JP2012028226A - 有機エレクトロルミネッセンスパネルおよび有機エレクトロルミネッセンス装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネルおよび有機エレクトロルミネッセンス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は有機ELパネル同士の継ぎ目を目立ちにくくすることが可能な、新規な有機ELパネルおよび有機ELパネルが複数個配置された有機EL装置を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、光透過性を有する支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成され、光不透過性を有する裏面電極層とを有し、上記透明電極層、上記有機EL層および上記裏面電極層を有する有機EL素子が封止されている有機ELパネルであって、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から上記裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする有機ELパネルを提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネルを複数個配置した大型パネルに関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスをELと略すことがある。)パネルは、有機EL素子を発光素子として備えるものであり、表示装置、照明装置、光源などの各種用途に利用可能な自発光型パネルである。
近年、有機ELパネルの大型化の要請が高まっており、小型の有機ELパネルを継ぎ合わせて大型の有機ELパネルを構成する検討が進められている。しかしながら、小型の有機ELパネル同士の継ぎ目が非表示領域として存在するため、視認性に劣るという問題がある。そこで、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくする技術が検討されている。
特許文献1には、単位平面表示素子間の画像の切れ目を認識させないために、隣接する単位平面表示素子間の間隔を200μm以下とすること、特に単位平面表示素子の画素間隔をa、単位平面表示素子の端面と最外周の画素との間隔(外周部の非表示領域の幅)をb、c、隣接する単位平面表示素子間の間隔をdとしたとき0.6a≦b+c+d≦1.3aの関係とすることが提案されている。
特許文献2には、表示パネルの継ぎ目の幅を短縮することを目的として、配線の入力部分を、封止部が形成される領域(非表示領域)に引きまわして基板の下辺側から引き出し、上側に配置される表示パネルの配線の入力部分を、下側に配置される表示パネルで隠す技術が開示されている。
特許文献3には、隣接するEL表示パネル同士の連結部分の継ぎ目を目立たなくさせることを目的として、透明電極と背面電極との間に発光層が形成されたEL表示パネルが複数個連結されたEL表示装置であって、EL表示パネルが、透明電極に接続された供電部と、いずれかのパネル辺の一部に供電部の幅方向の長さ分だけ外側に突出した突出部とを有しており、隣接するEL表示パネル同士が、一方のEL表示パネルの供電部の少なくとも一部が他方のEL表示パネルの背面電極の下側に隠れるように配置されて連結されているEL表示装置が開示されている。
特許文献4には、パネル間の継ぎ目での画面の不連続感を改善することを目的として、隣接する一対のパネルのうち、少なくともいずれか一方のパネルが段差部を有し、段差部で2つのパネルが噛み合っているマルチディスプレイが開示されている。
特許文献5には、面発光素子同士の接合部分が視認されにくい発光パネルとして、面発光素子の第2電極として光不透過性の中心部と光透過性の周辺部とで構成された電極を用い、複数の面発光素子を発光領域の一部が互いに重なりを持つように配置した発光パネルが提案されている。
特許文献6には、面発光素子同士の境界が視認されにくい面発光パネルとして、トップエミッション型面発光素子とボトムエミッション型面発光素子とが、トップエミッション型面発光素子の光出射方向が面発光パネルの光出射方向となるように配置された面発光パネルであって、トップエミッション型面発光素子の発光領域とボトムエミッション型面発光素子の発光領域とが接合してもしくは重なりを持って配置されている面発光パネルが提案されている。
特開2004−302087号公報 特開2004−177891号公報 特開2005−123153号公報 特開2008−83701号公報 特開2010−62011号公報 特開2010−80271号公報
有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するため、有機ELパネルを長時間安定的に作動させるには、有機EL素子を大気から遮断するための封止構造が必要である。
例えば特許文献1においては、隣接する単位平面表示素子間の間隔、および、単位平面表示素子の端面と最外周の画素との間隔(外周部の非表示領域の幅)を所定の範囲内で小さくすることにより、単位平面表示素子間の画像の切れ目を認識させないことが可能となる。しかしながら、単位平面表示素子が有機ELパネルである場合、単位平面表示素子の端面と最外周の画素との間隔(外周部の非表示領域の幅)を小さくすると、有機EL素子の封止を十分に施すことができないという問題が生じる。特に、画素間隔が小さい場合には、この問題が顕著となる。
また、特許文献5では、面発光素子同士の接合部分を視認しにくくするために、第2電極として光不透過性の電極および光透過性の電極の2種類の電極を別々に形成する必要があり、生産性に劣る。特許文献6では、面発光素子同士の境界を視認しにくくするために、トップエミッション型面発光素子およびボトムエミッション型面発光素子の2種類の異なる面発光素子を別々に作製する必要があり、この場合も生産性に劣る。
また、例えば特許文献5、6に記載されているように、複数個の有機ELパネルを発光領域の一部が互いに重なりを持つように配置させる場合、有機ELパネルの発光領域の一部が互いに重なる部分の輝度が他の部分の輝度よりも高くなり、かえって継ぎ目が目立ってしまうおそれがある。さらには、フルカラー表示の有機ELパネルの場合、有機ELパネルの発光領域の一部が互いに重なる部分で混色が起こるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立ちにくくすることが可能な、新規な有機ELパネルおよび有機ELパネルが複数個配置された有機EL装置を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、光透過性を有する支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成され、光不透過性を有する裏面電極層とを有し、上記透明電極層、上記有機EL層および上記裏面電極層を有する有機EL素子が封止されている有機ELパネルであって、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から上記裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする有機ELパネルを提供する。
本発明によれば、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネルを複数個配置した場合に、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができ、視認性を改善することが可能となる。また、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができるので、有機ELパネルの外周の非表示領域を任意に設定することができ、画素間隔の小さい高精細な画素配列の場合においても、有機EL素子の封止のための十分な領域を確保することが可能となる。
上記発明においては、上記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、上記最外周の画素の端部から上記透明電極層の端部までの距離である透明電極層端部距離が、画素間隔以下であることが好ましい。複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における透明電極層による輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となるからである。
また本発明においては、上記透明電極層が形成された上記支持基板上に絶縁層が形成されており、上記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、上記最外周の画素の端部から上記絶縁層の端部までの距離である絶縁層端部距離が、画素間隔以下であることが好ましい。上記の場合と同様に、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における絶縁層による輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となるからである。
さらに本発明においては、上記有機EL層を構成する層のうち少なくとも一層の構成層が、上記透明電極層が形成された上記支持基板上に一面に形成されており、上記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、上記最外周の画素の端部から上記構成層の端部までの距離である有機EL層端部距離が、画素間隔以下であることが好ましい。上記の場合と同様に、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における有機EL層による輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となるからである。
また本発明においては、上記有機ELパネルの厚さが300μm以下であることが好ましい。有機ELパネルの厚さが上記範囲であれば、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分での段差を低減することができ、有機ELパネル同士の継ぎ目をより目立たなくして視認性を向上させることができるからである。
さらに本発明においては、一つのパネル辺近傍の上記支持基板上に上記透明電極層に接続された透明電極層用取出し電極が形成され、他の一つのパネル辺近傍の上記支持基板上に上記裏面電極層に接続された裏面電極層用取出し電極が形成されており、上記透明電極層用取出し電極および上記裏面電極層用取出し電極が形成されていない二つのパネル辺にて、上記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることが好ましい。透明電極層用取出し電極および裏面電極層用取出し電極が形成されていないパネル辺では、裏面電極層端部距離を画素間隔以下となるように小さくすることが可能であり、透明電極層用取出し電極および裏面電極層用取出し電極が形成されていないパネル辺にて、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たせることなく、横方向にも縦方向にも複数個の有機ELパネルを配置することができ、容易に大型化が可能となるからである。
