JP2012024863A - 研削パッド、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

研削パッド、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板を研削するときにガラス基板の切屑に起因する研削レートの低下を抑制するようにした研削パッド、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】研削パッド10が上定盤50及び下定盤60に貼付される。被研削物としてのガラス基板Gが上定盤50及び下定盤60で狭持され、ガラス基板Gと上定盤50及び下定盤60とを相対的に移動させることでガラス基板Gが研削パッド10により研削加工される。研削パッド10は、円環形状の平板の樹脂成形部と、実質的に中心から前記円環形状の外縁に向かって延びる樹脂成形部の溝部に配置されている砥石と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、工業製品用ガラス、例えば磁気ディスク用ガラス基板などの主表面を研削する研削パッド、および磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッド(DFH(Dynamic Flying Height)ヘッド)で磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板には、金属基板等に比べて塑性変形をしにくい性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられる。
また、ハードディスク装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリアの微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。しかも、記憶容量の一層の増大化のために、磁気ヘッドの磁気記録面からの浮上距離を極めて短くして磁気記録情報エリアを微細化することも行われている。このような磁気ディスクの基板においては、磁性層の磁化方向が基板面に対して略垂直方向に向くように、磁性層が平らに形成される。このために、ガラス基板の表面凹凸は可能な限り小さく作製されている。
従来、磁気ディスク用ガラス基板の製造において、磁気ディスク用ガラス基板の研削はスラリーを用いた遊離砥粒法により行われてきたが、研削効率が悪く(つまり、研削レートが低く)、また縁部にダレを生じさせるなどの問題点がある。そのため、磁気ディスク用ガラス基板の研削は、例えば微粒ダイヤモンドを含有する微粒レジノイドボンドダイヤモンドを固定砥粒として研削面に貼り付けた定盤による、固定砥粒法によるものに置き換われつつある。
特開2008−254166号公報
近年、磁気ディスクのより一層の高密度記録化を図ることを目的として、Fe−Pt系、Co−Pt系等の磁気異方性エネルギーが高い磁性材料(高Ku磁性材料)を使用することが検討されている。高密度記録化のために磁性粒子の粒径を小さくする必要があるが、一方で、粒径が小さくなると、熱揺らぎによる磁気特性の劣化が問題となる。高Ku磁性材料は熱揺らぎの影響を受けにくいため、高密度記録化に寄与すると期待されている。しかし上記高Ku磁性材料は、高Kuを実現するために特定の結晶配向状態を得る必要があり、そのため、高温での成膜、あるいは成膜後に高温で熱処理を行う必要がある。したがって、これらの高Ku磁性材料からなる磁気記録層を形成するためには、ガラス基板には上記高温処理に耐え得る高い耐熱性、即ち高いガラス転移温度を有することが求められる。
一方ディスク状の磁気ディスクでは、媒体を中心軸の周りに高速回転させつつ、磁気ヘッドを半径方向に移動させながら、回転方向に沿ってデータの書き込み、読み出しを行う。近年、この書き込み速度および読み出し速度を上げるため回転数は5400rpmから7200rpm、更には10000rpmと高速化する方向で進んでいるが、ディスク状の磁気ディスクでは、予め、中心軸からの距離に応じてデータを記録するポジションが割り当てられるため、ディスクが回転中に変形を起こすと磁気ヘッドの位置ズレが起こり、正確な読み取りが困難となる。したがって上記高速回転化に対応するために、ガラス基板には高速回転時に大きな変形を起こさない高い剛性(ヤング率、および比弾性率)を有することも求められる。
更に、高い熱膨張係数を有するガラス基板を使用することにより、磁気ディスクの記録再生の信頼性を高めることができることが明らかとなった。これは以下の理由による。
磁気ディスクを組み込んだHDDは、中央部分をスピンドルモーターのスピンドルで押さえて磁気ディスクそのものを回転させる構造となっている。そのため、磁気ディスク用ガラス基板とスピンドル部分を構成するスピンドル材料の各々の熱膨張係数に大きな差があると、使用時に周囲の温度変化に対してスピンドルの熱膨張・熱収縮と磁気ディスク用ガラス基板の熱膨張・熱収縮にずれが生じてしまい、結果として磁気ディスクが変形してしまう現象が起きる。このような現象が生じると書き込んだ情報をヘッドが読み出せなくなってしまい、記録再生の信頼性を損なう原因となる。したがって磁気ディスクの信頼性を高めるには、ガラス基板には、スピンドル材料(例えばステンレスなど)と同程度の高い熱膨張係数を有することが求められる。
