JP2012029489A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリ電源が不活性化バッテリとなっていた場合であっても、充電により起電力を付与し、電源として使用可能とする。
【解決手段】バッテリ電源Vにより動作可能な携帯型プリンタ1は、充電可能なバッテリ電源Vを収納するバッテリ収納室105と、駆動モータ11と、CPU12と、SDRAM13及びROM14と、外部電源と接続可能なACアダプタ20と、を有し、バッテリ収納室105に収納されたバッテリ電源Vから、第1負荷電流値によって放電処理を行い、一次放電手段による放電処理の結果に基づき、バッテリ電源Vが不活性化バッテリであるかどうかの判定を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、充電可能なバッテリ電源により動作可能な電子機器に関する。
一般に、充電可能なバッテリ電源を用いて動作する電子機器は、電子機器の使用につれてバッテリ電源の電圧が下がってくる。このような場合、当該電子機器に対して外部電源を接続し、バッテリ電源に対して再度充電を行って起電力を付与する。これにより、再び当該バッテリ電源により、電子機器を動作させることができる。この充電の際に、従来、まずバッテリ電源内をリフレッシュするための放電処理を行い、その放電処理が完了した後に、充電を行う手法が既に提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−17049号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
バッテリ電源の放電及び充電を繰り返して経年劣化が進んでくると、当該バッテリ電源の内部抵抗が次第に大きくなり、いわゆる不活性化バッテリとなる場合がある。上記従来技術のようにしてバッテリ電源に対してリフレッシュのための放電を行う場合に、当該バッテリ電源が上記不活性化バッテリであった場合には、放電時の電圧降下が大きくなる。このため、大電流を一気に放電させると電子機器全体が動作できない状態まで電圧値が降下し、電子機器が動作不能となる。この場合、バッテリ電源に対するリフレッシュ放電が全く行えず、結果として当該バッテリ電源へ充電し起電力を付与することもできなくなるおそれがあった。
本発明の目的は、バッテリ電源が不活性化バッテリとなっていた場合であっても、充電により起電力を付与し、電源として使用可能とする電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、充電可能なバッテリ電源を収納するバッテリ収納部と、駆動モータを含む駆動部と、所定の演算を行う演算部と、データを記憶可能な記憶部と、外部電源と接続可能な電源接続部と、を有し、前記バッテリ電源により動作可能な電子機器であって、前記バッテリ収納部に収納された前記バッテリ電源から、第1負荷電流値によって放電処理を行う、一次放電手段と、前記一次放電手段による前記放電処理の結果に基づき、前記バッテリ電源が不活性化バッテリであるかどうかの判定を行う、判定手段と、を有することを特徴とする。
充電可能なバッテリ電源に対してリフレッシュのための放電を行う場合に、当該バッテリ電源が内部抵抗が大きくなった不活性化バッテリであると、放電時の電圧降下が大きくなる。このため、大電流を一気に放電させると電子機器全体が動作できない状態まで電圧値が降下し、電子機器が動作不能となる。このため、バッテリ電源に対するリフレッシュ放電が全く行えず、結果として当該バッテリ電源へ充電し起電力を付与することもできなくなる。
本願第1発明においては、一次放電手段がまず第1負荷電流値によって放電処理を行い、その結果に応じて、判定手段がバッテリ電源が不活性化バッテリであるかどうかの判定を行う。これにより、例えば不活性化バッテリであると判定された場合には、それ以降の放電処理を続行することがなくなるので、電圧値が下がりすぎて電子機器が動作不能となることを防ぐことができる。この結果、バッテリ電源が不活性化バッテリとなっていても、充電により起電力を付与し、その後、電子機器を動作させるために用いることができる。
第2発明は、上記第1発明において、前記バッテリ電源の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、前記判定手段により前記バッテリ電源が不活性化バッテリであると判定された場合に、前記電源接続部に接続された前記外部電源により、前記バッテリ電源に対する充電処理を行う、充電手段と、を有し、前記判定手段は、前記一次放電手段による放電処理の実行時に前記電圧検出手段により検出された電圧降下が、所定のしきい値以上である場合に、前記バッテリ電源が不活性化バッテリであると判定することを特徴とする。
