JP2014161989A - 回転砥石及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

回転砥石及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円盤形状基板の端面形状を目標とする形状に高精度に研削する回転砥石を提供する。また、研削処理において前記回転砥石を用いる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】回転砥石12の回転軸14を円盤状基板10の主表面と直交する軸に対して傾斜させて円盤状基板10の端面を研削加工するとき、円盤形状基板10の端面と当接する回転砥石12の研削面を、回転軸14を含む平面で切断したときの断面形状は、前記円盤形状基板10の端面に向かって凸形状である。この回転砥石12を用いて、円盤形状基板10の端面を研削する。
【選択図】図1

Description

本発明は、円盤形状基板を研削する回転砥石及びこの回転砥石を用いた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
情報記録媒体の1つとして用いられる磁気ディスクには、ガラス基板が好適に用いられている。今日、ハードディスクドライブ装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。これに伴って、磁気ヘッドの磁気記録面からの浮上距離を極めて短くして磁気記録情報エリアを微細化することが行われている。このような磁気ディスクでは、磁気ヘッドによる読み書きを安定にするために、外周端面の真円度及び磁気ディスクに設けられた円孔の真円度の向上が求められている。
また、現在磁気記録の高密度化のために提案されている、記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック媒体(DTR媒体)や、単一の磁性ドットを単一の記録ビットとして記録再生を行うビットパターンド媒体(BPM)等では、ガラス基板の真円度の要求はより一層高くなる。
ところで、円盤形状のガラス基板等の加工対象の円盤形状基板の端面研削には、端面の粗さ、うねり、あるいは線状のキズを抑制し、研削の加工効率及び研削に用いる回転砥石の寿命を向上させるために、特許文献1に開示されている研削が行われている。特許文献1に開示の研削とは、円盤形状基板の主表面の法線方向に対して回転砥石の回転軸を傾斜させた状態で(円盤形状基板の回転軸と研削砥石の回転軸が同じ平面上にない状態で)、円盤形状の端面を当接させて、端面の研削を行う研削加工をいう。特許文献1に開示の研削は、ガラス基板へのダメージが少ないこと、研削加工面の表面粗さやその面内ばらつきが小さいこと、研削加工面をより高平滑にできること、さらには砥石寿命を向上できる点で好適な研削である。
特開2000−167753号公報
しかし、上記特許文献1に開示の研削方法で、円盤状基板の端面研削を行った結果、研削後の円盤形状基板の端面は、目標とする形状を高精度に得られなかった。
そこで、本発明は、円盤形状基板の端面研削において、円盤形状基板の端面形状を目標とする形状に高精度に研削することができる回転砥石及びこの回転砥石を用いた円盤形状基板の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記研削方法を用いた円盤形状基板の端面研削を種々行った後の円盤形状基板の端面形状を観察したところ、円盤形状基板の端面は、本来主表面に直交する形状でなく、基板厚さ方向の中央部分が凸状に突出した形状であることを見出して、本願発明にいたっている。
本発明の一態様は、加工対象である一対の主表面を有する円盤形状基板の主表面の法線方向に対して回転軸を傾斜させた状態で、前記円盤形状基板の主表面と直交している端面に当接させて前記端面の研削加工を行うための回転砥石であって、
前記端面と当接する前記回転砥石の研削面を、前記回転軸を含む平面で切断したときの断面形状は、前記円盤形状基板の端面に向かって凸形状である。
前記凸形状は円弧形状である、ことが好ましい。また、前記凸形状は、楕円の円弧形状または放物線形状であってもよい。
このとき、下記(A)と(B)の好ましい形態が挙げられる。
(A)前記回転砥石は円環形状を成し、前記回転砥石の研削する面は、前記円環形状の内側表面に設けられていること。
(B)前記回転砥石は円柱形状を成し、前記回転砥石の研削面は、前記円柱形状の外側表面に設けられていること。
