JP2012027667A - 携帯可能電子装置、icカード、および携帯可能電子装置の制御方法 - Google Patents

携帯可能電子装置、icカード、および携帯可能電子装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 効率的に動作状態の制御が行える携帯可能電子装置を提供する。
【解決手段】 携帯可能電子装置は、通信手段、検知手段、実行手段、および応答手段を有する。前記通信手段は、制御データを含む所定のフォーマットで外部装置とデータ通信する。前記検知手段は、当該携帯可能電子装置内の動作状態を検知する。前記実行手段は、前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行する。前記応答手段は、前記実行手段による前記コマンドに対する処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知手段による検知結果を示す情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する。
【選択図】図1

Description

この発明に係る実施形態は、非接触式あるいは接触式のICカードなどの携帯可能電子装置および携帯可能電子装置に用いられる制御方法に関する。
従来、携帯可能電子装置の一例としてのICカードは、電力レベル、動作周波数、および温度などが規定の動作条件を満たしていなければ、正常に動作しない。たとえば、ICカードは、外部から入力した動作周波数が規定の動作範囲外であれば、動作を停止させている。動作停止したICカードは、以降の内部処理、およびコマンド受信処理を行わない状態(HALT状態)となる。HALT状態となったICカードは、ハードウエア的にリセット処理を行わない限り、動作復帰することは出来ないようになっている。従来、HALT状態となったICカードを復帰させるリセット処理には、多くの処理時間が必要となっている。
ISO/IEC14443
この発明の一形態は、効率的に動作状態の制御が行える携帯可能電子装置、ICカードおよび携帯可能電子装置の制御方法を提供することを目的とする。
この発明の一形態としての携帯可能電子装置は、通信手段、検知手段、実行手段、および応答手段を有する。前記通信手段は、制御データを含む所定のフォーマットで外部装置とデータ通信する。前記検知手段は、当該携帯可能電子装置内の動作状態を検知する。前記実行手段は、前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行する。前記応答手段は、前記実行手段による前記コマンドに対する処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知手段による検知結果を示す情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する。
図1は、実施の形態に係る携帯可能電子装置としてのICカードの構成例を示すブロック図である。 図2は、ICカードの一例としての非接触式ICカード全体の構成例を示す図である。 図3は、送受信するデータ(コマンドおよびレスポンス)のフォーマット例を示す図である。 図4は、コマンドの終了時点から非接触ICカードがレスポンスの送信を開始するまでに要する最大待ち時間(FWT)を説明するための図である。 図5は、CIDブロックにおける各ビットの構成例(定義)を示す図である。 図6は、レスポンスのCIDブロックにおけるb5及びb6が示す情報の例を示す図である。 図7は、レスポンスのCIDブロックにおけるb7及びb8による電源電圧(電力センサ19による検知結果)の表現例を示す図である。 図8は、レスポンスのCIDブロックにおけるb7及びb8による動作周波数(周波数センサ20による検知結果)の表現例を示す図である。 図9は、レスポンスのCIDブロックにおけるb7及びb8による温度(温度センサ21による検知結果)の表現例を示す図である。 図10は、コマンドのCIDブロックにおいてICカードに通知を要求するセキュリティセンサの検知結果の例を示す図である。 図11は、コマンドのCIDブロックにおいてICカードに通知を要求するセキュリティセンサの検知結果の例を示す図である。 図12は、ICカードにおけるセキュリティセンサの検知結果の通知を含むコマンド処理の例を説明するためのフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態に係る携帯可能電子装置としてのICカードの構成例を示すブロック図である。
上記ICカード1は、外部装置あるいは上位装置としてのICカード処理装置2からの電源供給により動作可能な状態となる。動作可能となったICカード1は、ICカード処理装置2からのコマンドに応じて種々の処理を行う。ICカード処理装置2は、当該ICカード1に対して、動作用の電力及び周波数を供給する。ICカード処理装置2は、制御装置としてのPCからの制御に基づいて処理を要求するコマンドをICカード1へ供給する。上記ICカード処理装置2がICカード1に対して供給するコマンドは、用途あるいは運用形態などに応じた処理を要求するものである。
また、上記ICカード1は、アンテナあるいは無線通信部等により上記ICカード処理装置2と非接触の状態で無線通信を行う非接触式の携帯可能電子装置(非接触式ICカード)であっても良いし、上記ICカード処理装置2と物理的に接触して通信を行う接触式の携帯可能電子装置(接触式ICカード)であっても良い。さらには、上記ICカード1は、非接触式ICカードとしての通信機能と接触式ICカードとしての通信機能とを有する複合型のICカード(デュアルインターフェースICカード)であっても良い。なお、この実施の形態では、主に、非接触式ICカードを想定して説明する。非接触式ICカードと接触式ICカードとはICカード処理装置2との通信方式等が異なるだけである。このため、以下に説明する実施の形態は、接触式ICカードにも同様に適用できる。
上記ICカード1の構成例について説明する。
図1に示すように、上記ICカード1は、CPU11、プログラムメモリ12、ワーキングメモリ13、データメモリ14、通信制御部15、電源部16、インターフェース(アンテナあるいはコンタクト部)17、コプロセッサ18、電力センサ19、周波数センサ20、および温度センサ21などを有している。
また、上記ICカード1は、カード状の本体Cにより構成される。上記ICカード1を形成するカード状の本体Cには、1つ(あるいは複数)のICチップ1aとインターフェース17とが埋設される。上記ICチップ1aは、CPU11、プログラムメモリ12、ワーキングメモリ13、データメモリ14、通信制御部15、電源部16、コプロセッサ18、電力センサ19、周波数センサ20および温度センサ21などを有している。上記ICチップ1aは、上記インターフェース17に接続された状態でモジュール化され、当該ICカード1を形成するカード状の本体C内に埋設される。
たとえば、図2は、非接触式ICカード全体の構成例を示す図である。図2に示す非接触式ICカードは、カード状の本体Cを有している。この本体C内には、図2に点線で示すように、1つ(あるいは複数)のICチップ1aとインターフェース17としてのアンテナとを有するモジュールMが埋め込まれている。
上記CPU11は、ICカード1全体の制御を司るプロセッサである。上記CPU11は、上記プログラムメモリ12あるいはデータメモリ14に記憶されている制御プログラムおよび制御データなどに基づいて動作する。たとえば、上記CPU11は、上記プログラムメモリ12に記憶されている基本的な動作を司る制御プログラムを実行することにより、リーダライタ(外部装置)2から与えられるコマンドに応じた処理を実行する。これにより、ICカード処理装置2からデータメモリ14へのデータの書込みを要求するコマンドが与えられれば、上記CPU11は、上記データメモリ14へのデータの書き込み処理を実行する。また、ICカード処理装置2から上記データメモリ14に記憶されているデータの読み出しを要求するコマンドが与えられれば、上記CPU11は、上記データメモリ14からのデータの読み出し処理を実行する。さらに、上記CPU11は、当該ICカード1の用途などに応じてインストールされる処理プログラムを実行することにより、用途に応じた処理を実現するようになっている。
上記プログラムメモリ12は、読み出し専用のメモリ(ROM:リードオンリーメモリ)により構成される。上記プログラムメモリ12には、予め基本動作を司る制御プログラムおよび制御データなどが記憶されている。上記プログラムメモリ12には、予め当該ICカード1の仕様に応じた制御プログラム及び制御データが記憶される。たとえば、上記CPU11は、上記プログラムメモリ12に記憶される制御プログラムにより外部から与えられるコマンドに応じた処理を実現する。
上記ワーキングメモリ13は、揮発性のメモリ(RAM;ランダムアクセスメモリ)により構成される。上記ワーキングメモリ13は、データを一時保管するバッファメモリとして機能する。例えば、上記ワーキングメモリ13には、リーダライタ(外部装置)2との通信処理において、送受信するデータが一時的に保管される。
