JP2012028263A - テープ状酸化物超電導体及びその製造方法 - Google Patents

テープ状酸化物超電導体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導フィラメントを酸化物により分離したテープ状酸化物超電導体を提供する。
【解決手段】基板上に1又は2以上の中間層を成膜する工程、中間層上にレジスト・パターンにより、平行に形成された複数本の線状のフォトレジスト層を形成する工程、中間層及びフォトレジスト層の上に、蒸着又はスパッタリングにより酸化物層を形成する工程、フォトレジスト層及びその上に形成された酸化物層を除去して、中間層上に平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層を形成する工程、中間層上の酸化物層の間に酸化物超電導層を形成する工程、中間層上の酸化物層及び酸化物超電導層の上に安定化層を形成する工程及び酸化物層の上に形成された安定化層を除去する工程を順次施して超電導フィラメントを酸化物により分離したテープ状酸化物超電導体を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導ケーブルや超電導応用電力機器等に有用な酸化物超電導体に係り、特に、交流損失を低減することができるテープ状酸化物超電導体及びその製造方法の改良に関する。
超電導を利用した送電ケーブル、モータや変圧器等の電力機器は,多くの場合交流で使用され、その際に交流損失が発生するため、この交流損失の低減化が重要な課題となる。この交流損失の低減のため、従来、実用化されているNb−Ti合金等の金属系超電導線、NbSn等の化合物系超電導線あるいはBi系酸化物超電導線においては、単芯構造の複合線を集合して金属管内に収容し、さらに塑性加工を施す工程を順次繰り返して複合化することにより、マトリックス内に多数の超電導フィラメントを配置することが行われている。
一方、Y系等の希土類系酸化物超電導線は、塑性加工が困難なため、気相法であるパルスレーザー(PLD)法、化学蒸着(CVD)法、金属有機酸塩あるいは有機金属化合物を原料としたMOD(Metal Organic Deposition:金属有機酸塩堆積)法等により基板上に(中間層を介して)成膜される方法が採用されており、従って、上述の単芯構造の複合線を集合して順次複合化することにより超電導フィラメントを多芯化する方法を採用することができない。
このようなテープ状の酸化物超電導線を多芯化する方法として、テープ状の基板上に形成された酸化物超電導層を機械加工により分断する方法やレーザ光により分断する方法が考えられるが、機械加工により分断する方法においては、その精度及び加工技術上の問題がある上、酸化物超電導体の特性に悪影響を与える可能性が大きいという問題があり、一方、レーザ光により分断する方法においては、レーザにより溶融された基材の一部がドロスとなって除去されずに細線化溝内に残留し、両側の酸化物超電導層が電流パスとなって低抵抗値発生の起源となるため、単に酸化物超電導層をレーザによりスクライビングしようとしても、低交流損失の酸化物超電導体を得ることはできないという問題がある。
このような難点を解決する方法として、酸化物超電導薄膜を一旦成膜した後に、その酸化物超電導薄膜の所望の領域を非超電導化する方法、即ち、基板上に形成された酸化物超電導薄膜上の分離領域以外の領域にレジスト層を形成し、このレジスト層を装荷された薄膜上に半導体薄膜を被着させた後、リフトオフ法により分離領域以外の領域の半導体薄膜を除去し、分離領域に残った半導体薄膜をレーザビーム等による局所加熱により酸化物超電導薄膜内に拡散させることにより、酸化物超電導薄膜を非超電導化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、基板上に形成された酸化物超電導薄膜中に超電導電流を伝播する超電導領域と超電導電流の伝播を遮断する分離領域とを形成する方法、即ち、基板上の特定の領域にのみバッファ層を装荷した後に基板を酸化させる処理を実施し、その上に酸化物超電導薄膜を堆積させることにより、バッファ層上には酸化物超電導薄膜を成長させ、それ以外の領域では超電導体となる特定の結晶構造が形成されないため、成長した薄膜を非超電導化させて分離領域とする方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、基材上に酸化物超電導層または基材上に酸化物超電導層及び安定化層が設けられてなる酸化物超電導導体において、酸化物超電導体表面に対して斜め方向からレーザを基材の長さ方向に沿って照射して酸化物超電導層をその幅方向に複数に分断する細線化溝を基材に達するように形成し、細線化溝の内側に付着した溶融凝固物を加熱し酸化して高抵抗化する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平5−160456号公報 特開平5−167120号公報 特開2007−141688号公報
