JP2015069687A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ディスク用ガラス基板の端面を効率良く良好な表面品質が得られるように加工しつつ、磁気ディスク用ガラス基板の一方の主表面に近い側の面取面と他方の主表面に近い側の面取面とで研削後の形状の差を抑制すること。
【解決手段】円板状ガラス基板の端面研削処理では、外周研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の外周端面の2つの面取面を同時に研削し、かつ、内周研削砥石の回転軸を上記基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の内周端面の2つの面取面を同時に研削する。このとき、ガラス基板の中心位置と、外周研削砥石とガラス基板の外周端面が接触する領域の中心位置と、内周研削砥石とガラス基板の内周端面が接触する領域の中心位置とを、基準線上となるように各砥石を配置し、この基準線の方向から見たときに、各砥石の回転軸を上記基準軸に対して互いに逆の方向に傾斜させる。
【選択図】図2
【解決手段】円板状ガラス基板の端面研削処理では、外周研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の外周端面の2つの面取面を同時に研削し、かつ、内周研削砥石の回転軸を上記基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の内周端面の2つの面取面を同時に研削する。このとき、ガラス基板の中心位置と、外周研削砥石とガラス基板の外周端面が接触する領域の中心位置と、内周研削砥石とガラス基板の内周端面が接触する領域の中心位置とを、基準線上となるように各砥石を配置し、この基準線の方向から見たときに、各砥石の回転軸を上記基準軸に対して互いに逆の方向に傾斜させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッドで磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられる。
また、ハードディスク装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリア(記録ビット)の微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。さらに、記憶容量の一層の増大化のために、磁気ヘッドの記録再生素子部をさらに突き出すことによって磁気記録層との距離を極めて短くして、情報の記録再生の精度をより高める(S/N比を向上させる)ことも行われている。なお、このような磁気ヘッドの記録再生素子部の制御はDFH(Dynamic Flying Height)制御機構と呼ばれ、この制御機構を搭載した磁気ヘッドはDFHヘッドと呼ばれている。このようなDFHヘッドと組み合わされてHDDに用いられる磁気ディスク用ガラス基板の主表面は、磁気ヘッドやそこからさらに突き出された記録再生素子部との衝突や接触を避けるために、極めて平滑な表面となるように作製されている。
磁気ディスク用ガラス基板を製造するときには、内孔が空けられた円板状のガラス基板の内周端部および外周端部に対して面取り加工が施される。すなわち、ガラス基板の主表面と側壁面との間に介在する面取面が形成される。面取面を形成することで、ガラス基板からの異物の発生を防止し、製造した磁気ディスクをHDDに組み込んだときのヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合の不具合を抑制できる。
円板状のガラス基板の端面研削方法として、外周部に溝部が形成された砥石を、回転する被加工物の回転軸に対して傾斜した回転軸の回りに回転駆動し、砥石の溝部を被加工物の外周部あるいは内周部に押圧することにより、被加工物の外周部あるいは内周部の端面研削を行う方法が知られている(下記特許文献1)。この端面研削方法によれば、面接触の状態で端面の研削が行われ、衝撃的に被加工物の外周部あるいは内周部に接触するのが緩和されるので、効率良く良好な表面品質が得られる、とされている。
円板状のガラス基板の端面研削方法として、外周部に溝部が形成された砥石を、回転する被加工物の回転軸に対して傾斜した回転軸の回りに回転駆動し、砥石の溝部を被加工物の外周部あるいは内周部に押圧することにより、被加工物の外周部あるいは内周部の端面研削を行う方法が知られている(下記特許文献1)。この端面研削方法によれば、面接触の状態で端面の研削が行われ、衝撃的に被加工物の外周部あるいは内周部に接触するのが緩和されるので、効率良く良好な表面品質が得られる、とされている。
ところで、本願の発明者が、上記特許文献1に記載されているように、研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させてガラス基板の端面の2つの面取面を同時に研削するようにして端面研削処理を行ったところ、端面の表面品質が向上することが確認された一方で、ガラス基板の一方の主表面に近い側の面取面とガラス基板の他方の主表面に近い側の面取面とで、研削後の形状の差(以下、「面取面の形状差」という。)が大きいものがあることがわかった。面取面の形状差が大きい場合、以下の問題がある。
面取面の形状差が大きい場合、端面研削処理よりも後に行われる処理(例えば、ガラス基板の主表面上に成膜する処理)においてガラス基板の端面を治具によって把持するときに、治具がガラス基板の端部を均一に把持できないことに起因して微小な異物が発塵する。この異物がガラス基板の主表面に移着した状態で成膜することによって磁気ディスクが作製されると、磁気ディスクの読み書き時のミッシングエラーの原因となる場合がある。
また、面取面の形状差が大きいガラス基板を元に磁気ディスクを作製してHDDに組み込んだ場合には、磁気ディスクの回転時に、磁気ディスクの一方の主表面に近い側の面取面と他方の主表面に近い側の面取面とで空気の流れに差が生ずることに起因して、いわゆるフラッタリングが悪化することが懸念される。
面取面の形状差が大きい場合、端面研削処理よりも後に行われる処理(例えば、ガラス基板の主表面上に成膜する処理)においてガラス基板の端面を治具によって把持するときに、治具がガラス基板の端部を均一に把持できないことに起因して微小な異物が発塵する。この異物がガラス基板の主表面に移着した状態で成膜することによって磁気ディスクが作製されると、磁気ディスクの読み書き時のミッシングエラーの原因となる場合がある。
また、面取面の形状差が大きいガラス基板を元に磁気ディスクを作製してHDDに組み込んだ場合には、磁気ディスクの回転時に、磁気ディスクの一方の主表面に近い側の面取面と他方の主表面に近い側の面取面とで空気の流れに差が生ずることに起因して、いわゆるフラッタリングが悪化することが懸念される。
そこで、本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の端面を効率良く良好な表面品質が得られるように加工しつつ、磁気ディスク用ガラス基板の一方の主表面に近い側の面取面と他方の主表面に近い側の面取面とで研削後の形状の差を抑制することを可能とした、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、および磁気ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
本願の発明者が鋭意研究した結果、研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させてガラス基板の端面を構成する2つの面取面とを同時に研削する端面研削処理では、ガラス基板に対して曲げモーメントが発生し、この曲げモーメントによってガラス基板の面取面の形状差が大きい場合があることを突き止めた。そして本願の発明者は、上記端面研削処理においてガラス基板に発生する曲げモーメントを抑制し、ガラス基板の面取面の形状差を小さくすることができる新たな研削処理方法を見出した。
本発明の第1の観点は、中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の外周端面および内周端面に対して、回転する外周研削砥石および内周研削砥石を用いて同時に端面研削処理を行う磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。上記端面研削処理は、外周研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の外周端面の2つの面取面を同時に研削し、かつ、内周研削砥石の回転軸を上記基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の内周端面の2つの面取面を同時に研削するものである。そして、ガラス基板の中心位置と、外周研削砥石とガラス基板の外周端面が接触する領域の中心位置と、内周研削砥石とガラス基板の内周端面が接触する領域の中心位置とが、同一直線である基準線上となるように、外周研削砥石と内周研削砥石を配置し、上記基準線の方向から見たときに、外周研削砥石の回転軸と内周研削砥石の回転軸を、上記基準軸に対して互いに逆の方向に傾斜させることを特徴とする。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、上記基準線の方向から見たときに、上記基準軸に対する外周研削砥石の回転軸の傾斜角と、上記基準軸に対する内周研削砥石の回転軸の傾斜角とが等しくてもよい。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、上記磁気ディスク用ガラス基板は結晶化ガラスであってもよい。
