JP2012025606A - 減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法 - Google Patents

減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】減圧濾過中のフィルタの目詰まりを回避可能な減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法を提供する。
【解決手段】減圧濾過の条件として、シリコン粉Sを含む固形分の平均粒径を1〜10μmとし、洗浄液中またはリンス液中の固形分の濃度を1〜10重量%とし、網状フィルタの網目サイズを固形分の平均粒径の5〜10倍としたので、減圧濾過の開始後間もなく、各網目14aの直上に負圧の作用で固形分が集合したドーム15が形成される。ドーム15は多孔質であるため、減圧濾過中の網状フィルタの目詰まりを回避できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法、詳しくは洗浄水またはリンス水に分散したシリコンスラッジを減圧濾過する減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法に関する。
ULSIなどの超高集積デバイスの形成基板であるシリコンウェーハは、チョクラルスキー(CZ)法で引き上げられた単結晶シリコンインゴットをウェーハ加工して作製される。具体的には、単結晶シリコンインゴットをブロック切断し、その後、シリコンブロックに研削砥石による外周研削、ワイヤソーによるスライスを順に行い、多数枚のシリコンウェーハを得る。その後、各シリコンウェーハに面取り、ラッピング、エッチング、研磨を順次施し、デバイス形成用の製品ウェーハが製造される。
ウェーハ加工プロセスのうち、外周研削工程およびスライス工程などでは、加工屑(シリコン廃棄物)であるシリコンスラッジが多量に発生する。また、デバイスメーカのバックグラインド工程でも、多量のシリコンスラッジが発生する。シリコンスラッジに含まれたシリコン粉(平均粒径;数μm)は、ウェーハ加工装置に起因したFe、Niなどの金属不純物により汚染されることがある。その性状がスラッジであることから取り扱いが難しく、従来、そのほとんどが再利用されることなく廃棄処分されていた。
そこで、従来、シリコンスラッジ中のシリコン粉の金属不純物を、フッ化水素および無機酸からなる酸溶液によって酸洗浄し、その後、これを濾過してシリコン粉からシリコン酸化膜と金属不純物とを除去し、シリコンの高純度化を行う方法が知られている(例えば、特許文献1)。酸洗浄後は、純水などのリンス水によるリンス、濾過、乾燥の各工程を施し、得られた塊状固形分を破砕して粉状とする。この粉体は、主としてシリコンおよび砥粒からなるため、粉体を各々の密度差を利用して分級し、高純度のシリコン粉を回収する。得られた高純度のシリコン粉は、シリコン系太陽電池用原料として再利用することも可能である。
酸洗浄後および水洗後の各濾過工程では、特許文献1には記載がないものの、例えば自然濾過に比べてシリコンスラッジの濾過効率を高めるため、網状フィルタより下側の空間を減圧する減圧濾過が行われる場合がある。
特開2001−278612号公報
しかしながら、上述した減圧濾過工程では、使用される網状フィルタの網目サイズが、シリコンスラッジのシリコン粉(固形分)の粒径より小さい。そのため、濾過開始直後は円滑なシリコンスラッジの濾過が行われるものの、その後、短時間のうちに網状フィルタの目詰まりが発生していた。これは、自然濾過の場合とは異なり、シリコンスラッジが分散した洗浄液(酸溶液)またはリンス水が、負圧力により網状フィルタの多数の網目を通して強制的に吸い出されるため、網目より大きいシリコン粉が各網目に密着し、これらを塞ぐためと考えられる。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、シリコンスラッジの減圧濾過にあっては、仮に網状フィルタの網目を、シリコンスラッジのシリコン粉の粒径より大きくした場合であっても、網目サイズが所定の範囲であれば、濾過開始から短時間のうちに、各網目の直上において網目周辺のシリコン粉が負圧作用で集合し、各網目を個別に覆うドーム(円形屋根)が形成される現象を発見した。これらのドームでは、隣り合うシリコン粉とシリコン粉との間に微小な隙間が存在し、各ドームは実質的に多孔質のフィルタの役目を果たす。
