JP2012023252A - 反射型マスクブランクス、反射型マスク、および反射型マスクブランクスの製造方法 - Google Patents

反射型マスクブランクス、反射型マスク、および反射型マスクブランクスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、EUV露光用の反射型マスクブランクスや反射層形成前の基板を、方向確認のために裏返すという作業を行うことなく、異物付着の恐れを低減して、より的確に基板の方向や表裏を判別できる反射型マスクブランクス、反射型マスク、および反射型マスクブランクスの製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 反射層形成前の反射型マスクブランクス用基板主面に、アライメントマークやネームマーク等からなる視認可能なマークを平面非対称な位置に形成することで、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、極端紫外光(Extreme Ultra Violet:以後、EUVと記す)を用いてマスクパターンをウェハ上に転写するためのEUV露光用の反射型マスクブランクス、反射型マスク、および反射型マスクブランクスの製造方法に関するものである。
近年、半導体産業において、半導体デバイスの微細化に伴い、EUV光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィが有望視されている。
なお、ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。このEUVリソグラフィにおいて用いられるマスクとしては、例えば特許文献1に記載された反射型マスクが提案されている。
このような反射型マスクは、少なくとも、基板の主面上にEUV光を反射する多層膜からなる反射層を有し、前記反射層の上に形成されたEUV光を吸収する吸収層を、部分的に除去することにより吸収体パターンが形成されたものである。
EUV露光機に搭載された反射型マスクに入射したEUV光は、吸収体のある部分では吸収され、吸収体のない部分では反射層により反射され、光像が反射光学系を通して被転写体上に転写される。
上述の反射型マスクの基板には、パターン位置精度を高精度に保持するために、低熱膨張係数を有し、さらに、高反射率や転写精度を得るために、平滑性、平坦度が高く、マスク製造工程の洗浄などに用いる洗浄液への耐性に優れた基板が求められ、例えば、石英ガラス、SiO2−TiO2系の低熱膨張ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスなどのガラス基板などが用いられている。
マスクブランクスの平坦度としては、例えば、パターン領域において50nm以下が求められている。
なお、上記に例示した基板はいずれも透明基板である。また、基板の外形は、主面が略正方形の形態をしている。
そして、上述のような基板の主面に、上記の反射層や吸収層などを形成したものを反射型マスクブランクスと呼ぶ。
反射型マスクは、この反射型マスクブランクスの吸収層を、部分的に除去してマスクパターンとなる吸収体パターンを形成したものである。
吸収体パターンを形成するには、例えば、反射型マスクブランクスの表面側(吸収層を形成した面)にレジストを形成し、このレジストを電子線描画によりマスクパターン状に形成し、このレジストパターンをマスクに吸収層をエッチングして、所望の吸収体パターンを得る。
ここで、反射型マスクブランクスの表面側は、通常、平坦面であるため、反射型マスクブランクスの方向を判別するために、例えば、図8(a)に示すように、反射型マスクブランクス101の裏面側の基板102の角に、切欠き(ノッチマークと呼ぶ)が設けられている。このノッチマーク103は半導体用フォトマスクに用いられているものと同様な構成をしており、図8(b)に示すように、基板102の角を、平坦な底面から斜めに削るようにして形成されている。
特開昭63−201656号公報
しかしながら、上述のように、ノッチマークは反射型マスクブランクスの裏面側に設けられているため、例えば、電子線描画装置に装填する際に、反射型マスクブランクスの方向を確認するためには、反射型マスクブランクスを裏返して裏面の角を確認しなければならず、その作業による異物の付着が問題になっていた。
また、上述のように、ノッチマークは基板の角を、平坦な底面から斜めに削るようにして形成されているが、この傾斜は緩やかな角度の傾斜であるため、視認性は必ずしも明瞭ではなく、またそのサイズは小さくなる傾向にあり、装填方向の取り違えが問題となっていた。
また、例えば、基板と反射層の間に異物が混入することにより生じる反射型マスクの位相欠陥を評価するための位相設計欠陥マスクを作成する際には、反射層を形成する前の基板主面に、所定の設計欠陥を形成する必要があるが、上述のように基板は、透明で平面略正方形の対称な外観をしているため、方向や表裏を間違えやすく、より的確に基板の方向や表裏を判別できる方法が求められていた。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、反射型マスクブランクスや反射層形成前の基板を、方向確認のために裏返すという作業を行うことなく、より的確に基板の方向や表裏を判別できる反射型マスクブランクス、反射型マスク、および反射型マスクブランクスの製造方法を提供することである。
