JP2012025099A - ガスバリアフィルムおよび電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤や水に浸漬した後のガスバリアフィルムの寸法変化を抑制する。
【解決手段】基材フィルムと、少なくとも1層の有機層と、該有機層に隣接する無機層を有するガスバリアフィルムであって、該ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、30ppm以下である、ガスバリアフィルムを用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水や溶剤に浸漬しても、寸法が変化しにくく、かつ、バリア性能が低下しにくいガスバリアフィルムに関する。また、このようなガスバリアフィルムを用いた電子デバイスに関する。
従来から、水蒸気や酸素の侵入を防ぐための種々のガスバリアフィルムが検討されている(特許文献1、特許文献2)。ここで、電子デバイスの基板や封止に用いられるガスバリアフィルムは、高いガスバリア性と共に、低い寸法変化が求められる。
特開2009−172991号公報 特開平1−76056号公報
上述のとおり、ガスバリアフィルムは、その寸法変化が問題となる。特に、有機層と無機層を積層した、有機無機積層型ガスバリアフィルムにおける、水や溶剤に浸漬時に寸法変化が問題となる。これは、有機無機積層型ガスバリアフィルムを水や溶剤に浸漬すると、無機層と、有機層等の他の層とで寸法変化率が異なるため、無機層が破壊してしまう場合があるためである。
本発明は上記課題を解決することを目的とするものであって、水や溶剤に浸漬した後も寸法変化率が少なく、かつ、バリア性が維持されるガスバリアフィルムを提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、ガスバリアフィルムのトータルの膨潤量が、無機層の破壊の発生の有無と深く関連していることを見出した。これまで、それぞれの層毎の水や溶媒に対する膨潤量は検討されていたが、ガスバリアフィルムとして、トータルの膨潤量は全く検討されていなかった。しかしながら、ガスバリアフィルムのトータルの膨潤量を特定の範囲とすることにより、上記課題は解決された。具体的には、以下の手段により、上記課題は解決された。
(1)基材フィルムと、少なくとも1層の有機層と、該有機層に隣接する無機層を有するガスバリアフィルムであって、該ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、30ppm以下である、ガスバリアフィルム。
(2)前記ガスバリアフィルムを、30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、30ppm以下である、(1)に記載のガスバリアフィルム。
(3)少なくとも2層の有機層と少なくとも2層の無機層が交互に積層している、(1)または(2)に記載のガスバリアフィルム。
(4)ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、20ppm以下である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(5)30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、20ppm以下である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(6)ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の水蒸気透過率と浸漬前の水蒸気透過率の差が、0.01g/m2/day以下である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(7)30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの水蒸気透過率と浸漬前の水蒸気透過率の差が、0.01g/m2/day以下である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(8)基材フィルムの厚さが有機層と無機層の合計厚さの50〜150倍である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(9)有機層の厚さが、該有機層に隣接する無機層の厚さの1〜30倍である、(1)〜(8)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(10)ガスバリアフィルムの厚さが25μm〜500μmである、(1)〜(9)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
(11)(1)〜(10)のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを有する電子デバイス。
本発明によれば、有機無機積層型ガスバリアフィルムが水や溶剤に浸漬されても、良好なガスバリア性能を維持することが可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明のガスバリアフィルムは、基材フィルムと、少なくとも1層の有機層と、該有機層に隣接する無機層を有するガスバリアフィルムであって、該ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、30ppm以下であることを特徴とする。このような条件を満たすように、ガスアリアフィルム全体を調整することによって、水や溶媒に浸漬した後も、良好なガスバリア性を維持することが可能になる。
本発明のガスバリアフィルムは、好ましくは、30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、30ppm以下であるガスバリアフィルムである。このような条件を満たすようにガスバリアフィルム全体を調整することにより、水や溶媒に浸漬した後も、さらに良好なガスバリア性を維持することが可能になる。