この発明は、減圧濾過中の網状フィルタの目詰まりを回避することができる減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、固形分中にシリコン粉を含むシリコンスラッジが分散した洗浄液または前記シリコンスラッジが分散したリンス液を、網状フィルタを使用して減圧濾過する減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法において、前記シリコン粉を含む固形分の平均粒径が1〜10μmで、前記洗浄液中または前記リンス液中の前記固形分の濃度が1〜5重量%で、前記網状フィルタの網目サイズを前記固形分の平均粒径の5〜10倍とした減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法である。
また、請求項2に記載の発明は、前記シリコンスラッジを減圧濾過する際の負圧力は、濾過スタート時を0.08〜0.1MPa、その後の濾過中を0.01〜0.02MPaとした請求項1に記載の減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法である。
請求項1に記載の発明によれば、シリコンスラッジがそれぞれ分散した洗浄液またはリンス液を網状フィルタによって減圧濾過する際、その濾過条件を、シリコンスラッジの固形分の平均粒径が1〜10μm、シリコンスラッジの固形分の濃度が1〜5重量%、網状フィルタの網目サイズが固形分の平均粒径の5〜10倍とした。
これにより、濾過開始直後はシリコンスラッジの固形分が網状フィルタの網目を素通りするものの、濾過開始から短時間のうちに、減圧濾過の負圧力の作用で網目の直上に周辺に存在するシリコン粉を含む固形分(粒子)が引き寄せられ、各網目を個別に覆うドーム(円形屋根)が形成される。しかも、これらのドームは、隣り合う固形分と固形分との間に微小な隙間が存在するため、各ドームは実質的に多孔質のフィルタの役目を果たす。
請求項2に記載の発明によれば、シリコンスラッジを減圧濾過する際、濾過スタート時は0.08〜0.1MPaという小さい負圧力を作用させることで、多量のシリコンスラッジの固形分が網状フィルタの網目から素通りせず、網状フィルタの周辺上に集合する。その後は、0.01〜0.02MPaと負圧力を増すことで、各網目上にこれらを個別に覆うドームが形成される。
この発明の実施例1に係る減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法の減圧濾過中、網状フィルタの網目上にシリコンスラッジの固形分が集合してドームが現出した状態を示す網状フィルタの要部拡大断面図である。 この発明の実施例1に係る減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法のフロー図である。 この発明の実施例1に係る減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法の濾過開始前の状態を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法の濾過後の状態を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法における網状フィルタの網目サイズと濾過時間との関係を示すグラフである。
この発明の減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法は、固形分中にシリコン粉を含むシリコンスラッジが分散した洗浄液またはシリコンスラッジが分散したリンス液を、網状フィルタを使用して減圧濾過する減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法において、シリコン粉を含む固形分の平均粒径が1〜10μmで、洗浄液中またはリンス液中の前記固形分の濃度が1〜10重量%で、網状フィルタの網目サイズを固形分の平均粒径の5〜10倍としたものである。
これにより、濾過開始直後は、シリコンスラッジの固形分が網状フィルタの網目を素通りするが、そのあと短時間のうちに、減圧濾過の負圧作用により網目の直上で、各網目の周辺に存在するシリコン粉を含む固形分が引き寄せられ、各網目を個別に覆うドームが形成される。しかも、各ドームにあっては、隣り合うシリコン粉とシリコン粉との間に微小な隙間が存在するため、各ドームは実質的にフィルタの役目を果たす。しかも、ドーム状のフィルタは、このように被濾過物である固形分から構成されている。