以上説明したように、更なる高密度記録化に対応可能な磁気ディスクを提供するためには、高耐熱性、高剛性、高熱膨張係数という3つの特性を兼ね備えたガラス基板、より詳しくは、高いガラス転移温度、高ヤング率および高熱膨張係数を有するガラス基板が求められる。
ところで、本願発明者が、上記特性を兼ね備えた特定の組成のガラス基板を準備し、上述した従来の固定砥粒法による研削を行ったところ、定盤の研削面に切屑が堆積して目詰まりすることによって研削レートを著しく低下させることが判明した。研削レートが著しく低下する場合に、量産工程に支障を来たすことは明白である。
そこで、本発明は、ガラス基板を研削するときにガラス基板の切屑に起因する研削レートの低下を抑制するようにした研削パッド、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上定盤及び下定盤に貼付されるとともに被研削物としてのガラス基板を上定盤及び下定盤で狭持し、前記ガラス基板と前記上定盤及び前記下定盤とを相対的に移動させることで前記ガラス基板を研削するための研削パッドである。
この研削パッドは、
研削パッドの研削面に設けられ、ウレタン系、ポリビニルアルコール系、またはエポキシ系樹脂により成形される円環形状の平板の樹脂成形部であって、実質的に中心から前記円環形状の外縁に向かって延びる溝部が形成されている樹脂成形部と、
樹脂成形部の溝部に配置されている砥石と、
を備える。
研削パッドの非研削面に配置される基材をさらに備え、樹脂成形部および砥石が基材にそれぞれ接着されているようにしてもよい。
樹脂成形部のヤング率は1〜10MPaの範囲であり、前記砥石のヤング率は300〜500MPaの範囲であることが好ましい。
樹脂成形部は、発泡性ウレタン樹脂を用いてなることが好ましい。
砥石は、砥粒としてダイヤモンド、結合材として青銅または鋳鉄を含むメタルボンド砥石であることが好ましい。
本発明の他の態様は、上記研削パッドを用いてガラス基板の主表面を研削する工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
この磁気ディスク用ガラス基板は、モル%表示にて、
SiOを50〜75%、
Alを0〜5%、
BaOを0〜2%、
LiOを0〜3%、
ZnOを0〜5%、
NaOおよびKOを合計で3〜15%、
MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、
ZrO、TiO、La、Y、Yb、Ta、NbおよびHfOを合計で2〜9%、含み、
モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、かつモル比[Al/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスからなる。
上述の研削パッド、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では、ガラス基板を研削するときにガラス基板の切屑に起因する研削レートの低下を抑制することができる。
遊星歯車機構が組み込まれた本実施形態の両面研削装置の構成を示す分解斜視図。 実施形態の研削パッドの一例を示す平面図。 図2に示す研削パッドのX−Xラインによる断面図。 実施形態の研削パッドによって板状ガラス素材を研削加工するときの作用原理を説明するための図。 実施形態の研削パッドの変形例を示す平面図。 実施形態の研削パッドの変形例を示す、図3に相当する断面図。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、および当該方法で使用される研削パッドについて詳細に説明する。
[磁気ディスク用ガラス基板]
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の対象を限定するものではないが、さらに好ましいガラス基板は例えば、モル%表示にて、
SiOを50〜75%、
Alを0〜5%、
BaOを0〜2%、
LiOを0〜3%、
ZnOを0〜5%、
NaOおよびKOを合計で3〜15%、
MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、
ZrO、TiO、La、Y、Yb、Ta、NbおよびHfOを合計で2〜9%、含み、
モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、かつモル比[Al/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスである。
以下の説明では、このガラスの組成を「組成A」と表記する。