本発明の第2の観点は、磁気ディスクである。この磁気ディスクは、上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって作製された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に、磁性層を形成する処理を備えたことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の外周端面および内周端面に対して、回転する外周研削砥石および内周研削砥石を用いて同時に端面研削処理を行う磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。上記端面研削処理は、外周研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の外周端面の2つの面取面を同時に研削し、かつ、内周研削砥石の回転軸を上記基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の内周端面の2つの面取面を同時に研削するものである。そして、ガラス基板が外周研削砥石から受けるモーメントと、ガラス基板が内周研削砥石から受けるモーメントとが打ち消しあうようにして、前記基準軸に対する外周研削砥石および内周研削砥石の回転軸の傾斜角が設定されていることを特徴とする。
上述した磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、および磁気ディスクの製造方法によれば、磁気ディスク用ガラス基板の端面を効率良く良好な表面品質が得られるように加工しつつ、磁気ディスク用ガラス基板の一方の主表面に近い側の面取面と他方の主表面に近い側の面取面とで研削後の形状の差を抑制することができる。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
[磁気ディスク用ガラス基板]
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度および基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度および基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板に用いられるガラス材料の組成を限定するものではないが、本実施形態のガラス基板は好ましくは、必須成分として、SiO2、Li2O、Na2O、ならびに、MgO、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる一種以上のアルカリ土類金属酸化物を含み、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量に対するCaOの含有量のモル比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO))が0.20以下であって、ガラス転移温度が650℃以上であるアモルファスのアルミノシリケートガラスであってもよい。
また、酸化物基準の質量%で、SiO2:45.60〜60%、およびAl2O3:7〜20%、およびB2O3:1.00〜8%未満、およびP2O5:0.50〜7%、およびTiO2:1〜15%、およびROの合計量:5〜35%(ただしRはZnおよびMg)の各成分を含有し、CaOの含有量が3.00%以下、BaOの含有量が4%以下であり、PbO成分、As2O3成分およびSb2O3成分およびCl−、NO−、SO2−、F−成分を含有せず、主結晶相としてRAl2O4、R2TiO4、(ただしRはZn、Mgから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であり、比重が2.95以下であることを特徴とする結晶化ガラスであってもよい。
また、酸化物基準の質量%で、SiO2:45.60〜60%、およびAl2O3:7〜20%、およびB2O3:1.00〜8%未満、およびP2O5:0.50〜7%、およびTiO2:1〜15%、およびROの合計量:5〜35%(ただしRはZnおよびMg)の各成分を含有し、CaOの含有量が3.00%以下、BaOの含有量が4%以下であり、PbO成分、As2O3成分およびSb2O3成分およびCl−、NO−、SO2−、F−成分を含有せず、主結晶相としてRAl2O4、R2TiO4、(ただしRはZn、Mgから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であり、比重が2.95以下であることを特徴とする結晶化ガラスであってもよい。
図1に、実施形態の磁気ディスク用ガラス基板1の外観形状を示す。図1(a)に示すように、本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板1は、内孔2が形成された、ドーナツ型の薄板のガラス基板である。磁気ディスク用ガラス基板のサイズは問わないが、例えば、公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板として好適である。
図1(b)は、実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外周側の端部の断面を拡大して示す図である。図1(b)に示すように、磁気ディスク用ガラス基板は、一対の主表面1pと、一対の主表面1pに対して直交する方向に沿って配置された側壁面1tと、一対の主表面1pと側壁面1tとの間に配置された一対の面取面1cとを有する。図示しないが、磁気ディスク用ガラス基板の内周側の端部についても同様に、側壁面と面取面が形成されている。側壁面1tを基準として各面取面1cのなす角度(面取角)は同一であり、例えば40〜50度である。面取角は典型的には図示するように45度である。なお、面取面は、断面視において円弧状に形成されていてもよい。
図1(b)は、実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外周側の端部の断面を拡大して示す図である。図1(b)に示すように、磁気ディスク用ガラス基板は、一対の主表面1pと、一対の主表面1pに対して直交する方向に沿って配置された側壁面1tと、一対の主表面1pと側壁面1tとの間に配置された一対の面取面1cとを有する。図示しないが、磁気ディスク用ガラス基板の内周側の端部についても同様に、側壁面と面取面が形成されている。側壁面1tを基準として各面取面1cのなす角度(面取角)は同一であり、例えば40〜50度である。面取角は典型的には図示するように45度である。なお、面取面は、断面視において円弧状に形成されていてもよい。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の板厚は、特に限定されるものではないが、例えば、公称2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合には、例えば0.8mm、0.635mmであり、公称3.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合には、例えば1.0mm若しくは1.27mmである。なお、磁気ディスク用ガラス基板は、一般には磁気ディスクに用いられた場合に、板厚が薄くなるほど回転時にバタつきやすく、フラッタリングが生じやすくなる。しかし、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板は、後述するように、一対の面取面の形状差が少なくなるように作製されるため、外周端部での気流の乱れが抑えられ、板厚を薄くした場合でもフラッタリングが抑制される。すなわち、本発明の効果がより発揮される観点から、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の板厚は、0.635mmより小さいことが好ましく、0.5mm以下であるとより好ましい。
[磁気ディスク用ガラス基板の製造方法]
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、処理毎に説明する。ただし、各処理の順番は適宜入れ替えてもよい。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、処理毎に説明する。ただし、各処理の順番は適宜入れ替えてもよい。
(1)板状ガラスの成形および粗研削処理
例えばフロート法によって板状ガラスを形成した後、この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状のガラス素板が切り出される。フロート法の代わりに、例えば上型と下型を用いたプレス成形によってガラス素板を成形してもよい。なお、ガラス素板は、これらの方法に限らず、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することもできる。
なお、ガラス素板の両主表面に対して、必要に応じて、粗研削処理を行ってもよい。
例えばフロート法によって板状ガラスを形成した後、この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状のガラス素板が切り出される。フロート法の代わりに、例えば上型と下型を用いたプレス成形によってガラス素板を成形してもよい。なお、ガラス素板は、これらの方法に限らず、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することもできる。
なお、ガラス素板の両主表面に対して、必要に応じて、粗研削処理を行ってもよい。
