JP2012023691A - 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力された画像データに対しカラーバランス補正を行う画像処理装置であって、前記画像データの画素値から撮影時光源を推定し、推定された前記撮影時光源における条件に基づいて前記画像データの色値を変換し、第1のハイライト色を算出する第1のハイライト色算出手段と、前記画像データから第2のハイライト色を算出する第2のハイライト色算出手段と、前記第1のハイライト色と前記第2のハイライト色との色空間における位置関係に基づき、第3のハイライト色を算出する第3のハイライト色算出手段と、前記第3のハイライト色を用いて前記画像データの画素値を変換してカラーバランス補正を行う補正手段とを有する。
【選択図】図12
Description
以下より、本発明における好適な第一実施形態について説明する。なお、以下の記載はプリンタ本体内部の画像処理を想定して説明を行うが、これはあくまで実施の1つの形態を例として示したものであり、本発明は以下の実施に限定されるものではない。
図1に本発明の画像処理方法を実施可能なハードウェアの構成を示す。なお、図1は本実施形態における例であり、本発明は図1の構成に限定されることはない。図1において、画像処理装置100は、CPU101、RAM102、ROM103を有し、各機能ブロックがシステムバス112に接続されている。本発明の動作を実行するプログラムコードはROM103に格納され、動作時にRAM102に読み込まれ、CPU101によって実行される。
以下では、図2(A)を用いて、本実施形態における画像処理の全体構成について説明する。本実施形態において、入力画像200は、デジタルカメラで撮影されたデジタル画像か、あるいはアナログカメラで撮影されたフィルムを光学的にスキャンして得られたデジタル画像であっても構わない。入力画像データのフォーマットについては、本発明を適用可能であれば特に限定しない。なお、本実施形態においては説明を簡単にするために、入力画像の色空間はsRGB(standard RGB)であり、各画素値が8bitのRGB成分値で構成されているものとする。
以下では、図2(A)に示した各部の動作について、フローチャート等を参照しながら処理の詳細を説明する。
画像縮小部201では、後段の画像解析部202の処理を効率化するために、入力画像200を所定解像度の画像に縮小する。例えば、入力画像が4000×3000画素の比較的高解像度画像であった場合、該解像度の全ての画素について、例えば明度や彩度値を算出すると、画像解析部202の処理時間が膨大になってしまう問題がある。そこで、本実施形態では、画像解析部202で必要とされる最低限の解像度、例えば640×480画素程度に縮小し、該縮小画像を画像解析部202に入力する。
図2(B)は、図2(A)に示す画像解析部202の詳細な処理のブロック図を示している。本実施形態では簡単のため、3つのブロックのみで構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図2(B)に示すように、画像縮小部201で得られた縮小画像300を基に、HL色決定部301において、画像のHL色を算出する。また、縮小画像300はオブジェクト検出部302にも入力され、同部において、画像中の主要オブジェクトである人物の顔領域の検出を行う。ここでの主要オブジェクトとは、撮像された画像中において、主な撮像の目的とするものを指す。本実施形態では、人物を主なオブジェクトとしている画像であるため、主要オブジェクトは人の顔としている。さらに顔領域の位置情報に基づいて、オブジェクト色算出部303において、オブジェクトの色、すなわち肌の色を算出する。
オブジェクト検出部302においては、入力画像(ここでは縮小画像300)中の主要被写体を検出する処理が行われる。主要被写体の主なものとしては、人物の顔が挙げられる。このときに使用する人物の顔検出手法としては、すでに様々な手法が提案されている。特開2002−183731号公報によれば、入力画像から目領域を検出し、目領域周辺を顔候補領域とする。該顔候補領域に対して、画素毎の輝度勾配、および輝度勾配の重みを算出し、これらの値を、あらかじめ設定されている理想的な顔基準画像の勾配、および勾配の重みと比較する。その時に、各勾配間の平均角度が所定の閾値以下であった場合、入力画像は顔領域を有すると判定する方法が記載されている。
図2(B)に示すHL色決定部301では、入力画像のHL色を算出する。HL色決定部301により第2のハイライト色算出を行う。HL色の算出方法についても様々な方法が提案されており、本発明が適用可能であればいずれの方法を用いても構わない。本実施形態においては、図3に示すフローに基づいて、HL色を算出する方法について説明する。なお、図3に示すフローは、例えば、記憶部であるRAM102等に格納されたプログラムをCPU101が読み出して実行するものとする。