上述した組成Aを有するガラスは、高耐熱性、高剛性、高熱膨張係数という3つの特性を兼ね備えている点で、磁気ディスク用ガラス基板の材料として好ましい。このようなガラスは、所定のガラス組成が得られるように酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物などのガラス原料を秤量、調合し、十分混合して、熔融容器内で、例えば1400〜1600℃の範囲で加熱、熔融し、清澄、攪拌して十分泡切れがなされた均質化した熔融ガラスを成形することにより作製することができる。なお、必要に応じてガラス原料に清澄剤を添加してもよい。
以下、磁気ディスク用ガラス基板が有する好ましい物性について、順次説明する。
1.熱膨張係数
磁気ディスクを構成するガラスとHDDのスピンドル材料(例えば、ステンレスなど)の熱膨張係数の差が大きいと、HDDの動作時における温度変化によって磁気ディスクが変形し、記録再生トラブルが起こるなど信頼性が低下することになってしまう。特に、高Ku磁性材料からなる磁気記録層を有する磁気ディスクは、記録密度が極めて高いため、磁気ディスクの僅かな変形によっても前記トラブルが起こりやすくなる。一般にHDDのスピンドル材料は、100〜300℃の温度範囲において70×10-7/℃以上の平均線膨張係数(熱膨張係数)を有するものであるところ、上述した組成Aを有する磁気ディスク基板用ガラスによれば、100〜300℃の温度範囲における平均線膨張係数を70×10-7/℃以上にすることができ、上記信頼性を向上することができ、高Ku磁性材料からなる磁気記録層を有する磁気ディスクに好適な基板を提供することができる。前記平均線膨張係数の好ましい範囲は72×10-7/℃以上、より好ましい範囲は74×10-7/℃以上、さらに好ましい範囲は75×10-7/℃以上、一層好ましい範囲は77×10-7/℃以上、より一層好ましい範囲は78×10-7/℃以上、さらに一層好ましい範囲は79×10-7/℃以上である。前記平均線膨張係数の上限は、スピンドル材料の熱膨張特性を考慮すると、例えば88×10-7/℃程度であることが好ましい。
2.ガラス転移温度
前述のとおり、高Ku磁性材料の導入などによって磁気ディスクの高記録密度化を図る場合、磁性材料の高温処理などにおいて、磁気ディスク用ガラス基板は高温下に晒されることになる。その際、基板の極めて高い平坦性が損なわれないようにするため、磁気ディスク基板用ガラスには優れた耐熱性を有することが求められる。耐熱性の指標としてはガラス転移温度を用いることができ、上述した組成Aを有する磁気ディスク基板用ガラスによれば、ガラス転移温度を630℃以上にすることができ、高温処理後にも優れた平坦性を維持することができる。したがって、上述した組成Aを有するガラスによれば、高Ku磁性材料を備えた磁気ディスクの作製に好適な基板を提供することができる。
ガラス転移温度の好ましい範囲は640℃以上、より好ましい範囲は650℃以上、さらに好ましい範囲は655℃以上、一層好ましい範囲は660℃以上、より一層好ましい範囲は670℃以上、さらに一層好ましい範囲は675℃以上、なお一層好ましい範囲は680℃以上である。ガラス転移温度の上限は、例えば750℃程度であるが特に限定されるものではない。
3.ヤング率
磁気ディスクの変形としては、HDDの温度変化による変形の他、高速回転による変形がある。高速回転時の変形を抑制する上からは、磁気ディスク基板用ガラスのヤング率を高めることが望まれる。上述した組成Aの磁気ディスク基板用ガラスによれば、ヤング率を80GPa以上にすることができ、高速回転時の基板変形を抑制し、高Ku磁性材料を備えた高記録密度化された磁気ディスクにおいても、データの読み取り、書き込みを正確に行うことができる。
ヤング率の好ましい範囲は81GPa以上、より好ましい範囲は82GPa以上である。ヤング率の上限は、例えば95GPa程度であるが特に限定されるものではない。
磁気ディスク基板用ガラスの上記熱膨張係数、ガラス転移温度、ヤング率はいずれも高Ku磁性材料を備えた高記録密度化された磁気ディスク用のガラス基板に求められる重要な特性である。したがって、上記磁気ディスクに好適な基板を提供する上で、100〜300℃における平均線膨張係数が70×10-7/℃以上、ガラス転移温度が630℃以上、ヤング率が80GPa以上の特性をすべて一体的に備えた磁気ディスク基板用ガラスが特に好ましい。上述した組成Aを有するガラスにより、上記特性をすべて一体的に備えた磁気ディスク基板用ガラスを提供することができる。
[磁気ディスク用ガラス基板の製造方法]
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、工程順に説明する。
(1)プレス成形およびラッピング工程
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては先ず、円板状の磁気ディスク用ガラス基板(以下、「板状ガラス素材」という。)を形成する。この板状ガラス素材は、例えば前述した組成Aを有することが好ましく、溶融させたガラス母材などから、プレス成形などにより形成する。なお、板状ガラス素材は、プレス成形に限らず、フロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。