上記(A)の好ましい形態は、以下の円盤形状基板の製造方法に好適に用いられる。すなわち、回転砥石を用いて前記円盤形状基板である磁気ディスク用素板の端面を研削する研削処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記研削処理では、前記素板の外周側端面を前記前記円環形状の内側表面を用いて研削する。
上記(B)の好ましい形態は、以下の円盤形状基板の製造方法に好適に用いられる。すなわち、回転砥石を用いて前記円盤形状基板であり、中心に円孔を有する磁気ディスク用素板の円孔部分における前記主表面に直交する内周側端面を研削する内周側端面研削処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記内周側端面研削処理では、前記素板の内周側端面を前記円柱形状の外側表面を用いて研削する。
上述の回転砥石及びこの回転砥石を用いた円盤形状基板の製造方法では、円盤形状基板の端面形状を目標とする形状に高精度に形成することができる。
本実施形態の回転砥石を用いたガラス基板の外周側端面に対して行う研削を説明する図である。 本実施形態の回転砥石とガラス基板の位置関係を説明する図である。 本実施形態の回転砥石の断面形状と、本実施形態の端面研削後のガラス基板の端面形状を説明する図である。 従来の回転砥石の断面形状と、従来の端面研削後のガラス基板の端面形状を説明する図である。 本実施形態のガラス基板の内周側端面の端面研削を説明する図である。
以下、本発明の回転砥石及び円盤形状基板である磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
(本実施形態に用いる端面研削の概要)
本実施形態では、加工対象である一対の主表面を有する円盤形状基板である、中心に円孔を有する磁気ディスク用ガラス基板の素板の主表面の法線方向に対して回転砥石の回転軸を傾斜させた状態で、素板の主表面と直交している端面(外周側端面あるいは内周側端面)を当接させて端面の研削を行う。これにより、素板の主表面に対して直交する端面(以下、側壁面とする)を形成する。このような端面研削を行う回転砥石における、素板の端面と当接する研削する面の断面形状(回転砥石の回転軸を含む平面で切断したときの断面形状)は、素板の側壁面に向かって凸形状である。このような回転砥石を用いた研削により、研削後の側壁面の形状を主表面に対して精度よく直交させることができる。なお、上記研削を行う際には、素板の主表面と直交する軸と、回転砥石の回転軸とが、互いにねじれの関係になるように回転砥石の回転軸を傾斜させている。
上述したように、回転砥石の溝の底部の断面形状が直線形状を成している場合に端面研削を行うと、主表面に対して直交する側壁面が形成されるべき素板の端面の部分に、基板厚さ方向の中央部分が凸状に突出した形状の面が形成されることを本願発明者は見出している。このため、この凸状に突出した形状を直線形状にすべく、回転砥石の溝底部の断面形状を、素板の側壁面に向かって盛り上がった凸形状とする。なお、研削砥石の溝の底部の形状が直線形状である場合に本来主表面に対して直交する側壁面が形成されるべき部分に形成される凸形状は、断面形状に関して略円弧形状になっている。このため、回転砥石における溝底部の凸形状は円弧形状であることが、素板の側壁面を、主表面に対して精度高く直交できる点で好ましい。
以下、円盤形状基板として、磁気ディスク用ガラス基板の素板を一例として挙げて、この製造方法を詳細に説明する。
なお、本発明において、磁気ディスク用ガラス基板とは、本発明にかかる研削加工が施されたものを意味する。具体的には、例えば、本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基板とは、研削加工が施された直後のものであってもよく、また、研削加工された後、主表面研磨加工、化学強化加工等の後加工が施され、磁性膜等が成膜される前の状態のものであってもよい。
本実施形態の円盤形状基板の製造方法、すなわち磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の一例を以下説明する。
先ず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクを成形する。次に、このガラスブランクを適宜加工して、中心部分に円孔のあいた、エッジが面取り加工された円盤形状のガラス基板(素板)を作製する。この後、研磨処理を行う。研磨処理は、必要に応じて、複数の処理に分けて行ってもよい。研磨処理では、端面(面取り部含む)の研磨を含む。研磨処理は、必要に応じて主表面の研磨を含んでもよい。研磨処理の前にガラス基板の主表面や端面の研削処理を行ってもよい。このとき各処理の順序は適宜決定してよい。以下、各処理について、説明する。
(a)ガラスブランク成形処理
