JP2012027354A - 感光性高分子化合物からなる光配向剤、該光配向剤を用いた液晶配向膜および該液晶配向膜を用いた液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
た光配向剤を使用することで、高温加熱処理やラビング処理が必要ない、光配向法に適した、配向の安定性の高い液晶配向膜の提供を実現した。すなわち本発明は以下のとおりである。
式(1)中、R1は水素またはメチルを示し、Lは水素、フッ素、塩素、炭素数1〜3のアルキルまたは炭素数1〜3のアルコキシを示し、R2は水素、−C≡N、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜12のアルコキシを示し、mは1〜12の整数を示す。
本発明において前記液晶配向膜は、光反応性基を有する高分子化合物(以下「感光性高分子化合物」)の少なくとも一種を用いている。本発明において、感光性高分子化合物とは、例えば、平面偏光の照射により光異性化反応、光二量化反応、および光分解反応の少なくとも1つを起こす化合物である。該感光性高分子化合物は、光照射により光異性化反応、光二量化反応を起こす化合物であるのが好ましく、光二量化反応を起こす化合物であるのが特に好ましい。該感光性高分子化合物は、重量平均分子量が1000〜500000程度のものが好ましい。単一モノマーの重合体であっても異なる2種以上のモノマーの重合体であってもよい。また、異なる2種以上のモノマーから構成されたコポリマーの場合、複数の重合性基を有するモノマーを用いてもよい。
前記感光性高分子化合物は、下記モノマー群から選ばれる1種または2種以上のモノマーから誘導される構成単位を含有するコポリマーでもよい。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、および3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキルエステル類;
ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、および2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート化合物;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、およびモノヒドロキシペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート化合物などがある。
大阪有機化学工業(株)製のビスコート#295(トリメチロ−ルプロパントリアクリレート)、同#300(ペンタエリスリトールトリアクリレート)、同#360(トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート)、および同#400(ペンタエリスリトールテトラアクリレート);
日本化薬(株)製のKAYARAD TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)、同PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート)、同DPHA{ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(主成分)の混合物}、同D−310(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)、同D−330、および同DPCA−60などがある。
添加剤としては、アクリル系、スチレン系、ポリエチレンイミン系又はウレタン系の高分子分散剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又はフッ素系の界面活性剤、シリコーン樹脂等の塗布性向上剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、オキシラン化合物、メラミン化合物又はビスアジド化合物等の熱架橋剤、有機カルボン酸等のアルカリ溶解性促進剤等がある。
好ましくは、芳香族2−ヒドロキシケトン(ベンゾフェノン)、クマリン、ケトクマリン、カルボニルビスクマリン、アセトフェノン、アントラキノン、キサントン、チオキサントン、およびアセトフェノンケタールである。
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、およびシクロヘプタンなどの脂肪族化合物;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、およびエチレングリコール等のアルコール類;
ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルおよびγ−ブチロラクトン等のエステル類;
などが挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
四塩化炭素、クロロホルム、塩化ブチル、1,1,1−トリクロロエタンおよび1,1,1−トリブロモオクタン等のポリハロゲン化アルキル;
α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等の低活性モノマー類;
を用いることができる。これらの連鎖移動剤の使用量は、連鎖移動剤の活性やモノマーの組み合わせ、溶剤や温度やその他の重合条件等により決められる。通常は使用するモノマーの全モル数に対して0.01モル%〜50モル%程度である。