また本発明は、上述の有機ELパネルが、上記有機ELパネルの一部が互いに重なり、かつ上記有機ELパネルの画素が互いに重ならないように、複数個配置された有機EL装置であって、隣接する上記有機ELパネルのうち、光出射面側に位置する一方の上記有機ELパネルでは、他方の上記有機ELパネルの一部に重なるパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする有機EL装置を提供する。
本発明によれば、隣接する有機ELパネルのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルでは、他方の有機ELパネルの一部に重なるパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができ、視認性を改善することが可能となる。また、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができるので、有機ELパネルの外周の非表示領域を任意に設定することができ、画素間隔の小さい高精細な画素配列の場合においても、有機EL素子の封止のための十分な領域を確保することが可能となる。
上記発明においては、複数個の上記有機ELパネルの光出射面側に光透過性を有する前面基板が配置され、複数個の上記有機ELパネルと上記前面基板との間に光透過性を有する樹脂が充填されており、上記有機ELパネルの支持基板と上記前面基板と上記樹脂との屈折率が略同一であることが好ましい。有機EL装置の光出射面を平坦化することができ、視認性をさらに向上させることができるからである。
また本発明においては、上記前面基板の外側にカラーフィルタ層が形成されていてもよい。色純度を高めることができるからである。
本発明においては、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネルを複数個配置した場合に、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせ、視認性を改善することが可能であり、さらには有機EL素子の封止のための十分な領域を確保することが可能であるという効果を奏する。
本発明の有機ELパネルの一例を示す概略断面図および平面図である。 本発明の有機EL装置の一例を示す概略断面図および平面図である。 本発明の有機EL装置の一例を示す概略断面図および平面図である。 本発明の有機ELパネルおよび有機EL装置の他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機ELパネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL装置の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の有機ELパネルおよび有機EL装置について詳細に説明する。
A.有機ELパネル
本発明の有機ELパネルは、光透過性を有する支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成され、光不透過性を有する裏面電極層とを有し、上記透明電極層、上記有機EL層および上記裏面電極層を有する有機EL素子が封止されている有機ELパネルであって、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から上記裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とするものである。
本発明の有機ELパネルについて、図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の有機ELパネルの一例を示す概略断面図および平面図である。図1(c)は図1(a)、(b)の支持基板2側からの平面図であり、支持基板2、発光層6および裏面電極層7以外の構成は省略されている。図1(a)は図1(c)のA−A線断面図、図1(b)は図1(c)のB−B線断面図である。
図1(a)〜(c)に例示する有機ELパネル1は、支持基板2と、支持基板2上にストライプ状に形成された透明電極層3と、透明電極層3の端部を覆い、副画素(サブピクセル)R・G・Bを画定するように形成された絶縁層4と、絶縁層4上に、透明電極層3のストライプパターンと直交するようにストライプ状に形成された隔壁5と、透明電極層3および隔壁5上に形成された発光層6(赤色発光層6R、緑色発光層6G、青色発光層6B)と、発光層6上に形成された裏面電極層7と、裏面電極層7から透明電極層3までを覆うように形成された接着層8と、接着層8上に形成された封止基板9とを備えている。支持基板2、透明電極層3、絶縁層4、隔壁5、接着層8および封止基板9はいずれも光透過性を有している。一方、裏面電極層7は光不透過性を有している。有機ELパネル1においては、3つの副画素(サブピクセル)R・G・Bで1つの画素(ピクセル)Pが構成されている。支持基板2および封止基板9は接着層8を介して隙間なく貼り合わされており、固体封止構造となっている。この有機ELパネル1は、支持基板2側から光Lが出射するボトムエミッション型である。
図1(a)、(c)に示すように、有機ELパネル1のパネル辺10aにおいては、最外周の画素Pの端部から裏面電極層7の端部までの距離である裏面電極層端部距離b1が、画素間隔a1以下となっている。同様に、図1(b)、(c)に示すように、有機ELパネル1のパネル辺10bにおいては、最外周の画素Pの端部から裏面電極層7の端部までの距離である裏面電極層端部距離b2が、画素間隔a2以下となっている。また、図1(a)〜(c)に示すように、有機ELパネル1の外周の非表示領域13は、任意の幅に設定されている。
図2(a)、(b)は、図1(a)〜(c)に例示する有機ELパネルが複数個配置された有機EL装置の一例を示す概略断面図および平面図である。図2(b)は図2(a)の支持基板2側からの平面図であり、支持基板2、発光層6および裏面電極層7以外の構成は省略されている。図2(a)は図2(b)のC−C線断面図である。
図2(a)、(b)に例示する有機EL装置20においては、有機ELパネル1A、1Bが、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なり、かつ有機ELパネル1A、1Bの画素Pが互いに重ならないように配置されている。隣接する有機ELパネル1A、1Bのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aでは、他方の有機ELパネル1Bの一部に重なるパネル辺10aにて、最外周の画素Pの端部から裏面電極層7の端部までの距離である裏面電極層端部距離b1が、画素間隔a1以下となっている。
図2(a)、(b)に示すように、光出射面側に位置する有機ELパネル1Aの裏面電極層7がこのような位置関係で形成されていることにより、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、有機ELパネル1Aの最外周の画素Pおよび有機ELパネル1Bの最外周の画素P間の距離c1と、画素間隔a1とが略同一になるように、かつ光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aの光不透過性を有する裏面電極層7が他方の有機ELパネル1Bの画素Pを隠さないように、有機ELパネル1A、1Bを配置することが可能となる。したがって、有機ELパネル1A、1B同士の継ぎ目を目立たなくさせることが可能である。
また、図2(a)、(b)に示す例において、有機ELパネル1A、1B同士の継ぎ目を目立たなくするには、光出射面側に位置する有機ELパネル1Aの裏面電極層7を上記のような位置関係で形成すればよく、有機ELパネル1Aの外周の非表示領域13を小さくする必要はない。すなわち、非表示領域13の大きさは、画素間隔a1の大きさにかかわらず、任意に設定することができる。そのため、有機ELパネル1Aの外周に、有機EL素子の封止のための十分な領域を確保することが可能となる。したがって、画素間隔a1が小さい高精細な画素配列の場合であっても、有機ELパネル1A、1Bを継ぎ目を目立たせることなく配置することが可能である。
図3(a)、(b)は、図1(a)〜(c)に例示する有機ELパネルが複数個配置された有機EL装置の一例を示す概略断面図および平面図である。図3(b)は図3(a)の支持基板2側からの平面図であり、支持基板2、発光層6および裏面電極層7以外の構成は省略されている。図3(a)は図3(b)のD−D線断面図である。
図3(a)、(b)に例示する有機EL装置20においては、有機ELパネル1A、1Bが、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なり、かつ有機ELパネル1A、1Bの画素Pが互いに重ならないように配置されている。隣接する有機ELパネル1A、1Bのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aでは、他方の有機ELパネル1Bの一部に重なるパネル辺10bにて、最外周の画素Pの端部から裏面電極層7の端部までの距離である裏面電極層端部距離b2が、画素間隔a2以下となっている。
図3(a)、(b)に示すように、光出射面側に位置する有機ELパネル1Aの裏面電極層7がこのような位置関係で形成されていることにより、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、有機ELパネル1Aの最外周の画素Pおよび有機ELパネル1Bの最外周の画素P間の距離c2と、画素間隔a2とが略同一になるように、かつ光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aの光不透過性を有する裏面電極層7が他方の有機ELパネル1Bの画素Pを隠さないように、有機ELパネル1A、1Bを配置することが可能となる。したがって、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることが可能である。
また、図3(a)、(b)に示す例において、有機ELパネル1A、1B同士の継ぎ目を目立たなくするには、光出射面側に位置する有機ELパネル1Aの裏面電極層7を上記のような位置関係で形成すればよく、図2(a)、(b)に示す例と同様に、有機ELパネル1Aの外周の非表示領域13を小さくする必要はない。すなわち、非表示領域13の大きさは、画素間隔a1の大きさにかかわらず、任意に設定することができる。そのため、有機ELパネル1Aの外周に、有機EL素子の封止のための十分な領域を確保することが可能となる。したがって、画素間隔a2が小さい高精細な画素配列の場合であっても、有機ELパネル1A、1Bを継ぎ目を目立たせることなく配置することが可能である。
