JP2012029491A - 電動車両システム - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリ充電を精度よく行なえる電動車両システムを提供する。
【解決手段】外気温度を検出する外気温度検出部と、バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出部と、予め設定された充電時間帯に、予め設定された充電時間で、外部電源の電力によって、バッテリを目標充電量まで充電する充電制御装置と、を備え、充電制御装置は、車両の停車時に、検出された外気温度と検出されたバッテリ温度とに基づいて、充電時間帯でのバッテリの温度を予測するバッテリ温度予測手段と、予測されたバッテリ温度に基づいて、バッテリを目標充電量まで充電するための予測充電時間を算出する充電時間算出手段と、算出された予測充電時間が予め設定された充電時間よりも大きい場合に、充電時間を延長する充電時間延長手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリを充電するに、目標充電量までの充電時間の見積もりを精度よく行うことができる電動車両システムに関する。
車両に搭載され車両のモータを駆動するバッテリを、車両の停車中に外部からの電力(例えば商用電源)によって充電する充電システムが実用化されている。
商用電源を用いる場合は、電気料金が安価な深夜電力を利用することができる。このような充電システムとして、充電に先立ち予め受電部の動作モードが切り替え可能に設定され、動作モードは、所定の時間帯における充電を優先させる第1のモードと、受電部と外部電源とが接続された時点で充電を開始する第2のモードを含む車両及び充電ケーブル(特許文献1参照。)が知られている。
特開2009−100569号公報
特許文献1に記載された充電システムは、エコノミー充電モードに設定されると、充電を待機し、深夜電力時間帯になったときに充電を開始し、バッテリのSOCによって満充電状態かを判断する。深夜電力時間帯を超えてもなお満充電状態とならなった場合は充電時間を延長するように構成されている。
ところで、バッテリの充電時間は、バッテリの温度に依存する。外気温が低い場合はバッテリ温度が低下する。バッテリ温度の低下によって、バッテリの内部抵抗が増加する。バッテリの内部抵抗が増加すると、充電中にバッテリのSOCに基づいて算出する充電時間が、当初の見積もりに対して増加する。そのため、充電開始時間を設定して充電を行う場合は、バッテリの充電容量が不足してしまうという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリの目標充電量までの充電時間の予測精度を向上させて、バッテリ充電を精度よく行うことを目的とする。
本発明の一実施態様によると、バッテリの電力によって電動機を駆動して走行し、外部電力によってバッテリを充電可能な電動車両システムである。電動車両システムは、外気温度を検出する外気温度検出部と、バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出部と、予め設定された充電時間帯に、予め設定された充電時間で、外部電源の電力によって、バッテリを目標充電量まで充電する充電制御装置と、を備える。充電制御装置は、車両の停車時に、検出された外気温度と検出されたバッテリ温度とに基づいて、充電時間帯でのバッテリの温度を予測するバッテリ温度予測手段と、予測されたバッテリ温度に基づいて、バッテリを目標充電量まで充電するための予測充電時間を算出する充電時間算出手段と、算出された予測充電時間が予め設定された充電時間よりも大きい場合に、充電時間を延長する充電時間延長手段と、を備える。
本発明によると、バッテリの充電時間帯以前に、外気温度とバッテリ温度とに基づいてバッテリの温度変化を予測し、予測結果に基づいて、必要に応じて充電時間を延長する。これによって、バッテリの充電時間の予測精度を高めて、バッテリが充電不足となることを防止して、確実に目標充電量まで充電を行うことができる。
本発明の第1の実施形態の充電システムの構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態の電動車両システムによる充電の説明図である。 本発明の第1の実施形態のバッテリの充電の説明図である。 本発明の第1の実施形態のタイマー充電処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の電動車両システムによる充電の説明図である。 本発明の第3の実施形態の電動車両システムによる充電の説明図である。 本発明の第4の実施形態のバッテリの劣化の説明図である。 本発明の第4の実施形態の必要充電時間の算出の説明図である。 本発明の第5の実施形態の電動車両システムによる充電の説明図である。 本発明の第6の実施形態の実施形態の電動車両システムによる充電の説明図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態の充電システム1の構成を示す説明図である。
