以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。また、センターケース40の内側下部であって表示装置41の前方には、可動演出装置44が設けられている。この可動演出装置44は回転体448および揺動部材446を備え、内部空間に封入された演出用の見せ球の転動態様により遊技の演出を行うものである。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば図44に示すように、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域41a(第一特別図柄)、右変動表示領域41b(第二特別図柄)、中変動表示領域41c(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域41a、右変動表示領域41b、中変動表示領域41cの順に順次停止させて、左変動表示領域41a、右変動表示領域41b、中変動表示領域41cの各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置をなす可動演出装置44の回転体用モータ443、揺動部材用モータ444を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記可動演出装置44内の回転体448の初期位置を検出する回転体用センサ44a、揺動部材446用の初期位置を検出する揺動部材用センサ44bのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理、可動演出装置44を動作する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、特図変動表示ゲームに関する演出制御を実行する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
ここで、図5に示すように、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を確変状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態を時短状態とすることである。
特別結果態様の種類には、15R確変(図柄)、15R通常(図柄)、2R確変A(図柄)、2R確変B(図柄)、2R通常A(図柄)、2R通常B(図柄)の6種類が設定されている。15R確変(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで確率状態を高確率状態とするものである。15R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするものである。これらの15R大当りにおける特別遊技状態では、大入賞口の開放時間が第1開放時間(25秒)とされる。また、2R確変A(図柄)、2R確変B(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで該特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで確率状態を高確率状態とするものである。2R通常A(図柄)、2R通常B(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするものである。これらの2R大当りにおける特別遊技状態では、大入賞口の開放時間が第2開放時間(1秒)とされる。
特図変動表示ゲームで大当りとなる確率状態の報知について、15R確変(図柄)、15R通常(図柄)、2R確変A(図柄)、2R通常A(図柄)は、特別遊技状態の終了後に確率状態を明確に報知する状態となる。これに対し、2R確変B(図柄)、2R通常B(図柄)は、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態を明確に報知しない状態(曖昧報知状態)となる。
普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする普電サポートの有無について、15R確変(図柄)、2R確変A(図柄)は、特別遊技状態の終了後、次回の大当りまで普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態とされる。また、15R通常(図柄)、2R通常A(図柄)では、予め定められた所定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態とされる(時短回数100回)。また、2R確変B(図柄)、2R通常B(図柄)では、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態とされない(時短回数0回)。
可動演出装置44を用いた連続予告演出を行う特定期間について、15R確変(図柄)、15R通常(図柄)では設定されない。また、2R確変A(図柄)、2R通常A(図柄)では、20回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間とされる。また、2R確変B(図柄)、2R通常B(図柄)では、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間とされる。
さらに、所定の確率で小当りを発生可能に構成されている。小当りが発生した場合は小特別遊技状態となる。小特別遊技状態では、2R確変A等の2R大当りと同様にラウンド数が2ラウンドで大入賞口の開放時間が第2開放時間(1秒)とされる。なお、小特別遊技状態の終了後の確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態は小当り発生前の状態と同じ状態とする。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
次に、盤演出装置をなす可動演出装置44の具体的な構成およびその動作について説明する。図6は可動演出装置44を正面側から見た斜視図、図7は可動演出装置44の正面側から見た分解斜視図、図8は可動演出装置44の裏面側から見た分解斜視図である。
可動演出装置44は、前面および後面が開口され演出用の見せ球が循環可能な「凸」形の空間を形成する枠体445と、該枠体445の内側に配置された横に細長い樋状の揺動部材446と、枠体445の後端面に接合され後端開口部を完全に覆い枠体445の後壁を形成するユニットベース447とを備える。図示しないが、枠体445の前端面には前端開口部を完全に覆う透明なプレートが接合され、枠体445の内側に外部と完全に分離された空間を形成するように構成されている。透明なプレートを設ける代わりに、遊技盤前面のガラス基板で枠体445の前端開口部を覆うように構成しても良い。
図7に示すように、上記ユニットベース447の中央には、円形の収納凹部447aが形成され、その中心には回転軸447cが前方へ向かって立設され、該回転軸447cには球保持部448a,448bを有する回転体448の中心に設けられた貫通孔448cが挿通され、回転軸447cによって回転体448が回転自在に支承されるようになっている。そして、貫通孔448cを貫通し前方へ突出した回転軸447cの先端が前記揺動部材446の中央の軸穴446aに挿入され、揺動部材446は回転軸447cを中心にしてシーソーのように、左右両端が上下に揺動するように構成されている。なお、回転体448と揺動部材446は、それぞれ独立して回動可能である。
回転体448における球保持部448aの外周側の底壁前端には段差部448dが形成され、一旦球保持部448a内へ見せ球が入ると前方へ移動しにくくなるように構成されている。また、回転体448における球保持部448aの外周側の底壁は、球保持部448aが最下部に位置する状態で、見せ球の転動面として機能する枠体445の底壁445bよりも低くなるように高さ位置が設定されている。球保持部448bに関しても同様である。
また、球保持部448a,448bの内周側の壁は、前方へ向かうほど貫通孔448cに近づくように傾斜されている。これにより、回転体448が回転して例えば球保持部448aが回転軸447cの直上に位置した姿勢になると、内部にある見せ球は球保持部448aの内周側の傾斜した壁に沿って前方へ移動して揺動部材446の転動面上に流下するように構成されている。なお、球保持部448aを448bよりも大きなサイズとして大きな径の見せ球を保持できるようにしても良い。
さらに、図8に示すように、回転体448の背面には、ギア449の前面の取付け受け部449aと係合可能な取付けボス部448eが設けられており、回転体448の背面にギア449が接合、固定される。ギア449は中心に回転軸447cが挿通可能な貫通孔449cが形成されており、回転体448とギア449は回転軸447cを中心に一体に回転されるようになっている。また、ギア449は回転体448に形成されている球保持部448aと448bの背面側のカバーとしても機能するようになっている。これにより、スペース効率を高めている。
ユニットベース447の下部には、回転体448を回転させる回転駆動源としての回転体用モータ443を収納保持するモータ収納部447dが設けられている。回転体用モータ443の軸の先端には駆動ギア450が固着されており、回転体448の背面に固定されたギア449と噛み合うようになっている。さらに、ユニットベース447における前面側から見て収納凹部447aの右側に隣接する位置には、ギア449と噛み合って回転されるギア451が配される後方に開口したギア配設部447fが形成されている。
ギア配設部447fには後方に向けて延出する回転軸447gが形成されており、ギア451はこの回転軸447gを中心として回転可能に配される。ギア451の前面には、複数のLEDや回転体448の回転位置を検出するための回転体用センサ44aが設けられた基板452が取り付けられている。回転体用センサ44aは、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された光センサであり、回転体448が初期位置にある場合は、ギア配設部447fに形成された後方に延出する検出片447hが発光部と受光部との間に挿入されるようになっている。この回転体用センサ44aからの検出信号は演出制御装置300に入力されるようになっている。なお、回転体448の初期位置とは、球保持部448aが最下部に位置する状態である。
また、ユニットベース447の下部であって、モータ収納部447dに隣接する位置には、回転体448前面の球保持部448a,448b内に見せ球が入っているか否かを検出する球保持センサ43bが配置されている。見せ球はプラスチックなど任意の材料で形成することができるが、見せ球が遊技領域32に発射される遊技球と同様な磁性体である場合には、球保持センサ43bは遊技領域で使用されるのと同様な非接触型の磁気センサで構成することができる。
つまり、本実施形態の可動演出装置44は、回転体448には駆動源(回転体用モータ443)よりギア449を介して動力が伝達されており、ギア449は、回転体448に隣接して配置されることで球保持部448a,448bの開口の一部を塞ぐ壁体を兼用するように構成されている。これにより、球保持部448a,448bに壁を設けなくてよいので、その分部品(回転体448)の構造が簡易になるとともに、球保持部448a,448bに壁を設ける場合に比べて壁の分のスペースを節約できるので、ユニット全体の小型化が可能になる。
揺動部材446は、底壁が見せ球の転動面として機能し、その転動面の前後両側には球転動方向に沿って見せ球の半径よりも高い起立壁としての前壁と後壁が設けられ、全体として樋状に形成されている。この揺動部材446の後壁中央上端には、回転体448の球保持部448aまたは448bが真上に来た時に、球保持部448a,448b内の見せ球を揺動部材446の転動面となる底壁上に落下可能にするためのV字状の切欠き446cが形成されている。この切欠き446cの端面には、前方に向かって下り傾斜するテーパが形成され、球保持部448a,448b内の見せ球を揺動部材446の底壁上へ流下し易くしている。
また、揺動部材446の底壁には、後壁の延長上に下方へ向かって垂下し回転体448の下半分を覆うように半円板状のカバープレート446dが設けられ、該カバープレート446dには枠体445の底壁445b上の見せ球を回転体448前面の球保持部448a,448bへ流入可能にするための逆U字状の切欠き446eが形成されている。従って、カバープレート446dは回転体448前面の球保持部448a,448bへの見せ球の流入を防ぐ開口封鎖部として機能する。
なお、枠体445の底壁445bの後端には、端面に沿って上記カバープレート446dの厚みおよび幅に対応した細長い切欠き445aが形成されており、枠体445の後端面にユニットベース447を接合した時に、カバープレート446dを挿入可能なスリットが形成されるように構成されている。これにより、組立て状態の可動演出装置44において不要な隙間が生じないようになっている。
また、揺動部材446の底壁側部には、後方へ向かって突出する軸446bが形成されている。この軸446bは、ユニットベース447の収納凹部447aの側方に形成された円弧状のガイド孔447bに挿通され、揺動部材用ギア453の前面に形成された接続部453aとリンク部材454を介して接続される。
揺動部材用ギア453は、ユニットベース447の裏面側に後方へ延出するように形成された回動軸を中心として回動可能に配される。ユニットベース447の下部に設けられたモータ収納部447eには、揺動部材446の揺動駆動源としての揺動部材用モータ444が収納保持されており、揺動部材用ギア453は揺動部材用モータ444の回転軸に取り付けられたギア455と噛み合うようになっている。これにより、揺動部材用モータ444を駆動することにより、軸446bが上下に動作され、揺動部材446が揺動するようになる。また、ユニットベース447における揺動部材用ギア453が配される部分の後方にはギアカバー部材456が取り付けられる。なお、揺動部材446が揺動する際に軸446bはガイド孔447bに沿って移動するようになっており、ガイド孔447bと軸446bとによって揺動部材446の回動範囲規制手段が構成されている。
揺動部材用ギア453の側部には、揺動部材446が初期位置にある状態を検出するための検出片453bが形成され、ユニットベース447の側部には、検出片453bを検出可能な揺動部材用センサ44bが設けられている。揺動部材用センサ44bは、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された光センサであり、揺動部材446が初期位置にある場合は検出片453bが発光部と受光部との間に挿入されるようになっている。この揺動部材用センサ44bからの検出信号は演出制御装置300に入力されるようになっている。なお、揺動部材446の初期位置とは、見せ球の転動面をなす底壁が水平な状態である。
つまり、本実施形態の可動演出装置44は、揺動部材446に、球が転動可能な転動面が形成され、該転動面の少なくとも前側には球転動方向に沿って球の半径より高い起立壁が形成されていることとなる。従って、回転体448とは別の駆動源で回動される揺動部材446の転動面上を球が転動するので、回転体448の動きとは異なる球の動きが生じることにより、球の動きに対する遊技者の注意を惹きつけて興趣を高めることができる。また、揺動部材446の転動方向と並行した側面に球の半径より高い起立壁が形成されているため、揺動部材446の転動面上を頻繁に転動する球が可動演出装置44の前面を覆う部材に接触するのを回避して、汚れや傷がつくのを防止することができる。
上記のように構成された可動演出装置44は、枠体445の内側の空間が揺動部材446によって、該揺動部材446とほぼ同一の横幅を有する上空間領域と、該上空間領域よりも左右に球1つ分以上それぞれ広い下空間領域とに分割される。見せ球を上空間領域と下空間領域で転動させることで遊技の演出を行う。
図9には、可動演出装置44の演出動作の一例を示した。可動演出装置44が動作していない状態では、図9(a)に示すように、見せ球Bが球保持部448aまたは448bで保持された第1状態となる。この第1状態では、揺動部材446は転動面が水平な常態位置となっており、カバープレート446dの逆U字状の切欠き446eは最下部に位置している。また、回転体448は、最下部に球保持部448a及び448bが位置しない常態位置となっている。これにより、球保持部448a及び448bは、カバープレート446dの逆U字状の切欠き446eと一致しない状態となっている。