MeanCb[Y]+=Cb
MeanCr[Y]+=Cr
縮小画像300の全ての画素についてS401〜S404の処理が終了すると、輝度ヒストグラム配列HistYは、図4に示すような度数分布を格納している。そこで、S405において、HL色決定部301は、HistYを用いてハイライト輝度値HLYを決定する。本実施形態におけるHLYは、HistY[Y]の値を輝度の小さい方から累積していき、累積度数が縮小画像300全体の99%に到達した時点の輝度値Yを、ハイライト輝度値HLYとして決定する。なお、HLYを決定するための累積度数割合は、99%に限定されるものではない。また、累積を行う処理中において、輝度値が特定できるようであれば、その時点で輝度値を決定し、処理を終了してもよい。
HLCb=MeanCb[HLY]÷HistY[HLY]
HLCr=MeanCr[HLY]÷HistY[HLY]
以上説明した処理によって、第2のハイライト色決定を行う。算出したオブジェクト色、およびHL色(HLCb,HLCr値)は、画像解析結果修正部203に入力される。
画像解析結果修正部203は、画像解析部202で算出した解析結果の修正を行う処理部である。同部では、予め保持している分光分布に基づくHL色の黒体軌跡を用いて、画像解析部202で算出した入力画像のHL色を修正する。まず、HL色の黒体軌跡について以下で説明する。
LMax>Lの場合 R_dis=(LMax−L)/LMax
LMax≦Lの場合 R_dis=0.0
例えば、図5(A)に示す入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標602を(HLCb,HLCr)=(−20,20)とする。また、図5(B)に示す入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標702を(HLCb,HLCr)=(−20,4)とする。
HL色の座標702の信頼度:R_dis=(100−50)/100=0.5
次に、算出した信頼度R_disを用いて、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標の座標変換を行う。座標変換方法は、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標を、基準位置である原点(Cb,Cr)=(0,0)に近づける処理を行う。この座標変換式を以下に示す。ここで、変換後の座標を(Cb’,Cr’)として示す。
(Cb’,Cr’)=(HLCb×R_dis,HLCr×R_dis)
図5(A)、(B)に示した座標に対する各信頼度R_disを用いて、HL色の座標602とHL色の座標702を(Cb,Cr)=(0,0)に近づける座標変換した例を以下に示す。
座標702:(Cb’,Cr’)=(−20×0.5,4×0.5)=(−10,2)
次に、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値を変換後の座標の値に置き換える。
HLCb=Cb’
HLCr=Cr’
図5(A)において、入力画像のHL色の色差成分の座標602(HLCb,HLCr)は、(−20,20)から(−18,18)に修正される。また、図5(B)において、入力画像のHL色の色差成分の座標702(HLCb,HLCr)は、(−20,4)から(−10,2)に修正される。
LMax>Lの場合 R_dis=1.0
LMax≦Lの場合 R_dis=0.0
例えば、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離によって誤検出したHL色であるかを経験的に判断できる場合、図6(B)に示した一定の信頼度は、図6(A)に示した信頼度に比べ効果が出せる。例えば、距離Lの値が小さい場合は、積極的にカラーバランス補正を実行させることができ、また、距離Lの値が大きい場合は、カラーバランス補正をかなり強く抑制できる効果がある。
0≦L<L’の場合 R_dis=1.0
L’≦L<LMaxの場合 R_dis=(LMax−L)/LMax
LMax≦Lの場合 R_dis=0.0
図6(D)において、図6(A)と異なる部分として、L=0からLMaxまでをS字カーブの曲線で結び、信頼度R_disを滑らか変化させる。S字カーブの曲線は、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離Lの値が小さい場合には、信頼度R_disを0に近づけ、遠い場合には、信頼度R_disを1.0に近づける設定にする。
R_Vec=(1+((基準ベクトル・検出ベクトルの内積)/((基準ベクトルの大きさ)^2)))/2
図7(B)のような位置にオブジェクト色1304とHL色1305がある場合、基準ベクトル1303と検出ベクトル1306の向き、大きさがいずれも同じなので、内積は1となる。この時の信頼度は1となる。