充電システム1は、電動車両システム100と、外部電源50と、電動車両システム100と外部電源50とを接続する充電ケーブル40とから構成される。なお、図中、実線で結ばれた箇所は電力の授受を示し、点線で結ばれた箇所は制御信号の授受を示す。
外部電源50は、商用電源52と電源コンセント51とから構成される。商用電源52は、例えば50Hz、200Vの商用電源の供給源であり、電源コンセント51は、充電ケーブル40に接続するインターフェースである。
充電ケーブル40は、電源プラグ43と、コントロールボックス42と、充電プラグ41とから構成される。電源プラグ43は、外部電源50の電源コンセント51に接続する。コントロールボックス42は、充電中のシステム漏電を検知して配線を遮断する機能や、電流容量信号を車両に送る機能を備える。充電プラグ41は、電動車両システム100の充電ポート23に接続する。
電動車両システム100は、バッテリ11の電力により駆動モータ31を駆動して走行する。バッテリ11は、外部電源50の電力によって充電する。
電動車両システム100は、バッテリ11、充電制御装置21、充電器22、充電ポート23、充電リレー24、インターフェース装置(I/F)25、外気温度センサ26、を備える。
バッテリ11に蓄えられた直流電力はインバータ32に供給される。インバータ32は、直流電力を交流電力に変換すると共に電圧や周波数を制御して、駆動モータ31に供給する。これにより、駆動モータ31を駆動して、車両が走行する。また、バッテリ11の直流電力は、モータやポンプ等からなる強電補記系33に供給される。また、バッテリ11の直流電力は、DC/DCコンバータ34が適切な直流電圧(例えば12V)に降圧して、制御装置や照明等からなる弱電補記系36に供給する。
バッテリ11は、バッテリ制御装置12と、バッテリリレー13と、温度センサ(バッテリ温度検出部)14とを備える。バッテリ制御装置12は、温度センサ14が検出するバッテリ11の温度やバッテリ11の状態(電圧、SOC等)を取得して、充電制御装置21に送る。また、バッテリ制御装置12は、充電制御装置21の指令に基づいてバッテリ11の充電を制御する。バッテリリレー13は、バッテリ11への電力の供給及び電力の出力を断続する。
充電制御装置21は、充電器22やバッテリ制御装置12を制御して、バッテリ11の充電を制御する。また、充電制御装置21は、インターフェース装置25によって設定された充電モードに基づいてバッテリ11の充電の開始及び終了を制御する。
充電モードは、充電プラグ41が充電ポート23に接続されてから直ちに充電を開始する即充電モードや、インターフェース装置25によって予め設定された充電開始時刻と充電停止時刻とによって設定される充電時間帯に、バッテリを充電するタイマー充電モード等を備える。
外気温度センサ(外気温度検出部)26は、電動車両システム100の外気温を検出する。
充電ポート23は、充電ケーブル40の充電プラグが接続され、外部電源50からの電力が入力される。
充電器22は、充電ポート23から入力された交流電力を、充電制御装置21からの指示に基づいて、バッテリ11を充電するのに適切な直流電力に変換し、充電リレー24を介してバッテリに出力する。充電リレー24は、バッテリ11を充電する電力を断続する。
このように構成された電動車両システム100において、バッテリ11の充電方法について説明する。
充電制御装置21は、充電ケーブル40の充電プラグ41が充電ポート23に接続されたことを検知すると、充電器22やバッテリ制御装置12を起動させて、バッテリ11の充電の制御を開始する。
充電制御装置21は、バッテリ11を充電することを決定した場合は、バッテリリレー13及び充電リレー24を接続してバッテリ11と充電器22とを電気的に接続する。充電器22は、充電ケーブル40のコントロールボックス42から出力された電流容量信号を受信して、充電ケーブル40の電流容量を認識する。充電器22は、認識した電流容量の範囲内で、外部電源50からの入力電流を制御する。
充電器22は、充電ケーブル40から入力された交流電力を直流電力に変換し、バッテリを充電するために適切な電圧に昇圧して、バッテリ11に電力を出力する。