ガラスブランクの成形では、フロート法の他に、例えばプレス成形法を用いることもできる。さらに、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの公知の製造方法で作られた板状ガラスに対し、適宜形状加工を行うことによって磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラスブランクが切り出される。
(b)形状加工処理
次に、形状加工処理が行われる。形状加工処理では、ガラスブランク成形処理後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより、円孔があいた円盤形状のガラス基板(素板)を得る。その後、さらに面取りを実施する。面取りは、例えば、ダイヤモンド砥粒を用いた総形砥石により行われる。これにより、ガラス基板(素板)の端面には、主表面と直交している側壁面と、側壁面と主表面を繋ぐ面取面が形成される。また、板厚調整や平坦度低減などの目的で、主表面の研削を実施してもよい。さらに、形状加工処理には、後述する端面研削が含まれる。端面研削は、素板の端面に対して行われる。端面研削は、素板の端面に当接する回転砥石の位置が同じ位置とならないような研削が用いられる。この研削については後述する。
(c)端面研磨処理
次に形状加工処理で得られたガラス基板の端面研磨処理が行われる。端面研磨処理は、研磨ブラシとガラス基板の端面との間に遊離砥粒を含む研磨液を供給して研磨ブラシとガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨を行う処理である。端面研磨では、ガラス基板の内周側端面及び外周側端面が鏡面状態になる。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等の異物粒子が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことができる。これにより、サーマルアスペリティの発生の防止することができる。また、ナトリウムおよび/またはカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる観点からは、少なくとも側壁面の表面粗さ(Rz)が0.15μm以下となるように研磨することが好ましく、0.10μm以下となるように研磨することがより好ましい。また、上記観点においては、少なくとも側壁面の表面粗さ(Ra)が、0.015μm以下であることが好ましく0.010μm以下であることがより好ましい。なお、上記粗さは触針計(測長距離:板厚方向に0.25mm)を用いて測定したものである。
(d)第1研磨処理
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。具体的には、ガラス基板を、両面研磨装置に装着される保持部材(キャリア)に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。なお、表面粗さについてさらに低減したり、より精密な調整を行うために、第1研磨処理を複数の研磨処理に分けて実施してもよい。
(e)化学強化処理
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオンやナトリウムイオンが、それぞれ化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオンやカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。
(f)第2研磨(最終研磨)処理
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨処理が施される。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨の後、ガラス基板Gは洗浄され、磁気ディスク用ガラス基板が作製される。
(ガラス基板の端面研削)
図1は、回転砥石12を用いた素板であるガラス基板10の外周側端面に対して行う研削を説明する図である。図2は、図1中のX方向から見た、回転砥石12とガラス基板10の位置関係を説明する図である。図3は、回転砥石12の溝12cの断面形状と、端面研削後のガラス基板10の端面形状を説明する図である。
