JP2012023560A - 駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体が静電型スピーカの電極に触れても感電しないようにする。
【解決手段】発振器140から出力された正弦波の加算信号は加算器150で音響信号に加算される。音響信号は、アンプ部130で増幅され、変圧器110で昇圧されて静電型スピーカの電極20U,20Lに出力される。電極20U,20Lの人体が触れると、抵抗器R4に流れる電流が増加する。検出回路210は、抵抗器R4に流れる電流の電流値に応じた信号を出力する。フィルタ220は、検出回路210から出力された信号のうち、加算信号の周波数の成分を通過させる。制御部230は、フィルタ220を通過した信号の電圧値が予め定められた閾値を超えると、スイッチSW1〜SW3が開の状態を維持するように制御する。これにより、音響信号の静電型スピーカ1への出力が停止される。
【選択図】図3

Description

本発明は、静電型スピーカを駆動する駆動回路に関する。
特許文献1に開示されているコンデンサ型のヘッドホンは、固定極に電圧を印加する成極電圧出力部がヘッドホンの筐体内部に収納されている。ヘッドホン外部に成極電圧出力部があると、ヘッドホンと成極電圧出力部とを接続するケーブルが必要となる。この場合、ケーブルを接続する端子に人体が触れてしまうと感電する虞がある。一方、特許文献1に開示されたヘッドホンでは、成極電圧出力部がヘッドホンの筐体内部にある。このため、ヘッドホンと成極電圧出力部とをユーザがケーブルで接続する必要がなく、感電する虞が低くなっている。
特開2006−41569号公報
ところで、特許文献1に開示されているヘッドホンでは、固定極に高電圧が印加されているため、固定極に人体が触れると感電する虞がある。特許文献1の発明おいては、固定極と成極電圧出力部との間に人体が触れて感電する可能性が低いものの、固定極に触れて感電することについては、何ら対策がなされていない。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、その目的は、人体が静電型スピーカの電極に触れても感電しないようにすることにある。
上述した課題を解決するために本発明は、定められた周波数の加算信号を生成する加算信号生成手段と、入力される音響信号に前記加算信号生成手段で生成された加算信号を加算する加算手段と、前記加算手段で前記加算信号が加算された音響信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段で増幅された音響信号を昇圧する昇圧手段と、前記昇圧手段で昇圧された音響信号を、静電型スピーカの電極へ出力する出力手段と、前記増幅手段で増幅された前記音響信号または前記昇圧手段で昇圧された前記音響信号の電流値を表す信号を生成する第2信号生成手段と、前記第2信号生成手段で生成された信号の前記周波数の成分が通過するフィルタと、前記フィルタを通過した信号の電圧が予め定められた閾値を超えた場合、前記電極への前記音響信号の出力を停止する制御手段と、を有する駆動回路を提供する。
本発明においては、前記制御手段は、前記増幅手段から前記昇圧手段への前記音響信号の供給を遮断することにより、前記電極への前記音響信号の出力を停止する構成であってもよい。
また、本発明においては、前記制御手段は、前記増幅手段を駆動する電源から前記増幅手段への電力の供給を遮断することにより、前記電極への前記音響信号の出力を停止する構成であってもよい。
また、本発明においては、前記周波数は、前記電極から人体へ電流が流れていない時の前記周波数の信号による前記静電型スピーカのインピーダンスを、前記電極から人体へ予め定められた閾値を超える電流が流れた時の前記静電型スピーカのインピーダンスより大きくする周波数であってもよい。
本発明によれば、人体が静電型スピーカの電極に触れても感電しないようにすることができる。
本発明の一実施形態に係る静電型スピーカの外観図。 図1のA−A線断面図。 静電型スピーカ1の分解図。 静電型スピーカ1に係る電気的構成を示した図。
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る静電型スピーカ1の外観図、図2は、静電型スピーカ1のA−A線断面図である。また、図3は、静電型スピーカ1の分解図、図4は、静電型スピーカ1の電気的構成を示した図である。なお、図においては、直交するX軸、Y軸およびZ軸で方向を示しており、静電型スピーカ1を正面から見たときの左右方向をX軸の方向、奥行き方向をY軸の方向、高さ方向をZ軸の方向としている。また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは図面の裏から表に向かう矢印を意味するものとする。また、図中、「○」の中に「×」が記載されたものは図面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