このように本発明においては、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネルを複数個配置した場合に、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができ、視認性を改善することが可能となる。
また、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができるので、有機ELパネルの外周の非表示領域を任意に設定することができ、画素間隔の小さい高精細な画素配列の場合においても、有機EL素子の封止のための十分な領域を確保することが可能となる。
本願明細書において、「画素」とは、単色表示の場合には単色画像を形成する1つの画素(ピクセル)をいい、フルカラー表示の場合にはフルカラー画像を形成する単位となる1つの画素(ピクセル)であって複数の副画素(サブピクセル)から構成される1つの画素(ピクセル)をいう。
「最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離」とは、最外周の画素の端部のうち、有機ELパネルの外周側に位置し、かつ任意のパネル辺側に位置する端部から、裏面電極層の端部のうち、有機ELパネルの外周近傍に位置し、かつ上記パネル辺側に位置する端部までの距離をいう。裏面電極層が隔壁によって分断されている場合、「裏面電極層の端部」とは、裏面電極層が形成されている領域の端部のうち、有機ELパネルの外周側に位置し、かつ上記パネル辺側に位置する端部をいう。
以下、本発明の有機ELパネルにおける各構成について説明する。
1.裏面電極層
本発明に用いられる裏面電極層は、光不透過性を有し、有機EL層上に形成されるものである。本発明においては、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下となる。
最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離は、画素間隔以下であればよく、特に画素間隔よりも小さいことが好ましく、画素間隔に応じて適宜選択される。中でも、メタルマスクを用いて裏面電極層を形成する場合、メタルマスクのアライメント精度を考慮すると、裏面電極層端部距離は5μm以上であることが好ましい。一方、裏面電極層端部距離の上限は画素間隔に応じて適宜選択され特に限定されるものではないが、一般的な画素間隔を考慮すると、3mm程度とすることができる。
裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺は、有機ELパネルのパネル辺のうち少なくとも一つであればよく、一辺、二辺、三辺および四辺のいずれであってもよい。中でも、二つのパネル辺にて、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることが好ましい。パッシブマトリクス駆動方式の有機ELパネルの場合、図4(a)に例示するように、有機ELパネル1において、一つのパネル辺10c近傍の支持基板2上に透明電極層3に接続された透明電極層用取出し電極21が形成され、他の一つのパネル辺10d近傍の支持基板2上に裏面電極層7に接続された裏面電極層用取出し電極22が形成されることがある。透明電極層用取出し電極21または裏面電極層用取出し電極22が形成されているパネル辺10c、10dでは、裏面電極層端部距離を小さくすることが困難である。一方、透明電極層用取出し電極21および裏面電極層用取出し電極22が形成されていないパネル辺10a、10bでは、裏面電極層端部距離を小さくすることが可能である。したがって、透明電極層用取出し電極21および裏面電極層用取出し電極22が形成されていない二つのパネル辺10a、10bにて、図1(a)〜(c)に例示するように裏面電極層端部距離b1、b2が画素間隔以下であることが好ましい。特に、図4(a)に例示するように、透明電極層用取出し電極21および裏面電極層用取出し電極22が形成されていない二つのパネル辺10a、10bが隣接しており、この二つのパネル辺10a、10bにて、図1(a)〜(c)に例示するように裏面電極層端部距離b1、b2が画素間隔a1、a2以下であることが好ましい。このような構成とすることにより、図4(b)に例示するように、横方向に隣接する有機ELパネル1のうち、一方の有機ELパネル1のパネル辺10aが他方の有機ELパネル1のパネル辺10dの上側に重なるように複数個の有機ELパネル1を配置し、また縦方向に隣接する有機ELパネルのうち、一方の有機ELパネル1のパネル辺10bが他方の有機ELパネル1のパネル辺10cの上側に重なるように複数個の有機ELパネル1を配置して、有機ELパネル1同士の継ぎ目を目立たなくし、有機EL装置20の視認性を改善することができる。すなわち、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たせることなく、横方向にも縦方向にも複数個の有機ELパネルを配置することができ、容易に大型化が可能となる。
なお、図4(a)において、支持基板2、透明電極層3、裏面電極層7、透明電極層用取出し電極21および裏面電極層用取出し電極22以外の構成は省略されている。また、図4(b)において、支持基板2、裏面電極層7、透明電極層用取出し電極21および裏面電極層用取出し電極22以外の構成は省略されている。
裏面電極層は、陽極であっても陰極であってもよいが、通常は陰極として形成される。陰極としては、電子が注入し易いように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましく、有機ELパネルの陰極に一般的に用いられるものを使用することができる。このような導電性材料としては、光不透過性を有する裏面電極層を形成可能な材料であればよく、例えば、Li、Na、Mg、Al、Ca、Ag、In等の金属、またはこれらの金属の1種以上を含む合金、例えばMgAg、AlLi、AlCa、AlMg等の合金が挙げられる。
裏面電極層の膜厚としては、メタルマスクを用いて形成することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば10nm〜1μmの範囲内とすることができ、好ましくは50nm〜500nmの範囲内である。
裏面電極層は、有機ELパネルの用途や駆動方式に応じてパターン状に形成されていてもよい。
裏面電極層の形成方法としては、少なくとも一つのパネル辺にて裏面電極層端部距離が画素間隔以下となるように裏面電極層を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばメタルマスクを用いた真空蒸着法を用いることができる。
また、一般的な電極の形成方法を適用して裏面電極層を形成した後、少なくとも一つのパネル辺にて裏面電極層端部距離が画素間隔以下となるように、裏面電極層の一部を除去してもよい。裏面電極層の一部を除去する方法としては、例えばレーザー光を照射する方法が挙げられる。レーザー光の照射は、裏面電極層形成後に行ってもよく、有機EL素子の封止前に行ってもよく、有機EL素子の封止後に行ってもよい。レーザー光は、裏面電極層を蒸発させて除去することが可能なレーザー光であれば特に限定されるものではなく、有機ELパネルのレーザーリペアに一般的に用いられるレーザー光を使用することができる。レーザー光の照射条件としては、裏面電極層の種類、有機ELパネルの層構成等に応じて適宜選択される。
本発明においては、通常、裏面電極層に接続された裏面電極層用取出し電極が形成される。
裏面電極層用取出し電極としては、有機ELパネルにおける一般的な取出し電極を用いることができる。
裏面電極層用取出し電極の形成位置としては、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺の数に応じて適宜選択され、図4(a)に例示するように裏面電極層取出し電極22は支持基板2上に形成されていてもよく、図示しないが裏面電極層用取出し電極は封止基板または封止膜の外側に形成されていてもよい。
2.透明電極層
本発明に用いられる透明電極層は、光透過性を有し、支持基板上に形成されるものである。
本発明においては、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、最外周の画素の端部から透明電極層の端部までの距離である透明電極層端部距離が、画素間隔以下であることが好ましい。
図5(a)は図1(c)のA−A線断面図、図5(b)は図1(c)のB−B線断面図である。図5(a)および図1(c)に例示する有機ELパネル1では、裏面電極層端部距離b1が画素間隔a1以下であるパネル辺10aにて、最外周の画素Pの端部から透明電極層3の端部までの距離である透明電極層端部距離d1が、画素間隔a1以下となっている。同様に、図5(b)および図1(c)に例示する有機ELパネル1では、裏面電極層端部距離b2が画素間隔a2以下であるパネル辺10bにて、最外周の画素Pの端部から透明電極層3の端部までの距離である透明電極層端部距離d2が、画素間隔a2以下となっている。
図6(a)、(b)は、図5(a)、(b)および図1(c)に例示する有機ELパネルが複数個配置された有機EL装置の一例を示す概略断面図である。図6(a)、(b)に例示する有機EL装置20においては、有機ELパネル1A、1Bが、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なり、かつ有機ELパネル1A、1Bの画素が互いに重ならないように配置されている。図6(a)に例示するように、隣接する有機ELパネル1A、1Bのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aでは、他方の有機ELパネル1Bの一部に重なるパネル辺10aにて、裏面電極層端部距離b1が画素間隔a1以下となり、また透明電極層端部距離d1が画素間隔a1以下となっている。同様に、図6(b)に例示するように、隣接する有機ELパネル1A、1Bのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aでは、他方の有機ELパネル1Bの一部に重なるパネル辺10bにて、裏面電極層端部距離b2が画素間隔a2以下となり、また透明電極層端部距離d2が画素間隔a2以下となっている。
