JP2012026903A - 鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼製の水中構造材の補修点検のための肉厚測定に際して、鋼製の水中構造材に付着した付着物を除去することなく、鋼製の水中構造材の水中表面の所定の肉厚測定箇所で肉厚を簡便に測定するための鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を提供する。
【解決手段】鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を、肉厚計測具が内部に収納されている本体部、該本体部の開口部を覆う蓋体部、該本体部に接続されているケーブル1c、水中で位置固定する際に使用する一対の係止部1dから成り、全体の比重が1.2〜1.6の計測装置収納体1と、長手方向を鋼製の水中構造材Yに沿って設置される一対のアルミ製のレール材2a、鋼製の水中構造材Yに固定するための一対のクランプ部2bを有し、各レール材2aの長手方向に所定間隔毎にそれぞれ計測装置収納体1の係止部1dを係止するための受け部2cが形成されている位置保持体2とから構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼矢板や鋼管矢板や鋼管杭やジャケットの如き鋼製の水中構造材の補修点検のための肉厚測定に際して、鋼製の水中構造材に付着した付着物を除去することなく、鋼製の水中構造材の水中表面の所定の肉厚測定箇所でその肉厚を簡便に測定するための鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置に関するものである。
従来から海、河川、湖等において、護岸や岸壁等の構造体として、鋼製の水中構造材が設置されてきた。このような鋼製の水中構造材は大部分が水際及び水中に位置して腐食し易い。この腐食状況を調べるためには、鋼製の水中構造材の肉厚を調べる必要があるがその表面には貝等が付着し易く、正確な肉厚を計測するためには、貝等を削り落としてから計測する必要がある。
このような貝等を除去する作業の煩雑さに加えて、グラインダー等で削り落とす際に、鋼製の水中構造材の表面に事前に被覆されている防食材を損傷したり,鋼製の水中構造材を破損させたり、削り過ぎて鋼製の水中構造材の肉厚を薄くしてしまうなどの問題が生じたりする。
このような付着物の問題に対して、超音波の多重反射を利用することで、非接触で板厚を計測することができる超音波による港湾鋼構造物の非接触板厚計測の方法がある(例えば、非特許文献1参照。)。
この超音波による非接触板厚計測の方法では、超音波を利用することで鋼製の水中構造材の表面の付着物に関係なく非接触で板厚を計測することができるから、付着物を除去する必要がない。しかしながら、超音波の入射角は±3°以内という非常に高い精度が必要で(非特許文献1 「6.まとめ」参照。)、このような高い精度は、陸上でさえ多数の機材を使用しないと実現できないものであるから、これを水中において実施することは難しい。
また鋼製の水中構造材のような大型構造材では、構造材全体に亘って肉厚を測定することは難しいため、鋼製の水中構造材の表面において予め所定間隔毎に定めた測定箇所において肉厚が測定される。
また大型構造材である鋼製の水中構造材ではこのような測定箇所を多数測定する必要があり、その際、各測定箇所毎に肉厚計測具を正確な位置に設置しなければならないため、非常に手間が掛かるという問題がある。
このような多数の測定箇所を測定しなければならないという問題に対しては、支持部材に肉厚測定ヘッドを揺動可能に取付け、該肉厚測定ヘッドは、配管に磁力で吸着可能なローラと、該ローラの吸着で探触面が配管に当接する超音波探触子を具備することを特徴とする配管肉厚測定装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
この配管肉厚測定装置では、棒状の支持部材の先端に肉厚測定ヘッドが取付けられていて、この肉厚測定ヘッドを磁力よって配管に吸着させて肉厚測定するものであるから扱い易い。しかしながら、水中における使用でしかも海生付着物がある状態では、磁力による吸着は困難である。