s_HLCb=b_HLCb+(f_HLCb−b_HLCb)×R_Vec
s_HLCr=b_HLCr+(f_HLCr−b_HLCr)×R_Vec
ここで、信頼度が1の時には、HL色が信頼できるとして、第1HL色が第2HL色となる。次に、信頼度が0の時には、HL色が信頼できないとして、基準HL色が第2HL色となる。信頼度が0より大きく、1より小さい時には、重み係数に従って、基準HL色と第1HL色の間で第2HL色が決定される。
ここでは、光源推定部204の詳細について、図8のフローチャートを用いて説明する。本発明では、入力画像から撮影時光源の種類、あるいは色温度を推定する方法を、特に限定するものではない。ここでは一例として、特許文献1に開示されている技術を応用して処理の説明を行う。本処理は、例えば、本発明を実現可能な画像処理装置100が有する記憶部であるROM103等に格納されたプログラムをCPU101が読み出し、実行する。
ObjYmax=ObjY+Δh
ObjYmin=ObjY−Δh
ここで、Δhは、予め定められた定数であり、ObjYは、オブジェクト色算出部303で算出されたオブジェクト色の輝度成分である。
R’=R×r
G’=G×g
B’=B×b
ただし、本実施形態においては、特許文献1とは異なり、上述したグレー・肌色画素マップを参照し、S1503において注目画素がグレーあるいは肌色画素であると判断された場合にのみ、上記逆変換を行うものとする。ここで、グレー画素と判断された画素数をcount_g、肌色画素と判断された画素数をcount_hとする。
R_lse=(count_max)/(count_g+count_h)
式9は、count_max=(count_g+count_h)となった場合、R_lse=1.0となる。これはすなわち、S1503において、注目画素が肌色あるいはグレー画素と判断された全ての画素が、黒体軌跡近傍に含まれているということになり、その結果得られた光源推定値は信頼度が非常に高いと判断できる。以上が、光源推定部204の説明である。
次に、図2に示した第1の色変換部205について説明する。第1の色変換部205では、入力画像に対し、カメラ内部で施されたカラーバランス補正をキャンセルすることを目的とした第1の色変換処理を行う。本実施形態においては、上記記憶してある逆変換セット(r_max,g_max,b_max)を入力画像中の各画素のRGB成分値にそれぞれ乗じることで、実行することができる。
次に図2に示した第2の色変換部206において、第2の色変換処理を行う。第2の色変換処理の目的は、第1の色変換処理を行い、カメラ内部のカラーバランス補正をキャンセルした画像に対し、推定した撮影時光源の色温度に基づいて、人間の視覚特性を考慮したカラーバランス補正を行うことである。
FinY=(EsY+HLY)/2
FinCb=(EsCb+HLCb)/2
FinCr=(EsCr+HLCr)/2
式10は、最終白点を白点とHL色との両者の中点とすることを意味している。該最終白点を、公知の公式によってXYZ値に変換し、該XYZ値を用いて後述するカラーバランス補正を実行する。これの手法により、第3のハイライト色算出を行う。
FinY=EsY×W_a+HLY×W_b
FinCb=EsCb×W_a+HLCb×W_b
FinCr=EsCr×W_a+HLCr×W_b
式11において、以下の拘束条件を用いれば、最終白点は、両者の線分上に存在することになる。
例えば、光源推定部204の光源推定における処理精度が比較的信頼できる場合には、値をそれぞれ、W_a=0.6、W_b=0.4として、(EsY,EsCb,EsCr)値の重み係数を大きくして、最終白点を決定することも可能である。または、その逆として、性能が低い場合には、重み係数を減らしてもよい。つまり、光源推定部204の光源推定における処理に応じて重み係数の割合を変更することが可能である。
本実施形態では、画像解析結果修正部203で算出した信頼度R_Vecの設定方法として、更に例を挙げて説明する。第一実施形態で説明したように、HL色とオブジェクト色は光源が変わっても関係をほぼ一定に保っているという特徴がある。その特徴から信頼度R_Vecを設定する方法を図16(A)を用いて、以下で説明する。
第一実施形態では、画像解析結果修正部203において、第1のHL色を誤検出している場合の処理について説明した。本実施形態では、画像解析結果修正部203において、第1オブジェクト色を誤検出している場合の処理について図16(B)を用いて説明する。
s_ObjCb=b_ObjCb+(f_ObjCb−b_ObjCb)×R_vec×R_face
s_ObjCr=b_ObjCr+(f_ObjCr−b_ObjCr)×R_vec×R_face
[式13]
s_HLCb=b_HLCb+(f_HLCb−b_HLCb)×R_vec×R_face
s_HLCr=b_HLCr+(f_HLCr−b_HLCr)×R_vec×R_face
