JP5744430B2 - 画像処理装置、画像処理方法、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、入力されたデジタル画像データのカラーバランスを補正する画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。
従来、デジタルカメラで撮影された画像データ、あるいは、アナログカメラで撮影されたフィルムを光学的にスキャンして得られた画像データに対して、撮影時光源を推定し、カラーバランス補正を行う方法が提案されている。
特許文献1では、予めカメラの代表的な分光分布に基づくグレーと人の肌の色の黒体軌跡を保持しておく。カメラのカラーバランス補正の逆変換を行う意味で、各画素のRGB成分に対して様々な係数を乗じ、変換後の画素について前記黒体軌跡近傍に存在する画素数を評価することで撮影時光源の推定を行う。光源を推定した後は、変換後の画像を、所定の光源下における色に変換することが、記載されている。
特開2002−152772号公報
以上説明したようなカラーバランス補正方法には、以下のような課題が存在する。デジタルカメラで撮影された画像データ、あるいは、アナログカメラで撮影されたフィルムを光学的にスキャンして得られた画像データには、多種多様な画像データがあり、グレー領域や肌色領域を誤検出する可能性がある。例えば、画像データ内の黄色の花束を抱いた人物のポートレート写真を想定すると、人物の顔検出により肌の色は正しく検出できるが、ハイライト色を黄色の花の領域と検出してしまう場合がある。この場合、画像中のグレー領域を誤って検出するために、撮影時光源を推定する際に誤推定する可能性が高い。
一方で、画像データを解析する際の顔検出において、例えば、風景写真の山肌を顔と誤検出すると、肌の色を誤検知してしまう。この場合、ハイライト色は正しく推定できるが、肌の色が誤検知されているために、撮影時光源を誤推定する可能性が高い。
上記の光源推定値を用いてカラーバランス補正を行うと、画像データのカラーバランスが大きく崩れ、画像弊害を生じる場合がある。
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、以下の構成を有する。すなわち、画像処理装置であって、画像データの輝度成分の解析結果に基づき、前記画像データからハイライト色を取得する第一の取得手段と、前記画像データに含まれるブジェクトの色を取得する第二の取得手段と、色平面において前記ハイライト色と前記オブジェクトの色との距離が所定の距離以上の場合、前記距離が長いほど、前記画像データから算出したハイライト色を補正する量が大きくなるように、前記ハイライト色を補正する補正手段とを有する。
本願発明によれば、画像データからハイライト色を誤検知した場合であっても、検出したハイライト色を補正することで、画質劣化を抑制するカラーバランス補正を実現することができる。
本発明に係る画像処理方法を実行するためのハードウェア構成図。 第一実施形態に係る機能ブロック図。 本発明の画像解析部におけるHL色算出のフロー図。 ハイライト輝度値を決定する処理の説明図。 HL色の黒体軌跡を用いて入力画像のHL色を修正する処理の説明図。 HL色の黒体軌跡を用いて信頼度を算出する処理の説明図。 肌の色とHL色を用いて入力画像のHL色を修正する処理の説明図。 本発明に係る光源推定処理のフロー図。 本発明に係る光源推定部におけるグレー軸の設定例を示す図。 本発明に係る光源推定部におけるグレー・肌色マップ作成処理のフロー図。 本発明に係る肌色画素を特定する処理の説明図。 第一実施形態に係る第2の色変換部のフロー図。 本発明に係る各種光源下における白点情報の保持例を示す図。 本発明に係る最終白点を決定する処理の説明図。 本発明に係る第2の色変換前後での変換量の説明図。 第二、第三実施形態に係る画像解析結果修正部の説明図。 第五実施形態に係る最終白点を決定する処理のフロー図。 第五実施形態に係る最終白点を決定する処理の説明図。 第六実施形態に係る機能ブロック図。 第六実施形態に係る信頼度を算出する処理のフロー図。 第七実施形態に係る機能ブロック図。 第七実施形態に係る3DLUT生成部のフロー図。 第七実施形態に係る機能ブロック図。
<第一実施形態>
以下より、本発明における好適な第一実施形態について説明する。なお、以下の記載はプリンタ本体内部の画像処理を想定して説明を行うが、これはあくまで実施の1つの形態を例として示したものであり、本発明は以下の実施に限定されるものではない。
(ハードウェア構成の説明)
図1に本発明の画像処理方法を実施可能なハードウェアの構成を示す。なお、図1は本実施形態における例であり、本発明は図1の構成に限定されることはない。図1において、画像処理装置100は、CPU101、RAM102、ROM103を有し、各機能ブロックがシステムバス112に接続されている。本発明の動作を実行するプログラムコードはROM103に格納され、動作時にRAM102に読み込まれ、CPU101によって実行される。
また、画像処理装置100は、HDDやフラッシュメモリ等の2次記憶装置104を有し、マウス108やキーボード109が、インタフェース105を介して接続されている。また、プリンタ110がインタフェース106を介して、また、補正前後の画像を評価するためのモニタが、ビデオカード107を介して接続されている。
ここで示した画像処理装置の構成は、例えば一般的な情報処理装置であるPC(パーソナルコンピュータ)が有する構成となっている。
[全体フロー概要説明]
以下では、図2(A)を用いて、本実施形態における画像処理の全体構成について説明する。本実施形態において、入力画像200は、デジタルカメラで撮影されたデジタル画像か、あるいはアナログカメラで撮影されたフィルムを光学的にスキャンして得られたデジタル画像であっても構わない。入力画像データのフォーマットについては、本発明を適用可能であれば特に限定しない。なお、本実施形態においては説明を簡単にするために、入力画像の色空間はsRGB(standard RGB)であり、各画素値が8bitのRGB成分値で構成されているものとする。
入力画像200は画像縮小部201に入力され、同部において、後述する画像解析部202にて処理を行うための縮小画像を生成する。該縮小画像を用いることにより、入力画像200をそのまま画像解析部202に入力するよりも、画像解析部202における処理を低減することが可能となる。ここでの縮小処理の方法については、特に限定しない。
縮小画像は画像解析部202に入力され、同部において、画像の解析処理が行われる。画像の解析処理としては、画像中のオブジェクト(例えば人物の顔)を抽出してオブジェクト色(オブジェクトが人物の顔であれば、人の肌の色)を算出したり、画像全体のヒストグラムを計測してハイライト色(以降、HL色)を算出することが含まれる。ここで、HL色とは、画像の最も明るい領域の色である。さらに画像の特徴量として、画像全体の明度、彩度について、それぞれ平均値、最大値、最小値を算出することも含まれる。
画像解析部202に解析された結果として得られた複数種類の画像特徴量は、画像解析結果修正部203に入力され、同部において、画像解析結果の修正を行う。画像解析部202で解析した結果として得られた解析値は、常に正しいとは限らない。例えば、人物の顔検出については、ある一定の確率で、人物の顔ではない領域を顔と誤検出する場合がある。また、算出した画像のHL色を基に、後述するカラーバランス補正を行うことになるが、該HL色を撮影時の光源色とは異なった色を誤って算出すると、カラーバランス補正が正しく動作しない場合がある。上記問題を鑑み、本実施形態においては、画像解析結果修正部203において、様々な判定処理によって各特徴量を修正し、該修正値を用いて後段に続く画像処理を実行することで、画像弊害の少ない、安定した画像を出力することが可能となる。
次に光源推定部204において、画像解析結果修正部203による修正後のHL色とオブジェクト色を用いて、撮影時光源の推定を行う。本発明においては、撮影時光源の推定方法について特に限定するものではなく、従来例で述べたような特許文献1に開示されているもの等の中から、いずれを用いても構わない。光源推定部204により推定された撮影時光源下における色温度を算出し、その条件下におけるハイライト色を取得することにより、第1のハイライト色算出を行う。
光源推定部204において撮影時の光源推定が行われると、その結果として、例えば撮影時光源の色温度値が決定され、該色温度値は第1の色変換部205に入力される。通常、デジタルカメラで撮影された画像は、カメラ内部で独自のカラーバランス補正が施されているため、第1の色変換部205において、カメラ内部において適用されたカラーバランス補正をキャンセルし、カラーバランス補正前の状態に入力画像200を変換する。ここで、入力画像に対して適用されている撮像装置(カメラ等)独自のカラーバランス補正をキャンセルすることにより、カラーバランス補正前の画像が取得できる。
第1の色変換部205における第1の色変換後の画像は、第2の色変換部206に入力され、同部において、第2の色変換処理が施される。第2の色変換部206では、カメラ内部によるカラーバランス補正をキャンセルした状態の画像に対して、人間の視覚特性を考慮し、撮影時光源下における“見え”に近づけるよう、画像の色変換を行う。第2の色変換後の画像は出力画像207として、2次記憶装置104に記憶されたり、モニタ111に表示されたり、プリンタ110で印字媒体上に印字されることになる。以上が、本実施形態における処理のブロック図の説明である。
[各処理部における動作]
以下では、図2(A)に示した各部の動作について、フローチャート等を参照しながら処理の詳細を説明する。
(画像縮小部201)
画像縮小部201では、後段の画像解析部202の処理を効率化するために、入力画像200を所定解像度の画像に縮小する。例えば、入力画像が4000×3000画素の比較的高解像度画像であった場合、該解像度の全ての画素について、例えば明度や彩度値を算出すると、画像解析部202の処理時間が膨大になってしまう問題がある。そこで、本実施形態では、画像解析部202で必要とされる最低限の解像度、例えば640×480画素程度に縮小し、該縮小画像を画像解析部202に入力する。
なお、本実施形態においては縮小方法を特に限定するものではなく、最近隣縮小や線形補間縮小などのいずれの方法を用いてもよい。また、画像縮小部201で生成する縮小画像は1種類に限られない。例えば、画像解析部202において、平均明度や平均彩度を算出するために必要な画像解像度は640×480画素程度で十分であるが、顔検出等のオブジェクト検出を行う場合には1024×768画素程度の解像度が必要という場合がある。この場合には、画像縮小部201で2種類の縮小画像を生成し、画像解析部202に入力してもよい。
(画像解析部202)
図2(B)は、図2(A)に示す画像解析部202の詳細な処理のブロック図を示している。本実施形態では簡単のため、3つのブロックのみで構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図2(B)に示すように、画像縮小部201で得られた縮小画像300を基に、HL色決定部301において、画像のHL色を算出する。また、縮小画像300はオブジェクト検出部302にも入力され、同部において、画像中の主要オブジェクトである人物の顔領域の検出を行う。ここでの主要オブジェクトとは、撮像された画像中において、主な撮像の目的とするものを指す。本実施形態では、人物を主なオブジェクトとしている画像であるため、主要オブジェクトは人の顔としている。さらに顔領域の位置情報に基づいて、オブジェクト色算出部303において、オブジェクトの色、すなわち肌の色を算出する。
(オブジェクト検出部302、オブジェクト色算出部303)