次に、板状ガラス素材の両主表面に対して、アルミナ系遊離砥粒を用いたラッピング加工を行う。具体的には、板状ガラス素材の両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液(スラリー)を板状ガラス素材の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。
(2)端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))
コアリング工程においては、例えば、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とする。チャンファリング工程においては、内周端面及び外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す。
(3)固定砥粒による研削工程
固定砥粒による研削工程では、両面研削装置を用いて板状ガラス素材の主表面に対して研削加工を行う。研削による取り代は、例えば数μm〜100μm程度である。
ここで図1〜3を参照して、研削工程で使用される両面研削装置および研削パッドについて説明する。
図1は、遊星歯車機構が組み込まれた本実施形態の両面研削装置の構成を示す分解斜視図である。図1に示すように、両面研削装置は、上下一対の定盤、すなわち上定盤50および下定盤60を有している。上定盤50および下定盤60の間に板状ガラス素材Gが狭持され、上定盤50または下定盤60のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、板状ガラス素材Gと各定盤とを相対的に移動させることで、この板状ガラス素材Gの両主表面を研削することができる。
図1を参照して両面研削装置の構成をさらに具体的に説明する。
下定盤60は、中心部に設けられる太陽歯車61と、外縁に設けられた内歯車62と、板状ガラス素材Gを1または複数個保持する円板状のキャリア30と、研削パッド10とを有している。太陽歯車61は、下定盤60の中心軸の回りを回転可能に取り付けられている。キャリア30は、外周部に設けられて太陽歯車61及び内歯車62に噛合する歯部31と、板状ガラス素材Gを収容し保持するための1または複数の孔部31とを有する。研削パッド10は、図1に示すように、全体として円環形状の平板のパッドであって、下定盤60の底部に取り付けられている。下定盤60では、キャリア30が遊星歯車として自転しながら公転し、板状ガラス素材Gと下定盤60とが相対的に移動させられる。例えば、太陽歯車61がCCW(反時計回り)の方向に回転すれば、キャリア30はCW(時計回り)の方向に回転し、内歯車62はCCWの方向に回転する。その結果、研削パッド10と板状ガラス素材Gの間に相対運動が生じ、板状ガラス素材Gの下定盤60側の主表面を研削することができる。
なお、図1において、上定盤50は、下定盤60と同様に研削パッド10が取り付けられている。そのため、キャリア30の上定盤50に対する相対的な移動により、板状ガラス素材Gの上定盤50側の主表面を研削することができる。
また、この両面研削装置では、板状ガラス素材Gに対する所望の研削負荷を設定する目的で、板状ガラス素材Gに与えられる上定盤50の荷重が調整されることが好ましい。
次に図2および図3を参照して、研削パッド10の構成について具体的に説明する。図2は、研削パッド10の一例を示す平面図である。図3は、図2に示す研削パッド10のX−Xラインによる断面図である。
図2に示すように、研削パッド10は、定盤に取り付けられた状態において太陽歯車61などの他の構成部品と干渉しないように中央に孔部が設けられた、円環形状の平板のパッドである。図2に示すように、研削パッド10は平面視では、研削パッド10の研削面に設けられ、全体として円環形状の平板の樹脂成形部100を含む。この樹脂成形部100には、実質的に中心から前記円環形状の外縁に向かって(図2では放射状に)延びる溝部が形成されており、その溝部に砥石101が設置されている。図3に示すように、樹脂成形部100と砥石101の厚さは実質的に同一である。なお、研削パッド10では、砥石101が研削加工機能を備え、樹脂成形部100は研削加工機能を備えていない。
図3に示すように、樹脂成形部100の非研削面には、基材102が配置されるようにしてもよい。基材102は、上定盤50または下定盤60と砥石101との間の緩衝材として機能しうる。基材102は例えば、ポリエチレン系樹脂により成形される。この場合、樹脂成形部100および砥石101が基材102に接着材にて取り付けられる。
なお、樹脂成形部100と砥石101は、側面(研削面または非研削面と垂直な面)においては必ずしも互いに接着されていなくてもよい。
樹脂成形部100は例えば、ウレタン系、ポリビニルアルコール系、またはエポキシ系樹脂により成形することが好ましい。より好ましくは、研削加工による切屑を収容するため、つまり発泡部分を切屑ポケットとして機能させるために発泡性樹脂(例えば、発泡性ウレタン樹脂)により成形する。
