以下、図面を参照して、本発明に係る工事用車両安全支援システムの実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明に係る工事用車両安全支援システムを、工事用車両に持ち込まれるGPS機能付携帯電話に構成される工事用車両安全支援システムに適用する。本実施の形態に係る工事用車両安全支援システムは、工事用車両の管理者と通信するために携帯電話のメールの送受信機能(双方向通信)を利用し、管理者との間で情報をメールで送受信可能である。また、本実施の形態に係る工事用車両安全支援システムは、携帯電話のGPS機能を利用し、工事用車両の位置情報(ひいては、速度情報、走行方向情報)を取得する。
図1〜図3を参照して、本実施の形態に係る工事用車両安全支援システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る工事用車両安全支援システムの構成を示すブロック図である。図2は、工事用車両が走行するルートの一例である。図3は、携帯電話のディスプレイに表示する注意喚起の一例である。
工事用車両安全支援システム1は、決められたルートを走行する工事用車両の運転者に対して安全に走行するための支援を行うために、ルート逸脱支援機能、制限速度超過支援機能、危険ポイント通過支援機能、臨時メッセージ支援機能、設定情報変更機能等を有している。工事用車両安全支援システム1では、これらの各機能で必要となるルート上の各ゲートに対応付けられた安全支援情報を設定する。特に、工事用車両安全支援システム1では、時刻(時間帯)、走行環境、走行方向を考慮して複数の安全支援情報が予め用意され、工事用車両が走行しているときの時刻、走行環境、走行方向に適した安全支援情報を設定(選択)する。
工事用車両は、土木や建築工事に用いられる運搬車両であり、予め決められたルートを繰り返し走行する。工事用車両の管理者は、例えば、工事管理者、現場事務所、建設会社である。管理者は、工事用車両安全支援システム1との間でメールを送受信するために、携帯電話、インタネットに接続可能なパーソナルコンピュータ等を備えている。
工事用車両が走行するルートは、一般道路、有料道路(高速道路)、現場内等の工事用車両の走行が可能な道路に設定され、例えば、図2に示すように、掘削現場の掘削ズリの積込場所である地点Aと掘削ズリの搬送先の地点Bとを結ぶルートR(破線で示すルート)である。地点Aは地点Bより標高が高く、地点Aから地点Bに向かう場合には下り勾配の区間があり、地点Bから地点Aに向かう場合には上り勾配の区間がある。なお、ルートは、1本だけでなく、通行止めや渋滞等に備えて、予備ルートが用意される場合がある。
工事用車両安全支援システム1では、工事用車両が安全に走行するための支援を行うために必要なルート上の各地点に仮想のゲートを設定する。ゲートは、ルート(道路)の幅方向に所定の間隔をあけて配置される2つの位置データ(図2における各ゲートG1,G2,・・・の2つの黒丸で示す位置のデータ)からなり、この2つの位置を結ぶ線分に相当する。工事用車両安全支援システム1では、GPSを利用して求められる工事用車両の前時刻t−1の位置と現時刻tの位置とを結ぶ線分が、このゲート(線分)を交差した場合にルート上の特定の地点(ゲート)を通過したと判定する。GPSを利用した位置には誤差があるので、このように所定の間隔を有するゲートを利用して工事用車両の位置を判定している。ゲートのこの所定の間隔は、GPSを利用して求められる位置の誤差範囲に応じて設定される。
ゲートには、ルートの始点や終点を判定するためのゲート、ルート逸脱を判定するためのゲート、制限速度の切り替わり地点を判定するためのゲート、危険ポイントの通過を判定するためのゲート、臨時メッセージ出力地点を判定するためのゲート等がある。図2に示す例の場合、ルートの始点や終点を判定するためのゲートは、積込場所である地点AのゲートG1と搬送先の地点BのゲートG18である。ルート逸脱を判定するためのゲートは、ルートRの道路から分岐する道路や交差する道路がある場所に設けられ、ゲートG2とゲートG3、ゲートG6とゲートG7、ゲートG10とゲートG11、ゲートG14とゲートG15、ゲートG16とゲートG17である。さらに、ルート逸脱を判定するためのゲートは、ルートRの道路と違う道路(逸脱ルート)に侵入したかを判定するために、ゲートG2,G3に対応付けてゲートG’1、ゲートG6,G7に対応付けてゲートG’2、ゲートG10,G11に対応付けてゲートG’3とゲートG’4、ゲートG14,G15に対応付けてゲートG’5とゲートG’6、ゲートG16,G17と対応付けてゲートG’7がある。例えば、工事用車両が地点Aから地点Bに向かう場合、ゲートG2の通過を判定した後に、ゲートG3の通過を判定した場合にはルートを逸脱していないと判定し、ゲートG’1の通過を判定した場合にはルートを逸脱したと判定する。制限速度の切り替わり地点を判定するためのゲートは、ルートR上のゲートG1,・・・,G18のうちの制限速度が切り替わる地点に対応するゲートである。危険ポイントの通過を判定するためのゲートは、符号Sで示す区間がスクールゾーンであるので、その区間Sの外側のゲートG12とゲートG13である。スクールゾーンSの手前で注意喚起する必要があるので、例えば、工事用車両が地点Aから地点Bに向かう場合、ゲートG12だけが危険ポイントの通過を判定するためのゲートとなる。臨時メッセージを判定するためのゲートは、臨時メッセージの出力が運転者の運転の妨げにならないように現場の出入口や現場内であり、積込場所である地点AのゲートG1と搬送先の地点BのゲートG18である。なお、ゲートは、ルート設定時に予め用意されるもの、管理者から追加設定されるもの、学習によって設定されるものがある。