上記データメモリ(不揮発性メモリ)14は、データの書き込みが可能な不揮発性のメモリである。上記データメモリ14は、例えば、EEPROMあるいはフラッシュメモリなどにより構成される。上記データメモリ14には、当該ICカード1の使用目的に応じた種々の情報が記憶される。たとえば、当該ICカードの使用目的に応じたアプリケーション(処理プログラムおよび運用データなど)は、上記データメモリ14に書込まれる。当該ICカード1が複数の使用目的に使用される場合、上記データメモリ14には、各使用目的に応じた複数のアプリケーションが記憶される。
上記通信制御部15は、上記インターフェース17を介して外部装置(たとえば、ICカード処理装置2)とのデータ通信を制御するものである。たとえば、当該ICカードが非接触型のICカードであれば、通信制御部15は、変復調回路などにより構成される。ICカード処理装置2からデータを受信する場合、上記通信制御部15は、インターフェース17としてのアンテナにより受信した電波としての送信データを復調し、復調した信号を上記CPU11に供給する。また、ICカード処理装置2へデータを送信する場合、上記通信制御部15は、上記CPU11から与えられるデータを変調し、変調したデータを上記インターフェース17としてのアンテナにより電波として発信する。なお、接触式ICカードでは、インターフェース17として、アンテナの代わりに、外部装置の接触端子部と物理的・電気的に接触するコンタクト部を介してICカード処理装置2とのデータ通信を行う。
上記電源部16は、上記インターフェース17を介して受信する電力およびクロックパルスを当該ICカード1の各部へ供給する。たとえば、当該ICカードが非接触型のICカードであれば、上記電源部16は、上記インターフェース17としてのアンテナにより受信した電力波を整流回路で整流及び平滑化することにより安定化された直流電圧を生成し、各部に電源電圧として供給する。また、上記電源部16は、受信した電波からクロックパルスを生成し、当該ICカード内の各部に動作周波数を供給する。上記電源部16からの電力供給により起動する場合、上記CPU11は、当該ICカード1の処理状態をリセットする処理を行う。なお、当該ICカード1が接触型のICカードであれば、上記電源部16は、インターフェース17を介してICカード処理装置2から直接的に供給される電力およびクロックパルスを各部へ供給する。
コプロセッサ18は、各種データの暗号化・復号化を行うものである。電力センサ19、周波数センサ20および温度センサ21は、当該ICカード1におけるセキュリティセンサとして機能する。電力(電圧)センサ19は、電源部16が各部に供給している電源電力(電源電圧)を検知するセンサである。周波数センサ20は、当該ICカード1の動作周波数を検知するセンサである。温度センサ21は、当該ICカード1の温度を検知するセンサである。
次に、上記ICカード処理装置2について説明する。
ICカード処理装置2は、図1に示すように、制御装置(PC)2aにリーダライタ2bが接続された構成を有する。PC2aは、CPUなどの演算処理部、RAM、ROM、不揮発性メモリおよびハードディスクドライブなどの各種メモリ、通信インターフェースなどの各種インターフェースなどにより構成される。上記PC2aでは、上記演算処理部がメモリに記憶されている各種の制御プログラムを実行することにより各種の処理を行う。リーダライタ2bは、上記ICカード1とのデータ通信を行う外部装置の通信手段として機能する。リーダライタ2bは、上記ICカード1の通信方式に応じた通信方式によるデータ通信を行う。このような構成により、ICカード処理装置2は、PC2aがリーダライタ2bを介して上記ICカード1とのデータ通信を実現している。
上記ICカード1が非接触型のICカードである場合、リーダライタ2bは、上記ICカード1との無線によるデータ通信を行うためのアンテナおよび通信制御部(変復調回路等)などにより構成される。非接触型のICカード1へデータを送信する場合、リーダライタ2bは、PC2aから与えられる送信データを変調し、変調した信号を電波としてアンテナにより発信する。また、非接触型のICカード1からデータを受信する場合、リーダライタ2bは、アンテナにより受信した電波としての信号を復調し、復調したデータを受信データとしてPC2aへ供給する。また、リーダライタ2bでは、上記のようなデータの送受信とともに、上記ICカード1を動作させるための電源電力(電圧)およびクロックパルスとなる電波をアンテナから発信する。
また、上記ICカード1が接触型のICカードである場合、リーダライタ2bは、ICカード1と物理的に接触してデータ通信を行うためのコンタクト部および通信制御部などにより構成される。接触型のICカードとのデータの送受信を行う場合、リーダライタ2bは、ICカード1側に設けられているコンタクト部と物理的に接触して各種のデータ通信を行う。また、リーダライタ2bは、ICカード1に物理的に接触しているコンタクト部を介して当該ICカード1へ電源電力(電圧)およびクロックパルスを供給する。
次に、ICカード1とICカード処理装置2との通信処理について説明する。
ICカード処理装置2とICカード1とは、コマンドとレスポンスとの送受信により通信を行う。たとえば、ICカード処理装置2は、ICカード1へ処理を要求するコマンドを送信する。コマンドを受信したICカード1は、当該コマンドで要求される処理を実行し、その処理結果をICカード処理装置2へレスポンスとして送信する。このような通信プロトコルで送受信するデータ(コマンドおよびレスポンス)は、予め定められているフォーマットで構成される。ICカード1とICカード処理装置2との通信に適用される通信プロトコルには、たとえば、ISO/IEC14443で規定されているものがある。ISO/IEC14443では、通信仕様だけでなく、コマンドおよびレスポンスのフォーマットなども規定されている。
たとえば、非接触式のICカード1は、ICカード処理装置2が放射する電波による通信範囲内(動作磁界領域)に進入した場合、所定時間(例えば、5ms)以内に活性化し、待機(Idle)状態となる。ICカード処理装置2は、搬送波(13.56MHz)に対して10%程度の振幅変調をかけたデータ(コマンド)をICカード1へ伝送する。ICカード処理装置2は、所定のフォーマットからなるデータとしてのコマンドをNRZ符号化してICカード1に送信する。ICカード1は、ICカード処理装置2から受信したコマンドに対するレスポンスとして、搬送波の1/16に相当する副搬送波(847.5KHz)を用いて位相変調およびNRZ符号化したデータ(処理結果などを示すデータ)を送信する。
ICカード1との通信を開始する場合、ICカード処理装置2は、初期応答要求(REQ:REQUEST Command)、または、ウェイクアップ要求(WUP:WAKE UP command)を送信する。なお、REQコマンドおよびWUPコマンドは、ICカード処理装置2の動作磁界領域(通信範囲)内に通信可能なICカードが存在するか否かを検出するために使用されるコマンドである。ICカード処理装置2の動作磁界領域(通信範囲)で活性化しているICカード1は、上記REQコマンドあるいはWUPコマンドを受信する。上記REQコマンドあるいはWUPコマンドを正常に受信すると、ICカード1は、初期応答要求あるいはウェイクアップ要求に対するレスポンス(ATQ:ANSWER TO REQUEST command)をICカード処理装置2に送信する。
ICカード1から初期応答のレスポンスを受信したICカード処理装置2は、通信相手としてのICカード1を選択する選択要求(ATTRIBコマンド)を送信する。通信相手に指定されたICカード1は、ICカード処理装置2からのATTRIBコマンドを受信し、レスポンス(ANSWER TO ATTRIB)をICカード処理装置2へ送信する。これらの初期化および衝突回避などの処理(一連の通信処理)によりICカード処理装置2とICカード1とは、1対1での通信が可能な状態となる。
たとえば、ISO/IEC14443では、ICカード処理装置2と非接触式ICカードとの通信プロトコルとして、半2重ブロック通信プロトコル(所謂、T=CLプロトコル)が定義されている。半2重ブロック通信プロトコル(所謂、T=CLプロトコル)では、Iブロック(I−block)、Rブロック(R−block)、およびSブロック(S−block)の3種類のブロックが存在する。コマンド及びレスポンスは、通常、Iブロックを用いて送受信される。すなわち、ISO/IEC14443の通信プロトコルでは、1対1通信が可能となったICカード処理装置2と非接触式ICカードとは、通常、半2重ブロック通信プロトコルのIブロックによりコマンドおよびレスポンスの交換(送受信)を行う。
ここで、ICカード1の動作条件について説明する。
ICカード1は、誤動作およびデータの改ざん等を防止(セキュリティ保護)するため、複数種類のセキュリティセンサ(電力センサ19、周波数センサ20、温度センサ21)が設けられている。たとえば、ICカード1は、ICカード処理装置2から供給される電力を電力センサ19で検知する。ICカード1は、電力センサ19が検知する電源電力が所定の動作条件を満たして無ければ、動作しないようになっている。また、ICカード1は、ICカード処理装置2から供給される動作周波数を周波数センサ20で検知する。ICカード1は、周波数センサ20が検知する動作周波数が所定の動作条件を満たして無ければ、動作しないようになっている。また、ICカード1は、カード内の温度を温度センサ21により検知する。ICカード1は、温度センサ21が検知する温度が所定の動作条件を満たして無ければ、動作しないようになっている。