本発明におけるガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率は、それぞれ、20ppm以下が好ましい。また、30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの縦方向と横方向の寸法変化率は、それぞれ、20ppm以下であることが好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明におけるガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の水蒸気透過率と浸漬前の水蒸気透過率の差は、0.01g/m2/day以下であることが好ましい。また、30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの水蒸気透過率と浸漬前の水蒸気透過率の差が、0.01g/m2/day以下であることが好ましい。このような条件を満たす構成とすることにより、本発明のガスバリアフィルムを電子デバイスの基板として使用する際の寸法変化によるダメージが抑制される。特に、配線剥離等のパターンニング処理の際のダメージを効果的に抑制することが可能になる。
本発明では、また、基材フィルムの厚さが有機層と無機層の合計厚さの50〜150倍であることが好ましく、60〜100倍であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の構成がより効果的に発揮される。
また、本発明では、有機層の厚さが、該有機層に隣接する無機層の厚さの1〜30倍であることが好ましく、1〜25倍であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の構成がより効果的に発揮される。
本発明のガスバリアフィルムは、基材フィルムと、該基材フィルム上に、少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機層を有するが、有機層および無機層は、片面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。本発明では片面に設けることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。本発明のガスバリアフィルムは、基材フィルム側から無機層、有機層の順に積層していてもよいし、有機層、無機層の順に積層していてもよい。最上層は無機層でも有機層でもよい。
また、本発明におけるガスバリアフィルムは大気中の酸素、水分、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等を遮断する機能を有するバリア層を有するフィルム基板である。
ガスバリアフィルムを構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層がさらに好ましい。
ガスバリアフィルムは、有機層、無機層、基材フィルム以外の構成成分(例えば、易接着層等の機能性層)を有しても良い。
本発明のガスバリアフィルムは、その厚さが、25μm〜500μmであることが好ましく、100μm〜200μmであることがより好ましい。このような厚さとすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明のガスバリアフィルムを構成する、基材フィルム、有機層、無機層を構成する材料等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、特に定めるものではなく、当業者の通常の常識に従って選択することができる。例えば、下記材料を用いることができる。
(有機層)
本発明における有機層とは有機ポリマーを主成分とする、有機層であることが好ましい。ここで主成分とは、有機層を構成する成分の第一の成分が有機ポリマーであることをいい、通常は、有機層を構成する成分の80重量%以上が有機ポリマーであることをいう。
有機ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステルおよびアクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン等の有機珪素ポリマーなどが挙げられる。有機層は単独の材料からなっていても混合物からなっていてもよいし、サブレイヤーの積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように無機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
本発明における有機層は、好ましくは、重合性化合物を含む重合性組成物を硬化してなるものである。
(重合性化合物)
重合性化合物は、好ましくは、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物であり、より好ましくは、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物および/またはスチレン系化合物が好ましく、(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる(メタ)アクリレート系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012025099
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(重合開始剤)
本発明における重合性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。光重合開始剤の例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。
(有機層の形成方法)
有機層の形成方法としては、特に定めるものではないが、例えば、溶液塗布法や真空成膜法により形成することができる。溶液塗布法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましい。本発明においてはポリマーを溶液塗布しても良いし、特開2000−323273号公報、特開2004−25732号公報に開示されているような無機物を含有するハイブリッドコーティング法を用いてもよい。
