JP2008051995A - 光学素子及び光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光板の温度上昇に起因して偏光板の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能な光学素子を提供する。
【解決手段】偏光層12及び偏光層12を支持する支持層14を有する偏光板10と、偏光板10における一方の表面(偏光層12の表面)に貼り合わされた第1の透光性基板20と、偏光板10における他方の表面(支持層14の表面)に貼り合わされた第2の透光性基板30とを備える光学素子1。第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30は、無機材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子及び光学素子の製造方法に関する。
光学機器に用いられる偏光板としては、通常、ポリビニルアルコール(PVA)からなる偏光層の片面又は両面に、機械的強度等を確保するためのトリアセチルセルロース(TAC)からなる支持層が積層された2層構造又は3層構造の偏光板が知られている(例えば、特許文献1参照。)。TACからなる支持層は、透明性、均一性、平面性等に優れ、分子配向による異方性が非常に小さいことから、偏光層を支持するための支持層として好適に使用されている。
特開平7−20317号公報
しかしながら、従来の偏光板においては、偏光層を通過しない光は内部で吸収されるため、多量の熱が発生して偏光板の温度上昇を招くこととなる。このため、偏光板が劣化して偏光板の偏光特性が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、偏光板の温度上昇に起因して偏光板の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能な光学素子を提供することを目的とする。また、そのような優れた光学素子を製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記目的を達成するため、特許文献1に記載された偏光板において、偏光板の温度上昇に起因して偏光板の偏光特性が低下する原因を究明すべく鋭意努力を重ねた結果、この原因は、偏光板を構成する支持層が外部に露出していることにあるという知見を得た。
すなわち、特許文献1に記載された偏光板においては、偏光板を構成する支持層が外部に露出しているため、偏光層の温度上昇及び外気からの水分の浸入に起因して支持層が膨張・変形してしまい易くなる。このため、光入射側及び光射出側の支持層における分子配向の乱れが発生する結果、偏光板としての偏光特性が低下してしまう。また、この場合、光入射側の支持層における分子配向の乱れが発生すると、この分子配向の乱れがダイレクトに偏光層で検光されてしまうため、偏光板としての偏光特性が大きく低下してしまう。
そこで、本発明の発明者らは、以上の知見に基づいて、偏光板の両面に熱伝導性の透光性基板を貼り合わせれば、偏光板の温度上昇に起因して偏光板の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能となることに想到し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光学素子は、偏光層及び前記偏光層を支持する支持層を有する偏光板と、前記偏光板における一方の表面に貼り合わされた第1の透光性基板と、前記偏光板における他方の表面に貼り合わされた第2の透光性基板とを備え、前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板は、無機材料からなることを特徴とする。
このため、本発明の光学素子によれば、偏光板の両面に第1の透光性基板及び第2の透光性基板が貼り合わされることにより、支持層が外部に露出しない構造となるため、偏光層の温度上昇及び外気からの水分の浸入に起因して支持層が膨張・変形してしまうのを抑制することが可能となる。その結果、支持層における分子配向の乱れが発生するのを抑制することができ、偏光板の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能となる。
また、本発明の光学素子によれば、偏光板の両面には第1の透光性基板及び第2の透光性基板が貼り合わされているため、偏光板で発生した熱が第1の透光性基板及び第2の透光性基板を介して系外に放散されるようになる。このため、偏光板の温度上昇を抑制することが可能となり、偏光板の温度上昇に起因して偏光板の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能となる。
また、本発明の光学素子によれば、偏光層の一方の面にのみ偏光層を支持する支持層が設けられており、偏光層の他方の面には支持層が設けられていないため、偏光層で発生した熱を支持層を介さずに第1の透光性基板又は第2の透光性基板に効率よく伝達することが可能となる。
また、本発明の光学素子によれば、偏光板を第1の透光性基板及び第2の透光性基板によって両面から挟んだ構造を有しているため、所定の機械的強度を得ることができる。