充電器22から出力する電力は、充電制御装置21によってリアルタイムに制御される。充電制御装置21は、バッテリ制御装置12が要求する充電電力と、充電器22が出力可能な出力可能電力と、インバータ32、強電補記系33、DC/DCコンバータ34が消費する電力に基づいて、充電器22が出力する電力を決定する。
充電中は、バッテリ制御装置12は、バッテリ11のSOC、電圧、温度等の状態を監視して、これらの状態に基づいて、バッテリ11の充電要求電力を決定して、充電制御装置21送信する。充電制御装置21は、送信された充電要求電力に基づいて、充電器22が出力する充電電力を制御する。充電終了時刻となった場合を除き、バッテリ制御装置12がバッテリ11のSOCや電圧によってバッテリ11が満充電となったことを検出するまで、充電が継続される。バッテリ11が満充電となった場合は、バッテリ制御装置12は、充電制御装置21に充電の停止を要求する。
これを受けて充電制御装置21は、充電器22が入出力する充電電力をゼロに制御するとともに、バッテリリレー13及び充電リレー24を遮断する。これにより充電が終了する。また充電制御装置21は、予め設定された充電終了時刻となった場合も、同様に充電を終了する。
なお、タイマー充電モードでは、充電制御装置21は、ユーザインターフェース装置25によって設定された数値に基づいて、充電開始時刻及び充電終了時刻を決定する。充電制御装置21は、充電開始時刻となるまでは、充電ケーブル40が接続されていても充電を開始しない。
なお、充電開始時刻及び充電終了時刻は、ユーザがインターフェース装置25に直接時刻を入力するか、予め設定されている複数の充電モードの中から任意のモードを選択することによって、設定される。
次に、タイマー充電モードにおける充電時間の設定を説明する。
図2は、タイマー充電モードにおいて、バッテリ温度と外気温度とに差がある場合の充電の説明図である。
図2に示すタイムチャートは、電動車両システム100が走行後に停車し、予め設定された充電開始時刻T1にバッテリ11の充電を開始し、予め設定された充電終了時刻T2に充電を終了するように設定された例を示す。このときの充電時間をHsとする。なお、この充電開始時刻T1及び充電終了時刻T2は、例えば深夜電力料金が適用される時間帯(例えば充電開始時刻23:30、充電終了時刻7:00)を設定する。
電動車両システム100が走行中は、車両駆動電力の出力やエネルギー回生電力の入力によってバッテリ11が放電/充電されることに伴い、バッテリ11内部の損失によりバッテリ温度が上昇する。
この状態で走行を終了して、車両が停止すると、バッテリ温度Tb0が外気温度Ta0よりも高い状態となる。そのため、バッテリ11は、停車中に温度が徐々に低下する。
ここで、タイマー充電モードに設定されている場合は、タイマー充電の充電開始時刻であるT1では、車両停止時刻T0でのバッテリ温度Tb0に対して、バッテリ温度がTb1まで低下する。このとき、バッテリ温度Tb0での目標充電量までの必要充電時間はH0であるのに対して、バッテリ温度Tb1での目標充電量までの必要充電時間はH1まで増加する。
バッテリ11の温度が低下すると、バッテリ11の内部抵抗が上昇する。このため、バッテリ11を充電するときに、内部抵抗の上昇によってバッテリ11が過電圧にならないように充電中の充電電流を絞る必要がある。この結果、バッテリ11の温度が低い場合には、バッテリ11の温度が高い場合と比較して、充電電力が低減されて、必要充電時間が増加する。
また、図2において、充電開始時刻T1にバッテリ11の温度と外気温度とに差がある場合は、充電開始後にも、更にバッテリ11の温度が低下する。例えば、充電開始時刻T1のバッテリ温度がTb1であるのに対して、充電停止時刻T2では、バッテリ11の温度がTb2まで低下する。このとき、温度Tb1における必要充電時間H1に対して、温度Tb2における必要充電時間がH2に増加する。
このように、タイマー充電モードにおいて、バッテリ11の温度が外気温よりも高い場合は、バッテリ11の温度が徐々に低下することにより、予め設定された充電時間に対して必要な充電時間が延びる場合がある。そのため、車両停止時刻T0や充電開始時刻T1において目標充電量までの充電時間を見積もったとしても、充電終了時刻T2では、バッテリ11が満充電に満たない状態で充電が終了してしまう場合がある。
そこで、本発明の第1の実施形態では、次に説明するように、バッテリ11の温度及び外気温度によって、充電時間を制御するに構成した。
図3は、本実施形態の電動車両システム100によるバッテリ11の充電の説明図である。
なお、この図3は、車両停車時のバッテリ温度Tb1が10℃、外気温Ta0が−20℃、車両停車時刻T0が13:00であって、タイマー充電における充電開始時刻T1が23:00、タイマー充電終了時刻T2が7:00、充電時間Hsが8時間に設定されている例を示す。