オブジェクト検出部302においては、入力画像(ここでは縮小画像300)中の主要被写体を検出する処理が行われる。主要被写体の主なものとしては、人物の顔が挙げられる。このときに使用する人物の顔検出手法としては、すでに様々な手法が提案されている。特開2002−183731号公報によれば、入力画像から目領域を検出し、目領域周辺を顔候補領域とする。該顔候補領域に対して、画素毎の輝度勾配、および輝度勾配の重みを算出し、これらの値を、あらかじめ設定されている理想的な顔基準画像の勾配、および勾配の重みと比較する。その時に、各勾配間の平均角度が所定の閾値以下であった場合、入力画像は顔領域を有すると判定する方法が記載されている。
また、特開2003−30667号公報によれば、まず画像中から肌色領域を検出し、同領域内において、人間の虹彩色画素を検出することにより、目の位置を検出することが可能であるとしている。
さらに、特開平8−63597号公報によれば、複数の顔の形状をしたテンプレートと画像とのマッチング度を計算する。該マッチング度が最も高いテンプレートを選択し、最も高かったマッチング度があらかじめ定められた閾値以上であれば、選択されたテンプレート内の領域を顔候補領域とする。同テンプレートを用いるこことで、目の位置を検出することが可能であるとしている。
さらに、特開2000−105829号公報によれば、まず、鼻画像パターンをテンプレートとし、画像全体、あるいは画像中の指定された領域を走査し最もマッチする位置を鼻の位置として出力する。次に、画像の鼻の位置よりも上の領域を目が存在する領域と考え、目画像パターンをテンプレートとして目存在領域を走査してマッチングをとり、ある閾値よりもマッチ度が大きい画素の集合である目存在候補位置集合を求める。さらに、目存在候補位置集合に含まれる連続した領域をクラスタとして分割し、各クラスタと鼻位置との距離を算出する。その距離が最も短くなるクラスタを目が存在するクラスタと決定することで、器官位置の検出が可能であるとしている。
その他、顔および器官位置を検出する方法としては、特開平8−77334号公報、特開2001−216515号公報、特開平5−197793号公報、特開平11−53525号公報、特開2000−132688号公報、特開2000−235648号公報、特開平11−250267号公報がある。さらには特登録2541688号など、数多くの手法が提案されている。本実施形態では特に手法を限定はしない。
さらに、上記様々な顔検出方法では、一般的に顔検出の信頼度R_faceを算出することが可能である。この信頼度R_faceは0〜1.0の値を持ち、1.0に近づくほど、検出結果の信頼性が高いものと判断する。つまり、基準値となる値との差分により、信頼度を決定することができる。この顔検出の信頼度は、例えば、テンプレートマッチング手法による顔検出の場合には、テンプレートとの適合度合いを顔検出の信頼度とすることが考えられる。また、目の位置や肌の色など顔の特徴量を、予め保持されている特徴量と比較を行って顔検出を行う手法の場合には、特徴量の適合度合いを顔検出の信頼度とすることも考えられるが、本実施形態ではいずれの方法を用いても構わない。
上記オブジェクト検出が成功すると、主要被写体の位置示す座標を得ることができる。該座標は、顔領域を包含するような矩形座標であっても構わないし、中心と半径で表現されるような円形座標であっても構わない。該座標情報は、オブジェクト色算出部303に入力され、同部において、主要被写体領域の色の解析を行う。色の解析とは、一般的には、検出した主要被写体領域内の平均色を求めることを意味している。平均色は、例えば、画像を構成している各画素がRGB値で表現されている場合には、該主要被写体領域内に含まれる画素の各RGBの平均値を算出することで求めることができる。
本実施形態においては、上記方法により求めたオブジェクト色を、(ObjR,ObjG,ObjB)として取り扱う。また、上記オブジェクト色をYCbCr色空間に変換した(ObjY,ObjCb,ObjCr)も同様にオブジェクト色として取り扱う。別の方法としては、該主要被写体領域内に含まれる画素の各RGB値を輝度・色差成分に変換し、色差成分の平均値を求めてもよい。ここで輝度色差空間は、例えばYC1C2空間、あるいはCIE L*a*b*空間等のいずれであっても構わない。
また、オブジェクト検出部302において、主要被写体が複数検出された場合には、被写体領域毎に算出した平均色をさらに平均化してもよい。あるいは、補正効果を出すためには、予め設定する理想的なオブジェクト色から最も遠方に存在するオブジェクト色を基準とすることも考えられる。逆に、補正効果を弱めるためには、理想オブジェクト色に最も近い主要被写体を基準としてもよい。
(HL色決定部301)
図2(B)に示すHL色決定部301では、入力画像のHL色を算出する。HL色決定部301により第2のハイライト色算出を行う。HL色の算出方法についても様々な方法が提案されており、本発明が適用可能であればいずれの方法を用いても構わない。本実施形態においては、図3に示すフローに基づいて、HL色を算出する方法について説明する。なお、図3に示すフローは、例えば、記憶部であるRAM102等に格納されたプログラムをCPU101が読み出して実行するものとする。
図3において、まず、S401〜S404にて、縮小画像300のヒストグラムを算出する。S401において、HL色決定部301は、縮小画像300中の各画素のRGB値を、公知の公式によって輝度色差成分に変換する。ここでは例としてYCbCr値に変換する。次にS402において、HL色決定部301は、輝度成分Yについて、度数ヒストグラムを算出する。ここで、ヒストグラムは、0に初期化されたHistY配列に対して、HistYのY番目の要素をインクリメントすることで算出することができる。
次に、S403において、HL色決定部301は、輝度毎に色差Cb,Cr値の平均値を算出するために、0に初期化された配列MeanCb,MeanCrに対して、それぞれ以下の式1による演算を行う。
[式1]
MeanCb[Y]+=Cb
MeanCr[Y]+=Cr
縮小画像300の全ての画素についてS401〜S404の処理が終了すると、輝度ヒストグラム配列HistYは、図4に示すような度数分布を格納している。そこで、S405において、HL色決定部301は、HistYを用いてハイライト輝度値HLYを決定する。本実施形態におけるHLYは、HistY[Y]の値を輝度の小さい方から累積していき、累積度数が縮小画像300全体の99%に到達した時点の輝度値Yを、ハイライト輝度値HLYとして決定する。なお、HLYを決定するための累積度数割合は、99%に限定されるものではない。また、累積を行う処理中において、輝度値が特定できるようであれば、その時点で輝度値を決定し、処理を終了してもよい。
次に、S406において、HL色決定部301は、決定されたHLYを用いて、HL領域の色HLCb,HLCr値を算出する。同値の算出は、以下の式2を用いて行う。
[式2]
HLCb=MeanCb[HLY]÷HistY[HLY]
HLCr=MeanCr[HLY]÷HistY[HLY]
以上説明した処理によって、第2のハイライト色決定を行う。算出したオブジェクト色、およびHL色(HLCb,HLCr値)は、画像解析結果修正部203に入力される。
(画像解析結果修正部203)
画像解析結果修正部203は、画像解析部202で算出した解析結果の修正を行う処理部である。同部では、予め保持している分光分布に基づくHL色の黒体軌跡を用いて、画像解析部202で算出した入力画像のHL色を修正する。まず、HL色の黒体軌跡について以下で説明する。
理想的な黒体を想定すると、ある温度において黒体が放射する光の波長の分布を導き出すことができる。例えば、白という色を黒体の温度で表現すると、温度が低い時は暗いオレンジ色に近くなり、温度が高い時は青みがかった白に近くなる。ここで表現している黒体の温度を色温度(K:ケルビン)という。本実施形態で用いるHL色の黒体軌跡とは、観察環境下で、照明の色温度を変更したときの明るい領域の色すなわちHL色の軌跡を表したものである。例えば図5(A)を用いて説明する。
図5(A)は、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値と予め保持している分光分布に基づくHL色の黒体軌跡をCbCr平面上に示した図である。図5(A)において、例えば、色温度を3000K(●)から7000K(●)まで変化させたときのHL色を示している。この色温度を変化させた場合のHL色同士を結ぶ軌跡がHL色の黒体軌跡601である。
図5(A)において、座標602(△)は、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標を示す。また、両矢印603は、座標602がHL色の黒体軌跡601と最も近い位置までの距離を示す。また、破線矢印604は、座標602と(Cb,Cr)=(0,0)までの距離を示す。図5(A)のように、一般的に、デジタルカメラ内部でカラーバランス補正が行われた画像は、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値が、HL色の黒体軌跡601に近い位置になる。この場合、検出したHL色は正しく検出されている可能性が高いので、カラーバランス補正を積極的に行う方が好ましい。逆に、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値が、HL色の黒体軌跡601と遠く離れている場合には、HL色を誤って検出されている可能性が高いので、カラーバランス補正の補正量を抑制させる方が好ましい。つまり、基準となる値と解析された値との差分に応じて補正量を制御する。
例えば、黄色い花にカメラを近づけて画面全体に黄色い花をマクロ撮影する場合、黄色い花の部分をHL色として検出されてしまう。この場合、HL色をそのまま利用し、HL色を白色にするようなカラーバランス補正を行うと、黄色い花まで白く補正されてしまい、著しい弊害を発生させてしまう。入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値が、HL色の黒体軌跡601と遠く離れている例として、図5(B)を用いて説明する。
図5(B)は、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値と予め保持している分光分布に基づくHL色の黒体軌跡を色差Cb−Cr平面上に示した図である。図5(A)と同様に、色温度を3000K(●)から7000K(●)まで変化させたときのHL色どうしを結ぶ軌跡をHL色の黒体軌跡601としている。
また、HL色の黒体軌跡601と遠く離れている例として、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値は、座標702(△)を示す。両矢印703は、座標702がHL色の黒体軌跡601と最も近い位置までの距離を示す。また、破線矢印704は、座標702と(Cb,Cr)=(0,0)までの距離を示す。本実施形態では、カラーバランス補正の補正量を抑制する手段として、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値を修正することで実現する。
入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値の修正方法は、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値とHL色の黒体軌跡との距離によって修正を行う。入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値を修正する例を、図5(A)(B)及び図6(A)を用いて説明する。図6(A)は、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値とHL色の黒体軌跡601との距離に対する、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値の信頼度R_disを定義する関数を示した図である。