上記の酸化物超電導薄膜を成膜した後に、局所加熱により非超電導化された分離領域により酸化物超電導薄膜を分断する方法及びバッファ層を含む基板上に酸化物超電導薄膜を堆積させ、非超電導膜化した分離領域により酸化物超電導薄膜を分断する方法は、いずれも酸化物超電導フィラメントを直接形成するものではなく、結晶構造の相違により超電導層を分断するものである。
一方、上記のレーザを用いて細線化溝を形成する方法においては、金属性基体上に中間層が形成された基材に、レーザスクライビングを用いて基材に達する深さに形成された細線化溝内の高抵抗酸化物により、細線化溝を介して隣接するフィラメント導体どうしを電気的に分離して低交流損失化を図るものであるが、この場合、レーザを照射して、安定化層である銀と酸化物超電導層を同時に溶断するレーザスクライビングにより細線化溝を形成するため、レーザスクライビング時に生成される溶断凝固部に銀が残存することによりフィラメント間の抵抗が低下するため、後処理として湿式エッチングなどにより、細線化溝の溶融凝固物を除去する必要がある。しかしながら、その際、超電導溝がエッチング剤によりダメージを受け超電導特性の劣化が避けられないという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、超電導特性の劣化を生ずることなく、交流損失の低減のために、基板上の酸化物超電導層を細線化したテープ状酸化物超電導体及びその製造方法を提供することをその目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明のテープ状酸化物超電導体は、テープ状の基板上に形成された1層又は2層以上の中間層上に、平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層、この酸化物層の間に形成された酸化物超電導層及びこの酸化物超電導層上に形成された安定化層を順次備えるようにしたものである。
この場合、酸化物超電導層は、中間層上に平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層の間に成膜されるが、酸化物超電導層間の絶縁を確実なものにするために、酸化物層の厚さを酸化物超電導層の厚さよりも大きく形成することが好ましい。この超電導フィラメントを分離する酸化物層は、絶縁性及び耐食性に優れた性質を有するCeO、Y又はMgOのいずれか1種により形成することができる。これらの酸化物層は、超電導層に拡散しても超電導特性を劣化させることがない。
以上の発明における中間層は、CeO、Y、YSZ、Gd又はAZr(ここで、Aは、Ce、Gd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er及びYから選択された1種又は2種以上の元素を示す。以下同じ。)酸化物により1層又は2層以上に形成することが好ましい。例えば、Ni―W合金基板上に、第1中間層としてCeZrをMOD法により堆積し、この上に第2中間層としてCeOをPLD法により堆積させて中間層を形成することができる。
上記の第1中間層は、基板元素の超電導層への拡散防止と超電導層との反応防止を目的として成膜され、第2中間層は超電導層との格子整合性を向上させるために成膜される。
以上の発明における酸化物超電導体は、基板上に中間層を介して形成されたREBaCu(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbから選択された1又は2種以上の元素を示し、x≦2及びy=6.2〜7である。以下、REBCOと称する。)系超電導体により形成することが好ましく、この超電導薄膜の上に安定化層が被覆される。
上記のREBCO系超電導体は、PLD法、CVD法、MOD法のいずれを用いて成膜することができるが、MOD法、即ち、金属成分の有機化合物が均一に溶解した原料溶液を基板上に塗布した後、これを加熱して熱分解させることにより基板上に薄膜を形成することが好ましい。