なお、偏光層の一方の面(又は両面)に支持層が設けられた偏光板においては、熱膨張や熱収縮の差によって偏光層と支持層との間で内部応力が発生し、偏光層が裂けたり偏光層に反りが発生して偏光板の偏光特性が低下したりする場合がある。
しかしながら、本発明の光学素子によれば、偏光層及び支持層を有する偏光板を第1の透光性基板及び第2の透光性基板によって両面から挟んだ構造を有しているため、偏光層が裂けたり偏光層に反りが発生して偏光板の偏光特性が低下したりするのを抑制することが可能となる。
本発明の光学素子においては、前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方は、サファイア又は水晶からなる透光性基板であることが好ましい。
これらの材料からなる透光性基板は熱伝導性に非常に優れているため、偏光板で発生した熱を効率よく系外に放散させることができ、偏光板の温度上昇を効果的に抑制することが可能となる。
本発明の光学素子においては、前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方は、石英ガラス、硬質ガラス、結晶化ガラス又は立方晶の焼結体からなる透光性基板であることが好ましい。
これらの材料からなる透光性基板は複屈折が小さいため、透光性基板を通過する光束の品質低下を抑制することが可能となり、偏光板に入射する光束又は偏光板から射出される光束の品質低下を抑制することが可能となる。また、これらの材料からなる透光性基板は熱膨張率が小さいため、熱による伸び・変形が大きいという性質を有する偏光板をこのような熱膨張率の小さな材料からなる透光性基板に接着することにより、偏光板自体の変形を抑えることが可能となる。
本発明の光学素子においては、前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方は、光学軸を有する材料からなり、前記光学軸を有する材料からなる透光性基板の光学軸が前記偏光層の偏光軸と略平行又は略垂直となるように、前記偏光層に対して前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板が配置されていることが好ましい。
このように構成することにより、第1の透光性基板及び第2の透光性基板のうち光学軸を有する材料からなる透光性基板の光学軸が偏光層の偏光軸と略平行又は略垂直となっていない場合に発生する望ましくない複屈折を抑制することで、光学素子の品質を向上することが可能となる。
なお、この明細書において「偏光層の偏光軸」とは、偏光層を通過する光の偏光軸のことである。
本発明の光学素子においては、前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板は、同一材料からなることが好ましい。
このように構成することにより、製造コストの低減を図ることが可能となる。また、線膨張係数が一致するため、内部応力による歪みを低減することが可能となる。
本発明の光学素子の製造方法は、偏光層及び前記偏光層を支持する支持層を有する偏光板と、無機材料からなる第1の透光性基板及び第2の透光性基板とを備える光学素子を製造するための光学素子の製造方法であって、前記偏光板における一方の表面に粘着剤を塗布する第1塗布工程と、前記偏光板における一方の表面と前記第1の透光性基板とを貼り合わせる第1貼り合わせ工程と、前記偏光板における他方の表面に粘着剤又は接着剤を塗布する第2塗布工程と、前記偏光板における他方の表面と前記第2の透光性基板とを貼り合わせる第2貼り合わせ工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
このため、本発明の光学素子の製造方法によれば、偏光板の両面に第1の透光性基板及び第2の透光性基板を貼り合わせた構造を有する光学素子を製造することができるため、偏光板で発生した熱を第1の透光性基板及び第2の透光性基板を介して系外に放散させることが可能となる。その結果、偏光板の温度上昇を抑制することが可能となり、偏光板の温度上昇に起因して偏光板の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能となる。
また、本発明の光学素子の製造方法によれば、偏光板を第1の透光性基板及び第2の透光性基板によって両面から挟んだ構造を有する光学素子を製造することができるため、所定の機械的強度を得ることができる。
本発明の光学素子の製造方法においては、前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方の透光性基板として、光学軸を有する材料からなる透光性基板を用い、前記第1貼り合わせ工程及び前記第2貼り合わせ工程のうち前記偏光板と当該光学軸を有する材料からなる透光性基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程では、当該透光性基板の光学軸と前記偏光層の偏光軸とが略平行又は略垂直となるように前記偏光板と当該透光性基板とを貼り合わせることが好ましい。
このような方法とすることにより、第1の透光性基板及び第2の透光性基板のうち光学軸を有する材料からなる透光性基板の光学軸が偏光層の偏光軸と略平行又は略垂直となっていない場合に発生する望ましくない複屈折を抑制することで、品質の高い光学素子を製造することが可能となる。