図6(A)において、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値とHL色の黒体軌跡601との距離を距離Lとする。また、距離Lから算出する入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の信頼度を信頼度R_disとする。また、信頼度R_disを算出する際に使用するLMaxを予め設定しておく。LMaxは、対象とする画像の特性(オブジェクトの種類や画像に含まれる色など)に合せて定義されるものとする。本実施形態において、信頼度R_disは最小0から最大1.0の範囲の値とする。図6(A)において、信頼度R_disを算出する式3を以下に示す。
[式3]
LMax>Lの場合 R_dis=(LMax−L)/LMax
LMax≦Lの場合 R_dis=0.0
例えば、図5(A)に示す入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標602を(HLCb,HLCr)=(−20,20)とする。また、図5(B)に示す入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標702を(HLCb,HLCr)=(−20,4)とする。
まず、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値とHL色の黒体軌跡601との距離Lを算出する。距離Lの算出方法としては、例えば、入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値と予め設定されているHL色の黒体軌跡601と垂直になるHL色の黒体軌跡601との距離を距離Lとして算出する。
例えば、図5(A)において、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標602とHL色の黒体軌跡601との距離Lを10とする。また、図5(B)において、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標702とHL色の黒体軌跡601との距離Lを50とする。
次に、式3を用いて予め設定したLMaxと算出した距離Lによって信頼度R_disを算出する。例えば、予め設定したLMaxを100として信頼度R_disを算出する。予め設定したLMaxを100として説明するが、任意に設定する値であり特に限定はしない。図5(A)の座標602と図5(B)の座標702の各信頼度R_disを算出した例を以下に示す。
HL色の座標602の信頼度:R_dis=(100−10)/100=0.9
HL色の座標702の信頼度:R_dis=(100−50)/100=0.5
次に、算出した信頼度R_disを用いて、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標の座標変換を行う。座標変換方法は、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標を、基準位置である原点(Cb,Cr)=(0,0)に近づける処理を行う。この座標変換式を以下に示す。ここで、変換後の座標を(Cb’,Cr’)として示す。
[式4]
(Cb’,Cr’)=(HLCb×R_dis,HLCr×R_dis)
図5(A)、(B)に示した座標に対する各信頼度R_disを用いて、HL色の座標602とHL色の座標702を(Cb,Cr)=(0,0)に近づける座標変換した例を以下に示す。
座標602:(Cb’,Cr’)=(−20×0.9,20×0.9)=(−18,18)
座標702:(Cb’,Cr’)=(−20×0.5,4×0.5)=(−10,2)
次に、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値を変換後の座標の値に置き換える。
[式5]
HLCb=Cb’
HLCr=Cr’
図5(A)において、入力画像のHL色の色差成分の座標602(HLCb,HLCr)は、(−20,20)から(−18,18)に修正される。また、図5(B)において、入力画像のHL色の色差成分の座標702(HLCb,HLCr)は、(−20,4)から(−10,2)に修正される。
以上、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値は、図6(A)に定義した信頼度R_disと距離Lとの関係に従う。つまり、図5(A)のようにHL色の黒体軌跡601と距離が近くなるに従って、修正の程度を減少させ、図5(B)のようにHL色の黒体軌跡601と距離が遠くなるに従って、修正の程度を増加させる。
図5(B)に示した座標702のように距離Lが小さい座標と比較して、より大きな修正を加えた場合、画像のHL色が原点に近づくことになる。このような原点近辺のHL色を用いて、後述する光源推定を行うと、光源推定の対象となるグレー画素群が無彩色となる確率が高くなる。該無彩色のグレー画素群と肌色画素群を用いて光源推定を行っても、その結果得られる光源推定値は、標準色である昼光下の色温度(5000〜5500K)付近を出力する確率が高くなる。上記色温度付近と判定された画像に対しては、カラーバランス補正の補正量は弱くなるため、結果として、HL色を原点に近づけることで、後述するカラーバランス補正量を抑制することが可能となる。
よって、例えば入力画像が黄色い花のマクロ撮影だった場合を想定すると、画像のHL色は彩度の高い黄色となり、HL色の黒体軌跡と遠く離れてしまう。この場合に、HL色を原点付近に修正してカラーバランス補正を抑制するので、黄色い花が白くなるといった誤補正を抑制することが可能となる。
本実施形態において入力される画像は、撮像装置において撮影時にカラーバランス補正が行われることを想定している。撮像装置におけるカラーバランス補正も、基本的には、画像のHL色が図5(A)に示す黒体軌跡近傍に位置するように、カラーバランス制御を行っている。このため、通常操作において撮像装置で撮影された画像に対しては、本発明を適用してもカラーバランス補正が良好に動作し、過度の抑制が働いてカラーバランス補正の効果が小さくなることはない。
ただし、撮像装置内のカラーバランス補正がなんらかの原因で正しく動作せず、そのため画像のHL色が黒体軌跡から大きく逸脱する可能性はゼロではない。例えば、近年の撮像装置においては、撮影画角の中から人物の顔領域を検出し、該顔色を用いてカラーバランス制御を行う。この時、例えば風景の中の山肌を誤って人物の顔と認識した際には、肌の色の値を誤検知してしまうため、カラーバランスが大きく崩れ、画像のHL色が黒体軌跡から大きく逸脱する場合がある。このような画像に対しては本発明を適用すると、カラーバランス補正が抑制され、不適正なままの画像を出力することも考えられる。しかし、上記のような誤検出は、確率的には非常に低いものである。よって、上述するような不適正な画像が補正できないデメリットよりも、黄色い花の画像のカラーバランスを誤補正しないメリットの方が格段に大きいことに重点をおいている点が、本発明の特徴となっている。
また、本実施形態では、図6(A)のように、信頼度R_disを求める場合、距離L=0からLMaxまでを直線で結び、距離Lが大きくなるに従い、信頼度R_disは小さくなる。図6(A)を用いることにより、入力画像のHL色が少しだけ異なる画像の間においては、信頼度R_disに大きな差が生じないため、同じように大きな差を生じさせないでカラーバランス補正処理を行うことが可能である。例えば、連射で撮影した画像のように、同じエリアを短い時間で撮影された画像は、入力画像のHL色が少しだけ異なる画像が生成される。図6(A)のように距離Lに応じて信頼度R_disが変更されるため、カラーバランス補正後の結果も補正された画像を生成させることができる効果がある。
また、本実施形態においては、図6(A)を用いて信頼度R_dis算出しているが、これに限らない。例えば、信頼度の算出について、図6(B)を用いて説明する。図6(B)において、図6(A)と同様に、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離を距離Lとする。また、距離Lによって算出する入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の信頼度を信頼度R_disとする。また、信頼度R_disを算出する際に使用するLMaxを予め設定しておく。本実施形態において、信頼度R_disは最小0から最大1.0の範囲とする。
図6(B)は、図6(A)と異なる部分として、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離Lがいずれであったとしても、信頼度R_disを1.0の一定とする。つまり、以下のように定義される。
[式3’]
LMax>Lの場合 R_dis=1.0
LMax≦Lの場合 R_dis=0.0
例えば、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離によって誤検出したHL色であるかを経験的に判断できる場合、図6(B)に示した一定の信頼度は、図6(A)に示した信頼度に比べ効果が出せる。例えば、距離Lの値が小さい場合は、積極的にカラーバランス補正を実行させることができ、また、距離Lの値が大きい場合は、カラーバランス補正をかなり強く抑制できる効果がある。
また、更に信頼度R_disを算出する別の方法として、例えば、図6(C)、(D)に示すような非線形の関数を用いても構わない。図6(C)、(D)において、図6(A)と同様に、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離を距離Lとする。また、距離Lによって算出する入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の信頼度を信頼度R_disとする。また、信頼度R_disを算出する際に使用するLMaxを予め設定しておく。本実施形態において、信頼度R_disは最小0から最大1.0の範囲とする。
図6(C)において、図6(A)と異なる部分として、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離Lが小さい範囲(0≦L<L’)では信頼度R_disを1.0の一定とする。更に、HL色の黒体軌跡との距離Lが大きい範囲(L’≦L<LMax)では、信頼度R_disを距離に比例して減少させるように設定する。また、LがLmaxより大きい場合は、信頼度R_disは0とする。ここで、L’の値は経験的に定義しても良いし、画像の特性に合せて変動させても構わない。従って、図6(C)は以下のように定義される。
[式3”]
0≦L<L’の場合 R_dis=1.0
L’≦L<LMaxの場合 R_dis=(LMax−L)/LMax
LMax≦Lの場合 R_dis=0.0
図6(D)において、図6(A)と異なる部分として、L=0からLMaxまでをS字カーブの曲線で結び、信頼度R_disを滑らか変化させる。S字カーブの曲線は、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離Lの値が小さい場合には、信頼度R_disを0に近づけ、遠い場合には、信頼度R_disを1.0に近づける設定にする。
図6(C)、(D)のいずれにおいても、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離Lの値が小さい場合は、信頼度R_disを高く、距離Lの値が大きい場合は、信頼度R_disを低くする。また、信頼度R_disを距離Lに応じて変化させる。従って、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離Lの値が大きい場合には、積極的に補正処理が行える。更に、HL色が少しだけ異なる画像間では、信頼度R_disに大きな差を生じさせないため、補正処理も同じような効果で処理できる効果がある。
図6(A)〜(D)のように、入力画像から解析したHL色の色差成分HLCb,HLCr値の座標とHL色の黒体軌跡との距離からHL色を変更する方法であれば、何れの変換方法を用いても構わない。以上が予め保持している分光分布に基づくHL色の黒体軌跡を用いて、画像解析部202で算出した入力画像のHL色を修正する方法である。