可動演出装置44での演出動作が開始されると、回転体448は、図9(a)に示す第1状態から、図9(b)に示すように球保持部448aまたは448bが上空間領域内における回転軸447cの直上となる位置にある状態まで回転する持ち上げ動作を行う第2状態となる。なお、揺動部材446は常態位置のままとなっている。この第2状態では、球保持部448aまたは448bで保持された見せ球Bは、前方へ移動してV字状の切欠き446cから揺動部材446上の転動面上に流下する。
この後、図9(c)に示すように揺動部材466を小さく左右に揺動する揺動動作を行う第3状態となる。なお、回転体448は常態位置へ戻るように回転する。転動面上の見せ球Bは揺動部材446を揺動することで左右に転動する。このとき、揺動部材446の左右端部と枠体445の内壁面との隙間は見せ球Bの半径以下であり、見せ球Bは下空間領域に落下せずに転動面上で転動する。
次に、図9(d)に示すように、揺動部材446を図9(c)に示す状態よりも大きく左右に揺動する揺動動作を行い、見せ球Bをより激しく転動させる第4状態となる。なお、回転体448は常態位置のままとされる。この第4状態では左右端部と枠体445の内壁面との隙間は見せ球Bの直径未満とであり、見せ球Bは下空間領域に落下せずに転動面上で転動する。
そして、図9(e)に示すように、揺動部材446を図9(d)に示す状態よりも傾け、見せ球Bを揺動部材446の左端または右端まで転動させて、先端に生じた隙間から下空間領域へ移動させる第5状態となる。下空間領域の底部をなす枠体445の底壁445bは中央へ向かって下り傾斜しており、下空間領域へ移動した見せ球Bは底壁445b上を左右に転動しながら中央へ誘導される。
また第5状態では、揺動部材446を大きく傾斜させた後、揺動部材446を第3状態のように小さく揺動させてカバープレート446dの逆U字状の切欠き446eを最下部近傍で左右に揺動させるとともに、回転体448を左右に小さく回転させて球保持部448a及び448bを最下部近傍で左右に揺動させる状態となる。このような動作において、球保持部448aまたは448bとカバープレート446dの逆U字状の切欠き446eとが最下部で一致した状態にならないような動作とすれば、見せ球Bが底壁445bで待機した状態となる。
そして、図9(f)に示すように、球保持部448aまたは448bと、カバープレート446dの逆U字状の切欠き446eとを最下部で一致させた第6状態とし、見せ球Bを球保持部448aまたは448bに流入させる。回転体448と揺動部材446は独立して回動動作が可能であるので、これらの動作態様を制御することにより、見せ球Bが球保持部448aまたは448bに流入するタイミングを制御できる。この後、図9(a)に示す第1状態に戻り、以上の動作によって、枠体445内の見せ球Bは閉ざされた空間内で循環移動することとなる。
つまり、本実施形態の可動演出装置44は、上空間領域の側壁と揺動部材446との間の隙間は球の直径未満とされ、下空間領域の側壁と揺動部材446の端部とは球1つ分以上の間隔とされている。そして、揺動部材446の側端が上空間領域から下空間領域への球の流下部とされ、揺動部材446の転動面上の球は、揺動部材446が所定角度以上回動することにより上空間領域から流下部を通過して下空間領域へ移動可能である。従って、上転動面にある球は揺動部材446が所定角度以上回動しなければ下空間領域には移動しないので、演出を実行したいときだけ所望のタイミングで下空間領域へ球を流下させることができ、演出に合わせた球の移動制御を容易かつ確実に行うことができる。また、下空間領域から上空間領域へ球が逆流するのを防止できるとともに、揺動部材446の転動面上へ放出した球を比較的長い時間上空間領域に待機させておくことができる。
本実施形態の遊技機は、可動演出装置44を制御して見せ球の転動態様を制御することにより、実行中の特図変動表示ゲームの結果関連情報(例えば大当りか否か、リーチ状態となるか否か等)の報知が可能である。また、特定期間においては特定の始動記憶(例えば大当りとなる始動記憶)に対応した結果関連情報の報知を、複数の特図変動表示ゲームに亘り行う連続的な演出(連続予告演出)を実行可能となっている。この連続的な演出の詳細については後述する。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図10及び図11に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図12に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図10に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図11のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図11のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図11のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器8)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)、を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図12に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図12のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当り又は小当りであれば、大当りの種類や小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りや小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当り又は小当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当り又は小当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図14に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図15に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA214)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA215)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA216)、コマンド設定処理(ステップA217)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA218)を行い、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA220)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。さらに、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブする(ステップA222、A223、A224)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。ここで、遊技制御装置100(RAM111C))は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶(特図変動表示ゲームの実行権利)として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶可能な第1始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置100が、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶可能な第2始動記憶手段をなす。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA210)、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA211;No)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA211にて、始動口1スイッチ36aの入力であると判定された場合(ステップA211;Yes)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA225)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図16に示すように、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェック(ステップS231)を行い、満たしていない場合(ステップS232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップS232;Yes)は、以下の先読み演出に関する処理を行う。
ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力である場合は、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)である場合と、大当り(特別遊技状態)中である場合と、を除く場合に先読み演出を実行してよい条件を満たすこととなる。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップS232;Yes)に行われる先読み演出に関する処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA233)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA236)を行う。その後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA237)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得して設定する処理(ステップA238)を行い、設定した情報テーブルから図柄情報を取得する処理(ステップA240)を行う。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)は、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA239)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得する処理(ステップA240)を行う。
設定した情報テーブルから図柄情報を取得する処理(ステップA240)を行った後、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA241)。そして、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA242)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA243)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA244)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(ステップA245)。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA246)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA247)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA248)を行う。なお、ステップA246における特図情報設定処理、ステップA247における後半変動パターン設定処理、ステップA248における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
そして、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA249)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA250)、コマンド設定処理(ステップA251)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA252)、コマンド設定処理(ステップA253)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA249、A250にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA253にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する(特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図17に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図18に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA320)を行う。その後、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、設定された特図1停止図柄の特図1停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)を図柄情報領域からロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA327)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。
その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA332)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図19に示すように、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA340)を行う。その後、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行った後、設定された特図2停止図柄の特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA343)。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)を図柄情報領域からロードした後(ステップA344)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA345)。
次に、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA346)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA347)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA348)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA349)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA350)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA351)を行う。