本願第2発明においては、不活性化バッテリでは内部抵抗が大きく放電時に電圧降下が大きくなるという特性を利用し、判定手段が、一次放電時における電圧降下が大きいかどうかによって不活性化バッテリであるかどうかの判定を行う。そして、バッテリ電源が不活性化バッテリであると判定された場合に、バッテリ電源に対する充電処理を行う。これにより、不活性化バッテリを精度よく検出し、充電により起電力を確実に付与することができる。
第3発明は、上記第2発明において、前記判定手段により前記バッテリ電源が不活性化バッテリでないと判定された場合に、前記バッテリ収納部に収納された前記バッテリ電源から、前記第1負荷電流値よりも大きな第2負荷電流値によって放電処理を行う、二次放電手段を有することを特徴とする。
本願第3発明においては、不活性化バッテリではないとわかったときには、二次放電手段が、第1負荷電流値よりも大きな第2負荷電流値によって引き続き放電処理を行う。これにより、バッテリ電源を十分にリフレッシュ放電させることができる。
第4発明は、上記第3発明において、前記第1負荷電流値は、前記一次放電手段による前記バッテリ電源から前記演算部及び前記記憶部への通電によって与えられ、前記第2負荷電流値は、前記二次放電手段による前記バッテリ電源から、少なくとも前記演算部、前記記憶部、及び前記駆動部への通電によって与えられることを特徴とする。
一次放電手段が演算部及び記憶部へ通電することにより第1負荷電流値により放電処理を行い、その結果に応じて、二次放電手段が演算部、記憶部、駆動部等へ通電することにより第2負荷電流値による放電処理を行う。これにより、新たな放電回路を特別に設けることなく、既存の回路に対する通電によりバッテリ電源を十分にリフレッシュ放電させることができる。
第5発明は、上記第3又は第4発明において、前記充電手段は、前記二次放電手段による放電処理が完了した後、前記電源接続部に接続された前記外部電源により、前記バッテリ電源に対する充電処理を行うことを特徴とする。
これにより、リフレッシュ放電したバッテリ電源に対して起電力を付与し、その後、電子機器を動作させるために用いることができる。
第6発明は、上記第2乃至第5発明のいずれかにおいて、被印刷用紙に対し所望の印刷を行うサーマルヘッドと、前記被印刷用紙を搬送する搬送手段を駆動する前記駆動モータとを、前記駆動部として備える、印刷装置であることを特徴とする。
これにより、サーマルヘッドや搬送用の駆動モータを備える印刷装置において、当該印刷装置に用いられるバッテリ電源が不活性化バッテリかどうかを判定することができる。そして、当該バッテリ電源が不活性化バッテリであっても起電力を付与することで、その後、当該バッテリ電源を用いて印刷装置を動作させることができる。
本発明によれば、バッテリ電源が不活性化バッテリとなっていた場合であっても、充電により起電力を付与し、電源として使用可能とすることができる。
本発明の一実施の形態である携帯型プリンタの外観構成を表す斜視図である。 携帯型プリンタの内部構造を表す、前方側斜め上方向から見た分解斜視図である。 携帯型プリンタの内部構造を表す図1中III−III断面による側断面図である。 携帯型プリンタの制御系を表す機能ブロック図である。 CPUにより実行される制御内容を表すフローチャートである。 一次リフレッシュ及び二次リフレッシュの内容を説明する説明図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本発明は、電子機器の一例として、充電式のバッテリ電源V(後述)によって駆動可能な印刷装置である携帯型プリンタに対し、本発明を適用した場合の実施形態である。
図1〜図3を用いて、本実施形態の携帯型プリンタ1の外観構成及び内部構造について説明する。以下では、図1中左下方向を前方、右上方向を後方、左上方向を左方、右下方向を右方として説明する。また、以下の説明において各部品について前後左右上下の各方向をいうときは、当該各部品が携帯型プリンタ1に取り付けられた状態での各方向に対応させて説明する。
図1〜図3において、携帯型プリンタ1は、例えばPC端末や携帯電話等の外部機器2(後述の図4参照)より有線通信あるいは無線通信を介して受信した印刷データを種々の被印刷用紙(図示せず)に印刷する。この携帯型プリンタ1は、樹脂材料で構成された、装置外郭を構成する略直方体形状ハウジング100と、シャーシ組立体50とを組み付けることによって、概略組み立てられる。