更に追加として、画像解析結果修正方法として、上記の他に、入力画像から解析した人の肌の色とHL色との関係を用いて画像解析部202で算出した入力画像のHL色を修正する方法がある。以下では、入力画像から解析した人の肌の色とHL色との相対関係を用いた入力画像のHL色を修正する方法について説明する。
オブジェクト色を人の肌の色として、オブジェクト色とHL色は、YCbCr空間におけるCbCr平面上において、3000K光源下では図7(A)のオブジェクト色1201、HL色1202のようにプロットすることができる。また、昼光色の光源下ではオブジェクト色1203,HL色1204,8000K光源下では肌の色1205,HL色1206のようにプロットされる。
このことからオブジェクト色とHL色との関係は光源が変化してもほぼ一定に保たれるという特徴がある。ここでの関係とは、HL色とオブジェクト色との関係式が一定である。また別の特徴として、ここでのオブジェクト色が人物の肌の色とすると、該肌の色は人種によって明度に大きな差があるものの、色成分に関しては、大きな差がないことが、様々な文献によって開示されている。従って、図7(A)に示すHL色と肌の色の関係は、人種によってもほぼ一定になるという特徴がある。従って、図7(A)に示したような両者の関係が崩れれば崩れるほど、オブジェクト色かつ/またはHL色は誤検出している可能性が高いと考えられる。
この特徴を使って、オブジェクト色とHL色はベクトルの関係で表すことができる。つまり、CrCb平面上におけるHL色の座標から対応するオブジェクト色の座標までのベクトルの向き、長さが同一であるとも表現できる。そこで、本実施形態では基準オブジェクト色と基準HL色とのベクトルを基準ベクトルとして形成すると、オブジェクト色とHL色との検出ベクトルを前記基準ベクトルに近づくようにHL色を修正して検出ベクトルを適正化する。また、本明細書においては、便宜上、上記理由に基づいて、人の肌の色に対応する色成分を“肌色”とも記述する。
検出ベクトルを適正化する際には、信頼度を算出し修正量を決定する。信頼度はオブジェクト色とHL色との間の関係が基準オブジェクト色と基準HL色との間の関係に対して、崩れれば崩れるほど低くなるものとする。よって、信頼度に従ってオブジェクト色とHL色の位置関係を修正することで検出ベクトルを適正方向に近づけることができる。
以下では、検出ベクトルが適正だった場合と適正でない場合とについて説明する。ここでは、基準HL色は昼光色の光源下での白点であり、基準オブジェクト色は昼光色の光源下での人の肌の色が設定される。
図7(B)のように設定された基準オブジェクト色1301と基準HL色1302から決まる基準ベクトル1303を、本画像処理装置は予め保持しておく。一方、オブジェクト色算出部303で算出されたオブジェクト色(ObjCb,ObjCr)1304とHL色(HLCb,HLCr)1305から検出ベクトル1306が算出される。
次に、基準ベクトル1303と検出ベクトル1306の大きさが同じ時、両者の方向に基づいて内積を求め、信頼度R_Vecを以下の式5で算出する。ここで、“X^Y”は“XのY乗”を示している。
[式5]
R_Vec=(1+((基準ベクトル・検出ベクトルの内積)/((基準ベクトルの大きさ)^2)))/2
図7(B)のような位置にオブジェクト色1304とHL色1305がある場合、基準ベクトル1303と検出ベクトル1306の向き、大きさがいずれも同じなので、内積は1となる。この時の信頼度は1となる。
次に、検出ベクトルが適正でない場合について図7(C)を用いて説明する。HL色(HLCb,HLCr)、もしくはオブジェクト色(ObjCb,ObjCr)が誤検出した場合について以下に示す。図7(C)のオブジェクト色1401とHL色1402とから定まる検出ベクトル1403のように、検出ベクトルの向きが基準オブジェクト色1404と基準HL色1405とから定まる基準ベクトル1406に対して角度差があることや、大きさが異なることがある。
図7(C)のような位置にオブジェクト色1401とHL色1402がある場合、検出ベクトル1403と基準ベクトル1406の向きは60°違うので、上述した信頼度算出の式5によれば、このときの信頼度R_Vecは0.75となる。
次に、前述のように検出ベクトル1403を適正化するために得られた信頼度R_Vec(=0.75)に基づいて、まずHL色1402を修正する例について述べる。また、信頼度は、重み係数と同等のものであってもいいことは言うまでもない。
ここで、検出されたHL色(HLCb,HLCr)1402を第1HL色(f_HLCb,f_HLCr)とし、修正後のHL色を第2HL色(s_HLCb,s_HLCr)と呼ぶことにする。第2HL色は以下の式6で求めることができる。また、ここでは基準HL色(b_HL)は、オブジェクト色1401から基準ベクトル1406分移動した点を基準HL色とする。基準HL(b_HL)は図7(C)におけるHL色1407である。
[式6]
s_HLCb=b_HLCb+(f_HLCb−b_HLCb)×R_Vec
s_HLCr=b_HLCr+(f_HLCr−b_HLCr)×R_Vec
ここで、信頼度が1の時には、HL色が信頼できるとして、第1HL色が第2HL色となる。次に、信頼度が0の時には、HL色が信頼できないとして、基準HL色が第2HL色となる。信頼度が0より大きく、1より小さい時には、重み係数に従って、基準HL色と第1HL色の間で第2HL色が決定される。
信頼度の範囲、値、基準HL色、基準オブジェクト色は任意で決めることができることは言うまでもない。また、所定色平面、または空間は、例えばYCbCr空間やYC1C2空間、あるいはCIE L*a*b*空間等のいずれであっても構わない。また、本発明における信頼度算出方法、第2HL色の算出方法は上記に示した式6に限定されるものではない。上記説明した処理によって修正された画像のHL色およびオブジェクト色情報は、後段である光源推定部204に入力される。
(光源推定部204)
ここでは、光源推定部204の詳細について、図8のフローチャートを用いて説明する。本発明では、入力画像から撮影時光源の種類、あるいは色温度を推定する方法を、特に限定するものではない。ここでは一例として、特許文献1に開示されている技術を応用して処理の説明を行う。本処理は、例えば、本発明を実現可能な画像処理装置100が有する記憶部であるROM103等に格納されたプログラムをCPU101が読み出し、実行する。
図8において、まずS1501で、光源推定部204は、入力画像におけるグレー軸を決定する。グレー軸の決定は、上述したハイライト領域の色であるHLCb,HLCrを用いて、図9(A)、(B)のように決定する。
グレー軸は、図9(A)に示すようにYCbCr色空間において、色平面Cb−Crに対して垂直な直線1601に設定する。あるいは、図9(B)に示すように、Y=255においては、(Cb=HLCb,Cr=HLCr)で、Y=0においては(Cb=0,Cr=0)となるような直線1701をグレー軸としてもよい。
通常、撮像装置により生成された画像の暗部は、撮像装置の受光素子まで光が届いていないため暗くなるので、光源の影響を受けにくいと考えられる。このことから、撮像装置の特性によっては、後者の図9(B)に示したようにグレー軸を設定した方が、光源推定精度が向上する場合がある。
次に、S1502において、光源推定部204は、入力画像中のオブジェクト色画素とグレー画素を抽出し、マップを作成する。マップの作成は、図10のフローに従って行う。なお、光源推定を行う対象画像は、入力画像でもよいが、上述したように入力画像は高解像度であるため、本実施形態では、ヒストグラム算出のために生成した縮小画像を用いて光源推定を行う場合を想定する。これにより、光源推定の処理時間を短縮でき、さらに1度縮小した画像を異なる処理で使いまわすこともできるため、再度縮小画像を生成する時間を省くことができる。
ここで、図10に示すマップ作成の処理について述べる。ここでのグレー・肌色マップは、配列データとしてMAP[y][x]が定義され、RAM102等に保持されているものとする。まずS1801において、光源推定部204は、グレー・肌色マップMAP[y][x]の各要素を0に初期化する。次にS1802において、光源推定部204は、処理対象である縮小画像の注目画素について、RGB成分値をYCbCr値へ変換する。次にS1803において、光源推定部204は、図9(A)、(B)でYCbCr空間に設定したグレー軸を参照し、注目画素のYCbCr値とグレー軸との距離を、公知の点と直線の距離の求め方に従って算出する。算出した距離が所定の閾値と比較して小さければ、グレー軸近傍画素とし(S1803にてYES)、S1804において、前記縮小画像と同じ幅と高さで用意された2次元配列MAP[y][x]の、注目画素位置と対応付けられたメンバを1に設定する。
グレー軸近傍と判定されなかった場合には(S1803にてNO)、S1805において、注目画素が肌色近傍であるか否かの判定を行う。本実施形態においては、YCbCr空間内に、オブジェクト色算出部303で算出したオブジェクト色情報(ObjY,ObjCb,ObjCr)を基に、図11で示すような円柱状のオブジェクト色領域1901を設定する。以下、この領域を肌色領域と記載する。図11において、オブジェクト色領域1901は、Cb−Cr色平面においてオブジェクト色(ObjCb,ObjCr)を中心とする半径ObjRの円柱となっている。ここで、ObjRは予め定められた値である。また、円柱の高さObjYmax,ObjYminは、例えば、以下の式7によって求めることができる。
[式7]
ObjYmax=ObjY+Δh
ObjYmin=ObjY−Δh
ここで、Δhは、予め定められた定数であり、ObjYは、オブジェクト色算出部303で算出されたオブジェクト色の輝度成分である。
S1805では、光源推定部204は、注目画素がオブジェクト色領域1901に含まれる場合に、注目画素はオブジェクト色近傍に位置すると判断し(S1805にてYES)、S1806において、MAP[y][x]の注目画素位置と対応付けられたメンバを2に設定する。そして、入力画像中における全ての画素に対して処理が終了すると(S1807にてYES)、本処理フローを完了する。なお、本実施形態においては、簡単のため、肌色領域は図11に示すような円柱形で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、算出したオブジェクト色を中心とする半径ObjRの球形でも良いし、その他類似形状でも良く、この場合においても本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。
図10を用いて上述したグレー・肌色画素のマップが生成できた場合には、次に図8のS1503〜S1507において、撮影時光源の推定を行う。光源推定の方法については本発明では特に限定しないが、ここでは、特許文献1に記載された方法を用いて説明する。特許文献1によれば、通常カメラのカラーバランス補正はRGB各成分にそれぞれ調整用のゲインを乗じることにより行われる。このような調整によって得られた画像データは、カメラの分光分布特性から得られた画像データと異なる挙動を示す。
具体的には、各種光源下において、カメラの分光特性から算出したグレーと肌色の軌跡を黒体軌跡とする。カメラ内部において、カラーバランス補正前のグレーと肌色の分布は、黒体軌跡上に分布している。しかし、カメラ内部でカラーバランス補正を行うためにRGB各成分に所定ゲインを乗じると、その結果得られた画像のグレーと肌色の分布は、上記黒体軌跡には適合しない分布となる。
このような特性を利用し、上記カラーバランス補正が施された後の画像に対して、画素毎にカラーバランス補正の逆変換の意味で様々な係数を乗じる。逆変換後の画像の各画素を黒体軌跡平面にプロットし、グレーおよび肌色の黒体軌跡近傍の画素数をカウントする。カウントした画素数が最大となる場合が、カラーバランス補正前の撮影時の状態であり、グレーおよび肌色が最も多く分布する黒体軌跡の位置に基づいて、撮影時光源を決定する。なお、光源推定方法について、更なる詳細については特許文献1を参照すること。