(2)形状加工処理
次に、形状加工処理が行われる。形状加工処理では、ガラスブランクの成形処理後、公知の加工方法を用いてガラス素板に円孔を形成することにより、円孔があいた円板状のガラス基板を得る。次いで、ガラス基板の端面研削処理を実施して所望の形状の面取面を形成する。つまり、ガラス基板の端部において、側壁面と主表面を繋ぐ面取面が形成される。
次に、形状加工処理が行われる。形状加工処理では、ガラスブランクの成形処理後、公知の加工方法を用いてガラス素板に円孔を形成することにより、円孔があいた円板状のガラス基板を得る。次いで、ガラス基板の端面研削処理を実施して所望の形状の面取面を形成する。つまり、ガラス基板の端部において、側壁面と主表面を繋ぐ面取面が形成される。
以下、ガラス基板の端面研削処理について、図2〜5を参照して説明する。本実施形態の端面研削処理では、総形砥石による研削加工に加えて、あるいは総形砥石による研削加工を経ずに、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の外周端面および内周端面に対して、回転する外周研削砥石および内周研削砥石を用いて同時に端面研削処理を行う。図2に示すように、本実施形態の端面研削処理は、外周研削砥石7の回転軸L7をガラス基板Gの回転軸L1(ガラス基板Gの主表面と直交する基準軸の一例)に対して傾斜させて、ガラス基板Gの外周端面の2つの面取面を同時に研削し、かつ、内周研削砥石5の回転軸L5を上記回転軸L1に対して傾斜させて、ガラス基板Gの内周端面の2つの面取面を同時に研削する。
図3は、ガラス基板Gの端面研削処理において、ガラス基板Gの中心位置(ガラス基板Gの回転軸L1上であって、かつガラス基板の板厚の中央の位置)と、内周研削砥石5のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置(図3のP5)とを結ぶ線に沿った方向から見たときの、ガラス基板Gと内周研削砥石5の位置関係を示している。
図3に示すように、ガラス基板Gの内周端面の研削加工に用いる内周研削砥石5は、全体が円柱状の回転体からなり、外周上に溝50が形成されている。溝50は、ガラス基板Gの内周端面を構成する側壁面Ci1と面取面Ci2,Ci3を同時に研削加工できるように形成されており、具体的には、溝50は、側壁面研削領域51及びその両側に存在する面取面研削領域52,53が周方向に設けられている。
ガラス基板の内周端面の加工では、内周研削砥石5に形成された溝50の溝方向に対してガラス基板Gを傾けた状態、つまり内周研削砥石5の回転軸L5をガラス基板Gの回転軸L1を基準として時計回りに角度α(図3では、α>0)だけ傾けた状態で、ガラス基板Gの内周端面に内周研削砥石5の溝50を接触させながら、ガラス基板Gと内周研削砥石5の両方を回転させて研削加工を行う。すなわち、内周研削砥石5の溝50とガラス基板Gがねじれの位置の関係となるように、ガラス基板Gに対して内周研削砥石5を傾斜させて研削加工を行う。これによって、ガラス基板Gの内周端面に当接する内周研削砥石5の溝50の軌跡が一定とはならないで、内周研削砥石5の砥粒が基板端面に対してランダムな位置に当接、作用するため、深掘れなどによる基板へのダメージが少なく、研削加工面の表面粗さやその面内ばらつきも小さくなり、研削加工面をより高平滑に、すなわちより高い品質要求に応えられるレベルの品位に仕上げることができる。さらには砥石寿命の向上効果も有する。
ガラス基板の内周端面の加工では、内周研削砥石5に形成された溝50の溝方向に対してガラス基板Gを傾けた状態、つまり内周研削砥石5の回転軸L5をガラス基板Gの回転軸L1を基準として時計回りに角度α(図3では、α>0)だけ傾けた状態で、ガラス基板Gの内周端面に内周研削砥石5の溝50を接触させながら、ガラス基板Gと内周研削砥石5の両方を回転させて研削加工を行う。すなわち、内周研削砥石5の溝50とガラス基板Gがねじれの位置の関係となるように、ガラス基板Gに対して内周研削砥石5を傾斜させて研削加工を行う。これによって、ガラス基板Gの内周端面に当接する内周研削砥石5の溝50の軌跡が一定とはならないで、内周研削砥石5の砥粒が基板端面に対してランダムな位置に当接、作用するため、深掘れなどによる基板へのダメージが少なく、研削加工面の表面粗さやその面内ばらつきも小さくなり、研削加工面をより高平滑に、すなわちより高い品質要求に応えられるレベルの品位に仕上げることができる。さらには砥石寿命の向上効果も有する。
また、図3に示すように、ガラス基板Gの内周端面の研削加工では、ガラス基板Gの内周端面の2つの面取面を同時に研削する。図3において、内周研削砥石5の側壁面研削領域51および面取面研削領域52,53と、ガラス基板Gの端面とが接触する領域が、接触領域A51および接触領域A52,A53である。ここで、内周研削砥石5のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P5は、接触領域A51の中心の位置となる。
研削加工中において内周研削砥石5の溝50とガラス基板Gの端面は面接触状態となる。そのため、ガラス基板Gに対する内周研削砥石5の接触長さ(切れ刃長さ)を伸ばして、砥粒の切れ味を持続させることができる。したがって、加工面品位にとって有利な微細砥粒砥石を用いて研削加工を行った場合にも安定した研削性を確保でき、塑性モード主体の研削加工による良好な研削面品位(鏡面品位)を安定的に得ることができる。しかも、研削砥石の切れ味を持続させ、塑性モードを実現する研削性を安定的に確保することで、ガラス基板の内周端面の面取り加工による良好な寸法形状精度を確保することができる。
研削加工中において内周研削砥石5の溝50とガラス基板Gの端面は面接触状態となる。そのため、ガラス基板Gに対する内周研削砥石5の接触長さ(切れ刃長さ)を伸ばして、砥粒の切れ味を持続させることができる。したがって、加工面品位にとって有利な微細砥粒砥石を用いて研削加工を行った場合にも安定した研削性を確保でき、塑性モード主体の研削加工による良好な研削面品位(鏡面品位)を安定的に得ることができる。しかも、研削砥石の切れ味を持続させ、塑性モードを実現する研削性を安定的に確保することで、ガラス基板の内周端面の面取り加工による良好な寸法形状精度を確保することができる。
図4は、ガラス基板Gの端面研削処理において、ガラス基板Gの中心位置(ガラス基板Gの回転軸L1上であって、かつガラス基板の板厚の中央の位置)と、外周研削砥石7のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置(図4のP7)とを結ぶ線に沿った方向から見たときの、ガラス基板Gと外周研削砥石7の位置関係を示している。
図4に示すように、ガラス基板Gの内周端面の研削加工に用いる外周研削砥石7は、全体が円盤状の回転体からなり、外周上に溝70が形成されている。溝70は、ガラス基板Gの外周端面を構成する側壁面Co1と面取面Co2,Co3を同時に研削加工できるように形成されており、具体的には、溝70は、側壁面研削領域71及びその両側に存在する面取面研削領域72,73が周方向に設けられている。
ガラス基板の外周端面の加工では、外周研削砥石7に形成された溝70の溝方向に対してガラス基板Gを傾けた状態、つまり外周研削砥石7の回転軸L7をガラス基板Gの回転軸L1を基準として時計回りに角度β(図4では、β<0)だけ傾けた状態で、ガラス基板Gの外周端面に外周研削砥石7の溝70を接触させながら、ガラス基板Gと外周研削砥石7の両方を回転させて研削加工を行う。すなわち、外周研削砥石7の溝70とガラス基板Gがねじれの位置の関係となるように、ガラス基板Gに対して外周研削砥石7を傾斜させて研削加工を行う。これによって、ガラス基板Gの外周端面に当接する外周研削砥石7の溝70の軌跡が一定とはならないで、外周研削砥石7の砥粒が基板端面に対してランダムな位置に当接、作用する。また、図4に示すように、ガラス基板Gの外周端面の研削加工では、ガラス基板Gの外周端面の2つの面取面を同時に研削する。また、図4において、外周研削砥石7の側壁面研削領域71および面取面研削領域72,73と、ガラス基板Gの端面とが接触する接触領域が、接触領域A71および接触領域A72,A73である。ここで、外周研削砥石7のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P7は、接触領域A71の中心の位置となる。研削加工中において外周研削砥石7の溝70とガラス基板Gの端面は面接触状態となる。そのため、上述した内周端面の加工と同様の効果を奏することができる。
ガラス基板の外周端面の加工では、外周研削砥石7に形成された溝70の溝方向に対してガラス基板Gを傾けた状態、つまり外周研削砥石7の回転軸L7をガラス基板Gの回転軸L1を基準として時計回りに角度β(図4では、β<0)だけ傾けた状態で、ガラス基板Gの外周端面に外周研削砥石7の溝70を接触させながら、ガラス基板Gと外周研削砥石7の両方を回転させて研削加工を行う。すなわち、外周研削砥石7の溝70とガラス基板Gがねじれの位置の関係となるように、ガラス基板Gに対して外周研削砥石7を傾斜させて研削加工を行う。これによって、ガラス基板Gの外周端面に当接する外周研削砥石7の溝70の軌跡が一定とはならないで、外周研削砥石7の砥粒が基板端面に対してランダムな位置に当接、作用する。また、図4に示すように、ガラス基板Gの外周端面の研削加工では、ガラス基板Gの外周端面の2つの面取面を同時に研削する。また、図4において、外周研削砥石7の側壁面研削領域71および面取面研削領域72,73と、ガラス基板Gの端面とが接触する接触領域が、接触領域A71および接触領域A72,A73である。ここで、外周研削砥石7のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P7は、接触領域A71の中心の位置となる。研削加工中において外周研削砥石7の溝70とガラス基板Gの端面は面接触状態となる。そのため、上述した内周端面の加工と同様の効果を奏することができる。