図1に示すように、ガラス基板10の外周側端面の研削に用いる回転砥石12は、全体が円環状に形成されているとともに、側壁部12a及びその両側に存在する面取部12b,12bからなる溝12cを有する。溝12cは、ガラス基板10の外周側の側壁面10aと面取面10bとの両方の面を同時に研削加工できるように形成されている。具体的には、側壁部12aは、側壁面10aを研削し、面取部12b,12bは、面取り面10b、10bを研削する。上記溝12cの側壁部12a及び面取部12bは、ガラス基板10の研削加工面の仕上がり目標の寸法形状を考慮して、所定の寸法形状に形成されている。
ガラス基板10の外周側端面の研削では、回転砥石12に形成された溝12cの溝方向に対してガラス基板10を傾けた状態、つまりガラス基板10の主表面の法線方向に対して回転砥石12の回転軸方向に延びる回転軸14を傾斜角度αだけ傾斜させた状態で、ガラス基板10の外周側端面を当接させて、外周側端面の研削を行う。これによって、ガラス基板10の外周側端面に当接する回転砥石12の位置は、回転砥石12の回転軸方向の同じ位置に固定されないので、回転砥石12の周上に微小凸部があっても、ガラス基板10の外周側端面の回転軸方向の同じ位置において常にキズがつかない。このため、ガラス基板10へのダメージを少なくすることができる。また、ガラス基板の側壁面および面取面の表面粗さ、およびその面内ばらつきも小さくすることができる。研削加工面をより高平滑に、すなわちより高い品質要求に応えられるレベルの品位に仕上げることができる。さらには、従来の回転軸をガラス基板の法線方向に傾斜させないで研削加工を行う場合と比べて砥石寿命の向上効果も有する。
また、図2に示すように、回転砥石12とガラス基板10の接触状態は、回転砥石12の溝12cとガラス基板10の外径弧との面接触状態となり、回転砥石12とガラス基板10との接触面積が増加する。そのため、ガラス基板10に対する回転砥石12の接触長さ(切れ刃長さ)を伸ばして、砥粒の切れ味を持続させることができる。したがって、研削品位にとって有利な微細固定砥粒を用いて研削加工を行った場合にも安定した研削性を確保でき、塑性モード主体の研削加工による良好な研削面品位(鏡面品位)を安定的に得ることができる。しかも、固定砥粒の切れ味を持続させ、塑性モードを実現する研削性を安定的に確保することができる。このため、ガラス基板10の外周側端面の面取り加工による良好な寸法形状精度を確保することができる。
上述の傾斜角度αは任意に設定することができるが、上述の作用効果をより良く発揮させるためには、例えば1〜30度の範囲内とすることが好ましく、5〜15度の範囲内とすることがより好ましく、2〜10度の範囲内とすることがさらに好ましい。
研削に用いる回転砥石12の砥粒としては、特に限定されないが、加工速度の観点からは、ダイヤモンド砥粒を用いることが好ましい。そして、ダイヤモンド砥粒を電着させた電着砥石およびダイヤモンド砥粒をレジン(樹脂)で結合させたレジンボンド砥石を好適に使用することができる。
研削に用いる回転砥石12として、電着砥石を用いた場合には、研削速度を向上できるため好ましい。研削速度を向上させる観点から、電着砥石であるダイヤンモンド砥石の番手は、♯300〜♯800であることが好ましい。
研削に用いる回転砥石12として、レジンボンド砥石を用いた場合には、研削加工によるガラス基板の端面(面取面、側壁面)の面粗さをより一層向上できるため好ましい。このとき、ダイヤモンド砥石の番手は、研削工程後の端面品質を向上させて、端面研磨工程の負荷を低減する観点で、#2000〜#3000であることが好ましい。
研削加工を行う際の回転砥石12の周速度は例えば、800〜1000m/分、ガラス基板10の周速度は、10m/分程度である。また、ガラス基板10の周速度に対する回転砥石12の周速度の比(周速度比)は、研削加工によるガラス基板の端面品質を向上させるために80〜200の範囲内であることが好ましい。
このような回転砥石12の側壁部12a、すなわち、ガラス基板10の側壁面10aと当接する回転砥石12の研削面は、回転軸14を含む平面で切断したときの断面形状は、研削対象であるガラス基板10の側に向かって凸形状である。この凸形状は、例えば図1で示す滑らかな曲線形状で形成されるが、好ましくは、円弧形状または放物線形状で形成されることが好ましい。円環状の回転砥石12の内周表面が研削面であり、回転砥石12の円環の中にガラス基板10を配置して研削加工を行う場合における、ガラス基板10の側壁面を研削する回転砥石12の研削面の円弧形状の好ましい曲率半径は、ガラス基板10の外径、回転砥石12の内径、及び傾斜角度αおよび、側壁面の主表面に対する直交する度合いに応じて適宜設定すればよい。具体的には、例えば、ガラス基板10の外径が50mm〜150mmの範囲にあり、回転砥石12の内径が100〜200mmにあり、傾斜角度αが1〜15度の場合、回転砥石12の研削面の円弧形状の曲率半径としては、10〜700mmの範囲内が好ましい。