減圧濾過とは、網状フィルタより下側の空間を減圧する(ポンプ吸引を含む)ことで、自然濾過に比べてシリコンスラッジの濾過効率が高い濾過方法である。
シリコンスラッジとは、シリコン粉と、不純物と、水とが泥状に混ざり合った滓である。シリコンスラッジの固形分とはシリコン粉と不純物とである。
不純物とは、例えば、研削砥石などの摩耗により発生するアルミナ、シリカ、コランダム、Cu、Fe、Ni、C、酸化バリウム、酸化マグネシウム、塵などである。
シリコン粉に含まれる金属不純物としては、例えば、Cu、Fe、Ni、C、アルミナ、酸化バリウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
シリコンスラッジの発生を伴うシリコン加工プロセスとしては、例えば、単結晶シリコンインゴットまたは多結晶シリコンインゴットのブロック切断、研削砥石によるシリコンブロックの外周研削、研削砥石によるシリコンブロックのオリエンテーションフラット加工またはノッチ加工、シリコンブロックのスライス、シリコンウェーハの面取り、シリコンウェーハのラッピングなどの各工程が挙げられる。また、デバイス形成後のウェーハに施されるバックグラインド工程も含まれる。
シリコンスラッジの固形分(シリコン粉を含む)の平均粒径は1〜10μmである。シリコンスラッジが多量に発生するインゴットの外周研削工程、デバイスメーカのバックグラインド工程では、粗い砥石を使った疎研削と、密な砥石を使った仕上げ研削を行うため、平均粒径は、疎研削で発生するサイズの1〜10μmとなる。
金属不純物を除去可能な洗浄液としては、例えば、HF、HF/H、HCl、HCl/H、HF/HNO、HF/オゾンなどを採用することができる。HF系洗浄液によりシリコンスラッジを洗浄する場合、シリコンスラッジのほとんどがHF洗浄液中に浮いてしまう。しかしながら、オゾンによるバブリング処理を行うことで、浮上したシリコンスラッジを沈降させることができる。
洗浄液またはリンス液に分散されたシリコンスラッジの固形分の濃度が1重量%未満では、洗浄されるシリコンスラッジの処理能力が低下する。また、10重量%を超えれば、洗浄液またはリンス液との攪拌がし難くなる。洗浄液中の固形分の好ましい濃度は1〜5重量%である。この範囲であれば、シリコンスラッジの高い処理能力を維持しながら、洗浄液およびリンス液による攪拌がし易くなるというさらに好適な効果が得られる。
シリコンスラッジの洗浄は、1回のみでも、複数回繰り返してもよい。
網状フィルタとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)メッシュなどを採用することができる。
網状フィルタの網目サイズ(目開き)は、固形分の平均粒径の5〜10倍である。網状フィルタの網目サイズが固形分の平均粒径の5倍未満では、網状フィルタが目詰まりし易い。また、網状フィルタの網目サイズが固形分の平均粒径の10倍を超えれば、網状フィルタに捕捉できず、固形分がすべて網目を通過してしまう。網状フィルタの網目サイズを固形分の平均粒径の5〜10倍としたことで、前記固形分の平均粒径および濃度において、網状フィルタを目詰まりさせることなく、短時間で、シリコンスラッジが分散された洗浄液またはリンス液を濾過できる。
洗浄後のシリコンスラッジは、一般的にリンス液によりリンスされる。リンス液としては、例えば純水または超純水を採用することができる。純水とは、物理的または化学的な処理によって不純物を除去した純度の高い水をいう。具体的には、1〜10MΩ・cmまたは1.0〜0.1μS/cmの水を採用することができる。超純水とは、水に含まれる不純物の量が、例えば0.01μg/リットル以下のものである。
洗浄後のシリコンスラッジのリンスは、1回のみでも、複数回繰り返してもよい。
リンス後に回収されたシリコン粉は、例えばシリコン系太陽電池用原料として再利用することができる。「シリコン系太陽電池用原料」とは、単結晶シリコン系太陽電池の原料、多結晶シリコン系太陽電池の原料、アモルファスシリコン系太陽電池の原料の何れかである。
また、シリコンスラッジを減圧濾過する際の負圧力は、濾過スタート時を0.08〜0.1MPa、濾過中を0.01〜0.02MPaとした方が望ましい。濾過スタート時とは、濾過を開始してから2〜3分間をいう。