吉住 夏輝、他5名、電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波、"超音波による港湾鋼構造物の非接触板厚計測"、[online]、平成20年11月20日、超音波研究会(電子情報通信学会・日本音響学会)[平成22年6月15日検索]、インターネット<URL: http://www.pa.qsr.mlit.go.jp/gityou/cgi-data/reports/reports_files/no211.pdf>
特開2009−222387号公報
本発明は前記の問題に鑑み、鋼製の水中構造材の補修点検のための肉厚測定に際して、鋼製の水中構造材に付着した付着物を除去することなく、鋼製の水中構造材の水中表面の所定の肉厚測定箇所でその肉厚を簡便に測定するための鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、肉厚計測具として非接触型渦流探傷用の肉厚計測具を使用すれば、指向性の高い超音波を使用した肉厚計測具のように非常に高い設置精度や多数の機材を使用することなく、鋼製の水中構造材に付着物が付着したままの状態で簡便に鋼製の水中構造材の肉厚を測定することができ、またこの非接触型渦流探傷用の肉厚計測具を収納する計測装置収納体を、非磁性ステンレス製の深皿状であって非接触型渦流探傷用の肉厚計測具が内部に収納されている本体部と、本体部の開口部を覆うように水密状態に取り付けられているプラスチック製の透明な蓋体部と、肉厚計測具用の電源取得及び肉厚計測具からの測定データ送信のために本体部に水密に接続されているケーブルと、本体部の左右側方にそれぞれ突設されていて水中で位置固定する際に使用する一対の係止部とから構成させると共に、全体の比重が1.2〜1.6となるようにすれば、開口部がプラスチック製の透明な蓋体部によって覆われた非磁性ステンレス製の本体部の内部に肉厚計測具が収納されるので、肉厚計測具によって形成される磁場に悪影響が出ることなく肉厚計測具を水中で使用することができ、また本体部にケーブルが水密に接続されているから肉厚計測具用の電源取得及び肉厚計測具からの測定データ送信が確実にでき、更に全体の比重が1.2〜1.6であるから浮力が発生しないので容易に沈み込ませることができると共に、移動させる際に重すぎてダイバーの負担となることもなく、
また上端と下端とが鋼製の水中構造材に当接せしめられるスペーサを有する連結材によって連結されて枠体状に形成されていて長手方向を鋼製の水中構造材に沿って設置される一対のアルミ製のレール材と、レール材の両端に設けられていて鋼製の水中構造材に固定するための一対のクランプ部とを有し、レール材の長手方向に所定間隔毎にそれぞれ計測装置収納体の係止部を係止するための受け部が形成されている位置保持体を使用すれば、レール材をクランプ部によって鋼製の水中構造材の測定箇所に合わせてしっかりと固定することができ、またレール材の上端と下端とにスペーサがあるのでレール材と鋼製の水中構造材との間隔を一定且つ正確に保つことができ、そしてこのように位置固定されたレール材に鋼製の水中構造材の測定箇所に合わせて受け部を形成させておけば、このレール材の受け部に計測装置収納体の係止部を順次係止させて計測をしていくだけで、ダイバーが多数の肉厚測定点を水中で特定しながら肉厚を測定していくような必要もなく簡便且つ迅速な作業ができることを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、非磁性ステンレス製の深皿状であって非接触型渦流探傷用の肉厚計測具が内部に収納されている本体部と、本体部の開口部を覆うように水密状態に取り付けられているプラスチック製の透明な蓋体部と、肉厚計測具用の電源取得及び肉厚計測具からの測定データ送信のために本体部に水密に接続されているケーブルと、本体部の左右側方にそれぞれ突設されていて水中で位置固定する際に使用する一対の係止部とから成り、全体の比重が1.2〜1.6の計測装置収納体と、
上端と下端とが鋼製の水中構造材に当接せしめられるスペーサを有する連結材によって連結されて枠体状に形成されていて長手方向を鋼製の水中構造材に沿って設置される一対のアルミ製のレール材と、レール材の両端に設けられていて鋼製の水中構造材に固定するための一対のクランプ部とを有し、レール材の長手方向に所定間隔毎にそれぞれ前記計測装置収納体の係止部を係止するための受け部が形成されている位置保持体と