島津製作所製の島津LC−9A型ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)、および昭和電工製のカラムShodex GF−7M HQ(展開溶媒はDMFあるいはTHF、標準物質は分子量既知のポリスチレン)を用いた。
以下に示す方法により確認した。
(1)目視による観察方法
クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に異方性ポリマー付基板を挟持して観察し、基板を水平面内で回転させ、明暗の状態を確認した。異方性ポリマー付基板を偏光顕微鏡観察し、配向欠陥の有無を確認した。
(2)偏光解析装置による測定
シンテック(株)製のOPTIPRO偏光解析装置を用い、異方性ポリマー付基板に波長が550nmの光を照射した。この光の入射角度をフィルム面に対して90°から減少させながらレタデーションを測定した。レタデーション(retardation;位相遅れ)はΔn×dで表される。記号Δnは光学異方性値であり、記号dは重合体フィルムの厚さである。
異方性ポリマー付き基板の異方性ポリマーの層を削りだして、その段差を微細形状測定装置(KLA TENCOR(株)製 アルファステップIQ)を用いて測定した。
ホモジニアス配向を有する異方性ポリマーについて求めたレタデーションと膜厚値から、Δn=レタデーション/膜厚として算出した。
窒素雰囲気下または大気中において、室温で500Wの超高圧水銀灯を用いて90mW/cm2(365nm)の強度の光を30秒間照射した。
4−ヒドロキシ桂皮酸エチルエステル1120mmol、水酸化ナトリウム1230mmolおよびヨウ化ナトリウム120mmolを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1000mLに加え、窒素雰囲気下60℃で撹拌した。そこへ、6−クロロヘキサノール1230mmolを滴下した。滴下後、80℃で8時間撹拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え有機層を抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去した。得られた残渣、水酸化ナトリウム1230mmolを水800mlおよびメタノール800mlの混合溶液に加え、加熱還流下3時間攪拌した。減圧下で溶剤を留去し、得られた残渣を3N塩酸へ注ぎ込み再沈殿化した。結晶をろ別し、エタノールで再結晶することにより、化合物(ex−1)840mmolを得た。
化合物(ex−1)110mmol、アクリル酸1100mmolおよびp−トルエンスルホン酸(p−TsOH)240mmolを、クロロホルム600mlに加え、Dean-Starkを用い加熱還流下脱水しながら8時間攪拌した。反応液に水を加え有機層を抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去した。得られた残渣をクロロホルムとメタノールの混合溶媒で再結晶することにより、化合物(ex−2)34mmolを得た。
化合物(ex−2)16mmol、4−メトキシフェノール16mmolおよび4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)3mmolを、ジクロロメタン50mlに加え、窒素雰囲気下で撹拌した。そこへ、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)17mmolのジクロロメタン溶液10mLを滴下した。滴下後、室温で8時間撹拌した。析出した沈殿物を濾別し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、エタノールで再結晶することにより、上記化合物(1−1)12mmolを得た。得られた化合物(1−1)の相転移温度は以下の通りである。
相転移温度:C 64 (SB 34 SA 63)N 93 I
1H−NMR(CDCl3;δppm):7.81(d,1H),7.52(d,2H),7.07(m,2H),6.92(m,4H),6.47(d,1H),6.40(dd,1H),6.12(m,1H),5.82(dd,1H),4.17(t,2H),4.00(t,2H),3.81(s,3H),1.79(m,2H),1.70(m,2H),1.54−1.44(m,4H).
相転移温度:C 82 (SB 57 SA 83)N 99 I
1H−NMR(CDCl3;δppm):7.80(d,1H),7.52(d,2H),7.05(m,2H),6.90(m,4H),6.48(d,1H),6.38(dd,1H),6.12(m,1H),5.82(dd,1H),4.17(t,2H),4.00(t,2H),3.91(t,2H),1.83−1.78(m,4H),1.73−1.69(m,2H),1.52−1.45(m,4H),1.03(t,3H).
相転移温度:C 62(SA 51)N 82 I
1H−NMR(CDCl3;δppm):7.81(d,1H),7.52(d,2H),7.07(d,2H),6.91(d,4H),6.48(d,1H)、6.10(s,1H),5.55(t,1H),4.17(t,2H),4.01(t,2H),3.82(s,3H),1.95(s,3H),1.86−1.78(m,2H),1.1.77−1.67(m,2H),1.1.57−1.43(m,4H).