内周研削砥石5の回転軸L5の傾斜角α、および、外周研削砥石7の回転軸L7の傾斜角βは任意に設定することができるが、上述の作用効果をより良く発揮させるためには、例えば1〜15度の範囲内とすることが好ましい。
上記端面研削加工で用いる内周研削砥石5および外周研削砥石7としては、粗研削加工用には、例えば高剛性砥石であるダイヤモンド砥粒を電着ボンドで固めた所謂電着ボンド砥石が好適である。また、仕上げの精密研削加工用には、砥粒同士を結合するバインダーが例えばフェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等の樹脂材料であるレジンボンド砥石や、バインダーが例えば銅系合金、鋳鉄系合金、チタン系合金等の金属質結合剤であるメタルボンド砥石、バインダーがガラス質結合材であるビトリファイド砥石などが好適である。この中でも、砥石の硬度の調整が比較的容易なレジンボンド砥石が特に好適である。
また、砥粒の粒径としては、粗さを維持しながら砥石寿命に亘って研削性能を維持できるためには、例えば平均粒子径30μm以下の砥粒が好適であるが、特に精密研削加工用には、平均粒子径3〜15μmの範囲内の砥粒が好適である。砥粒としては、例えばダイヤモンド砥粒が好適である。砥粒の粒径は、例えば電気抵抗試験法で測定することが可能である。
内周研削砥石5および外周研削砥石7の周速度の好ましい例は、500〜3000m/分、ガラス基板Gの周速度は、1〜30m/分程度である。また、ガラス基板Gの周速度に対する内周研削砥石5および外周研削砥石7の周速度の比(周速度比)は、50〜300の範囲内であることが好ましい。
上記端面研削加工で用いる内周研削砥石5および外周研削砥石7としては、粗研削加工用には、例えば高剛性砥石であるダイヤモンド砥粒を電着ボンドで固めた所謂電着ボンド砥石が好適である。また、仕上げの精密研削加工用には、砥粒同士を結合するバインダーが例えばフェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等の樹脂材料であるレジンボンド砥石や、バインダーが例えば銅系合金、鋳鉄系合金、チタン系合金等の金属質結合剤であるメタルボンド砥石、バインダーがガラス質結合材であるビトリファイド砥石などが好適である。この中でも、砥石の硬度の調整が比較的容易なレジンボンド砥石が特に好適である。
また、砥粒の粒径としては、粗さを維持しながら砥石寿命に亘って研削性能を維持できるためには、例えば平均粒子径30μm以下の砥粒が好適であるが、特に精密研削加工用には、平均粒子径3〜15μmの範囲内の砥粒が好適である。砥粒としては、例えばダイヤモンド砥粒が好適である。砥粒の粒径は、例えば電気抵抗試験法で測定することが可能である。
内周研削砥石5および外周研削砥石7の周速度の好ましい例は、500〜3000m/分、ガラス基板Gの周速度は、1〜30m/分程度である。また、ガラス基板Gの周速度に対する内周研削砥石5および外周研削砥石7の周速度の比(周速度比)は、50〜300の範囲内であることが好ましい。
図5は、本実施形態の端面研削処理において、加工対象であるガラス基板Gに対する内周研削砥石5および外周研削砥石7の位置関係を説明するための図である。
図5に示すように、本実施形態の端面研削処理では、ガラス基板Gの平面視において、ガラス基板Gの中心位置P1(ガラス基板Gの回転軸L1上であって、かつガラス基板の板厚の中央の位置)、内周研削砥石5のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P5、および外周研削砥石7のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P7が、同一直線である基準線上となる。そのため、ガラス基板Gの内周端面および外周端面に対して、回転する内周研削砥石5および外周研削砥石7を用いて同時に端面研削処理を行うときに、ガラス基板Gに対して回転軸L1回りのモーメントが生じないようにすることができる。
図5に示すように、本実施形態の端面研削処理では、ガラス基板Gの平面視において、ガラス基板Gの中心位置P1(ガラス基板Gの回転軸L1上であって、かつガラス基板の板厚の中央の位置)、内周研削砥石5のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P5、および外周研削砥石7のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P7が、同一直線である基準線上となる。そのため、ガラス基板Gの内周端面および外周端面に対して、回転する内周研削砥石5および外周研削砥石7を用いて同時に端面研削処理を行うときに、ガラス基板Gに対して回転軸L1回りのモーメントが生じないようにすることができる。
さらに図5には、内周研削砥石5のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P5、および外周研削砥石7のガラス基板Gと接触する接触領域の中央の位置P7を結ぶ基準線に沿った方向からガラス基板Gを見たとき(矢視Aで見たとき)の、ガラス基板Gの回転軸L1、内周研削砥石5の回転軸L5、および外周研削砥石7の回転軸L7の関係が示される。図5に示すように、矢視Aから見た場合、ガラス基板Gの回転軸L1を基準とした内周研削砥石5の回転軸L5の傾斜方向(傾斜角α)と、ガラス基板Gの回転軸L1を基準とした外周研削砥石7の回転軸L7の傾斜方向(傾斜角β)とが互いに逆の方向になっている(つまり、α>0かつβ<0)。このように内周研削砥石5および外周研削砥石7を配置させているのは、以下の理由からである。
上述したように、内周研削砥石5および外周研削砥石7の周速度は、ガラス基板Gのそれに対して十分に高く、砥石の方がガラス基板Gよりも運動エネルギーが遥かに高い。そして、砥石によってガラス基板Gに与える曲げモーメントの影響は、ガラス基板Gに対して曲げモーメントを発生させる、砥石の送り分力の起点となる領域は、砥石がガラス基板Gの面取面に対して最初に当接する面取面の領域が支配的になると考えられる。図2に示した例では、内周研削砥石5の回転方向は反時計周り(CCW)であり、外周研削砥石7の回転方向は反時計周り(CCW)である。
このとき、内周端面の研削処理において、図3に示すようにガラス基板Gに対して内周研削砥石5が配置される場合、内周研削砥石5がガラス基板Gの面取面Ci3と最初に領域A53で当接し、この領域A53に接触する面取面Ci3には、図3に示す内周研削砥石5の送り分力F5が作用する。この送り分力F5の下向き成分によって、ガラス基板Gに時計回りの方向の曲げモーメントM5が発生する。
一方、外周端面の研削処理において、図4に示すようにガラス基板Gに対して外周研削砥石7が配置される場合、外周研削砥石7がガラス基板Gの面取面Co3と最初に領域A73で当接し、この領域A73に接触する面取面Co3には、図4に示す外周研削砥石7の送り分力F7が作用する。この送り分力F7の上向き成分によって、ガラス基板Gに反時計回りの方向の曲げモーメントM7が発生する。
本実施形態の端面研削処理では、内周端面の研削と外周端面の研削が同時に行われるため、ガラス基板Gに発生する時計回りの方向の曲げモーメントM5と、反時計回りの方向の曲げモーメントM7との間で少なくとも一部のモーメントがキャンセルされ、ガラス基板Gに発生する曲げモーメントが抑制される。言い換えれば、本実施形態の端面研削処理では、ガラス基板Gに発生する曲げモーメントが抑制することを目的として、図5に示したように、ガラス基板Gの回転軸L1に対する内周研削砥石5の回転軸L5の傾斜方向と、ガラス基板Gの回転軸L1に対する外周研削砥石7の回転軸L7の傾斜方向とを互いに逆の方向となるようにしている。
このとき、内周端面の研削処理において、図3に示すようにガラス基板Gに対して内周研削砥石5が配置される場合、内周研削砥石5がガラス基板Gの面取面Ci3と最初に領域A53で当接し、この領域A53に接触する面取面Ci3には、図3に示す内周研削砥石5の送り分力F5が作用する。この送り分力F5の下向き成分によって、ガラス基板Gに時計回りの方向の曲げモーメントM5が発生する。
一方、外周端面の研削処理において、図4に示すようにガラス基板Gに対して外周研削砥石7が配置される場合、外周研削砥石7がガラス基板Gの面取面Co3と最初に領域A73で当接し、この領域A73に接触する面取面Co3には、図4に示す外周研削砥石7の送り分力F7が作用する。この送り分力F7の上向き成分によって、ガラス基板Gに反時計回りの方向の曲げモーメントM7が発生する。
本実施形態の端面研削処理では、内周端面の研削と外周端面の研削が同時に行われるため、ガラス基板Gに発生する時計回りの方向の曲げモーメントM5と、反時計回りの方向の曲げモーメントM7との間で少なくとも一部のモーメントがキャンセルされ、ガラス基板Gに発生する曲げモーメントが抑制される。言い換えれば、本実施形態の端面研削処理では、ガラス基板Gに発生する曲げモーメントが抑制することを目的として、図5に示したように、ガラス基板Gの回転軸L1に対する内周研削砥石5の回転軸L5の傾斜方向と、ガラス基板Gの回転軸L1に対する外周研削砥石7の回転軸L7の傾斜方向とを互いに逆の方向となるようにしている。
