JP2012025273A - 鞍乗り型車両の後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】解除機構への雨等の影響を受けにくくすることができる鞍乗り型車両を提供することを課題とする。
【解決手段】鞍乗り型車両10は、収納室41の上面を開放可能に覆うシートとしての同乗者シート35と、この同乗者シート35を閉じ位置で施錠するシートロック機構51と、同乗者シート35を開放する際にシートロック機構51を解除する解除機構52とを備えている。解除機構52は、同乗者シート35に設けられ、この同乗者シート35に解除機構52を覆い解除の際に解除機構52を露出させることができるように覆隠部材53が移動可能に付属されている。
【効果】シートに露出した解除機構を覆うように覆隠部材が設けられているので、雨等から解除機構を保護することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートロック機構を備えている鞍乗り型車両の改良に関する。
鞍乗り型車両において、収納室の上面を開放可能なシートで覆い、この開放可能なシートをロックするシートロック機構を備えたものが知られている(例えば、特許文献1(図2、図7)参照。)。
この特許文献1の図2に示される鞍乗り型車両には、収納室(51)(括弧付き数字は特許文献1に記載されている符号を示す。以下同じ。)の上方に開放可能な同乗者シート(12)が設けられている。施錠する場合には、同乗者シート(12)の後端部のシートロック機構(58)で同乗者シート(12)をロックする。解除する場合には、運転者シート(11)と同乗者シート(12)の間に設けられた解除機構(62)で解除する。
しかし、特許文献1の図7に示されるように、解除機構(62)は外部に露出しているため、雨等の影響を受けて発錆することが心配される。対策として防錆処置を施すことが考えられるが、防錆処置は費用が嵩み、車両のコストに影響する。そこで、解除機構への雨等の影響を受けにくくすることができる鞍乗り型車両が求められている。
特開2003−72620公報
本発明は、解除機構への雨等の影響を受けにくくすることができる鞍乗り型車両を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体に設けられる収納室の上面を開放可能に覆うシートと、このシートを閉じ位置で保持するシートロック機構と、前記シートを開放する際に前記シートロック機構を解除する解除機構とを備える鞍乗り型車両の後部構造において、前記解除機構は、前記シートに設けられ、このシートに、前記解除機構を覆い、解除の際に前記解除機構を露出させることができるように覆隠部材が移動可能に付属されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、シートは、シート底板と、このシート底板を覆うシート表皮と、このシート表皮とシート底板との間に充填されるクッション材とを備え、覆隠部材は、シート表皮と同種のカバー表皮で覆われていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、シート表皮がカバー表皮と一部連続的に繋がった形態で、覆隠部材は、ヒンジ部を介してシートに繋がっていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、シートは、運転者が座る運転者シートの車両後方に且つ運転者シートより一段高い位置に配置される同乗者シートであり、解除機構は、同乗者シートのシート底板の前部に取付けられ、覆隠部材は、同乗者シートの前部に移動可能に付属されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、同乗者シートは、運転者シートと分離していることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、同乗者シートは、運転者シートと一体であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、解除機構は、シートに設けられる。このシートに、解除機構を覆い、解除の際に解除機構を露出させることができるように覆隠部材が移動可能に付属される。通常は、覆隠部材で解除機構が覆われているため、解除機構に雨等が当たる心配がなく、発錆を抑制することが可能になる。
解除の際には、覆隠部材を移動させて、解除機構を露出させ、この解除機構にキーを差し込むことができるため、解除作業は円滑に行われる。
したがって、本発明によれば、解除機構への雨等の影響を受けにくくすることができる鞍乗り型車両が提供される。
請求項2に係る発明では、覆隠部材は、シート表皮と同種のカバー表皮で覆われている。覆隠部材の外表面をシートの表皮と同じ部材にすることで、覆隠部材をシートと一体的に見せることができ、外観品質を向上させることができる。
請求項3に係る発明では、シート表皮がカバー表皮と一部連続的に繋がった形態で、覆隠部材は、ヒンジ部を介してシートに繋がっている。覆隠部材をシート表皮と連続的に設けることで、シートの一体感を損なうことなく外観を形成でき、意匠性を向上させることができる。