ハウジング100は、装置外郭上部を構成するトップカバー101と、装置外郭下部を構成するアンダーカバー102と、トップカバー101の上面前方側に開閉可能に設けられたカバー部材103とを備えている。
ハウジング100内には、搬送手段を構成するプラテンローラ111と、サーマルヘッドの一種であるサーマルラインヘッド112とが設けられている。サーマルラインヘッド112は、後方側端部に軸部材113を備えた放熱板114上に設けられており、この放熱板114は上記サイドシャーシ部材130L,130Rにより軸部材113を中心に回動可能に支持されている。また、アンダーカバー102の内表面に設けられたメインシャーシ部材150には、上記サーマルラインヘッド112を支持する放熱板114をプラテンローラ111側に回動付勢する複数のコイルバネ115が設けられている。これにより、サーマルラインヘッド112は上記プラテンローラ111に圧接可能となっている。
ハウジング100の後方側には、例えば略棒状の充電式のバッテリ電源Vを収容するバッテリ収納室105(バッテリ収納部)が設けられており、このバッテリ収納室105にはバッテリ室カバー170が着脱可能に設けられている。当該バッテリ室カバー170を取り外した状態では、上記バッテリ収納室105がハウジング100の背面部分に開口する。
シャーシ組立体50は、アンダーカバー102の内表面に設けられた、シャーシ組立体50の底部を構成するメインシャーシ部材150と、このメインシャーシ部材150の長手方向両側端部より立設される一対の上記サイドシャーシ部材130L,130Rとを備えている。サイドシャーシ部材130L,130Rは、軸孔131にプラテンローラ111の軸部材111aを挿通することにより、プラテンローラ111を回転可能に支持している。プラテンローラ111は、駆動モータ11により回転駆動されることで被印刷用紙を搬送する。またサイドシャーシ部材130L,130Rは、サーマルラインヘッド112を備えた放熱板114を、前述した軸部材113を介して回動可能に支持している。
左側のサイドシャーシ部材130Lには、プラテンローラ111を駆動する上記駆動モータ11と、この駆動モータ11の駆動力をプラテンローラ111の上記軸部材111aに伝達する、複数のギアからなるギア機構132が設けられている。
また、サイドシャーシ部材130L,130Rの上部には、ビーム部材140が架け渡され、ネジにより固定されている。そして、挿入口104から挿入された被印刷用紙をプラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部Pに案内する前述のガイド部材120が、ハウジング100を構成するトップカバー101、アンダーカバー102、及びカバー部材103とは分離された別体として構成されており、上記ビーム部材140に固定されることによって、サイドシャーシ部材130L,130Rに設けられている。
上記構成において、印刷時には、カバー部材103を閉じた状態で、トップカバー101とカバー部材103との間に形成された挿入口104に上記被印刷用紙が挿入される。挿入された被印刷用紙は、挿入口104の下方に設けられたガイド部材120により、プラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部P(後述の図3参照)に案内される。プラテンローラ111は所定の圧接力で被印刷用紙に接触し、被印刷用紙を搬送する。この搬送される被印刷用紙に対し、サーマルラインヘッド112が所望の印刷を行う。印刷完了後にカバー部材103とアンダーカバー102との間に形成された排出口107より排出される。なお、紙詰まり等が生じた場合には、カバー部材103を開放することで、サーマルラインヘッド112からプラテンローラ111がリリースされ、容易に用紙を引き出すことが可能となる。
次に、図4を用いて、携帯型プリンタ1の制御系について説明する。
図4において、携帯型プリンタ1は、所定の演算を行う演算部を構成するCPU12を有している。
CPU12は、SDRAM13の一時記憶機能を利用しつつROM14に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって携帯型プリンタ1全体の制御を行う。なお、これらSDRAM13およびROM14は、各請求項記載の記憶部を構成する。