砥石101は、例えば、砥粒としてダイヤモンド、結合材として青銅または鋳鉄を含むメタルボンド砥石である。なお、砥石101は、メタルボンド砥石に限らず、樹脂を基礎とした結合材を含むレジンボンド砥石、セラミックス質(ガラス質)の結合材を含むビドリファイドボンド砥石、電解めっきを利用した電着ボンド砥石でもよい。
後述するように、研削パッド10では、砥石101を効果的に機能させる観点から、樹脂成形部100と砥石101のヤング率の差が大きい方が好ましい。つまり、ヤング率の高い砥石101と、ヤング率の低い樹脂成形部100との間で、ヤング率の差が極力大きい方が好ましい。例えば、樹脂成形部100のヤング率は1〜10MPaの範囲とし、砥石101のヤング率は300〜500MPaの範囲とする。
具体的な材料の観点から言えば、以下のとおりである。すなわち、樹脂成形部100として使用されうる材料であるウレタン系、ポリビニルアルコール系、またはエポキシ系樹脂の中で、ウレタン系樹脂はヤング率が概して低く、樹脂成形部100の材料として、より好ましい。また、砥石101として使用されうるメタルボンド砥石、レジンボンド砥石、ビドリファイドボンド砥石、電着ボンド砥石の中で、メタルボンド砥石は、概して硬度が高くヤング率が極めて高いため、より好ましい。
次に図4を参照して、研削パッド10によって板状ガラス素材Gを研削加工するときの作用原理について説明する。図4において、(a)は、図2のX−Xラインの断面において板状ガラス素材Gを研削加工するときの状態を示す図であり、(b)は、(a)の図の紙面横方向の位置に対応した、研削パッド10の研削面に掛かる負荷を概念的に示す図である。図4では、表示の容易性のために板状ガラス素材Gが樹脂成形部100の表面から浮上しているように記載してあるが、実際には研削パッド10と板状ガラス素材Gの間に負荷が掛かっているため、板状ガラス素材Gが研削パッド10から浮上することはない。
また、図4を参照して、下定盤60に配置された研削パッド10により板状ガラス素材Gを研削加工するときの作用原理についてのみ説明するが、上定盤50に配置された研削パッド10により板状ガラス素材Gを研削加工するときの作用原理についても同様である。
従来、ダイヤモンド等の固定砥粒を両面研削装置の定盤の広範囲に亘って配置させた研削シートが知られているが、このような研削シートを使用した場合、研削対象である板状ガラス素材Gのガラス組成によっては、研削シートの研削面に切屑が堆積して目詰まりすることによって研削レートを著しく低下させる。これは、切屑がハードケーキ化してシート面に付着することで固定砥粒の自生発刃作用を阻害するためと考えられる。つまり、砥粒の周縁に切屑が堆積していくことで、研削に有効な砥粒の切れ刃の突出量が実質的に低下してしまうためと考えられる。また、切屑がハードケーキ化してシート面に付着していくと、砥粒と板状ガラス素材Gの間に掛かる負荷が低下し、研削力が低下する。発明者によれば、例えば前述した組成Aを有する板状ガラス素材Gに対して従来の研削シートにより研削加工を行った場合に、研削シートの研削面に切屑が堆積して目詰まりが生じることに起因する研削レートの著しい低下が確認された。
そこで、本実施形態の研削パッド10は、以下の3点(a1)〜(a3)を鑑みて考案されている。
(a1)切屑が定盤の広範囲に亘って堆積することによる影響を回避するため、研削機能を備えた砥石を定盤上に局所的に配置し、砥石101と板状ガラス素材Gの間の相対運動による砥石101の運動転写性によって研削加工を行う。
(a2)研削によって生ずる板状ガラス素材Gの切屑を砥石101から除去し樹脂成形部100に堆積させることで、砥石101の砥粒の切れ刃の突出量を切屑によって低下させないようにする。
(a3)好ましくは、砥石101と樹脂成形部100との間のヤング率の差を大きく設定し、研削加工時に樹脂成形部100の研削面を相対的に低下させる(沈み込ませる)ことで、切屑の堆積に起因した、砥粒と板状ガラス素材Gの間に掛かる負荷の低下を抑制する。
図4を参照してさらに詳しく説明する。図4では、研削パッド10に対して板状ガラス素材Gが図中の左方向に(つまり、時計回り(CW)に)移動している場合を例示している。
研削パッド10では、図2に示したように、研削機能を備えた砥石101が定盤上に局所的に配置される。より具体的には、砥石101は、実質的に中心から前記円環形状の外縁に向かって(図2では放射状に)延びており、これによって、遊星歯車機構によって自転および公転するキャリア30に保持される板状ガラス素材Gは、細長い砥石101の長手方向と概ね直交する方向の相対運動により好適に研削加工されることになる。かかる研削パッド10における砥石101の配置によって、図4(a)に示すように砥石101の長手方向から見ると、板状ガラス素材Gの運動方向を基準として砥石101の前後の樹脂成形部100(図4(a)の砥石101の周縁E1、E2)に板状ガラス素材Gの切屑が堆積するようになる。発明者による確認結果によれば、樹脂成形部100の回転方向の逃げ側の周縁(図4(a)の砥石101の周縁E1)に特に目詰まり状態が観測された。