その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA352)を行って、特図2変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA352)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図2保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段による判定結果に基づき変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの開始時に当該変動表示ゲームの停止結果態様を設定する停止結果設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの変動時間を特定可能な変動態様を決定する変動態様決定手段をなす。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図20に示すように、特図変動中処理では、まず、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン情報)が、はずれ図柄パターンであるかをチェックする(ステップA521)。
そして、図柄情報がはずれ図柄である場合(ステップA522;Yes)は、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする(ステップA523)。後半変動番号がリーチなしの番号である場合(ステップA524;Yes)は、はずれ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA525)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。また、後半変動番号がリーチなしの番号でない場合(ステップA524;No)、すなわちリーチありの場合は、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態となる場合であるはずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA526)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
一方、図柄情報がはずれ図柄でない場合(ステップA522;Yes)、すなわち大当り又は小当りである場合は、大当り時/小当り時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA527)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行った後、特図停止時間ポインタに対応する停止時間を取得する処理(ステップA529)を行う。この処理では、ステップA525にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタ、ステップA526にて設定されたリーチはずれ時の特図停止時間ポインタ、ステップA527にて設定された大当り時又は小当り時の特図停止時間ポインタの何れかに対応する停止時間を取得する。
そして、取得した特図表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA530)、図柄停止コマンドを準備して(ステップA531)、コマンド設定処理(ステップA532)を行う。その後、特図表示中処理移行設定処理(ステップA533)を行って、特図変動中処理を終了する。特図表示中処理移行設定処理(ステップA533)では、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図21に示すように、特図表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA542)。次に、特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1をロードして(ステップA543)、RWMの小当りフラグ1領域をクリアする(ステップA544)。
その後、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA554)を行う。次に、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA555)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA556)を行う。
一方、ステップA548にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA549)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA551)、大当りである(ステップA552;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA553)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA556)を行う。
そして、上述したステップA553における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA555における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA556)を行う。次に、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA557)。続けて、ラウンド数上限値情報対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA558)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA559)、コマンド設定処理(ステップA560)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA561)、コマンド設定処理(ステップA562)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA563)、コマンド設定処理(ステップA564)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA565)、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA566)。その後、大入賞口開放情報に対応するファンファーレ時間を設定し(ステップA567)、ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA568)。そして、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA569)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA570)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA571)を行い、特図表示中処理を終了する。この処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時短変動回数や特図変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA552にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA552;No)と判定すると、図22に示すように、小当りフラグ1をチェックし(ステップA572)、小当りでない場合(ステップS573;No)は、小当りフラグ2をチェックする。そして、小当りでない場合(ステップS575;No)、すなわち、はずれである場合は、変動回数更新処理(ステップA585)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA586)を行い、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA586)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、小当りフラグ1をチェックした結果、小当りである場合(ステップS573;Yes)又は小当りフラグ2をチェックした結果、小当りである場合(ステップS575;Yes)は、変動回数更新処理(ステップA576)を行う。そして、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA577)、コマンド設定処理を行う(ステップA578)。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA579)、コマンド設定処理(ステップA580)を行う。そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA581)を行い、特図表示中処理を終了する。
〔変動回数更新処理〕
図23には、上述の特図表示中処理における変動回数更新処理(ステップA576、A585)を示した。この変動回数更新処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態を明確に報知しない非報知状態とされる期間であるかを判定する(ステップA591)。
この非報知状態とされる期間でない場合(ステップA591;No)は、可動演出装置44による連続予告演出が可能な特定期間であるかを判定する(ステップA595)。また、非報知状態とされる期間である場合(ステップA591;Yes)は、特図変動表示ゲームの確率状態を明確に報知しない非報知状態とされる期間(所定の特図変動表示ゲームを実行する期間)を管理するための特図変動回数を−1更新し(ステップA592)、特図変動回数が0であるかを判定する(ステップA593)。なお、特図変動回数は、後述するように所定の特別結果態様(2R確変B又は2R通常B)の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、非報知状態となる特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは50)が初期値として設定される。
特図変動回数が0でない場合(ステップA593;No)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも非報知状態が継続する場合は、特定期間であるかを判定する(ステップA595)。また、特図変動回数が0である場合(ステップA593;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで非報知状態が終了する場合は、特図変動回数領域をリセットし(ステップA594)、特定期間であるかを判定する(ステップA595)。これにより確率状態が明確に報知される状態となる。
特定期間でない場合(ステップA595;No)は、時短時であるか、すなわち普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるかを判定する(ステップA599)。また、特定期間である場合(ステップA595;Yes)は、可動演出装置44による連続予告演出が可能な特定期間(所定の特図変動表示ゲームを実行する期間)を管理するための特定期間変動回数を−1更新し(ステップA596)、特定期間変動回数が0であるかを判定する(ステップA597)。なお、特定期間変動回数は、後述するように所定の特別結果態様(2R確変A、2R確変B、2R通常A又は2R通常B)の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、特定期間となる特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは20又は50)が初期値として設定される。
特定期間変動回数が0でない場合(ステップA597;No)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも特定期間が継続する場合は、時短時であるかを判定する(ステップA599)。また、特定期間変動回数が0である場合(ステップA597;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで特定期間が終了する場合は、特定期間変動回数領域をリセットし(ステップA598)、時短時であるかを判定する(ステップA599)。これにより特定期間が終了する。
そして、時短時でない場合(ステップA599;No)は、変動回数更新処理を終了する。また、時短時である場合(ステップA599;Yes)は、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための時短変動回数を−1更新し(ステップA600)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップA601)。なお、時短変動回数は、後述するように所定の特別結果態様(15R通常又は2R通常A)の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは100)が初期値として設定される。
時短回数が0でない場合(ステップA601;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態のままとする場合は、変動回数更新処理を終了する。また、時短回数が0である場合(ステップA601;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする期間が終了する場合は、時短終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA602)、コマンド設定処理(ステップA603)を行う。
その後、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA604)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA605)。さらに、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA606)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA607)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブして(ステップA608)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA609)、変動回数更新処理を終了する。これらの処理により、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作が終了し、普通変動入賞装置37が通常動作状態となり、特図変動表示ゲームの実行態様が、通常動作状態(普電サポートなし)における実行態様となる。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図24に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき設定される確率変動判定フラグをロードし(ステップA611)、確率判定フラグによる分岐処理(ステップA612)を行う。
確率変動判定フラグが0である場合は大当り終了設定処理1(ステップA613)を行う。この場合は特別結果態様が15R確変(図柄)であった場合である。確率変動判定フラグが1である場合は大当り終了設定処理2(ステップA614)を行う。この場合は特別結果態様が15R通常(図柄)であった場合である。確率変動判定フラグが2である場合は大当り終了設定処理3(ステップA615)を行う。この場合は特別結果態様が2R確変A(図柄)であった場合である。
また、確率変動判定フラグが3である場合は大当り終了設定処理4(ステップA616)を行う。この場合は特別結果態様が2R通常A(図柄)であった場合である。確率変動判定フラグが4である場合は大当り終了設定処理5(ステップA617)を行う。この場合は特別結果態様が2R確変B(図柄)であった場合である。確率変動判定フラグが5である場合は大当り終了設定処理6(ステップA618)を行う。この場合は特別結果態様が2R通常B(図柄)であった場合である。