本発明者は、種々研究した結果、反射層形成前の反射型マスクブランクス用基板主面に、視認可能なマークを平面非対称な位置に形成することで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、基板と、前記基板の主面の上に形成された多層膜からなる反射層と、前記反射層の上に形成された吸収層と、を少なくとも有するEUV露光用の反射型マスクブランクスであって、前記基板の主面には、視認可能なマークが、平面非対称な位置に形成されていることを特徴とする反射型マスクブランクスである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記視認可能なマークが、前記基板を凹状に加工した段差構造のアライメントマークであることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランクスである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記アライメントマークの段差が、前記反射層と前記吸収層とを合わせた厚みの大きさよりも大きな段差であることを特徴とする請求項2に記載の反射型マスクブランクスである。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記視認可能なマークが、文字、数字、または記号のいずれか一種を認識させるネームマークであることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランクスである。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記ネームマークが、スリット状または格子状の凹凸構造からなることを特徴とする請求項4に記載の反射型マスクブランクスである。
また、本発明の請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の反射型マスクブランクスの吸収層をパターン状に加工してマスクパターンを形成したことを特徴とする反射型マスクである。
また、本発明の請求項7に係る発明は、基板と、前記基板の主面の上に形成された多層膜からなる反射層と、前記反射層の上に形成された吸収層と、を少なくとも有するEUV露光用の反射型マスクブランクスの製造方法であって、前記基板の主面に、視認可能なマークを、平面非対称な位置に形成する工程と、前記視認可能なマークを形成した前記基板の主面の上に、前記反射層を形成する工程と、前記反射層の上に、前記吸収層を形成する工程と、を有することを特徴とする反射型マスクブランクスの製造方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記視認可能なマークを形成する工程が、前記基板の主面の上に、金属および/または金属酸化物を含む薄膜を形成する工程と、前記薄膜をパターン状に加工する工程と、前記薄膜パターンをエッチングマスクに用いて前記基板をエッチングする工程と、前記薄膜パターンを除去する工程と、を有することを特徴とする請求項7に記載の反射型マスクブランクスの製造方法である。
本発明によれば、視認可能なマークが、基板の表面側の平面非対称な位置に形成されているため、より的確に基板の方向や表裏を判別できる。また、反射型マスクブランクスや反射層形成前の基板を、方向確認のために裏返す作業は必要なくなり、異物付着を低減させることができる。
本発明に係るマーク付き基板の一例を示す概略平面図である。 本発明に係るマーク付き基板の一例についての説明図であり、(a)は基板が180度回転した状態、(b)は左右反転した状態を示す。 本発明に係るマーク付き基板の他の例を示す概略平面図である。 本発明に係るネームマークの例を示す説明図であり、(a)はマークの平面形状、(b)は(a)におけるA−A断面を示す。 本発明に係るマーク付き基板の他の例についての説明図であり、(a)は基板が180度回転した状態、(b)は左右反転した状態を示す。 本発明に係る反射型マスクの製造方法の一例を示す模式的工程図である。 図6に続く本発明に係る反射型マスクの製造方法の一例を示す模式的工程図である。 従来の反射型マスク用基板の例を示す説明図であり、(a)は概略底面図であり、(b)は基板の角部の概略断面図である。
まず、本発明に係る反射型マスクブランクス、および反射型マスクについて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るマーク付き基板の一例を示す概略平面図である。この基板の主面上に、少なくとも反射層、および吸収層を形成したものが本発明に係る反射型マスクブランクスであり、さらに吸収層をマスクパターンに加工したものが本発明に係る反射型マスクになる。