仮に、内周端面の研削処理が、図3に示したようにして単独で行われたとしたならば、ガラス基板に生ずる曲げモーメントM5の影響によって、内周端面の一方の面取面Ci2と他方の面取面Ci3とで形状に差が生じてしまう。すなわち、図3に示したように、ガラス基板Gの回転軸L1に対して内周研削砥石5の回転軸L5を傾斜させている場合、内周研削砥石5の回転方向の前後で(つまり、図3の接触領域A52,A53で)加工されるガラス基板Gの面取面Ci2には砥粒の作用の度合いに差が生ずることから、研削後の内周端面の一方の面取面Ci2と他方の面取面Ci3とで形状に差が生ずる傾向となるが、曲げモーメントM5の影響によってこの傾向が助長されてしまう。同様のことが外周端面の研削処理にも当てはまる。つまり、外周端面の研削処理が、図4に示したようにして単独で行われたとしたならば、ガラス基板に生ずる曲げモーメントM7の影響によって、外周端面の一方の面取面Co2と他方の面取面Co3とで形状に差が生じてしまう。なお、曲げモーメントによる影響は、研削抵抗が大きい外周端面の研削において顕著に表れる。
また、仮に、外周研削砥石7の回転軸L7をガラス基板Gの回転軸L1に対して傾斜させ、かつ、内周研削砥石5の回転軸L5を回転軸L1に対して傾斜させ、ガラス基板Gの内周端面と外周端面を同時に研削する場合に、ガラス基板Gの回転軸L1に対する内周研削砥石5の回転軸L5の傾斜方向と、ガラス基板Gの回転軸L1に対する外周研削砥石7の回転軸L7の傾斜方向とを同じ方向となるようにしたならば、内周研削によってガラス基板Gに生ずる曲げモーメントと、外周研削によってガラス基板Gに生ずる曲げモーメントとが合わさって、内周端面と外周端面における面取面の形状差が大きくなってしまう。
本実施形態の端面研削処理では、内周端面の研削処理および外周端面の研削処理がそれぞれ図3および図4に示したように同時に行われ、かつ図5に示したように、ガラス基板Gの回転軸L1に対して内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転軸をそれぞれ逆方向に傾斜させるため、ガラス基板Gに生ずる曲げモーメントの少なくとも一部がキャンセルされ、内周端面および外周端面の面取面の形状差が抑制される。
また、仮に、外周研削砥石7の回転軸L7をガラス基板Gの回転軸L1に対して傾斜させ、かつ、内周研削砥石5の回転軸L5を回転軸L1に対して傾斜させ、ガラス基板Gの内周端面と外周端面を同時に研削する場合に、ガラス基板Gの回転軸L1に対する内周研削砥石5の回転軸L5の傾斜方向と、ガラス基板Gの回転軸L1に対する外周研削砥石7の回転軸L7の傾斜方向とを同じ方向となるようにしたならば、内周研削によってガラス基板Gに生ずる曲げモーメントと、外周研削によってガラス基板Gに生ずる曲げモーメントとが合わさって、内周端面と外周端面における面取面の形状差が大きくなってしまう。
本実施形態の端面研削処理では、内周端面の研削処理および外周端面の研削処理がそれぞれ図3および図4に示したように同時に行われ、かつ図5に示したように、ガラス基板Gの回転軸L1に対して内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転軸をそれぞれ逆方向に傾斜させるため、ガラス基板Gに生ずる曲げモーメントの少なくとも一部がキャンセルされ、内周端面および外周端面の面取面の形状差が抑制される。
なお、図示しないが、内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転方向が図2に示した場合と異なる場合も同様にして曲げモーメントの向きを考えることができる。例えば、内周研削砥石5の回転方向が時計周り(CW)であり、外周研削砥石7の回転方向が時計周り(CW)である場合には、以下のようになる。
すなわち、内周端面の研削処理において、図3に示すようにガラス基板Gに対して内周研削砥石5が配置され、かつその回転方向がCWの場合、内周研削砥石5がガラス基板Gの面取面Ci2と最初に領域A52で当接し、この領域A52に接触する面取面Ci2には、図3に示す内周研削砥石5の送り分力F5とは反対方向の送り分力が作用する。作用する送り分力の上向き成分によって、ガラス基板Gに時計回りの方向の曲げモーメントM5(図3に示した向きと同じ向き)が発生する。
一方、外周端面の研削処理において、図4に示すようにガラス基板Gに対して外周研削砥石7が配置され、かつその回転方向がCWである場合、外周研削砥石7がガラス基板Gの面取面Co2と最初に領域A72で当接し、この領域A72に接触する面取面Co2には、図4に示す外周研削砥石7の送り分力F7とは反対方向の送り分力が作用する。作用する送り分力の下向き成分によって、ガラス基板Gに反時計回りの方向の曲げモーメントM7(図4に示した向きと同じ向き)が発生する。
内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転方向のいずれか一方をCWとし、他方をCCWとした場合も同様である。内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転方向によって、曲げモーメントが発生する起点となる面取面の領域は異なるが、内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転軸がガラス基板Gの回転軸に対して図2に示すように傾斜している限り、内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転によってガラス基板Gに生ずる曲げモーメントの向きは変わらない。
すなわち、内周端面の研削処理において、図3に示すようにガラス基板Gに対して内周研削砥石5が配置され、かつその回転方向がCWの場合、内周研削砥石5がガラス基板Gの面取面Ci2と最初に領域A52で当接し、この領域A52に接触する面取面Ci2には、図3に示す内周研削砥石5の送り分力F5とは反対方向の送り分力が作用する。作用する送り分力の上向き成分によって、ガラス基板Gに時計回りの方向の曲げモーメントM5(図3に示した向きと同じ向き)が発生する。
一方、外周端面の研削処理において、図4に示すようにガラス基板Gに対して外周研削砥石7が配置され、かつその回転方向がCWである場合、外周研削砥石7がガラス基板Gの面取面Co2と最初に領域A72で当接し、この領域A72に接触する面取面Co2には、図4に示す外周研削砥石7の送り分力F7とは反対方向の送り分力が作用する。作用する送り分力の下向き成分によって、ガラス基板Gに反時計回りの方向の曲げモーメントM7(図4に示した向きと同じ向き)が発生する。
内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転方向のいずれか一方をCWとし、他方をCCWとした場合も同様である。内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転方向によって、曲げモーメントが発生する起点となる面取面の領域は異なるが、内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転軸がガラス基板Gの回転軸に対して図2に示すように傾斜している限り、内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転によってガラス基板Gに生ずる曲げモーメントの向きは変わらない。
なお、図5では、矢視Aから見て、ガラス基板Gの回転軸L1を基準として内周研削砥石5の回転軸L5が時計回りの方向に傾斜し、外周研削砥石7の回転軸L7が反時計回りの方向に傾斜している場合について例示したが、互いに逆方向に傾斜してもよい。つまり、矢視Aから見て、ガラス基板Gの回転軸L1を基準として内周研削砥石5の回転軸L5が反時計回りの方向に傾斜し、外周研削砥石7の回転軸L7が時計回りの方向に傾斜してもよい。この場合には、内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転によってガラス基板Gに発生する曲げモーメントの向きが、図3および図4に示した向きと逆になる。
図5において、内周研削砥石5の回転軸L5の傾斜角αと、外周研削砥石7の回転軸L7の傾斜角βは、時計回りの方向を正とした場合にはαとβの符合が異なり、かつ両者の絶対値が同一であることが好ましい。なお、内周端面の研削と外周端面の研削とでガラス基板Gに生ずる曲げモーメントは、ガラス基板Gの内径、外径、内周研削砥石5および外周研削砥石7のガラス基板Gと接触する部分の径などによって変動する。そのため、ガラス基板Gが外周研削砥石7から受けるモーメントと、ガラス基板Gが内周研削砥石5から受けるモーメントとが打ち消しあうようにして、ガラス基板Gの回転軸(基準軸)に対する内周研削砥石5および外周研削砥石7の回転軸の傾斜角α,βが適宜設定されてもよい。
図6に、本実施形態の端面研削処理に使用される外周研削砥石の別の例を示す。図6に示す端面研削処理では、図2の場合と比較して、外周研削砥石が異なる。図6の外周研削砥石7Aは円環状の回転体からなり、その内周上には、外周研削砥石7と同様に溝が形成されている。この溝にガラス基板Gの外周端面が内接するようにして配置され、ガラス基板Gの外周端面の2つの面取面を同時に研削加工できるように形成される。図6に示すようにして端面研削処理を行う場合も、図5に示すように、ガラス基板Gの回転軸に対して内周研削砥石5および外周研削砥石7Aの回転軸が逆方向に傾斜して配置される。
ガラス基板の端面研削処理は、粗い研削砥石を使用する粗研削と、細かい研削砥石を使用する精研削とを連続的に行ってもよい。その場合、精研削のみ、図2〜図5に示したように、内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸をガラス基板の回転軸に対して傾斜させて研削を行ってもよい。精研削において図2〜図5に示した研削方法を採ることで、研削加工面を高い品質要求に応えられるレベルの品位に仕上げることができる。