大当り終了設定処理1から6の何れかを行った後、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA619)、コマンド設定処理(ステップA620)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA621)、大当り終了処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2(ステップA621)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。なお、小当りであった場合は、特図普段処理移行設定処理2(ステップA621)のみを行う。
〔大当り終了設定処理1〕
図25には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA613)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA631)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA633)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA634)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、時短フラグをセーブする(ステップA635)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA636)、時短変動回数領域をリセットして(ステップA637)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、確率状態が高確率状態となるとともに普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。また、確率状態が明確に報知される状態となり、特定期間にはならない。なお、時短変動回数領域をリセットすることで、上述の変動回数更新処理(図23参照)における時短変動回数が0であるか否かの判定(ステップA601)では、常に時短変動回数が0でない(ステップA601;No)と判定される。これにより、次の特別結果態様の導出まで普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図26には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA614)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA641)、時短時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA642)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA643)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA644)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率、時短フラグをセーブする(ステップA645)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA646)、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(ここでは100)をセーブして(ステップA647)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、確率状態が通常確率状態となるとともに普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。また、確率状態が明確に報知される状態となり、特定期間にはならない。なお、時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブすることで、所定回数(ここでは100)の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。
〔大当り終了設定処理3〕
図27には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理3(ステップA615)を示した。この大当り終了設定処理3では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA651)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA652)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA653)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA654)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、時短フラグをセーブする(ステップA655)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA656)、時短変動回数領域をリセットする(ステップA657)。そして、特定期間変動回数領域に特定期間変動回数初期値(ここでは20)をセーブして(ステップA658)、大当り終了設定処理3を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、確率状態が高確率状態となるとともに普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。また、確率状態が明確に報知される状態となるとともに、特定期間となる。なお、特定期間変動回数領域に特定期間変動回数初期値をセーブすることで、所定回数(ここでは20)の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間となる。
〔大当り終了設定処理4〕
図28には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理4(ステップA616)を示した。この大当り終了設定処理4では、まず、時短時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA661)、時短時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA662)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA663)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA664)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率、時短フラグをセーブする(ステップA665)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA666)、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(ここでは100)をセーブする(ステップA667)。そして、特定期間変動回数領域に特定期間変動回数初期値(ここでは20)をセーブして(ステップA668)大当り終了設定処理4を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、確率状態が通常確率状態となるとともに100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。また、確率状態が明確に報知される状態となるとともに20回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間となる。
〔大当り終了設定処理5〕
図29には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理5(ステップA617)を示した。この大当り終了設定処理5では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA671)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA672)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA673)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA674)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率フラグをセーブする(ステップA675)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏高確率)をセーブし(ステップA676)、特図変動回数領域に特図変動回数初期値(ここでは50)をセーブする(ステップA677)。そして、特定期間変動回数領域に特定期間変動回数初期値(ここでは50)をセーブして(ステップA678)、大当り終了設定処理5を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、確率状態が高確率状態となるとともに普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態となる。また、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態が明確に報知されない状態となる。さらに、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間となる。
〔大当り終了設定処理6〕
図30には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理6(ステップA618)を示した。この大当り終了設定処理6では、まず、通常時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA681)、通常時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA682)。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA683)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA684)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率をセーブする(ステップA685)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏低確率)をセーブし(ステップA686)、特図変動回数領域に特図変動回数初期値(ここでは50)をセーブする(ステップA687)。そして、特定期間変動回数領域に特定期間変動回数初期値(ここでは50)をセーブして(ステップA688)、大当り終了設定処理6を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、確率状態が通常確率状態となるとともに普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態となる。また、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態が明確に報知されない状態となる。さらに、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間となる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率の状態である確率状態として通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘り、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間を延長する開状態延長制御手段をなす。さらに、遊技制御装置100が、当該遊技機における確率状態の報知状態を制御する報知状態制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘って特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図31に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図32に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
図33には、図32に示した2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB41)を示した。この通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB52)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB52)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB53)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB54)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB55)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB56)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、通常ゲーム処理を終了する。すなわち、表示装置41が始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段をなし、演出制御装置300が、始動記憶表示手段の表示態様を制御する始動記憶表示制御手段をなす。
〔1stシーン制御処理〕
図34には、図31に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。この図柄停止処理(ステップB72)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態や小特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態や小特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB79)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行う。
〔変動中処理〕
図35には、図34に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB91)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB92)、可動体リクエストセット処理(ステップB93)を行う。次に、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB94)を行い、乱数シード初期化処理(ステップB95)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB96)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、普通変動入賞装置37を時短動作状態とする回数等を管理する変動回数管理処理(ステップB97)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を更新タイマに設定する変動時間設定処理(ステップB98)を行う。そして、可動演出装置44の動作についての情報を設定する可動体情報設定処理(ステップB99)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB100)変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB91;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB101)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB101;No)は、変動中処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB101;Yes)は、次シーンデータの設定を行い(ステップB102)、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