以下では、特許文献1を参照しながら、S1503〜S1507の処理の説明を行う。まずS1503では、光源推定部204は、上述したようにカメラ内部のカラーバランスの逆変換を行う意味で、縮小画像の注目画素におけるRGB各色成分に様々な逆変換係数を乗じる。
S1503では、光源推定部204は、最初に逆変換を行うための係数r,g,bを決定する。係数r,g,bは例えば、0.5〜1.5の範囲で変動する係数で、0.1ずつ増加するものと仮定する。特許文献1に示された方法をそのまま用いると、係数r,g,bは10の3乗回、すなわち1000回の逆変換を行う必要がある。この1000回の逆変換を、対象となるグレー・肌色領域に含まれるすべての画素に対して行うと、処理量が膨大になるという問題がある。
そこで本実施形態では上記問題を鑑み、画像のHL色と相反する方向への逆変換処理を行わない。具体的には、画像解析部202で解析した画像のHL色(HLY,HLCb,HLCr)をRGB色空間に変換して(HLR,HLG,HLB)値を得る。HLRとHLBを比較し、HLR>HLBであった場合には、逆変換係数r,g,bの組み合わせのうち、r>bとなる場合にのみ、以降の逆変換処理を実施する。逆にHLR<HLBであった場合には、逆変換係数r,g,bの組み合わせのうち、r<bとなる場合にのみ、以降の逆変換処理を実施する。
上述したように、入力画像のHL色は、撮像装置内部でカラーバランス補正が施されたとしても、撮影環境における光源の種類がある程度反映されている確率が非常に高い。例えば、3000K付近の白熱光源のもとで撮影された画像は、撮像装置内部でカラーバランス補正が適用されたとしても、画像のHL色は青方向ではなく、オレンジ方向の色成分となる場合がほとんどである。逆に、晴天下の野外の日陰など、色温度が高い状況下で撮影された画像は、撮像装置内部でカラーバランス補正が適用されたとしても、画像のHL色は青方向の色成分となる場合がほとんどである。
従って、上述したような画像HLの色成分のバランスに応じて逆変換を行う係数を限定することにより、画像とは無関係な演算を除去することが可能となる。また、その結果得られる光源推定色温度も、画像のHL色と相反する値を算出することにならないため、安定したカラーバランス補正を行うことが可能となる。
S1503では、光源推定部204は、縮小画像の注目画素におけるRGB各成分に、上述した処理によって決定した逆変換係数r,g,bを乗じ、R’G’B’を得る。以下に算出式を示す。
[式8]
R’=R×r
G’=G×g
B’=B×b
ただし、本実施形態においては、特許文献1とは異なり、上述したグレー・肌色画素マップを参照し、S1503において注目画素がグレーあるいは肌色画素であると判断された場合にのみ、上記逆変換を行うものとする。ここで、グレー画素と判断された画素数をcount_g、肌色画素と判断された画素数をcount_hとする。
このようにすることで、画像中の全画素を用いている特許文献1に比べ、本実施形態の方法では、グレー・肌色とは無関係の画素を排除して光源推定を行うことで、光源推定精度の向上や、光源推定に要する処理時間を短縮することが可能となる。
その後、S1504において、R’G’B’成分を所定色成分に変換し、所定色平面において予め定義してある黒体軌跡との距離を算出する。該距離が所定値以下である場合には、逆変換後のR’G’B’値が黒体軌跡近傍に位置すると判断し、画素数のカウントアップを行う。
S1503〜S1504の処理を、入力された縮小画像の全画素について行うことで、ある一つの逆変換係数セット(r,g,b)値において、黒体軌跡近傍の画素数を算出することができる。そして、S1503〜S1505の処理を、予め用意してある様々な逆変換セットに対して、繰り返し行う(S1506)。
その結果、S1507において黒体軌跡近傍の画素数が最大となる逆変換セット(r_max,g_max,b_max)を算出し記憶する。さらに、該セットにおける黒体軌跡上の肌色・グレー画素の分布に応じて、撮影時光源の色温度Kを決定する(詳細は特許文献1を参照)。ここで、黒体軌跡近傍の画素数の最大値を、count_maxとする。
ここでKの単位はケルビンであり、通常2500〜10000程度の値を保持することになる。撮影時光源が昼光下の場合、5500ケルビン前後、白熱灯などのオレンジ光源の場合には3000ケルビン前後、曇りの日や日陰においては8000ケルビン前後の値となることが多い。
また、ここで光源推定の信頼度R_lseを、以下のように定義することができる。
[式9]
R_lse=(count_max)/(count_g+count_h)
式9は、count_max=(count_g+count_h)となった場合、R_lse=1.0となる。これはすなわち、S1503において、注目画素が肌色あるいはグレー画素と判断された全ての画素が、黒体軌跡近傍に含まれているということになり、その結果得られた光源推定値は信頼度が非常に高いと判断できる。以上が、光源推定部204の説明である。
(第1の色変換部205)
次に、図2に示した第1の色変換部205について説明する。第1の色変換部205では、入力画像に対し、カメラ内部で施されたカラーバランス補正をキャンセルすることを目的とした第1の色変換処理を行う。本実施形態においては、上記記憶してある逆変換セット(r_max,g_max,b_max)を入力画像中の各画素のRGB成分値にそれぞれ乗じることで、実行することができる。
(第2の色変換部206)
次に図2に示した第2の色変換部206において、第2の色変換処理を行う。第2の色変換処理の目的は、第1の色変換処理を行い、カメラ内部のカラーバランス補正をキャンセルした画像に対し、推定した撮影時光源の色温度に基づいて、人間の視覚特性を考慮したカラーバランス補正を行うことである。
このようなカラーバランス補正の1例として、ここでは、CIECAM02を用いて説明を行う。CIECAM02とは、CIEが2002年に制定したColor Apperance Modelのことである。CIECAM02では、入力パラメータとして、観察条件に関するもの(c,Nc,Fや観察光源の白点XYZ値等)の他に、人間の視覚特性の順応率Dを設定することができる。
これらのパラメータを用いて、観察条件Aに相当するパラメータを設定して、入力画像を、XYZ色空間から観察条件非依存な色空間JChに変換する。変換されたJCh色空間から、さらに別の観察条件Bを指定し、XYZに変換することにより、双方の観察条件下で同じ“見え”の再現を行うことが可能となる。
CIECAM02については様々な文献で開示されている。例えば、CIE Publication, TC8−01, A Color Appearance Model for Colour Management Systems等が挙げられる。そのため、詳細については上記文献等を参照することとし、本実施形態においては概要説明に留める。本実施形態においては、CIECAM02を利用し、撮影時光源下での“見え”を、所定の観察条件下(例えば、モニタや印字物)で再現する方法について説明する。
図12は、第2の色変換部206による処理の流れを示している。以下では、該フローに沿って説明を行う。なお、本処理は本発明が実現可能な画像処理装置100が有する記憶部であるRAM102等に格納されたプログラムをCPU101が読み出し、実行するものとする。
図12において、まずS2001にて、第2の色変換部206は、光源推定部204で推定した撮影時光源の色温度に従って、各種パラメータを算出する。主なパラメータとして、撮影時光源下での白点XYZ値および、順応率Dinが存在する。
まず白点XYZ値については、以下の方法で算出する。すなわち、予め図13に示すように、主要な色温度におけるYCbCr値をROM103等の記憶部に記憶しておく。さらに、推定した色温度に応じて補間演算を行うことにより、光源推定の結果得られた色温度に相応する白点(EsY,EsCb,EsCr)を求めることができる。例えば、推定色温度が3750ケルビンであった場合、2000ケルビンと5500ケルビンの中間であるため、白点(EsY,EsCb,EsCr)値は、(255,−15,15)となる。
求められた白点(EsY,EsCb,EsCr)値は、公知の変換式によってsRGB色空間を経由してXYZ値に変換することができる。また、S2001では、第2の色変換部206が撮影時光源における順応率Dinも決定する。順応率Dinは予め設定した固定値(例えば、Din=0.8など)により設定してもよい。ここまでの処理により、撮影時の光源推定に基づくハイライト色が算出される。この算出結果に基づいて、第1のハイライト色が決定し、第1のハイライト色決定が行われることとなる。
以上述べたのは、推定した撮影時光源下におけるパラメータの算出方法であるが、ここで考慮しなければならない点として、上記光源推定結果は、常に正しいとは限らない点である。例えば、光源推定の結果から算出した白点(EsY,EsCb,EsCr)の値と、画像解析部202で算出したHL色(HLY,HLCb,HLCr)がほとんど同値である。この場合は、基準白点は正しいものとしてカラーバランス補正を実行することができる。しかし、両者が大きくかけ離れた場合には、最終的にどちらの白点を用いて補正処理を行うか、判断する必要がある。
上記問題を鑑み、本実施形態では、図12のS2002において、画像解析部202で得られたHL色と、光源推定の結果得られた白点との両者を用いて、最終的な基準白点を算出する方法について説明する。
図14(A)は、本実施形態における最終白点の決定方法を記載している。図14(A)はCbCr色平面を示しており、光源推定の結果から算出した白点2201、画像解析部202で算出したHL色2202、白点2201とHL色2202との両者から算出した最終白点2203を示している。本実施形態では最も簡単な例として、最終白点(FinY,FinCb,FinCr)を以下の式10により算出する。なお、光源推定から求められた白点2201を第1HL色、画像解析により求められたHL色2202を第2HL色、最終的に求められる最終白点2203を第3HL色に相当する。ここで白点2201の座標を(EsCb,EsCr)にて示し、HL色2202の座標を(HLCb,HLCr)にて示している。
[式10]
FinY=(EsY+HLY)/2
FinCb=(EsCb+HLCb)/2
FinCr=(EsCr+HLCr)/2
式10は、最終白点を白点とHL色との両者の中点とすることを意味している。該最終白点を、公知の公式によってXYZ値に変換し、該XYZ値を用いて後述するカラーバランス補正を実行する。これの手法により、第3のハイライト色算出を行う。
上記方法により求めた最終白点を用いてカラーバランス補正を行うことにより、どちらか一方のみを用いてカラーバランス補正を行う場合に比べて、大きな弊害を抑制でき、安定したカラーバランス補正を行うことが可能となる。
なお、式10においては簡単のため、白点2201とHL色2202との両者の中点に設定したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば以下の式11のように、予め定められた固定の内分率W_aおよびW_bを用いて、最終白点の座標を決定することもできる。
[式11]
FinY=EsY×W_a+HLY×W_b
FinCb=EsCb×W_a+HLCb×W_b
FinCr=EsCr×W_a+HLCr×W_b
式11において、以下の拘束条件を用いれば、最終白点は、両者の線分上に存在することになる。
拘束条件:W_a≧0、W_b≧0、かつW_a+W_b=1.0
例えば、光源推定部204の光源推定における処理精度が比較的信頼できる場合には、値をそれぞれ、W_a=0.6、W_b=0.4として、(EsY,EsCb,EsCr)値の重み係数を大きくして、最終白点を決定することも可能である。または、その逆として、性能が低い場合には、重み係数を減らしてもよい。つまり、光源推定部204の光源推定における処理に応じて重み係数の割合を変更することが可能である。
また、式11において、(W_a+W_b)の値は、本発明の効果を満たす範疇であれば、必ずしも1.0に設定する必要はない。例えば、(W_a+W_b)は0.9〜1.1という拘束条件を設定することも可能である。この場合、図14(B)に示す、実線で囲まれた台形範囲2301が最終白点の存在範囲となる。