なお、符号T1,T2は、トンネルやスノーシェルタ等であり、GPS衛星からのGPS信号を受信できない又は受信し難い場所である。このような場所では、GPSを利用した位置情報の取得ができない又は不安定になるので、GPSを利用した位置演算や速度演算を行わない。そこで、このような場所を判定するためのゲートとして、ゲートG4とゲートG5、ゲートG8とゲートG9が設けられている。ゲートG4とゲートG5の区間、ゲートG8とゲートG9の区間では、その各区間の距離と各区間を通過するように要した時間から速度が求められる。
それでは、工事用車両安全支援システム1の構成についての具体的な構成について説明する。工事用車両安全支援システム1は、ルート逸脱支援機能、制限速度超過支援機能、危険ポイント通過支援機能、臨時メッセージ支援機能、設定情報変更機能等を実現するために、GPS受信部10、メール受信部11、ディスプレイ20、スピーカ21、メール送信部22及びマイクロコンピュータ30(時計31、位置演算部32、速度走行方向演算部33、安全支援情報設定部34、判定部35、出力制御部36)を備えている。
なお、本実施の形態ではGPS受信部10及び位置演算部32が特許請求の範囲に記載する位置取得手段及び走行情報取得手段に相当し、時計31が特許請求の範囲に記載する時刻取得手段に相当し、安全支援情報設定部34が特許請求の範囲に記載する安全支援情報設定手段に相当し、判定部35が特許請求の範囲に記載する判定手段に相当し、ディスプレイ20、スピーカ21及び出力制御部36が特許請求の範囲に記載する支援情報提供手段に相当し、メール受信部11が特許請求の範囲に記載する走行環境取得手段及び受信手段に相当し、速度走行方向演算部33が特許請求の範囲に記載する走行方向取得手段及び走行情報取得手段に相当する。
GPS受信部10は、GPS機能付携帯電話のGPSアンテナであり、GPS衛星からのGPS信号を受信する。この受信したGPS信号は、マイクロコンピュータ30の位置演算部32で処理される。メール受信部11は、GPS機能付携帯電話のメール機能の受信機能であり、メールを受信する。特に、工事用車両の管理者からのメールは、メールアドレスによって判別され、マイクロコンピュータ30の安全支援情報設定部34で処理される。
ディスプレイ20は、GPS機能付携帯電話のディスプレイである。ディスプレイ20では、出力制御部36からの画像信号を受信すると、その画像信号に示される画像を表示する。スピーカ21は、GPS機能付携帯電話のスピーカである。スピーカ21では、出力制御部36から音声信号を受信すると、その音声信号に応じて音声を出力する。メール送信部22は、GPS機能付携帯電話のメール機能の送信機能であり、メールを送信する。特に、メール送信部22では、出力制御部36からメール送信信号を受信すると、工事用車両の管理者へメールを送信する。
マイクロコンピュータ30は、CPU[Central ProcessingUnit]や各種メモリ等を有し、GPS機能付携帯電話を統括制御する。マイクロコンピュータ30では、工事用車両安全支援システム1用のアプリケーションのソフトウェアが実行されることによって、位置演算部32、速度走行方向演算部33、安全支援情報設定部34、判定部35、出力制御部36が構成される。工事用車両安全支援システム1用のアプリケーションのソフトウェアは、GPS機能付携帯電話に予め組み込まれていてもよいし、あるいは、工事用車両安全支援システム1として機能させたいユーザがGPS機能付携帯電話にダウンロードしてもよい。
時計31は、GPS機能付携帯電話の時計機能で利用される時計であり、マイクロコンピュータ30の基本クロックとGPS衛星の電波に基づいて現在時刻を出力する。
位置演算部32は、GPS受信部10で受信した3個以上のGPS衛星からの各GPS信号に基づいて位置(工事用車両の現在位置に相当)を演算する。この位置は、ゲートと同じ座標系のデータ(例えば、緯度と経度)として演算される。位置が演算される毎に、マイクロコンピュータ30のメモリにその位置が現在時刻に対応付けて記憶される。