ICカード1における動作条件は、予め設定される。たとえば、正常な動作が可能な電力レベルの範囲(許容電圧範囲)は、ICカード1内のLSI(ICチップ)が確実に正常動作する電源電圧の範囲を想定して予め規定される。許容電圧範囲は、正常な動作が保証される電源電圧の値である。このため、ICカード1は、動作電圧(電源電圧)が許容電圧の範囲外であっても動作する場合がある。許容電圧の範囲外でICカード1が動作する場合、電力センサ19は、電源電圧が所定の許容電圧の範囲外であることを検知する。電源電圧が所定の許容電圧の範囲外であることを検知した場合、CPU11は、ソフトウエアを実行することにより割り込み処理などによってICカード1の動作を停止させる。
電力センサ19は、ICカード1の動作電力を検知するセンサ回路である。本実施例では、電力センサ19は、電源部16で生成される電源電圧(或はICカード処理装置2から供給される電源電圧)の値を計測するセンサ回路であるものとする。この場合、電力センサ19は、電源部16から各部へ供給している電源電圧の値をCPU11へ出力する。CPU11は、電力センサ19が検知した電源電圧の値を、所定の許容電圧範囲の下限値、基準電圧値および許容電圧範囲の上限値と比較する。これにより、CPU11は、電源電圧値が、許容電圧範囲の下限値から基準電圧値までの値であるか、基準電圧値から許容電圧範囲の上限値までの値であるか、許容電圧範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容電圧範囲の上限値よりも大きい値であるかを判断する。このような判断により、CPU11は、たとえば、後述するような周波数センサ20による検知結果の通知が可能となる。
また、電力センサ19は、電源部16で生成される電源電圧(或はICカード処理装置2から供給される電圧)の値が、所定の許容電圧範囲内で基準値よりも小さい値か、所定の許容電圧範囲内で基準電圧値よりも大きい値か、許容電圧範囲の下限値よりも小さい値か、許容電圧範囲の上限値よりも大きい値かを検知するセンサ回路であっても良い。この場合、電力センサ19は、電源部16から各部へ供給される電源電圧値が、許容電圧範囲の下限値から基準電圧値までの値であるか、基準電圧値から許容電圧範囲の上限値までの値であるか、許容電圧範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容電圧範囲の上限値よりも大きい値であるか、を示す検知信号を出力する。このような電力センサ19からの検知信号に基づいて、CPU11は、たとえば、後述するような電力センサ19による検知結果の通知が可能となる。
なお、電力センサ19が計測可能な電圧値の下限値V2minは、少なくとも許容電圧範囲の下限値V1minよりも小さい値(V1min>V2min)であり、電力センサ19が計測可能な電圧値の上限値V2maxは、少なくとも許容電圧範囲の上限値V1maxよりも大きい値(V1max<V2max)であることが必要である。ただし、電力センサ19が計測可能な電圧値の下限値V2minは、ICカード1が動作可能な電源電圧の下限値V3minよりも小さい値である必要はなく、電力センサ19が計測可能な電圧値の上限値V2maxは、ICカード1が動作可能な電源電圧の上限値V3maxよりも大きき値である必要はない。
ICカード1における動作条件としては、正常な動作が可能な周波数の範囲として許容周波数範囲が予め規定される。動作周波数に対する許容周波数範囲は、ICカード1内のLSI(ICチップ)が確実に正常動作する周波数の範囲を想定して規定される。ただし、許容周波数範囲は、正常な動作を保証するものであり、実際には動作周波数が許容周波数範囲外であっても、ICカード1は、動作する場合がある。すなわち、許容周波数範囲外でICカード1が動作する場合、周波数センサ20は、動作周波数が許容周波数範囲外であることを検知する。周波数センサ20により動作周波数が許容周波数範囲外であることが検知されると、CPU11は、ソフトウエアを実行することにより割り込み処理などによってICカード1の動作を停止させる。
たとえば、ISO/IEC14443では、非接触式ICカードが正常に動作する周波数範囲(リーダライタが放射する搬送波の周波数範囲)が13.56MHz±7KHzに規定されている。つまり、ICカード処理装置2がICカード1に供給すべき搬送波の基準周波数(13.56MHz)に対して−7kHz〜7kHzのマージンが許容されている。従って、ISO/IEC14443に準拠する非接触式ICカードは、動作周波数(リーダライタから供給される搬送波)が13.56MHz±7KHzの範囲外であれば、動作を停止する。
周波数センサ20は、動作周波数を検知するセンサ回路である。たとえば、周波数センサ20は、動作周波数の値を計測するセンサ回路であるものとする。この場合、周波数センサ20は、動作周波数の値をCPU11へ出力する。CPU11は、周波数センサ20が検知した動作周波数の値を、許容周波数範囲の下限値、基準周波数および許容周波数範囲の上限値と比較する。これにより、CPU11は、動作周波数が、許容周波数範囲の下限値から基準周波数までの値であるか、基準周波数から許容周波数範囲の上限値までの値であるか、許容周波数範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容周波数範囲の下限値よりも大きい値であるかを判断する。このような判断により、CPU11は、たとえば、後述するような周波数センサ20による検知結果の通知が可能となる。
また、周波数センサ20は、動作周波数が、許容周波数範囲の下限値から基準周波数までの値であるか、基準周波数から許容周波数範囲の上限値までの値であるか、許容周波数範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容周波数範囲の下限値よりも大きい値であるかを検知するセンサ回路であっても良い。この場合、周波数センサ20は、動作周波数が、許容周波数範囲の下限値から基準周波数までの値であるか、基準周波数から許容周波数範囲の上限値までの値であるか、許容周波数範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容周波数範囲の下限値よりも大きい値であるかを示す検知信号をCPU11へ出力する。このような周波数センサ20からの検知信号に基づいて、CPU11は、たとえば、後述するような周波数センサ20による検知結果の通知が可能となる。
なお、周波数センサ20が計測可能な動作周波数の下限値f2minは、少なくとも許容周波数範囲の下限値f1minよりも小さい値(f1min>f2min)であり、周波数センサ20が計測可能な動作周波数の上限値f2maxは、少なくとも許容周波数範囲の上限値f1maxよりも大きい値(f1max<f2max)であることが必要である。ただし、周波数センサ20が計測可能な動作周波数の下限値f2minは、ICカード1が動作可能な動作周波数の下限値f3minよりも小さい値である必要はなく、周波数センサ20が計測可能な動作周波数の上限値f2maxは、ICカード1が動作可能な動作周波数の上限値f3maxよりも大きき値である必要はない。
ICカード1における動作条件としては、正常動作が可能な温度の範囲としての許容温度範囲が予め規定される。許容温度範囲は、ICカード1内のLSI(ICチップ)が確実に正常動作する温度の範囲を想定して規定される。ただし、許容温度範囲は、正常な動作を保証する温度であり、実際には温度が動作温度範囲外であっても、ICカード1は、動作する場合がある。すなわち、許容温度範囲外の温度でICカードが動作する場合、温度センサ21は、温度が許容温度範囲外であることを検知する。温度センサ21により温度が許容温度範囲外であることを検知した場合、CPU11は、ソフトウエアを実行することにより、割り込み処理などによってICカード1の動作を停止させる。たとえば、ISO/IEC14443では、ICカードの正常な動作が保証される温度範囲が−5℃〜85℃という規定がある。従って、ISO/IEC14443に準拠するICカードは、温度が−5℃〜85℃の範囲外であれば、動作を停止する。
温度センサ21は、ICカード1内の温度を検知するセンサ回路である。温度センサ21は、温度の値を計測するセンサ回路であるものとする。この場合、温度センサ21は、検知した温度の値をCPU11へ出力する。CPU11は、温度センサ21が検知した温度の値を、許容温度範囲の下限値、基準温度および許容温度範囲の上限値と比較する。これにより、CPU11は、当該ICカード1内の温度が、許容温度範囲の下限値から基準温度までの値であるか、基準温度から許容温度範囲の上限値までの値であるか、許容温度範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容温度範囲の下限値よりも大きい値であるかを判断する。このような判断により、CPU11は、たとえば、後述するような温度センサ21による検知結果の通知が可能となる。