このように最終白点を決定する場合においても、(EsY,EsCb,EsCr)と(HLY,HLCb,HLCr)のどちらか一方を使う場合に比べて、大きな弊害を抑制し、安定したカラーバランス補正を行うことが可能となる。以上が、本実施形態における最終白点算出方法の説明である。
続いて、図12に示すS2003では、第2の色変換部206は、入力画像を観察する観察環境におけるパラメータを決定する。ここでの観察環境とは、例えばモニタ111が挙げられる。よく知られているようにsRGBモニタは白点がD65に設定されている。すなわち、YCbCr空間であれば、(255,0,0)に相当する。この値を、同様にXYZ値に変換することで、観察環境におけるXYZを得ることができる。また、観察環境における順応率Doutも上記と同様に、予め設定した固定値などで決定することができる。
なお、上記においては、説明を簡単にするため、YCbCr空間で各光源下における白点座標を保持したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、XYZ空間やsRGB空間、あるいはCIE L*a*b*空間等で代表座標を保持してもよい。また、白点座標は、代表座標を保持するのではなく、所定色空間における数式によって表現することも可能である。本発明はそのいずれを用いても構わない。
次に、図12のS2004において、第2の色変換部206は、入力画像の注目画素の各RGB値(本実施形態ではsRGB色空間)を公知の変換式により、XYZ色空間に変換する。次にS2005において、第2の色変換部206は、S2001で算出した撮影時光源下でのパラメータ(白点XYZ,Din)に対し、該XYZをCIECAM02の公知の文献に記載された変換式を用いて、JCh色空間に変換する。
次にS2006において、第2の色変換部206は、S2003で算出した観察環境におけるパラメータ(最終白点のXYZ値,Dout)に対し、該JChをCIECAM02の公知の文献に記載された変換式を用いて、X’Y’Z’値に変換する。最後にS2007において、第2の色変換部206は、X’Y’Z’値に対し、公知の変換式を用いてsRGB色空間に変換し、補正後の画素値R’G’B’値を得る。
S2004〜S2007の処理を、注目画素位置を移動させながら、入力画像全体に対して施す(S2008)。以上の処理により、撮影時に見ていた“見え”に近い状態を、観察環境であるモニタ上に再現することが可能となる。
上記のような処理を用いた結果得られた画像の特徴を、図15を用いて説明する。図15は、横軸が色差、縦軸が輝度を示しており、白丸は第2の色変換部206に入力された、色かぶりを起こしている画像のグレー軸を示し、黒丸は該画素値の第2の色変換処理後の画素値を示している。白丸は色かぶりを生じているため、輝度軸からずれた位置に存在している。また、図15に示すように明部領域側の画素における変化量2401に対し、暗部領域側の画素における変化量2402の方が小さくなっている。
白丸画素に対して、上述したような第2の色変換処理を施すと、人間の順応機能により、白丸軸は輝度軸、つまり無彩色方向に補正されるが、その補正量は明部領域(輝度が高い画素)ほど大きく、暗部領域(輝度が低い画素)になるに従って小さくなる。
すなわち、入力画素値のうち、同一色相・同一彩度の複数画素に着目すると、明るい画素の方が暗い画素よりも、第2の色変換による変化量が大きくなる。これは、明部のほうが暗部よりも順応率が高くなるという人間の視覚特性に基づくもので、このような処理を行うことで、従来よりも撮影時の“見え”に近い画像再現が可能となる。
また、順応率Din,Doutを1.0未満に設定することで、人間の視覚特性の中でも重要な不完全順応状態を考慮することができ、従来よりも撮影時の“見え”に近い画像再現が可能となる。
以上により、本実施形態により、致命的な画像弊害を抑制することが可能となる。つまり、画像データから抽出したハイライト色およびオブジェクト色(例えば人の肌の色)の相対位置関係が、適正な場合に比べ逸脱していた場合には、少なくともどちらか一方が誤っていたと判断し、抽出された色情報に対する信頼値を低く設定する。この信頼値を用いてカラーバランス補正時の補正量を抑制することで、上記課題で述べた致命的な画像弊害を抑制することが可能となる。よって、本発明の画像処理装置および方法を用いることにより大きな弊害が発生することのない安定したカラーバランス補正を実現することができる。
<第二実施形態>
本実施形態では、画像解析結果修正部203で算出した信頼度R_Vecの設定方法として、更に例を挙げて説明する。第一実施形態で説明したように、HL色とオブジェクト色は光源が変わっても関係をほぼ一定に保っているという特徴がある。その特徴から信頼度R_Vecを設定する方法を図16(A)を用いて、以下で説明する。
図16(A)はYCbCr空間のCbCr平面である。信頼度は0〜1.0で定められている。この場合、肌色であるオブジェクト色(ObjCb,ObjCr)の座標2501を原点として、HL色(HLCb,HLCr)が第4象限に位置する座標2502にある場合にはオブジェクト色とHL色の位置関係が信頼できるので、信頼度を1とする。また、HL色が第2象限に位置する座標2503にある場合には、オブジェクト色とHL色の位置関係が信頼しにくいとし、信頼度を0とする。
図16(A)の座標2502に位置するHL色がオブジェクト色の座標2501である肌色を円の中心として、円2504を描くように動いた場合、第1象限、更には第2象限に移動するに従って、予め決められた割合によって信頼度は低くなっていく。また、第3象限、更には第4象限に動いた場合も同じように、予め決められた割合によって信頼度は高くなる。
第4象限において、図16(A)の座標2502に示すHL色がオブジェクト色の座標2501とHL色の座標2502を通る直線2505上を動いた場合、オブジェクト色の座標2501に近づくほど、予め決められた割合によって信頼度は高くなる。また、遠ざかるほど、予め決められた割合によって信頼度は低くなる。
信頼度の範囲、値は任意で決めることができることは言うまでもない。また、所定色平面、または空間は、例えばYCbCr空間やYC1C2空間、あるいはCIE L*a*b*空間等のいずれであっても構わない。
以上により、更なる信頼度の定義を行うことができ、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
<第三実施形態>
第一実施形態では、画像解析結果修正部203において、第1のHL色を誤検出している場合の処理について説明した。本実施形態では、画像解析結果修正部203において、第1オブジェクト色を誤検出している場合の処理について図16(B)を用いて説明する。
第一実施形態において算出した信頼度R_Vecが高く、顔検出の信頼度R_faceが低い場合、オブジェクト色を誤検出している、またはHL色、オブジェクト色を誤検出している可能性が高いことを意味する。
誤検出をしている可能性が高い場合、適切な撮影時光源を推定することができず、画像データのカラーバランスが大きく崩れる可能性がある。そこで、得られた信頼度に基づいた重み付けを行い、修正をする必要がある。信頼度は重み係数と同等のものであってもいいことは言うまでもない。また、この時の修正はオブジェクト色、HL色の両方を修正しても構わないし、オブジェクト色のみを修正しても構わない。
信頼度R_Vec、もしくは顔検出の信頼度R_faceが低くなるほど、誤検出の可能性が高いため、補正の効果を弱める必要がある。補正の効果を弱めるためには、基準HL色(b_HLCb,b_HLCr)、基準オブジェクト色(b_ObjCb,b_ObjCr)を設定する際に、白の基準である昼光色の光源下でのHL色、オブジェクト色を用いるのが好ましい。本実施形態では、基準HL色は昼光色の光源下での白点であり、基準オブジェクト色は昼光色の光源下での人の肌色が設定されるが、この基準HL色、基準オブジェクト色は自由に設定して構わない。
以下に、信頼度R_Vec、顔検出の信頼度R_faceに基づいて、オブジェクト色もしくはHL色の少なくとも一方を修正する例について述べる。第一実施形態でも述べたように、検出HL色(HLCb,HLCr)を第1HL色(f_HLCb,f_HLCr)とし、修正後のHL色を第2HL色(s_HLCb,s_HLCr)と呼ぶことにする。同様にして、検出オブジェクト色(ObjCb,ObjCr)を第1オブジェクト色(f_ObjCb,f_ObjCr)とし、修正後のオブジェクト色を第2オブジェクト色(s_ObjCb,s_ObjCr)と呼ぶことにする。第2オブジェクト色は式12にて表すことができ、第2HL色は式13にて表すことができる。式12、13には、信頼度R_vec、顔検出の信頼度R_faceを含む。
[式12]
s_ObjCb=b_ObjCb+(f_ObjCb−b_ObjCb)×R_vec×R_face
s_ObjCr=b_ObjCr+(f_ObjCr−b_ObjCr)×R_vec×R_face
[式13]
s_HLCb=b_HLCb+(f_HLCb−b_HLCb)×R_vec×R_face
s_HLCr=b_HLCr+(f_HLCr−b_HLCr)×R_vec×R_face
図16(B)に示すYCbCr空間のCbCr平面において、第1オブジェクト色2601、第1HL色2602、基準オブジェクト色2603、基準HL色2604を示す。この場合に、式12および式13の結果によって第2オブジェクト色は基準オブジェクト色と第1オブジェクトを結ぶ直線2605上に位置し、第2HL色は基準HL色と第1HLを結ぶ直線2606上に位置する。
ここでの、所定色平面、または空間は、例えばYCbCr空間やYC1C2空間、あるいはCIE L*a*b*空間等のいずれであっても構わない。本発明における第2HL色および第2オブジェクト色の算出方法は上記式に限定されるものではない。
<第四実施形態>
第一実施形態では、図12のS2002における最終白点決定処理において、画像解析部202でHL色(HLY,HLCb,HLCr)を算出する。そして、算出したHL色と光源推定結果から得られた白点(EsY,EsCb,EsCr)の中点を、最終白点とする場合について説明している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、最終白点は、第一実施形態で説明した光源推定信頼度R_lse(=0〜1.0)を用いて、次式により決定することができる。
[式14]
FinY=EsY×R_lse+HLY×(1.0−R_lse)
FinCb=EsCb×R_lse+HLCb×(1.0−R_lse)
FinCr=EsCr×R_lse+HLCr×(1.0−R_lse)
また、顔が検出できた場合には、肌色の推定が正確に行われているので、その場合には、顔検出の信頼度R_faceを加味した重み係数W_mixを用いて、最終白点を決定することもできる。
[式15]
FinY=EsY×W_mix+HLY×(1.0−W_mix)
FinCb=EsCb×W_mix+HLCb×(1.0−W_mix)
FinCr=EsCr×W_mix+HLCr×(1.0−W_mix)
式15において、重み係数W_mixは以下の式16で表される。
[式16]
W_mix=(R_face+R_lse)/2.0
式16は、光源推定信頼度と顔検出信頼度が双方高い場合には(EsY,EsCb,EsCr)が重視され、どちらか一方が低い場合には、(HLY,HLCb,HLCr)が重視されることを表している。
以上説明したように、本実施形態では最終白点を、光源推定信頼度や顔検出信頼度を用いた重み付けにより画像毎に適応的に算出する。これにより、光源推定信頼度や顔検出信頼度が高い場合には、結果的に(EsY,EsCb,EsCr)を重視することになる。その結果、従来手法に比べ、致命的な誤補正を抑制した、安定度の高いカラーバランス補正を行うことが可能となる。
<第五実施形態>
第四実施形態では、最終白点は、(EsY,EsCb,EsCr)と(HLY,HLCb,HLCr)の所定の重み付けをした内分点として決定していた。本実施形態では別の方法として、オブジェクト検出部302で検出した肌の色が最も良化されるような白点を、最終白点として決定する方法について説明する。