0.08〜0.1MPaで濾過スタートすれば、シリコンスラッジの固形分が網状フィルタの網目を多量に素通りすることなく、固形分を網状フィルタの周辺上に集合させることができる。その後は、0.01〜0.02MPaまで負圧力を増大させることで、各網目上に、各網目を個別に覆うドームを形成させることができる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
図2のフローシートを参照して、この発明の実施例1に係る減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法を説明する。
まず、洗浄されるシリコンスラッジについて説明する。電磁キャスト炉からなる鋳型(インゴット鋳造装置)を用いて、多結晶シリコンインゴットを鋳造する。次に、多結晶シリコンインゴットに対して、純水からなる切削液を供給しながら、最終固化部分である多結晶シリコンインゴットのトップ部(上端板)を必要な大きさに切断する。
端板除去時およびブロック切断時には、多量のシリコンスラッジが発生する。ここでいうシリコンスラッジとは、粒径(粒度分布)の平均が3μmのシリコン粉と、不純物と、純水とが泥状になった滓である。このうち、固形分はシリコン粉、不純物である。不純物とは、例えば、研削砥石などの摩耗により発生するアルミナ、シリカ、コランダム、Cu、Fe、Ni、C、酸化バリウム、酸化マグネシウム、塵などである。以下、説明の都合上、シリコン粉を固形分の総称として記載する。
シリコンスラッジは、図2および図3に示す減圧濾過方式の洗浄リンス装置10を使用し、繰り返し洗浄が行われた後、繰り返しリンスがなされる。
図3に示すように、洗浄リンス装置10は、負圧ポンプPが設けられた排気管11が連通され、上端面が開口された減圧槽12を有している。減圧槽12の上端部には、この開口を塞ぐように、内フランジ状のストッパを介して、格子状の支持トレイ13が載置されている。支持トレイ13には、多数の網目14aが形成された底板を有するテフロン(登録商標)製の濾過容器(網状フィルタ)14が取り出し可能に収納されている(図1)。濾過容器14としては、各網目14aの網目サイズ(目開き)dが、シリコン粉Sの平均粒径の5倍以上である17μmのものを採用している。
スラッジ洗浄時には、まず、濾過容器14にシリコンスラッジaとHF洗浄液(HF濃度0.5〜5%)bとを投入し、図示しないプロペラ式の撹拌装置を使用し、シリコンスラッジaがHF洗浄液b中に分散するように所定時間攪拌する(図2(a),図3)。なお、HF洗浄液bの投入量は、シリコンスラッジaの投入量の2〜10倍である。これにより、シリコンスラッジa中のシリコン粉SからFe、Niなどの金属不純物が溶解して除去され、シリコン粉Sの例えばFe、Niの汚染量が低減される。HF洗浄液bによりシリコンスラッジaを洗浄した場合、シリコンスラッジaのほとんどがHF洗浄液bの中に浮いてしまう。そこで、オゾンによるバブリング処理を行う。これにより、浮上したシリコンスラッジaが沈降する。
次に、前記負圧ポンプPを作動して減圧槽12内を負圧化する。具体的には、濾過スタート時(濾過を開始してから2〜3分間)の負圧力を0.08〜0.1MPa(例えば0.09MPa)とし、濾過中の負圧力を0.01〜0.02MPa(例えば0.015MPa)とする。これにより、濾過容器14の底板の網目14aおよび支持トレイ13の底板の孔を通し、HF洗浄液bが吸引されてシリコンスラッジaの脱水が行われる(図2(b),図2(c))。なお、濾過開始から濾過終了まで常時、減圧槽12内に0.01MPaの負圧力を作用させてもよい。
このとき、シリコン粉Sの平均粒径を3μmとし、HF洗浄液b中のシリコン粉Sの濃度を1重量%とし、濾過容器14の網目サイズdを、シリコン粉(固形分)Sの平均粒径の約5倍としている。このように構成したので、濾過容器14の網目サイズdをシリコンスラッジaのシリコン粉Sの粒径より大きくした場合であっても、濾過を行うことで濾過容器14の網目14aの上にシリコン粉Sからなる仮想のフィルタを形成させることができる。
以下、図1を参照して、この現象を具体的に説明する。濾過容器14の網目サイズdを、シリコン粉Sの平均粒径の約5倍とし、濾過スタート時の減圧槽12内の負圧力を0.08〜0.1MPaとしている。そのため、濾過開始直後は、シリコン粉Sが濾過容器14の網目14aを素通りする。ただし、小さい負圧力であるため、シリコンスラッジa中のシリコン粉Sが多量に網目14aを通過することはない。