また研削加工時には、板状ガラス素材Gに与えられる上定盤50の荷重を調整することによって、研削パッド10と板状ガラス素材Gの間にほぼ均一に負荷が掛かるようにされている。このとき、砥石101と樹脂成形部100との間のヤング率の差を大きく設定しているため、樹脂成形部100の研削面は、砥石101の研削面よりも基材102側に(つまり、下方に)沈み込むようになる。そのため、図4(b)に示すように、研削パッド10の研削面全体のうち砥石101が配置されている部分に掛かる負荷が研削加工中に高く維持されることになる。また、樹脂成形部100の研削面が砥石101の研削面よりも基材102側に沈み込むようになるため、切屑が回転運動の慣性によって、砥石101で生じた切屑が砥石101の周縁E1、E2に移動して堆積することが促進される。また、砥石101で生じた切屑の一部は、研削パッド10の自転によって砥石101から除去されうる。このように、本実施形態の研削パッド10によれば、板状ガラス素材Gの切屑が砥石101に堆積しにくい構成となっているため、切屑が堆積することによる研削レートの低下が回避される。
なお、図2では、平面視で砥石101が研削パッド10の中心から放射状に延びている形態を示したが、これに限られない。砥石101は、実質的に研削パッド10の中心から円環形状の外縁に向かって延びていればよく、例えば図5に例示する形態でもよい。平面視における砥石101の各端は、両面研削装置に搭載された状態で板状ガラス素材Gを研削可能な位置に設定されていればよく、必ずしも樹脂成形部100の内縁または外縁に達していなくてもよい。
また、上述したように、研削加工中には、砥石101の前後の樹脂成形部100(図4(a)の砥石101の周縁E1、E2)に板状ガラス素材Gの切屑が堆積するようになる。よって、図6に示すように、樹脂成形部100のうち図4(a)の周縁E1、E2に相当する部分に、切屑を収容するためのポケットとして機能する窪み部Pを設けるようにしてもよい。図6では、周縁E1、E2に相当する部分の両方に窪み部Pを設けた場合を示しているが、樹脂成形部100の回転方向の逃げ側の周縁(図4(a)の砥石101の周縁E1)に特に目詰まり状態が生じやすいため、周縁E1に相当する部分にのみ窪み部Pを設けてもよい。
(4)端面研磨工程
次に、板状ガラス素材Gの端面研磨が行われる。
端面研磨では、板状ガラス素材Gの内周側端面及び外周側端面をブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。端面研磨を行うことにより、板状ガラス素材Gの端面での塵等が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティの発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
(5)第1研磨(主表面研磨)工程
次に、研削された板状ガラス素材Gの主表面に第1研磨が施される。第1研磨による取り代は、例えば数μm〜50μm程度である。第1研磨は、固定砥粒による研削により主表面に残留したキズ、歪みの除去を目的とする。第1研磨では例えば、固定砥粒による研削工程で用いた両面研削装置(図1参照)を用いる。このとき、固定砥粒による研削と異なる点は、研削パッド10の代わりにスラリーに混濁した遊離砥粒を用いることと、樹脂ポリッシャを用いることである。
第1研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させた酸化セリウム等の微粒子(粒子サイズ:直径1〜2μm程度)が用いられる。
(6)化学強化工程
次に、第1研磨後の板状ガラス素材Gは化学強化される。
化学強化液として、例えば硝酸カリウム(60重量%)と硫酸ナトリウム(40重量%)の混合液等を用いることができる。化学強化では、化学強化液が、例えば300℃〜400℃に加熱され、洗浄した板状ガラス素材Gが、例えば200℃〜300℃に予熱された後、板状ガラス素材Gが化学強化液中に、例えば3時間〜4時間浸漬される。この浸漬の際には、板状ガラス素材Gの両主表面全体が化学強化されるように、複数の板状ガラス素材Gが端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行うことが好ましい。
このように、板状ガラス素材Gを化学強化液に浸漬することによって、板状ガラス素材Gの表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、板状ガラス素材Gが強化される。なお、化学強化処理された板状ガラス素材Gは洗浄される。例えば、硫酸で洗浄された後に、純水、IPA(イソプロピルアルコール)等で洗浄される。
(7)第2研磨(最終研磨)工程
次に、化学強化されて十分に洗浄された板状ガラス素材Gに第2研磨が施される。第2研磨による取り代は、例えば1μm程度である。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨では例えば、固定砥粒による研削および第1研磨で用いた両面研削装置(図1参照)を用いる。このとき、第1研磨と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。