図17は、図12のS2002における最終白点決定処理の詳細を示したものである。以下では、図17に沿って、フローの説明を行う。本処理フローは、本実施形態を適用可能な画像処理装置100が有する記憶部であるROM103等に格納されたプログラムをCPU101が読み出して実行する。図17では、まずS2701において、第2の色変換部206は、N番目の最終白点候補(CanY(N),CanCb(N),CanCr(N))を算出する。ハイライト色候補となる候補点の算出は、以下の式17によって行う。
[式17]
CanY(N)=EsY×W_can(N)+HLY×(1.0−W_can(N))
CanCb(N)=EsCb×W_can(N)+HLCb×(1.0−W_can(N))
CanCr(N)=EsCr×W_can(N)+HLCr×(1.0−W_can(N))
式17において、W_can(N)は0.0から1.0まで1/Nずつ増加する重み係数となっており、N番目の候補点は、W_can(N)を重み係数として(EsY,EsCb,EsCr)と(HLY,HLCb,HLCr)を内分することを意味している。例えば、N=4の場合、W_canは0.25ずつ増加することにより、その際の候補点は、図18(A)の候補点2801として示される5つの候補点となる。これによりハイライト色候補算出を行う。
次に、S2702およびS2703において、第1の色変換部205および第2の色変換部206は、算出したN番目の白点候補点を用いて、オブジェクト色(ObjY,ObjCb,ObjCr)に対して、第1および第2の色変換を行う。これにより、ハイライト色候補それぞれを用いたオブジェクト色に対する補正として、候補補正手段を実現する。なお、第1および第2の色変換については、第一実施形態で説明したものと同様のため、ここでは詳細な説明は割愛する。
まずS2702において、第1の色変換部205は、(ObjY,ObjCb,ObjCr)に対してオブジェクト色値2710である白点(CanY(N),CanCb(N),CanCr(N))を用いて第1の色変換を実施し、(ObjY’,ObjCb’,ObjCr’)を得る。次に、S2703において、第2の色変換部206は、同様にN番目の白点候補を用いて(ObjY’,ObjCb’,ObjCr’)に対して第2の色変換を実施し、(ObjY’’,ObjCb’’,ObjCr’’)を得る。なお、第2の色変換を実施する際には、輝度色差信号(YCbCr)をXYZ値に変換する必要があるが、これは公知の公式により実現可能であるため、ここでの詳細説明は割愛する。
次にS2704において、第2の色変換処理後のオブジェクト色(ObjY’’,ObjCb’’,ObjCr’’)が、色変換前のオブジェクト色(ObjY,ObjCb,ObjCr)に対して、良化するか否かの判定を行う。本実施形態においては、前記判定に用いる際の理想的なオブジェクト色情報である理想オブジェクト色値2711を、予め画像処理装置が保持していることを想定している。図18(B)は、理想オブジェクト色値2711を示している。図18(B)はCb−Cr色平面を示し、オブジェクト色2901が理想的な値である(IdeCb,IdeCr)を示している。上述したように、オブジェクトが人物の顔色の場合、人の肌の明度は人種によって異なるが、肌の色は人種によって差異が少ないという特徴があるため、このように理想色を予め定めることが可能である。
S2705では、色変換前後のオブジェクト色それぞれについて、該理想オブジェクト色との距離を算出する。距離算出の際に用いられる計算式は例えば以下の式を用いることができる。
[式18]
D_org=sqrt(SQ(ObjCb−IdeCb)+SQ(ObjCr−IdeCr))
D_n=sqrt(SQ(ObjCb’’−IdeCb)+SQ(ObjCr’’−IdeCr))
式18において、色変換前のオブジェクト色と理想オブジェクト色との距離D_org、N番目の白点候補を用いて算出した色変換後のオブジェクト色と理想オブジェクト色との距離D_nをそれぞれ表している。なお、式18では、SQ(x)はxの2乗を示し、sqrt(x)はxの平方根を示している。
S2706では、D_org、D_nを用いて、2つの判定処理を行う。条件として以下の2つの条件を定義する。ここでD_minは、D_nの最小値を示す。
条件1:D_n<D_org
条件2:D_min>D_n
条件1を満たさない場合は、色変換によって理想オブジェクト色との距離が遠くなることを意味しており、N番目の白点候補は候補から除外する。条件1を満たす場合、次に、条件2に基づいて判定を行う。もし条件2を満たしている場合、S2705において、現在の白点候補が最もオブジェクト色を良化することになり、D_minにD_nをセットして、最終白点(FinY,FinCb,FinCr)に現在の白点候補をセットする。つまり、以下の式のように定義される。
[式19]
FinY=CanY(N)
FinCb=CanCb(N)
FinCr=CanCr(N)
S2701〜S2706までの処理を、全ての白点候補点について行うと、結果として、オブジェクト色を最も良化する白点候補が、最終白点として(FinY,FinCb,FinCr)に格納される。これにより第3のハイライト色決定を実現する。以上が、図17の処理フローの説明である。
以上説明したように、本実施形態では、最終白点を決定する際に、(EsY,EsCb,EsCr)と(HLY,HLCb,HLCr)の両者から得られる複数の候補点のうち、人物の顔色が最も良化する候補点を最終白点とする。このことにより、従来手法に比べ、致命的な誤補正を抑制した、安定度の高いカラーバランス補正を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では簡単のため、理想オブジェクト色として、Cb−Cr色平面の1点のみを設定したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、理想オブジェクト色を点ではなく領域でCbCr色平面に設定し、S2704では、第1および第2の色変換後のオブジェクト色が、該領域に近づくか否かで判定することも可能である。この場合においても、本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。
<第六実施形態>
これまでに述べた実施形態では、画像解析結果修正部203において、解析結果を修正することで、カラーバランス補正の強度を抑制する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態においては、図19のブロック図で示すように、解析信頼度算出部3001を新たに設ける。解析信頼度算出部3001において解析結果の信頼度を算出し、この信頼度をカラーバランス補正における補正値として用い、第2の色変換部206においてカラーバランス補正の強度(色の変換率)を変更する場合について説明する。なお、図19において、解析信頼度算出部3001および第2の色変換部3002以外については第一実施形態と同様の動作となるため、ここでの詳細な説明は割愛する。
(解析信頼度算出部3001)
図20は、解析信頼度算出部3001の処理のフローを示している。本処理フローは、本実施形態が実現可能な画像処理装置100が有する記憶部であるROM103等に記憶されたプログラムをCPU101が読み出して実行することにより、実現される。図20では、まずS3101において、解析信頼度算出部3001は、画像解析部202で解析したHL色の信頼度を算出する。また、S3102において、解析信頼度算出部3001は、同じく画像解析部202で解析したHL色とオブジェクト色(人物の肌の色)との相対位置に対する信頼度を算出する。図20において、S3101とS3102の処理は平行に処理するように示されているが、いずれかの処理を先に行い、その後、他方の処理を行うように順序だてて実施しても構わない。そして、最後にS3103において、S30101とS3102との処理の両者から得られた信頼度を用いて、最終的な信頼度を算出する。
本実施形態では、S3101において、まず、解析信頼度算出部3001は、予め保持している分光分布に基づくHL色の黒体軌跡を用いて、画像解析部202で算出した入力画像のHLの色HLCb,HLCr値の信頼度を算出する。本実施形態のHL色の黒体軌跡を用いた入力画像のHL色の色差成分HLCb,HLCr値の信頼度算出方法は、画像解析結果修正部203の図5および6を用いて説明した信頼度R_disとする。信頼度算出方法は、第一実施形態と同様の動作となるため、ここでの詳細な説明は割愛する。
次に、S3102において、オブジェクト色とHL色の相対位置関係から信頼度R_Vecを算出する。算出方法としては、第一実施形態で示したようにオブジェクト色とHL色との関係をベクトルで表し、ベクトルを用いて計算する方法や、オブジェクト色とHL色との距離と角度の比率から信頼度R_Vecを決定する方法がある。また、顔検出を用いてオブジェクト色を算出する場合は、第三実施形態で示したように顔検出の信頼度R_faceと信頼度R_Vecの比率を考慮して信頼度R_Vecを決定する方法もある。
次に、S3103において、S3101にて信頼度R_disとS3102にて信頼度R_Vecから、最終的な信頼度である最終信頼度R_finを算出する。最終信頼度R_finの算出方法について、以下で説明する。本実施形態において、最終信頼度R_finの算出方法は、信頼度R_disと信頼度R_vecとを掛け合わせて算出する。
[式20]
R_fin=R_dis×R_vec
例えば、信頼度R_disが0.2で、信頼度R_vecが0.5の場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
R_fin=0.2×0.5=0.1
本実施形態では、信頼度R_disと信頼度R_vecを掛け合わせることで、最終信頼度R_finを算出しているが、これに限らない。別の方法として、例えば、信頼度R_disと信頼度R_vecを足して2で割った値を最終信頼度として算出する。
[式21]
R_fin=(R_dis+R_vec)/2
上記例の信頼度R_disと信頼度R_vecと条件が同じ場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
R_fin=(0.2+0.5)/2=0.35
別の方法として、例えば、最終信頼度R_finの算出方法は、各信頼度に重みをつけて信頼度を掛け合わした値を最終信頼度とする。
[式22]
R_fin=(R_dis×W_dis+R_vec×W_vec)/2
上記例の信頼度R_disと信頼度R_vecと条件が同じ場合で、信頼度R_disの重み係数W_disを1.0で、信頼度R_vecの重み係数W_vecを0.2とした場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
R_fin=(0.2×1.0+0.5×0.2)/2=0.15
また、別の方法として、例えば、信頼度R_disと信頼度R_vecの内、信頼度の低い方を最終信頼度として算出する。
[式23]
R_fin=(R_disもしくはR_vecのうち低い方)
上記例の信頼度R_disと信頼度R_vecと条件が同じ場合、最終信頼度R_finは、次のようになる。
最終信頼度R_fin=0.2
以上のように、解析信頼度算出部3001では、HL色の信頼度R_disと肌の色とHLの相対位置信頼度R_vecを用いて、最終信頼度R_finを算出する。
(第2の色変換部3002)
上述した処理によって算出された最終的な信頼度R_finは、第2の色変換部3002に入力され、同部において、該信頼度に応じてカラーバランス補正の強度を抑制する。カラーバランス補正は、第一実施形態で説明したように、入力画像の各画素値(R,G,B)に対して、光源推定の結果得られた色温度値より基準白点の(Y,Cb,Cr)値を算出する。そして、該白点情報に基づいて、CIECAM02を適用することにより、カラーバランス補正後の(R’,G’,B’)値を得ることができる。