図1に示すように、本実施形態におけるマーク付き基板1においては、透明な基板2の主面(表面側)にアライメントマーク3A、3Bが形成されており、アライメントマーク3Bが平面対称な位置に形成されているのに対し、アライメントマーク3Aは、平面非対称な位置に形成されている。なお、基板中心線4は、マーク付き基板1の中心を通り、基板の各辺と平行な架空の線を示している。
アライメントマーク3A、3Bは、基板2を凹状に加工した段差構造を有しており、その平面形状は、アライメントマークとして用いることができるものであれば、特に限定されないが、一般には、略十字型である。
その大きさは、視認可能な大きさであればよく、例えば、十字型の全長が1mm〜2mmである。一方、十字型の線幅は、電子線描画装置で検出可能な大きさであることから、例えば、1μm〜2μmである。
また、その深さは、少なくとも、基板主面に何も成膜しない透明な状態で視認可能な深さが必要であり、好ましくは、反射層や吸収層、およびレジストを形成した状態で、電子線描画装置においてレジスト上から検出可能な深さであることが好ましい。それゆえ、アライメントマーク3の深さは、例えば、100nm〜700nmである。
上述のような構成とすることで、本実施形態のマーク付き基板1は、基板を裏返す必要なく、表面側から的確に基板の方向や表裏を判別できる。
上記効果について、図2を用いて具体的に説明する。ここで、図2(a)は、本実施形態において、基板が、図1に示す状態から180度回転した状態を示す図であり、図2(b)は、左右反転(表裏反転)した状態を示す図である。図2(a)、(b)に示すように、マーク付き基板1が回転、若しくは反転している場合、アライメントマーク3Aの位置は、図1に示す位置と相違する。これにより、作業者は、的確に基板の方向や表裏を判別できる。
なお、上述においては、同じ形状、同じ大きさのアライメントマークが5個形成されている例を示したが、本発明においては、基板の方向や表裏を判別するための視認可能なアライメントマークが平面非対称な位置に形成されていればよく、基板の方向や表裏を判別することに影響しない、その他のアライメントマークについては、その大きさや数、配設位置は、特に限定されない。
(第2の実施形態)
図3は、本発明に係るマーク付き基板の他の例を示す概略平面図である。図3に示すように、本実施形態におけるマーク付き基板1においては、透明な基板2の主面(表面側)の平面非対称な位置に、ネームマーク5が形成されている。なお、基板中心線4は、マーク付き基板1の中心を通り、基板の各辺と平行な架空の線を示している。
ネームマーク5の平面形状は、文字、数字、または記号のいずれか一種を認識させるものであり、例えば、基板の型番や種類を表す英数字を認識させるものである。
その大きさは、視認可能な大きさであればよく、例えば、一文字の大きさが3mm〜10mmである。
ネームマーク5は、第1の実施形態のアライメントマーク3A、3Bと同様に基板2を凹状に加工した段差構造であってもよいが、スリット状または格子状の凹凸構造を有していることが、視認性向上の点から好ましい。
図4は、本実施形態におけるネームマークの例を示す説明図であり、図4(a)は、その平面形状を、図4(b)は、図4(a)におけるA−A断面を示す。
図4に示すように、ネームマーク5は、図4(a)におけるA−A断面と垂直な方向にスリット状に加工された凹凸構造を有しており、この複数の凹凸のエッジで光が反射するために視認性が向上する。この凹凸構造は、例えば、凹部の幅と凸部の幅が、1μm〜10μmであり、深さは、例えば、100nm〜700nmである。
上述のような構成とすることで、本実施形態のマーク付き基板1は、基板を裏返す必要なく、表面側から的確に基板の方向や表裏を判別できる。
上記効果について、図5を用いて具体的に説明する。ここで、図5(a)は、本実施形態において、基板が、図3に示す状態から180度回転した状態を示す図であり、図5(b)は、左右反転(表裏反転)した状態を示す図である。図5(a)、(b)に示すように、マーク付き基板1が回転、若しくは反転している場合、ネームマーク5の位置は、図3に示す位置と相違する。これにより、作業者は、的確に基板の方向や表裏を判別できる。
なお、ネームマーク5は、アライメントマークと同時に形成することが好ましい。同一工程で形成可能だからである。この場合、アライメントマークの位置や大きさは、特に限定されず、平面対称な位置に形成されていてもよく、また、視認困難な小さなサイズであってもよい。ネームマーク5のみで、的確に基板の方向や表裏を判別できるからである。
(反射型マスクブランクスおよび反射型マスクの製造方法)
次に、本発明に係る反射型マスクブランクスおよび反射型マスクの製造方法について説明する。
図6および図7は、本発明に係る反射型マスクの製造方法の一例を示す模式的工程図である。