図に示したように、静電型スピーカ1は、振動体10、電極20U,20L、弾性部材30U,30L、スペーサ40U,40L及び保護部材60U,60Lを有している。なお、本実施形態においては、電極20Uと電極20Lの構成は同じであり、弾性部材30Uと弾性部材30Lの構成は同じである。このため、これらの部材において両者を区別する必要が特に無い場合は、「L」および「U」などの記載を省略する。また、スペーサ40Uとスペーサ40Lの構成は同じであり、保護部材60Uと保護部材60Lの構成は同じである。このため、これらの部材においても両者を区別する必要が特に無い場合は、「L」および「U」などの記載を省略する。また、図中の振動体、電極等の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。
(静電型スピーカ1の各部の構成)
まず、静電型スピーカ1を構成する各部について説明する。Z軸上の点から見て矩形の振動体10は、PET(polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)またはPP(polypropylene:ポリプロピレン)などの絶縁性および柔軟性を有する合成樹脂のフィルム(絶縁層)を基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜(導電層)を形成したシート状の構成となっている。なお、本実施形態においては、導電膜は、フィルムの一方の面に形成されているが、フィルムの両面に形成されていてもよい。
弾性部材30は、本実施形態においては不織布であって電気を通さず空気および音の通過が可能となっており、その形状はZ軸上の点から見て矩形となっている。また、弾性部材30は、弾性を有しており、外部から力を加えられると変形し、外部から加えられた力が取り除かれると元の形状に戻る。なお、弾性部材30は、絶縁性があり、音が透過し、弾性がある部材であればよく、中綿に熱を加えて圧縮したもの、織られた布、絶縁性を有する合成樹脂を海綿状にしたものなどであってもよい。なお、本実施形態においては、弾性部材30のX軸方向の長さは振動体10のX軸方向の長さより長く、弾性部材30のY軸方向の長さは振動体10のY軸方向の長さより長くなっている。
スペーサ40は、本実施形態においては不織布であって電気を通さず空気および音の通過が可能となっており、その形状はZ軸上の点から見て矩形となっている。また、弾性部材30は、弾性を有している。なお、本実施形態においては、スペーサ40は、弾性部材30と同じ素材となっているが、電気を通さず、空気及び音の通過が可能であれば弾性を備えていなくてもよい。また、本実施形態においては、スペーサ40は、X軸方向の長さとY軸方向の長さが弾性部材30と同じとなっている。
電極20は、PETまたはPPなどの絶縁性を有する合成樹脂のフィルム(絶縁層)を基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜(導電層)を形成した構成となっている。電極20は、Z軸上の点から見て矩形となっており、表面から裏面に貫通する孔を複数有しており、空気および音の通過が可能となっている。なお、図面においては、この孔の図示を省略している。なお、本実施形態においては、電極20のX軸方向の長さとY軸方向の長さは弾性部材30と同じとなっている。
保護部材60は、絶縁性を有する布である。保護部材60は、Z軸上の点から見て矩形となっており、空気及び音の通過が可能となっている。なお、本実施形態においては、保護部材60のX軸方向の長さとY軸方向の長さは弾性部材30と同じとなっている。
(静電型スピーカ1の構造)
次に静電型スピーカ1の構造について説明する。静電型スピーカ1においては、振動体10は、弾性部材30Uの下面と弾性部材30Lの上面との間に配置されている。なお、振動体10は、左右方向の縁と奥行き方向の縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されて弾性部材30Uと弾性部材30Lに接着されており、接着剤が塗布された部分より内側は弾性部材30Uと弾性部材30Lに固着されていない状態となっている。また、弾性部材30Uと弾性部材30L同士も、縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されて互いに固着されている。