本発明では、重合性化合物を含む組成物を、光照射して硬化させるが、照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.1J/cm2以上が好ましく、0.5J/cm2以上がより好ましい。重合性化合物として、(メタ)アクリレート系化合物を用いる場合、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で0.5J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
本発明における有機層は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機層の平滑性は10μm角の平均粗さ(Ra値)として10nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。モノマーの重合率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、92%以上であることが特に好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。重合率は赤外線吸収法によって定量することができる。
有機層の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難になるし、厚すぎると外力によりクラックを発生してバリア性が低下する。かかる観点から、有機層の厚みは50nm〜2000nmが好ましく、200nm〜1500nmがより好ましく、800nm〜1200nmがさらに好ましい。
また、有機層は先に記載したとおり平滑であることが好ましい。有機層の平滑性は10μm角の平均粗さ(Ra値)として2nm以下が好ましく、1nm以下であることがより好ましい。有機層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、有機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層の硬度は高いほうが好ましい。有機層の硬度が高いと、無機層が平滑に成膜されその結果としてバリア能が向上することがわかっている。有機層の硬度はナノインデンテーション法に基づく微小硬度として表すことができる。有機層の微小硬度は100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。
有機層は2層以上積層することが好ましい。この場合、各層が同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、2層以上積層する場合は、各々の有機層が上記の好ましい範囲内にあるように設計することが好ましい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように無機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
(無機層)
無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの真空製膜法がある。
無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、CeおよびTaから選ばれる1種以上の金属を含む、酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物または酸化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、ZnおよびTiから選ばれる金属の酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましく、特にSiまたはAlの金属酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
本発明により形成される無機層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm以下がより好ましい。
無機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、1層につき、通常、5〜1000nmの範囲内であり、好ましくは、5〜500nmであり、より好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは20〜100nmである。また、薄い無機層(例えば、10nm〜70nmのもの)と、厚い無機層(例えば、300nm〜700nm)の2種類の厚さの無機層を、有機層で挟んだ構成も好ましい。
さらに、無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
(有機層と無機層の積層)
有機層と無機層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機層を順次繰り返し製膜することにより行うことができる。
特に、本発明は、少なくとも2層の有機層と少なくとも2層の無機層を交互に積層した場合に、さらに高いバリア性を発揮することができる。交互積層は支持体側から有機層/無機層/有機層/無機層の順に積層していても、無機層/有機層/無機層/有機層の順に積層していても良い。
(機能層)
本発明のデバイスにおいては、機能層を有していても良い。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、耐溶剤層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等が挙げられる。
(基材フィルム)