また、温度センサ21は、許容温度範囲の下限値から基準温度までの値であるか、基準温度から許容温度範囲の上限値までの値であるか、許容温度範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容温度範囲の下限値よりも大きい値であるかを検知するセンサ回路であっても良い。この場合、温度センサ21は、温度が、基準温度から許容温度範囲の上限値までの値であるか、許容温度範囲の下限値よりも小さい値であるか、許容温度範囲の下限値よりも大きい値であるかを示す検知信号を出力する。このような温度センサ21からの検知信号に基づいて、CPU11は、たとえば、後述するような温度センサ21による検知結果の通知が可能となる。
なお、温度センサ21が計測可能な温度の下限値T2minは、少なくとも許容温度範囲の下限値T1minよりも小さい値(T1min>T2min)であり、温度センサ21が計測可能な温度の上限値T2maxは、少なくとも許容温度範囲の上限値T1maxよりも大きい値(T1max<T2max)であることが必要である。ただし、温度センサ21が計測可能な温度の下限値T2minは、ICカード1が動作可能な温度の下限値T3minよりも小さい値である必要はなく、温度センサ21が計測可能な温度の上限値T2maxは、ICカード1が動作可能な温度の上限値T3maxよりも大きき値である必要はない。
次に、ICカード処理装置2とICカード1とが送受信するデータのフォーマットについて説明する。
図3は、送受信するデータ(コマンドおよびレスポンス)のフォーマット例を示す図である。図3は、たとえば、ISO/IEC14443で規定されるフォーマットである。なお、図3に示すようなフォーマットは、ブロック形式のメッセージであり、ブロック伝送フォーマットとも称する。
図3に示すフォーマットは、プロローグフィールド、情報フィールド(INF)、エピローグフィールド(EDC)から構成される。たとえば、プロローグフィールドおよびエピローグフィールドは、必須の項目である。情報フィールドは、オプションの項目である。図3に示すフォーマットにおけるFSDあるいはFSCは、フレーム長である。FSDは、ICカード処理装置2におけるデータのフレーム長(Frame Size for proximity coupling Device)であり、FSCは、ICカード1におけるデータのフレーム長(Frame Size for proximity Card)である。
プロローグフィールドは、PCB(プロトコル制御バイト)、CID(カード識別子バイト)、およびNAD(ノードアドレスバイト)の3バイトで構成される。PCB(プロトコル制御バイト)のブロックは、たとえば、データ伝送の制御に必要な情報を格納するために用いられる。CID(カード識別子バイト)のブロックは、たとえば、ICカードを識別するための情報を格納するために用いられる。NAD(ノードアドレスバイト)のブロックは、たておば、異なる論理接続を行うための情報を格納するために用いられる。ただし、CIDブロックおよびNADブロックは、オプション扱いである。エピローグフィールドは、2バイトで構成される。エピローグフィールドには、プロローグフィールドおよび情報フィールドに対するエラー検出符号が格納される。
次に、上述したフォーマットで構成される伝送データにおいて各セキュリティセンサ(電力センサ19、周波数センサ20、及び温度センサ21)による検知結果を提示する方法について説明する。
本ICカード1では、図3に示すフォーマットのCIDブロックもしくはSブロックに各セキュリティセンサ(電力センサ19、周波数センサ20、及び温度センサ21)による検知結果を付加する(埋め込む)。
なお、Sブロックとは、非接触ICカードを非活性化するコマンド(DESELECTコマンド)、あるいは、ICカードが応答を開始するまでの最大待ち時間を延長するコマンド(WTX延長時間要求)などに用いられるフォーマットである。図3に示す伝送フォーマットにおけるPCB部がSブロック形式となる。たとえば、非接触ICカードが受信したコマンドの処理に規定の最大待ち時間(FWT:frame waiting time)を超える時間が必要な場合、非接触ICカードは、S(WTX)要求を用いて最大待ち時間を延長する。
最大待ち時間(FWT)は、図4に示すように、ICカード処理装置2が送信するフレーム(コマンド)の終了時点から非接触ICカードがレスポンスの送信を開始するまでに要する時間である。また、最大待ち時間は、基準となるFWTの倍数で延長できる。WTXM(Waiting Time eXtension Multiplier)では、最大待ち時間の延長として、基準のFWTに対する倍数を指定する。たとえば、WTXMは、1〜59までの値をもつ。ここで、FWTは、非接触ICカードの初期応答要求(REQB)に対するレスポンス(ATQB)におけるプロトコル情報フィールドのFWIによって規定される。これを受信したリーダライタは、以下の式(1)によってFWTを計算する。
FWT=(256×16/fc)×2FWT…(1)。
以下、図3に示すフォーマットのCIDブロックにおいて各セキュリティセンサによる検知結果を付加する形態について説明する。
ISO/IEC14443の規定では、CIDブロックは、b1〜b8の8ビットからなる1バイトで構成される。図5は、CIDブロックにおける各ビットの構成(定義)を示す図である。図5に示すように、CIDブロックにおいて、b1〜b4の4ビットには、当該ICカードを識別するためのカード識別子(CID)が格納される。CIDブロックにおけるb1〜b4の4ビットに対する意味づけは、ISO/IEC14443で規定されているものと同様である。
図5に示すCIDブロックにおいて、b5及びb6には、提示するセキュリティセンサの検知内容(検知項目)を示す情報を格納する。図5に示すCIDブロックにおいて、b7及びb8には、b5及びb6で定義される情報(どのセンサによる検知結果であるかを示す情報)として、b5及びb6で指定されるセンサの検知結果を示す情報が格納される。言い換えると、b5及びb6は、b7及びb8が示す情報の意味を定義するものであり、b7及びb8は、b5及びb6で定義された情報を格納するものである。なお、ISO/IEC14443においては、CIDブロックにおけるb5及びb6は、特定の用途が規定されておらず、b7及びb8は、固定的に電力レベルが異常か否かを示す情報として規定されている。
図6は、レスポンスのCIDブロックにおけるb5及びb6が示す情報の例を示す図である。
図6に示す例において、b5及びb6は、b7及びb8がセキュリティセンサによる検知結果として、どのような情報を示すかを定義づける。すなわち、図6は、b5及びb6によってb7及びb8が示す情報を定義づけた例を示す図である。
図6に示す例では、(b5、b6)が(0、0)である場合、b7及びb8は、電力レベルの検知結果を示す情報となる。(b5、b6)が(0、1)である場合、b7及びb8は、動作周波数の検知結果を示す情報となる。(b5、b6)が(1、0)である場合、b7及びb8は、温度の検知結果を示す情報となる。(b5、b6)が(1、1)である場合、b7及びb8は、電力レベル、動作周波数及び温度の検知結果を示す情報となる。なお、(b5、b6)が(1、1)である場合、電力レベル、動作周波数及び温度の検知結果の通知が無しである旨を示すものとしても良い。
本ICカード1は、セキュリティセンサとして、電源電力(電源電圧)を検知する電力センサ19、動作周波数を検知する周波数センサ20およびICカード内の温度を検知する温度センサ21を有している。このため、b5及びb6は、b7及びb8が3種類のセンサによる検知結果を選択的あるいは統括的に提示するように定義する。ただし、b5及びb6の定義づけは、図6に示す例に限定されるものではなく、ICカードの運用形態に応じて適宜定義することが可能である。なお、b7及びb8で表現しきれない情報は、情報フィールドで示すようにしても良い。
図6に示すb5及びb6の定義づけによれば、たとえば、電力レベル(電力センサ19による検知結果)をICカード処理装置2に通知する場合、ICカード1は、レスポンスにおけるCIDブロックの(b5、b6)を(0、0)にセットし、b7及びb8に電力センサ19による検知結果を示す情報を格納する。
また、動作周波数(周波数センサ20による検知結果)をICカード処理装置2に通知する場合、ICカード1は、レスポンスにおけるCIDブロックの(b5、b6)を(0、1)にセットし、b7及びb8に周波数センサ20による検知結果を示す情報を格納する。
また、温度(温度センサ21による検知結果)をICカード処理装置2に通知する場合、ICカード1は、レスポンスにおけるCIDブロックの(b5、b6)を(1、0)にセットし、b7及びb8に温度センサ21による検知結果を示す情報を格納する。
また、複数のセキュリティセンサによる検知結果を総合した情報(各センサ19、20、21による検知結果を組合せた情報)をICカード処理装置2に通知する場合、ICカード1は、レスポンスにおけるCIDブロックの(b5、b6)を(1、1)とし、b7及びb8に各セキュリティセンサによる検知結果を統括した情報を格納する。
次に、電力レベル(電力センサ19による検知結果)の提示について説明する。
図7は、ICカードにおける電力レベル(電力センサ19による検知結果)をCIDブロックのb7及びb8で表現した例を示す図である。