本発明の光学素子の製造方法においては、前記偏光層は、1軸延伸処理が施されており、少なくとも前記第2貼り合わせ工程の前に、1軸延伸処理が施された偏光層に対して所定温度で熱処理を行う熱処理工程をさらに含むことが好ましい。
ところで、1軸延伸処理が施された偏光層を有する光学素子を高温環境下で使用した場合、1軸延伸処理が施された偏光層が熱収縮するため、偏光層、支持層及び透光性基板に内部応力が発生する。このとき、偏光層の熱収縮の度合いが大きいと各部材に発生する内部応力も大きくなってしまい、偏光層が裂けたり偏光層に反りが発生して偏光板の偏光特性が低下したりする場合がある。
これに対し、本発明の光学素子の製造方法によれば、上記した熱処理工程を行うことにより、偏光板を第1の透光性基板及び第2の透光性基板で挟み込む前に、予め偏光層を熱収縮させておくことが可能となる。これにより、1軸延伸処理が施された偏光層を有する光学素子を高温環境下で使用したとしても、各部材に発生する内部応力を低減することが可能となり、偏光層が裂けたり偏光層に反りが発生して偏光板の偏光特性が低下したりするのを抑制することが可能となる。
本発明の光学素子の製造方法においては、前記所定温度は、60℃〜120℃の範囲内であることが好ましい。
偏光層として一般的に用いられるポリビニルアルコール(PVA)は、60℃以上になると熱収縮を起こし易いという性質を有する。また、偏光板を構成する有機材料のガラス転移点は約120℃であり、120℃を超えると当該有機材料の物性が大きく変化してしまう。
以上のような観点から、前記所定温度は、60℃〜120℃の範囲内であることが好ましく、80℃〜100℃の範囲内であることがより好ましい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記第2塗布工程においては、紫外線硬化型の接着剤を用い、前記第2貼り合わせ工程は、前記接着剤に紫外線を照射して前記接着剤を硬化させる紫外線照射工程を含むことが好ましい。
このような方法とすることにより、上述のような優れた光学素子を容易に製造することができるようになる。
以下、本発明の光学素子及び光学素子の製造方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
まず、実施形態1に係る光学素子1の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る光学素子1を模式的に示す図である。
実施形態1に係る光学素子1は、図1に示すように、偏光板10と、偏光板10における一方の表面(偏光層12の表面)に貼り合わされた第1の透光性基板20と、偏光板10における他方の表面(支持層14の表面)に貼り合わされた第2の透光性基板30とを備えた光学素子である。
偏光板10は、偏光層12と、偏光層12の一方の面を支持する支持層14とを有する。偏光層12としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)をヨウ素又は二色性染料で染色し1軸延伸して、当該染料の分子を一方向に配列させるように形成された偏光層を好ましく用いることができる。このように1軸延伸処理が施された偏光層12は、1軸延伸方向に平行な方向の偏光を吸収する一方、1軸延伸方向に垂直な方向の偏光を透過する機能を有する。偏光層12は延伸状態から元の状態に戻ろうとする力が大きいため、その力を規制するために、偏光層12を支持する支持層14が設けられている。支持層14としては、例えばトリアセチルセルロース(TAC)からなる支持層を用いている。
第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30は、例えばサファイアからなる透光性基板である。サファイアからなる透光性基板は、熱伝導率が約40W/(m・K)と高い上、硬度も非常に高く、熱膨張率は小さく、傷がつきにくく透明度が高い。なお、中程度の輝度として安価性を重視する場合には、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30として、約10W/(m・K)の熱伝導率を有する水晶からなる透光性基板を用いてもよい。第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30の厚さは、熱伝導性の観点からいえば0.2mm以上であることが好ましく、光学素子の薄型化の観点からいえば2.0mm以下であることが好ましい。
なお、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30は、ともに所定の光学軸を有している。
図1に示すように、偏光層12と第1の透光性基板20とは粘着層Dを介して貼り合わされており、支持層14と第2の透光性基板30とは接着層Cを介して貼り合わされている。これにより、各部材間の界面における表面反射の発生が抑制され、光透過率を高めることが可能になる。また、第1の透光性基板20、偏光板10及び第2の透光性基板30の線膨張係数がそれぞれ異なる場合であっても、各部材間の貼り合わせ面における剥離が起こりにくくなり、長期信頼性の低下を抑制することが可能になる。
第1の透光性基板20における偏光板10とは反対側の面及び第2の透光性基板30における偏光板10とは反対側の面には、図示しない反射防止層が形成されている。
実施形態1に係る光学素子1は、偏光層12及び支持層14を有する偏光板10と、偏光板10における一方の表面に貼り合わされた第1の透光性基板20と、偏光板10における他方の表面に貼り合わされた第2の透光性基板30とを備える光学素子である。