本発明におけるガスバリアフィルムは、通常、基材フィルムとして、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、有機層、無機層等を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明のガスバリアフィルムを後述する有機EL素子等のデバイスの基板として使用する場合は、プラスチックフィルムは耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上および/または線熱膨張係数が40ppm/℃以下で耐熱性の高い透明な素材からなることが好ましい。Tgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学(株)ネオプリム:260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の化合物:300℃以上)が挙げられる(括弧内はTgを示す)。特に、透明性を求める場合には脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムを偏光板と組み合わせて使用する場合、ガスバリアフィルムの無機層が設けられている側がセルの内側に向くようにし、最も内側に(素子に隣接して)配置することが好ましい。このとき偏光板よりセルの内側にガスバリアフィルムが配置されることになるため、ガスバリアフィルムのレターデーション値が重要になる。このような態様でのガスバリアフィルムの使用形態は、レターデーション値が10nm以下の基材フィルムを用いたガスバリアフィルムと円偏光板(1/4波長板+(1/2波長板)+直線偏光板)を積層して使用するか、あるいは1/4波長板として使用可能な、レターデーション値が100nm〜180nmの基材フィルムを用いたガスバリアフィルムに直線偏光板を組み合わせて用いるのが好ましい。
レターデーションが10nm以下の基材フィルムとしてはセルローストリアセテート(富士フイルム(株):富士タック)、ポリカーボネート(帝人化成(株):ピュアエース、(株)カネカ:エルメック)、シクロオレフィンポリマー(JSR(株):アートン、日本ゼオン(株):ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマー(三井化学(株):アペル(ペレット)、ポリプラスチック(株):トパス(ペレット))ポリアリレート(ユニチカ(株):U100(ペレット))、透明ポリイミド(三菱ガス化学(株):ネオプリム)等を挙げることができる。
また1/4波長板としては、上記のフィルムを適宜延伸することで所望のレターデーション値に調整したフィルムを用いることができる。
本発明のガスバリアフィルムは有機EL素子等のデバイスとして利用されることから、プラスチックフィルムは透明であること、すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
本発明のガスバリアフィルムをディスプレイ用途に用いる場合であっても、観察側に設置しない場合などは必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、プラスチックフィルムとして不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
本発明のガスバリアフィルムに用いられるプラスチックフィルムの厚みは、用途によって適宜選択されるので特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜200μmであり、さらに好ましくは、80μm〜130μmである。これらのプラスチックフィルムは、透明導電層、プライマー層等の機能層を有していても良い。機能層については、上述したもののほか、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に記載されているものを好ましく採用できる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、特開2010−131993号公報、特開2010−120255号公報、特開2010−089397号公報、特開2010−76288号公報、特開2010−045119号公報、特開2005−349769号公報、特開2005−349650号公報、特開2005−342995号公報、特開2005−335067号公報、特開2005−342976号公報、特開2000−167974号公報、特開2001−020059号公報、特開2002−178436に記載の技術を採用できる。
<デバイス>
本発明のガスバリアフィルムは空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化するデバイスに好ましく用いることができる。前記デバイスの例としては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池等)等の電子デバイスを挙げることができ有機EL素子に好ましく用いられる。
特に、本発明のガスバリアフィルムは、電子デバイス基板として使用すると、電子デバイスの寸法変化影響が抑制され、パターニング処理時故障(配線剥離等)を効果的に抑制することができる。
本発明のガスバリアフィルムの上に、パターニングを設ける方法の一例について説明する。まず、ガスバリアフィルム上、スパッタ法により金属層を形成する。ここで、ガスバリアフィルムの一方の面のみに、有機層および無機層を設けている場合、いずれの側にパターンを形成してもよいが、有機層および無機層を設けた側の最表面に設けるのが好ましい。ここでの金属としては、Al、Mo、Ndが例示される。金属層の上にレジストを設けた後、露光、現像することにより所定のパターンを形成する。金属層のエッチングは、酸、例えば、燐酸、硝酸、酢酸またはこれらの混合液により、液温室温〜50℃の範囲にて行うのが好ましい。この後、レジストを剥離し、配線を得ることができる。従来のガスバリアフィルムの上に、配線パターンを設けた場合、配線故障が生じてしまっていたが、本発明のガスバリアフィルムを採用することにより、配線パターンの故障を抑制することが可能になった。
本発明のガスバリアフィルムは、デバイスの基板や固体封止法による封止のためのフィルムとしても用いることができる。固体封止法とはデバイスの上に保護層を形成した後、接着剤層、ガスバリアフィルムを重ねて硬化する方法である。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。
(有機EL素子)
ガスバリアフィルム用いた有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。
(液晶表示素子)
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明におけるガスバリアフィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明の基板は、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)またはHAN型(Hybrid Aligned Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、IPS型(In-Plane Switching)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