図6(a)、(b)に示すように、光出射面側に位置する有機ELパネル1Aの裏面電極層7および透明電極層3がこのような位置関係で形成されていることにより、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aの透明電極層3が他方の有機ELパネル1Bの画素に重ならないように、有機ELパネル1A、1Bを配置することができる。その結果、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、有機ELパネル1Bの画素の輝度が有機ELパネル1Aの透明電極層3によって低下するのを抑制し、輝度ムラを低減することが可能となり、有機ELパネル1A、1B同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能である。
このように本発明においては、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、最外周の画素の端部から透明電極層の端部までの距離である透明電極層端部距離が、画素間隔以下であることにより、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となる。
本願明細書において、「最外周の画素の端部から透明電極層の端部までの距離」とは、最外周の画素の端部のうち、有機ELパネルの外周側に位置し、かつ任意のパネル辺側に位置する端部から、透明電極層の端部のうち、有機ELパネルの外周近傍に位置し、かつ上記パネル辺側に位置する端部までの距離をいう。
本発明においては、透明電極層側から光が出射するので、透明電極層は光透過性を有している。透明電極層の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、中でも70%以上、特に80%以上であることが好ましい。透明電極層の全光線透過率が上記範囲であれば、透明電極層にて発光層から出射された光を十分に透過することができ、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの透明電極層が他方の有機ELパネルの画素に重なっているとしても、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における他方の有機ELパネルの画素の輝度が低下するのを抑制することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、JIS K7361に準拠して、ヘイズメーター NDH2000 日本電色工業株式会社製を用いて測定した値である。
透明電極層は、陽極であっても陰極であってもよいが、通常は陽極として形成される。
陽極としては、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましく、有機ELパネルの陽極に一般的に用いられるものを使用することができる。このような導電性材料としては、光透過性を有する透明電極層が形成可能な材料であればよく、例えば、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、酸化インジウム、酸化錫等が挙げられる。
透明電極層は、有機ELパネルの用途や駆動方式に応じてパターン状に形成されていてもよい。
透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を採用することができる。
裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、透明電極層端部距離を画素間隔以下とする場合には、有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して、透明電極層端部距離が画素間隔以下となるように透明電極層の一部を除去してもよい。透明電極層の一部を除去する方法としては、例えばレーザー光を照射する方法が挙げられる。有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して裏面電極層の一部を除去する場合には、同時に透明電極層の一部も除去することができる。なお、レーザー光を照射する方法については、上記裏面電極層の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、通常、透明電極層に接続された透明電極層用取出し電極が形成される。
透明電極層用取出し電極としては、有機ELパネルにおける一般的な取出し電極を用いることができる。
透明電極層用取出し電極の形成位置としては、透明電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺の数に応じて適宜選択され、図4(a)に例示するように透明電極層取出し電極21は支持基板2上に形成されていてもよく、図示しないが透明電極層用取出し電極は封止基板または封止膜の外側に形成されていてもよい。
3.絶縁層
本発明においては、透明電極層が形成された支持基板上に絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層により、透明電極層と裏面電極層とが接触して短絡するのを防ぐことができる。この絶縁層は、透明電極層の端部を覆うように形成されていることが好ましい。透明電極層の端部では有機EL層の厚みが薄くなるため、絶縁層を形成することで短絡し難くすることができる。また隣り合う画素または副画素が電気的に接続されるのを防ぐことができる。絶縁層が形成された部分は、発光に寄与しない領域とすることができる。
本発明においては、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、最外周の画素の端部から絶縁層の端部までの距離である絶縁層端部距離が、画素間隔以下であることが好ましい。
図5(a)は図1(c)のA−A線断面図、図5(b)は図1(c)のB−B線断面図である。図5(a)および図1(c)に例示する有機ELパネル1では、裏面電極層端部距離b1が画素間隔a1以下であるパネル辺10aにて、最外周の画素Pの端部から絶縁層4の端部までの距離である絶縁層端部距離e1が、画素間隔a1以下となっている。同様に、図5(b)および図1(c)に例示する有機ELパネル1では、裏面電極層端部距離b2が画素間隔a2以下であるパネル辺10bにて、最外周の画素Pの端部から絶縁層4の端部までの距離である絶縁層端部距離e2が、画素間隔a2以下となっている。
図6(a)、(b)は、図5(a)、(b)および図1(c)に例示する有機ELパネルが複数個配置された有機EL装置の一例を示す概略断面図である。図6(a)、(b)に例示する有機EL装置20においては、有機ELパネル1A、1Bが、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なり、かつ有機ELパネル1A、1Bの画素が互いに重ならないように配置されている。図6(a)に例示するように、隣接する有機ELパネル1A、1Bのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aでは、他方の有機ELパネル1Bの一部に重なるパネル辺10aにて、裏面電極層端部距離b1が画素間隔a1以下となり、また絶縁層端部距離e1が画素間隔a1以下となっている。同様に、図6(b)に例示するように、隣接する有機ELパネル1A、1Bのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aでは、他方の有機ELパネル1Bの一部に重なるパネル辺10bにて、裏面電極層端部距離b2が画素間隔a2以下となり、また絶縁層端部距離e2が画素間隔a2以下となっている。
図6(a)、(b)に示すように、光出射面側に位置する有機ELパネル1Aの裏面電極層7および絶縁層4がこのような位置関係で形成されていることにより、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aの絶縁層4が他方の有機ELパネル1Bの画素に重ならないように、有機ELパネル1A、1Bを配置することができる。その結果、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、有機ELパネル1Bの画素の輝度が有機ELパネル1Aの絶縁層4によって低下するのを抑制し、輝度ムラを低減することが可能となり、有機ELパネル1A、1B同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能である。
このように本発明においては、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、最外周の画素の端部から絶縁層の端部までの距離である絶縁層端部距離が、画素間隔以下であることにより、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となる。
本願明細書において、「最外周の画素の端部から絶縁層の端部までの距離」とは、最外周の画素の端部のうち、有機ELパネルの外周側に位置し、かつ任意のパネル辺側に位置する端部から、絶縁層の端部のうち、有機ELパネルの外周近傍に位置し、かつ上記パネル辺側に位置する端部までの距離をいう。
絶縁層は、光透過性を有することが好ましい。具体的に、絶縁層の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、中でも70%以上、特に80%以上であることが好ましい。絶縁層の全光線透過率が上記範囲であれば、絶縁層にて発光層から出射された光を十分に透過することができ、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの絶縁層が他方の有機ELパネルの画素に重なっているとしても、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における他方の有機ELパネルの画素の輝度が低下するのを抑制することができるからである。
なお、上記全光線透過率の測定方法については、上記透明電極層の全光線透過率の測定方法と同様とすることができる。
また、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合であって、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの絶縁層が他方の有機ELパネルの画素に重なっている場合には、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの絶縁層が他方の有機ELパネルの画素または副画素の全てに重なるように形成されていることが好ましい。図2(a)、(b)に示す例においては、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、有機ELパネル1Aの絶縁層4が有機ELパネル1Bの副画素Bの全てに重なるように形成されている。また、図3(a)、(b)に示す例においては、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、有機ELパネル1Aの絶縁層4が有機ELパネル1Bの副画素R・G・Bの全てに重なるように形成されている。絶縁層の全光線透過率が比較的低い場合には、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの絶縁層が他方の有機ELパネルの画素または副画素の一部に重なるように形成されていると、絶縁層が形成されている部分と形成されていない部分とで輝度ムラが生じるおそれがあるからである。