〔変動パターン情報設定処理〕
図36には、図35に示す変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB94)を示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB111)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB112)。次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB113)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB114)。演出情報とは先読み情報に基づく連続的な演出(連続予告演出)を実行する際に、当該連続的な演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
その後、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB115)、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定して(ステップB116)、変動パターン情報設定処理を終了する。この処理により飾り特図変動表示ゲームの変動パターンが決定される。
なお、演出情報に連続的な演出の対象となる旨の情報がある場合は連続的な演出が可能な変動パターンが設定されるとともに、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する処理(ステップB96)で、可動演出装置44の動作に関する情報である可動体情報が設定される。
〔変動回数管理処理〕
図37には、図35に示す変動中処理における変動回数管理処理(ステップB97)を示した。この変動回数管理処理では、まず、可動演出装置44による連続予告演出が可能な特定期間である場合に設定される特定期間フラグがあるか否かの判定(ステップB141)を行う。そして、特定期間フラグがない場合(ステップB141;No)は、非報知状態フラグがあるか否かの判定(ステップB146)を行う。
また、特定期間フラグがある場合(ステップB141;Yes)は、特定期間(所定の特図変動表示ゲームを実行する期間)を演出制御装置300で管理するための特定期間回数を−1更新する(ステップB142)。なお、特定期間フラグは所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に設定され、特定期間回数は所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、特定期間となる特図変動表示ゲームの実行回数(20又は50)が初期値として設定される。
次に、特定期間回数が0であるかを判定し(ステップB143)、特定期間回数が0である場合(ステップB143;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで特定期間が終了する場合は、特定期間フラグをクリアし(ステップB144)、非報知状態フラグがあるか否かの判定(ステップB146)を行う。また、特定期間回数が0でない場合(ステップB143;No)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも特定期間が継続する場合は、−1更新した値を特定期間回数カウンタにセットし(ステップB145)、非報知状態フラグがあるか否かの判定(ステップB146)を行う。
非報知状態フラグは、確率状態を明確に報知しない非報知状態である場合に設定されるフラグである。この非報知状態フラグがない場合(ステップB146;No)は、時短フラグがあるか否かの判定(ステップB151)を行う。また、非報知状態フラグがある場合(ステップB146;Yes)は、特図変動表示ゲームの確率状態を明確に報知しない非報知状態とされる期間(所定の特図変動表示ゲームを実行する期間)を演出制御装置300で管理するための特図回数を−1更新する(ステップB147)。なお、非報知状態フラグは所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に設定され、特図回数は所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に、非報知状態となる特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは50)が初期値として設定される。
次に、特図回数が0であるかを判定し(ステップB148)、特図回数が0である場合(ステップB148;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで非報知状態が終了する場合は、非報知状態フラグをクリアし(ステップB149)、時短フラグがあるか否かの判定(ステップB151)を行う。また、特図回数が0でない場合(ステップB149;No)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも非報知状態が継続する場合は、−1更新した値を特図回数カウンタにセットし(ステップB150)、時短フラグがあるか否かの判定(ステップB151)を行う。
時短フラグは、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合に設定されるフラグである。この時短フラグがない場合(ステップB151;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、時短フラグがある場合(ステップB151;Yes)は、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を演出制御装置300で管理するための時短回数を−1更新し(ステップB152)、時短回数が0であるかを判定する(ステップB153)。なお、時短フラグは所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に設定され、時短回数は、特別遊技状態の終了時に、当該特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは100又は次回当りまで)に応じた初期値(ここでは100又は0)が設定される。
時短回数が0でない場合(ステップB153;No)、すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態のまま継続する場合は、−1更新した値を時短回数カウンタにセットして(ステップB155)、変動回数管理処理を終了する。また、時短回数が0である場合(ステップB153;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする状態が終了する場合は、時短フラグをクリアして(ステップB154)変動回数管理処理を終了する。
〔ファンファーレ処理〕
図38には、図34に示す1stシーン制御処理におけるファンファーレ処理(ステップB73)を示した。このファンファーレ処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB171)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB171;Yes)は、大当り中停電復旧データをクリアし(ステップB172)、ゲームモード状態を保持する(ステップB173)。
次に、大当り図柄の設定を行い(ステップB174)、大当りに関する情報を設定し(ステップB175)、大当り継続回数(ラウンド数)を更新する(ステップB176)。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB177)、ファンファーレ処理を終了する。
大当り継続回数は、普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態である期間において大当りが発生した場合に1がセットされ、その後、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である期間において大当りが発生した場合に+1される。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB171;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB178)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の開始時のファンファーレ時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはファンファーレ時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB178;No)は、ファンファーレ処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB178;Yes)は、ファンファーレ終了を設定し(ステップB179)、ファンファーレ処理を終了する。なお、小当りであった場合は小当りについて同様の処理を行うが、大当り継続回数の更新は行わない。
〔エンディング処理〕
図39には、図34に示す1stシーン制御処理におけるエンディング処理(ステップB76)を示した。このエンディング処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB191)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB191;Yes)は、大当りに関する情報を取得する(ステップB192)。その後、今回の特別遊技状態を実行する契機となった大当りが、時短状態を発生する大当りであるかを判定する(ステップB193)。
そして、時短状態を発生する大当りである場合(ステップB193;Yes)、すなわち、15R確変、15R通常、2R確変A又は2R通常Aであった場合は、時短フラグをセットする(ステップB194)。次に、時短回数をセットする(ステップB195)。このとき、特別結果態様の種類によりセットする時短回数を選択する。すなわち、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする15R通常、2R通常Aであった場合は100をセットする。また、次回の特別結果態様の導出まで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする15R確変、2R確変Aであった場合は、0をセットする。その後、今回の特別遊技状態を実行する契機となった大当りが、非報知状態を発生する大当りであるかを判定する(ステップB196)。一方、時短状態を発生する大当りでない場合(ステップB193;No)、すなわち、2R確変B又は2R通常Bであった場合は、今回の特別遊技状態を実行する契機となった大当りが、非報知状態を発生する大当りであるかを判定する(ステップB196)。
そして、非報知状態を発生する大当りである場合(ステップB196;Yes)、すなわち、2R確変B又は2R通常Bであった場合は、非報知状態フラグをセットする(ステップB197)。次に、特図回数をセットする(ステップB198)。非報知状態とする特図変動表示ゲームの回数は50回であるので、ここでは特図回数として50をセットする。その後、今回の特別遊技状態を実行する契機となった大当りが、特定期間を発生する大当りであるかを判定する(ステップB199)。一方、非報知状態を発生する大当りでない場合(ステップB196;No)、すなわち、15R確変、15R通常、2R確変A又は2R通常Aであった場合は、今回の特別遊技状態を実行する契機となった大当りが、特定期間を発生する大当りであるかを判定する(ステップB199)。
この処理により、演出制御装置300においても非報知状態である旨の情報が設定され、特別遊技状態の終了後、所定回数(ここでは50回)の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態を明確に報知しない非報知状態が設定される。すなわち、演出制御装置300が、遊技機における確率状態の報知状態を制御する報知状態制御手段をなす。
そして、特定期間を発生する大当りである場合(ステップB199;Yes)、すなわち、2R確変A、2R確変B、2R通常A又は2R通常Bであった場合は、特定期間フラグをセットする(ステップB200)。次に、特定期間回数をセットする(ステップB201)。このとき、特別結果態様の種類によりセットする特定期間回数を選択する。すなわち、20回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間とする2R確変A、2R通常Aであった場合は20をセットする。また、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間とする2R確変B、2R通常Bであった場合は50をセットする。その後、対応する変動パターンテーブルをセットし(ステップB202)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB203)、エンディング処理を終了する。一方、特定期間を発生する大当りでない場合(ステップB199;No)、すなわち、15R確変又は15R通常であった場合は、対応する変動パターンテーブルをセットし(ステップB202)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB203)、エンディング処理を終了する。
この処理により、演出制御装置300においても特定期間である旨の情報が設定され、特別遊技状態の終了後、所定回数(ここでは20回又は50回)の特図変動表示ゲームを実行するまで特定期間とされる。なお、小当りであった場合は、時短フラグ、時短回数、特図回数計数フラグ及び特図回数については、小当り発生前の状態を維持するようにする。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB191;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB204)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の終了時のエンディング時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはエンディング時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB204;No)は、エンディング処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB204;Yes)は、エンディング終了を設定し(ステップB205)、エンディング処理を終了する。
〔先読みコマンド受信処理〕
図40には、図34に示す1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB79)を示した。この先読みコマンド受信処理では、まず、遊技制御装置100から先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB211)、先読みコマンドを受信していない場合(ステップB211;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、先読みコマンドを受信した場合(ステップB211;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブする(ステップB212)。