電極20Uは、弾性部材30Uの上面に接着されている。また、電極20Lは、弾性部材30Lの下面に接着されている。なお、電極20Uは、左右方向の縁と奥行き方向の縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されて弾性部材30Uに接着されており、電極20Lは、左右方向の縁と奥行き方向の縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されて弾性部材30Lに接着されている。なお、電極20は、接着剤が塗布された部分より内側は弾性部材30に固着されていない状態となっている。また、電極20Uは、導電膜のある側が弾性部材30Uに接しており、電極20Lは、導電膜のある側が弾性部材30Lに接している。
スペーサ40Uは、電極20Uの上面に接着されている。また、スペーサ40Lは、電極20Lの下面に接着されている。なお、スペーサ40Uは、左右方向の縁と奥行き方向の縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されて電極20Uに接着されており、スペーサ40Lは、左右方向の縁と奥行き方向の縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されて電極20Lに接着されている。なお、スペーサ40は、接着剤が塗布された部分より内側は電極20に固着されていない状態となっている。
保護部材60Uは、スペーサ40Uの上面に接着されている。また、保護部材60Lは、スペーサ40Lの下面に接着されている。なお、保護部材60Uは、左右方向の縁と奥行き方向の縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されてスペーサ40Uに接着されており、保護部材60Lは、左右方向の縁と奥行き方向の縁から内側へ数mmの幅で接着剤が塗布されてスペーサ40Lに接着されている。なお、保護部材60は、接着剤が塗布された部分より内側はスペーサ40に固着されていない状態となっている。
(静電型スピーカ1の電気的構成)
次に、静電型スピーカ1に係る電気的構成について説明する。図4に示したように、静電型スピーカ1には、アンプ部130、変圧器110、振動体10に対して直流バイアスを与えるバイアス電源120、発振器140及び音を表す音響信号が入力される加算器150を備えた駆動回路100が接続される。
電極20Uは、変圧器110の二次側の端子T1に接続され、電極20Lは、変圧器110の二次側のもう一方の端子T2に接続される。端子T1と端子T2は、静電型スピーカ1へ音響信号を出力する出力手段として機能する。また、振動体10は、抵抗器R1を介してスイッチSW3に接続される。スイッチSW3は、バイアス電源120に接続されている。変圧器110の中点の端子T3は、抵抗器R2を介して駆動回路100の基準電位であるグランドGNDに接続されている。
アンプ部130には音響信号が入力される。アンプ部130は、入力された音響信号を増幅し、増幅された音響信号を出力する。アンプ部130は、音響信号を出力する端子TA1,TA2を有しており、端子TA1は、スイッチSW1に接続され、端子TA2は、スイッチSW2に接続されている。スイッチSW1は、抵抗器R3を介して変圧器110の一次側の端子T4に接続され、スイッチSW2は、抵抗器R4を介して変圧器110の一次側のもう一方の端子T5に接続されている。
加算器150は、入力される音響信号に発振器140から供給される信号を加算する加算手段である。発振器140から出力された信号が加算された音響信号は、アンプ部130に入力される。発振器140は、予め定められた周波数の正弦波の信号を出力するものであり、加算器150に接続されている。発振器140は、定められた一定の周波数の信号を生成する信号生成手段であり、例えば周波数が60Hzである正弦波の信号を生成して出力する。発振器140から出力される信号は、加算器150において音響信号に加算されるため、以下、発振器140から出力される信号を加算信号と称する。
検出回路210は、抵抗器R4に流れる電流の電流値に応じた電圧の信号を生成して出力する回路である。検出回路210は、抵抗器R4の両端に接続されている。具体的には、検出回路210は、抵抗器R5〜R8及びオペアンプ2101を有している。抵抗器R5の一方の端子は、抵抗器R4とスイッチSW2の間のラインに接続され、抵抗器R5のもう一方の端子は、抵抗器R6とオペアンプ2101の非反転入力端子に接続されている。抵抗器R6において抵抗器R5と接続されている側と反対側の端子はグランドGNDに接続されている。抵抗器R7の一方の端子は、抵抗器R4と端子T5の間のラインに接続され、抵抗器R7のもう一方の端子は、抵抗器R8とオペアンプ2101の反転入力端子に接続されている。抵抗器R8において抵抗器R7と接続されている側と反対側の端子は、オペアンプ2101の出力端子に接続されている。