(太陽電池)
本発明のガスバリアフィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明のガスバリアフィルムは、接着層が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。本発明のガスバリアフィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
(その他)
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報に記載の電子ペーパー等が挙げられる。
<光学部材>
本発明のガスバリアフィルムを用いる光学部材の例としては円偏光板等が挙げられる。
(円偏光板)
本発明におけるガスバリアフィルムを基板としλ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
本願実施例における測定方法を下記に示す。
<評価条件>
(NMP浸漬前後の寸法変化率)
ガスバリアフィルムの縦方向および横方向の長さを測定した。測定後、ガスバリアフィルムをN−メチルピロリドン(NMP)に、30℃で、5分浸漬後した。その後、ガスバリアフィルムの縦方向および横方向の寸法を測定した。基材フィルムと有機層と無機層とで寸法変化率に差異があった場合は、一番変化の大きかった層の長さを測定した。寸法変化率は以下の式により算出した。
寸法変化率=|浸漬前の長さ−浸漬後の長さ|/浸漬前の長さ (ppm)
収縮・膨潤に関わらず、浸漬前後の長さの差の絶対値を浸漬前の長さで割って寸法変化率とした。以下の区分に従って評価した。
◎:20ppm以下
○:20ppm超え30ppm以下
×:30ppm超え
(水浸漬前後の寸法変化率)
ガスバリアフィルムの縦方向および横方向の長さを測定した。測定後、ガスバリアフィルムを水に、30℃で、5分浸漬後した。基材フィルムと有機層と無機層とで寸法変化率に差異があった場合は、一番変化の大きかった層の長さを測定した。寸法変化率は以下の式により算出した。
寸法変化率=|浸漬前の長さ−浸漬後の長さ|/浸漬前の長さ (ppm)
収縮・膨潤に関わらず、浸漬前後の長さの差の絶対値を浸漬前の長さで割って寸法変化率とした。以下の区分に従って評価した。
◎:20ppm以下
○:20ppm超え30ppm以下
×:30ppm超え
(NMP浸漬前後の水蒸気透過率)
ガスバリアフィルムの水蒸気透過率を以下の方法に従って測定した。測定後、ガスバリアフィルムをN−メチルピロリドン(NMP)に、30℃で、5分浸漬後した。その後、再度、ガスバリアフィルムの水蒸気透過率を測定した。以下のとおり評価した。
○:浸漬前後の水蒸気透過率の変化が、0.01g/m2/day以下
×:浸漬前後の水蒸気透過率の変化が、0.01g/m2/dayを超える
(水浸漬前後の水蒸気透過率)
ガスバリアフィルムの水蒸気透過率を以下の方法に従って測定した。測定後、ガスバリアフィルムを水に、30℃で、5分浸漬後した。その後、再度、ガスバリアフィルムの水蒸気透過率を測定した。以下のとおり評価した。
○:浸漬前後の水蒸気透過率の変化が、0.01g/m2/day以下
×:浸漬前後の水蒸気透過率の変化が、0.01g/m2/dayを超える
(水蒸気透過率の測定)
G.NISATO、P.C.P.BOUTEN、P.J.SLIKKERVEERらSID Conference Record of the International Display Research Conference 1435-1438頁に記載の方法を用いて水蒸気透過率(g/m2/day)を測定した。このときの温度は40℃、相対湿度は90%とした。
(剥離故障発生件数)
ガスバリアフィルムの無機層上に、スパッタ法によりAlを200nm成膜した。Arを100Sccm、成膜圧力を0.4Pa、成膜温度は室温で行った。レジストをスピンコートによりAl上に塗布し、露光、現像することにより所定のパターンを形成した。Alのエッチングは、燐酸、硝酸の酢酸の混合液により液温40℃にて所定の時間浸漬することでエッチングした。レジストを剥離し、所望の配線を得た。
さらに、ガスバリアフィルムに代えて、それぞれのガスバリアフィルムにおいて、基材フィルムとして用いたプラスチックフィルムの上に、上記と同様に配線パターンを形成し、同様の手法により、剥離故障が発生する率(B)を測定した。
上記剥離故障が発生する率の比(A)/(B)を求め、以下のとおり評価した。
◎:1/50未満
○:1/50以上1/10未満
×:1/10以上
(実施例1)
ポリメチルペンテン(三井化学社製、TPX、100μm厚)上に、SiO2を真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜して無機層を形成した。その上に、95重量部のジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、IRR−214K)と、5重量部のエチレンオキサイド変性リン酸アクリレート(日本化薬株式会社製、KAYAMER PM−21)と、1重量部の重合開始剤(ランベルティ(Lamberti)社製、エザキュアKTO46)と、2−ブタノン(185重量部)とからなる組成物をワイヤーバーにて塗布し、酸素100ppm雰囲気下で紫外線照射量0.5J/cm2で照射して硬化させ、有機層を作製した。有機層の膜厚は1000nmとした。次に、有機層表面に膜厚が50nmとなるようにSiO2を真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜してガスバリアフィルムを作製した。
(実施例2)
ポリメチルペンテン(三井化学社製、TPX、100μm厚)上に、100重量部のジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、IRR−214K)を真空蒸着し、電子ビーム(EB)により、硬化させて厚さ1000nmの有機層を作成した。次に、有機層表面に膜厚が50nmとなるようにSiO2を真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜してガスバリアフィルムを作製した。