まず、図6(a)に示すように、表面研磨された透明基板2を用意し、その主面の上にCr(クロム)等の金属薄膜11を形成し(図6(b))、レジスト製版等のリソグラフィ技術により、金属薄膜11をマークパターン状に加工し(図6(c))、この金属薄膜パターン11Aをエッチングマスクに用いて基板2をエッチングし(図6(d))、その後、金属薄膜パターン11Aを除去することにより、本発明に係るマーク付き基板1を得る(図7(e))。
次に、このマーク付き基板1の主面の上にEUV光を反射する多層膜からなる反射層12を形成し(図7(f))、反射層12の上にEUV光を吸収する吸収層13を形成して、本発明に係る反射型マスクブランクス20を得る(図7(g))。
なお、図7においては省略しているが、反射層12と吸収層13の間には、キャッピング層やバッファ層を形成してもよい。
また、上述の位相設計欠陥マスクを作成する場合には、反射層12を形成する前の基板主面に所定の設計欠陥を形成する。
上述のように、基板1の主面の上に反射層12を形成する際や、設計欠陥を形成する際、本発明に係るマーク付き基板1には、視認可能なマークが、基板の表面側の平面非対称な位置に形成されているため、より的確に基板の方向や表裏を判別できる。また、基板を、方向確認のために裏返す作業は必要なく、異物付着を低減させることができる。
本発明に係る反射型マスク30は、反射型マスクブランクス20の吸収層13を所望のマスクパターン(吸収体パターン13A)となるように加工することで得ることができる(図7(h))。
吸収体パターン13Aを形成するには、例えば、反射型マスクブランクス20の表面側(吸収層13を形成した面)にレジストを形成し、このレジストを電子線描画によりマスクパターン状に形成し、このレジストパターンをエッチングマスクに用いて吸収層13をエッチングして、所望の吸収体パターン13Aを得ればよい。
この際、本発明に係る反射型マスクブランクス20の基板には、視認可能なマークが、表面側の平面非対称な位置に形成されているため、より的確に反射型マスクブランクス20の方向を判別できる。また、反射型マスクブランクス20を、方向確認のために裏返す作業は必要なく、異物付着を低減させることができる。
また、上述のように、マーク付き基板1の製造工程において金属薄膜パターン11Aをエッチングマスクに用いることで、アライメントマークを深掘りすることができ、反射層12や吸収層13、およびレジストを形成した状態であっても、電子線描画装置においてレジスト上から、アライメントマークを容易に検出することができる。
次に、本発明に係る反射型マスクブランクスおよび反射型マスクを構成するその他の要素について説明する。
(反射層)
反射層12は、EUV露光に用いられるEUV光を高い反射率で反射する材料が用いられ、Mo(モリブデン)層とSi(シリコン)層からなる多層膜が多用されており、例えば、2.8nm厚のMo層と4.2nm厚のSi層を各40層積層した多層膜よりなる反射層が挙げられる。それ以外には、特定の波長域で高い反射率が得られる材料として、Ru/Si、Mo/Be、Mo化合物/Si化合物、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜およびSi/Ru/Mo/Ru周期多層膜なども用いることができる。ただし、材料によって最適な膜厚は異なる。Mo層とSi層からなる多層膜の場合、イオンビームスパッタ法により、まずSiターゲットを用いてSi層を成膜し、その後、Moターゲットを用いてMo層を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層されて、多層膜の反射層が得られる。上記のように、EUV光を高い反射率で反射させるために、13.5nmのEUV光を入射角6.0度で入射したときの反射層12の反射率は、通常、60%以上を示すように設定されている。
(キャッピング層)
反射層12の反射率を高めるには屈折率の大きいMo層を最上層とするのが好ましいが、Moは大気で酸化され易く、反射率が低下するので、酸化防止やマスク洗浄時における保護のための保護層として、スパッタリング法などによりSiやRu(ルテニウム)を成膜し、キャッピング層を設けることが行われている。例えば、キャッピング層としてSiを用いる場合は、反射層12の最上層に11nmの厚さで設けられる。
(バッファ層)
EUV露光に用いられるEUV光を吸収する吸収層13をドライエッチングなどの方法でパターンエッチングするときに、下層の反射層12に損傷を与えるのを防止するために、通常、反射層12と吸収層13との間にバッファ層が設けられる。バッファ層の材料としてはSiO2、Al23、Cr、CrNなどが用いられる。CrNを用いる場合は、RFマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてN2ガス雰囲気下で、上記の反射層の上にCrN膜を5nm〜15nm程度の膜厚で成膜するのが好ましい。
(吸収層)
マスクパターンを形成し、EUV光を吸収する吸収層13の材料としては、Ta、TaB、TaBNなどのTaを主成分とする材料、Cr、Crを主成分としN、O、Cから選ばれる少なくとも1つの成分を含有する材料などが、膜厚20nm〜100nm程度の範囲で用いられる。