速度走行方向演算部33は、位置演算部32で位置が演算される毎に、その今回演算された位置と位置演算部32で前回演算された位置から距離を演算し、距離とその演算時間差から速度(工事用車両の現在速度に相当)を演算する。上記したようにGPS信号を受信できない又は受信し難い区間では、その区間の通過距離と通過時間から速度を演算する。また、速度走行方向演算部33は、位置演算部32で位置が演算される毎に、その今回演算された位置と位置演算部32で前回演算された位置から工事用車両が走行している方向を演算する。速度や走行方向が演算される毎に、マイクロコンピュータ30のメモリにその速度や走行方向が現在時刻に対応付けて記憶される。なお、連続する2つの位置に基づいて速度や走行方向を演算するのではなく、3つの以上の位置に基づいて速度や走行方向を演算してもよい。
安全支援情報設定部34は、工事用車両がルート上を走行中に次のゲートについての安全支援情報を設定するか、あるいは、工事用車両が走行開始時にルート上の全てのゲートについての安全支援情報を設定する。安全支援情報は、ルートを工事用車両が安全に走行するための支援に必要な情報であり、各ゲートに関する情報や注意喚起情報からなる。ゲートに関する情報としては、ゲートを示す2つの位置の座標データ、ゲートの種別、その各種別に関する情報がある。ゲートの種別としては、例えば、ルートの始点や終点のゲート、ルート逸脱判定用のゲート、制限速度の切り替わり地点のゲート、危険ポイントのゲート、臨時メッセージ出力地点のゲート、GPSの受信悪化区間のゲートがあり、1つのゲートに対して複数の種別が設定される場合もある。ゲートの種別に関する情報としては、例えば、ルート逸脱判定のゲートの場合には逸脱ルートのゲート情報、制限速度の切り替わり地点のゲートの場合には切り替わる制限速度情報、危険ポイントのゲートの場合には危険ポイント情報(例えば、スクールゾーンの区間情報、信号機のない交差点情報)、臨時メッセージ出力地点のゲートの場合には出力する臨時メッセージ、GPSの受信悪化区間のゲートの場合にはその受信悪化区間の距離情報がある。
注意喚起情報としては、例えば、ルートを逸脱した場合のルート逸脱したことを警告するメッセージや警報(アラーム音等)、制限速度を超過した場合の制限速度を超過したことを警告するメッセージや警報、危険ポイントを通過する前に危険ポイントであることを知らせるメッセージがある。特に、制限速度超過の場合、速度超過の程度に応じて注意喚起を変えてよく、例えば、程度が小さいときにはアラーム音等(警報音)を出力し、程度が大きくなるとメッセージを出力する。
また、安全支援情報設定部34では、時計31から出力される現在の時刻に基づいて、工事用車両が走行している時刻(時間帯)に応じた安全支援情報を設定する。工事用車両は、決まったルートを一日の間で様々な時間帯に走行するので、ルート上の同じ場所でも走行している時刻によって状況が変わる。例えば、危険ポイントの一つであるスクールゾーンの場合、学校に登校する時間帯と下校する時間帯だけに限定されるので、この時間帯に対して設定する。したがって、図2の例の場合、登校時間帯又は下校時間帯のときにはゲートG12又はゲートG13に対応付けた安全支援情報としてスクールゾーンに対する注意喚起情報等が設定され、それ以外の時間帯のときにはゲートG12,G13の安全支援情報を設定しないかあるいはゲートG12,G13に対応付けた安全支援情報として注意喚起中止が設定される。また、制限速度の場合、昼間より夜間のほうが視界が低下するので制限速度を低くしたほうがよいので、各時間帯に適した制限速度(最高を法廷速度とする)を設定する。また、時間帯によって渋滞をするような区間では、その渋滞する時間帯のときには制限速度を低くしたほうがよいので、渋滞状況に応じて各時間帯に適した制限速度を設定する。臨時メッセージの場合、運転者の休憩時間帯を除いた時間帯に設定する。その他にも、夜明けのヘッドライトの消灯する時間帯、夕方のヘッドライトの点灯の時間帯、冬の早朝等の濃霧の発生する可能性の高い時間帯等に応じて安全支援情報を設定する。したがって、時刻情報に関係のある安全支援情報については時刻(時間帯)に適した情報がそれぞれ設定される。
また、安全支援情報設定部34では、メール受信部11で受信したメールが走行環境に関するメールと判断した場合、走行環境に応じた安全支援情報を設定する。走行環境としては、例えば、路面状態(ドライ、ウェット、凍結、積雪等)、天候(晴れ、曇り、降雨、降雪、濃霧)、気温がある。同じ場所でも、路面の状況や天候等の走行環境の違いによってより安全な走行が必要な場合がある。例えば、道路が凍結している場合やウェットの場合には速度を落とす必要があるので、通常よりも低い制限速度に設定する。また、降雨、降雪や濃霧で視界が悪い場合にも速度を落とす必要があるので、通常よりも低い制限速度に設定する。したがって、走行環境情報に関係のある安全支援情報については各走行環境に適した情報がそれぞれ設定される。