なお、充電開始時刻T1、充電終了時刻T2及び充電時間Hsは、ユーザがインターフェース装置25に入力することによって予め設定しておく。
車両停車時刻T0において、バッテリ温度Tb0は10℃であり、外気温度Ta0が−20℃であるため、車両の放置中にバッテリ温度が低下する。充電開始時刻T1では、バッテリ温度がTb0(10℃)からTb1(−15℃)まで低下する。なお、バッテリ11の温度推移は、図3中に点線で示す。
これにより、目標充電量までの必要充電時間は、バッテリ温度がTb0(10℃)である場合にH0(8時間)であったものが、バッテリ温度がTb1(−15℃)ではH1(10時間)となる。従って、H1−H0=2時間分だけ、目標充電量までの必要充電時間が増加してしまう。そのため、予め設定された充電時間Hs(8時間)では充電時間が不足してしまう。
充電時間の不足を防止するために、充電制御装置21は、次のような処理を行って、充電時間を延長する。
図4は、第1の実施形態の充電制御装置21によるタイマー充電処理のフローチャートである。
充電制御装置21は、車両が停車したことを検出したときに、外気温度及びバッテリ温度を取得する(S101)。なお、外気温度及びバッテリ温度は、温度変化の推移の予測のために、所定時間間隔で複数回取得する。
なお、単に車両が停車したことを検出するのではなく、充電開始予定時刻以前の最後の車両停止時にステップS101の処理を実行する。例えば、車両が停車した後、充電ポート23に充電プラグ41が接続されたことを検出したことにより検出してもよい。また、車両が再度走行を開始したときは、充電制御装置21は本フローチャートの処置をキャンセルする。
充電制御装置21は、外気温度センサ26から外気温度を取得する。また、バッテリ制御装置12を介して温度センサ14からバッテリ温度を取得する。そして、これら取得した値から、バッテリ11の温度変化の推移を予測する(S102)。温度変化の推移は、取得した外気温度及びバッテリ温度を時間微分した傾きが時間経過によってどの程度変化するかを算出することによって予測できる。
次に、充電制御装置21は、予測したバッテリ11の温度変化の推移から、充電開始時刻T1におけるバッテリ温度Tb1を予測する。これによりバッテリ温度予測手段が構成される。そして、この温度予測値における目標充電量までの必要充電時間H1を算出する(S103)。これにより充電時間算出手段が構成される。
次に、充電制御装置21は、算出した目標充電量までの必要充電時間H1と、インターフェース装置25によって予め設定された充電時間Hsとを比較する(S104)。
充電制御装置21は、比較の結果、充電時間H1が充電時間Hsよりも大きいと判定した場合は、H1からHsを引いた値ΔHpを算出し、充電時間Hs不足分の充電時間ΔHpを加算した値を新たな充電時間に設定する(S105)。これにより、不足分の充電時間が延長され、充電時間延長手段が構成される。
なお、比較の結果、充電時間H1が充電時間Hs未満であると判定した場合は、予め設定された充電時間Hsは変更しない。
充電制御装置21は、設定された新たな充電時間により、充電開始時刻において充電を開始する(S106)。
充電時間H1が充電時間Hsよりも大きい場合は、充電制御装置21は、これらの差であるΔHpだけ充電時間を延長する。例えば、差ΔHpだけ充電開始時刻を早める又は差ΔHpだけ充電終了時刻を送らせることにより充電時間を延長する。又は、差ΔHpを二分して、充電開始時刻をΔHp/2だけ早め、充電終了時刻をΔHp/2だけ送らせることにより、充電時間を延長する。なお、このうちのいずれを選択するかは、ユーザがインターフェース装置25によって設定してもよいし、常にいずれか一つの方法に固定しておいてもよい。
なお、本実施形態では、外気温度とバッテリ温度とに基づいて予測したバッテリ11の温度変化の推移から、充電開始時刻T1におけるバッテリ温度を予測した。しかし、これに限られず、充電時間帯(充電開始時刻T1から充電終了時刻T2の間)のバッテリ温度を予測して、この予測値に基づいて充電時間を算出する。例えば、充電終了時刻T2におけるバッテリ温度を予測して、これに基づいて充電時間を算出してもよい。充電終了時刻でバッテリ温度を予測する場合は、バッテリ温度の予測値がより低くなるので、充電時間に対してマージンが大きくなる。そのため、マージンを確保したい場合は充電終了時刻でのバッテリ温度を予測すればよい。
このように構成された本発明の第1の実施形態の電動車両システム100は、バッテリ11の温度と外気温度とから充電開始時刻におけるバッテリ11の温度を予測し、予測された温度に基づいて、バッテリ11の目標充電量までの充電時間を変更する。