図7に示す例では、(b7、b8)が(0、0)である場合、b7及びb8は、電力センサ19が検知した電源電圧の値が、許容電圧の下限値から基準電圧値までの範囲であることを示す。図7に示す例では、(b7、b8)が(0、1)である場合、b7及びb8は、電力センサ19が検知した電源電圧の値が基準電圧値から許容電圧の上限値までの範囲であることを示す。また、図7に示す例では、(b7、b8)が(1、0)である場合、b7及びb8は、電力レベル(電源電圧値)が許容電圧の下限値よりも小さいことを示す。また、図7に示す例では、(b7、b8)が(1、1)である場合、b7及びb8は、電力レベル(電源電圧値)が許容電圧の上限値よりも大きいことを示す。
図7に示すような設定(定義)によれば、ICカード1からICカード処理装置2へ伝送するデータのCIDブロックにおいて、ICカード内の電源電圧が、「許容電圧の下限値から基準電圧値の範囲」、「基準電圧値から許容電圧の上限値の範囲」、「許容電圧の下限値よりも小さい」、あるいは、「許容電圧の上限値よりも大きい」の何れであるかを示すことが可能となる。
なお、電源電圧値がICカードが動作ができないレベルである場合、ICカード1は、ICカード処理装置2へのレスポンスの伝送自体が不能となる。このため、図7に示す例における(b7、b8)が(1、0)である場合、b7及びb8は、電源電圧値が、許容電圧の下限値よりも小さく、かつ、実際の動作可能電圧値よりも大きいことを示す。また、図7に示す例において(b7、b8)が(1、1)である場合、b7及びb8は、電源電圧値が、許容電圧の上限値よりも大きく、かつ、実際の動作可能な電圧値よりも小さいことを示す。
このようなICカード1における電源電圧値の情報を受信した場合、ICカード処理装置2は、ICカード1内の電源電圧値に応じてICカードに供給する電力を補正することが可能となる。たとえば、ICカード1における実際の電源電圧値が基準電圧値よりも小さい場合、ICカード処理装置2は、ICカード1内における電源電圧値が大きくなるようにICカードに供給する電力を制御することが可能である。また、ICカード1内における電源電圧値が基準電圧値よりも大きい場合、ICカード処理装置2は、ICカード1内における電源電圧値が小さくなるように、ICカード1に供給する電力を制御することが可能である。
また、図7は、CIDブロックのb7及びb8で電力レベルの検知結果を表現する場合(図6に示す例では、b5及びb6が(0、0)である場合)、b7及びb8で表現する情報の一例(b7及びb8に対する定義づけの一例)を示すものである。b7及びb8は、図7に示す例に限定されるものではなく、運用形態などに応じて適宜定義づけできる。たとえば、(b7、b8)が(0、0)である場合、電力レベルの検知に未対応であることを示し、(0、1)である場合、電力レベルが許容範囲内であることを示し、(1、0)である場合、電力レベルが許容範囲の下限値よりも小さいことを示し、(1、1)である場合、電力レベルが許容範囲の上限値よりも大きいことを示すようにしても良い。
次に、動作周波数(周波数センサ20による検知結果)の提示について説明する。
図8は、b7及びb8による動作周波数(周波数センサ20による検知結果)の表現例を示す図である。
図8に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(0、0)である場合、b7及びb8は、周波数センサ20が検知した動作周波数が、許容周波数の下限値から基準周波数までの範囲であることを示す。たとえば、許容周波数の下限値が13.56MHz−7KHzであり、基準周波数が13.56MHzである場合、周波数センサ20が検知した動作周波数が13.56MHz−7KHz〜13.56MHzであれば、ICカード1は、(b7、b8)を(0、0)とする。
また、図8に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(0、1)である場合、b7及びb8は、周波数センサ20が検知した動作周波数が基準周波数から許容周波数の上限値までの範囲であることを示す。たとえば、基準周波数が13.56MHzであり、かつ、許容周波数の下限値が13.56MHz+7KHzである場合、周波数センサ20が検知した動作周波数が13.56MHz〜13.56MHz+7KHzであれば、ICカード1は、(b7、b8)を(0、1)とする。
また、図8に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(1、0)である場合、b7及びb8は、周波数センサ20が検知した動作周波数が許容周波数の下限値よりも小さいことを示す。ただし、動作周波数が許容周波数の下限値より小さくても動作可能な周波数であれば、ICカード1は動作する。言い換えると、実際の動作周波数が動作可能な周波数の下限値よりも小さい場合、ICカード1は動作しない(データの伝送ができない)。従って、CIDブロックの(b7、b8)が(1、0)である場合、b7及びb8は、周波数センサ20が検知した動作周波数が許容周波数の下限値よりも小さく、かつ、動作可能な周波数の下限値よりも大きいことを示す。
また、図8に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(1、1)である場合、b7及びb8は、周波数センサ20が検知した動作周波数が許容周波数の上限値よりも大きいことを示す。なお、動作周波数が許容周波数の上限値より大きくても動作可能な周波数であれば、ICカード1は動作する。言い換えると、実際の動作周波数が動作可能な周波数の上限値よりも大きい場合、ICカード1は動作しない(データの伝送ができない)。従って、(b7、b8)が(1、1)である場合、b7及びb8は、周波数センサ20が検知した動作周波数が許容周波数の上限値よりも大きく、かつ、動作可能な周波数の上限値よりも小さいことを示す。
図8に示すような設定(定義)によれば、ICカード1からICカード処理装置2へ伝送するデータのCIDブロックにおいて、ICカード内の動作周波数が、「許容周波数の下限値から基準周波数までの範囲」、「基準周波数から許容周波数の上限値までの範囲」、「許容周波数の下限値よりも小さい」、あるいは、「許容周波数の上限値よりも大きい」の何れであるかを示すことが可能となる。
ICカード1から図8に示すような情報を受信した場合、ICカード処理装置2は、ICカード1内の動作周波数に応じてICカードに供給する動作周波数(搬送波の周波数)を補正することが可能となる。たとえば、動作周波数が基準周波数よりも小さい場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給する動作周波数(搬送波の周波数)を大きくする制御ができる。また、動作周波数が基準周波数よりも大きい場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給する動作周波数(搬送波の周波数)を小さくする制御ができる。また、動作周波数が許容周波数の下限値よりも小さい場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給する動作周波数(搬送波の周波数)を大きくすることにより、ICカード1を正常動作可能な状態にすることができる。また、動作周波数が許容周波数の上限値よりも大きい場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給する動作周波数(搬送波の周波数)を小さくすることにより、ICカード1を正常動作可能な状態にすることができる。
なお、図8は、b7及びb8が動作周波数の検知結果を示す情報である場合(図6に示す例で、(b5、b6)が(0、1)である場合)に、b7及びb8が表現する情報の一例(b7及びb8に対する定義づけの一例)である。b7及びb8は、図8に示す例に限定されるものではなく、運用形態などに応じて適宜定義づけできる。たとえば、(b7、b8)が(0、0)である場合、動作周波数の検知に未対応であることを示し、(0、1)である場合、動作周波数が許容周波数の範囲内であることを示し、(1、0)である場合、動作周波数が許容周波数の下限値(たとえば、13.56MHz−7KHz)よりも小さいことを示し、(1、1)である場合、動作周波数が許容周波数の上限値(たとえば、13.56MHz+7KHz)よりも大きいことを示すようにしても良い。
次に、動作温度(温度センサ21による検知結果)の提示について説明する。
図9は、b7及びb8による温度(温度センサ21による検知結果)の表現例を示す図である。
図9に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(0、0)である場合、b7及びb8は、温度センサ21が検知した温度が、許容温度の下限値から基準温度(常温)までの範囲であることを示す。たとえば、許容温度の下限値が−5℃であり、基準温度(常温)が23度である場合、温度センサ21が検知した温度が−5℃〜23℃であれば、ICカード1は、(b7、b8)を(0、0)とする。
また、図9に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(0、1)である場合、b7及びb8は、温度センサ21が検知した温度が基準温度から許容温度の上限値までの範囲であることを示す。たとえば、基準温度が23℃であり、かつ、許容温度の下限値が85℃である場合、動作周波数が23℃〜85℃であれば、ICカード1は、(b7、b8)を(0、1)とする。
