベース体801に対してカバー体802を起立姿勢としなければ取り外すことができない。よって、カバー体802を開放するためには、筐体1aに対して前面扉1bを大きく開放しなければならず、これにより前面扉1bが開放されていることが目立ちやすくなるため、不正行為を行い難くすることが可能となる。
また、本実施例では、屈曲片871bは、板状片871aに対して略90度屈曲されているが、90度以上、つまりフック形状に形成されていてもよい。
また、規制手段を構成する規制溝818a〜818dおよび規制突起868a〜868dは複数箇所に設けられていることで、カバー体802を撓ませにくくなるため、ベース体とカバー体802との隙間から針金等の異物を進入させにくくなる。特に、上辺および下辺それぞれの左右に2つずつ配設されていることで、閉塞位置から非閉塞位置までベース体801に対してカバー体802を略平行にスライド移動案内することになるため、非閉塞位置に位置するまでカバー体802の開放方向への移動を確実に規制することができる。
また、本実施例では、規制手段として、規制溝818a〜818dと規制突起868a〜868dおよび係合凸部860と係合孔830が適用されていたが、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込む方向とは逆方向にスライドさせることによりカバー体802の開放方向への移動を規制するものであれば、上記のように、溝と突起からなるものや、係合凸部と係合孔とからなるものでなくてもよい。
図19には、本発明の変形例としての基板ケース800’が示されている。前記実施例では、ベース体801に設けられた係止孔824hにカバー体802に設けられた係止片870a,870bを差し込むようになっていたが、図19に示すように、ベース体801側に係止片870を側方に向けて突設するとともに、カバー体802側に係止孔824hを有する被係止片824を形成しても、基板ケース800と同様の作用・効果が得られる。
この場合、図19(a)に示されるように、ベース体801に対してカバー体802が閉塞位置にて開放方向への移動が規制された状態で、ベース体801に対してカバー体802を、係止孔824hを係止片870の基部側に押し込む方向に向けてスライドさせて非閉塞位置に配置することにより、規制溝818による規制突起868の上方への移動規制が解除され、図19(c)に示すように、カバー体802を開放可能となる。そしてこのように、閉塞位置と非閉塞位置との間において係止孔824hと係止片870との係止状態が解除されることはない。
この変形例では、ベース体801に対してカバー体802をスライドさせることにより係止孔824hを有する被係止片824が移動するが、相対的には係止片870が係止孔824hに差し込まれることになるため、非閉塞位置においてカバー体802を所定角度回転させて姿勢を変位させなければ、ベース体801からカバー体802を取り外すことはできないため、演出制御基板90をカバー体802ごとベース体801から取り外して不正な改造を施すといった不正行為を防止することができる。
また、本実施例では、係止孔824hは係止片870a,870bを挿通可能な挿通孔にて構成されていたが、非閉塞位置と閉塞位置とにおいて係止状態を維持できるように構成されていれば、係止孔824hは必ずしも係止片870a,870bを挿通可能な挿通孔ではなく、係止片870a,870bを差し込み可能な有底の差し込み穴(凹部)であってもよい。
また、本実施例では、基板ケースの一例として、演出制御基板90を収納する演出制御基板ケース800を記載したが、収納する基板は演出制御基板90に限定されるものではなく、遊技制御基板40や他の回路基板等を収納してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明の遊技機の一例としてスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機等にも適用可能である。