このように構成することによって、バッテリ11の充電時間の予測精度を高めて、バッテリ11が充電不足となることを防止して、確実に目標充電量まで充電を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態では、充電時間帯におけるバッテリ温度の平均値に基づいて目標充電量までの充電時間を予測する。なお、第2の実施形態の基本構成は図1と同様である。
図5は、第2の実施形態の電動車両システム100によるバッテリ11の充電の説明図である。
第1の実施形態の図4で説明したように、充電制御装置21は、車両が停車したときに外気温度とバッテリ温度を取得し(S101)、バッテリ11の温度変化の推移を予測する(S102)。
次に、ステップS103において、充電制御装置21は、充電開始時刻T1から充電終了時刻T2までの間のバッテリ温度の平均値Tbaを予測する。図5の例では、充電開始時刻T1におけるバッテリ温度は−15℃と予測されている。これに対して、充電時間帯のバッテリ温度の平均値Tbaは−17℃と予測されている。
バッテリ温度の平均値Tbaは、例えば、予測したバッテリ11の温度変化の推移から、充電時間帯における単位時間あたりの温度変化を算出し、これを積算した値を充電時間Hsで除算することによって予測される。または、予測したバッテリ11の温度変化の推移から、充電開始時刻T1でのバッテリ温度の予測値と、充電終了時刻T2でのバッテリ温度の予測値の中間値によって予測してもよい。
以降、充電制御装置21は、図4に示すフローチャートと同様に、温度予測値に基づいて必要充電時間H1を算出し(S103)算出した目標充電量までの必要充電時間H1と、予め設定された充電時間Hsとを比較する(S104)。
充電時間H1が充電時間Hsよりも大きいと判定した場合は、充電時間Hsに不足分の充電時間ΔHpを加算した値を新たな充電時間に設定して充電時間を延長する(S105)。そして、新たな充電時間により、充電開始時刻において充電を開始する(S106)。なお、充電時間の加算は、前述の第1の実施形態と同様に、充電開始時刻又は充電終了時刻を変更することによって行う。
図5に示す例では、充電開始時刻T1でのバッテリ温度の予測値Tb1における充電時間H1は10時間と見積もられている。これに対して、バッテリ温度の平均値Tbaに基づいた充電時間Haは、10.5時間と予測されている。従って、充電時間をより正確に見積もることができ、充電容量が不足することを防止できる。
このように構成された本発明の第2の実施形態の電動車両システム100は、前述の第1の実施形態と同様に、充電時間帯におけるバッテリ11の温度を予測し、予測された温度に基づいて、バッテリ11の目標充電量までの充電時間を変更する。
特に、第2の実施形態では、充電時間帯におけるバッテリ温度の平均値の予測値に基づいて充電時間を見積もるため、バッテリ11の充電時間の予測精度を高めることができる。これにより、バッテリ11が充電不足となることを防止して、確実に目標充電量まで充電を行うことができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態では、バッテリ11の内部抵抗を考慮して目標充電量までの充電時間を予測する。なお、第3の実施形態の基本構成は図1と同様である。
図6は、第3の実施形態の電動車両システム100によるバッテリ11の充電の説明図である。
バッテリ11は、充電中に、バッテリ11の内部抵抗による電力損失によって発熱する。そのため、バッテリ11は、充電中に、バッテリ11の温度が上昇する場合がある。
図6に示すように、バッテリ11の温度は、内部抵抗による電力損失を考慮しない場合は、充電開始時刻T1から充電終了時刻T2まで、Tb1からTb2へと変化する。
ここで、充電中のバッテリ11の温度上昇を考慮した場合は、バッテリ11の温度は、充電開始時刻T1から充電終了時刻T2まで、Tb1からTb3へと変化する。充電中にバッテリ11の温度が、予測された温度変化の推移とは異なるので、目標充電量までの充電時間も変化する。
そこで、第3の実施形態では、充電中のバッテリ11の温度上昇分を考慮して、充電時間帯でのバッテリ温度の平均値Tbaを算出する。
第1の実施形態の図4で説明したように、充電制御装置21は、車両が停車したときに外気温度とバッテリ11の温度を取得し(S101)、バッテリ11の温度変化の推移を予測する(S102)。
次に、ステップS103において、充電制御装置21は、充電開始時刻T1から充電終了時刻T2までの間の充電時間帯でのバッテリ温度の平均値Tbaを予測する。