またCPU12は、携帯型プリンタ1の電源のオン・オフ処理を行う電源回路15と、プラテンローラ111を駆動する上記駆動モータ11の駆動制御を行うモータ駆動回路16と、サーマルラインヘッド112の駆動制御を行うサーマルヘッド制御回路17とに接続されている。これら駆動モータ11と、サーマルラインヘッド112とは、各請求項記載の駆動部を構成する。
またCPU12は、用紙検出センサ18と、用紙送り操作を行うためのフィードキー40(図1及び図2も参照)と、電源のオン・オフ操作を行うための電源キー30(図1及び図2も参照)とに接続されている。CPU12は、用紙検出センサ18の検出結果に基づき、挿入口104に被印刷用紙が挿入されているか否かを検出する。
またCPU12は、電源キー30又はフィードキー40が押し下げられた場合に、当該押し下げられたキーに対応した処理を実行する。フィードキー40が押し下げられると、CPU12は、上記モータ駆動回路16に制御信号を出力し、駆動モータ11を駆動させてプラテンローラ111を回転させ、被印刷用紙を所定量搬送するフィード処理を行う。このフィードキー40は、例えば被印刷用紙の搬送方向途中位置から印刷を開始するために用紙送りをする場合や、搬送方向長さが所定の長さよりも長い被印刷用紙を用いた場合において印刷終了後に用紙を排出するような場合に、操作される。一方、携帯型プリンタ1の電源オフ状態で電源キー30が押し下げられると、CPU12は、電源回路15に制御信号を出力して電源のオン処理を行い、電源オン状態で電源キー30が押し下げられると、電源回路15に制御信号を出力して電源のオフ処理を行う。
またCPU12は、USBインターフェース駆動回路21と、無線通信部22と、赤外線通信部23とに接続されている。USBインターフェース駆動回路21は、USB端子24(図1も参照)に接続されたUSBケーブル(図示省略)を介して上記外部機器2との間で行われる通信の制御を行う。また無線通信部22は、上記外部機器2との間で行われる赤外線以外の電波による無線通信の制御を行う。また赤外線通信部23は、上記外部機器2との間で行われる赤外線通信の制御を行う。
なお、CPU12内に設けたA/D入力回路12、ACアダプタ20、及び充電回路10については、後述する。
上記構成の制御系において、携帯型プリンタ1で印刷を行う際には、操作者(ユーザ)は、PC端末や携帯電話等の外部機器2を用いて被印刷用紙に印刷する印刷データの入力を行うとともに、印刷開始指示入力を行う。これにより、外部機器2から携帯型プリンタ1に、上記USBケーブル、又は、無線通信若しくは赤外線通信を介して、印刷データが送信され、携帯型プリンタ1において印刷データに基づいた印刷が行われる。
以上の基本構成及び動作において、本実施形態の携帯型プリンタ1の最大の特徴は、バッテリ電源Vに対する放電処理及び充電処理の内容にある。この処理に関連して、CPU12には、バッテリ電源Vの出力電圧値を測定(検出)するための電圧検出手段としてのA/D入力回路19が設けられている。このA/D入力回路19には、バッテリ電源Vが接続されている。
バッテリ電源Vは、積層形のニッケル水素電池パック(公称電圧14.4V、公称容量360mAh)であり、バッテリ電源Vに対する充電処理(急速充電)を行うための充電回路10に接続されている。バッテリ電源Vはまた、上記モータ駆動回路16及びサーマルヘッド制御回路17と、電源回路15とに接続され、それぞれに対して電圧を供給可能となっている。また、充電回路10及び電源回路15は電源接続部としてのACアダプタ20によって外部電源と接続可能となっている。
上記構成によりCPU12より実行される本実施形態の放電処理及び充電処理の詳細を、図5を用いて説明する。図5において、ACアダプタ20を外部電源に接続した状態で、携帯型プリンタ1に備えられた適宜の操作手段を操作して(例えば上記キー30,40を長押しして)所定のリフレッシュ操作を行うと、このフローが開始される。
まず、ステップS10において、A/D入力回路19により、バッテリ電源Vの出力電圧値が測定(検出)される。つまりこの手順では、放電処理開始前のバッテリ電源の電圧値が検出される。
そして、ステップS20に移り、CPU12の制御に基づき、バッテリ電源VからCPU12、SDRAM13、ROM14等を含む上記演算部・記憶部への通電が行われる。この際は、後述のような駆動モータ11及びサーマルラインヘッド112等を含む上記駆動部への通電は行われない。この通電によって、図6(a)に示すように、例えば100mA程度の電流値(各請求項記載の第1負荷電流値に相当)による放電処理(一次リフレッシュ)が行われる。なお、この手順が、各請求項記載の一次放電手段として機能する。