濾過スタートから2〜3分間後、減圧濾過の負圧作用により網目14aの直上に、各網目14aの周辺に存在するシリコン粉Sが引き寄せられて集合し、各網目14aを個別に覆うドーム15が形成される。しかも、各ドーム15にあっては、隣り合うシリコン粉Sとシリコン粉Sの間に微小な隙間が存在する。これにより、各ドーム15は実質的にフィルタの役目を果たす。ドーム状のフィルタは、このように濾過されるシリコン粉Sを材料として構成されている。よって、その後は0.01〜0.02MPaと負圧力を増すことで、濾過容器14が目詰まりすることなく、短時間のうちにシリコンスラッジaの洗浄を完了させることができる。
シリコンスラッジaの洗浄後は、濾過容器14を支持トレイ13から取り出し、これを反転させることで、洗浄後のシリコンスラッジ(含水率20%)aを濾過容器14から排出して回収する(図2(d))。その後、シリコンスラッジaは、再び濾過容器14に投入され、上述したHF洗浄液bとの撹拌、減圧濾過および回収の各工程が数回繰り返される。
繰り返し洗浄後は、シリコンスラッジaを再び濾過容器14に投入し(図2(a))、ここでHF洗浄液bに代えて超純水からなるリンス液cを濾過容器14に注入し、同様に負圧ポンプPを作動して減圧槽12内を負圧化し、リンス液cを洗浄後のシリコンスラッジaに強制的に通水させる(図2(b),図2(c))。リンス液cの濾過容器14への投入量は、HF洗浄液bの場合と同様にシリコンスラッジaの投入量の10倍程度である。その他のリンス条件も、前述したHF洗浄時と同じである。
リンス後は、濾過容器14を支持トレイ13から取り出し、これを反転させることで、リンス後のシリコンスラッジaを濾過容器14から排出する。次に、シリコンスラッジaを回収する(図2(d))。その後、通水後のリンス液cのpHが7になるまで、上述したリンス作業を繰り返す。
繰り返しリンス後のシリコンスラッジaは、乾燥後、ルツボに投入されて加熱溶融され、シリコンインゴットとなる。得られたシリコンインゴットは、ルツボから取り出され、その後、必要な大きさに破砕するなどの後処理が施されることで、シリコン系太陽電池用原料となる。
ここで、実際にシリコン加工プロセスで発生し、シリコン粉を含むシリコンスラッジを、実施例1に則してHF洗浄する際において、濾過容器の網目サイズと濾過時間との関係を調査した。その結果を、図5のグラフに示す。
図5のグラフから明らかなように、HF洗浄液によるシリコンスラッジの洗浄では、シリコン粉の平均粒径を3μmとし、網目サイズが5μmおよび10μmのときに濾過時間は1500秒間以上を要していた。これに対して、網目サイズが20μmおよび30μmの場合には、その濾過時間は400秒以下であった。特に、網目サイズが20μmのときには、250秒程度と最短となった。なお、シリコン粉が濾過容器の網目を素通りしたのは濾過開始直後から2〜3分間までで、その量は微量であった。また、この実験結果は、HF洗浄後のシリコンスラッジを実施例1に則してリンスした場合と同じであった。
この発明は、例えば、廃棄物で処理されるスラッジの有価物化の技術として有用である。
14 濾過容器(網状フィルタ)、
S シリコン粉、
a シリコンスラッジ、
b HF洗浄液(洗浄液)、
c リンス液、
d 網目サイズ。

Claims (2)

  1. 固形分中にシリコン粉を含むシリコンスラッジが分散した洗浄液または前記シリコンスラッジが分散したリンス液を、網状フィルタを使用して減圧濾過する減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法において、
    前記シリコン粉を含む固形分の平均粒径が1〜10μmで、
    前記洗浄液中または前記リンス液中の前記固形分の濃度が1〜10重量%で、
    前記網状フィルタの網目サイズを前記固形分の平均粒径の5〜10倍とした減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法。
  2. 前記シリコンスラッジを減圧濾過する際の負圧力は、濾過スタート時を0.08〜0.1MPa、その後の濾過中を0.01〜0.02MPaとした請求項1に記載の減圧濾過式シリコンスラッジ洗浄方法。
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