(実施例3)
ポリメチルペンテン(三井化学社製、TPX、100μm厚)上に、オーラムZ(富士マテリアル株式会社製)を用いて、ゾルゲル法によって、SiO2からなる層を作成した。厚さは、500nmであった。この上に、95重量部のジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、IRR−214K)と、5重量部のエチレンオキサイド変性リン酸アクリレート(日本化薬株式会社製、KAYAMER PM−21)と、1重量部の重合開始剤(ランベルティ(Lamberti)社製、エザキュアKTO46)と、2−ブタノン(185重量部)とからなる組成物をワイヤーバーにて塗布し、酸素100ppm雰囲気下で紫外線照射量0.5J/cm2で照射して硬化させ、有機層を作製した。有機層の膜厚は1000nmとした。次に、有機層表面に膜厚が50nmとなるようにSiO2を真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜してガスバリアフィルムを作製した。
(比較例1)
PETフィルム(100μm厚)上に、膜厚が50nmとなるようにAlOxを真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜してガスバリアフィルムを作製した。
(比較例2)
PETフィルム(100μm厚)上に、ポリエチレングリコール系ジアクリレート(新中村化学社製、NKエステルA600)を真空蒸着し、電子ビーム(EB)により、硬化させて厚さ1000nmの有機層を作成した。次に、有機層表面に膜厚が50nmとなるようにAlOxを真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜してガスバリアフィルムを作製した。
(比較例3)
PETフィルム(100μm厚)上に、100重量部のビスフェノールジアクリレート(ダイセル化学工業社製、EB3702)と、1重量部の重合開始剤(ランベルティ(Lamberti)社製、エザキュアKTO46)と、2−ブタノン(185重量部)とからなる組成物をワイヤーバーにて塗布し、酸素100ppm雰囲気下で紫外線照射量0.5J/cm2で照射して硬化させ、有機層を作製した。有機層の膜厚は1000nmとした。次に、有機層表面に膜厚が50nmとなるようにAlOxを真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜してガスバリアフィルムを作製した。
(比較例4)
PCフィルム(100μm厚)上に、100重量部のビスフェノールジアクリレート(ダイセル化学工業社製、EB3702)と、1重量部の重合開始剤(ランベルティ(Lamberti)社製、エザキュアKTO46)と、2−ブタノン(185重量部)とからなる組成物をワイヤーバーにて塗布し、酸素100ppm雰囲気下で紫外線照射量0.5J/cm2で照射して硬化させ、有機層を作製した。有機層の膜厚は1000nmとした。次に、有機層表面に膜厚が50nmとなるようにAlOxを真空スパッタ(反応性スパッタリング)で製膜してガスバリアフィルムを作製した。
得られたガスバリアフィルムについて、評価した。結果を下記に示す。
Figure 2012025099
上記表から明らかなとおり、ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率を30ppm以下としたとき、有機溶剤や水に浸漬した後の水蒸気バリア性が低下しないことが分かった。さらに、このような条件を満たすガスバリアフィルムは、剥離故障発生件数が著しく少ないことが分かった。

Claims (11)

  1. 基材フィルムと、少なくとも1層の有機層と、該有機層に隣接する無機層を有するガスバリアフィルムであって、該ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、30ppm以下である、ガスバリアフィルム。
  2. 前記ガスバリアフィルムを、30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、30ppm以下である、請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 少なくとも2層の有機層と少なくとも2層の無機層が交互に積層している、請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
  4. ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、20ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  5. 30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの縦方向と横方向の寸法変化率が、それぞれ、20ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  6. ガスバリアフィルムのN−メチルピロリドンに、30℃で、5分浸漬後の水蒸気透過率と浸漬前の水蒸気透過率の差が、0.01g/m2/day以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  7. 30℃の水に、5分浸漬後のガスバリアフィルムの水蒸気透過率と浸漬前の水蒸気透過率の差が、0.01g/m2/day以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  8. 基材フィルムの厚さが有機層と無機層の合計厚さの50〜150倍である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  9. 有機層の厚さが、該有機層に隣接する無機層の厚さの1〜30倍である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  10. ガスバリアフィルムの厚さが25μm〜500μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを有する電子デバイス。
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