化合物(1−1)のホモポリマー(1−1−9 R=メチル)を以下のようにして合成した。
化合物(1−2)のホモポリマー(1−1−9 R=プロピル)を以下のようにして合成した。
化合物(1−3)とメチルメタクリレートの共重合ポリマー(1−2−14 R=メチル)を以下のようにして合成した。
ポリマー(1−1−9 R=メチル)をシクロペンタノン:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)=7:3(重量比)に溶解して、固形分濃度5重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターで濾過することにより、光配向剤(1)を調製した。
ポリマー(1−1−9 R=メチル)をポリマー(1−1−9 R=プロピル)に置き換えた以外は、実施例7と同様の方法で光配向剤(2)を調製した。
ポリマー(1−1−9 R=メチル)をポリマー(1−2−14 R=メチル)に置き換えた以外は、実施例7と同様の方法で光配向剤(3)を調製した。
<液晶配向膜F−1の作製>
光配向剤(1)を、ガラス基板上へスピンコートにより塗布した。この時、塗布性は良好であった。この基板を80℃で3分間加熱し、溶剤を除去することで塗膜を形成した。超高圧水銀ランプより、この塗膜表面に塗布面に対して90°の方向から365nm付近の波長の直線偏光紫外線を2.0J/cm2照射することで、光配向処理した液晶配向膜F−1を得た。
液晶配向膜F−1を重ねるときは塗布面が液晶に接するようにし、直線偏光の向きが同じ向き(ほぼ平行)になるようにした。
<液晶配向膜F−2の作成>
光配向剤(1)を光配向剤(2)に置き換えた以外は、実施例10と同様の方法で液晶配向膜F−2を得た。
<液晶配向膜F−3の作成>
光配向剤(1)を光配向剤(3)に置き換えた以外は、実施例10と同様の方法で液晶配向膜F−3を得た。
<重合性液晶組成物1の調製>
化合物(M1):化合物(M2)=50:50(重量比)でこれらの化合物を混合した。この組成物をMIX1とする。このMIX1の全重量に対して、重量比0.002の非イオン性のフッ素系界面活性剤(ネオス(株)製、商品名フタージェント FTX−218)、および重量比0.06の重合開始剤irgacure907(BASF社製)を添加した。この組成物にシクロペンタノン:PGMEA=1:1(重量比)の混合溶剤を加えて、溶剤の割合が80重量%である重合性液晶組成物(1)とした。
<光学フィルムの形成>
実施例10で得られた液晶配向膜F−1に、重合性液晶組成物(1)をスピンコートにより塗布した。この基板を80℃で3分間加熱してから、室温で3分間冷却し、溶剤が除去された塗膜を紫外線により大気中で重合させて、液晶の配向状態を固定させた光学フィルムを得た。この光学フィルムを偏光顕微鏡で観察したところ、配向欠陥はなく、均一な配向を有していることが確認できた。この光学フィルムのレタデーションを測定したところ、ホモジニアス配向であった。
<光学フィルムの形成>
実施例11で得られた液晶配向膜F−2を用いた以外は、実施例14と同様の方法で光学フィルムを得た。この光学フィルムを偏光顕微鏡で観察したところ、配向欠陥はなく、均一な配向を有していることが確認できた。この光学フィルムのレタデーションを測定したところ、ホモジニアス配向であった。
<光学フィルムの形成>
実施例12で得られた液晶配向膜F−3を用いた以外は、実施例14と同様の方法で光学フィルムを得た。この光学フィルムを偏光顕微鏡で観察したところ、配向欠陥はなく均一な配向を有していた。この光学フィルムのレタデーションを測定したところ、ホモジニアス配向であった。
Claims (7)
- 請求項1に記載の式(1)で示される構成単位を有するホモポリマーを用いた、請求項1に記載の液晶配向膜用の光配向剤。
- 請求項1に記載の式(1)で示される構成単位を有するポリマーの重量平均分子量が1000〜500000である、請求項1または2のいずれか1項に記載の液晶配向膜用の光配向剤。
- 請求項1に記載の式(1)において、R1が水素またはメチルであり、Lが水素であり、R2がメトキシまたはプロポキシであり、mが6である、請求項2に記載の液晶配向膜用の光配向剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光配向剤を用いて製造される液晶配向膜。
- 請求項5に記載の液晶配向膜を用いて製造される光学フィルム。
- 請求項5に記載の液晶配向膜を用いて製造される液晶表示素子。
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