第2研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させたコロイダルシリカ等の微粒子(粒子サイズ:直径0.1μm程度)が用いられる。
研磨された板状ガラス素材Gは、中性洗剤、純水、IPA等を用いて洗浄されて、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
[磁気ディスク]
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板(以下、基板)を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば基板の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。上記成膜後、例えばCVD法によりCを用いて保護層を成膜し、同一チャンバ内で、表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(ポリフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
[実施例]
以下に、本発明を実施例によりさらに説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
(1)溶融ガラスの作製
以下の組成のガラスが得られるように酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物などの原料を秤量し、混合して調合原料とした。この原料を熔融容器に投入して1400〜1600℃の範囲で6時間、加熱、熔融し、清澄、攪拌して泡、未熔解物を含まない均質な熔融ガラスを作製した。得られたガラス中には泡や未熔解物、結晶の析出、熔融容器を構成する耐火物や白金の混入物は認められなかった。
[ガラスの組成]
SiOを50〜75%、
Alを0〜5%、
BaOを0〜2%、
LiOを0〜3%、
ZnOを0〜5%、
NaOおよびKOを合計で3〜15%、
MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、
ZrO、TiO、La、Y、Yb、Ta、NbおよびHfOを合計で2〜9%、含み、
モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、かつモル比[Al/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスである。
(2)板状ガラス素材の作製
次に、下記方法M1またはM2により、円盤状の板状ガラス素材を作製した。
(方法M1)
清澄、均質化した上記熔融ガラスをパイプから一定流量で流出するとともにプレス成形用の下型で受け、下型上に所定量の熔融ガラス塊が得られるよう流出した熔融ガラスを切断刃で切断した。そして熔融ガラス塊を載せた下型をパイプ下方から直ちに搬出し、下型と対向する上型および胴型を用いて、直径66mm、厚さ1.2mmの薄肉円盤状にプレス成形した。プレス成形品を変形しない温度にまで冷却した後、型から取り出してアニールする。その後、ラッピング加工、スクライブ、チャンファリングによる加工を行って板状ガラス素材を得た。なお、ラッピング加工では、図1に示したような遊星歯車機構を用い、遊離砥粒としてアルミナ砥粒(粒径:30μm〜40μm)を用いた。
(方法M2)
清澄、均質化した上記熔融ガラスを円筒状の貫通孔が設けられた耐熱性鋳型の貫通孔に上部から連続的に鋳込み、円柱状に成形して貫通孔の下側から取り出した。取り出したガラスをアニールした後、マルチワイヤーソーを用いて円柱軸に垂直な方向に一定間隔でガラスをスライス加工する。その後、ラッピング加工、スクライブ、チャンファリングによる加工を行って板状ガラス素材を得た。なお、ラッピング加工では、図1に示したような遊星歯車機構を用い、遊離砥粒としてアルミナ砥粒(粒径:30μm〜40μm)を用いた。
(3)板状ガラス素材の研削性の評価
得られた板状ガラス素材に対して、図1に示した両面研削装置を用いた研削加工を行い、研削性の評価を行った。このとき、両面研削装置の太陽歯車の回転数を10rpm、内歯車の回転数を35rpmとした。後述する比較例および実施例に基づく研削性の評価は、初期の研削レートを基準としたときの10分後の研削レートの低下率とした。
比較例1として、図1に示した両面研削装置において、図2に示す研削パッドの代わりに、ダイヤモンドシートを用いて研削を行った。このダイヤモンドシートは、ダイヤモンド粒子を含む複合砥粒を樹脂で結合したペレットをシート全面に均一に配置させたものである。このダイヤモンドシートの砥粒の粒径は4μmとした。
実施例として、以下の樹脂成形部および砥石をPET製の基材に接着させて研削パッドを作製し、作製した研削パッドを組み込んだ両面研削装置(図1参照)により研削を行った。