なお、絶縁層によって輝度が低下した部分は、駆動条件等を調整することで輝度を補正することが可能である。
絶縁層に用いられる材料としては、有機ELパネルの絶縁層に一般的に使用される材料を採用することができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂等の光硬化型樹脂または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
絶縁層の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、絶縁層端部距離を画素間隔以下とする場合には、有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して、絶縁層端部距離が画素間隔以下となるように絶縁層の一部を除去してもよい。有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して裏面電極層または透明電極層の一部を除去する場合には、同時に絶縁層の一部も除去することができる。なお、レーザー光を照射する方法については、上記裏面電極層の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
4.隔壁
本発明においては、透明電極層が形成された支持基板上に隔壁が形成されていてもよい。例えばパッシブマトリクス駆動方式の有機ELパネルの場合、絶縁層上に、ストライプ状の透明電極層と直交するように、裏面電極層を分断するための隔壁がストライプ状に形成されていてもよい。
本発明においては、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの隔壁が他方の有機ELパネルの画素に重ならないように形成されていることが好ましい。有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となるからである。
また、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、最外周の画素の端部から隔壁の端部までの距離である隔壁端部距離が、画素間隔以下であることが好ましい。上記絶縁層端部距離が画素間隔以下であることが好ましいのと同様に、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、隔壁端部距離が画素間隔以下であることにより、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となるからである。
本願明細書において、「最外周の画素の端部から隔壁の端部までの距離」とは、最外周の画素の端部のうち、有機ELパネルの外周側に位置し、かつ任意のパネル辺側に位置する端部から、隔壁の端部のうち、有機ELパネルの外周近傍に位置し、かつ上記パネル辺側に位置する端部までの距離をいう。
隔壁は、光透過性を有していてもよい。隔壁が光透過性を有する場合、隔壁の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、中でも70%以上、特に80%以上であることが好ましい。
なお、上記全光線透過率の測定方法については、上記透明電極層の全光線透過率の測定方法と同様とすることができる。
パッシブマトリクス駆動方式の有機ELパネルの場合、隔壁が所定の高さを有していれば裏面電極層を分断することができるため、隔壁の断面形状としては特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、台形状(順テーパー形状)、逆テーパー形状等が挙げられる。好ましくは、逆テーパー形状である。
隔壁の高さとしては、支持基板表面から隔壁頂部までの高さが、画素における支持基板表面から裏面電極層表面までの高さよりも高くなるように設定される。
隔壁に用いられる材料としては、有機ELパネルの隔壁に一般的に使用される材料を採用することができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂等の光硬化型樹脂または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
隔壁の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、隔壁端部距離を画素間隔以下とする場合には、有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して、隔壁端部距離が画素間隔以下となるように隔壁の一部を除去してもよい。有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して裏面電極層または透明電極層の一部を除去する場合には、同時に隔壁の一部も除去することができる。なお、レーザー光を照射する方法については、上記裏面電極層の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
5.有機EL層
本発明に用いられる有機EL層は、透明電極層上に形成され、発光層を含むものである。
有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、ウェットプロセスで有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で構成される場合が多いが、有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
発光層以外に有機EL層を構成する層としては、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等を挙げることができる。正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合がある。また、電子輸送層は、電子注入層に電子輸送の機能を付与することにより、電子注入層と一体化される場合がある。さらに、有機EL層を構成する層としては、キャリアブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
本発明においては、有機EL層を構成する層のうち少なくとも一層の構成層が、透明電極層が形成された支持基板上に一面に形成されている場合には、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、最外周の画素の端部から構成層の端部までの距離である有機EL層端部距離が、画素間隔以下であることが好ましい。上記絶縁層端部距離が画素間隔以下であることが好ましいのと同様に、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、有機EL層端部距離が画素間隔以下であることにより、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、有機ELパネルの一部が互いに重なる部分における輝度の低下を抑制し、輝度ムラを低減して、有機ELパネル同士の継ぎ目をさらに目立たなくさせることが可能となるからである。
透明電極層が形成された支持基板上に一面に形成される層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、キャリアブロック層が挙げられる。また、単色表示の場合(モノクロまたはエリアカラーの場合)、発光層も一面に形成されることがある。
裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、有機EL層端部距離を画素間隔以下とする場合には、有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して、有機EL層端部距離が画素間隔以下となるように構成層の一部を除去してもよい。有機EL素子の封止前または封止後にレーザー光を照射して裏面電極層または透明電極層の一部を除去する場合には、同時に構成層の一部も除去することができる。なお、レーザー光を照射する方法については、上記裏面電極層の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本願明細書において、「構成層」とは、有機EL層を構成する層のうち、透明電極層が形成された支持基板上に一面に形成されている層をいう。「最外周の画素の端部から構成層の端部までの距離」とは、最外周の画素の端部のうち、有機ELパネルの外周側に位置し、かつ任意のパネル辺側に位置する端部から、構成層の端部のうち、有機ELパネルの外周近傍に位置し、かつ上記パネル辺側に位置する端部までの距離をいう。
以下、有機EL層における各構成について説明する。
(1)発光層
本発明における発光層は、単色であってもよく多色であってもよい。すなわち、本発明の有機ELパネルは、単色表示であってもよく、フルカラー表示であってもよい。
発光層に用いられる材料としては、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等の発光材料を挙げることができる。
色素系材料としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどを挙げることができる。
金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロビウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。
上記発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング剤を添加してもよい。このようなドーピング剤としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体を挙げることができる。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば1nm〜500nm程度とすることができる。
単色の発光層の場合、発光層は、画素が構成されるようにパターン状に形成されていてもよく、絶縁層によって画素が画定されている場合には一面に形成されていてもよい。一方、多色の発光層の場合、発光層は、副画素が構成されるようにパターン状に形成されていてもよく、絶縁層によって副画素が画定されている場合には任意の方向に連続して形成されていてもよい。
発光層の形成方法としては、一般的な発光層の形成方法を採用することができ、ウェットプロセスおよびドライプロセスのいずれも用いることができる。例えば、真空蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができる。
