JP2012026866A - 慣性力センサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤の形状バラツキを低減して、構造体の共振周波数のバラツキ範囲を小さくできる慣性力センサの製造方法を提供する。
【解決手段】構造体60とパッケージ10とのどちらか一方に、接着剤40の外形を所望形状とするための型70を形成する工程と、型70の内部に液状の接着剤40を流入させ、接着剤40を挟んで構造体60と支持部材10とを重ね合わせた状態で接着剤40を硬化させて、接着剤40の外形を所望形状とする工程と、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより、接着剤40を残して型70を除去する工程とを実施する。これによると、硬化後の接着剤の面積および高さを型によって規定できるので、型を用いない場合と比較して、接着剤の形状バラツキを低減でき、構造体の共振周波数のバラツキ範囲を小さくできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、角速度センサに代表される慣性力を検出する慣性力センサの製造方法に関するものである。
従来、振動体を有する角速度検出素子を備え、振動体を駆動振動させ、角速度印加時のコリオリ力による振動体の変位を検出することで角速度検出を行う振動型の角速度センサがある(例えば、特許文献1、2参照)。
このような角速度センサの具体的な構成としては、振動体を有する角速度検出素子を含む構造体が、パッケージ上に接着剤を介して支持された構成のものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許第4254016号公報 特開2007−33393号公報
角速度センサは、構造体の共振周波数が、センシング用周波数、例えば駆動周波数の奇数高調波(駆動周波数を含む)や、ワイヤ等の構造体以外の他の構成部品の共振周波数と一致すると、特性変動することが知られている。なお、駆動周波数の偶数高調波は、通常、回路処理によって低減可能であるため、除外視できる。また、角速度センサの製造において、ワイヤボンディング時の印加超音波の周波数と、構造体の共振周波数が一致すると、構造体の振動によって接続不良が生じてしまう。
このため、角速度センサにおいては、駆動周波数の奇数高調波、構造体以外の構成部品の共振周波数およびワイヤボンディング時の印加超音波の周波数等を避けて、構造体の共振周波数を設定しなければならない。
ここで、上記のように、接着剤を介してパッケージ上に構造体を支持した構成の角速度センサでは、接着剤を含む構造体の1次共振周波数f0は、接着剤をバネとし、構造体を質量体として、次式より表される。
f0=(1/(2π))・(k/m)1/2
式中のkはバネ定数であり、mは質量である。バネ定数はヤング率と接着剤の形状(外形)、すなわち、面積と高さによって決まり、ヤング率は接着剤の材質によって決まる。
したがって、構造体の共振周波数が所望範囲となるように、接着剤の材質や形状、構造体の質量を設定する必要がある。
しかし、構造体を接着剤でパッケージに接着する際では、接着剤として熱硬化性樹脂を用いると、接着剤の量や構造体に印加する荷重等を制御しても、硬化前の接着剤の流動によって、硬化後の接着剤形状にバラツキが生じてしまう。接着剤形状にバラツキが生じると、上記式中のバネ定数kにバラツキが生じ、構造体の共振周波数f0にバラツキが生じる。すなわち、接着剤の形状が変動すると、バネ定数kが変動し、構造体の共振周波数f0が変動してしまう。
このため、駆動周波数の奇数高調波、構造体以外の構成部品の共振周波数等を避けて、構造体の共振周波数を設定しても、共振周波数のバラツキ範囲が大きいと、製品によっては、駆動周波数の奇数高調波、構造体以外の構成部品の共振周波数と一致してしまう恐れが生じる。
ここで、図5は、駆動周波数の奇数高調波、構造体以外の構成部品であるワイヤ、パッケージの蓋の共振周波数およびワイヤボンディング時の印加超音波の周波数を示す周波数マップである。なお、図5中の駆動周波数の1次、3次、5次・・・の記載が奇数高調波を示しており、1次が駆動周波数に相当する。また、ワイヤ、パッケージの蓋の1次、2次は、1次振動、2次振動を意味する。
例えば、駆動周波数の奇数高調波、ワイヤボンディング時の印加超音波の周波数、ワイヤ、パッケージの蓋の共振周波数が図5に示す範囲のとき、接着剤形状にバラツキが生じる場合では、図5に示すように、構造体の共振周波数のバラツキ範囲が広く、駆動周波数の7次、9次の奇数高調波と一致してしまう。