図16(B)に示すYCbCr空間のCbCr平面において、第1オブジェクト色2601、第1HL色2602、基準オブジェクト色2603、基準HL色2604を示す。この場合に、式12および式13の結果によって第2オブジェクト色は基準オブジェクト色と第1オブジェクトを結ぶ直線2605上に位置し、第2HL色は基準HL色と第1HLを結ぶ直線2606上に位置する。
第一実施形態では、図12のS2002における最終白点決定処理において、画像解析部202でHL色(HLY,HLCb,HLCr)を算出する。そして、算出したHL色と光源推定結果から得られた白点(EsY,EsCb,EsCr)の中点を、最終白点とする場合について説明している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
FinY=EsY×R_lse+HLY×(1.0−R_lse)
FinCb=EsCb×R_lse+HLCb×(1.0−R_lse)
FinCr=EsCr×R_lse+HLCr×(1.0−R_lse)
また、顔が検出できた場合には、肌色の推定が正確に行われているので、その場合には、顔検出の信頼度R_faceを加味した重み係数W_mixを用いて、最終白点を決定することもできる。
FinY=EsY×W_mix+HLY×(1.0−W_mix)
FinCb=EsCb×W_mix+HLCb×(1.0−W_mix)
FinCr=EsCr×W_mix+HLCr×(1.0−W_mix)
式15において、重み係数W_mixは以下の式16で表される。
W_mix=(R_face+R_lse)/2.0
式16は、光源推定信頼度と顔検出信頼度が双方高い場合には(EsY,EsCb,EsCr)が重視され、どちらか一方が低い場合には、(HLY,HLCb,HLCr)が重視されることを表している。
第四実施形態では、最終白点は、(EsY,EsCb,EsCr)と(HLY,HLCb,HLCr)の所定の重み付けをした内分点として決定していた。本実施形態では別の方法として、オブジェクト検出部302で検出した肌の色が最も良化されるような白点を、最終白点として決定する方法について説明する。
CanY(N)=EsY×W_can(N)+HLY×(1.0−W_can(N))
CanCb(N)=EsCb×W_can(N)+HLCb×(1.0−W_can(N))
CanCr(N)=EsCr×W_can(N)+HLCr×(1.0−W_can(N))
式17において、W_can(N)は0.0から1.0まで1/Nずつ増加する重み係数となっており、N番目の候補点は、W_can(N)を重み係数として(EsY,EsCb,EsCr)と(HLY,HLCb,HLCr)を内分することを意味している。例えば、N=4の場合、W_canは0.25ずつ増加することにより、その際の候補点は、図18(A)の候補点2801として示される5つの候補点となる。これによりハイライト色候補算出を行う。
D_org=sqrt(SQ(ObjCb−IdeCb)+SQ(ObjCr−IdeCr))
D_n=sqrt(SQ(ObjCb’’−IdeCb)+SQ(ObjCr’’−IdeCr))
式18において、色変換前のオブジェクト色と理想オブジェクト色との距離D_org、N番目の白点候補を用いて算出した色変換後のオブジェクト色と理想オブジェクト色との距離D_nをそれぞれ表している。なお、式18では、SQ(x)はxの2乗を示し、sqrt(x)はxの平方根を示している。
条件2:D_min>D_n
条件1を満たさない場合は、色変換によって理想オブジェクト色との距離が遠くなることを意味しており、N番目の白点候補は候補から除外する。条件1を満たす場合、次に、条件2に基づいて判定を行う。もし条件2を満たしている場合、S2705において、現在の白点候補が最もオブジェクト色を良化することになり、D_minにD_nをセットして、最終白点(FinY,FinCb,FinCr)に現在の白点候補をセットする。つまり、以下の式のように定義される。
FinY=CanY(N)
FinCb=CanCb(N)
FinCr=CanCr(N)
S2701〜S2706までの処理を、全ての白点候補点について行うと、結果として、オブジェクト色を最も良化する白点候補が、最終白点として(FinY,FinCb,FinCr)に格納される。これにより第3のハイライト色決定を実現する。以上が、図17の処理フローの説明である。
これまでに述べた実施形態では、画像解析結果修正部203において、解析結果を修正することで、カラーバランス補正の強度を抑制する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態においては、図19のブロック図で示すように、解析信頼度算出部3001を新たに設ける。解析信頼度算出部3001において解析結果の信頼度を算出し、この信頼度をカラーバランス補正における補正値として用い、第2の色変換部206においてカラーバランス補正の強度(色の変換率)を変更する場合について説明する。なお、図19において、解析信頼度算出部3001および第2の色変換部3002以外については第一実施形態と同様の動作となるため、ここでの詳細な説明は割愛する。