から構成されていることを特徴とする鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置である。
本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置は、肉厚計測具として非接触型渦流探傷用の肉厚計測具を使用するから、指向性の高い超音波を使用した肉厚計測具のように非常に高い設置精度や多数の機材を使用することなく、鋼製の水中構造材に付着物が付着したままの状態で簡便に鋼製の水中構造材の肉厚を測定することができ、またこの非接触型渦流探傷用の肉厚計測具を収納する計測装置収納体が、非磁性ステンレス製の深皿状であって非接触型渦流探傷用の肉厚計測具が内部に収納されている本体部と、本体部の開口部を覆うように水密状態に取り付けられているプラスチック製の透明な蓋体部と、肉厚計測具用の電源取得及び肉厚計測具からの測定データ送信のために本体部に水密に接続されているケーブルと、本体部の左右側方にそれぞれ突設されていて水中で位置固定する際に使用する一対の係止部とから構成させると共に、全体の比重が1.2〜1.6となっているから、開口部がプラスチック製の透明な蓋体部によって覆われた非磁性ステンレス製の本体部の内部に肉厚計測具が収納されるので、肉厚計測具によって形成される磁場に悪影響が出ることなく、肉厚計測具を水中で使用することができ、また本体部にケーブルが水密に接続されているから肉厚計測具用の電源取得及び肉厚計測具からの測定データ送信が確実にでき、更に全体の比重が1.2〜1.6であるから浮力が発生しないので容易に沈み込ませることができると共に移動させる際に重すぎてダイバーの負担となることもなく、
また上端と下端とが鋼製の水中構造材に当接せしめられるスペーサを有する連結材によって連結されて枠体状に形成されていて長手方向を鋼製の水中構造材に沿って設置される一対のアルミ製のレール材と、レール材の両端に設けられていて鋼製の水中構造材に固定するための一対のクランプ部とを有し、レール材の長手方向に所定間隔毎にそれぞれ前記計測装置収納体の係止部を係止するための受け部が形成されている位置保持体を使用するから、レール材をクランプ部によって鋼製の水中構造材の測定箇所に合わせてしっかりと固定することができ、またレール材の上端と下端とにスペーサがあるのでレール材と鋼製の水中構造材との間隔を一定且つ正確に保つことができ、そしてこのように位置固定されたレール材に鋼製の水中構造材の測定箇所に合わせて受け部を形成させておけば、このレール材の受け部に計測装置収納体の係止部を順次係止させて計測をしていくだけでダイバーが多数の肉厚測定点を水中で特定しながら肉厚を測定していくような必要もなく簡便且つ迅速な作業ができるのである。
本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用して鋼矢板の肉厚を測定している様子を示す概略説明図である。 本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置の位置保持体を鋼矢板に固定する様子を示す概略説明図である。 本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置の計測装置収納体を位置保持体に固定する様子を示す説明図である。 本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置の計測装置収納体を示す斜視図である。 本体部内に肉厚計測具が収納されている状態を示す正面図である。 本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置の位置保持体を示す正面図である。 図6における位置保持体の裏面側の一方の端部の拡大斜視図である。
以下、図面を用いて本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置について詳細に説明する。
図面中、Xは非接触型渦流探傷用の肉厚計測具である。本発明では、この肉厚計測具Xは水中で使用されるが、後述するように開口部に水密状態で蓋体部1bが取り付けられた本体部1a内に収納されているので、この肉厚計測具Xは特別な水中用の肉厚計測具である必要はなく、また後述するようにケーブル1cを介して電力の供給等を受けることができるので、ポータブル式などの特別な仕様のものである必要もなく、一般に陸上で使用するものを流用するだけでよい。