なお、このような問題は、角速度センサに限らず、加速度センサ等の振動体を有する慣性力検出素子を含む構造体が、構造体の支持部材上に接着剤を介して支持される構成の他の慣性力センサにおいても生じることである。
本発明は上記点に鑑みて、接着剤の形状バラツキを低減して、構造体の共振周波数のバラツキ範囲を小さくできる慣性力センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、構造体(60)と支持部材(10)とのどちらか一方に、接着剤(40)の外形を所望形状とするための型(70)を形成する工程と、
型(70)の内部に液状の接着剤(40)を流入させ、接着剤(40)を挟んで構造体(60)と支持部材(10)とを重ね合わせた状態で接着剤(40)を硬化させて、接着剤(40)の外形を所望形状とする工程と、
ウェットエッチングまたはドライエッチングにより、接着剤を残して型(70)を除去する工程とを備えることを特徴としている。
これによると、硬化後の接着剤の面積および高さを型によって規定できるので、型を用いない場合と比較して、接着剤の形状バラツキを低減でき、構造体の共振周波数のバラツキ範囲を小さくすることができる。
具体的には、請求項2に記載の発明のように、型(70)を形成する工程では、型(70)を形成するための型形成用の膜(71)を成膜した後、型形成用の膜(71)に対して、フォトリソグラフィおよびエッチングを実施することにより、型(70)を形成することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、接着剤(40)がシリコーン系接着剤である場合、型形成用の膜(71)をSiO膜とすることができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項2、3に記載の発明において、構造体(60)は半導体チップ(30)を有し、半導体チップ(30)と支持部材(10)とが接着剤(40)で接着される構成であり、
型(70)を形成する工程では、半導体チップ形成用の半導体ウエハ(80)に対して、型形成用の膜(71)を成膜した後、型形成用の膜(71)に対してフォトリソグラフィおよびエッチングを実施することにより、複数の半導体チップ(30)に対して型を同時に形成することを特徴としている。
生産効率を高めるという観点では、このように、ウエハ状態で複数の型を同時に形成することが好ましい。
請求項4に記載の発明では、例えば、請求項5に記載の発明のように、半導体ウエハはSiで構成されている場合、半導体ウエハの裏面を熱酸化することにより、型形成用の膜(71)としてのSiO膜を形成することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5に記載の発明において、型(70)を除去する工程では、接着剤(40)によって接着された構造体(60)と支持部材(10)とを一組として、複数組の構造体(60)および支持部材(10)に対して、ウェットエッチングまたはドライエッチングを同時に実施することを特徴としている。
これによると、1回の除去工程で複数の型を除去できるので、生産効率を高めることができる。
請求項7に記載の発明では、振動体(21)は常に所定の駆動周波数にて振動する構成であって、慣性力検出素子は角速度検出素子(20)であることを特徴としている。
このように、慣性力センサが角速度を検出するものである場合では、構造体の共振周波数のバラツキ範囲をより小さくすることが要求されるので、この場合に請求項1〜6に記載の発明を適用することが特に有効である。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における角速度センサ1の概略断面構成を示す図である。 第1実施形態における角速度センサ1の製造工程を示す断面図である。 図2に続く角速度センサ1の製造工程を示す断面図である。 図3に続く角速度センサ1の製造工程を示す断面図である。 駆動周波数の奇数高調波、ワイヤ、パッケージの蓋の共振周波数およびワイヤボンディング時の印加超音波の周波数を示す周波数マップである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本実施形態における振動型の角速度センサ1の概略断面構成を示す。この角速度センサ1は、例えば、自動車に搭載されて自動車に印加される角速度を検出するものとして用いられる。