このため、実施形態1に係る光学素子1によれば、偏光板10の両面に第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30が貼り合わされることにより、支持層14が外部に露出しない構造となるため、偏光層12の温度上昇及び外気からの水分の浸入に起因して支持層14が膨張・変形してしまうのを抑制することが可能となる。その結果、支持層14における分子配向の乱れが発生するのを抑制することができ、偏光板10の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る光学素子1によれば、偏光板10の両面には第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30が貼り合わされているため、偏光板10で発生した熱が第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30を介して系外に放散されるようになる。このため、偏光板10の温度上昇を抑制することが可能となり、偏光板10の温度上昇に起因して偏光板10の偏光特性が低下してしまうのを従来よりも抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る光学素子1によれば、偏光層12の一方の面にのみ偏光層12を支持する支持層14が設けられており、偏光層12の他方の面には支持層が設けられていないため、偏光層12で発生した熱を支持層を介さずに第1の透光性基板20に効率よく伝達することが可能となる
また、実施形態1に係る光学素子1によれば、偏光板10を第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30によって両面から挟んだ構造を有しているため、所定の機械的強度を得ることができる。
なお、偏光層の一方の面(又は両面)に支持層が設けられた偏光板においては、熱膨張や熱収縮の差によって偏光層と支持層との間で内部応力が発生し、偏光層が裂けたり偏光層に反りが発生して偏光板の偏光特性が低下したりする場合がある。
しかしながら、実施形態1に係る光学素子1によれば、偏光層12及び支持層14を有する偏光板10を第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30によって両面から挟んだ構造を有しているため、偏光層12が裂けたり偏光層12に反りが発生して偏光板10の偏光特性が低下したりするのを抑制することが可能となる。
実施形態1に係る光学素子1においては、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30は、サファイアからなる透光性基板である。サファイアからなる透光性基板は熱伝導性に非常に優れているため、偏光板10で発生した熱を効率よく系外に放散させることができ、偏光板10の温度上昇を効果的に抑制することが可能となる。
実施形態1に係る光学素子1においては、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30は、同一材料からなるため、製造コストの低減を図ることが可能となる。また、線膨張係数が一致するため、内部応力による歪みを低減することが可能となる。
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る光学素子の製造方法について、図2及び図3を用いて説明する。
図2は、実施形態2に係る光学素子の製造方法を説明するために示すフローチャートである。図3は、実施形態2に係る光学素子の製造方法を説明するために示す図である。
実施形態2に係る光学素子の製造方法は、上記した実施形態1に係る光学素子1を製造するための方法であって、図2に示すように、「偏光板準備工程」、「第1塗布工程」、「第1貼り合わせ工程」、「熱処理工程」、「第2塗布工程」及び「第2貼り合わせ工程」が順次実施される。以下、これら各工程を順次説明する。
1.偏光板準備工程
まず、偏光層12及び支持層14を有する偏光板10を準備する(図2のステップS1)。
2.第1塗布工程
次に、偏光層12の表面に粘着剤を塗布する(図2のステップS2)。このとき、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤やウレタン系粘着剤などを好適に用いることができる。
3.第1貼り合わせ工程
次に、粘着剤を介して偏光層12と第1の透光性基板20とを貼り合わせる(図2のステップS3)。このとき、第1の透光性基板20の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略平行となるように、偏光板10と第1の透光性基板20とを貼り合わせる(図3参照。)。
4.熱処理工程
次に、偏光板10(偏光層12)に対して所定温度(例えば90℃)で熱処理を行う(図2のステップS4)。
5.第2塗布工程
次に、支持層14の表面及び偏光板10の偏光層12及び支持層14の周囲に接着剤を塗布する(図2のステップS5)。このとき、接着剤としては、紫外線硬化型の接着剤を用いている。
6.第2貼り合わせ工程