オペアンプ2101の出力端子は、フィルタ220に接続されている。抵抗器R4に流れる電流が変化して抵抗器R4に掛かる電圧が変化すると、検出回路210の出力端子から出力される信号の電圧が、抵抗器R4に流れる電流の変化に応じて変化する。具体的には、抵抗器R4に流れる電流が増加して抵抗器R4に掛かる電圧が増加すると、オペアンプ2101の出力端子から出力される信号の電圧が高くなり、抵抗器R4に流れる電流が減少して抵抗器R4に掛かる電圧が減少すると、オペアンプ2101の出力端子から出力される信号の電圧が低くなる。
フィルタ220は、制御部230に接続されている。フィルタ220は、予め定められた周波数より高い周波数の信号を遮断し、予め定められた周波数以下の信号を通過させるローパスフィルタである。本実施形態においては、フィルタ220は、発振器140が出力する加算信号の周波数と同じ周波数の信号を通過させる。
制御部230は、スイッチSW1〜SW3に接続されている。制御部230は、フィルタ220から出力される信号の電圧値を検知する。制御部230は、検知した電圧が予め定められた閾値以下である場合にはスイッチSW1〜SW3が閉となるようにスイッチSW1〜SW3を制御する。また、制御部230は、検知した電圧が予め定められた閾値を超えた場合にはスイッチSW1〜SW3が開となるようにスイッチSW1〜SW3を制御し、スイッチSW1〜SW3が開の状態を維持する。
(静電型スピーカ1の動作)
次に、静電型スピーカ1の動作について説明する。アンプ部130に交流の音響信号が入力されると、入力された音響信号が増幅されて変圧器110の一次側に供給される。そして、供給された電圧によって電極20Uと電極20Lとの間に電位差が生じると、電極20Uと電極20Lとの間にある振動体10には、電極20Uと電極20Lのいずれかの側へ引き寄せられるような静電力が働く。
具体的には、端子T2から出力される第2音響信号は、端子T1から出力される第1音響信号とは信号の極性が逆となる。端子T1からプラスの音響信号が出力され、端子T2からマイナスの音響信号が出力されると、電極20Uにはプラスの電圧が印加され、電極20Lにはマイナスの電圧が印加される。振動体10にはバイアス電源120によりプラスの電圧が印加されているため、振動体10は、プラスの電圧が印加されている電極20Uとの間の静電引力が弱まる一方、マイナスの電圧が印加されている電極20Lとの間の静電引力が強くなるため、振動体10に加わる静電引力の差に応じて電極20L側に吸引力が働き、電極20L側(Z方向と反対方向)へ変位する。
また、端子T1からマイナスの第1音響信号が出力され、端子T2からプラスの第2音響信号が出力されると、電極20Uにはマイナスの電圧が印加され、電極20Lにはプラスの電圧が印加される。振動体10にはバイアス電源120によりプラスの電圧が印加されているため、振動体10は、プラスの電圧が印加されている電極20Lとの間の静電引力は弱まり、マイナスの電圧が印加されている電極20Uとの間の静電引力は強まる。振動体10に加わる静電引力の差に応じて、電極20U側に吸引力が働き電極20U側(Z軸方向)へ変位する。
このように、振動体10が音響信号に応じて図のZ軸の正の方向とZ軸の負の方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音波が振動体10から発生する。発生した音波は、音響透過性を有する弾性部材30、電極20、スペーサ40及び保護部材60を通過して静電型スピーカ1の外部に音として放射される。
なお、静電型スピーカ1は、電気的にはコンデンサと等価であり、音響信号の低い周波数成分に対してはインピーダンスが高く、音響信号の高い周波数成分に対してはインピーダンスが低い。発振器140から出力されて音響信号に加算されている加算信号は本実施形態では60Hzと低い周波数であるため、人体が電極20に接触していない状態においては、この加算信号に対して静電型スピーカ1のインピーダンスが高く、抵抗器R4における電圧降下量が小さい。
音響信号が抵抗器R4に流れると、抵抗器R4に流れた電流に応じて検出回路210から出力される信号の電圧が変化する。検出回路210から出力された信号のうち、加算信号に対応した成分がフィルタ220を通過するが、加算信号については抵抗器R4において電圧降下量が小さく、流れる電流が少ないため、フィルタ220を通過した信号の電圧値は、予め定められた閾値を超えることがない。制御部230は、フィルタ220から入力される信号の振幅が閾値を超えない状態にあっては、スイッチSW1〜SW3が閉となるように各スイッチを制御する。