図1に示すように、この角速度センサ1は、大きくは、パッケージ10上に、接着剤40を介して、回路基板30、角速度検出素子20が積層されるとともに、各部の電気的な接続がボンディングワイヤ50にて行われているものである。
パッケージ10は、角速度検出素子20および回路基板30を収納するものであって、角速度センサ1の本体を区画形成する基部となる。
図1に示す例では、パッケージ10は、例えば、例えばアルミナなどのセラミック層11が複数積層された積層基板として構成されており、図示しないが各層11の表面や各層に形成されたスルーホールの内部に配線が形成されたものである。そして、この配線を介して角速度センサ1と外部とが電気的に接続可能となっている。
このパッケージ10の開口部には、金属や樹脂あるいはセラミックなどからなる蓋(リッド)12が溶接やロウ付けなどにより取り付けられ、この蓋12によってパッケージ10の内部が封止されている。
また、パッケージ10は、底部に凹部13を有し、この凹部13に角速度検出素子20および回路基板30が収納されている。
パッケージ10の底部上に、回路基板用接着剤40を介して、回路基板30が接着されており、回路基板30上に、素子用接着剤41を介して、角速度検出素子20が接着されている。
回路基板用接着剤40は、液状から硬化(固化)させることができる材料で構成されており、そのような材料としては熱硬化性樹脂が挙げられる。本実施形態では、回路基板用接着剤40としてシリコーン系樹脂を用いている。
素子用接着剤41は、回路基板用接着剤40よりも硬い材料で構成されている。本実施形態では、ポリイミド系樹脂を用いている。なお、シリコーン系樹脂よりも硬いエポキシ系樹脂、回路基板用接着剤40として用いられているシリコーン系樹脂よりも硬いシリコーン系樹脂を採用することもできる。
角速度検出素子20は角速度検出の用途をなすものであり、上記特許文献2に記載のものと同様に、振動体21を備えた半導体チップとして構成されたものである。このような角速度検出素子20は、例えばSOI(シリコン−オン−インシュレータ)基板などの半導体基板に対して周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成され、例えば矩形板状のものである。
具体的に、角速度検出素子20における振動体21は、一般に知られている櫛歯構造を有する梁構造体とすることができ、弾性を有する梁により支持されて角速度の印加により可動となっている。図1において、振動体21がx軸方向に駆動振動しているときにz軸回りの角速度Ωが印加されると、x軸と直交するy軸の方向へコリオリ力により振動体21が検出振動するようになっている。そして、角速度検出素子20には、図示しない検出用電極が設けられており、振動体21の検出振動による振動体21と当該検出用電極との間の静電容量変化を検出することにより、角速度Ωの検出が可能となっている。このように、角速度検出素子20は振動体21の駆動振動に基づいて、角速度Ωを検出するものである。
回路基板30は、角速度検出素子20へ駆動や検出用の信号を送ったり、角速度検出素子20からの電気信号を処理して外部へ出力する等の機能を有する信号処理チップとして構成されたものである。
このような回路基板30は、Si基板に対してMOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等が、周知の半導体プロセスを用いて形成されているICチップなどにより構成され、例えば、矩形板状のものである。
そして、図1に示されるように、角速度検出素子20と回路基板30、および、回路基板30とパッケージ10の上記配線とは、それぞれ金やアルミニウムなどからなるボンディングワイヤ50を介して電気的に接続されている。こうして角速度検出素子20、回路基板30、およびパッケージ10の各部間はボンディングワイヤ50を介して電気的に接続されている。角速度検出素子20からの電気信号は回路基板30へ送られて、例えば、回路基板30に備えられたC/V変換回路などにより電圧信号に変換されて、角速度信号として出力されるようになっている。
次に、本実施形態における角速度センサ1の製造方法について説明する。