図20は、解析信頼度算出部3001の処理のフローを示している。本処理フローは、本実施形態が実現可能な画像処理装置100が有する記憶部であるROM103等に記憶されたプログラムをCPU101が読み出して実行することにより、実現される。図20では、まずS3101において、解析信頼度算出部3001は、画像解析部202で解析したHL色の信頼度を算出する。また、S3102において、解析信頼度算出部3001は、同じく画像解析部202で解析したHL色とオブジェクト色(人物の肌の色)との相対位置に対する信頼度を算出する。図20において、S3101とS3102の処理は平行に処理するように示されているが、いずれかの処理を先に行い、その後、他方の処理を行うように順序だてて実施しても構わない。そして、最後にS3103において、S30101とS3102との処理の両者から得られた信頼度を用いて、最終的な信頼度を算出する。
R_fin=R_dis×R_vec
例えば、信頼度R_disが0.2で、信頼度R_vecが0.5の場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
本実施形態では、信頼度R_disと信頼度R_vecを掛け合わせることで、最終信頼度R_finを算出しているが、これに限らない。別の方法として、例えば、信頼度R_disと信頼度R_vecを足して2で割った値を最終信頼度として算出する。
R_fin=(R_dis+R_vec)/2
上記例の信頼度R_disと信頼度R_vecと条件が同じ場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
別の方法として、例えば、最終信頼度R_finの算出方法は、各信頼度に重みをつけて信頼度を掛け合わした値を最終信頼度とする。
R_fin=(R_dis×W_dis+R_vec×W_vec)/2
上記例の信頼度R_disと信頼度R_vecと条件が同じ場合で、信頼度R_disの重み係数W_disを1.0で、信頼度R_vecの重み係数W_vecを0.2とした場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
また、別の方法として、例えば、信頼度R_disと信頼度R_vecの内、信頼度の低い方を最終信頼度として算出する。
R_fin=(R_disもしくはR_vecのうち低い方)
上記例の信頼度R_disと信頼度R_vecと条件が同じ場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
以上のように、解析信頼度算出部3001では、HL色の信頼度R_disと肌の色とHLの相対位置信頼度R_vecを用いて、最終信頼度R_finを算出する。
上述した処理によって算出された最終的な信頼度R_finは、第2の色変換部3002に入力され、同部において、該信頼度に応じてカラーバランス補正の強度を抑制する。カラーバランス補正は、第一実施形態で説明したように、入力画像の各画素値(R,G,B)に対して、光源推定の結果得られた色温度値より基準白点の(Y,Cb,Cr)値を算出する。そして、該白点情報に基づいて、CIECAM02を適用することにより、カラーバランス補正後の(R’,G’,B’)値を得ることができる。
Y_fin=255−(255−Y)×R_fin
Cb_fin=Cb×R_fin
Cr_fin=Cr×R_fin
式24おいて、R_fin=1.0であれば最終白点は、光源推定の結果得られた白点そのものとなる。一方、R_fin=0.0であれば、最終白点は(Y,Cb,Cr)=(255,0,0)となる。後者の場合、カラーバランス補正は事実上動作しないことになり、補正量は実質0となる。
R’’=R’−(R’−R)×R_fin
G’’=G’−(G’−G)×R_fin
B’’=B’−(B’−B)×R_fin
<第七実施形態>
これまでの実施形態においては、図2(A)で示すように、入力画像に対して、まず第1の色変換を施した後、第2の色変換を施す処理例について説明した。しかし、このように異なる処理を直列に接続し、それぞれの処理において各画素単位に複雑な演算処理をしていたのでは、多くの処理時間を要してしまう。
R’=R×r_max
G’=G×g_max
B’=B×b_max
次に、S3303において、算出されたR’G’B’値を公知の変換式を用いてXYZ値に変換し、さらにS3304において、第一実施形態に説明したようにCIECAM02を用いてJCh空間に変換し、さらにS3305でXYZ空間に逆変換する。この際に用いられるのが、第2の色変換パラメータ3311である。