また、図9に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(1、0)である場合、b7及びb8は、温度センサ21が検知した温度が許容温度の下限値よりも小さいことを示す。なお、温度が許容温度の下限値よりも小さくても動作可能な温度であれば、ICカード1は動作する。言い換えると、温度が動作可能な温度の下限値(許容温度の下限値よりも小さい値)よりも小さい場合、ICカード1は動作しない(データの伝送ができない)。従って、(b7、b8)が(1、0)である場合、b7及びb8は、温度センサ21が検知した温度が許容温度の下限値よりも小さく、かつ、動作可能な温度の下限値よりも大きいことを示す。
また、図9に示す例において、CIDブロックの(b7、b8)が(1、1)である場合、b7及びb8は、温度センサ21が検知した温度が許容温度の上限値よりも大きいことを示す。なお、ICカード1内の温度が許容温度の上限値より大きくても動作可能な温度であれば、ICカード1は、動作する。つまり、ICカード1内の温度が動作可能な温度の上限値よりも大きい場合、ICカード1は動作しない(データの伝送ができない)。従って、(b7、b8)が(1、1)である場合、b7及びb8は、温度センサ21が検知した温度が許容温度の上限値よりも大きく、かつ、動作可能な温度の上限値よりも小さいことを示す。
図9に示すような設定(定義)によれば、ICカード1からICカード処理装置2へ伝送するデータのCIDブロックにおいて、ICカード1内の温度が、「許容温度の下限値から基準温度までの範囲」、「基準温度から許容温度の上限値までの範囲」、「許容温度の下限値よりも小さい」、あるいは、「許容温度の上限値よりも大きい」の何れであるかを示すことが可能となる。
図9に示すような情報を受信した場合、ICカード処理装置2は、ICカード1内の温度に応じてICカード1に対する制御を行うことが可能となる。たとえば、ICカード処理装置2がICカード1に供給する電力量(電圧あるいは周波数)が大きければ、ICカード1内の温度が高くなりやすいと考えられる。このため、温度が基準温度よりも高い場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給する電力量を小さくするような制御が可能である。また、温度が基準温度よりも低い場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給する電力量を大きくするような制御が可能である。
なお、図9は、b7及びb8が温度の検知結果を示す場合(図6に示す例で、(b5、b6)が(1、0)である場合)、b7及びb8が表示する情報の一例(b7及びb8に対する定義づけの一例)である。b7及びb8は、図9に示す例に限定されるものではなく、運用形態などに応じて適宜定義づけできる。たとえば、(b7、b8)が(0、0)である場合、温度の検知に未対応であることを示し、(0、1)である場合、温度が許容温度の範囲内であることを示し、(1、0)である場合、温度が許容温度の下限値(たとえば、−5℃)よりも小さいことを示し、(1、1)である場合、温度が許容温度の上限値(たとえば、85℃)よりも大きいことを示すようにしても良い。
また、図6に示す例において(b5、b6)を(1、1)とした場合、ICカード1は、電力レベル、動作周波数および温度の検知結果を通知する。電力レベル、動作周波数および温度の検知結果は、CIDブロックのb7及びb8だけでは詳細に表現することができない。このため、電力レベル、動作周波数および温度の検知結果を通知する場合、ICカード1は、伝送フォーマットにおける情報フィールド(INF)に各センサの検知結果を示す情報を格納するようにしても良い。この場合、b7及びb8には、各セキュリティセンサの検知結果が異常であるか否かを示す情報を格納するようにしても良い。
次に、各セキュリティセンサによる検知結果をICカード処理装置2へ通知するタイミングについて説明する。
上述したようなセキュリティセンサの検知結果は、ICカード1からICカード処理装置2へ伝送する所定フォーマットのデータにおける制御データ部分(CIDブロック)に付加する(埋め込む)。ICカード1は、たとえば、ICカード処理装置2からの要求がない場合であっても、セキュリティセンサによる検知結果をICカード処理装置2へ通知するようにしても良いし、ICカード処理装置2から要求があった場合に、セキュリティセンサの検知結果をICカード処理装置2へ通知するようにしても良い。
すなわち、ICカード処理装置2は、ICカード1に送信するコマンドにおいてセキュリティセンサの検知結果の通知をICカード1に要求するようにしても良い。ICカード処理装置2は、ICカード1へ伝送するデータ(コマンド)のCIDブロックにおいて、セキュリティセンサの検知結果を要求することが可能である。さらに、ICカード処理装置2は、コマンドのCIDブロックにおいて、どのセキュリティセンサによる検知結果を要求するかを指定できるようにしても良い。
図10及び図11は、コマンドのCIDブロックにおいて、ICカードに対して通知を要求する情報(セキュリティセンサの検知結果)の設定例を示す図である。図10及び図11は、通知すべきセキュリティセンサの検知結果を、コマンドのCIDブロックにおけるb5及びb6で指定する例である。言い換えると、図10及び図11は、コマンドのCIDブロックにおけるb5及びb6バイトに対する定義づけの例である。
図10に示す例では、各セキュリティセンサによる検知結果の通知が不要である場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(0、0)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)が(0、0)である場合、ICカード1は、各セキュリティセンサによる検知結果の通知が不要であると判断する。
図10に示す例では、電力センサ19による検知結果を要求する場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(0、1)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドにおけるCIDブロックの(b6、b5)が(0、1)である場合、ICカード1は、電力センサ19による検知結果をICカード処理装置2へ通知する必要があると判断する。
図10に示す例では、周波数センサ20による検知結果を要求する場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(1、0)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)が(1、0)である場合、ICカード1は、周波数センサ20による検知結果をICカード処理装置2へ通知する必要があると判断する。
図10に示す例では、温度センサ21による検知結果を要求する場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(1、0)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)が(1、1)である場合、ICカード1は、温度センサ21による検知結果の通知が必要であると判断する。
また、図11に示す例では、各セキュリティセンサによる検知結果の通知が不要である場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(0、0)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)が(0、0)である場合、ICカード1は、各セキュリティセンサによる検知結果の通知が不要であると判断する。
図11に示す例では、電力センサ19による検知結果を要求する場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(0、1)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドにおけるCIDブロックの(b6、b5)が(0、1)である場合、ICカード1は、電力センサ19による検知結果をICカード処理装置2へ通知する必要があると判断する。
図11に示す例では、周波数センサ20および温度センサ21による検知結果をICカード1に要求する場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ供給するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(1、0)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)が(1、0)である場合、ICカード1は、周波数センサ20および温度センサ21による検知結果をICカード処理装置2へ通知する必要があると判断する。たとえば、周波数センサ20および温度センサ21による検知結果は、2バイトの情報(例えば、CIDブロックのb7及びb8で示す情報)として、「周波数及び温度が共に正常」、「周波数が異常」、「温度が異常」、あるいは「周波数及び温度が共に異常」の何れを示す応答が可能である。