塗布方法はスピンコート法、ディップコート法、インクジェット法、スプレー法などが挙げられるが、連続して溶液を基板上に塗布可能なプロセスであればこの例によって制約されるものではない。尚、1回当りの塗布厚は0.01〜3.0μmとし、0.1〜1.0μmとするのが望ましい。
以上のMOD法のうち、フッ素を含む有機酸塩(例えば、TFA塩:トリフルオロ酢酸塩)を出発原料とし、水蒸気雰囲気中で熱処理を行うことにより、フッ化物の分解を経由して超電導体を得る方法(以下、TFA−MOD法と称する。)を用いることが好ましく、この場合の原料溶液は、RE、Ba及びCuの金属有機酸塩の少なくとも一つはF元素を含み、特にBaの金属有機酸塩がF元素を含む溶液を用いることが好ましい。
この場合、REBCO系超電導体中のBaのモル比を1.3<y<1.7の範囲内とすることが好ましい。Baのモル比をその標準モル比2より小さくすることにより、Baの偏析が抑制され、結晶粒界でのBaべ一スの不純物の析出が抑制される結果、良好な電流経路を得ることができる。
REBCO系超電導体は、超電導体を構成する金属元素を含む原料溶液を中間層上に塗布し、仮焼熱処理を施す工程を複数回繰り返して、結晶化熱処理後に所定の膜厚を有するように積層して形成される。
本発明において使用される基板としては、2軸配向性の多結晶金属基板を用いることが好ましいが、使用目的によっては、セラミックス基板を用いることもできる。2軸配向性の多結晶金属基板としては、NiにW、Mo、Cr、Fe、Cu、V、Sn及びZnから選択された1以上の元素を含むNi基合金を用いることができ、他方、金属基板上に高配向中間層を形成したIBAD複合基板を用いることもできる。
以上述べたテープ状酸化物超電導体は、(イ)基板上に1又は2以上の中間層を成膜する工程、
(ロ)前記中間層上にレジスト・パターンにより、平行に形成された複数本の線状のフォトレジスト層を形成する工程、(ハ)前記中間層及び前記フォトレジスト層の上に、蒸着又はスパッタリングにより酸化物層を形成する工程、(ニ)前記フォトレジスト層及びその上に形成された酸化物層を除去して、前記中間層上に平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層を形成する工程、
(ホ)前記中間層上の酸化物層の間に、酸化物超電導層を形成する工程、(ヘ)前記中間層上の酸化物層及び酸化物超電導層の上に安定化層を形成する工程及び(ト)前記酸化物層の上に形成された安定化層を除去する工程を順次施すことにより容易に製造することができる。
上記の酸化物層の上に形成された安定化層を除去する工程(ト)は、レーザスクライビング及びエッチングにより施すことが好ましい。また、上記の中間層上の酸化物層の間に、酸化物超電導層を形成する工程(ホ)において、酸化物超電導層の厚さを酸化物層の厚さよりも小さく形成することが好ましい。
本発明においては、テープ状の基板上に形成された中間層上に複数本の細線化状の酸化物層を平行に形成し、この酸化物層の間に酸化物超電導層及び安定化層を順次形成したことにより、酸化物超電導フィラメントが絶縁性の酸化物層により確実に分断されるため、交流通電時の損失を減少させることができる。
また、本発明によるテープ状酸化物超電導体の製造方法によれば、酸化物超電導層の形成前に超電導フィラメントの分離層(酸化物層)を中間層上に形成し、その後にこの酸化物層の間に超電導フィラメントを成膜するため、超電導層にダメージを与えることなく、かつ確実にフィラメント間を分離することができる。
本発明のテープ状酸化物超電導体の一実施例を示すテープ軸方向に垂直な断面図である。 本発明のテープ状酸化物超電導体の製造工程の一実施例を示すテープ軸方向に垂直な断面図である。
図1は、本発明のテープ状酸化物超電導体の一実施例を示すテープ軸方向に垂直な断面図を示したもので、テープ状酸化物超電導体10は、Ni−W合金基板からなるテープ状の基板1と、この上に形成された中間層2と、この中間層上に形成された複数本の細線化状のCeO、Y又はMgOからなる酸化物層3と、酸化物層3の間に形成されたYBCO酸化物超電導層4及び酸化物超電導層上に形成されたAg安定化層5とにより構成されている。
上記の中間層2は2層構造を有し、CeZrからなる第1中間層2a及びこの第1中間層に形成されたCeOからなる第2中間層2bにより構成されている。
以上のテープ状酸化物超電導体10は、以下のようにして製造される。