また、覆隠部材がシートに一体的に設けられるので、部品点数を増えず、且つ、開閉時に覆隠部材を紛失しないようにすることができる。
請求項4に係る発明では、解除機構は、運転者シートより一段高い位置に配置される同乗者シートの前面に取付けられている。
同乗者シートの前面は、運転者シートの上方に見えるため、解除機構へのアクセスが容易になる。
また、仮に解除機構がシートの上面に設けられていると雨等が溜まり易いが、本発明ではシートの前部、すなわち垂直面に解除機構を設けたので、雨等が溜まる心配がない。
また、運転者シートの車両後方に且つ一段高い位置に同乗者シートが置かれ、この同乗者シートの前部に覆隠部材が取付けられている。この覆隠部材にクッション性を付与すれば運転者のおしりを後方から支持することができる。
請求項5に係る発明では、同乗者シートは、運転者シートと分離している。解除機構を同乗者シートに事前に組み付けることができるので、生産性及び組立性を向上させることができる。
請求項6に係る発明では、同乗者シートは、運転者シートと一体である。シート及び解除機構をサブアセンブリしたものを車体に組み付けるので、生産性及び組立性をより向上させることができる。
本発明の実施例1に係る鞍乗り型車両の左側面図である。 本発明の実施例1に係る鞍乗り型車両の後部の断面図である。 図2の3−3線断面図である。 図2の4矢視図である。 シートの斜視図である。 解除機構の作用を説明する図である。 シートを開放する手順を説明する図である。 本発明の実施例2に係る鞍乗り型車両の後部の断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、図中の矢印(FRONT)は車両前方を表している。
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、鞍乗り型車両10は、ヘッドパイプ11に操舵可能に取付けられるハンドル12と、ヘッドパイプ11の下端に取付けられ左右一対のフロントフォーク13の上端を支持するボトムブリッジ14と、ヘッドパイプ11の前方に配置され車両前方に向かって点灯する前照灯15と、フロントフォーク13に支持され上方がフロントフェンダ16に覆われる前輪17とを備える。
また、車体フレーム20において、ヘッドパイプ11から斜め後下方に向かってメインフレーム21が延ばされ、このメインフレーム21の途中の部分から車両後方へ斜め上方にシートレール22が延ばされ、メインフレーム21の後端からシートレール22に向かってサブフレーム23が車両後方へ斜め上方に延びている。
ヘッドパイプ11、メインフレーム21、シートレール22及びサブフレーム23等から車体フレーム20が構成される。
また、車体フレーム20の下部にエンジン24が取り付けられ、このエンジン24の後方斜め上方にエンジン24に空気を供給するためのエアクリーナ25が配置され、このエアクリーナ25に吸気量を調整するスロットルボディ26の一端が接続され、このスロットルボディ26の他端はエンジン24に接続される。
このエンジン24から排気ガスを送出するための排気管27が接続され、この排気管27に排気音を消音する消音器28が接続される。
車体フレーム20の後部にリヤクッションユニット31で懸架したスイングアーム32がスイング自在に設けられ、このスイングアーム32の後部に後輪33が取り付けられている。
エンジン24の上方にて車体フレーム20に燃料タンク34が設けられ、燃料タンク34の後方にてシートレール22にシート35が設けられ、このシート35の後方にブレーキランプ36及びリヤフェンダ37が設けられている。
シート35は、運転者が座る運転者シート38の車両後方に且つ運転者シート38よりも一段高い位置に配置される同乗者シート35を備える。
同乗者シート35は、車体40に設けられる収納室41の上面を開放可能に覆っており、収納室41の車両両脇側は、車体カバー42により覆われている。
なお、車体フレーム20の中央下部にエンジン24を支持するエンジンハンガー43が設けられ、このエンジンハンガー43の下部に停止時、車体40を支持するスタンド44が設けられている。また、車体フレーム20の前部に熱交換を行うラジエータ45が設けられている。
次に鞍乗り型車両10の後部構造について説明する。
図2に示されるように、鞍乗り型車両10は、収納室41の上面を開放可能に覆うシートとしての同乗者シート35と、この同乗者シート35を閉じ位置で保持するシートロック機構51と、同乗者シート35を開放する際にシートロック機構51の保持状態を解除する解除機構52Aとを備えている。本実施例における解除機構52Aは、キーシリンダ85を備える開錠機構52と一体的に設けられるものであり、キーシリンダ85にキー92(図6参照)を差し込み、キー92を回動させることによりシートロック機構51の解除と、キーシリンダ85による施錠状態の開錠を同時に行うことができるものである。