具体的には、充電制御装置21は、前述の第2の実施形態と同様に、充電時間帯でのバッテリの温度平均値Tbaを予測する。そしてこの温度平均値Tbaに、充電時間帯での充電による温度上昇を加算して、新たな温度平均値Tbaとする。図5の例では、充電開始時刻T1におけるバッテリ温度は−15℃と予測されている。これに対して、充電時間帯のバッテリ温度の上昇値を考慮したバッテリ温度の平均値Tbaは−16℃と予測されている。
なお、充電によるバッテリ11の温度上昇は、例えば、当該バッテリ11について予め実験等によって内部抵抗値を求めておき、充電制御装置21が、これを記憶して計算に用いる。なお、バッテリ11の内部抵抗によってバッテリ11の温度情報の感度が高く温度上昇が大きくなる場合は、予め現在のバッテリ11の内部抵抗値を予測して、これに基づいてバッテリ11の温度上昇値を予測してもよい。
以降、充電制御装置21は、図4に示すフローチャートと同様に、温度予測値に基づいて必要充電時間H1を算出し(S103)算出した目標充電量までの必要充電時間H1と、予め設定された充電時間Hsとを比較する(S104)。
充電時間H1が充電時間Hsよりも大きいと判定した場合は、充電時間Hsに不足分の充電時間ΔHpを加算した値を新たな充電時間に設定し、(S105)新たな充電時間により、充電開始時刻において充電を開始する(S106)。
図6に示す例では、充電開始時刻T1でのバッテリ温度の予測値Tb1における充電時間H1は10時間と見積もられている。これに対して、バッテリ温度の上昇値を考慮した平均値Tba(−16℃)に基づいた充電時間Haは、10.2時間と予測されている。従って、充電時間をより正確に見積もることができ、充電容量が不足することを防止できる。
このように構成された本発明の第3の実施形態の電動車両システム100は、前述の第2の実施形態と同様に、充電時間帯におけるバッテリ11の温度を予測し、予測された温度に基づいて、バッテリ11の目標充電量までの充電時間を変更する。
また、バッテリ11の劣化が進んだ場合は、充電容量が低下するとともに、バッテリ11の内部抵抗が増加する。そのため、バッテリ11が新品のときの充電時間の見積りに対してずれが発生し、結果として充電量不足に至ったり、または狙いの時刻に対して充電が早く停止してしまう可能性がある。これにより、充電時間の見積りの精度が悪化す可能性がある。
第3の実施形態では、充電時間帯におけるバッテリ11の温度の平均値と、バッテリの内部抵抗による温度上昇値とに基づいて充電時間を見積もるため、バッテリ11の充電時間の予測精度を高めることができる。これにより、バッテリ11が充電不足となることを防止して、確実に目標充電量まで充電を行うことができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態では、バッテリ11の劣化を考慮して目標充電量までの充電時間を予測する。なお、第3の実施形態の基本構成は図1と同様である。
図7は、第4の実施形態のバッテリ11の劣化の説明図である。
バッテリ11は経時変化により劣化し、内部抵抗が次第に増加する。内部抵抗が増加すると充電中のバッテリ11の温度が上昇するので、バッテリ11の必要充電時間が増加する。
また、バッテリ11が劣化するとバッテリ11の充電容量が減少するので、満充電量が減少する。満充電量が減少すると、バッテリ11の必要充電時間は減少する。
このように、バッテリ11が劣化することによって、目標充電量までの充電時間に影響を及ぼす。そこで、この影響を予測して充電時間を算出することによって、バッテリ11が劣化している状態であっても、バッテリ11の充電時間の予測精度を高めることができる。
図8は、第4の実施形態の充電制御装置21におけるバッテリ11の劣化の影響を考慮した必要充電時間の算出のブロック図を示す。
充電制御装置21は、現在のバッテリ11の状態からバッテリ11の容量の劣化を算出する(ブロックB1)。そして、この充電容量に基づいて、現在のバッテリ容量を決定し、これを目標充電SOCとして設定する(ブロックB2)。
また、充電制御装置21は、現在のバッテリ11のSOCを取得して、これを充電開始SOCに設定する(ブロックB3)。
また、充電制御装置21は、外気温度とバッテリ温度とから予測したバッテリ11の温度変化の推移を取得する(ブロックB4)。
そして、充電制御装置21は、予め記憶された目標SOC、充電開始SOC及びバッテリ温度のマップから、充電時間帯での温度予測値に基づく充電時間を算出する(ブロックB5)。
また、充電制御装置21は、現在のバッテリ11の状態からバッテリ11の内部抵抗の劣化状態を算出して(ブロックB6)、この内部抵抗の劣化状態に対応する劣化係数を決定する(ブロックB7)。
そして、充電制御装置21は、算出された充電時間にこの劣化係数を掛け合わせることによって充電時間を補正し、目標充電量までの充電時間を算出する(ブロックS8)。