また、安全支援情報設定部34では、速度走行方向演算部33から出力される走行方向に基づいて、工事用車両が走行している走行方向に応じた安全支援情報を設定する。工事用車両は、決まったルートを往復して繰り返し走行するので、同じ場所でもある方向から通過すると次はその逆方向から通過することになる。したがって、例えば、図2に示す例では、スクールゾーンSに対する注意喚起を行う場合、ルートRを地点Aから地点Bに走行するときにはゲートG12で通過判定をしてスクールゾーンSの手前で注意喚起する必要があるのでその走行方向のときにはゲートG12に対して安全支援情報を設定し、ルートRを地点Bから地点Aに走行するときにはゲートG13で通過判定をしてスクールゾーンSの手前で注意喚起する必要があるのでその走行方向のときにはゲートG13に対して安全支援情報を設定する。また、ルートRを地点Aから地点Bに走行するときには下り勾配の区間があるので、その走行方向における下り勾配の区間では通常の制限速度よりも低い制限速度を設定する。つまり、同じ区間でも、下り勾配を走行する走行方向と上り勾配を走行する走行方向とで異なる制限速度が設定されることになる。したがって、走行方向情報に関係のある安全支援情報については各走行方向に適した情報がそれぞれ設定される。なお、工事用車両の走行方向の判別は、速度走行方向演算部33から出力される走行方向ではなく、ルートを走行するときの始点が積込場所かあるいは搬送先かで判別してもよい。
また、安全支援情報設定部34では、メール受信部11で受信したメールが管理者からの臨時メッセージのメールと判断した場合、その臨時メッセージを運転者に対して提供する位置(ゲート)と時間帯を設定し、その位置のゲートの安全支援情報に臨時メッセージと出力する時間帯等を追加設定する。位置としては、運転者の運転操作の妨げとならない位置であり、例えば、現場の出入口、現場内である。時間帯としては、例えば、休憩時間を除く時間帯である。
特に、安全支援情報設定部34では、安全支援情報を格納するデータベース(図示せず)を備えている。データベースには、ルート上のゲート毎に、時刻情報、走行環境情報、走行方向情報に応じた安全支援情報が予め格納されている。したがって、1つのゲートに対する安全支援情報として、時刻情報、走行環境情報、走行方向情報に応じた複数の安全支援情報が予め用意されている。そして、安全支援情報設定部34では、任意のゲートについて安全支援情報を設定する場合、工事用車両が走行している時刻、走行環境、走行方向に基づいて、データベースに格納されている各ゲートについての複数の安全支援情報から1つの安全支援情報を選択する。特に、安全支援情報設定部34では、メール受信部11でメールを受信する毎に、そのメールが走行環境に関するメールと判断した場合、その新たな走行環境情報に基づいてデータベースに格納されている各ゲートについての複数の安全支援情報から新たに安全支援情報を選択する。したがって、管理者から天候等が変わったことを知らせるメールを受信した場合、その変わった天候等に適した安全支援情報に変更される。なお、時刻に関係のない安全支援情報には時刻に対する選択肢はなく、走行環境に関係のない安全支援情報については走行環境に対する選択肢はなく、走行方向に関係のない安全支援情報について走行方向に対する選択肢はない。
判定部35では、位置演算部32で工事用車両の現在の位置を演算する毎に、安全支援情報設定部34で設定した次に通過予定のゲートを通過したか否かを判定する。この判定方法としては、演算された前時刻t−1の位置の座標データと現時刻tの位置の座標データとを結ぶ線分を演算するとともにゲートを示す2つの位置の座標データを結ぶ線分を演算し、工事用車両の走行軌跡の線分とゲートの線分とが交差するか否かを判定し、交差した場合にゲートを通過したと判定し、交差していない場合にゲートを通過していないと判定する。
判定部35では、ゲートを通過と判定した場合、そのゲートに対応付けられる安全支援情報に含まれるゲートの種別からどのような支援を行うかを判断する。ゲートの種別としては、上記したように、ルートの始点や終点のゲート、ルート逸脱判定のゲート、制限速度の切り替わり地点のゲート、危険ポイントのゲート、臨時メッセージ出力地点のゲート等がある。
ルートの始点のゲートを通過と判定した場合、判定部35では、工事用車両がルートを走行開始したと判断する。終点のゲートを通過と判定した場合、判定部35では、工事用車両がルートを走行終了したと判断する。
ルート逸脱判定ポイント(交差点等)の手前のゲートを通過判定後、判定部35では、位置演算部32で工事用車両の現在の位置を演算する毎に、正規ルートのゲートを通過したかあるいは逸脱ルートのゲートを通過したか否かを判定する。ここでは、上記した同様の判定方法により、交差点等を通過後に正規ルート上のゲートを通過したかあるいは逸脱ルート上のゲートを通過したかを判定する。逸脱ルート上のゲートを通過したと判定した場合(すなわち、ルート逸脱と判定した場合)、判定部35では、安全支援情報に含まれるルート逸脱時の注意喚起情報を用意する。
制限速度の切り替わり地点のゲートを通過と判定した場合、判定部35では、そのゲートに対応付けられる安全支援情報に含まれるゲート通過後の区間の制限速度を設定する。また、危険ポイントのゲートを通過と判定した場合、判定部35では、そのゲートに対応付けられる安全支援情報に含まれるゲート通過後に存在する危険ポイントについての情報や注意喚起情報を用意する。また、臨時メッセージ出力地点のゲートを通過と判定した場合、判定部35では、そのゲートに対応付けられる安全支援情報に含まれる臨時メッセージを用意する。