解除機構52Aは、同乗者シート35に設けられ、この同乗者シート35に解除機構52Aを覆い解除の際に解除機構52Aを露出させることができるように覆隠部材53が移動可能に付属されている。
同乗者シート35は、シート底板54と、このシート底板54を覆うシート表皮55と、シート表皮55とシート底板54との間に充填されるクッション材56とからなる。覆隠部材53は、シート表皮55と同種のカバー表皮57で覆われている。
シート表皮55がカバー表皮57と一部連続的に繋がった形態で、覆隠部材53はヒンジ部58を介して同乗者シート35に繋がっている。ヒンジ部58は凹部61を有することで脆弱させることで、開閉回動可能なヒンジ部58を形成している。そして、本実施例において、開閉回動可能に構成されていればよく、開閉させるために別部材を用いても良い。覆隠部材53は、表側と裏側共にカバー表皮57で覆われている。
解除機構52Aは、同乗者シート35のシート底板54の前部59に取付けられている。覆隠部材53は、同乗者シートの前部に移動可能に取付けられている。
運転者シート38は、運転者用シート底板62と、この運転者用シート底板62を覆う運転者用シート表皮63と、運転者用シート表皮63と運転者用シート底板62との間に充填される運転者用クッション64とを備えている。
収納室41の底部65に、略コの字状のシートフック66が取り付けられている。
次にシート35の構造について説明する。
図3に示されるように、シート底板54とシート表皮55との間にクッション材56が充填されており、シート表皮は底板54の下側にビス67によって止められている。
次にシートロック機構51及び解除機構52Aについて説明する。
図4に示されるように、シートロック機構51は、シート底板54に下側に設けられている支持ブラケット71と、この支持ブラケット71にボルト72を介して設けられているベースプレート73と、このベースプレート73に第1のピン74を介して回転自在に設けられているアーム部材75と、ベースプレート73に第2のピン76を介して回転自在に設けられている係合部材77と、アーム部材75と係合部材77を引き寄せるように付勢する引っ張りばね78とからなる。
アーム部材75の爪部81が、係合部材77の突出部82に引っ掛かっている。ベースプレート73は、ガイド部83を有しており、同乗者シート35が閉まっている状態において、シートフック66は、ガイド部83に嵌ると共に、係合部材77の溝部84によって抑えられている。
また、解除機構52Aは、キーシリンダ85に揺動アーム86が取り付けられており、この揺動アーム86の端付近にピン87を介して連結棒88の一端が回転自在に設けられている。連結棒88の他端はアーム部材75の穴91に接続されている。
シートロック機構51及び解除機構52Aの作用を述べる。
同乗者シート35の閉状態において、解除機構52Aにキーを差込み矢印(1)の用にキーシリンダ85を回す。連結棒88を介してアーム部材75が矢印(2)のように移動し、爪部81が突出部82から外される。係合部材77が矢印(3)のように移動することで、シートフック66が外れる。
以上の述べた鞍乗り型車両10の後部構造の作用を次に述べる。
図5に示されるように、解除機構52Aは覆隠部材53により覆い隠されているので、解除機構52Aを雨等から守ることができる。覆隠部材53を矢印(4)のように移動させる
図6に示されるように、キー92を矢印(5)のように解除機構52Aに差込み、矢印(6)のように回転させる。
図7に示されるように、同乗者シートを矢印(7)のように移動させる。
なお、同乗者シート35は、その後部にヒンジ93が設けられているが、これに限定されず、ヒンジ93を付けずに、同乗者シート35を着脱する形態であっても差し支えない。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。なお、図2に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
図8に示されるように、同乗者シート38は、運転者シート38と一体である。運転者シート38側のシート底板54の前部に、フック94が設けられている。フック94は燃料タンク34の後側付近に設けられているシートピン95に掛けられている。
解除機構52Aにワイヤー96が設けられ、このワイヤー96がシートロック機構51のアーム部材75に接続されている。
以上の述べた実施例2に係る鞍乗り型車両10の後部構造の作用を次に述べる。
覆隠部材53を矢印(8)のように移動させる。キー92を矢印(9)のように移動させ解除機構52Aに差込み、シートロック機構51を解除する。同乗者シート35及び運転者シート38を矢印(10)のように移動させる。想像線で示す同乗者シート35及び運転者シート38を矢印(11)のように移動させる。なお、燃料タンク34に、逃げ部97が設けられており、運転者シート38を起こしても、運転者シート38の前部が燃料タンク34にぶつかることはない。
以上に述べた鞍乗り型車両10の作用効果を以下に記載する。
図2に示されるように、通常は、覆隠部材53で解除機構52Aが覆われているため、解除機構52Aに雨等が当たる心配がなく、発錆を抑制することが可能になる。