また、図11に示す例では、電力センサ19、周波数センサ20及び温度センサ21による検知結果を複数のレスポンスで順番(周期的)に通知すべきことをICカード1に要求する場合、ICカード処理装置2は、ICカード1へ送信するコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)を(1、0)にセットする。ICカード処理装置2からのコマンドのCIDブロックにおける(b6、b5)が(1、1)である場合、ICカード1は、電力センサ19、周波数センサ20および温度センサ21による検知結果を順番(周期的)に通知すると判断する。この場合、ICカード1は、ICカード処理装置2へデータを送信するごとに、電力センサ19、周波数センサ20および温度センサ21の何れかの検知結果を順番に通知する。
なお、ICカード1は、周期的に複数のセキュリティセンサによる検知結果を通知する場合、各レスポンスで各セキュリティセンサの検知結果を順番に通知するようにしても良いし、1回おきのレスポンスで各セキュリティセンサの検知結果を順番に通知するようにしても良いし、2回おきのレスポンスで各セキュリティセンサの検知結果を順番に通知するものであっても良い。
上記のように、ICカード処理装置2は、コマンド中のCIDブロックにおいて、ICカードがレスポンス中のCIDブロックで提示(通知)すべき情報を指定する。これにより、ICカード処理装置2は、ICカード1における電力電圧、動作周波数および温度の状況を適宜取得することができる。この結果として、ICカード処理装置2は、ICカード1に対する効率的な制御が可能となる。
たとえば、電源電圧が不安定になりがちな環境下では、ICカード処理装置2は、ICカード1に対するコマンドにおいて電力センサ19による検知結果の提示を要求する。これにより、ICカード処理装置2では、ICカード1における電源電圧の状態を既存のレスポンスで確認できる。また、ICカード1は、電力センサ19による検知結果として基準電圧に対する実際の電源電圧のずれを提示する。これにより、ICカード処理装置2は、ICカード1における電源電圧を基準電圧に近づけるための補正制御を適宜行える。さらに、ICカード処理装置2からの補正制御によれば、ICカード1が電源電圧の異常を検知して直ちに動作停止することなく、以降の処理を続行させることが可能である。また、ICカード1が異常を検知する前に、ICカード処理装置2からの補正制御により電源電圧を基準電圧に近づけることが可能となる。なお、ICカード1における電源電圧に応じた補正制御は、リーダライタ2bに接続されたPC2aにおいて演算処理部がメモリに記憶した制御プログラムを実行することにより実現できる。
また、動作周波数が不安定になりがちな環境下では、ICカード処理装置2は、ICカード1に対するコマンドにおいて周波数センサ20による検知結果の提示を要求する。これにより、ICカード処理装置2は、ICカード1における電源電圧の状態を既存のレスポンスで確認できる。また、ICカード1は、周波数センサによる検知結果として基準周波数に対する動作周波数のずれを提示する。これにより、ICカード処理装置2は、ICカード1における動作周波数を基準周波数に近づけるための補正制御を適宜行える。さらに、ICカード処理装置2からの補正制御によれば、ICカード1が動作周波数の異常を検知して直ちに動作停止することなく、以降の処理を続行させることが可能である。また、ICカード1が周波数異常を検知する前に、ICカード処理装置2からの補正制御により動作周波数を基準周波数に近づけることが可能となる。なお、ICカード1における動作周波数に応じた補正制御は、リーダライタ2bに接続されたPC2aにおいて演算処理部がメモリに記憶した制御プログラムを実行することにより実現できる。
また、温度が不安定になりがちな環境下では、ICカード処理装置2は、ICカード1に対するコマンドにおいて温度センサ21による検知結果の提示を要求する。これにより、ICカード処理装置2は、ICカード1における電源電圧の状態を既存のレスポンスで確認できる。また、ICカード1では、温度センサ21による検知結果として基準温度に対する動作温度のずれを提示する。これにより、ICカード処理装置2は、ICカード1における動作温度を基準周波数に近づけるための補正制御を適宜行える。さらに、ICカード処理装置2からの補正制御によれば、ICカード1が温度の異常を検知して直ちに動作停止することなく、以降の処理を続行させることが可能である。また、ICカード1が温度異常を検知する前に、ICカード処理装置2からの補正制御により温度を基準温度に近づけることが可能となる。なお、このようなICカード1における温度に応じた補正制御は、リーダライタ2bに接続されたPC2aにおいて演算処理部がメモリに記憶した制御プログラムを実行することにより実現できる。
次に、上記ICカードにおける動作について説明する。
図12は、ICカードにおけるセキュリティセンサの検知結果の通知を含むコマンド処理の例を説明するためのフローチャートである。
まず、ICカード処理装置2からの電力の供給を受けて、ICカード1は、動作(コマンドに対する処理)が可能な状態となる。動作が可能な状態において、ICカード1は、インターフェース17を介してICカード処理装置2からのコマンドを受信する(ステップS11)。ICカード処理装置2からのコマンドを受信すると、ICカード1のCPU11は、セキュリティセンサ(電力センサ19、周波数センサ20及び温度センサ21)の検知結果によるセキュリティチェックを行う(ステップS12−S14)。
すなわち、ICカード1のCPU11は、電力センサ19から電源電圧の検知結果を受信する。電力センサ19から電源電圧の検知結果を受信すると、CPU11は、電源電圧が所定の許容電圧値の範囲内であるか否かを判断する(ステップS12)。また、CPU11は、周波数センサ20から動作周波数の検知結果を受信する。動作周波数の検知結果を受信すると、CPU11は、動作周波数が所定の許容周波数範囲であるか否かを判断する(ステップS13)。また、CPU11は、温度センサ21から動作温度の検知結果を受信する。動作温度の検知結果を受信すると、CPU11は、動作温度が所定の許容温度範囲内であるか否かを判断する(ステップS14)。
上記各セキュリティチェックにおいてエラーが検出されなかった場合(ステップS12、S13及びS14で、YES)、CPU11は、当該コマンドに対する処理を実行する(ステップS15)。このコマンドに対する処理が完了すると、CPU11は、当該コマンドに対する実行結果を示すデータをセットしたレスポンスを生成する(ステップS17)。
また、何れかのセキュリティチェックにおいてエラーが判断された場合(ステップS12、S13又はS14の何れかでNG)、CPU11は、当該コマンドに対する処理を中止し、エラー(エラーである旨の実行結果)を示すデータをセットしたレスポンスを生成する(ステップS15)。
受信したコマンドに対する実行結果を示すデータ(エラーを示すデータを含む)をセットしたレスポンスを生成すると、CPU11は、各セキュリティセンサ(電力センサ19、周波数センサ20、あるいは温度センサ21)による検知結果をICカード処理装置2へ通知するか否かを判断する(ステップS18−S21)。たとえば、ICカード1は、どのセキュリティセンサによる検知結果を通知すべきかを予め設定しておいても良いし、ICカード処理装置2からのコマンドにおける指定に応じて決定しても良い。
ICカード処理装置2へ通知すべきセキュリティセンサの検知結果が有る場合、CPU11は、コマンドに対する実行結果を示すデータをセットしたレスポンスに、通知すべきセキュリティセンサの検知結果を付加する(ステップS22−S25)。たとえば、セキュリティセンサの検知結果は、レスポンスのCIDブロックにおけるb5、b6、b7及びb8に格納される。コマンドの実行結果及びセキュリティセンサの検知結果をセットしたレスポンスを生成すると、CPU11は、通信制御部15及びインターフェース17を介して当該レスポンスをICカード処理装置2へ送信する(ステップS26)。
たとえば、電力センサ19による検知結果を通知すると判断した場合(ステップS18、YES)、CPU11は、コマンドの実行結果を示すデータをセットしたレスポンスのCIDブロックに電力センサ19による検知結果を示す情報を付加し(ステップS22)、当該レスポンスをICカード処理装置2へ送信する(ステップS26)。たとえば、図6及び図7に示す例を適用する場合、CPU11は、当該レスポンスのCIDブロックにおける(b5、b6)を(0、0)とし、(b7、b8)に電力センサ19による検知結果としての図7に示すように定義付けされた情報をセットする。
周波数センサ20による検知結果を通知する場合(ステップS19、YES)、CPU11は、コマンドの実行結果を示すデータをセットしたレスポンスのCIDブロックに周波数センサ20による検知結果を示す情報を付加し(ステップS23)、当該レスポンスをICカード処理装置2へ送信する(ステップS26)。たとえば、図6及び図8に示す例を適用する場合、CPU11は、当該レスポンスのCIDブロックにおける(b5、b6)を(0、1)とし、(b7、b8)に周波数センサ20による検知結果としての図8に示すように定義付けされた情報をセットする。