以降、充電制御装置21は、図4に示すフローチャートと同様に、算出した目標充電量までの必要充電時間H1と、予め設定された充電時間Hsとを比較する(S104)。
充電時間H1が充電時間Hsよりも大きいと判定した場合は、充電時間Hsに不足分の充電時間ΔHpを加算した値を新たな充電時間に設定し、(S105)新たな充電時間により、充電開始時刻において充電を開始する(S106)。
このように構成された本発明の第4の実施形態の電動車両システム100は、前述の第1の実施形態と同様に、充電時間帯におけるバッテリ11の温度を予測し、予測された温度に基づいて、バッテリ11の目標充電量までの充電時間を変更する。
特に、第4の実施形態では、バッテリ11の劣化状態(容量の劣化及び内部抵抗の劣化)に基づいて、充電時間を補正するので、バッテリ11の充電時間の予測精度を高めることができる。これにより、バッテリ11が充電不足となることを防止して、確実に目標充電量まで充電を行うことができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
第5の実施形態では、目標充電量までの充電時間を予測するタイミングが前述の第1から第5の実施形態と異なる。なお、第5の実施形態の基本構成は図1と同様である。
図9は、第5の実施形態の実施形態の電動車両システム100によるバッテリ11の充電の説明図である。
充電開始時刻や充電停止時刻の設定値によっては、車両停止時刻から長時間経過した後に充電が開始する場合がある。このような場合、外気温度がほぼ一定であったとしても、車両停車時での外気温度Ta0とバッテリ温度Tb0とから予測したバッテリ温度が、充電開始時刻T1でのバッテリ11の実際の温度とのずれが大きくなる可能性がある。
そこで、目標充電量までの充電時間を計算するタイミングを、車両停車時ではなく、充電開始時刻T1よりも所定時間前の時刻に設定することによって、車両停止時刻で予測したバッテリ温度に対するずれ量を低減できる。これにより、より充電時間の見積り精度が向上する。
具体的には、充電制御装置21は、図4のステップS101において、車両が停車したことを検出した場合は、予め設定された充電開始時刻T1よりも所定時間ΔHtだけ前に、充電時間を計算するようにタイマーを設定する。そして、このタイマーが起動したときに、前述の図4のステップS101以降の処理を実行する。
すなわち、タイマーが起動したときに、その時点での外気温度(Ta4)及びバッテリ温度(tb4)を取得する。そしてこれらの値に基づいて、バッテリ11の温度変化の推移を改めて予測し、この予測に基づいて、充電時間(H1)を改めて算出する。
この処理により決定された充電時間により、充電開始時刻において充電を開始する。
このように構成された本発明の第5の実施形態の電動車両システム100は、前述の第1の実施形態と同様に、充電時間帯におけるバッテリ11の温度を予測し、予測された温度に基づいて、バッテリ11の目標充電量までの充電時間を変更する。
特に、第5の実施形態では、車両停止時ではなく、充電開始時刻から所定時間前に目標充電量までの充電時間を算出するので、車両停車中に外気温度が変化したことによるバッテリ温度の予測に誤差が生じることを防止することができる。これにより、バッテリ11が充電不足となることを防止して、確実に目標充電量まで充電を行うことができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
第6の実施形態では、目標充電量までの充電時間を予測するタイミングが前述の第1から第5の実施形態と異なる。なお、第6の実施形態の基本構成は図1と同様である。
図10は、第6の実施形態の電動車両システム100によるバッテリ11の充電の説明図である。
前述の第5の実施形態で説明したように、車両停止時刻から長時間経過した後に充電が開始する場合には、予測したバッテリ温度が、充電開始時刻T1でのバッテリ11の実際の温度とのずれが大きくなる可能性がある。これに対して、第5の実施形態では、予め設定された充電開始時刻T1よりも所定時間ΔHtだけ前に、充電時間を算出した。
第6の実施形態では、車両停車時T0から予め設定された充電開始時刻T1まで、複数回、充電時間の算出を行うように設定した。充電時間の算出のタイミングは、例えば、車両停止時刻T0から充電開始時刻T1までの時間に応じて、所定の時間経過ごとに設定する。又は、車両停止時刻T0や充電開始時刻T1に関わらず、所定の時刻に設定するようにしてもよい。
充電制御装置21は、図4のステップS101において、車両が停車したことを検出した場合は、タイマーを設定する。このタイマーが、充電時間の算出時刻となったときに、外気温度及びバッテリ11の温度を取得して、前述の図4のステップS101以降の処理を実行する。