本実施形態では、このカラーバランス補正時に、白点情報に対して最終信頼度R_finを重み係数として最終白点(Y_fin,Cb_fin,Cr_fin)を算出する。そして、該最終白点を用いてカラーバランス補正を行う。この補正量を制御する方法について以下に述べる。本実施形態においては、最終白点は以下の式24で算出する。
[式24]
Y_fin=255−(255−Y)×R_fin
Cb_fin=Cb×R_fin
Cr_fin=Cr×R_fin
式24おいて、R_fin=1.0であれば最終白点は、光源推定の結果得られた白点そのものとなる。一方、R_fin=0.0であれば、最終白点は(Y,Cb,Cr)=(255,0,0)となる。後者の場合、カラーバランス補正は事実上動作しないことになり、補正量は実質0となる。
このように、解析信頼度算出部3001で求めた最終信頼度R_finを用いて、カラーバランス補正の基準白点を制御することにより、最終信頼度R_finが低い場合に補正量を抑制することが可能となる。
また、本発明においては、前記白点ではなく、カラーバランス補正前後の値に対してR_finを重み係数として適用することにより、補正量を抑制してもよい。その場合、抑制後の出力値(R’’,G’’,B’’)は以下の式によって得られる。
[式25]
R’’=R’−(R’−R)×R_fin
G’’=G’−(G’−G)×R_fin
B’’=B’−(B’−B)×R_fin
<第七実施形態>
これまでの実施形態においては、図2(A)で示すように、入力画像に対して、まず第1の色変換を施した後、第2の色変換を施す処理例について説明した。しかし、このように異なる処理を直列に接続し、それぞれの処理において各画素単位に複雑な演算処理をしていたのでは、多くの処理時間を要してしまう。
そこで本実施形態においては、図21に示すようなブロック図構成によって処理を行うことを提案する。すなわち、第1および第2の色変換に必要なパラメータを予め算出し、それらを反映させた3次元ルックアップテーブル(以降、3DLUT)を算出し、補間演算を用いて3DLUTを入力画像に適用する方法である。なお、図21の機能ブロックは、構成要素3201〜3204以外は、第一〜第六実施形態で説明した内容と同様のため、ここでの説明は省略する。
第1の色変換パラメータ算出部3201において、第一実施形態で説明したものと同様に、カメラ内部のWB補正をキャンセルする意味の画像処理パラメータを決定する。第一実施形態によれば、光源推定部204で算出した黒体軌跡近傍のグレー・肌色画素が最大となる逆変換セット(r_max,g_max,b_max)を、そのまま該画像処理パラメータとして決定し、それらは3DLUT生成部3203に入力される。
次に、第2の色変換パラメータ算出部3202において、第一実施形態で説明したものと同様に、第2の色変換に必要なパラメータを決定する。第2の色変換に必要なパラメータとして、撮影時光源に関するパラメータ(推定色温度における白点XYZ値、および順応率Din)および観察環境に関するパラメータ(観察環境における白点XYZ値、および順応率Dout)が存在する。これらのパラメータは第六実施形態で述べたものと同様に、解析信頼度算出部3001で算出した最終信頼度R_finを用いて基準白点を制御する方法により算出し、3DLUT生成部3203に入力される。
次に、3DLUT生成部3203の処理について、図22のフローチャートに従って説明を行う。なお、本実施形態では簡単のために、sRGB空間におけるRGB各成分が17グリッド(総グリッド数は17^3=4913点)の3DLUTを生成するものとするが、本発明はこれに限定するものではない。また、本処理フローは本実施形態が実現可能な画像処理装置100が有する記憶部であるROM103等に記憶されたプログラムをCPU101が読み出して実行することで実現する。
図22において、まず始めに、S3301において、3DLUT生成部3203は各グリッドの初期化を行う。すなわち、R,G,B各値を0にセットする。次に、S3302において、3DLUT生成部3203は、第1の色変換パラメータ3310を用いて第1の色変換を行う。具体的には、以下の式26により、第1の色変換後の値R’G’B’値を算出する。
[式26]
R’=R×r_max
G’=G×g_max
B’=B×b_max
次に、S3303において、算出されたR’G’B’値を公知の変換式を用いてXYZ値に変換し、さらにS3304において、第一実施形態に説明したようにCIECAM02を用いてJCh空間に変換し、さらにS3305でXYZ空間に逆変換する。この際に用いられるのが、第2の色変換パラメータ3311である。
次にS3306において、第一実施形態と同様に、第2の色変換後のXYZ値をsRGB色空間に変換し、現在注目しているグリッドの出力値として、3DLUTに格納する。上記処理を、RGB全てのグリッドについて行い、各グリッドの出力値を3DLUTに格納してゆく。
S3302〜S3306の処理が終了したら(S3307にてNO)、S3308において、3DLUT生成部3203はB成分の値を16だけインクリメントする。B成分値が255を超えたら、G成分値を16だけインクリメントし、B成分値を0にリセットして処理を継続する。さらにG成分値が255を超えたら、R成分値を16だけインクリメントし、G,B成分値を0にリセットする。17グリッド3DLUTの場合、上記処理を4913回繰り返し、RGB成分値が全て255を超えた時点で、全てのグリッドに対する出力値の算出が終了したとして(S3307にてYES)、処理を終了する。
上記処理により生成された3DLUTは、補間部3204に入力され、同じく入力された入力画像に対して公知の補間方法(詳細省略)を用いて、補正後の画像を得ることができる。また、3DLUTは、RAM102等の記憶部に保持され、必要に応じて読み出された後、利用される。上記補間方法については、四面体補間、立方体補間様々な方法が存在するが、本発明においては、それらのうちいずれを用いても構わない。
上述したように、本実施形態では、sRGB色空間の限られたグリッド位置に対して、予め算出した第1および第2の色変換パラメータを用いて出力値を算出し、それを3DLUTとして保持しておく。該3DLUTを用いて補間演算により入力画像を変換することで、特に入力画像解像度が大きい場合に、画素毎に複雑な色変換処理を行うよりも、遥かに短い処理時間で出力画像を得ることが可能となる。
なお、本実施形態の第1の色変換パラメータ算出部3201は、第三実施形態で説明したようなシフトベクトルを用いて行ってもよい。すなわち、該シフトベクトル値を3DLUT生成部3203に入力し、3DLUT生成部のS3302において、第三実施形態と同様の方法により色シフト処理を実現することも可能である。
また、本実施形態においては簡単のため、RGB3成分を前提とした3DLUTを生成する処理について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、入力画像フォーマットをCMYK4成分とすると、上記実施形態を参照すれば、4次元LUTを用いて処理することも可能である。すなわち、上記多次元LUTを用いて処理を行った場合においても、本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。
また、さらに異なる実施形態として、図23に示すように、解析信頼度算出部3001で算出した信頼度を3DLUT生成部3203に入力する。3DLUT生成部3203において、第六実施形態で説明したものと同様に、3DLUTの各グリッドの、カラーバランス補正による補正量を制御することによっても、本発明が実施できることは言うまでもない。
<その他の実施形態>
第一実施形態において、画像解析部202で算出した画像特徴量の修正は、黒体軌跡とHL色の距離からHL色を修正する方法と、オブジェクト色とHL色との相対関係からHL色、あるいは両者を修正する方法の2つを説明した。しかし、本発明は必ずしも両者を利用する必要はなく、どちらか一方のみを用いたとしても、本発明の範疇に含まれる。
また、第六実施形態において、解析信頼度算出部3001は、R_vecおよびR_distという2つの信頼度を算出し、両者を用いて最終的な信頼度R_finを算出する方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。最終信頼度R_finはどちらか一方の値としたとしても、本発明の範疇に含まれる。
また、上述した実施形態で説明した第2の色変換部206におけるカラーバランス補正は、CIECAM02を用いて説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像のHL色あるいは基準白点を用いて行うカラーバランス補正であれば、その他の方法であっても構わない。
また、入力画像はデジタルカメラで撮影された画像でなくてもよい。デジタルカメラ等から入力されたデジタル画像を、表示用、あるいはプリント用の解像度に変換したものを入力画像として、上記処理を行ってもよい。
また、入力画像や処理の作業色空間をsRGB色空間として説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。AdobeRGB(米Adobe社の商標)色空間を作業色空間としてもよいし、CIE L*a*b*等その他の色空間を用いても構わない。
また、オブジェクト検出として、人物の顔領域を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、動物検出や、建物、その他のオブジェクトを用いたとしても本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等)に適用しても良い。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (7)

  1. 画像データの輝度成分の解析結果に基づき、前記画像データからハイライト色を取得する第一の取得手段と、
    前記画像データに含まれるオブジェクトの色を取得する第二の取得手段と、
    色平面において前記ハイライト色と前記オブジェクトの色との距離が所定の距離以上の場合、前記距離が長いほど、前記画像データから算出したハイライト色を補正する量が大きくなるように、前記ハイライト色を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記補正手段によって補正されたハイライト色に基づき、前記画像データの撮影時の光環境を推定する推定手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記補正手段によって補正されたハイライト色に基づき、前記画像データのカラーバランス補正を行うカラーバランス補正手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記色平面は、YCbCr空間のCbCr平面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記オブジェクトの色は、前記画像データに含まれる顔の肌色であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 画像データの輝度成分の解析結果に基づき、前記画像データからハイライト色を取得する第一の取得工程と、
    前記画像データに含まれるオブジェクトの色を取得する第二の取得工程と、
    色平面において前記ハイライト色と前記オブジェクトの色との距離が所定の距離以上の場合、前記距離が長いほど、前記画像データから算出したハイライト色を補正する量が大きくなるように、前記ハイライト色を補正する補正工程と
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  7. コンピュータに、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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