[研削パッドの樹脂成形部]
発泡性ウレタン樹脂、発泡性ポリビニルアルコール樹脂、または発泡性エポキシ系樹脂をベースとして成形し、アルミナに含浸させて作製した。外径はφ300mm、内径はφ140mm、とした。放射状に均等に12分割するようにして、砥石を収容するための溝切り加工(幅2mm)を行った。樹脂成形部の高さは4mmとした。
[研削パッドの砥石]
砥粒として粒度#1500〜3000(粒径4〜15μm)のダイヤモンド砥粒を用いて、結合方法の違いにより、メタルボンド砥石(結合材:青銅または鋳鉄)、レジンボンド砥石(結合材:フェノール系樹脂またはポリイミド系樹脂)、ビドリファイドボンド砥石、電着ボンド砥石、を作製した。樹脂成形部の溝部形状に合わせて、砥石の厚さは2mm、高さは4mmとした。
[ヤング率の測定]
研削パッドとして使用される樹脂成形部および砥石のヤング率を曲げ強度試験の方法で測定した結果、以下のとおりであった。
・発泡性ウレタン樹脂製の樹脂成形部:1〜2MPa
・発泡性ポリビニルアルコール樹脂製の樹脂成形部:1〜2MPa
・発泡性エポキシ系樹脂製の樹脂成形部:8〜10MPa
・メタルボンド砥石(結合材:青銅):300〜450MPa
・メタルボンド砥石(結合材:鋳鉄):400〜500MPa
・レジンボンド砥石(結合材:フェノール系樹脂):10〜20MPa
・レジンボンド砥石(結合材:ポリイミド系樹脂):20〜40MPa
・ビドリファイドボンド砥石:200〜300MPa
・電着ボンド砥石:500〜600MPa(金属ベース部)
以下の表1に評価結果を示す。
上記表1に示したように、比較例では研削開始から10分後に大きな研削レートの低下が生じたが、各実施例では研削レートの低下がほとんど生じないか、生じても僅かであることが確認された。
以上、本発明の研削パッド、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10…研削パッド
100…樹脂成形部
101…砥石
102…基材
30…キャリア
31…歯部
32…孔部
50…上定盤
60…下定盤
61…太陽歯車
62…内歯車

Claims (6)

  1. 上定盤及び下定盤に貼付されるとともに被研削物としてのガラス基板を上定盤及び下定盤で狭持し、前記ガラス基板と前記上定盤及び前記下定盤とを相対的に移動させることで前記ガラス基板を研削するための研削パッドであって、
    前記研削パッドの研削面に設けられ、ウレタン系、ポリビニルアルコール系、又はエポキシ系樹脂により成形される円環形状の平板の樹脂成形部であって、実質的に中心から前記円環形状の外縁に向かって延びる溝部が形成されている樹脂成形部と、
    前記樹脂成形部の前記溝部に配置されている砥石と、
    を備えた、研削パッド。
  2. 前記研削パッドの非研削面に配置される基材をさらに備え、
    前記樹脂成形部および砥石が前記基材にそれぞれ接着されていることを特徴とする、
    請求項1に記載された研削パッド。
  3. 前記樹脂成形部のヤング率は1〜10MPaの範囲であり、前記砥石のヤング率は300〜500MPaの範囲であることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載された研削パッド。
  4. 前記樹脂成形部は、発泡性ウレタン樹脂を用いてなることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載された研削パッド。
  5. 前記砥石は、砥粒としてダイヤモンド、結合材として青銅又は鋳鉄を含むメタルボンド砥石であることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載された研削パッド。
  6. 請求項1〜5のいずれかの研削パッドを用いてガラス基板の主表面を研削する工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記磁気ディスク用ガラス基板は、モル%表示にて、
    SiOを50〜75%、
    Alを0〜5%、
    BaOを0〜2%、
    LiOを0〜3%、
    ZnOを0〜5%、
    NaOおよびKOを合計で3〜15%、
    MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、
    ZrO、TiO、La、Y、Yb、Ta、NbおよびHfOを合計で2〜9%、含み、
    モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、かつモル比[Al/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスからなることを特徴とする、
    磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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