また、判定部35では、速度走行方向演算部33で工事用車両の現在の速度を演算する毎に、その現在速度が現在の区間の制限速度を超えているか否かを判定する。制限速度を超えていると判定した場合、判定部35では、安全支援情報に含まれる制限速度超過時の注意喚起情報を用意する。制限速度を超過する毎に、マイクロコンピュータ30のメモリにそのときの工事用車両の位置、速度、走行方向及び制限速度が現在時刻に対応付けて記憶される。
出力制御部36は、判定部35での判定結果に基づいて注意喚起等の出力が必要な場合、ディスプレイ20に画像信号を送信し、スピーカ21に音声信号を送信し、メール送信部22にメール送信信号を送信する。
判定部35でルート逸脱と判定した場合、出力制御部36では、用意されているルート逸脱時の注意喚起情報を用いて、注意喚起メッセージを表示するための画像信号を生成してディスプレイ20に送信し、注意喚起メッセージを出力又は警報音を出力するための音声信号を生成してスピーカ21に送信し、ルート逸脱とその位置を知らせるメール送信信号を生成してメール送信部22に送信する。また、判定部35で制限速度超過と判定した場合、出力制御部36では、用意されている制限速度超過時の注意喚起情報を用いて、上記と同様に、ディスプレイ20、スピーカ21、メール送信部22に各信号を送信する。例えば、図3には、制限速度超過時の注意喚起メッセージの一例として、携帯電話のディスプレイ20に制限速度の30km/hと工事用車両の現在速度の42km/hを表示し、スピーカ21からアラーム音を出力する。
判定部35で危険ポイントと判定した場合、出力制御部36では、用意されている危険ポイントの情報及び注意喚起情報を用いて、注意喚起メッセージを表示するための画像信号を生成してディスプレイ20に送信し、注意喚起メッセージを出力するための音声信号を生成してスピーカ21に送信する。また、判定部35で臨時メッセージ出力地点と判定した場合、出力制御部36では、用意されている臨時メッセージを用いて、臨時メッセージを表示するための画像信号を生成してディスプレイ20に送信し、臨時メッセージを出力するための音声信号を生成してスピーカ21に送信する。
ちなみに、工事用車両の運転者は、運転中はスピーカ21から出力されるメッセージや警報音によって注意喚起され、ディスプレイ20で表示されているメッセージ等について停止中に確認するかあるいは同乗者が確認することになる。
なお、上記の構成に加えて学習機能を備える構成としてもよい。学習機能の一例を説明する。上記したように、制限速度を超過した場合にそのときの工事用車両の位置、速度、走行方向及び制限速度がメモリに記憶されている。そのデータを利用し、工事用車両が頻繁に速度を超過する位置と走行方向を特定し、その位置と走行方向に応じた危険ポイントを認定し、その危険ポイントの手前にゲートを追加するとともに速度を抑える注意喚起情報を用意する。このように学習によって新たにゲートを追加することにより、工事用車両が頻繁に制限速度超過していた位置の手前で注意喚起することができる。また、制限速度を超過した場合に上記の各情報が制限速度を超過したときの時刻に対応付けられて記憶されている。そのデータを利用し、工事用車両が頻繁に速度を超過する位置と走行方向に加えて頻繁に速度を超過する時間帯を特定し、その位置と走行方向及び時間帯に応じた危険ポイントを認定し、その時間帯に対応付けて危険ポイントの手前にゲートを追加するとともに速度を抑える注意喚起情報を用意する。このように時間情報を対応付けて新たにゲートを追加することにより、工事用車両が頻繁に制限速度超過していた時間帯にのみ注意喚起することができる。また、上記したように、位置、速度、走行方向を演算する毎にその各データが時刻に対応付けてメモリに記憶されているので、それらの各データのログに基づいて、各時間帯で最適な制限速度を設定したり、減速ポイントを設定したりしてもよい。
また、管理者によるゲート追加機能を備える構成としてもよい。ゲート追加機能の一例を説明する。メール受信部11で受信したメールがゲートの追加を指示するメールと判断した場合、安全支援情報設定部34ではメールの内容に従ってその追加のゲートの安全支援情報も設定するようにする。また、管理者によるゲート削除機能を備える構成としてもよい。ゲート削除機能の一例を説明する。メール受信部11で受信したメールがゲートの削除を指示するメールと判断した場合、安全支援情報設定部34ではメールの内容に従ってそのゲートを削除する。
図1を参照して、工事用車両安全支援システム1での動作について説明する。特に、図4〜図8の各フローチャートに沿って、ルート逸脱支援機能、制限速度超過支援機能、危険ポイント通過支援機能、臨時メッセージ支援機能、設定情報変更機能について説明する。図4は、本実施の形態に係るルート逸脱支援機能の流れを示すフローチャートである。図5は、本実施の形態に係る制限速度超過支援機能の流れを示すフローチャートである。図6は、本実施の形態に係る危険ポイント通過支援機能の流れを示すフローチャートである。図7は、本実施の形態に係る臨時メッセージ支援機能の流れを示すフローチャートである。図8は、本実施の形態に係る設定情報変更機能の流れを示すフローチャートである。