その後、ステップS30において、上記ステップS10と同様、A/D入力回路19により、バッテリ電源Vの出力電圧値が検出される。つまりこの手順では、上記ステップS20における一次リフレッシュ終了後のバッテリ電源Vの電圧値が検出される。
そして、ステップS40に移り、ステップS10で検出された電圧値とステップS30で検出された電圧値との差、すなわち電圧降下が、所定のしきい値以上(この例では1V以上)となっているかどうかを判定する。なお、この手順が、各請求項記載の判定手段として機能する。
電圧降下が1V以上である場合はステップS40の判定が満たされ、バッテリ電源Vは内部抵抗が大きくなった不活性バッテリであるとみなされて、ステップS70に移る。
ステップS70では、CPU12の制御に基づき、ACアダプタ20に接続された外部電源から、ACアダプタ20及び充電回路10を介し、バッテリ電源Vに対する充電処理(急速充電)が行われる。その後、このフローを終了する。
一方、ステップS40において、ステップS10で検出された電圧値とステップS30で検出された電圧値との差から求めた電圧降下が、所定のしきい値未満(この例では1V未満)となっていた場合には、ステップS40の判定が満たされない。この場合は、バッテリ電源Vは不活性バッテリではないとみなされて、ステップS50に移る。
ステップS50では、CPU12の制御に基づき、バッテリ電源Vから、CPU12、SDRAM13、ROM14等を含む上記演算部・記憶部と、駆動モータ11及びサーマルラインヘッド112等を含む上記駆動部とに対し、通電が行われる。なお、駆動モータ11には上記モータ駆動回路16を介して通電が行われ、サーマルラインヘッド112には上記サーマルヘッド駆動回路17を介して通電が行われる。この通電によって、図6(b)に示すように、上記ステップS20よりも大きな、例えば250mA程度の電流値(各請求項記載の第2負荷電流値に相当)による放電処理(二次リフレッシュ)が行われる。なお、この手順が、各請求項記載の二次放電手段として機能する。
その後、ステップS60に移り、上記ステップS70と同様、CPU12の制御に基づき、ACアダプタ20に接続された外部電源から、ACアダプタ20及び充電回路10を介し、バッテリ電源Vに対する充電処理(急速充電)が行われる。なお、このステップS60及び上記ステップS70が、各請求項記載の充電手段として機能する。ステップS60が完了したらこのフローを終了する。
以上のように構成した本実施形態の携帯型プリンタ1によれば、以下の効果を得る。
すなわち、通常、充電可能なバッテリ電源Vに対してリフレッシュのための放電を行う場合に、当該バッテリ電源Vが内部抵抗が大きくなった不活性化バッテリであると、放電時の電圧降下が大きくなる。このように大電流を一気に放電させると、そのままでは携帯型プリンタ1全体が動作できない状態まで電圧値が降下し、携帯型プリンタ1が動作不能となる。この結果、バッテリ電源Vに対するリフレッシュ放電が全く行えず、当該バッテリ電源Vへ充電し起電力を付与することもできなくなる。
そこで本実施形態においては、上述したようにステップS20においてまずCPU12、ROM14、及びSDRAM13等への放電処理を行い、その結果に応じて、ステップS40でバッテリ電源Vが不活性化バッテリであるかどうかの判定を行う。
その際、不活性化バッテリでは内部抵抗が大きく放電時に電圧降下が大きくなるという特性を利用し、ステップS40において、一次放電時における電圧降下が所定値以上であるかどうかによってバッテリ電源Vが不活性化バッテリであるかどうかの判定を行う。これにより、不活性化バッテリを精度よく検出することができる。そして、不活性化バッテリであると判定された場合には、それ以降の放電処理を続行することなく、ステップS70でバッテリ電源Vへの充電処理を行う。これにより、バッテリ電源Vが不活性化バッテリとなっていても、充電により起電力を付与し、その後、携帯型プリンタ1を動作させるために用いることができる。
また、本実施形態では特に、ステップS40において不活性化バッテリではないとわかったときには、ステップS50で、CPU12、ROM14、及びSDRAM13等に加え、駆動モータ11やサーマルラインヘッド112等も含めて、引き続き放電処理を行う。これにより、バッテリ電源Vを十分にリフレッシュ放電させることができる。また、このような放電態様とすることで、新たな放電回路を特別に設けることなく、既存の回路に対する通電により、バッテリ電源Vを十分にリフレッシュさせることができる。