(2)正孔注入層および正孔輸送層
本発明において、正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合がある。すなわち、正孔注入層は、正孔注入機能のみを有していてもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有していてもよい。
正孔注入層に用いられる材料としては、発光層内への正孔の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン誘導体等を用いることができる。具体的には、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4′,4″−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
また、正孔注入層の厚みとしては、正孔注入機能や正孔輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
正孔注入層の形成方法としては、上記発光層の形成方法と同様とすることができる。
(3)電子注入層
本発明において、電子輸送層は、電子注入層に電子輸送の機能を付与することにより、電子注入層と一体化される場合がある。すなわち、電子注入層は、電子注入機能のみを有していてもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有していてもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、アルミリチウム合金、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、カルシウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、リチウム、セシウム、フッ化セシウム等のようにアルカリ金属類、およびアルカリ金属類のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体等を用いることができる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入層とすることもできる。上記電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体等を挙げることができ、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
上記電子注入層の厚みとしては、電子注入機能や電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
電子注入層の形成方法としては、上記発光層の形成方法と同様とすることができる。
(4)電子輸送層
本発明における電子輸送層に用いられる材料としては、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)の誘導体等を挙げることができる。
上記電子輸送層の厚みとしては、電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
電子輸送層の形成方法としては、上記発光層の形成方法と同様とすることができる。
6.支持基板
本発明に用いられる支持基板は、上述の透明電極層、有機EL層、裏面電極層などを支持するものである。
本発明においては支持基板側が光出射面となることから、支持基板は光透過性を有している。また、支持基板側からレーザー光を照射して、裏面電極層の一部や透明電極層の一部などを除去する場合には、支持基板はレーザー光を透過するものであることが好ましい。
支持基板は、全光線透過率が70%以上であることが好ましく、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。
なお、上記全光線透過率の測定方法については、上記透明電極層の全光線透過率の測定方法と同様とすることができる。
このような支持基板としては、例えば、ガラス板等の可撓性のないリジット材あるいは樹脂フィルム、薄板ガラス等の可撓性を有するフレキシブル材を挙げることができる。ガラス板や薄板ガラスは、水分、酸素等に対するバリア性を有するという利点を有する。薄板ガラスの表面には、必要に応じて、薄板ガラスの割れや欠け等を防ぐために保護層が形成されていてもよい。樹脂フィルムは、加工性に優れており、コスト低減や軽量化、割れにくい有機ELパネルの実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるという利点を有する。樹脂フィルムの表面には、必要に応じて、水分、酸素等を遮断するバリア性を有するバリア層が形成されていてもよい。
中でも、樹脂フィルム、薄板ガラス等の可撓性を有するフレキシブル材が好ましく用いられる。有機ELパネルの薄型化が可能となり、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に有機ELパネルの一部が互いに重なる部分での段差を低減することができ、有機ELパネル同士の継ぎ目をより目立たなくして視認性を向上させることができるからである。
支持基板の厚みとしては、有機ELパネルにおける支持基板の一般的な厚みであれば特に限定されるものではないが、中でも、150μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。支持基板の厚みが上記範囲であれば、上述したように複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に段差を低減することができ、視認性を向上させることができるからである。支持基板の厚みが薄いほど有機ELパネルの厚みが薄くなるので支持基板の厚みの下限は特に限定されないが、強度やバリア性等を考慮すると、10μm程度である。
7.有機EL素子の封止
本発明においては、透明電極層、有機EL層および裏面電極層を有する有機EL素子が封止されている。有機EL素子の封止としては、一般的な有機EL素子の封止であればよく、例えば、中空封止、固体封止、膜封止が挙げられる。以下、中空封止、固体封止および膜封止について説明する。
(1)中空封止
中空封止の場合、裏面電極層上に光透過性を有する封止基板が配置され、支持基板または封止基板の外周に光透過性を有する接着層が形成され、支持基板および封止基板が接着層を介して貼り合わされる。
(封止基板)
本発明においては、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、隣接する有機ELパネルのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの封止基板が他方の有機ELパネルの画素に重なることから、封止基板は光透過性を有している。封止基板の全光線透過率としては、支持基板の全光線透過率と同様とすることができる。
また、封止基板側からレーザー光を照射して、裏面電極層の一部や透明電極層の一部などを除去する場合には、封止基板はレーザー光を透過するものであることが好ましい。
封止基板の種類については、上記支持基板と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、封止基板の厚み等については、上記支持基板と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
封止基板の形状としては、封止基板の種類に応じて適宜選択され、例えば、平板状、キャップ状等が挙げられる。
(接着層)
本発明においては、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、隣接する有機ELパネルのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの接着層が他方の有機ELパネルの画素に重なることから、接着層は光透過性を有している。接着層の全光線透過率としては、支持基板の全光線透過率と同様とすることができる。
接着層に用いられる接着剤としては、有機ELパネルに一般的に用いられる接着剤を使用することができる。中でも、接着剤は硬化型接着剤であることが好ましい。支持基板および封止基板の密着性が強固となり、水分、酸素等の侵入を効果的に防ぐことができるからである。
硬化型接着剤としては、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤を挙げることができる。具体的には、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
接着層の形成方法としては、有機ELパネルにおける一般的な接着層の形成方法を採用することができる。
(ゲッター層)
支持基板および封止基板の間の空間には、水分を吸収するゲッター層が配置されていることが好ましい。ゲッター層としては、有機ELパネルに用いられる一般的なゲッター層を適用することができる。
(その他の構成)
有機EL素子を封止する際には、後述の固体封止の方法で、有機EL素子が形成された支持基板と接着層が形成された封止基板との間に薄膜フィルムを挿入して中空を確保することができる。この場合、後述の固体封止と同様に、有機ELパネルの薄型化が可能となり、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に有機ELパネルの一部が互いに重なる部分での段差を低減することができ、有機ELパネル同士の継ぎ目をより目立たなくして視認性を向上させることができる。
上記薄膜フィルムは上記ゲッター層の機能を有していてもよい。
(2)固体封止
固体封止の場合、支持基板上に、透明電極層、有機EL層および裏面電極層を有する有機EL素子を覆うように光透過性を有する接着層が形成され、接着層上に封止基板が配置され、支持基板および封止基板が接着層を介して貼り合わされる。
固体封止の場合、有機ELパネルの薄型化が可能となり、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に有機ELパネルの一部が互いに重なる部分での段差を低減することができ、有機ELパネル同士の継ぎ目をより目立たなくして視認性を向上させることができる。
(封止基板)
上記中空封止の項に記載したように、封止基板は光透過性を有する。封止基板の全光線透過率としては、支持基板の全光線透過率と同様とすることができる。
また、封止基板側からレーザー光を照射して、裏面電極層の一部や透明電極層の一部などを除去する場合には、封止基板はレーザー光を透過するものであることが好ましい。
封止基板の種類については、上記支持基板と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。中でも、樹脂フィルム、薄板ガラス等のフレキシブル材が好ましく用いられる。