図2はテープ状酸化物超電導体10の製造工程の概略を示したもので、同図(a)は、基板1上に成膜された2層構造の中間層2上に、レジスト・パターンにより、平行に形成された複数本の線状のフォトレジスト層6を形成した状態、同図(b)は、中間層2の上に蒸着又はスパッタリングによりCeO、Y又はMgOからなる酸化物層3及びフォトレジスト層6の上にCeO、Y又はMgOからなる酸化物層7を形成した状態、同図(c)は、フォトレジスト層6及びその上に形成された酸化物層7を除去して、中間層2上に平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層3を残存させた状態、同図(d)は、中間層2上に残存する酸化物層3の間に、酸化物超電導層4を形成した状態及び同図(e)は、中間層2上の酸化物層3及び酸化物超電導層4の上にAg安定化層8を形成した状態を示し、この酸化物層3の上に形成された安定化層8を除去することにより第1図に示すテープ状酸化物超電導体10が製造される。
以上の第2図(a)に示した基板1上に成膜された2層構造の中間層2上に、レジスト・パターンにより平行に形成された複数本の線状のフォトレジスト層6を形成する工程は、フォトリソグラフィー法、即ち、フォトレジスト(感光性物質)を塗布した物質の表面を、パターン状に露光(パターン露光)することで、露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成する技術により行う。
この場合の工程では、通常の方法に従って、コート、プリベーク、KrFやArF等のエキシマレーザーによる露光、有機または無機アルカリによるレジストを溶解する現像・リンス、ポストベーク、パターン成形及びエッチングが施され、次いで、同図(b)〜(c)に示す成膜・リフトオフが施される。
即ち、酸化物超電導層4の形成部分にあらかじめ、フォトレジスト層6をパターニングしておき、その上に酸化物層3、7を蒸着またはスパッタ等により形成する。このパターニングに際しては、フォトレジスト層の幅は後述するレーザスクライビング幅よりも広く設定するととともに、同図(a)に示すように、フォトリソグラフィーの条件を適正化することにより、レジストの幅が基板1から離れるに従って増大するようにレジスト側壁がオーバーハングする形状にすることが望ましい。
その後、有機溶剤等によりレジスト層をリフトオフすることにより、同図(c)に示すように中間層2上に平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層3が形成される。次いで、同図(d)に示すように、この細線化状の酸化物層3間の溝内にMOD法により超電導層4を形成し(この場合、酸化物超電導層4の厚さが酸化物層3の厚さよりも薄く形成することが好ましい)、さらに、同図(e)に示すように、その上にAg安定化層8をスパッタリング法等により形成する。
最後に、フィラメント分離層上部からレーザスクライビング、即ち、レーザ発振器から発振されたレーザ光線を集合レンズを通過せしめて収束照射する方法により安定化層を分離し、スクライブ溝の溶融凝固物をエッチングにより除去して酸化物超電導層フィラメント間を完全に分離することにより、第1図に示すテープ状酸化物超電導体10が製造される。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1に示すように、幅10mm、厚さ0.1mmの配向NiーW基板上に、厚さ0.5μmのCeZr層及び厚さ0.5μmのCeO層を順次成膜して中間層を形成した。
この第1中間層であるCeZr層はバッファ層としての機能を有し、超電導層との反応を抑制して超電導特性の低下を防止し、一方、第2中間層であるCeO層は超電導層との格子整合性を維持するために配置される。
次いで、この中間層上に幅1mm(基部)のフォトレジスト層を1mm間隔でパターニングし、中間層及びフォトレジスト層の上にCeO、Y又はMgOからなる酸化物層を蒸着した後、レジスト層及びその上の酸化物層を有機溶剤によリフトオフして中間層上に幅1mm、厚さ2μm以上の酸化物層を1mm間隔で形成した。
以上のようにして形成した複数本の細線化状の酸化物層の間にMOD法によりYBCO層を厚さ1μmに成膜した。
YBCOの原料溶液として、Y及びBaのトリフルオロ酢酸塩とCuのナフテン酸塩をY:Ba:Cu=1:1.5:3となるように2−オクタノン中に溶解した混合溶液を用い、仮焼熱処理は、最高加熱温度400℃で施し、結晶化熱処理後のYBCO層の膜厚が1μmとなるように、塗布〜加熱〜室温までの炉冷を10回繰り返した。