1は非磁性ステンレス製の深皿状であって非接触型渦流探傷用の肉厚計測具Xが内部に収納されている本体部1aと、この本体部1aの開口部を覆うように水密状態に取り付けられているプラスチック製の透明な蓋体部1bと、肉厚計測具X用の電源取得及び肉厚計測具Xからの測定データ送信のために本体部1aに水密に接続されているケーブル1cと、本体部1aの左右側方にそれぞれ突設されていて水中で位置固定する際に使用する一対の係止部1d,1dとから成り、全体の比重が1.2〜1.6の計測装置収納体である。
この計測装置収納体1全体の比重を1.2〜1.6としたのは、1.2未満で浮力が発生して作業が難しくなったり、潮流の影響により計測装置収納体1の位置が安定しない場合があり、1.6を超えると重すぎて計測装置収納体1を移動させるダイバーに大きな負担が掛かるからである。
また蓋体部1bとしては、水中で使用されるので高い水圧に耐えられることが必要であり、また本体部1aとの水密状態を保つために、ケーブル1cを通して空気を送り込み、蓋体部1bによって開口部が覆われた本体部1a内部の圧力を高めて水をより浸入し難くした態様にすることもできる。
2は上端と下端とが鋼製の水中構造材Yに当接せしめられるスペーサ2aa,2aaを有する連結材2ab,2abによって連結されて枠体状に形成されていて長手方向を鋼製の水中構造材Yに沿って設置される一対のアルミ製のレール材2a,2aと、このレール材2a,2aの両端に設けられていて鋼製の水中構造材Yに固定するための一対のクランプ部2b,2bとを有し、レール材2a,2aの長手方向に所定間隔毎にそれぞれ前記計測装置収納体1の係止部1d,1dを係止するための受け部2c,2cが形成されている位置保持体ある。またこの受け部2c,2cは、予め所定間隔毎に定めた測定箇所と同じ間隔となるようにレール材2a,2aの長手方向に複数形成されている。
本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用して、実際に鋼製の水中構造材Yの肉厚測定をするには、先ず、図2のようにダイバーが水中に潜り、位置保持体2の上端及び下端のスペーサ2aa,2aaを鋼製の水中構造材Yに当接させて、レール材2a,2aと鋼製の水中構造材Yとの距離が一定となるようにすると共に、この状態で位置保持体2の上端及び下端にあるクランプ部2b,2bによって計測装置収納体1を鋼製の水中構造材Yにしっかりと固定するのである。なお各図面では例示として鋼製の水中構造材Yとして鋼矢板を示しているが、鋼管矢板や鋼管杭やジャケットの場合であっても鋼矢板と手順等に相違はない。
そして鋼製の水中構造材Yに固定した位置保持体2のレール材2a,2aには、その長手方向に所定間隔毎に受け部2c,2cが形成されているから、その受け部2c,2cにダイバーが計測装置収納体1の係止部1d,1dを係止させて計測装置収納体1を固定するのである(図3)。なお予め定めた測定箇所に計測装置収納体1を位置させるために、ダイバーは受け部2c,2cの位置に注意しながら予め位置保持体2をクランプ部2b,2bによって鋼製の水中構造材Yに固定しておく必要がある。
次に、ダイバーは計測装置収納体1を予め定めた測定箇所に設置したことを陸上の作業者に連絡し(図1)、その連絡を受けた作業者が計測装置収納体1内の肉厚計測具Xを操作して、測定箇所の肉厚の測定データを陸上側のコンピュータ等に送信させて測定データの保存・解析を行うのである。
このようにして使用される本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置について、その測定精度等を確認するために以下のような実験を行った。
先ず一般に陸上で使用される非接触型渦流探傷用の肉厚計測具を使用して、本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置によって実際に有効な測定ができるか否かを検証した。具体的には、肉厚計測具を内部に設置した本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置によって、陸上で鋼矢板の肉厚を正確に測定かできるか否かを確認した後に(下記表1)、水中において同じ対象物の肉厚を測定して同様の精度で測定できるか否かを検証した(下記表2)。