このような回転砥石12を用いてガラス基板10の外周側端面を研削加工することにより、図3に示すように、ガラス基板10の主表面10cに対して直交する方向に延びる側壁面を形成することができる。
図4は、従来の回転砥石102の溝102cの断面形状と、従来の端面研削後のガラス基板100の端面形状を説明する図である。
図4に示すように、回転砥石102の側壁部102a、すなわち、ガラス基板100の面100aと当接する回転砥石102の研削する面は、回転砥石102の回転軸を含む平面で切断したときの断面形状は、直線形状である。そして、この砥石を用いて端面の研削加工を行ったガラス基板100の側壁面に対応する面100aは、回転砥石102の側に向かって凸形状を成している。このような形状が形成されるのは、図2に示すように回転砥石102の内側壁面にガラス基板100の外周側端面が当接するように配置して研削を行うことによる。本願発明者は、この点を見出して、ガラス基板10の主表面10cに対して直交する方向に延びる側壁面を形成するために、予め回転砥石の側壁部を凸形状にすることを着想している。
本実施形態では、溝部12cには、側壁部12a及び面取部12bを有するが、面取り部12bは設けられなくてもよい。例えば、円盤形状基板の端面は、面取り面を有しないような端面研削を行う場合、面取部12bを必要としない。
本実施形態では、ガラス基板10の外周側端面について説明したが、端面研削対象は、ガラス基板に設けられた円孔の内周側端面の研削に適用することもできる。円孔の部分は、ハードディスクドライブ装置における磁気ディスクにおいて、スピンドルを固定する部分となるので、円孔の中心とガラス基板の外周側端面から見たガラス基板の中心が一致するように形成されることが重要である。このため、円孔においても、端面研削を行って精度の高い形状加工を行うことが必要である。この場合、円孔は、図5に示すように、円孔10dの内側に、小型の円柱状の回転砥石12を配置して、ガラス基板10における円孔10dの内周側端面を回転砥石12の回転軸をガラス基板10の主表面の法線方向に対して傾斜させて研削することが好ましい。図5は、ガラス基板10の内周側端面の端面研削を説明する図である。このとき、回転砥石12は、円柱形状の外表面に研削する固定砥粒を設け、この外側表面を用いて内周側端面を研削することが好ましい。この場合においても、回転砥石12の研削する面の、回転砥石12の回転軸を含む平面で切断したときの断面形状は、ガラス基板10の端面に向かって凸形状であることが好ましい。
このように、ガラス基板10の端面を、本発明に基づいて研削加工する場合、ガラス基板10の端面と当接する回転砥石12の研削する面を、回転砥石12の回転軸14を含む平面で切断したときの断面形状は、ガラス基板10の端面に向かって凸形状を成している。このため、ガラス基板10の端面をガラス基板10の主表面10cに対して直交する側壁面10aを形成することができる。すなわち、ガラス基板10の端面形状を目標とする形状に高精度に形成することができる。
また、ガラス基板10の外周側端面を、本発明に基づく研削加工する場合、回転砥石12の研削する面は、回転砥石12の円環形状の内側表面に設けられていることが好ましい。このとき、側壁部12aの凸形状は、ガラス基板10の外周側端面の側に向かって突出している。すなわち、回転砥石12の回転軸14の側に向かって突出している形態となる。
一方、図5に示すように、ガラス基板10に設けられた円孔10dの内周側端面を上記のように研削する場合、回転砥石12の研削する面は、回転砥石12の円環形状の外側表面に設けられていることが好ましい。このとき、側壁部12aの凸形状は、ガラス基板10の内周側端面の側に向かって突出している、すなわち、回転砥石12の回転軸14と反対側に向かって突出している形態となる。
つまり、本実施形態においてガラス基板10の側壁面を研削する場合、ガラス基板10の中心および回転砥石12の回転軸が、ガラス基板10の側壁面と回転砥石12の研削面とが当接する研削点から見て回転砥石12の周およびガラス基板の周のうち大きな周を境にして同じ側に存在するように研削加工が行われている。この場合において、回転砥石12の研削面の形状を上記凸形状とすることで、ガラス基板10の側壁面の形状を、主表面に対して精度よく直交させることができる。これにより、上記ガラス基板を磁気ディスクとしてハードディスクドライブに組み込んだ際に、上記磁気ディスクの回転を安定させることができる。