GPS受信部10では、GPS衛星からGPS信号を受信する毎に、その受信したGPS信号をマイクロコンピュータ30の位置演算部32に出力している。マイクロコンピュータ30の位置演算部32では、3個以上のGPS衛星からGPS信号を受信できている場合、その3個以上のGPS信号に基づいて現在位置を演算している。さらに、マイクロコンピュータ30の速度走行方向演算部33では、位置が演算される毎に、その今回演算された位置と前回演算された位置の相対変化から現在の速度と走行方向を演算している。
メール受信部11では、メールを受信する毎に、そのメールが工事用車両の管理者からのメールと判別した場合にはそのメールをマイクロコンピュータ30の安全支援情報設定部34に出力している。マイクロコンピュータ30の安全支援情報設定部34では、そのメールの内容を確認し、走行環境(天候、路面状況等)に関するメール、臨時メッセージのメール等を判別する。
まず、ルート逸脱支援機能について説明する。マイクロコンピュータ30の速度走行方向演算部33では、上記したように、工事用車両の現在の走行方向を演算している(S10)。安全支援情報設定部34では、ルート逸脱判定ポイントを通過する毎に、走行方向に応じてルート逸脱を判定するための正規ルートのゲートと逸脱ルート(逸脱ルートは複数の場合もある)のゲートを設定するとともに、ルート逸脱時の注意喚起情報を設定する(S11)。
位置演算部32では、上記したように、工事用車両の現在の位置を演算している(S12)。そして、判定部35では、現在の位置と前回の位置を結ぶ線分と正規ルートのゲート(線分)及び逸脱ルートのゲート(線分)とを比較し(S13)、工事用車両がいずれかのゲートを通過したか否かを判定する(S14)。S14にていずれのゲートも通過していないと判定した場合、S12の処理に戻り、次の位置に対する判定を行う。
S14にていずれかのゲートを通過したと判定した場合、判定部35では、正規ルートのゲートを通過したかあるいは逸脱ルートのゲートを通過したかにより、工事用車両が正規ルートから逸脱したか否かを判定する(S15)。S15にて正規ルートを逸脱したと判定した場合、出力制御部36では、ルート逸脱時の注意喚起情報を用いて、注意喚起メッセージを表示するための画像信号をディスプレイ20に送信し、注意喚起メッセージを出力又は警報音を出力するための音声信号をスピーカ21に送信し、ルート逸脱とその位置を知らせるメール送信信号をメール送信部22に送信する(S16)。ディスプレイ20では、その画像信号を受信すると、ルートを逸脱していることを示す画像を表示する。スピーカ21では、その音声信号を受信すると、ルートを逸脱していることを知らせるメッセージあるいは警報音を出力する。メール送信部22では、そのメール送信信号を受信すると、ルート逸脱とその位置を知らせるメールを管理者に送信する。
そして、マイクロコンピュータ30の判定部35では、ルート上の全てのルート逸脱判定ポイントを通過したか否かを判定する(S17)。S17にて全て通過していないと判定した場合、S10の処理に戻り、次のルート逸脱判定ポイントに対する処理を行う。S17にて全て通過したと判定した場合、処理を終了する。
次に、制限速度超過支援機能について説明する。マイクロコンピュータ30の速度走行方向演算部33では、上記したように、工事用車両の現在の走行方向を演算している(S20)。安全支援情報設定部34では、制限速度区間を通過する毎に、現在の時刻と走行方向に応じて次の制限速度区間(次の制限速度の切り替わり地点のゲート)を設定し、その区間の制限速度と制限速度超過時の注意喚起情報を設定する(S21)。
位置演算部32では、上記したように、工事用車両の現在の位置を演算している(S22)。また、速度走行方向演算部33では、上記したように、工事用車両の現在の速度を演算している(S23)。そして、判定部35では、現在の速度と制限速度を比較し(S24)、工事用車両が制限速度を超過しているか否かを判定する(S25)。S25にて制限速度を超過したと判定した場合、出力制御部36では、制限速度超過時の注意喚起情報を用いて、注意喚起メッセージを表示するための画像信号をディスプレイ20に送信し、注意喚起メッセージを出力又は警報音を出力するための音声信号をスピーカ21に送信し、制限速度超過とその位置を知らせるメール送信信号をメール送信部22に送信する(S26)。ディスプレイ20では、その画像信号を受信すると、制限速度を超過していることを示す画像を表示する。スピーカ21では、その音声信号を受信すると、制限速度を超過していることを知らせるメッセージあるいは警報音を出力する。メール送信部22では、そのメール送信信号を受信すると、制限速度超過とその位置を知らせるメールを管理者に送信する。