(ハードマスク層)
吸収層13の上には、吸収層のエッチングマスクとしてハードマスク層を設けても良い。ハードマスク層の材料としては、吸収層13のエッチングに耐性をもつものであって、反射型マスクの転写パターンに応じた微細加工に適したものを用いる必要がある。例えば、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニュウム(Hf)およびその窒化物、酸化物などである。
また、ハードマスク層の材料は、バッファ層と同一の材料であることが好ましい。この場合、吸収層13のエッチングの後に、ハードマスク層の除去とバッファ層の除去とを同一工程で除去できる。
ハードマスク層の厚さは、その材料のエッチング耐性や転写パターンのサイズに応じた加工精度にもよるが、例えば5nm〜15nmである。
ハードマスク層は、例えば、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、Crをスパッタ成膜することで、CrNからなるハードマスク層を設けることができる。
(導電層)
基板2の主面上に設けられたマスクパターンと相対する他方の面(裏面側)の上には、導電層が形成されていてもよい。この導電層は、反射型マスクの裏面を静電吸着するために、設けられるものである。この導電層は、導電性を示す金属や金属窒化物などの薄膜であって、例えば、クロム(Cr)や窒化クロム(CrN)などを厚さ20nm〜150nm程度に成膜して用いられる。
以上、本発明に係る反射型マスクブランクス、反射型マスク、および反射型マスクブランクスの製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
基板として、光学研磨された大きさ6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板を用い、その主面の上に、Crを10nmの厚さにスパッタ成膜して金属薄膜を形成し、次いで、この金属薄膜をマークパターン状に加工し、次いで、この金属薄膜パターンをマスクにして基板をフッ酸でウエットエッチングし、その後、金属薄膜パターンを除去することにより、前記基板を凹状に加工した段差構造のアライメントマークを形成した。
アライメントマークの平面形状は十字型であり、全長は2mm、線幅は2μm、深さは500nmに形成した。
アライメントマークの配設位置は、基板中心をXY座標(0,0)として、(60000,60000)、(60000,−60000)、(−60000,−60000)、(−60000,50000)、(−60000,60000)の5箇所とした。なお、各座標の単位はμmである。
次に、上記のアライメントマークを形成した基板主面の上に、イオンビームスパッタ法により、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層してMoとSiの多層膜よりなる反射層を形成した後、最表面のMo膜の上にSi膜を11nm成膜してキャッピング層を形成した。
次に、上記のSi膜の上に、RFマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてN2雰囲気下で、CrN膜をバッファ層として10nmの厚さに成膜し、続いて、上記のCrN膜上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Taターゲットを用いて、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、TaN膜を70nmの厚さで形成し、EUV光を吸収する吸収層を形成し、本発明に係る反射型マスクブランクスを得た。
次に、この反射型マスクブランクスを用い、レジストを塗布し、電子線描画装置でアライメント描画して、レジストパターンを形成した。次いで、TaNの吸収層をCl2ガスでドライエッチングし、さらにCrNのバッファ層をCl2と酸素との混合ガスでドライエッチングしてキャッピング層を露出させ、レジストパターンを剥膜して、本発明に係る反射型マスクを得た。
本実施例においては、視認可能なアライメントマークが基板の表面側の平面非対称な位置に形成されているため、上述の各工程において、的確に基板の方向や表裏を判別できた。
(実施例2)
基板として、光学研磨された大きさ6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板を用い、実施例1と同様にして、その主面の上に、前記基板を凹状に加工した段差構造のアライメントマークと、前記基板をスリット状に加工した凹凸構造のネームマークを形成した。
アライメントマークの平面形状は十字型であり、全長は2mm、線幅は2μm、深さは500nmに形成した。
アライメントマークの配設位置は、基板中心をXY座標(0,0)として、アライメントマークの十字の中心座標が、(60000,60000)、(60000,−60000)、(−60000,−60000)、(−60000,60000)となる4箇所とした。すなわち、本実施例のアライメントマークは、基板主面上、平面対称な位置に形成されている。なお、各座標の単位はμmである。