また、本発明にかかる回転砥石は、加工対象である素板であるガラス基板10の主表面10cと直交する軸に対して回転軸を傾斜させた状態で、当該ガラス基板10の端面(10aおよび10b)に当接させることにより、当該端面(10aおよび10b)を構成する側壁面10a、および側壁面10aと主表面10cとの間に介在する介在面(面取面10b)の研削加工を行うための回転砥石であって、前記側壁面側壁面10aを研削加工するための底部12aと、底部12aと繋がっており上記介在面を研削加工するための底部12aに対して傾斜している傾斜部12bとを備え、前記底部12aは、前記回転軸を含む平面における断面形状が、砥石の外側(ガラス基板10の端面(10aおよび10b)))に向かって凸形状である構成であってもよい。
[実験例]
本実施形態の効果を確認するために、4つの異なる条件で、上記のような研削(実施例1,2及び従来例1、2)によりガラス基板の端面研削を行った。
端面研磨対象のガラス基板には、外径65mm、内径20mm、厚さ0.8mmの円盤形状のガラス基板(素板)を用いた。
回転砥石12は、実施例1、従来例1では、図2に示すような円環形状の砥石を用い、回転砥石12の内側表面を研削する面として用い、回転砥石12の内側表面を研削する面としてガラス基板10の外周側端面を研削した。砥石の内径は100mmであり、溝12cの深さは1mmとした。
一方、実施例2、従来例2では、図5に示すような円柱形状の砥石を用い、回転砥石12の外側表面を研削する面としてガラス基板10の内周側端面を研削した。砥石の外径は15mmであり、溝12cの深さは1mmとした。
実施例1,2及び従来例1,2における傾斜角度αは10度とした。
実施例1に用いた回転砥石12の側壁部12aの断面形状は、曲率半径35mmの円弧形状からなる凸形状とし、実施例2に用いた回転砥石12の側壁部12aの断面形状は、曲率半径15mmの円弧形状からなる凸形状とした。一方、従来例1,2に用いた回転砥石12の側壁部12aの断面形状は、直線形状とした。
上記実施例1,2及び従来例1,2の内容で、ガラス基板(素板)の側壁面の研削を行い、ガラス基板の端面の形状を観察した。
その結果、実施例1,2の研削で得られたガラス基板の側壁面の断面形状は直線形状であり、ガラス基板の主表面に直交する側壁面が得られた。一方、従来例1,2の研削で得られたガラス基板の側壁面に対応する面は、図4に示すように断面形状は曲線形状となり、ガラス基板の主表面に直交する側壁面は得られなかった。
これより、本実施形態の効果は明らかである。
以上、本発明の回転砥石及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10,100 ガラス基板
10a 側壁面
10b 面取り面
10c 主表面
10d 円孔
12,102 回転砥石
12a,102a 側壁部
12b 面取り部
14 回転軸
100a 面

Claims (6)

  1. 加工対象である一対の主表面を有する円盤形状基板の主表面の法線方向に対して回転軸を傾斜させた状態で、前記円盤形状基板の主表面と直交している端面に当接させて前記端面の研削加工を行うための回転砥石であって、
    前記端面と当接する前記回転砥石の研削面を、前記回転軸を含む平面で切断したときの断面形状は、前記円盤形状基板の端面に向かって凸形状である、ことを特徴とする回転砥石。
  2. 前記凸形状は円弧形状である、請求項1に記載の回転砥石。
  3. 前記回転砥石は円環形状を成し、
    前記回転砥石の研削面は、前記円環形状の内側表面に設けられている、請求項1または2に記載の回転砥石。
  4. 前記回転砥石は円柱形状を成し、
    前記回転砥石の研削面は、前記円柱形状の外側表面に設けられている、請求項1または2に記載の回転砥石。
  5. 請求項3に記載の回転砥石を用いて前記円盤形状基板である磁気ディスク用素板の端面を研削する研削処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記研削処理では、前記素板の外周側端面を前記前記円環形状の内側表面を用いて研削する、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 請求項4に記載の回転砥石を用いて前記円盤形状基板であり、中心に円孔を有する磁気ディスク用素板の円孔部分における前記主表面に直交する内周側端面を研削する内周側端面研削処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記内周側端面研削処理では、前記素板の内周側端面を前記円柱形状の外側表面を用いて研削する、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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