また、本実施形態では特に、ステップS60で、ステップS50での放電処理が完了した後、ACアダプタ20に接続された外部電源により、バッテリ電源Vに対する充電処理(=いわゆる急速充電)を行う。これにより、リフレッシュ放電したバッテリ電源Vに対して起電力を付与し、その後、携帯型プリンタ1を動作させるために用いることができる。
なお、以上において、図4に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図5に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
なお、上記は、電子機器として、印刷装置である携帯型プリンタ1に本発明を適用したが、これに限られない。すなわち、充電可能なバッテリ電源を備え、当該バッテリ電源に対して放電処理と充電処理とを行う電子機器であれば他のものに対しても本発明は適用でき、この場合も同様の効果を得る。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 携帯型プリンタ(印刷装置、電子機器)
11 駆動モータ(駆動部)
12 CPU(演算部)
13 SDRAM(記憶部)
14 ROM(記憶部)
19 A/D入力回路(電圧検出手段)
20 ACアダプタ(電源接続部)
105 バッテリ収納室(バッテリ収納部)
111 プラテンローラ(搬送手段)
112 サーマルラインヘッド(駆動部)
V バッテリ電源

Claims (6)

  1. 充電可能なバッテリ電源を収納するバッテリ収納部と、
    駆動モータを含む駆動部と、
    所定の演算を行う演算部と、
    データを記憶可能な記憶部と、
    外部電源と接続可能な電源接続部と、
    を有し、前記バッテリ電源により動作可能な電子機器であって、
    前記バッテリ収納部に収納された前記バッテリ電源から、第1負荷電流値によって放電処理を行う、一次放電手段と、
    前記一次放電手段による前記放電処理の結果に基づき、前記バッテリ電源が不活性化バッテリであるかどうかの判定を行う、判定手段と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1記載の電子機器において、
    前記バッテリ電源の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、
    前記判定手段により前記バッテリ電源が不活性化バッテリであると判定された場合に、前記電源接続部に接続された前記外部電源により、前記バッテリ電源に対する充電処理を行う、充電手段と、
    を有し、
    前記判定手段は、
    前記一次放電手段による放電処理の実行時に前記電圧検出手段により検出された電圧降下が、所定のしきい値以上である場合に、前記バッテリ電源が不活性化バッテリであると判定する
    ことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項2記載の電子機器において、
    前記判定手段により前記バッテリ電源が不活性化バッテリでないと判定された場合に、前記バッテリ収納部に収納された前記バッテリ電源から、前記第1負荷電流値よりも大きな第2負荷電流値によって放電処理を行う、二次放電手段を有することを特徴とする電子機器。
  4. 請求項3記載の電子機器において、
    前記第1負荷電流値は、
    前記一次放電手段による前記バッテリ電源から前記演算部及び前記記憶部への通電によって与えられ、
    前記第2負荷電流値は、
    前記二次放電手段による前記バッテリ電源から、少なくとも前記演算部、前記記憶部、及び前記駆動部への通電によって与えられる
    ことを特徴とする電子機器。
  5. 請求項3又は請求項4記載の電子機器において、
    前記充電手段は、
    前記二次放電手段による放電処理が完了した後、前記電源接続部に接続された前記外部電源により、前記バッテリ電源に対する充電処理を行う
    ことを特徴とする電子機器。
  6. 請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載の電子機器において、
    被印刷用紙に対し所望の印刷を行うサーマルヘッドと、前記被印刷用紙を搬送する搬送手段を駆動する前記駆動モータとを、前記駆動部として備える、印刷装置である
    ことを特徴とする電子機器。
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