第一実施形態において、画像解析部202で算出した画像特徴量の修正は、黒体軌跡とHL色の距離からHL色を修正する方法と、オブジェクト色とHL色との相対関係からHL色、あるいは両者を修正する方法の2つを説明した。しかし、本発明は必ずしも両者を利用する必要はなく、どちらか一方のみを用いたとしても、本発明の範疇に含まれる。
Claims (11)
- 入力された画像データに対しカラーバランス補正を行う画像処理装置であって、
前記画像データの画素値から撮影時光源を推定し、推定された前記撮影時光源における条件に基づいて前記画像データの色値を変換し、第1のハイライト色を算出する第1のハイライト色算出手段と、
前記画像データから第2のハイライト色を算出する第2のハイライト色算出手段と、
前記第1のハイライト色と前記第2のハイライト色との色空間における位置関係に基づき、第3のハイライト色を算出する第3のハイライト色算出手段と、
前記第3のハイライト色を用いて前記画像データの画素値を変換してカラーバランス補正を行う補正手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1のハイライト色算出手段は、
前記画像データに含まれるオブジェクトを検出するオブジェクト検出手段と、
前記オブジェクトの色値であるオブジェクト色を算出するオブジェクト色算出手段と、
前記画像データにおけるグレーの色値および前記オブジェクト色を用いて前記撮影時光源における色温度を推定し、推定された前記色温度における前記画像データの色値から前記第1のハイライト色を決定する第1のハイライト色決定手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第2のハイライト色算出手段は、
前記画像データの輝度成分を累積したヒストグラムを算出するヒストグラム算出手段と、
前記ヒストグラムにおける累積度数が所定値を超える輝度値を用いて前記第2のハイライト色を決定する第2のハイライト色決定手段と
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記第3のハイライト色算出手段は、重み係数を用いて、色空間における前記第1のハイライト色の値と前記第2のハイライト色の値とを内分して、前記第3のハイライト色の値を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記重み係数は、予め定められた値であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記重み係数は、前記第1のハイライト色算出手段と前記第2のハイライト色算出手段それぞれの処理のおいて、基準となる値との差分に応じて決定されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記第3のハイライト色算出手段は、
前記第1のハイライト色および前記第2のハイライト色を用いて複数のハイライト色候補を算出するハイライト色候補算出手段と、
前記複数のハイライト色候補それぞれを用い、前記オブジェクト色に対してカラーバランス補正を行う候補補正手段と、
前記候補補正手段によるカラーバランス補正後のオブジェクト色それぞれと、予め保持している理想オブジェクト色との色空間における距離を算出する距離算出手段と
前記距離算出手段により算出された距離のうち、当該距離が最も短くなるハイライト色候補を前記第3のハイライト色と決定する第3のハイライト色決定手段と
を有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段によるカラーバランス補正は、非線形処理であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段によるカラーバランス補正は、CIECAM02を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 入力された画像データに対しカラーバランス補正を行う画像処理方法であって、
前記画像データの画素値から撮影時光源を推定し、推定された前記撮影時光源における条件に基づいて前記画像データの色値を変換し、第1のハイライト色を算出する第1のハイライト色算出工程と、
前記画像データから第2のハイライト色を算出する第2のハイライト色算出工程と、
前記第1のハイライト色と前記第2のハイライト色との色空間における位置関係に基づき、第3のハイライト色を算出する第3のハイライト色算出工程と、
前記第3のハイライト色を用いて前記画像データの画素値を変換してカラーバランス補正を行う補正工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを請求項1乃至9のいずれか一項に記載された画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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