先ず使用した鋼矢板は、実験用に製作した高さ1500mm、全幅1200mmのものであって、幅方向に関しては400mm毎に裏側に折り曲げて横断面がコの字状となるように形成したSY295から成る鋼矢板である。
そしてこのような実験用の鋼矢板として、厚さがそれぞれ13mm(100%)、11.05mm(85%)、9.1mm(70%)の15%ずつ肉厚を変更した三種類を準備して陸上と水中で各肉厚を測定した。またこの実験では表面に貝等の付着物のないものを使用した。
この実験ではApplus RTD社製のINCOTEST MKII(P1.5−04型)を肉厚計測具として使用した。
この肉厚計測具は肉厚の絶対値、即ち12mmの肉厚を測定した時に直接12mmの数値が得られるものではなく、例えば厚さが12mmと分かっている基準箇所を測定してその際に得られた数値が100として表示されるように予め装置を調整しておいて(初期設定)、その後に他の測定箇所の肉厚を測定することで、その基準箇所の何パーセントの厚さになるかという相対的な数値が得られる肉厚計測具であり、例えば或る測定箇所を測定した際に80という数値が表示されると、これによりその測定箇所の肉厚が基準箇所肉厚12mmの80%の厚さということが分かる。従って12mmの80%であるから絶対値である9.6mmという数値も簡単に換算することもできる。なお本実施例では以下のように相対値によってその結果を示す。
先ず、陸上で前記肉厚計測具を本発明に係る水中位置固定装置の内部に設置した状態で、鋼矢板Aの肉厚13mmを基準肉厚とするために、その肉厚測定結果が100と表示されるように肉厚計測具を調整した(初期設定)。
このような調整をした後に、鋼矢板Aに対して肉厚が85%である鋼矢板B(11.05mm)と、肉厚が70%である鋼矢板C(9.10mm)について肉厚を測定した。その結果を以下に示す。
Figure 2012026903
表1のとおり、鋼矢板A(13mm)に対して85%の肉厚を持つ鋼矢板B(11.05mm)を測定した結果、85%という測定結果が得られ、鋼矢板Bについては誤差がなく正確に肉厚が測定できた。また鋼矢板A(13mm)に対して70%の肉厚を有する鋼矢板C(9.10mm)に対しては、66%という測定結果となり、僅かに誤差を生じたものの、使用に耐え得る範囲の誤差となった。以上のことから、肉厚計測具を内部に設置した本発明に係る水中位置固定装置によって、陸上において十分な精度で肉厚を測定できることが確認できた。
次に、水中において、上記実験と同じ本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用し、上記実験と同じ鋼矢板A(13mm),鋼矢板B(11.05mm)及び鋼矢板C(9.10mm)について同様の肉厚測定を行った。その結果を以下に示す。なお肉厚計測具の初期設定は上記陸上の実験で鋼矢板Aの肉厚を100とした時の初期設定をそのまま使用して、陸上の場合と同条件で実験を行った。
Figure 2012026903
表2のとおり、本発明に係る装置を使用して水中で測定した結果(表2の右列)は、陸上で測定した結果(表2の中列)と殆ど同じ数値となっており、本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置は、水中であっても、陸上と同様な精度で鋼矢板の肉厚を測定できることが確認できた。
なお板状の鋼矢板だけでなく管状の鋼管(鋼管矢板)についても、水中で陸上と同様な精度で肉厚を測定できるかを確認するために、実験用に作成した管径500mm、管の肉厚12.7mm、高さ1500mm、全幅1200mmのSTPG370S製の鋼管矢板を使用して、水中において鋼管部分の肉厚測定をした。その際、陸上で鋼管の肉厚(12.7mm)を測定してその値が100となるように初期設定し、そのまま水中で同様な肉厚測定を行った。その結果、水中でも陸上と同様に測定値は100となり鋼管(鋼管矢板)に対しても、本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用すれば、陸上と同様な精度で肉厚を測定できることが確認できた。