まず、図1を参照しながら角速度センサ1の製造工程の概略を説明する。チップ状の角速度検出素子20とチップ状の回路基板30とをそれぞれ用意し、角速度検出素子20と回路基板30とを素子用接着剤41で接着して構造体60を形成する。続いて、パッケージ10を用意し、回路基板用接着剤40を介して、パッケージ10の底部上に構造体60を搭載して、構造体60とパッケージ10とを接着する。続いて、角速度検出素子20と回路基板30とパッケージ10との間でワイヤボンディングを行い、その後、蓋12をパッケージ10に取り付ける。このようにして、角速度センサ1が製造される。
図2〜4に、本実施形態における角速度センサ1の製造工程の一部を示す。本実施形態では、構造体60とパッケージ10とを回路基板用接着剤40で接着する工程において、以下の説明の通り、回路基板30の底面に設けた型70の内部に接着剤40を流入し、型70に入れた状態で接着剤40を硬化させる工程(図4(a)参照)と、接着剤40の硬化後に型70を除去する工程(図4(b)参照)とを実施する。
まず、図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)に示すように、チップ状の回路基板30の製造段階で、回路基板30の底面30aに型70を形成する工程を実施する。
ここで、型70は、接着剤40の外形を所望形状とするためのものであり、型70と接着剤40とのうち型70を選択して除去可能な材料からなるものである。接着剤40がシリコーン系樹脂である場合、型70の材質をSiOとすることができる。また、回路基板30の底面30aとはパッケージ10に接着される側の面である。
具体的には、図2(a)に示すように、複数の回路基板30が形成されたダイシング前の半導体ウエハ、例えば、シリコン(Si)ウエハであって、裏面に型形成用の膜71が成膜されたシリコンウエハを用意する。この型形成用の膜71は、酸化膜(SiO膜)であり、回路基板形成前のシリコンウエハに対して熱酸化法によって形成されたものである。なお、型形成用の膜71の成膜については、回路基板形成後のシリコンウエハに対する熱酸化法によって形成しても良く、半導体プロセスにおけるCVD法、PVD法等の他の成膜法によって成膜しても良い。
そして、型70の内部形状を形成するために、型形成用の膜71に対して、半導体プロセスにおけるフォトリソグラフィおよびエッチングを実施する。具体的には、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィ工程で、複数の回路基板30の裏面にパターニングされたレジスト72を形成し、図2(c)に示すように、エッチング工程で、このレジスト72をマスクとして、型形成用の膜71をエッチングすることで、型70を形成する。
このようにして、図3(a)〜(c)に示すように、ウエハ状態で、複数の回路基板30のそれぞれに型70を形成する。図3(a)は半導体ウエハ80の裏面側を示す正面図であり、図3(b)は(a)中の1つの回路基板30の拡大図であり、図3(c)は型70が形成された回路基板30の断面図である。図3(b)に示されるように、型70の内部の平面形状70aは円形状であり、この平面形状70aによって硬化後の接着剤40の面積を規定する。また、図3(c)に示すように、型70の高さ70bによって硬化後の接着剤40の高さ寸法を規定する。
その後、図3(a)に示されるウエハ80に対してダイシングを実施して、チップ状の回路基板30を形成する。このようにして、チップ(ダイ)30の裏面にチップ30を支持できる強度を持った接着剤成型用の型70を設けることができる。
続いて、型70が形成されたチップ状の回路基板30と、チップ状の角速度検出素子20とを、素子用接着剤41によって接着することで、構造体60を製造する。なお、本実施形態では、この接着においては型を用いていない。
次に、図4(a)に示すように、型70の内部に接着剤40を入れた状態で、接着剤40を硬化させる工程を実施して、構造体60とパッケージ10とを接着剤40で接着する。
具体的には、構造体60に形成された型70の内部に液状の接着剤40を流入させ、接着剤40を挟んで構造体60とパッケージ10とを重ね合わせた状態とする。なお、ここでいう液状とは流動性を有していることを意味する。
そして、型70に入れた状態で接着剤40を硬化させて、接着剤40の外形を所望形状とする。型70の内部形状は円柱形状であるので、硬化後の接着剤40は円柱形状となる。このように型70の平面形状70aと高さ70bによって、硬化後の接着剤40の面積と高さが規定される。このように、型70は、接着剤40の硬化時において、接着剤40を所望形状に保持する接着剤保持部として機能する。