なお、静電型スピーカ1は、その構造上低い周波数の音については高い周波数の音と比較して出力する音圧が低くなるため、低い周波数の加算信号が音響信号に加算されていても、加算信号の周波数の音については、聴覚上は聞こえにくいものとなる。
一方、抵抗値の低い人体が電極20に触れて電極20から人体を経由して大地へ電流が流れる場合、人体が電極20に触れていない場合と比較して流れる電流が増え、抵抗器R4における電圧降下量が大きくなる。検出回路210から出力される信号のうち、加算信号に対応した成分がフィルタ220を通過するが、人体が電極20に触れた時には抵抗器R4に流れる電流が増えるため、フィルタ220を通過した信号の電圧値は、予め定められた閾値を超えることとなる。制御部230は、フィルタ220から入力される信号の電圧が閾値を超えると、スイッチSW1〜SW3が開の状態を維持するように各スイッチを制御する。すると、変圧器110から音響信号が静電型スピーカ1に供給されなくなり、バイアス電源120からも振動体10に対してバイアス電圧が印加されなくなる。つまり、静電型スピーカ1へ電流が流れなくなるため人体が感電することを防止できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
上述した実施形態においては、検出回路210は、抵抗器R4の両端に接続されているが、検出回路210は、抵抗器R4の両端ではなく抵抗器R3の両端に接続してもよい。
上述した実施形態においては、変圧器110の一次側に流れる電流を検出回路210で検出しているが、二次側に流れる電流を検出回路210で検出してスイッチSW1〜SW3の制御を行ってもよい。
上述した実施形態においては、制御部230はスイッチSW3を制御しているが、スイッチSW3を設けず、スイッチSW1とスイッチSW2のみを制御するようにしてもよい。
上述した実施形態においては、スイッチSW1を端子T1と接続し、スイッチSW2を端子T2と接続してもよい。この場合、スイッチSW1において端子T1と接続されている側と反対側の端子が電極20Uに接続され、スイッチSW2において端子T2と接続されている側と反対側の端子が電極20Lに接続される。
また、上述した実施形態においては、アンプ部130を駆動する図示せぬ電源からアンプ部130に流れる電流を検出回路210で検出し、スイッチSW1〜SW3の制御を行ってもよい。
上述した実施形態においては、アンプ部130を駆動する図示せぬ電源とアンプ部130との間にスイッチを設け、制御部230は、入力された信号の電圧が閾値を超えた場合には、このスイッチを開として電源からアンプ部130への電力供給を中止するようにしてもよい。この構成においても、アンプ部130の駆動が停止されて音響信号が静電型スピーカ1へ供給されなくなるので、人体が感電することを防止できる。
上述した実施形態においては、発振器から出力される加算信号の周波数は60Hzとなっているが、加算信号の周波数は60Hzに限定されるものではなく、他の周波数であってもよい。
なお、静電型スピーカ1は、周波数の高い信号に対してはインピーダンスが高く、人体が電極20に触れていない時と触れた時とで抵抗器R4における電圧降下量に差が少ない。このため、加算信号の周波数は、電極20に人体が触れていない時の抵抗器R4における電圧降下量と、電極20に人体が触れた時の抵抗器R4における電圧降下量とに差が現れる周波数であるのが好ましい。
具体的には、変圧器110の二次側のインピーダンスZは、以下の式で表される。
Figure 2012023560
(f:周波数、C:静電型スピーカの静電容量)
変圧器の巻線比をnとし、これを一次側から見ると、インピーダンスは以下の式となる。
Figure 2012023560
巻線比のnが例えば30〜50の値であると、加算信号の周波数がf=20kHzの場合、数2の式のnは900〜2500であるため、Zは、4Ω〜8Ωとなるように静電型スピーカ1は設計される。感電時の人体の抵抗値を500Ωと想定した場合であれば、1次側換算で0.56Ω〜0.2Ωとなり、4Ω〜8Ωのインピーダンスでも感電時における抵抗器R4の電圧降下量から感電の検出が可能である。但し、人体の抵抗値を500Ωと想定すると人体に4400mAといった非常に大きな電流が流れないと変圧器110の一次側で感電を検出できないことになるので、人体にこれより低い電流が流れても感電を検出できるようにする必要がある。