次いで、この仮焼膜を水蒸気分圧下でYBCO超電導体の結晶化熱処理を施した。この結晶化熱処理は、室温から最高熱処理温度(結晶化熱処理温度)730℃までの昇温過程と結晶化熱処理温度における恒温過程及びこれに続く室温までの炉冷過程により構成され、炉内雰囲気圧力は50Torr未満に保持された。
このようにして中間層上に形成したYBCO酸化物超電導層及び酸化物層の上に、Agからなる安定化層を20μmの厚さに蒸着した後、酸化物層の上のAg層をレーザスクライビング法により除去した。
このようにして形成された超電導フィラメント間の超電導電流の漏洩を調査した結果、超電導フィラメント間の導通は認められなかった。
一方、上記の基板上に中間層、YBCO超電導層及びAg安定化層を、上記と同様の方法により成膜した後、レーザを照射して、Ag安定化層とYBCO酸化物超電導層を同時に溶断するレーザスクライビングにより細線化溝を形成し、後処理として湿式エッチングにより、細線化溝の溶融凝固物を除去して形成した超電導フィラメント間の超電導電流の漏洩を調査した結果、超電導フィラメント間の電流漏洩及び超電導特性の劣化が認められた。
本発明によるテープ状酸化物超電導体は、交流用の超電導ケーブルや超電導応用電力機器等に用いることができる。
1 テープ状基板
2 中間層
2a 第1中間層
2b 第2中間層
3、7 酸化物層
4 YBCO酸化物超電導層
5、8 Ag安定化層
6 フォトレジスト層
10 テープ状酸化物超電導体

Claims (8)

  1. テープ状の基板上に形成された1層又は2層以上の中間層上に、平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層、この酸化物層の間に形成された酸化物超電導層及びこの酸化物超電導層上に形成された安定化層を順次備え、前記酸化物層の厚さは、前記酸化物超電導層の厚さよりも大きいことを特徴とするテープ状酸化物超電導体。
  2. 酸化物層は、超電導層に拡散して超電導特性を劣化させることのない元素を含むCeO、Y又はMgOのいずれか1種からなることを特徴とする請求項1記載のテープ状酸化物超電導体。
  3. 中間層は、CeO、Y、YSZ、Gd又はAZr(ここで、Aは、Ce、Gd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er及びYから選択された1種又は2種以上の元素を示す。以下同じ。)酸化物からなることを特徴とする請求項1又は2記載のテープ状酸化物超電導体。
  4. 酸化物超電導体は、REBaCu(ここで、REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbから選択された1又は2種以上の元素を示し、x≦2及びy=6.2〜7である。以下、REBCOと称する。)系超電導体からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のテープ状酸化物超電導体。
  5. REBCO系酸化物超電導体は、TFA―MOD法により成膜されたYBCO超電導体であることを特徴とする請求項4記載のテープ状酸化物超電導体。
  6. Baのモル比は1.3<Ba<1.7の範囲であることを特徴とする請求項5記載のテープ状酸化物超電導体。
  7. 基板上に1層又は2層以上の中間層を介して複数本の細線化状の酸化物層によって分離された酸化物超電導層及び安定化層を順次備えた酸化物超電導体の製造方法であって、次の工程を順次施すことを特徴とするテープ状酸化物超電導体の製造方法。
    (イ)基板上に1又は2以上の中間層を成膜する工程、
    (ロ)前記中間層上にレジスト・パターンにより、平行に形成された複数本の線状のフォトレジスト層を形成する工程、
    (ハ)前記中間層及び前記フォトレジスト層の上に、蒸着又はスパッタリングにより酸化物層を形成する工程、
    (ニ)前記フォトレジスト層及びその上に形成された酸化物層を除去して、前記中間層上に平行に形成された複数本の細線化状の酸化物層を形成する工程、
    (ホ)前記中間層上の酸化物層の間に酸化物超電導層を形成する工程、
    (ヘ)前記中間層上の酸化物層及び酸化物超電導層の上に安定化層を形成する工程及び
    (ト)前記酸化物層の上に形成された安定化層を除去する工程。
  8. 中間層上の酸化物層の間に酸化物超電導層を形成する工程(ホ)における前記酸化物超電導層の厚さは、前記酸化物層の厚さよりも小さく形成される請求項7記載のテープ状酸化物超電導体の製造方法。
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