温度センサ21による検知結果を通知する場合(ステップS20、YES)、CPU11は、コマンドの実行結果を示すデータをセットしたレスポンスのCIDブロックに温度センサ21による検知結果を示す情報を付加し(ステップS24)、当該レスポンスをICカード処理装置2へ送信する(ステップS26)。たとえば、図6及び図9に示す例を適用する場合、CPU11は、当該レスポンスのCIDブロックにおける(b5、b6)を(1、0)とし、(b7、b8)に温度センサ21による検知結果としての図9に示すように定義付けされた情報をセットする。
電力センサ19、周波数センサ20及び温度センサ21による検知結果を通知する場合(ステップS21、YES)、CPU11は、コマンドの実行結果を示すデータをセットしたレスポンスのCIDブロック(あるいは、CIDブロックおよび情報フィールド)に電力センサ19、周波数センサ20および温度センサ21による検知結果を示す情報を付加し(ステップS25)、当該レスポンスをICカード処理装置2へ送信する(ステップS26)。
上記のように、本実施形態に係るICカード1は、ICカード処理装置2からのコマンドに対するレスポンス中のCIDブロックにおいて、各セキュリティセンサ(電力センサ、周波数センサ、あるいは温度センサ)による検知結果を示す情報(動作状態を示す情報)を付加する(埋め込む)。これにより、ICカード1は、電源電圧値、動作周波数、あるいは、当該ICカード内の温度などの動作状態をICカード処理装置2に提示(通知)できる。この結果として、ICカード処理装置2は、ICカードにおける電力電圧、動作周波数あるいは温度などの動作状態に応じた制御が可能となる。たとえば、ICカードにおける電力電圧値、動作周波数あるいは温度などに異常がある場合であっても、ICカードを直ちに動作停止状態とすることなく、ICカード処理装置2からの補正制御(たとえば、供給する電力または周波数の補正制御)によりICカードの動作を継続させるような制御を試みる運用も可能となる。
また、本実施形態に係るICカード1は、ICカード処理装置2からのコマンドに対するレスポンス中のCIDブロックにおいて、各セキュリティセンサ(電力センサ、周波数センサ、あるいは温度センサ)による検知結果を示す情報(動作状態を示す情報)として、検知した値(動作状態を示す値)が基準値よりも小さいか大きいかを示す情報を付加する(埋め込む)。これにより、ICカード1は、所定の基準値を基準として、電源電圧値、動作周波数あるいは温度などの動作状態を示す情報をICカード処理装置2に提示(通知)できる。この結果として、ICカード処理装置2は、ICカードにおける電力電圧、動作周波数あるいは温度などの動作状態に応じて、ICカードにおける電力電圧値、動作周波数あるいは温度などの動作状態を基準値に近づけるような補正制御が可能となる。
1…ICカード(携帯可能電子装置)、1a…ICチップ、C…本体、M…モジュール、2…ICカード処理装置(外部装置)、2a…制御装置(PC)、2b…リーダライタ、11…CPU(実行手段、応答手段)、12…プログラムメモリ、13…ワーキングメモリ、14…データメモリ、15…通信制御部(通信手段)、16…電源部、17…インターフェース(通信手段)、18…コプロセッサ、19…電力センサ(検知手段)、20…周波数センサ(検知手段)、21…温度センサ(検知手段)。

Claims (10)

  1. 制御データを含む所定のフォーマットで外部装置とデータ通信する通信手段と、
    当該携帯可能電子装置内の動作状態を検知する検知手段と、
    前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行する実行手段と、
    前記実行手段による前記コマンドに対する処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知手段による検知結果を示す情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する応答手段と、
    を有することを特徴とする携帯可能電子装置。
  2. 前記実行手段は、前記検知手段により検知した動作状態が正常に動作可能な許容範囲内である場合、前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行し、
    前記応答手段は、前記コマンドに対する前記実行手段による処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知手段により検知した動作状態を示す情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する、
    ことを特徴とする前記請求項1に記載の携帯可能電子装置。
  3. 前記応答手段は、前記レスポンスにおける制御データに、前記検知手段により検知した動作状態が基準値よりも大きいか小さいかを示す情報を含む情報を埋め込む、
    ことを特徴とする前記請求項2に記載の携帯可能電子装置。
  4. 前記検知手段は、当該携帯可能電子装置内における動作周波数を検知するセンサであり、
    前記実行手段は、前記検知手段により検知した動作周波数が許容周波数の範囲内である場合、前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行し、
    前記応答手段は、前記コマンドに対する前記実行手段による処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知手段が検知した動作周波数を示す情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する、
    ことを特徴とする前記請求項2に記載の携帯可能電子装置。
  5. 前記応答手段は、前記レスポンスにおける制御データに、前記検知手段により検知した動作周波数が基準周波数よりも大きいか小さいかを示す情報を含む情報を埋め込む、
    ことを特徴とする前記請求項4に記載の携帯可能電子装置。
  6. 前記検知手段は、当該携帯可能電子装置内における温度を検知するセンサであり、
    前記実行手段は、前記検知手段により検知した温度が許容温度の範囲内である場合、前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行し、
    前記応答手段は、前記コマンドに対する前記実行手段による処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知手段が検知した温度を示す情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する、
    ことを特徴とする前記請求項2に記載の携帯可能電子装置。
  7. 前記応答手段は、前記レスポンスにおける制御データに、前記検知手段により検知した温度が基準温度よりも大きいか小さいかを示す情報を含む情報を埋め込む、
    ことを特徴とする前記請求項6に記載の携帯可能電子装置。
  8. 前記検知手段は、当該携帯可能電子装置内における電源電圧を検知するセンサであり、
    前記実行手段は、前記検知手段により検知した電源電圧が許容範囲内である場合、前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行し、
    前記応答手段は、前記コマンドに対する前記実行手段による処理結果を示すレスポンスにおける制御データに、前記検知手段により検知した電源電圧が基準電圧よりも大きいか小さいかを示す情報を含む情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する、
    ことを特徴とする前記請求項2に記載の携帯可能電子装置。
  9. 制御データを含む所定のフォーマットで外部装置とデータ通信する通信手段と、当該携帯可能電子装置内の動作状態を検知する検知手段と、前記通信手段により前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行する実行手段と、前記実行手段による前記コマンドに対する処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知手段による検知結果を示す情報を埋め込んで前記外部装置へ送信する応答手段とを有するモジュールと、
    前記モジュールを有する本体と、
    を有することを特徴とするICカード。
  10. 制御データを含む所定のフォーマットで外部装置とデータ通信する携帯可能電子装置に用いられる制御方法であって、
    前記外部装置からコマンドを受信し、
    当該携帯可能電子装置内の動作状態を検知し、
    前記外部装置から受信したコマンドに対応する処理を実行し、
    前記コマンドに対する処理結果を示すレスポンスにおける制御データに前記検知した動作状態を示す情報を埋め込み、
    前記検知した動作状態を示す情報を制御データに埋め込んだ前記コマンドに対する処理結果を示すレスポンスを前記外部装置へ送信する、
    ことを特徴とする携帯可能電子装置の制御方法。
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