また、封止基板の厚み等については、上記支持基板と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(接着層)
接着層については、上記中空封止の場合の接着層と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)膜封止
膜封止の場合、支持基板上に、透明電極層、有機EL層および裏面電極層を有する有機EL素子を覆うように光透過性を有する封止膜が形成される。
膜封止の場合、固体封止と同様に、有機ELパネルの薄型化が可能となり、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に有機ELパネルの一部が互いに重なる部分での段差を低減することができ、有機ELパネル同士の継ぎ目をより目立たなくして視認性を向上させることができる。
(封止膜)
本発明においては、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に、隣接する有機ELパネルのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの封止膜が他方の有機ELパネルの画素に重なることから、封止膜は光透過性を有している。封止膜の全光線透過率としては、支持基板の全光線透過率と同様とすることができる。
また、封止膜側からレーザー光を照射して、裏面電極層の一部や透明電極層の一部などを除去する場合には、封止膜はレーザー光を透過するものであることが好ましい。
封止膜としては、有機ELパネルに一般的に用いられる封止膜を適用することができ、例えば、酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜等の無機層や、有機層が挙げられる。これらの膜は、1種単独で形成してもよく、2種以上を積層してもよい。
封止膜の形成方法としては、有機ELパネルにおける一般的な封止膜の形成方法を採用することができる。
8.有機ELパネル
本発明の有機ELパネルの厚さは、300μm以下であることが好ましく、中でも250μm以下、特に200μm以下であることが好ましい。有機ELパネルの厚さが上記範囲であれば、複数個の有機ELパネルを一部が互いに重なるように配置した場合に有機ELパネルの一部が互いに重なる部分での段差を低減することができ、有機ELパネル同士の継ぎ目をより目立たなくして視認性を向上させることができるからである。有機ELパネルの厚さは薄いほど好ましく、有機ELパネルの厚さの下限は特に限定されないが、各層の厚みを考慮すると、50μm程度である。
9.有機ELパネルの製造方法
本発明の有機ELパネルの製造方法の一例について説明する。パッシブマトリクス駆動方式の有機ELパネルの場合、まず、支持基板上に透明電極層をストライプ状に形成する。次いで、透明電極層が形成された支持基板上に、透明電極層の端部を覆い、画素または副画素を画定するように、絶縁層をパターン状に形成する。続いて、絶縁層上に、透明電極層のストライプパターンと直交するように、隔壁をストライプ状に形成する。次に、透明電極層上に正孔輸送層、多色の発光層、電子輸送層等を含む有機EL層をそれぞれパターン状に形成する。次いで、発光層まで形成された支持基板上に、少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が画素間隔以下となるように、メタルマスクを用いた真空蒸着法により裏面電極層を一面に形成する。続いて、透明電極層、発光層および裏面電極層を有する有機EL素子を封止する。
少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離を画素間隔以下とする際には、有機EL素子の封止前または封止後に、レーザー光を照射して裏面電極層の一部を除去してもよい。
裏面電極層端部距離が画素間隔以下となるパネル辺にて、最外周の画素の端部から透明電極層の端部までの距離である透明電極層端部距離を画素間隔以下とする場合には、有機EL素子の封止前または封止後に、レーザー光を照射して透明電極層の一部を除去してもよい。レーザー光を照射して裏面電極層の一部を除去する場合には、同時に透明電極層の一部を除去することが好ましい。
また、裏面電極層端部距離が画素間隔以下となるパネル辺にて、最外周の画素の端部から絶縁層の端部までの距離である絶縁層端部距離を画素間隔以下とする場合には、有機EL素子の封止前または封止後に、レーザー光を照射して絶縁層の一部を除去してもよい。レーザー光を照射して裏面電極層の一部を除去する場合、またはレーザー光を照射して透明電極層の一部を除去する場合には、同時に絶縁層の一部を除去することが好ましい。
B.有機EL装置
本発明の有機EL装置は、上述の有機ELパネルが、上記有機ELパネルの一部が互いに重なり、かつ上記有機ELパネルの画素が互いに重ならないように、複数個配置された有機EL装置であって、隣接する上記有機ELパネルのうち、光出射面側に位置する一方の上記有機ELパネルでは、他方の上記有機ELパネルの一部に重なるパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記「A.有機ELパネル」の項に記載したように、隣接する有機ELパネルのうち、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルでは、他方の有機ELパネルの一部に重なるパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができ、視認性を改善することが可能となる。
また、裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることにより、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たなくさせることができるので、有機ELパネルの外周の非表示領域を任意に設定することができ、画素間隔の小さい高精細な画素配列の場合においても、有機EL素子の封止のための十分な領域を確保することが可能となる。
なお、有機ELパネルについては、上記「A.有機ELパネル」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の有機EL装置における他の構成について説明する。
1.有機ELパネルの配置
本発明において、有機ELパネルの配置としては、有機ELパネルが、有機ELパネルの一部が互いに重なり、かつ有機ELパネルの画素が互いに重ならないように、複数個配置されていればよく、通常、図2(a)、(b)および図3(a)、(b)に示すように、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aの光不透過性を有する裏面電極層7が他方の有機ELパネル1Bの画素Pを隠さないように、有機ELパネル1A、1Bが配置される。また、通常、図2(a)、(b)および図3(a)、(b)に示すように、有機ELパネル1A、1Bの一部が互いに重なる部分において、光出射面側に位置する一方の有機ELパネル1Aの最外周の画素Pおよび他方の有機ELパネル1Bの最外周の画素P間の距離c1、c2と、画素間隔a1、a2とが略同一になるように、有機ELパネル1A、1Bが配置される。
有機ELパネルの一部が互いに重なる部分において、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの最外周の画素および他方の有機ELパネルの最外周の画素間の距離と、画素間隔とが略同一であるとは、画素間隔を1としたとき、光出射面側に位置する一方の有機ELパネルの最外周の画素および他方の有機ELパネルの最外周の画素間の距離が0.7〜1.3の範囲内であることをいう。
有機ELパネルの配置の一例について説明する。図4(a)に例示するように、透明電極層用取出し電極21および裏面電極層用取出し電極22が形成されていない二つのパネル辺10a、10bが隣接しており、この二つのパネル辺10a、10bにて、図1(a)〜(c)に例示するように裏面電極層端部距離b1、b2が画素間隔a1、a2以下である場合、図4(b)に例示するように、横方向に隣接する有機ELパネル1のうち、一方の有機ELパネル1のパネル辺10aが他方の有機ELパネル1のパネル辺10dの上側に重なるように複数個の有機ELパネル1を配置し、また縦方向に隣接する有機ELパネルのうち、一方の有機ELパネル1のパネル辺10bが他方の有機ELパネル1のパネル辺10cの上側に重なるように複数個の有機ELパネル1を配置することができる。このような有機ELパネルの配置の場合、有機ELパネル同士の継ぎ目を目立たせることなく、横方向にも縦方向にも複数個の有機ELパネルを配置することができ、容易に大型化が可能となる。
有機ELパネルの数としては、2個以上であればよく、特に限定されるものではない。本発明の有機EL装置は、例えば数百個の有機ELパネルが配置されたものであってもよい。
2.樹脂
本発明においては、図7に例示するように、複数個の有機ELパネル1の光出射面側に光透過性を有する前面基板31が配置され、複数個の有機ELパネル1と前面基板31との間に光透過性を有する樹脂32が充填されていてもよい。このような構成とすることにより、有機EL装置20の光出射面を平坦化することができ、有機ELパネル1同士の継ぎ目を見えにくくし、視認性をさらに向上させることができる。
樹脂の屈折率と、有機ELパネルの支持基板の屈折率とは略同一であることが好ましい。樹脂の屈折率と、有機ELパネルの支持基板の屈折率とが略同一であるとは、樹脂の屈折率と有機ELパネルの支持基板の屈折率との差が0.15以下であることをいい、好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは0.05以下である。
樹脂は光透過性を有する。樹脂の全光線透過率としては、支持基板の全光線透過率と同様とすることができる。
このような樹脂としては、支持基板の種類に応じて適宜選択され、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂が挙げられ、具体的には、エポキシ樹脂にベンゼン環を含む高屈折率樹脂および脂環式エポキシ樹脂に代表される低屈折率樹脂を複合してなる光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。
複数個の有機ELパネルと前面基板との間に樹脂を充填する方法としては、例えば、前面基板上に樹脂を配置し、樹脂を介して前面基板と複数個の有機ELパネルとを重ね合わせる方法を用いることができる。硬化性樹脂を用いる場合には、硬化性樹脂を介して前面基板と複数個の有機ELパネルとを重ね合わせた後、硬化性樹脂を硬化させる。
3.前面基板
本発明においては、上述したように、図7に例示するように、複数個の有機ELパネル1の光出射面側に光透過性を有する前面基板31が配置され、複数個の有機ELパネル1と前面基板31との間に光透過性を有する樹脂32が充填されていてもよい。