次に、連続予告演出の実行中かをチェックし(ステップB213)、連続予告演出の実行中である場合(ステップB214;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、連続予告演出の実行中でない場合(ステップB214;No)は、始動記憶領域の情報を取得し(ステップB215)、連続予告演出の実行が可能であるかを判定する(ステップB216)。
連続予告演出の実行が可能であるかの判定では、遊技制御装置100から送信された先読み結果から各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンを取得し、連続予告演出の実行が可能な状態であるかを判定する。なお、詳細については後述する。連続予告演出の実行が可能でない場合(ステップB216;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、連続予告演出の実行が可能である場合(ステップB216;Yes)は、対象となる始動記憶領域に連続予告演出対象フラグをセットし(ステップB217)、対応する始動記憶領域に連続予告演出情報を設定する(ステップB218)。その後、連続予告演出を実行する特図変動表示ゲームの前半変動時間を算出して加算し、総演出時間に設定して(ステップB219)、先読みコマンド受信処理を終了する。
すなわち、演出制御装置300が、判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行することを決定する連続演出決定手段をなす。また、演出制御装置300が、可動演出装置44を演出動作させる演出時間を設定する演出時間設定手段(演出制御装置300)をなす。また、演出制御装置300が、変動表示ゲームにおける所定期間内に、所定条件を満たす始動記憶が始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されることに基づいて特定の報知を行う報知制御手段をなす。また、演出制御装置300が、所定条件を満たす始動記憶に基づく変動表示ゲームに亘る複数の変動表示ゲームで連続的な演出を実行する連続演出制御手段をなす。
ここで、連続予告演出が実行可能な状態について説明する。まず、特図変動表示ゲームの変動パターンについて説明する。図41には、特図変動表示ゲームの変動パターンを決定するために、遊技状態に応じて選択される変動パターンテーブルの一部を示した。図41(a)、(b)には、普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態(普電サポートなし)である場合であって、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの内容を示した。なお、図41(a)は始動記憶数(保留数)が2個以下である場合に用いられる変動パターンテーブルの内容であり、図41(b)は始動記憶数(保留数)が3個以上である場合に用いられる変動パターンテーブルの内容である。
変動パターンは、まず変動パターン乱数1の値によりリーチ状態の有無や種類が選択され、次に変動パターン乱数2の値により変動時間が選択されるようになっており、変動パターン乱数が同じであっても始動記憶数が多い場合は、変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなるように設定されている。
図41(c)、(d)には、確率状態が高確率状態である場合であって、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの内容を示した。この場合、変動パターンはリーチ状態が発生しない変動パターンのみが選択される。なお、確率状態が高確率状態である場合であって、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための変動パターンテーブルでは、リーチ状態が発生する変動パターンのみが選択されるようになっており、高確率状態ではリーチ状態が発生すれば大当りとなるようになっている。
図41(e)、(f)には、可動演出装置44による連続予告演出が可能な特定期間であって、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための変動パターンテーブルの内容を示した。選択可能な変動パターンは図41(a)、(b)と同様である。このうち、図41(e)では変動時間が12秒の変動パターンの選択割合が図41(a)に示す場合よりも高くされている。また、図41(f)では変動時間が8秒の変動パターンの選択割合が図41(b)に示す場合よりも高くされている。
図40に示した先読みコマンド受信処理において、連続予告演出が実行可能な状態と判定される場合(ステップB216;Yes)は、次の4つの条件を満たす場合である。第1の条件は特定期間であることである。第2の条件は、連続予告演出の対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンが、Nリーチかつ変動時間15秒又は11秒の変動パターン、SP1リーチの変動パターン、SP2リーチの変動パターンである場合である。第3の条件は、連続予告演出の対象となる始動記憶より先に消化される始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンが、図41(e)でのリーチなしかつ変動時間12秒の変動パターン又は図41(f)でのリーチなしかつ変動時間8秒の変動パターンである場合である。第4の条件は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンが始動記憶数の変化によりリーチの有無やリーチの種類が変化しない場合である。すなわち、変動パターン乱数1の判定結果が始動記憶数の変化により変化しない場合である。
図41に示した変動時間は、識別情報の変動表示の開始から停止までの全変動時間である。このうち、リーチ状態となる変動パターンの変動時間は、変動開始からリーチ状態となるまでの前半変動時間と、リーチ状態となって変動停止するまでの後半変動時間とから構成される。なお、リーチ状態とならない変動パターンの変動時間は前半変動時間のみである。そして、連続予告演出は前半変動時間において実行される。
連続予告演出の対象となる始動記憶の変動パターンのうち、Nリーチかつ変動時間15秒の変動パターン、SP1リーチの変動パターン、SP2リーチの変動パターンにおける前半変動時間は12秒であり、Nリーチかつ変動時間11秒の変動パターンにおける前半変動時間は8秒である。すなわち、連続予告演出を実行する特図変動表示ゲームの前半変動時間は12秒又は8秒であり、連続予告演出の演出時間は12秒又は8秒となる。よって、連続予告演出では演出時間が12秒のパターンと8秒のパターンが用意され、状況によって何れかが選択されるようになっている。
また、始動記憶が発生した際に当該始動記憶について行われる先読み処理では、当該先読み処理を行う際の始動記憶数で用いられる変動パターンテーブルにより変動パターンを判定するようになっている。このため、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する際の始動記憶数によっては、先読み処理時とは異なる変動パターンテーブルが用いられ、先読み処理時とは変動時間が異なる場合がある。
このため、特定期間で用いられる図41(e)、(f)に示す変動パターンテーブルでは、変動パターン乱数2の値により選択される変動時間の選択割合の比率が同じ比率とされ、図41(e)で一の変動時間となる範囲の変動パターン乱数2は、図41(f)においても一の変動時間の範囲となるようにされている。よって、上述の第4の条件を満たす場合であれば、変動パターン乱数1がNリーチを選択する値で変動パターン乱数2が変動時間15秒を選択する値であった場合、Nリーチかつ変動時間11秒の変動パターンに変更される以外の可能性はない。また、変動パターン乱数1がリーチなしを選択する値で変動パターン乱数2が変動時間12秒を選択する値であった場合、リーチなしかつ変動時間8秒の変動パターンに変更される以外の可能性はない。すなわち、連続予告演出の演出時間として、12秒と8秒の何れかを必ず確保できるようにされている。
また、先読みコマンド受信処理での総演出時間を設定する処理(ステップB219)で設定される総演出時間は、始動記憶数が増加しない場合を想定して設定される。例えば、4つ目の始動記憶としてSPリーチ1となる始動記憶が発生し、当該始動記憶を対象に連続予告演出の実行が決定された場合は、1回目、2回目の演出時間を8秒とし、3回目、4回目の演出時間を12秒として、総演出時間を40秒とする。連続予告演出の実行中に新たな始動記憶が発生して演出時間が変更される場合は、その都度総演出時間も変更されるとともに可動演出装置44の動作パターンが変更される。
〔可動体情報設定処理〕
図42には、図35に示す変動中処理における可動体情報設定処理(ステップB99)を示した。この可動体情報設定処理では、まず、可動体情報があるかを判定する(ステップB221)。可動体情報は可動演出装置44の動作に関する情報で、連続予告演出の対象となる特図変動表示ゲームである場合に、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する処理(ステップB96)で設定される。この可動体情報がない場合(ステップB221;No)は、可動体情報設定処理を終了する。また、可動体情報がある場合(ステップB221;Yes)は、設定されている総演出時間を取得する(ステップB222)。
その後、連続予告演出の対象となる変動時間の合計変動時間を算出し(ステップB223)、総演出時間と合計変動時間とを比較する(ステップB224)。総演出時間は、連続予告演出を実行する時間の総計であって、先読みコマンド受信処理において連続予告演出の開始を決定した際に設定される。また、合計変動時間は一連の連続予告演出の対象となる特図変動表示ゲームについての前半変動時間を合計したものである。この合計変動時間の算出において一連の連続予告演出を実行する特図変動表示ゲームのうち、すでに実行済みの特図変動表示ゲームについてはその前半変動時間を加算対象とする。また、今回開始される特図変動表示ゲームについては、変動パターン情報設定処理で設定された変動パターンに基づく前半変動時間を加算対象とする。さらに、これから実行する特図変動表示ゲームについては連続予告演出の開始を決定した際に、始動記憶数が増加しない場合を想定して取得された変動パターンの前半変動時間を加算対象とする。
そして、総演出時間と合計変動時間が等しい場合(ステップB225;Yes)は、対応する動作パターンを設定し(ステップB229)、可動体情報設定処理を終了する。また、総演出時間と合計変動時間が等しくない場合(ステップB225;No)は、総演出時間と合計変動時間の差分を算出し(ステップB226)、算出した差分をもとに調整した動作パターンを設定する(ステップB227)。その後、調整した動作パターンをもとに新たな総演出時間を設定して(ステップB228)可動体情報設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、可動演出装置44の制御を行う演出制御手段をなす。また、演出制御装置300が、演出時間と連続的な演出を実行する変動表示ゲームの変動時間とを比較し、比較結果に基づいて演出時間を調整制御可能な演出時間調整制御手段をなす。
図43には、対応する動作パターンを設定する処理(ステップB229)又は算出した差分をもとに調整した動作パターンを設定する処理(ステップB227)で設定される回転体448と揺動部材446の動作パターンと動作状態を示した。
図43(a)には揺動部材446の動作状態の種類を示した。揺動動作状態Aは図9(a)のように転動面が水平な常態位置で停止した待機状態である。揺動動作状態Bは図9(c)のように小さく揺動動作をする状態である。揺動動作状態Cは図9(d)のように大きく揺動動作をする状態である。揺動動作状態Dは図9(e)のように遊技球を下空間領域へ流下させるように大きく傾斜させる動作をする状態である。揺動動作状態Eは図9(a)の常態位置に戻る動作をする状態である。
図43(b)には回転体448の動作状態の種類を示した。回転動作状態aは、図9(a)のように最下部に球保持部448a及び448bが位置しない常態位置から、図9(b)のように上空間領域内における回転軸447cの直上となる位置にある状態まで回転する持ち上げ動作を行う状態である。回転動作状態bは、図9(a)のように最下部に球保持部448a及び448bが位置しない常態位置を保持する状態である。回転動作状態cは、回転体448を左右に小さく回転させて球保持部448a及び448bを最下部近傍で左右に揺動させる状態である。回転動作状態dは、図9(f)のように最下部に球保持部448a又は448bが位置する状態である。回転動作状態eは、図9(a)の常態位置に戻る動作をする状態である。
このような揺動部材446と回転体448の動作状態を組み合わせることで可動演出装置44における演出を制御することができる。例えば、図9(a)に示す第1状態は揺動動作状態Aと回転動作状態bを組み合わせた状態である。図9(b)に示す第2状態は揺動動作状態Aと回転動作状態aを組み合わせた状態である。図9(c)に示す第3状態は揺動動作状態Bと回転動作状態bを組み合わせた状態である。図9(d)に示す第4状態は揺動動作状態Cと回転動作状態bを組み合わせた状態である。図9(e)に示す第5状態は揺動動作状態Dと回転動作状態cとを組み合わせた状態である。図9(f)に示す第6状態は揺動動作状態Aと回転動作状態dを組み合わせた状態である。
図43(c)には、揺動部材446の一連の動作を設定した複数の揺動動作パターンを示し、図43(d)には、回転体448の一連の動作を設定した複数の回転動作パターンを示した。これらの動作パターンからそれぞれ適切なものが選択されることで、可動演出装置44の一連の動作が設定されるようになっている。
特図変動表示ゲームにおける演出動作は、初期の動作である第1演出サイクル動作、中期の動作である第2演出サイクル動作、終期の動作である第3演出サイクル動作の3つのブロックから構成される。そして、各ブロックにおける揺動部材446と回転体448の動作状態の組み合わせにより種々の演出態様を実現可能となっている。なお、上述したように、可動演出装置44を用いた連続予告演出を実行する際の変動時間には8秒と12秒があり、12秒の場合は4秒の第1演出サイクル動作、4秒の第2演出サイクル動作、4秒の第3演出サイクル動作を行う。また、8秒の場合は、第2演出サイクル動作をカットし、第1演出サイクル動作、第3演出サイクル動作を行う。
連続予告演出の最終回でない場合であって演出時間が12秒である場合は、揺動動作パターン1と、回転動作パターン1又は3が選択される。この場合、第1演出サイクル動作では、まず揺動動作状態Aとするとともに回転体448を回転動作状態aとして、揺動部材446上に見せ球を受け入れる。そして、揺動動作状態Bとするとともに回転動作状態eの後に回転動作状態bとして揺動部材446上で見せ球を転動させる。
次に、第2演出サイクル動作では、揺動動作状態Cとして見せ球を激しく転動させ、第3サイクル動作では、揺動動作状態Eを経て揺動動作状態Aとして揺動部材上で遊技球を保持する。また第3サイクル動作では、回転体448を回転動作状態cもしくはdとするが、見せ球は下空間領域に流下しないため球保持部448a又は448bに見せ球が流入することはない。
連続予告演出の最終回でない場合であって演出時間が8秒である場合は、揺動動作パターン2と、回転動作パターン2又は4が選択される。この場合、連続予告演出の最終回でない場合であって演出時間が12秒である場合から第2演出サイクル動作がカットされた動作となる。
連続予告演出の最終回であって演出時間が12秒である場合は、揺動動作パターン3が選択されるとともに報知内容によって回転動作パターン1又は3が選択される。回転動作パターン1が選択される場合はリーチ状態とならない場合であり、回転動作パターン3が選択される場合はリーチ状態となる場合である。