そして、接着剤を介して支持層14と第2の透光性基板30とを貼り合わせる(図2のステップS6)。このとき、第2の透光性基板30の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略平行となるように、偏光板10と第2の透光性基板30とを貼り合わせる(図3参照。)。
具体的に説明すると、第2の透光性基板30の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略平行となるように偏光板10と第2の透光性基板30とを接着した後で、図示しない紫外線照射装置を用いて偏光板10に塗布した接着剤に紫外線を照射し接着剤を硬化させる。
以上により、実施形態1に係る光学素子1を製造することができる。
このように、実施形態2に係る光学素子の製造方法は、光学素子1を製造するための光学素子の製造方法であって、偏光板10における一方の表面(偏光層12の表面)に粘着剤を塗布する第1塗布工程と、偏光板10における一方の表面と第1の透光性基板20とを貼り合わせる第1貼り合わせ工程と、偏光板10における他方の表面(支持層14の表面)に接着剤を塗布する第2塗布工程と、偏光板10における他方の表面と第2の透光性基板30とを貼り合わせる第2貼り合わせ工程とをこの順序で含んでいる。
このため、実施形態2に係る光学素子の製造方法によれば、上述した実施形態1に係る光学素子1の効果を有する光学素子を製造することが可能となる。
実施形態2に係る光学素子の製造方法において、第2塗布工程においては、接着剤を用いるため、第1の透光性基板20の光学軸と偏光層12の偏光軸との軸合わせ及び第2の透光性基板30の光学軸と偏光層12の偏光軸との軸合わせを比較的容易に行うことが可能となる。
実施形態2に係る光学素子の製造方法においては、第1貼り合わせ工程では、第1の透光性基板20の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略平行となるように偏光板10と第1の透光性基板20とを貼り合わせ、第2貼り合わせ工程では、第2の透光性基板30の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略平行となるように偏光板10と第2の透光性基板30とを貼り合わせることとしているため、第1の透光性基板20の光学軸及び第2の透光性基板30の光学軸がともに偏光層12の偏光軸と略平行となっていない場合に発生する望ましくない複屈折を抑制することで、品質の高い光学素子1を製造することが可能となる。
実施形態2に係る光学素子の製造方法においては、偏光層12は、1軸延伸処理が施されており、少なくとも第2貼り合わせ工程の前に、1軸延伸処理が施された偏光層12に対して所定温度で熱処理を行う熱処理工程をさらに含んでいるため、偏光板10を第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30で挟み込む前に、予め偏光層12を熱収縮させておくことが可能となる。これにより、1軸延伸処理が施された偏光層12を有する光学素子1を高温環境下で使用したとしても、各部材に発生する内部応力を低減することが可能となり、偏光層12が裂けたり偏光層12に反りが発生して偏光板10の偏光特性が低下したりするのを抑制することが可能となる。
実施形態2に係る光学素子の製造方法においては、熱処理工程は、第1貼り合わせ工程の後に行うため、上記したような内部応力を低減する効果に加えて、粘着剤中に入り込んだ空気を抜く効果(いわゆる泡抜き効果)をも得ることが可能となる。
偏光層として一般的に用いられるポリビニルアルコール(PVA)は、60℃以上になると熱収縮を起こし易いという性質を有する。また、偏光板を構成する有機材料のガラス転移点は約120℃であり、120℃を超えると当該有機材料の物性が大きく変化してしまう。
以上のような観点から、実施形態2に係る光学素子の製造方法においては、熱処理工程における所定温度を60℃〜120℃の範囲内の温度(90℃)としている。
実施形態2に係る光学素子の製造方法において、第2塗布工程においては、紫外線硬化型の接着剤を用いている。そして、第2貼り合わせ工程は、接着剤に紫外線を照射して接着剤を硬化させる紫外線照射工程を含んでいる。これにより、上述のような優れた光学素子1を容易に製造することができるようになる。
以上、本発明の光学素子及び光学素子の製造方法を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態1に係る光学素子1においては、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30として、ともにサファイアからなる透光性基板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1の透光性基板及び第2の透光性基板として、サファイアからなる透光性基板のほかに、水晶からなる透光性基板又は石英ガラス、硬質ガラス、結晶化ガラス若しくは立方晶の焼結体からなる透光性基板を用いてもよい。
第1の透光性基板及び第2の透光性基板として水晶からなる透光性基板を用いた場合には、サファイアからなる透光性基板の場合と同様の効果を得ることができる。