(3)端面研磨処理
次にガラス基板の端面研磨処理が行われる。端面研磨処理は、研磨ブラシとガラス基板の端面との間に遊離砥粒を含む研磨液を供給して研磨ブラシとガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨を行う処理である。端面研磨では、ガラス基板の内周端面および外周側端面を研磨対象とし、内周端面および外周側端面を鏡面状態にする。このとき、例えば酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含む研磨液が用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等の異物粒子が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことができる。これにより、このガラス基板を用いて磁気ディスクを製造した場合であっても、サーマルアスペリティの発生を防止することができる。
次にガラス基板の端面研磨処理が行われる。端面研磨処理は、研磨ブラシとガラス基板の端面との間に遊離砥粒を含む研磨液を供給して研磨ブラシとガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨を行う処理である。端面研磨では、ガラス基板の内周端面および外周側端面を研磨対象とし、内周端面および外周側端面を鏡面状態にする。このとき、例えば酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含む研磨液が用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等の異物粒子が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことができる。これにより、このガラス基板を用いて磁気ディスクを製造した場合であっても、サーマルアスペリティの発生を防止することができる。
(4)精研削処理
精研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて円板状のガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間に、キャリアに装着された円板状のガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることで、ガラス基板の両主表面を研削することができる。
精研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて円板状のガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間に、キャリアに装着された円板状のガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることで、ガラス基板の両主表面を研削することができる。
(5)第1研磨(主表面研磨)処理
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。第1研磨処理では、遊星歯車機構を備えた両面研磨装置を用いてガラス基板の両側の主表面に対して研磨を行う。第1研磨処理では、例えば、酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒などの遊離砥粒と、樹脂ポリッシャが用いられる。第1研磨によって、例えば精研削処理を行った場合に主表面に残留したクラックや歪みを除去する。
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。第1研磨処理では、遊星歯車機構を備えた両面研磨装置を用いてガラス基板の両側の主表面に対して研磨を行う。第1研磨処理では、例えば、酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒などの遊離砥粒と、樹脂ポリッシャが用いられる。第1研磨によって、例えば精研削処理を行った場合に主表面に残留したクラックや歪みを除去する。
(6)化学強化処理
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウム,硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオンやナトリウムイオンが、それぞれ化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオンやカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。また、化学強化処理は、必要に応じて行われればよく、行われなくてもよい。
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウム,硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオンやナトリウムイオンが、それぞれ化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオンやカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。また、化学強化処理は、必要に応じて行われればよく、行われなくてもよい。
(7)第2研磨(最終研磨)処理
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨処理では、第1研磨処理よりも、遊離砥粒の粒子サイズと研磨パッドの樹脂ポリッシャの硬度を小さくすることが好ましい。このようにすることで、ガラス基板の表面粗さを極めて小さくすることができる。
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨処理では、第1研磨処理よりも、遊離砥粒の粒子サイズと研磨パッドの樹脂ポリッシャの硬度を小さくすることが好ましい。このようにすることで、ガラス基板の表面粗さを極めて小さくすることができる。
第2研磨処理に用いる遊離砥粒として、例えばコロイダルシリカ等の微粒子が用いられる。
第2研磨処理は、必ずしも必須な処理ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。この後、洗浄を行うことによって、磁気ディスク用ガラス基板となる。
なお、第2研磨処理後のガラス基板の表面粗さの算術平均粗さRaが0.15nm以下となるようにガラス基板が研磨されることが、表面粗さの小さい磁気ディスク用ガラス基板を作製する点で好ましい。
第2研磨処理は、必ずしも必須な処理ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。この後、洗浄を行うことによって、磁気ディスク用ガラス基板となる。
なお、第2研磨処理後のガラス基板の表面粗さの算術平均粗さRaが0.15nm以下となるようにガラス基板が研磨されることが、表面粗さの小さい磁気ディスク用ガラス基板を作製する点で好ましい。
なお、結晶化ガラスを作製する場合には、上述した各処理の途中、または最後に結晶化処理を行う。例えば、結晶化処理では、ガラス基板のそれぞれのガラス基板間にディスク状のセッターと呼ばれる板を挟んで、加熱炉に入れて熱処理を行う。セッターはセラミックス製としてもよい。熱処理では、例えば核形成温度で所定時間保持し、その後結晶成長温度で所定時間保持することによりガラス基板を結晶化させる。核形成温度および結晶成長の温度や時間は、ガラス基板のガラス組成によって適宜設定すればよい。加熱後の冷却では、ガラス基板に歪みや撓みが発生しないように、徐冷速度を調整することが好ましい。
結晶化したガラス基板は、例えば、粉末X線回折法で得られた回折強度分布を用いて結晶化の有無を判定することができる。なお、結晶相の平均結晶粒径は10nm以下の結晶を析出させることが、ガラス基板の主表面の表面粗さを小さくして主表面を鏡面化させる点で好ましい。
結晶相は硬いため、研磨では加工し難い。平均結晶粒径が10nmを超えると、ガラス基板の主表面の研磨による加工時間が長くなり、また、研磨で取りきれない結晶相により表面粗さは無視できない大きさになる。また、結晶化処理後で、第2研磨処理前のガラス基板の表面粗さの算術平均粗さRaは1nm以下であることが、第2研磨処理で取代量を小さくすることができる点で好ましい。
結晶化されたガラス(以降、結晶化ガラスという)は、非晶質のガラスを加熱することでガラス内部に結晶を析出させた構成の材料であり、非晶質のガラスとは区別され得る。
結晶化ガラスは、内部に分散する結晶により、非晶質のガラスでは得られない特性を発揮する。例えば、ビッカース硬度、ヤング率、破壊靱性等の機械的強度、耐エッチング特性、熱膨張係数等の熱的特性について、結晶化ガラスは、非晶質ガラスでは実現しえない特性を発揮する。勿論、結晶化ガラスは紛体を焼結した構成のセラミックスとは異なる特性を発揮する。結晶化ガラスは、セラミックスと比較して、空孔が極めて少なく、緻密な構成を有する。
本実施形態においては、前記結晶化処理後のガラス基板のヤング率としては、100GPa以上、より好ましくは120GPa以上であることが好ましい。こうすることで、抗折強度や耐衝撃性が高いガラス基板とすることができる。前記結晶化処理後のガラス基板の抗折強度は、耐衝撃性を向上させる観点から7kgf以上であることが好ましく、特に8kgf以上であることが好ましい。こうすることで、10000rpm以上の高速回転のHDD向けとして好適な磁気ディスク用ガラス基板とすることができる。