次に、本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用すれば、鋼矢板の表面の付着物の影響を受けることなく、正確に鋼矢板の肉厚の測定ができることを確認するために以下のような検証を行った。
先ず肉厚が13mmと同一であって、表面に何らの付着物もない前記鋼矢板Aと、表面に貝殻を隙間なく付着させた鋼矢板Dと、表面に厚さが1.1mmのペトロラタム製防食テープ(商品名:セキスイ ペトロラタム #870H、積水化学工業株式会社製)を2重に貼着させた鋼矢板Eとを準備し、これらの鋼矢板A,D,Eに対して上記鋼矢板A〜Cの実験で使用した本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用して、水面下約1〜2mにおいてその肉厚を測定した。その結果を以下に示す。
Figure 2012026903
この実験でも、これまでの実験と同様に、先ず予め13mmと分かっている鋼矢板Aの肉厚を陸上で測定した結果が100と表示されるように調整した肉厚計測具を使用して、水中において鋼矢板A,D,Eの肉厚を測定した。
その結果、表3のように、鋼矢板D及びEは鋼矢板の表面に貝殻や防食テープが付着されていて全体の肉厚が厚くなっているにも拘わらず、表面に何もない鋼矢板Aと同一(鋼矢板Dの場合)又は略同一(鋼矢板Eの場合)の測定結果が得られた。このことから同じ肉厚(13mm)の鋼矢板A,D,Eにおいて、その表面の付着物の有無に関わりなく、本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用すれば、その肉厚(13mm)のみを正確に測定することができることが確認できた。
これらの実験から、本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用すれば、陸上での正確な測定結果(表1)と同様な測定結果が水中においても得られ(表2)、また鋼製の水中構造材の表面の付着物の有無に関わりなく、鋼製の水中構造材の肉厚を正確に測定できることが明らかとなった(表3)。
更に水面近傍は、常時水中に位置する箇所に比べて酸素の供給もあり一番腐食が進み易くその肉厚測定が非常に重要となるが、このような水面近傍はその測定時によって水上であったり水中であったりするが、本発明に係る鋼製の水中構造材の肉厚計測具用の水中位置固定装置を使用すれば、陸上での測定結果と水中での測定結果との間に殆どずれが生じないことから(表2)、一番腐食の影響を受け易い水面近傍を非常に正確に肉厚測定することができるのである。
X 肉厚計測具
Y 鋼製の水中構造材
1 計測装置収納体
1a 本体部
1b 蓋体部
1c ケーブル
1d 係止部
2 位置保持体
2a レール材
2aa スペーサ
2ab 連結材
2b クランプ部
2c 受け部

Claims (1)

  1. 非磁性ステンレス製の深皿状であって非接触型渦流探傷用の肉厚計測具(X)が内部に収納されている本体部(1a)と、該本体部(1a)の開口部を覆うように水密状態に取り付けられているプラスチック製の透明な蓋体部(1b)と、該肉厚計測具(X)用の電源取得及び該肉厚計測具(X)からの測定データ送信のために該本体部(1a)に水密に接続されているケーブル(1c)と、該本体部(1a)の左右側方にそれぞれ突設されていて水中で位置固定する際に使用する一対の係止部(1d,1d)とから成り、全体の比重が1.2〜1.6の計測装置収納体(1)と、
    上端と下端とが鋼製の水中構造材(Y)に当接せしめられるスペーサ(2aa,2aa)を有する連結材(2ab,2ab)によって連結されて枠体状に形成されていて長手方向を鋼製の水中構造材(Y)に沿って設置される一対のアルミ製のレール材(2a,2a)と、該レール材(2a,2a)の両端に設けられていて鋼製の水中構造材(Y)に固定するための一対のクランプ部(2b,2b)とを有し、該レール材(2a,2a)の長手方向に所定間隔毎にそれぞれ前記計測装置収納体(1)の係止部(1d,1d)を係止するための受け部(2c,2c)が形成されている位置保持体(2)と
    から構成されていることを特徴とする鋼製の水中構造材(Y)の肉厚計測具用の水中位置固定装置。
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