解除の際には、覆隠部材53を移動させて解除機構52Aを露出させ、この解除機構52Aにキー(図6、符号92)を差し込むことができるため、解除作業は円滑に行われる。
したがって、本発明によれば、解除機構52Aへの雨等の影響を受けにくくすることができる鞍乗り型車両10が提供される。
図2に示されるように、覆隠部材53の外表面をシート35の表皮と同じ部材にすることで、覆隠部材53をシート35と一体的に見せることができ、外観品質を向上させることができる。
図5に示されるように、覆隠部材53をシート表皮55と連続的に設けることで、シート35の一体感を損なうことなく外観を形成でき、意匠性を向上させることができる。
また、覆隠部材53がシート35に一体的に設けられるので、部品点数を増えず、且つ、開閉時に覆隠部材53を紛失しないようにすることができる。
図2に示されるように、同乗者シート35の前面は、運転者シート38の上方に見えるため、解除機構52Aへのアクセスが容易になる。
また、仮に解除機構52Aがシート35の上面に設けられていると雨等が溜まり易いが、本発明ではシート35の前部59、すなわち垂直面に解除機構52Aを設けたので、雨等が溜まる心配がない。
また、運転者シート38の車両後方に且つ一段高い位置に同乗者シート35が置かれ、この同乗者シート35の前部に覆隠部材53が取付けられている。この覆隠部材53にクッション性を付与すれば運転者の背もたれとして有効に活用させることができる。
図2に示されるように、同乗者シート35は、運転者シート38と分離している。
この構成により、解除機構52Aを同乗者シート35に事前に組み付けることができるので、生産性及び組立性を向上させることができる。
図8に示されるように、同乗者シート35は、運転者シート38と一体である。
この構成により、シート35、38及び解除機構52Aをサブアセンブリしたものを車体40に組み付けるので、生産性及び組立性をより向上させることができる。
尚、本発明に係る鞍乗り型車両の後部構造は、実施の形態ではヒンジ部を有する同乗者シートに適用したが、着脱式の同乗者シートにも適用可能であり、覆隠部材によって解除機構を覆うことができれば、他のシートに適用することは差し支えない。
本発明の覆隠部材は、鞍乗り型車両に好適である。
10…鞍乗り型車両、35…シート(同乗者シート)、38…運転者シート、40…車体、41…収納室、51…シートロック機構、52…開錠機構、52A…解除機構、53…覆隠部材、54…シート底板、55…シート表皮、56…クッション材、57…カバー表皮、58…ヒンジ部、59…シート底板の前部。

Claims (6)

  1. 車体(40)に設けられる収納室(41)の上面を開放可能に覆うシート(35)と、このシート(35)を閉じ位置で保持するシートロック機構(51)と、前記シート(35)を開放する際に前記シートロック機構(51)の保持状態を解除する解除機構(52A)とを備える鞍乗り型車両の後部構造において、
    前記解除機構(52A)は、前記シート(35)に設けられ、
    このシート(35)に、前記解除機構(52A)を覆い、解除の際に前記解除機構(52A)を露出させることができるように覆隠部材(53)が移動可能に付属されていることを特徴とする鞍乗り型車両の後部構造。
  2. 前記シート(35)は、シート底板(54)と、このシート底板(54)を覆うシート表皮(55)と、このシート表皮(55)と前記シート底板(54)との間に充填されるクッション材(56)とを備え、
    前記覆隠部材(53)は、前記シート表皮(55)と同種のカバー表皮(57)で覆われていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の後部構造。
  3. 前記シート表皮(55)が前記カバー表皮(57)と一部連続的に繋がった形態で、前記覆隠部材(53)は、ヒンジ部(58)を介して前記シート(35)に繋がっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗り型車両の後部構造。
  4. 前記シート(35)は、運転者が座る運転者シート(38)の車両後方に且つ前記運転者シート(38)より一段高い位置に配置される同乗者シート(35)であり、
    前記解除機構(52A)は、前記同乗者シート(35)のシート底板(54)の前部(59)に取付けられ、前記覆隠部材(53)は、前記同乗者シート(35)の前部に移動可能に付属されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の鞍乗り型車両の後部構造。
  5. 前記同乗者シート(35)は、前記運転者シート(38)と分離していることを特徴とする請求項4の鞍乗り型車両の後部構造。
  6. 前記同乗者シート(35)は、前記運転者シート(38)と一体であることを特徴とする請求項4の鞍乗り型車両の後部構造。
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