判定部35では、現在の位置と前回の位置を結ぶ線分と次の制限速度の切り替わり地点のゲートとを比較し、工事用車両が現在の制限速度区間を通過したか否かを判定する(S27)。S27にて現在の制限速度区間を通過していないと判定した場合、S22の処理に戻り、次の位置に対する判定を行う。
S27にて現在の制限速度区間を通過したと判定した場合、マイクロコンピュータ30の判定部35では、ルートを走行終了したか否か(ルートの終点のゲートを通過したか否か)を判定する(S28)。S28にてルートを走行終了していないと判定した場合、S20の処理に戻り、次の制限速度区間に対する処理を行う。S28にてルートを走行終了したと判定した場合、処理を終了する。なお、制限速度区間が切り替わるときに、切り替わった制限速度をディスプレイ20で表示したり、スピーカ21から音声出力するようにするとよい。
次に、危険ポイント通過支援機能について説明する。マイクロコンピュータ30の速度走行方向演算部33では、上記したように、工事用車両の現在の走行方向を演算している(S30)。安全支援情報設定部34では、危険ポイントを通過する毎に、現在の時刻と走行方向に応じて次の危険ポイントのゲートを設定し、その危険ポイントでの注意喚起情報を設定する(S31)。
位置演算部32では、上記したように、工事用車両の現在の位置を演算している(S32)。そして、判定部35では、現在の位置と前回の位置を結ぶ線分と次の危険ポイントのゲートとを比較し(S33)、工事用車両が危険ポイントのゲートを通過したか否かを判定する(S34)。S34にて危険ポイントのゲートを通過していないと判定した場合、S32の処理に戻り、次の位置に対する判定を行う。
S34にて危険ポイントのゲートを通過したと判定した場合、出力制御部36では、危険ポイントでの注意喚起情報を用いて、注意喚起メッセージを表示するための画像信号をディスプレイ20に送信し、注意喚起メッセージを出力又は警報音を出力するための音声信号をスピーカ21に送信する(S35)。ディスプレイ20では、その画像信号を受信すると、危険ポイントに対する注意喚起の画像を表示する。スピーカ21では、その音声信号を受信すると、危険ポイントに対する注意喚起をするメッセージあるいは警報音を出力する。
そして、マイクロコンピュータ30の判定部35では、ルート上の全ての危険ポイントを通過したか否かを判定する(S36)。S36にて全て通過していないと判定した場合、S30の処理に戻り、次の危険ポイントに対する処理を行う。S36にて全て通過したと判定した場合、処理を終了する。
次に、臨時メッセージ支援機能について説明する。マイクロコンピュータ30の安全支援情報設定部34では、メール受信部11から入力されたメールの内容を確認し、管理者からの臨時メッセージのメールか否かを判定する(S40)。S40にて管理者からの臨時メッセージのメールと判定した場合、安全支援情報設定部34では、その臨時メッセージを出力する地点のゲートと出力可能な時間帯を設定する(S41)。
位置演算部32では、上記したように、工事用車両の現在の位置を演算している(S42)。そして、判定部35では、現在の位置と前回の位置を結ぶ線分と臨時メッセージ出力地点のゲートとを比較し(S43)、臨時メッセージ出力地点のゲートを通過したか否かを判定する(S44)。S44にて臨時メッセージ出力地点のゲートを通過していないと判定した場合、S42の処理に戻り、次の位置に対する判定を行う。
S44にて臨時メッセージ出力地点のゲートを通過したと判定した場合、出力制御部36では、現在時刻が臨時メッセージを出力可能な時間帯の場合、臨時メッセージの情報を用いて、臨時メッセージを表示するための画像信号をディスプレイ20に送信し、臨時メッセージを出力するための音声信号をスピーカ21に送信する(S45)。ディスプレイ20では、その画像信号を受信すると、臨時メッセージを示す画像を表示する。スピーカ21では、その音声信号を受信すると、臨時メッセージを出力する。そして、処理を終了する。なお、臨時メッセージ出力地点のゲートを通過したときに現在時刻が出力可能な時間帯でない場合、臨時メッセージが出力されないので、次回以降の臨時メッセージ出力地点のゲートを通過したときに出力可能な時間帯であれば臨時メッセージが出力される。
なお、臨時メッセージとしては、例えば、「降雨のため作業中止」、「現在のルート上のX地点で通行止め、予備ルートに変更」がある。このような臨時メッセージに対応して、安全支援情報設定部34での安全支援情報の設定も変更するようにするとよい。
次に、設定情報変更機能について説明する。マイクロコンピュータ30の安全支援情報設定部34では、メール受信部11から入力されたメールの内容を確認し、管理者からの走行環境に関するメールか否かを判定する(S50)。S50にて管理者からの走行環境のメールと判定した場合、安全支援情報設定部34では、設定されている安全支援情報をメールの走行環境に適した新たな安全支援情報に変更する(S51)。