第1の透光性基板及び第2の透光性基板として石英ガラス、硬質ガラス、結晶化ガラス又は立方晶の焼結体からなる透光性基板を用いた場合には、これらの材料からなる透光性基板は複屈折が小さいため、透光性基板を通過する光束の品質低下を抑制することができる。また、これらの材料からなる透光性基板は熱膨張率が比較的小さいため、熱による伸び・変形が大きい性質を有する偏光板をこのような熱膨張率の小さな材料からなる透光性基板に接着することにより、偏光板自体の変形を抑えることができる。第1の透光性基板及び第2の透光性基板として結晶化ガラスからなる透光性基板を用いた場合、結晶化ガラスにおける熱膨張が大きな軸方向と偏光板の延伸方向とを揃えることにより、熱による偏光板の変形を抑制することができる。また、第1の透光性基板及び第2の透光性基板として、他の透明ガラス(例えば、白板ガラスやパイレックス(登録商標)など)からなる透光性基板、YAG多結晶からなる透光性基板、酸窒化アルミニウムからなる透光性基板なども好適に用いることができる。つまり、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30が無機材料からなる透光性基板であればよい。
(2)上記実施形態1に係る光学素子1においては、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30として同一材料からなる透光性基板を用いた場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の透光性基板及び第2の透光性基板として異なる材料からなる透光性基板を用いてもよい。例えば、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30のうち一方の透光性基板として石英ガラス、硬質ガラス、結晶化ガラス又は立方晶の焼結体からなる透光性基板を用い、他方の透光性基板としてサファイア又は水晶からなる透光性基板を用いてもよい。
(3)上記実施形態1に係る光学素子1においては、光学素子1は、偏光層12の表面に第1の透光性基板20が貼り付けられ、支持層14の表面に第2の透光性基板30が貼り付けられた構造を有するが、本発明はこれに限定されるものではなく、偏光層12の表面に第2の透光性基板30が貼り付けられ、支持層14の表面に第1の透光性基板20が貼り付けられた構造を有するものであってもよい。
(4)上記実施形態2に係る光学素子の製造方法においては、熱処理工程における所定温度を、60℃〜120℃の範囲内の温度(90℃)としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実使用温度±10℃の範囲内の温度としてもよい。
すなわち、実使用温度に近い温度で予め偏光層を熱収縮させておくことにより、1軸延伸処理が施された偏光層を有する光学素子を高温環境下で使用したとしても、各部材に発生する内部応力を低減することが可能となり、偏光層が裂けたり偏光層に反りが発生して偏光板の偏光特性が低下したりするのを抑制することが可能となる。
(5)上記実施形態2に係る光学素子の製造方法においては、第1貼り合わせ工程の後に熱処理工程を行う場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。熱処理工程は、少なくとも第2貼り合わせ工程の前に行えばよいため、例えば、偏光板準備工程において、偏光層に対して所定温度で熱処理を行ってもよい。
(6)上記実施形態2に係る光学素子の製造方法において、第1貼り合わせ工程では、第1の透光性基板20の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略平行となるように偏光層12と第1の透光性基板20とを貼り合わせ、第2貼り合わせ工程では、第2の透光性基板30の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略平行となるように偏光層12と第2の透光性基板30とを貼り合わせていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1貼り合わせ工程では、第1の透光性基板20の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略垂直となるように偏光層12と第1の透光性基板20とを貼り合わせ、第2貼り合わせ工程では、第2の透光性基板30の光学軸と偏光層12の偏光軸とが略垂直となるように偏光層12と第2透光性基板30とを貼り合わせることも好ましい。
なお、第1の透光性基板20若しくは第2の透光性基板30のどちらか一方として光学軸を有さない材料からなる透光性基板を用いた場合、又は、第1の透光性基板20及び第2の透光性基板30としてともに光学軸を有さない材料からなる透光性基板を用いた場合には、当該光学軸を有さない材料からなる透光性基板は、偏光層12に対して任意に貼り付けることが可能である。
(7)上記実施形態2に係る光学素子の製造方法において、第2塗布工程においては、支持層14の表面に接着剤を塗布しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、接着剤に代えて粘着剤を塗布してもよい。また、上記実施形態2に係る光学素子の製造方法において、第1塗布工程においては、偏光層12の表面に粘着剤を塗布しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、粘着剤に代えて接着剤を塗布してもよい。