ネームマークの平面形状は、基板の型番を表す英数字であり、一文字の大きさは5mm×5mm以内とし、凹凸構造の深さは500nmに形成した。
ネームマークの配設位置は、基板中心をXY座標(0,0)として、ネームマークの中心座標が、(20000,−60000)となる1箇所とした。なお、座標の単位はμmである。
次に、上記のネームマークを形成した基板主面の上に、イオンビームスパッタ法により、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層してMoとSiの多層膜よりなる反射層を形成した後、最表面のMo膜の上にSi膜を11nm成膜してキャッピング層を形成した。
次に、上記のSi膜の上に、RFマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてN2雰囲気下で、CrN膜をバッファ層として10nmの厚さに成膜し、続いて、上記のCrN膜上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Taターゲットを用いて、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、TaN膜を70nmの厚さで形成し、EUV光を吸収する吸収層を形成し、本発明に係る反射型マスクブランクスを得た。
次に、この反射型マスクブランクスを用い、レジストを塗布し、電子線描画装置でアライメント描画して、レジストパターンを形成した。次いで、TaNの吸収層をCl2ガスでドライエッチングし、さらにCrNのバッファ層をCl2と酸素との混合ガスでドライエッチングしてキャッピング層を露出させ、レジストパターンを剥膜して、本発明に係る反射型マスクを得た。
本実施例においては、視認可能なネームマークが基板の表面側の平面非対称な位置に形成されているため、上述の各工程において、的確に基板の方向や表裏を判別できた。
1 マーク付き基板
2 基板
3、3A、3B アライメントマーク
4 基板中心線
5 ネームマーク
6 凹凸構造
11 金属薄膜
11A 金属薄膜パターン
12 反射層
13 吸収層
13A 吸収体パターン
20 反射型マスクブランクス
30 反射型マスク
101 反射型マスクブランクス
102 基板
103 ノッチマーク

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板の主面の上に形成された多層膜からなる反射層と、前記反射層の上に形成された吸収層と、を少なくとも有するEUV露光用の反射型マスクブランクスであって、
    前記基板の主面には、視認可能なマークが、平面非対称な位置に形成されていることを特徴とする反射型マスクブランクス。
  2. 前記視認可能なマークが、前記基板を凹状に加工した段差構造のアライメントマークであることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランクス。
  3. 前記アライメントマークの段差が、前記反射層と前記吸収層とを合わせた厚みの大きさよりも大きな段差であることを特徴とする請求項2に記載の反射型マスクブランクス。
  4. 前記視認可能なマークが、文字、数字、または記号のいずれか一種を認識させるネームマークであることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランクス。
  5. 前記ネームマークが、スリット状または格子状の凹凸構造からなることを特徴とする請求項4に記載の反射型マスクブランクス。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の反射型マスクブランクスの吸収層をパターン状に加工してマスクパターンを形成したことを特徴とする反射型マスク。
  7. 基板と、前記基板の主面の上に形成された多層膜からなる反射層と、前記反射層の上に形成された吸収層と、を少なくとも有するEUV露光用の反射型マスクブランクスの製造方法であって、
    前記基板の主面に、視認可能なマークを、平面非対称な位置に形成する工程と、
    前記視認可能なマークを形成した前記基板の主面の上に、前記反射層を形成する工程と、
    前記反射層の上に、前記吸収層を形成する工程と、を有することを特徴とする反射型マスクブランクスの製造方法。
  8. 前記視認可能なマークを形成する工程が、
    前記基板の主面の上に、金属および/または金属酸化物を含む薄膜を形成する工程と、
    前記薄膜をパターン状に加工する工程と、
    前記薄膜パターンをエッチングマスクに用いて前記基板をエッチングする工程と、
    前記薄膜パターンを除去する工程と、を有することを特徴とする請求項7に記載の反射型マスクブランクスの製造方法。
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