例えば変圧器110の二次側から電極20に印加する電圧を200Vとし、感電により人体へ1mA程度の電流が流れた場合に感電したと判定する場合、加算信号の周波数をf=20kHzより低くして変圧器110の二次側のインピーダンスを200kΩ程度とすれば、感電時における抵抗器R4の電圧降下量と非感電時における抵抗器R4の電圧下量との差がf=20kHzのときより大きくなり、人体へ1mAの電流が流れたことを検知できる。
二次側のインピーダンスが200kΩ程度ということは、数2の式のnは900〜2500であるため、200kΩを900〜2500で割ると、Zは80Ω〜222Ωとなる。Zが、この80Ω〜222Ωより大きな値となるように加算信号の周波数を設定すれば、1mAを超える電流が人体に流れたことを検知して感電を検知できることとなる。
上記の通り、20kHzでZは、4Ω〜8Ωとなるので、加算信号の周波数を20kHzの1/50にして400Hz以下とすると、Zが200Ω〜400Ωとなって、上記80Ω〜222Ωより大きくなる。よって、加算信号の周波数を400Hz以下とすれば、感電時における抵抗器R4の電圧降下量と非感電時における抵抗器R4の電圧下量との差がf=20kHzのときより大きくなり、人体へ1mAを超える電流が流れたことを検知することができる。
本発明においては、検出回路210は、抵抗器R4に流れる電流に応じた信号を出力すする回路であれば、上述したオペアンプ2101を使用した回路に限定されず、電流検出アンプを有するIC(Integrated Circuit)であってもよい。
また、上述した実施形態ではフィルタ220はローパスフィルタであるが、加算信号の周波数の成分を通過させるバンドパスフィルタであってもよい。
本発明においては、加算器150に入力される前の音響信号のレベルを信号のレベルを検出する回路で検出し、検出したレベルに応じて加算信号のレベルを変更してもよい。具体的には、検出した音響信号のレベルが小になるほど加算信号のレベルを小さくし、検出したレベルが大になるほど加算信号のレベルを大きくする。この構成によれば、音響信号のレベルが小さい時には加算信号のレベルも小さくなるため、静電型スピーカ1において出力される加算信号の周波数の音についてはレベルが小さくなる。
1…静電型スピーカ、10…振動体、20,20U,20L…電極、30,30U,30L…弾性部材、40,40U,40L…スペーサ、60,60U,60L…保護部材、100…駆動回路、110…変圧器、120…バイアス電源、130…アンプ部、140…発振器、150…加算器、210…検出回路、220…フィルタ、230…制御部、SW1〜SW3…スイッチ、R1〜4…抵抗器

Claims (4)

  1. 定められた周波数の加算信号を生成する加算信号生成手段と、
    入力される音響信号に前記加算信号生成手段で生成された加算信号を加算する加算手段と、
    前記加算手段で前記加算信号が加算された音響信号を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段で増幅された音響信号を昇圧する昇圧手段と、
    前記昇圧手段で昇圧された音響信号を、静電型スピーカの電極へ出力する出力手段と、
    前記増幅手段で増幅された前記音響信号または前記昇圧手段で昇圧された前記音響信号の電流値を表す信号を生成する第2信号生成手段と、
    前記第2信号生成手段で生成された信号の前記周波数の成分が通過するフィルタと、
    前記フィルタを通過した信号の電圧が予め定められた閾値を超えた場合、前記電極への前記音響信号の出力を停止する制御手段と、
    を有する駆動回路。
  2. 前記制御手段は、前記増幅手段から前記昇圧手段への前記音響信号の供給を遮断することにより、前記電極への前記音響信号の出力を停止すること
    を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  3. 前記制御手段は、前記増幅手段を駆動する電源から前記増幅手段への電力の供給を遮断することにより、前記電極への前記音響信号の出力を停止すること
    を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  4. 前記周波数は、
    前記電極から人体へ電流が流れていない時の前記周波数の信号による前記静電型スピーカのインピーダンスを、前記電極から人体へ予め定められた閾値を超える電流が流れた時の前記静電型スピーカのインピーダンスより大きくする周波数であること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動回路。
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