この場合、第1演出サイクル動作及び第2演出サイクル動作は連続予告演出の最終回でない場合であって演出時間が12秒である場合と同じである。そして、第3演出サイクル動作において揺動部材446は、揺動動作状態Dとして見せ球を下空間領域に流下させ、揺動動作状態Eを経て揺動動作状態Aとなる。
回転動作パターン1が選択された場合、第3演出サイクル動作において回転体448は回転動作態様cとされるので、下空間領域に流下した見せ球は球保持部448a又は448bに流入せず、リーチ状態とならないことが報知される。下空間領域の見せ球は特図変動表示ゲームの終了後、回転動作状態eを経て回転動作状態aとすることで球保持部448a又は448bで回収される。一方、回転動作パターン3が選択された場合、第3演出サイクル動作において回転体448は回転動作態様dとされるので、下空間領域に流下した見せ球は球保持部448a又は448bに流入し、リーチ状態となることが報知される。
連続予告演出の最終回であって演出時間が8秒である場合は、揺動動作パターン4が選択されるとともに報知内容によって回転動作パターン2又は4が選択される。回転動作パターン2が選択される場合はリーチ状態とならない場合であり、回転動作パターン4が選択される場合はリーチ状態となる場合である。この場合、連続予告演出の最終回であって演出時間が12秒である場合から第2演出サイクル動作がカットされた動作となる。
図44から図46には、連続予告演出を実行する場合における飾り特図変動表示ゲームと可動演出装置44の動作の関係を示した。なお、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示には、特図1始動記憶を表示する飾り特図1始動記憶表示41dと、特図2始動記憶を表示する飾り特図2始動記憶表示41eと、がある。これらの飾り特図1始動記憶表示41d、特図2始動記憶表示41eには、特図1始動記憶と特図2始動記憶の最大数に対応して4つの表示領域が設定されており、それぞれ記憶数に応じた数の表示領域の表示色を変化させる(図中では白色から黒色に変化)ことで始動記憶数を表示するようになっている。この飾り特図1始動記憶表示41d、特図2始動記憶表示41eのそれぞれは、左端の表示領域が最も古い始動記憶を示すようになっており、新たな始動記憶が発生すると表示色が変化していない表示領域のうち最も左側の表示領域の表示色が変化する。また、特図変動表示ゲームが開始されて始動記憶が消化されることに伴い、表示色が変化した表示領域が一つずつ左側へずれるようになっている。
図44(a)に示すように、この例では、特図変動表示ゲームの実行中に4つ目の特図1始動記憶として連続予告演出の対象となる始動記憶(例えばSP2リーチとなる始動記憶)が発生した場合を示した。なお、1から3つ目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームは結果がはずれでリーチ状態とならないものであるとする。
連続予告演出の対象となる始動記憶が発生した場合には、連続予告演出を実行する各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームについて、現在の始動記憶の状態から始動記憶数が増加しない場合に設定される変動パターンの前半変動時間を演出時間とし、この演出時間の合計を総演出時間として設定する。この例では、連続予告演出の対象となる始動記憶が発生した場合の始動記憶数が4つであり、連続予告演出の1回目及び2回目については8秒、連続予告演出の3回目及び4回目については12秒の演出時間が予め設定され、総演出時間は40秒が設定される。
図44(b)に示すように、連続予告演出の対象となる始動記憶が発生した特図変動表示ゲームが終了した後、図44(c)に示す次の特図変動表示ゲームから連続予告演出が開始される。連続予告演出の1回目となる特図変動表示ゲームでは、揺動動作パターン2と、回転動作パターン1又は3に従った連続予告演出が実行される。
この連続予告演出の1回目となる特図変動表示ゲームでは、図44(c)に示すように第1演出サイクル動作として、変動時間0〜4秒の期間に図9に示した第1状態、第2状態、第3状態の動作を行う。その後、図44(d)に示すように、第3演出サイクル動作として変動時間4〜8秒の期間に図9に示した第4状態の動作を行い、図44(e)に示すように特図変動表示ゲームが終了する。なお、変動時間が8秒であるので、連続予告演出での第2演出サイクル動作はカットされている。
連続予告演出の2回目となる特図変動表示ゲームでは、図44(c)から(e)と同様に連続予告演出が実行される。このとき、見せ球は揺動部材446上にあるが回転体448は回転動作状態aの持ち上げ動作を行う。
連続予告演出の3回目となる特図変動表示ゲームでは、揺動動作パターン1と、回転動作パターン1又は3に従った連続予告演出が実行される。図44(f)に示すように第1演出サイクル動作として変動時間0〜4秒の期間に、図9に示した第1状態、第2状態、第3状態の動作を行う。次に、図44(g)に示すように第2演出サイクル動作として変動時間4〜8秒の期間に、図9に示した第4状態の動作を行う。その後、図44(h)に示すように第3演出サイクル動作として変動時間8〜12秒の期間に、図9に示した第4状態の動作を行い、図44(i)に示すように、特図変動表示ゲームが終了する。
そして、図45に示す連続予告演出の最終回となる4回目の連続予告演出では、報知内容であるリーチ状態の有無により可動演出装置44による演出の内容が異なる。リーチ状態が発生しない場合は、揺動動作パターン3と回転動作パターン1に従った連続予告演出が実行される。この場合は、図45(a)に示すように第1演出サイクル動作として変動時間0〜4秒の期間に、図9に示した第1状態、第2状態、第3状態の動作を行う。次に、図45(b)に示すように第2演出サイクル動作として変動時間4〜8秒の期間に、図9に示した第4状態の動作を行う。その後、図45(c)に示すように第3演出サイクル動作として変動時間8〜12秒の期間に、図9に示した第5状態の動作を行うが、見せ球が球保持部448a又は448bで回収される第6状態にはならず変動時間が終了する。そして、図45(d)に示すように結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。特図変動表示ゲームの終了後、見せ球は球保持部448a又は448bで回収される。
リーチ状態が発生する場合は、揺動動作パターン3と回転動作パターン3に従った連続予告演出が実行される。この場合は、図45(e)、(f)に示すように、リーチが発生しない場合と同様に第1演出サイクル動作、第2演出サイクル動作を行う。その後、図45(g)に示すように第3演出サイクル動作として変動時間8〜12秒の期間に、図9に示した第5状態、第6状態の動作を行う。これにより見せ球が球保持部448a又は448bで回収されてリーチ状態となることが報知される。そして、図45(h)に示すようにリーチ状態となる。
図46には、演出時間が変更される例を示した。この例では、図44、図45に示した場合と同様に連続予告演出が開始された後、図46(b)に示すように連続予告演出の2回目を実行している際に新たな始動記憶が2つ発生した場合を示した。
連続予告演出の3回目となる特図変動表示ゲームは、当初12秒の変動時間となる予定であったが8秒の変動時間が設定される。これにより、図42に示した可動体情報設定処理における総演出時間と全変動時間との比較(ステップB225)において、両者が一致せず(ステップB225;No)、4秒の差分が発生する。これに伴い、可動演出装置44の動作が、揺動動作パターン1と回転動作パターン1又は3に従った連続予告演出から、揺動動作パターン2と回転動作パターン1又は3に従った動作に変更される。この変更により、図46(f)に示すように、第2演出サイクル動作がカットされた演出となる。第2演出サイクル動作での動作は、揺動部材446の揺動を繰り返す動作であるので、この動作を行う期間を短くすることで違和感はなく演出時間を短縮することができる。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行する表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)と、所定の演出動作を行う可動演出装置44と、を備え、該変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数まで乱数値とともに記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段により記憶される乱数値を判定する判定手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの変動時間を特定可能な変動態様を決定する変動態様決定手段(遊技制御装置100)と、判定手段の判定結果に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行することを決定する連続演出決定手段(演出制御装置300)と、可動演出装置44の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、可動演出装置44を演出動作させる演出時間を設定する演出時間設定手段(演出制御装置300)と、を備え、連続演出決定手段は、特別遊技状態の終了後の所定期間において、所定条件の成立に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行することを決定し、演出時間設定手段は、連続演出決定手段によって連続的な演出を実行することが決定された場合に、当該連続的な演出が実行される複数の変動表示ゲームの変動態様に基づいて変動時間を特定し、当該複数の変動表示ゲームの変動時間に基づき演出時間を予め設定し、連続的な演出を実行する変動表示ゲームにおいて、演出時間設定手段によって設定された演出時間と、連続的な演出を実行する変動表示ゲームの変動時間とを比較し、比較結果に基づいて演出時間を調整制御可能な演出時間調整制御手段(演出制御装置300)を有していることとなる。
また、演出時間設定手段(演出制御装置300)は、連続演出決定手段(演出制御装置300)によって連続的な演出を実行することが決定された場合に、当該連続的な演出を実行する複数の変動表示ゲームの変動時間を合計した時間を総演出時間として設定し、演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、連続的な演出を実行する各変動表示ゲームの開始時に、当該開始される変動表示ゲームの変動時間と、当該開始される変動表示ゲームより後に連続的な演出を実行する変動表示ゲームについて特定される演出時間設定手段によって特定された変動時間と、すでに連続的な演出を実行した変動表示ゲームの変動時間と、を合計した合計変動時間を算出し、当該合計変動時間と総演出時間とを比較して、比較結果に基づいて開始される変動表示ゲームの演出時間を調整制御するようにしていることとなる。
また、変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの時間又はリーチ状態とならない変動表示ゲームの開始から結果の導出までの時間を前半変動時間とし、演出時間設定手段(演出制御装置300)及び演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、変動時間として前半変動時間を用いていることとなる。
また、可動演出装置44は、遊技者から視認可能な内部空間に封入された球を備え、球の転動態様により変動表示ゲームについての報知を行うものであり、内部空間には、内部空間を上空間領域と下空間領域とに分割するように配され、揺動動作可能な揺動部材446と、球を保持可能な球保持部448a、448bを有し、回転することで下空間領域から上空間領域に遊技球を搬送可能な回転体448と、が配され、演出動作は、球保持部448a、448bに保持された球を上空間領域へ搬送し、揺動部材446上へ排出する初期動作と、揺動部材446を揺動動作し、該揺動部材446上で球を転動させる中期動作と、揺動部材446上の球を下空間領域に落下させ、球保持部448a、448bに流入するか否かにより変動表示ゲームについての報知を行う終期動作と、からなり、演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、中期動作を行うか否かにより演出時間を調整制御するようにしていることとなる。
なお、特定期間を15R大当りの後にも設けるようにしても良い。また、特別結果態様の種類により特定期間の長さを決定しているが、ランダムに決定するようにしても良い。この場合、例えば、特別遊技状態の終了時に存在する始動記憶数や、特別遊技状態中の始動入賞口への入賞状況、所定の乱数等に基づき特定期間の長さを決定する。また、連続予告演出を実行可能な条件は任意に設定でき、例えば、特定期間以外でも連続予告演出を実行可能としても良い。また、連続予告演出を実行可能な条件を満たした場合に所定の確率で連続予告演出を行うようにしても良い。
また、前半変動時間中に連続予告演出を行うことでリーチ状態が発生するか否かを報知するようにしたが、同様の演出態様で特別結果態様となる可能性の高さを報知するようにしても良い。また、球保持部448a、448bの近傍に表示部を設け、当該表示部の表示内容と、球保持部448a、448bへ見せ球が流入するか否かの組合せにより、リーチ状態が発生する可能性の高さや、特別結果態様となる可能性の高さを報知するようにしても良い。
また、回転体448や揺動部材446の動作パターンの種類を増やし、動作パターンによりリーチ状態が発生する可能性の高さや、特別結果態様となる可能性の高さを報知するようにしても良い。例えば、予定されていた変動時間が短縮された場合に、特別結果態様となる可能性が高い場合は、小さい揺動動作である揺動動作状態Bの部分をカットして主として大きい揺動動作である揺動動作状態Cをメインとし、特別結果態様となる可能性が低い場合は、逆に大きい揺動動作である揺動動作状態Cの部分をカットして主として小さい揺動動作である揺動動作状態Bをメインとする。
また、演出動作として各特図変動表示ゲームで初期動作(第1演出サイクル動作)、中期動作(第2演出サイクル動作)、終期動作(第3演出サイクル動作)を行うようにしたが、演出動作として、連続予告演出の開始時に初期動作を行い、終了時に終期動作を行う他は中期動作として、連続予告演出の開始から終了まで一連の動作を行うようにしても良い。このようにすれば、連続予告演出を実行する特図変動表示ゲームに変動時間が極端に短い変動パターンとなる特図変動表示ゲームが含まれていても問題なく連続予告演出を実行できる。また、この場合、総演出時間と合計変動時間の差分を連続予告演出の最終回となる特図変動表示ゲームで算出し、その結果により演出時間の調整を行うことも可能である。さらに、リーチ状態なしとなる始動記憶を対象に連続予告演出を行っている場合に差分が8秒となる場合、すなわち、図46に示したような状況となった場合、次の特図変動表示ゲームまで連続予告演出を延長しても良い。
〔第1変形例〕
次に、第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、連続予告演出の対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける可動演出装置44の動作を、当該特図変動表示ゲームの終了まで行うようにし、特別結果態様となるか否かを報知するようにしている。
図47には本変形例における連続予告演出の対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの飾り特図変動表示ゲームと可動演出装置44の動作の関係を示した。なお、この特図変動表示ゲームより前においては図44、図46と同様に連続予告演出が実行される。
特別結果態様とならない場合は、揺動動作パターン3と回転動作パターン1に従った連続予告演出が実行される。この場合は、図47(a)に示すように第1演出サイクル動作として変動時間0〜4秒の期間に、図9に示した第1状態、第2状態、第3状態の動作を行う。次に、図47(b)に示すように第2演出サイクル動作として変動時間4〜8秒の期間に、図9に示した第4状態の動作を行う。