結晶化したガラス基板は、例えば、粉末X線回折法で得られた回折強度分布を用いて結晶化の有無を判定することができる。なお、結晶相の平均結晶粒径は10nm以下の結晶を析出させることが、ガラス基板の主表面の表面粗さを小さくして主表面を鏡面化させる点で好ましい。
結晶相は硬いため、研磨では加工し難い。平均結晶粒径が10nmを超えると、ガラス基板の主表面の研磨による加工時間が長くなり、また、研磨で取りきれない結晶相により表面粗さは無視できない大きさになる。また、結晶化処理後で、第2研磨処理前のガラス基板の表面粗さの算術平均粗さRaは1nm以下であることが、第2研磨処理で取代量を小さくすることができる点で好ましい。
結晶化されたガラス(以降、結晶化ガラスという)は、非晶質のガラスを加熱することでガラス内部に結晶を析出させた構成の材料であり、非晶質のガラスとは区別され得る。
結晶化ガラスは、内部に分散する結晶により、非晶質のガラスでは得られない特性を発揮する。例えば、ビッカース硬度、ヤング率、破壊靱性等の機械的強度、耐エッチング特性、熱膨張係数等の熱的特性について、結晶化ガラスは、非晶質ガラスでは実現しえない特性を発揮する。勿論、結晶化ガラスは紛体を焼結した構成のセラミックスとは異なる特性を発揮する。結晶化ガラスは、セラミックスと比較して、空孔が極めて少なく、緻密な構成を有する。
本実施形態においては、前記結晶化処理後のガラス基板のヤング率としては、100GPa以上、より好ましくは120GPa以上であることが好ましい。こうすることで、抗折強度や耐衝撃性が高いガラス基板とすることができる。前記結晶化処理後のガラス基板の抗折強度は、耐衝撃性を向上させる観点から7kgf以上であることが好ましく、特に8kgf以上であることが好ましい。こうすることで、10000rpm以上の高速回転のHDD向けとして好適な磁気ディスク用ガラス基板とすることができる。
[磁気ディスク]
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば磁気ディスク用ガラス基板(以下、単に「基板」という。)の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を、真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板の主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。磁性層としては、例えばCoPt系合金を用いることができる。また、L10規則構造のCoPt系合金やFePt系合金を形成して熱アシスト磁気記録用の磁性層とすることもできる。上記成膜後、例えばCVD法によりC2H4を用いて保護層を成膜し、続いて表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
作製された磁気ディスクは、好ましくは、DFH(Dynamic Flying Height)コントロール機構を搭載した磁気ヘッドと、磁気ディスクを固定するためのスピンドルとを備えた、磁気記録再生装置としての磁気ディスクドライブ装置(HDD(Hard Disk Drive))に組み込まれる。
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば磁気ディスク用ガラス基板(以下、単に「基板」という。)の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を、真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板の主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。磁性層としては、例えばCoPt系合金を用いることができる。また、L10規則構造のCoPt系合金やFePt系合金を形成して熱アシスト磁気記録用の磁性層とすることもできる。上記成膜後、例えばCVD法によりC2H4を用いて保護層を成膜し、続いて表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
作製された磁気ディスクは、好ましくは、DFH(Dynamic Flying Height)コントロール機構を搭載した磁気ヘッドと、磁気ディスクを固定するためのスピンドルとを備えた、磁気記録再生装置としての磁気ディスクドライブ装置(HDD(Hard Disk Drive))に組み込まれる。
[実施例、比較例]
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の効果を確認した。使用したガラスの組成は、下記の通りである。
[ガラスの組成]
質量%表示で、SiO2を65.08%、Al2O3を15.14%、Li2Oを3.61%、Na2Oを10.68%、K2Oを0.35%、MgOを0.99%、CaOを2.07%、ZrO2を1.98%、Fe2O3を0.10%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスであり、ガラス転移温度が510℃である。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の効果を確認した。使用したガラスの組成は、下記の通りである。
[ガラスの組成]
質量%表示で、SiO2を65.08%、Al2O3を15.14%、Li2Oを3.61%、Na2Oを10.68%、K2Oを0.35%、MgOを0.99%、CaOを2.07%、ZrO2を1.98%、Fe2O3を0.10%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスであり、ガラス転移温度が510℃である。
[実施例、比較例のガラス基板の作製]
実施例、比較例の磁気ディスク用ガラス基板については、上記製造方法の各処理を順序通りに行うことで、内径が20mm、外径が65mm、厚さが0.8mmの公称2.5インチサイズの磁気ディスク用ガラス基板を作製した。このとき、形状加工では、ガラス素板を切断し、円形の内孔(内径:20mm)と円形の外形(外径:65mm)を備えたドーナツ状の円板状ガラス基板を得た。このガラス基板の外周端部および内周端部に対して、端面研削加工を施した。端面研削処理では、粗研削と精研削とを連続して行った。粗研削では、内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸をガラス基板の回転軸に対して傾斜させずに研削を行った。精研削では、後述する比較例1を除き、図2〜図5に示したように、内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸をガラス基板の回転軸に対して傾斜させて研削を行った。粗研削および精研削の条件は、以下の通りとした。
実施例、比較例の磁気ディスク用ガラス基板については、上記製造方法の各処理を順序通りに行うことで、内径が20mm、外径が65mm、厚さが0.8mmの公称2.5インチサイズの磁気ディスク用ガラス基板を作製した。このとき、形状加工では、ガラス素板を切断し、円形の内孔(内径:20mm)と円形の外形(外径:65mm)を備えたドーナツ状の円板状ガラス基板を得た。このガラス基板の外周端部および内周端部に対して、端面研削加工を施した。端面研削処理では、粗研削と精研削とを連続して行った。粗研削では、内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸をガラス基板の回転軸に対して傾斜させずに研削を行った。精研削では、後述する比較例1を除き、図2〜図5に示したように、内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸をガラス基板の回転軸に対して傾斜させて研削を行った。粗研削および精研削の条件は、以下の通りとした。
[粗研削の条件]
内周研削:400番の電着ボンド砥石(径:φ17mm)、砥石回転数:10000[rev/min]、ガラス基板の回転数:10 [rev/min]
外周研削:400番の電着ボンド砥石(径:φ100mm)、砥石回転数:5000[rev/min]、ガラス基板の回転数:10 [rev/min]
[精研削の条件]
内周研削:3000番のレジンボンド砥石(径:φ17mm)、砥石回転数:10000[rev/min]、ガラス基板の回転数:20 [rev/min]
外周研削:3000番のレジンボンド砥石(径:φ100mm)、砥石回転数:5000[rev/min]、ガラス基板の回転数:20 [rev/min]
内周研削:400番の電着ボンド砥石(径:φ17mm)、砥石回転数:10000[rev/min]、ガラス基板の回転数:10 [rev/min]
外周研削:400番の電着ボンド砥石(径:φ100mm)、砥石回転数:5000[rev/min]、ガラス基板の回転数:10 [rev/min]
[精研削の条件]
内周研削:3000番のレジンボンド砥石(径:φ17mm)、砥石回転数:10000[rev/min]、ガラス基板の回転数:20 [rev/min]
外周研削:3000番のレジンボンド砥石(径:φ100mm)、砥石回転数:5000[rev/min]、ガラス基板の回転数:20 [rev/min]
端面研削加工の精研削において、ガラス基板の回転軸に対する内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸の傾斜角(図5のα,β)は表1に示すように変更して、研削を行った。傾斜角α、βについては、ガラス基板の回転軸を基準にして時計回りの方向の傾斜をプラスの値とし、反時計回りの方向の傾斜をマイナスの値とした。なお、表1の比較例1については、ガラス基板の回転軸に対して内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸を傾斜させずに研削を行った(α=0,β=0)。