実施形態1に係る光学素子1を模式的に示す図。 実施形態2に係る光学素子の製造方法を説明するために示すフローチャート。 実施形態2に係る光学素子の製造方法を説明するために示す図。
符号の説明
1…光学素子、10…偏光板、12…偏光層、14…支持層、20…第1の透光性基板、30…第2の透光性基板、C…接着層、D…粘着層

Claims (10)

  1. 偏光層及び前記偏光層を支持する支持層を有する偏光板と、
    前記偏光板における一方の表面に貼り合わされた第1の透光性基板と、
    前記偏光板における他方の表面に貼り合わされた第2の透光性基板とを備え、
    前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板は、無機材料からなることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子において、
    前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方は、サファイア又は水晶からなる透光性基板であることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1に記載の光学素子において、
    前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方は、石英ガラス、硬質ガラス、結晶化ガラス又は立方晶の焼結体からなる透光性基板であることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項1に記載の光学素子において、
    前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方は、光学軸を有する材料からなり、
    前記光学軸を有する材料からなる透光性基板の光学軸が前記偏光層の偏光軸と略平行又は略垂直となるように、前記偏光層に対して前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板が配置されていることを特徴とする光学素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子において、
    前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板は、同一材料からなることを特徴とする光学素子。
  6. 偏光層及び前記偏光層を支持する支持層を有する偏光板と、無機材料からなる第1の透光性基板及び第2の透光性基板とを備える光学素子を製造するための光学素子の製造方法であって、
    前記偏光板における一方の表面に粘着剤を塗布する第1塗布工程と、
    前記偏光板における一方の表面と前記第1の透光性基板とを貼り合わせる第1貼り合わせ工程と、
    前記偏光板における他方の表面に粘着剤又は接着剤を塗布する第2塗布工程と、
    前記偏光板における他方の表面と前記第2の透光性基板とを貼り合わせる第2貼り合わせ工程とをこの順序で含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 請求項6に記載の光学素子の製造方法において、
    前記第1の透光性基板及び前記第2の透光性基板のうち少なくとも一方の透光性基板として、光学軸を有する材料からなる透光性基板を用い、
    前記第1貼り合わせ工程及び前記第2貼り合わせ工程のうち前記偏光板と当該光学軸を有する材料からなる透光性基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程では、当該透光性基板の光学軸と前記偏光層の偏光軸とが略平行又は略垂直となるように前記偏光板と当該透光性基板とを貼り合わせることを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の光学素子の製造方法において、
    前記偏光層は、1軸延伸処理が施されており、
    少なくとも前記第2貼り合わせ工程の前に、1軸延伸処理が施された偏光層に対して所定温度で熱処理を行う熱処理工程をさらに含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の光学素子の製造方法において、
    前記所定温度は、60℃〜120℃の範囲内であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記第2塗布工程においては、紫外線硬化型の接着剤を用い、
    前記第2貼り合わせ工程は、前記接着剤に紫外線を照射して前記接着剤を硬化させる紫外線照射工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
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JP2012027354A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Jnc Corp 感光性高分子化合物からなる光配向剤、該光配向剤を用いた液晶配向膜および該液晶配向膜を用いた液晶表示素子

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