次に、図4(b)に示すように、半導体プロセスにおけるウェットエッチングまたはドライエッチングにより、型70を選択して除去する工程を実施する。例えば、接着剤40がシリコーン系樹脂であり、型70の材質がSiOである場合、ドライエッチングでは、エッチング用ガスとしてCF等を採用し、ウェットエッチングでは、薬液としてHF等を採用する。これにより、接着剤40を残しつつ、型70を除去することができる。
このとき、接着したものを複数並べてバッチ処理する。すなわち、接着剤40によって接着された構造体60とパッケージ10とを一組として、複数組の構造体60およびパッケージ10に対して、ウェットエッチングまたはドライエッチングを同時に実施する。これにより、一回の型70の除去工程を実施することで、複数の型70を同時に除去することができる。
このようにして、構造体60とパッケージ10との接着が完了する。
本実施形態では、素子用接着剤41が回路基板用接着剤40よりも硬いことから、素子用接着剤41を介して接着された回路基板30と角速度検出素子20とが一体の構造体60とみなすことができる。そして、この構造体60が回路基板用接着剤40を介してパッケージ10の底部に接着されている。
このため、本実施形態の角速度センサ1では、回路基板用接着剤40をバネとし、構造体60を質量体として、次式によって構造体60の1次共振周波数f0が決定される。
f0=(1/(2π))・(k/m)1/2
このとき、回路基板用接着剤40のバネ定数kは、回路基板用接着剤40の材質から定まるヤング率と、硬化後における回路基板用接着剤40の外形(面積および高さ)とに基づいて定まる。
そして、本実施形態では、構造体60とパッケージ10との接着の際に、型70を用いて回路基板用接着剤40を硬化させている。
これにより、硬化前の回路基板用接着剤40の流動を規制でき、硬化後の回路基板用接着剤40の面積および高さを型70によって規定できるので、型70を用いない場合と比較して、回路基板用接着剤40の形状バラツキを低減でき、構造体60の共振周波数のバラツキ範囲を小さくすることができる。すなわち、本実施形態によると、型70を用いない場合と比較して、硬化後の回路基板用接着剤40の面積および高さの設定値(目標値)からのズレを低減でき、構造体60の共振周波数を所望値もしくは所望範囲内とすることができる。
この結果、構造体60の共振周波数と、駆動周波数、駆動周波数の奇数高調波、構造体以外の構成部品の共振周波数等との一致を防止することができる。
なお、本実施形態では、平面形状が円形状である型70を用いて、回路基板用接着剤40を平面円形状として硬化させたが、他の平面形状となるように回路基板用接着剤40を硬化させても良い。
このように、本実施形態では、型を用いて回路基板用接着剤40を硬化させるので、硬化後の回路基板用接着剤40の形状を、任意に変更でき、十字形状等の応力緩和に効果的な形状に変更することもできる。
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、ウエハ状態で、複数の回路基板30に型を形成した後であって、型の内部に接着剤を流入する前に、回路基板30をチップ状にするためのダイシングを実施したが、回路基板30とパッケージ10とを接着できれば、型の内部に接着剤を流入した後に、ダイシングを実施しても良い。
ただし、型の内部に接着剤を流入する前に、ダイシングすることが好ましい。ダイシングによって発生する切り屑の接着剤への流入を防ぐことができるからである。
(2)上述の実施形態では、ウエハ状態で、複数の回路基板30に型を形成したが、チップ状態の回路基板30に型を形成しても良い。
(3)上述の実施形態では、型70を除去する工程において、複数組の構造体60とパッケージ10に対してバッチ処理を施したが、一組ずつ型70を除去しても良い。
(4)上述の実施形態では、回路基板30の底面に型を形成したが、パッケージ10の上面に型を形成しても良い。
(5)上述の実施形態では、角速度検出素子20と回路基板30とを素子用接着剤41で接着したが、角速度検出素子20に設けられたバンプ電極(例えば、金等の金属で構成されたもの)を介して、角速度検出素子20と回路基板30とを接合しても良い。この場合においても、バンプ電極が回路基板用接着剤40よりも硬いことから、角速度検出素子20と回路基板30とを一体の構造体とみなすことができる。