端面研削処理の後に、ガラス基板の面取面の形状について測定した。ガラス基板の回転軸に対して研削砥石の回転軸を傾斜させて研削する場合、ガラス基板に生ずる曲げモーメントによる影響は研削抵抗が大きい外周側により強く表れるため、外周端面の面取面の形状について測定して評価した。
ここで、面取面の主表面に対する角度(面取角)および面取面の表面粗さRaに加え、ガラス基板の側壁面と面取面との間の湾曲度合いを示す値(以下、「形状指標値」という。)を測定した。この形状指標値の定義について、図7を参照して説明する。図7は、ガラス基板の外周端部の形状を測定し、測定した形状を22.5度傾斜させたときの、ガラス基板の外周端面の一部を拡大して示している。図7において、ガラス基板の外周端面(側壁面1t、面取面1p)においてピークにある点をPT1とする。この点PT1を中心とする半径30μmの円CR1を描画し、この円CR1と測定した形状との交点を、PT2,PT3とする。そして、点PT1,PT2,PT3を通る内接円CR2を決定し、この内接円CR2の半径Rを、上記形状指標値とする。形状指標値が大きいほどガラス基板の側壁面と面取面との間の湾曲度合いが大きいことを意味する。
なお、実施例および比較例のガラス基板の一方の面をA面として決定し、A面とは反対側の面をB面と決定し、A面側の面取面とB面側の面取面の両方を対象として測定を行った。測定結果とその評価結果を表1に示す。
ここで、面取面の主表面に対する角度(面取角)および面取面の表面粗さRaに加え、ガラス基板の側壁面と面取面との間の湾曲度合いを示す値(以下、「形状指標値」という。)を測定した。この形状指標値の定義について、図7を参照して説明する。図7は、ガラス基板の外周端部の形状を測定し、測定した形状を22.5度傾斜させたときの、ガラス基板の外周端面の一部を拡大して示している。図7において、ガラス基板の外周端面(側壁面1t、面取面1p)においてピークにある点をPT1とする。この点PT1を中心とする半径30μmの円CR1を描画し、この円CR1と測定した形状との交点を、PT2,PT3とする。そして、点PT1,PT2,PT3を通る内接円CR2を決定し、この内接円CR2の半径Rを、上記形状指標値とする。形状指標値が大きいほどガラス基板の側壁面と面取面との間の湾曲度合いが大きいことを意味する。
なお、実施例および比較例のガラス基板の一方の面をA面として決定し、A面とは反対側の面をB面と決定し、A面側の面取面とB面側の面取面の両方を対象として測定を行った。測定結果とその評価結果を表1に示す。
表1において、面取角の差、面取面の形状差、および、面取面の表面粗さRaの評価基準は、以下の通りとした。○が合格である。
[面取角の差の評価基準]
2.5[deg]以上:×
2.5[deg]未満:○
[形状指標値の評価基準]
50[μm]以上:×
50[μm]未満:○
[面取面の表面粗さRaの評価基準]
0.1[μm]以上:×
0.1[μm]未満:○
[面取角の差の評価基準]
2.5[deg]以上:×
2.5[deg]未満:○
[形状指標値の評価基準]
50[μm]以上:×
50[μm]未満:○
[面取面の表面粗さRaの評価基準]
0.1[μm]以上:×
0.1[μm]未満:○
表1の実施例に示すように、内周研削砥石の回転軸の傾斜角αと外周研削砥石の回転軸の傾斜角βの符号が異なる場合には、ガラス基板の外周端面の面取面の形状差(つまり、表1における「面取角の差」および「形状指標値の差」)が少ないことが確認された。これは、研削対象のガラス基板に対して内周研削砥石および外周研削砥石によって生ずる曲げモーメントがキャンセルされたためであると考えられる。特に、実施例1、3、5に示すように、傾斜角α,βの絶対値が等しい場合には、ガラス基板の外周端面の面取面の形状差が極めて少なくなることが確認された。
他方、表1の比較例2、3に示すように、内周研削砥石の回転軸の傾斜角αと外周研削砥石の回転軸の傾斜角βの符合が同じであるか、若しくはいずれか一方がゼロである場合には、ガラス基板の外周端面の面取面の形状差が大きくなることが確認された。これは、研削対象のガラス基板に対して内周研削砥石および外周研削砥石によって生ずる曲げモーメントがキャンセルされなかったためであると考えられる。
比較例1に示すように、ガラス基板の回転軸に対して内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸を傾斜させずに研削を行った場合、ガラス基板に対して曲げモーメントが働かないため、ガラス基板の外周端面のガラス基板の外周端面の面取面の形状差が極めて少なくなるが、表面粗さが良好にはならなかった。これは、研削砥石の回転軸をガラス基板の回転軸に対して傾斜させることによって研削加工面をより高平滑化する効果が得られなかったためである。
他方、表1の比較例2、3に示すように、内周研削砥石の回転軸の傾斜角αと外周研削砥石の回転軸の傾斜角βの符合が同じであるか、若しくはいずれか一方がゼロである場合には、ガラス基板の外周端面の面取面の形状差が大きくなることが確認された。これは、研削対象のガラス基板に対して内周研削砥石および外周研削砥石によって生ずる曲げモーメントがキャンセルされなかったためであると考えられる。
比較例1に示すように、ガラス基板の回転軸に対して内周研削砥石および外周研削砥石の回転軸を傾斜させずに研削を行った場合、ガラス基板に対して曲げモーメントが働かないため、ガラス基板の外周端面のガラス基板の外周端面の面取面の形状差が極めて少なくなるが、表面粗さが良好にはならなかった。これは、研削砥石の回転軸をガラス基板の回転軸に対して傾斜させることによって研削加工面をより高平滑化する効果が得られなかったためである。
なお、端面研削加工の後に、端面研磨、主表面に対する第1研磨、第2研磨を行って、磁気ディスク用ガラス基板を作製したが、面取角、形状指標値、および面取面の表面粗さは表1に示した値と変わらなかった。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板、および、磁気ディスクの製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
Claims (5)
- 中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の外周端面および内周端面に対して、回転する外周研削砥石および内周研削砥石を用いて同時に端面研削処理を行う磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
上記端面研削処理は、外周研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の外周端面の2つの面取面を同時に研削し、かつ、内周研削砥石の回転軸を上記基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の内周端面の2つの面取面を同時に研削するものであって、
ガラス基板の中心位置と、外周研削砥石とガラス基板の外周端面が接触する領域の中心位置と、内周研削砥石とガラス基板の内周端面が接触する領域の中心位置とが、同一直線である基準線上となるように、外周研削砥石と内周研削砥石を配置し、
上記基準線の方向から見たときに、外周研削砥石の回転軸と内周研削砥石の回転軸を、上記基準軸に対して互いに逆の方向に傾斜させることを特徴とする、
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 上記基準線の方向から見たときに、上記基準軸に対する外周研削砥石の回転軸の傾斜角と、上記基準軸に対する内周研削砥石の回転軸の傾斜角とが等しいことを特徴とする、
請求項1に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 上記磁気ディスク用ガラス基板は結晶化ガラスであることを特徴とする、
請求項1又は2に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって作製された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に、磁性層を形成する処理を備えたことを特徴とする、
磁気ディスクの製造方法。 - 中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の外周端面および内周端面に対して、回転する外周研削砥石および内周研削砥石を用いて同時に端面研削処理を行う磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
上記端面研削処理は、外周研削砥石の回転軸をガラス基板の主表面と直交する基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の外周端面の2つの面取面を同時に研削し、かつ、内周研削砥石の回転軸を上記基準軸に対して傾斜させて、ガラス基板の内周端面の2つの面取面を同時に研削するものであって、
ガラス基板が外周研削砥石から受けるモーメントと、ガラス基板が内周研削砥石から受けるモーメントとが打ち消しあうようにして、前記基準軸に対する外周研削砥石および内周研削砥石の回転軸の傾斜角が設定されていることを特徴とする、
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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