さらに、図4のステップS104及びS105において、充電時間を算出した後に、再びステップS101に戻り、再びタイマーが充電時間の算出時刻となるまで待機する。以降、この処理を繰り返し、充電開始時刻T1となったときに、ステップS106に移行し、前回の処理により決定された充電時間により、充電開始時刻において充電を開始する。
このように構成された本発明の第6の実施形態の電動車両システム100は、前述の第1の実施形態と同様に、充電時間帯におけるバッテリ11の温度を予測し、予測された温度に基づいて、バッテリ11の目標充電量までの充電時間を変更する。
特に、第6の実施形態では、車両停止時から充電開始時刻までの間に複数回目標充電量までの充電時間を算出するので、車両停車中に外気温度が変化したことによるバッテリ11の温度の予測に誤差が生じることを防止することができる。これにより、バッテリ11が充電不足となることを防止して、確実に目標充電量まで充電を行うことができる。
なお、第5実施形態及び第6実施形態において、目標充電量までの充電時間の算出を、前述の第2実施形態、第3実施形態又は第4実施形態のように求めてもよい。
1 充電システム
11 バッテリ
12 バッテリ制御装置
14 温度センサ
21 充電制御装置
22 充電器
23 充電ポート
25 インターフェース装置
26 外気温度センサ
31 駆動モータ
100 電動車両システム

Claims (7)

  1. バッテリの電力によって電動機を駆動して走行し、外部電力によって前記バッテリを充電可能な電動車両システムにおいて、
    外気温度を検出する外気温度検出部と、
    前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出部と、
    予め設定された充電時間帯に、予め設定された充電時間で、前記外部電源の電力によって、前記バッテリを目標充電量まで充電する充電制御装置と、を備え、
    前記充電制御装置は、
    車両の停車時に、前記検出された外気温度と前記検出されたバッテリ温度とに基づいて、前記充電時間帯でのバッテリの温度を予測するバッテリ温度予測手段と、
    前記予測されたバッテリ温度に基づいて、前記バッテリを目標充電量まで充電するための予測充電時間を算出する充電時間算出手段と、
    前記算出された予測充電時間が前記予め設定された充電時間よりも大きい場合に、前記充電時間を延長する充電時間延長手段と、
    を備えることを特徴とする電動車両システム。
  2. 前記充電時間帯は、予め設定された充電開始時刻及び充電終了時刻によって設定されることを特徴とする請求項1に記載の電動車両システム。
  3. 前記バッテリ温度予測手段は、前記充電時間帯でのバッテリの温度の平均値を予測し、
    前記充電時間算出手段は、前記予測されたバッテリ温度の平均値に基づいて、前記バッテリを目標充電量まで充電するための予測充電時間を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両システム。
  4. 前記バッテリ温度予測手段は、前記検出された外気温度と前記検出されたバッテリ温度とに基づいて予測される前記充電時間帯でのバッテリの温度の平均値に、前記充電時間帯における充電による前記バッテリの温度上昇の予測値を加算して、前記充電時間帯でのバッテリの温度の平均値を算出することを特徴とする請求項3に記載の電動車両システム。
  5. 前記充電時間算出手段は、前記充電時間帯でのバッテリの温度と、前記バッテリの劣化状態による内部抵抗の増加分と、前記バッテリの劣化状態による充電容量の低減分とから、前記バッテリを目標充電量まで充電するための予測充電時間を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の電動車両システム。
  6. 前記バッテリ温度予測手段は、前記充電開始時刻よりも所定時間前に、前記充電時間帯でのバッテリの温度を予測し、
    前記充電時間算出手段は、前記充電開始時刻よりも所定時間前に、予測充電時間を算出することを特徴とする請求項2から5のいずれか一つに記載の電動車両システム。
  7. 前記バッテリ温度予測手段は、前記充電開始時刻よりも所定時間前から前記充電開始時刻まで、複数回、前記充電時間帯でのバッテリの温度を予測し、
    前記充電時間算出手段は、前記充電開始時刻よりも所定時間前から前記充電開始時刻まで、複数回、予測充電時間を算出することを特徴とする請求項2から5のいずれか一つに記載の電動車両システム。
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