なお、管理者から走行環境に関するメールが送信されていない場合、デフォルトの走行環境(例えば、天候は晴れ、路面はドライ)あるいは工事用車両での作業開始時に入力された走行環境に応じて安全支援情報を設定する。また、管理者から走行環境に関するメールが送信された場合、管理者から新たに走行環境に関するメールを受信するまで、受信したメールの走行環境に応じて安全支援情報を設定(変更)する。
この工事用車両安全支援システム1によれば、時刻情報、走行環境情報、走行方向情報を対応付けて安全支援情報を設定しているので、工事用車両が走行しているときの時刻、走行環境、走行方向に応じて安全に走行するための適切な支援を行うことができる。特に、工事用車両安全支援システム1によれば、時刻情報、走行環境情報、走行方向情報を応じた複数の安全支援情報を予め用意しておき、その複数の安全支援情報からそのときの条件に適した安全支援情報を選択するだけなので、最適な安全支援情報を容易に設定できる。
また、工事用車両安全支援システム1によれば、管理者からの臨時メッセージを出力するのに適した地点のゲートに対応付けて安全支援情報を設定しているので、運転者の運転の妨げになることなく臨時メッセージを提供できる。
また、工事用車両安全支援システム1によれば、携帯電話のメール機能を利用して管理者と双方向で情報を送受信できるので、管理者からの情報に応じて安全支援情報を設定でき、管理者からの情報を利用したより適切な支援を行うことができる。さらに、管理者から走行環境情報をメールで取得できるので、工事用車両には路面状況や天候等の走行環境を検出するためのセンサが必要ない。また、管理者側では、制限速度を超過した情報、ルートを逸脱した情報を取得できるので、これらの情報に基づいて運転者に対して安全運転指導等を行うことができる。
また、工事用車両安全支援システム1によれば、走行情報の履歴(特に、制限速度超過の履歴)に基づく学習機能を有することにより、安全に走行するためのゲートを新たに設定でき、そのゲートに対応付けた安全支援情報を用いて安全に走行するためのより適切な支援を行うことができる。
また、工事用車両安全支援システム1によれば、GPS機能付携帯電話に構成することにより、車両側に特別な装備を施すことなく、簡易かつ低コストでシステムを構成できる。さらに、GPS機能を利用して工事用車両の位置(ひいては、速度、走行方向)も容易に取得することができる。また、工事用車両安全支援システム1によれば、ルート上のゲートを設定するだけなので、道路情報等からなる通常の地図データを必要としない。そのため、システムを構成する上で地図データの導入や大容量のメモリを必要としないので、より低コストでシステムを構成できる。
また、工事用車両安全支援システム1によれば、工事用車両の位置、速度、走行方向等を時刻に対応付けて記憶するので、工事用車両の一日の運行状況を把握でき、工事用車両の日報にも代用できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態ではGPS機能付携帯電話で構成する工事用車両安全支援システムに適用したが、専用の車載機でもよいし、他の携帯端末で構成してもよい。例えば、車載のナビゲーションシステムあるいは携帯のナビゲーションシステムに組み込んでもよい。
また、本実施の形態では外部との通信機能を有し、管理者側と情報を送受信するシステムに構成したが、管理者側との通信を行わないシステムにも適用可能である。また、通信機能としては携帯電話のメール機能を利用したが、他の無線通信機能を利用してもよい。
また、本実施の形態ではルート逸脱、制限速度超過、危険ポイント、臨時メッセージに対応した安全支援に適用したが、この4つのうちのいずれか1つ、2つ又は3つに対応した安全支援でもよいし、あるいは、他の安全支援にも適用可能ある。
また、本実施の形態では時刻(時間帯)、走行環境、走行方向に応じて安全支援情報を設定(選択)する構成としたが、時刻、走行環境、走行方向のうちの2つ又は1つに応じて安全支援情報を設定してもよい。
また、本実施の形態では管理者側から天候情報や路面情報等の走行環境に関するメールを受信し、そのメールの情報に応じて安全支援情報を変更する構成としたが、工事用車両に備えられる各種センサを利用し、センサの検出情報に応じて安全支援情報を変更するようにしてもよい。例えば、照度センサの検出値によって昼夜を判断したり、雨量センサの検出値によって降雨状態を判断したり、温度センサの検出値によって凍結状態を判断したり、荷重センサの検出値によって工事用車両が空車か実車かを判断したりし、その判断した情報に応じて情報を変更する。また、携帯電話のネット接続機能等を利用し、インタネット等から天候情報や路面情報等を取得するようにしてもよい。
また、本実施の形態ではGPSを利用して工事用車両の現在位置や速度等を取得する構成としたが、他の手法で現在位置や速度等を取得してもよい。
また、本実施の形態ではルート上に仮想のゲートを設け、ゲートに基づいて走行ルート上のルート逸脱判定地点、制限速度の区間、注意喚起や臨時メッセージのアナウンスを行う地点を判定したが、ルートや各地点の設定については他の方法でもよい。例えば、道路情報等を含む地図データによってルートの情報を設定することも可能である。