その後、図47(c)に示すように第3演出サイクル動作として図9に示した第5状態の動作を行うが、この第3演出サイクル動作の実行時間が後半変動時間の終了までの期間とされている。この例では、特別結果態様とならないので、見せ球が球保持部448a又は448bで回収される第6状態にはならず変動時間が終了し、図47(d)に示すように結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。特図変動表示ゲームの終了後、見せ球は球保持部448a又は448bで回収される。
一方、特別結果態様となる場合は、揺動動作パターン3と回転動作パターン3に従った連続予告演出が実行される。この場合は、図47(e)、(f)に示すように、はずれの場合と同様に第1演出サイクル動作、第2演出サイクル動作を行う。その後、図47(g)に示すように第3演出サイクル動作として変動時間の終了までに図9に示した第5状態、第6状態の動作を行う。これにより見せ球が球保持部448a又は448bで回収されて特別結果態様となることが報知され、図45(h)に示すように特別結果態様となる。
このような制御を行うために、連続予告演出の最終回となる特図変動表示ゲームについては、図43(c)、(d)に示した動作パターンの第3演出サイクル動作の実行時間を変動時間の終了までとした動作パターンとする。なお、各リーチ状態の変動時間に対応した動作パターンをあらかじめ設定しておき、適切なものを選択するようにしても良い。また、総変動時間や合計変動時間の算出において、連続予告演出の最終回となる特図変動表示ゲームについては前半変動時間と後半変動時間を合わせた全変動時間を用いる。
このように連続予告演出の対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける可動演出装置44の動作を当該特図変動表示ゲームの終了まで行うようにしたことで、連続予告演出の最終回における興趣を向上することができる。
〔第2変形例〕
次に、第2変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、可動演出装置44の動作と演出ボタン25の操作に関連を持たせるようにしている。
本変形例の遊技機では、図48に示すように連続予告演出の最終回となる特図変動表示ゲームにおける第3演出サイクル動作おいて、遊技者に演出ボタン25の操作を促す表示を行う。なお、図48(a)はリーチ状態となるか否かの報知を行う場合であり、図48(b)は特別結果態様となるか否かの報知を行う場合である。
第3演出サイクル動作では、回転動作状態c又はdが設定されるが、このうち回転動作状態dが設定された場合に、演出ボタン25の操作が行われるまでは回転動作状態cの動作を行うようにする。そして、遊技者が演出ボタン25を操作することに基づき、回転動作状態dとして見せ球が球保持部448a又は448bで回収可能な状態とする。また、遊技者が演出ボタン25を操作しなかった場合は回転動作状態cのまま連続予告演出が終了し、特図変動表示ゲームの終了後に見せ球が回収される。
このようにすることで、連続予告演出に遊技者が参加できるようになり興趣を向上することができる。また、連続予告演出により結果を知りたくない遊技者は演出ボタン25を操作しなければ良く、遊技者の意図に沿った演出を行うことができる。
〔第3変形例〕
次に、第3変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、連続予告演出を実行する各特図変動表示ゲームにおいて変動時間に応じて可動演出装置44の動作パターンを設定するようにしている。
〔先読みコマンド受信処理〕
本変形例の遊技機では、先読みコマンド受信処理として図40に示す処理に替えて図49に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、変動時間を算出して総演出時間に設定する処理を行わない。
〔変動中処理〕
また、変動中処理として図35に示す処理に替えて図50に示す処理を行う。この変動中処理では、可動体情報設定処理を行わない。また、次シーンデータの設定(ステップB102)を行った後、可動体情報があるかをチェックする(ステップB231)。可動体情報は、連続予告演出を実行する特図変動表示ゲームである場合に、可動演出装置44の動作開始シーンに対して設定される情報である。この可動体情報がない場合(ステップB232;No)は、変動中処理を終了する。また、可動体情報がある場合(ステップB232;Yes)は、シーンデータに設定された動作パターンを設定し(ステップB233)、可動体情報設定フラグをセットして(ステップB234)、変動中処理を終了する。これにより、可動演出装置44の動作パターンとして、図43(c)、(d)に示す動作パターンから適切なものが選択されて設定される。
〔モータ/SOL制御処理〕
図51には、図31に示した1stメイン処理におけるモータ/SOL制御処理(ステップB27)を示した。このモータ/SOL制御処理では、まず、可動体情報設定フラグがあるかを判定し(ステップB241)、可動体情報設定フラグがある場合(ステップB241;Yes)は、対応する揺動部材446の動作データを設定し(ステップB242)、対応する回転体448の動作データを設定する(ステップB243)。なお、このときモータ/SOL制御処理で用いる更新タイマに初期値が設定される。その後、可動体情報設定フラグをクリアしてモータ/SOL制御処理を終了する。これにより、設定された動作パターンに従った動作が実行される。
一方、可動体情報設定フラグがない場合(ステップB241;No)は、モータ/SOL制御処理で用いる更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB245)。更新タイマは、一の動作データが設定される期間を計時するためのものであり、例えば図43に示す動作パターンでは2秒毎に動作データ(動作状態)が設定されており、更新タイマでは動作データの設定から2秒を計時する。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB245;No)は、モータ/SOL制御処理を終了する。また、更新タイマの値が0である場合(ステップB245;Yes)は、揺動部材446の次動作データの設定を行い(ステップB246)、回転体448の次動作データの設定を行って(ステップB247)、モータ/SOL制御処理を終了する。なおこのときモータ/SOL制御処理で用いる更新タイマに初期値が設定される。以降この処理を繰り返すことにより可動演出装置44の動作が順次設定される。
〔第4変形例〕
次に、第4変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、総演出時間に基づく演出時間の設定方法が異なる。
〔可動体情報設定処理〕
本変形例の遊技機では、図42に示す可動体情報設定処理に替えて図52に示す可動体情報設定処理を行う。この可動体情報設定処理では、最後に総演出時間から今回の変動時間を減算して新たな総演出時間として設定する処理(ステップB251)を行う。これにより総演出時間として、次回以降の連続予告演出を実行する特図変動表示ゲームについて連続予告演出の開始を決定した際に始動記憶数が増加しない場合を想定して取得された変動パターンの前半変動時間の総計が設定される。
このため、設定されている総演出時間を取得する処理(ステップB222)では、ここで設定された総演出時間が取得される。また、連続予告演出の対象となる変動時間の合計変動時間を算出する処理(ステップB223)では、今回開始される特図変動表示ゲームについて変動パターン情報設定処理で設定された変動パターンに基づく前半変動時間と、次回以降に実行される特図変動表示ゲームについて連続予告演出の開始を決定した際に始動記憶数が増加しない場合を想定して取得された変動パターンの前半変動時間と、を加算する。
このような処理とすることでも、先読み時と実際の変動開始時の判定により変動時間にずれが生じても演出に矛盾や無理が生じないようにすることができる。以上のことから、演出時間設定手段(演出制御装置300)は、連続演出決定手段(演出制御装置300)によって連続的な演出を実行することが決定された場合に、当該連続的な演出を実行する複数の変動表示ゲームの変動時間を合計した時間を総演出時間として設定し、演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、連続的な演出を伴う変動表示ゲームが実行された場合に、演出時間設定手段によって設定された総演出時間から、当該実行された変動表示ゲームについての変動時間を減算し、連続的な演出を実行する各変動表示ゲームの開始時に、当該開始される変動表示ゲームの変動時間と、当該開始される変動表示ゲームより後に連続的な演出を実行する変動表示ゲームについて特定される変動時間と、を合計した合計変動時間を算出し、当該合計変動時間と減算後の総演出時間とを比較して、比較結果に基づいて開始される変動表示ゲームの演出時間を調整制御するようにしたこととなる。
以上のような遊技機10は、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行する表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)と、所定の演出動作を行う可動演出装置44と、を備え、該変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数まで乱数値とともに記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段により記憶される乱数値を判定する判定手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの変動時間を特定可能な変動態様を決定する変動態様決定手段(遊技制御装置100)と、判定手段の判定結果に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行することを決定する連続演出決定手段(演出制御装置300)と、可動演出装置44の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、可動演出装置44を演出動作させる演出時間を設定する演出時間設定手段(演出制御装置300)と、を備え、連続演出決定手段は、特別遊技状態の終了後の所定期間において、所定条件の成立に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行することを決定し、演出時間設定手段は、連続演出決定手段によって連続的な演出を実行することが決定された場合に、当該連続的な演出が実行される複数の変動表示ゲームの変動態様に基づいて変動時間を特定し、当該複数の変動表示ゲームの変動時間に基づき演出時間を予め設定し、連続的な演出を実行する変動表示ゲームにおいて、演出時間設定手段によって設定された演出時間と、連続的な演出を実行する変動表示ゲームの変動時間とを比較し、比較結果に基づいて演出時間を調整制御可能な演出時間調整制御手段(演出制御装置300)を有している。
したがって、連続的な演出を実行する変動表示ゲームにおいて、演出時間設定手段によって設定された演出時間と、連続的な演出を実行する変動表示ゲームの変動時間とを比較し、比較結果に基づいて演出時間を調整制御可能な演出時間調整制御手段を有するので、先読み時と実際の変動開始時の判定により、変動時間にずれが生じても演出に矛盾や無理が生じないようにすることができる。
また、演出時間設定手段(演出制御装置300)は、連続演出決定手段(演出制御装置300)によって連続的な演出を実行することが決定された場合に、当該連続的な演出を実行する複数の変動表示ゲームの変動時間を合計した時間を総演出時間として設定し、演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、連続的な演出を実行する各変動表示ゲームの開始時に、当該開始される変動表示ゲームの変動時間と、当該開始される変動表示ゲームより後に連続的な演出を実行する変動表示ゲームについて特定される演出時間設定手段によって特定された変動時間と、すでに連続的な演出を実行した変動表示ゲームの変動時間と、を合計した合計変動時間を算出し、当該合計変動時間と総演出時間とを比較して、比較結果に基づいて開始される変動表示ゲームの演出時間を調整制御するようにしている。
したがって、演出時間調整制御手段は、連続的な演出を実行する各変動表示ゲームの開始時に合計変動時間と総演出時間とを比較して、比較結果に基づいて開始される変動表示ゲームの演出時間を調整制御するので、先読み時と実際の変動開始時の判定により、変動時間にずれが生じても演出に矛盾や無理が生じないようにすることができる。また、演出動作として、連続的な演出の開始から終了まで一連の動作を行うようにした場合は、総演出時間と合計変動時間とにより演出時間の調整を行うことで、一連の動作の全体として矛盾がないように演出動作を制御できる。
また、変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの時間又はリーチ状態とならない変動表示ゲームの開始から結果の導出までの時間を前半変動時間とし、演出時間設定手段(演出制御装置300)及び演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、変動時間として前半変動時間を用いている。
したがって、演出時間設定手段及び演出時間調整制御手段は、変動時間として前半変動時間を用いるので、連続的な演出を特別結果態様の導出の予告の他、リーチ状態の発生の予告にも用いることができる。また、リーチ状態での演出が長い変動パターンである場合に演出時間が長時間となることを防止できる。リーチ状態での変動時間を多様なものとしても前半変動時間は一定の時間とすることができ、演出時間として設定され得る時間の種類を少なくできるので制御の負担を軽減することができる。
また、可動演出装置44は、遊技者から視認可能な内部空間に封入された球を備え、球の転動態様により変動表示ゲームについての報知を行うものであり、内部空間には、内部空間を上空間領域と下空間領域とに分割するように配され、揺動動作可能な揺動部材446と、球を保持可能な球保持部448a、448bを有し、回転することで下空間領域から上空間領域に遊技球を搬送可能な回転体448と、が配され、演出動作は、球保持部448a、448bに保持された球を上空間領域へ搬送し、揺動部材446上へ排出する初期動作と、揺動部材446を揺動動作し、該揺動部材446上で球を転動させる中期動作と、揺動部材446上の球を下空間領域に落下させ、球保持部448a、448bに流入するか否かにより変動表示ゲームについての報知を行う終期動作と、からなり、演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、中期動作を行うか否かにより演出時間を調整制御するようにしている。
したがって、演出時間調整制御手段は中期動作を行うか否かにより演出時間を調整制御するので、先読み時と実際の変動開始時の判定により、変動時間にずれが生じても演出に矛盾や無理が生じないようにすることができる。すなわち、初期動作や終期動作は可動演出装置での演出動作や報知に不可欠な動作であるが、中期動作は可動演出装置での演出動作や報知内容に影響を与えない動作であるので演出に矛盾や無理が生じないようにすることができる。
また、演出時間設定手段(演出制御装置300)は、連続演出決定手段(演出制御装置300)によって連続的な演出を実行することが決定された場合に、当該連続的な演出を実行する複数の変動表示ゲームの変動時間を合計した時間を総演出時間として設定し、演出時間調整制御手段(演出制御装置300)は、連続的な演出を伴う変動表示ゲームが実行された場合に、演出時間設定手段によって設定された総演出時間から、当該実行された変動表示ゲームについての変動時間を減算し、連続的な演出を実行する各変動表示ゲームの開始時に、当該開始される変動表示ゲームの変動時間と、当該開始される変動表示ゲームより後に連続的な演出を実行する変動表示ゲームについて特定される変動時間と、を合計した合計変動時間を算出し、当該合計変動時間と減算後の総演出時間とを比較して、比較結果に基づいて開始される変動表示ゲームの演出時間を調整制御するようにしている。
したがって、先読み時と実際の変動開始時の判定により、変動時間にずれが生じても演出に矛盾や無理が生じないようにすることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。