(6)上述の実施形態では、回路基板30とパッケージ10との間の回路基板用接着剤40の硬化時に型を用いていたが、角速度検出素子20と回路基板30との間の素子用接着剤41が回路基板用接着剤40と同等もしくはそれ以上の柔らかさを有する場合、素子用接着剤41の硬化時においても、上述の実施形態と同様に、型を用いることが好ましい。この場合、角速度検出素子20、素子用接着剤41、回路基板30の間の関係では、角速度検出素子20が本発明の構造体に相当し、回路基板30が本発明の支持部材に相当し、素子用接着剤41が本発明の接着剤に相当する。
(7)上述の実施形態では、角速度検出素子20、素子用接着剤41、回路基板30によって構造体60が構成されていたが、回路基板30がパッケージ10のうち角速度検出素子20とは別の位置に支持される等の理由により、構造体60が角速度検出素子20のみによって構成されていても良い。
(8)上述の実施形態では、本発明の慣性力センサを角速度センサに適用したが、加速度センサ等のように、振動体を有する慣性力検出素子を含む構造体が、構造体の支持部材上に接着剤を介して支持される構成であれば、他の慣性力センサに本発明を適用することもできる。
1 角速度センサ(慣性力センサ)
10 パッケージ(支持部材)
20 角速度検出素子(慣性力検出素子)
21 振動体
30 回路基板
40 回路基板用接着剤(接着剤)
60 構造体
70 型

Claims (7)

  1. 振動体(21)を有する慣性力検出素子(20)を含む構造体(60)と、前記構造体(60)を支持する支持部材(10)とが熱硬化性の接着剤(40)によって接合された慣性力センサの製造方法において、
    前記構造体(60)と前記支持部材(10)とのどちらか一方に、前記接着剤(40)の外形を所望形状とするための型(70)を形成する工程と、
    前記型(70)の内部に液状の前記接着剤(40)を流入させ、前記接着剤(40)を挟んで前記構造体(60)と前記支持部材(10)とを重ね合わせた状態で前記接着剤(40)を硬化させて、前記接着剤(40)の外形を所望形状とする工程と、
    ウェットエッチングまたはドライエッチングにより、前記接着剤(40)を残して前記型(70)を除去する工程とを備えることを特徴とする慣性力センサの製造方法。
  2. 前記型(70)を形成する工程では、前記型(70)を形成するための型形成用の膜(71)を成膜した後、前記型形成用の膜(71)に対して、フォトリソグラフィおよびエッチングを実施することにより、前記型(70)を形成することを特徴とする請求項1に記載の慣性力センサの製造方法。
  3. 前記接着剤(40)はシリコーン系接着剤であり、前記型形成用の膜(71)はSiO膜であることを特徴とする請求項2に記載の慣性力センサの製造方法。
  4. 前記構造体(60)は半導体チップ(30)を有し、前記半導体チップ(30)と前記支持部材(10)とが前記接着剤(40)で接着される構成であり、
    前記型(70)を形成する工程では、前記半導体チップ形成用の半導体ウエハ(80)に対して、前記型形成用の膜(71)を成膜した後、前記型形成用の膜(71)に対してフォトリソグラフィおよびエッチングを実施することにより、複数の前記半導体チップ(30)に対して型を同時に形成することを特徴とする請求項2または3に記載の慣性力センサの製造方法。
  5. 前記半導体ウエハはSiで構成されており、
    前記半導体ウエハの裏面を熱酸化することにより、前記型形成用の膜(71)としてのSiO膜を形成することを特徴とする請求項4に記載の慣性力センサの製造方法。
  6. 前記型(70)を除去する工程では、前記接着剤(40)によって接着された前記構造体(60)と前記支持部材(10)とを一組として、複数組の構造体(60)および前記支持部材(10)に対して、ウェットエッチングまたはドライエッチングを同時に実施することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の慣性力センサの製造方法。
  7. 前記振動体(21)は常に所定の駆動周波数にて振動する構成であって、前記慣性力検出素子は角速度検出素子(20)であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の慣性力センサの製造方法。
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