前面基板の屈折率と、樹脂の屈折率とは略同一であることが好ましい。前面基板の屈折率と、樹脂の屈折率とが略同一であるとは、前面基板の屈折率と樹脂の屈折率の差が0.15以下であることをいい、好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは0.05以下である。
前面基板は光透過性を有する。前面基板の全光線透過率としては、支持基板の全光線透過率と同様とすることができる。
このような前面基板としては、支持基板の種類に応じて適宜選択され、支持基板と同様のものを用いることができる。
4.カラーフィルタ層
本発明においては、前面基板の外側にカラーフィルタ層が形成されていてもよい。色純度を高めることができるからである。
カラーフィルタ層としては、着色層を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて遮光部を有していてもよく、一般的なカラーフィルタを用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(透明電極層の形成)
まず、ガラス基板(厚み0.1mm)に対して、イオンプレーティング法により膜厚200nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、幅124μmのストライプ状の透明電極層を154μmピッチで450本形成した。
(絶縁層の形成)
次に、上記の透明電極層が形成されたガラス基板に、洗浄処理と紫外線プラズマ洗浄を施し、その後、ポリイミド前駆体を主成分とするポジ型感光性レジストをスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフィープロセスでパターニングして、各透明電極層上に100μm×408μmの発光領域(開口部)が、透明電極層のストライプと直交方向に154μmピッチ、平行方向に462μmピッチで存在するように絶縁層(厚み1.5μm)を形成した。絶縁層により画定される画素間隔(a1、b1)は54μmであった。
(隔壁の形成)
次に、上記の絶縁層が形成されたガラス基板に、洗浄処理と紫外線プラズマ洗浄を施し、その後、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂からなるネガ型感光性レジストをスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフィープロセスでパターニングして、絶縁層上に透明電極層のストライプと直交するように、ストライプ状で断面形状が逆テーパー状の隔壁を形成した。隔壁は、幅が20μm、高さが4μm、逆テーパーの角度は45°であった。
(正孔輸送層の形成)
真空蒸着法によりN,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3メチルフェニル)−1,1´−ビフェニル−4,4´−ジアミン(TPD)を、80mm×80mmの開口部を有するメタルマスクを用いて、蒸着領域が最外周の画素の端部から蒸着領域の端部までの距離が透明電極層のストライプと直交方向に30μm、平行方向に30μmになるようにマスクを設置して、蒸着(蒸着速度=0.1nm/秒)した。これにより、透明電極層上に、TPDからなる80mm×80mmの正孔輸送層(厚み80nm)を有機EL層端部距離が30μmになるように形成した。
(発光層の形成)
真空蒸着法によりホスト材料とゲスト材料との混合層を、120μm×428μmの開口部がマトリックス状に462μmピッチで多数形成されているメタルマスクを用いて、開口部の中央部が副画素の中央部に合うように蒸着(蒸着速度=0.1nm/秒)した。ゲスト材料には赤色発光(R)、緑色発光(G)、青色発光(B)の材料をそれぞれ使用し、RGBの副画素から構成される画素を形成した。これにより、正孔輸送層上に、ホスト材料とゲスト材料との混合層からなる各発光層(厚み40nm)を形成した。
(電子輸送層の形成)
真空蒸着法によりトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)を上記正孔輸送層の形成時と同様にメタルマスクを設置して蒸着(蒸着速度=0.1nm/秒)した。これにより、各発光層上に、Alqからなる80mm×80mmの電子輸送層(厚み20nm)を有機EL層端部距離が30μmになるように形成した。
(電子注入層の形成)
真空蒸着法によりフッ化リチウムを上記正孔輸送層の形成時と同様にメタルマスクを設置して蒸着(蒸着速度=0.1nm/秒)した。これにより、電子輸送層上に、フッ化リチウムからなる90mm×80mmの電子注入層(厚み2nm)を有機EL層端部距離が30μmになるように形成した。
(裏面電極層の形成)
次に、電子注入層の形成に用いたメタルマスクをそのまま使用して、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(蒸着速度=0.4nm/秒)した。これにより、電子注入層上に、アルミニウムからなる90mm×80mmの裏面電極層(厚み300nm)を、2つのパネル辺にて裏面電極層端部距離(b1、b2)が30μmになるように形成した。
(封止)
最後に、裏面電極層を形成した面側に、100mm×100mmの封止板を有機EL層および裏面電極層を覆うように設置し、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合わせた。これにより、2辺に取出し電極が形成され、他の2辺にて裏面電極層端部距離および有機EL層端部距離が所定の値となっている有機ELパネルを得た。
(評価)
有機ELパネルの2辺の取出し電極を隠すように有機ELパネルを重ねていくことで有機ELパネル同士の継ぎ目を目立ちにくくすることが可能となった。
1、1A、1B … 有機ELパネル
2 … 支持基板
3 … 透明電極層
4 … 絶縁層
5 … 隔壁
6 … 発光層
6R … 赤色発光層
6G … 緑色発光層
6B … 青色発光層
7 … 裏面電極層
8 … 接着層
9 … 封止基板
10a、10b、10c、10d … パネル辺
13 … 非表示領域
20 … 有機EL装置
31 … 前面基板
32 … 樹脂
a1、a2 … 画素間隔
b1、b2 … 裏面電極層端部距離
d1、d2 … 透明電極層端部距離
e1、e2 … 絶縁層端部距離
L … 光
R、G、B … 副画素(サブピクセル)
P … 画素(ピクセル)

Claims (9)

  1. 光透過性を有する支持基板と、
    前記支持基板上に形成された透明電極層と、
    前記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成され、光不透過性を有する裏面電極層と
    を有し、前記透明電極層、前記有機エレクトロルミネッセンス層および前記裏面電極層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が封止されている有機エレクトロルミネッセンスパネルであって、
    少なくとも一つのパネル辺にて、最外周の画素の端部から前記裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  2. 前記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、前記最外周の画素の端部から前記透明電極層の端部までの距離である透明電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  3. 前記透明電極層が形成された前記支持基板上に絶縁層が形成されており、前記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、前記最外周の画素の端部から前記絶縁層の端部までの距離である絶縁層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  4. 前記有機エレクトロルミネッセンス層を構成する層のうち少なくとも一層の構成層が、前記透明電極層が形成された前記支持基板上に一面に形成されており、前記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であるパネル辺にて、前記最外周の画素の端部から前記構成層の端部までの距離である有機エレクトロルミネッセンス層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  5. 前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの厚さが300μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  6. 一つのパネル辺近傍の前記支持基板上に前記透明電極層に接続された透明電極層用取出し電極が形成され、他の一つのパネル辺近傍の前記支持基板上に前記裏面電極層に接続された裏面電極層用取出し電極が形成されており、前記透明電極層用取出し電極および前記裏面電極層用取出し電極が形成されていない二つのパネル辺にて、前記裏面電極層端部距離が画素間隔以下であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの一部が互いに重なり、かつ前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの画素が互いに重ならないように、複数個配置された有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
    隣接する前記有機エレクトロルミネッセンスパネルのうち、光出射面側に位置する一方の前記有機エレクトロルミネッセンスパネルでは、他方の前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの一部に重なるパネル辺にて、最外周の画素の端部から裏面電極層の端部までの距離である裏面電極層端部距離が、画素間隔以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  8. 複数個の前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの光出射面側に光透過性を有する前面基板が配置され、複数個の前記有機エレクトロルミネッセンスパネルと前記前面基板との間に光透過性を有する樹脂が充填されており、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの支持基板と前記前面基板と前記樹脂との屈折率が略同一であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  9. 前記前面基板の外側にカラーフィルタ層が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
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