JP2012021186A - 熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンプリングパイプで収集する加熱炉の炉内雰囲気の分析精度を向上させることが可能となる、熱処理装置及び熱処理方法を提供する。
【解決手段】サンプリングパイプ15における炉内雰囲気の収集側端部15aが、断熱部12の近傍に位置するように、サンプリングパイプ15を配設し、サンプリングパイプ15で加熱炉11の炉内雰囲気を収集し、サンプリングパイプ15で収集した炉内雰囲気を、雰囲気制御部13が備える雰囲気温度分析計で測定し、測定した炉内雰囲気のデータに基づいて、加熱ヒータ21・21による加熱炉11の加熱、及び、雰囲気制御部13による加熱炉11の内部における雰囲気濃度の制御、を行うことにより、加熱炉11の内部に収容されたワークWの熱処理を行う。
【選択図】図1
【解決手段】サンプリングパイプ15における炉内雰囲気の収集側端部15aが、断熱部12の近傍に位置するように、サンプリングパイプ15を配設し、サンプリングパイプ15で加熱炉11の炉内雰囲気を収集し、サンプリングパイプ15で収集した炉内雰囲気を、雰囲気制御部13が備える雰囲気温度分析計で測定し、測定した炉内雰囲気のデータに基づいて、加熱ヒータ21・21による加熱炉11の加熱、及び、雰囲気制御部13による加熱炉11の内部における雰囲気濃度の制御、を行うことにより、加熱炉11の内部に収容されたワークWの熱処理を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱処理装置及び熱処理方法に関し、詳しくは、サンプリングした炉内雰囲気に基づいて雰囲気熱処理を行う技術に関する。
従来、鋼材等の機械部品であるワークを熱処理炉に搬入し、ワークに対して浸窒処理や浸炭処理等の熱処理を行う熱処理装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
前記熱処理装置においては、熱処理炉の雰囲気を収集して、カーボンポテンシャル、窒素ポテンシャル、雰囲気元素等を測定し、その測定結果に基づいて熱処理炉の内部の雰囲気をフィードバック制御する技術が用いられる。
前記熱処理装置においては、熱処理炉の雰囲気を収集して、カーボンポテンシャル、窒素ポテンシャル、雰囲気元素等を測定し、その測定結果に基づいて熱処理炉の内部の雰囲気をフィードバック制御する技術が用いられる。
従来技術に係る熱処理装置の一例を図3に示す。図3に示す熱処理装置は浸窒焼入れを行う装置であり、加熱ヒータが内部に配設された加熱炉と、加熱炉の炉内雰囲気を制御する雰囲気制御部と、加熱炉の炉内雰囲気を収集するサンプリングパイプと、を備えている。そして、サンプリングパイプで収集した、加熱炉の炉内雰囲気(雰囲気濃度等)を雰囲気濃度分析計で測定し、その結果に基づいて、加熱ヒータによる加熱炉の加熱と、雰囲気制御部による加熱炉の炉内雰囲気(アンモニア濃度等)の制御と、を行う。これにより、加熱炉の内部に収容されたワークの熱処理を行うのである。
従来の熱処理装置においては、炉内雰囲気の分析精度を高めるためには、なるべくワークの近傍における炉内雰囲気をサンプリングパイプで収集することが望ましいと考えられてきた。このため、サンプリングパイプの先端部がワークの近傍に位置するように、図3に示す如くサンプリングパイプを加熱炉内でワーク付近にまで延出する構成としていた。
しかし、前記熱処理装置では、雰囲気濃度分析計におけるアンモニア濃度が、加熱炉の内部における実際のアンモニア濃度と異なる場合があった。これは、サンプリングパイプが加熱炉内において表出している部分で加熱されるため、収集した雰囲気がサンプリングパイプを通過する途中で、雰囲気に含まれるアンモニアが熱分解することが原因の一つと考えられる。また、サンプリングパイプを長期間使用すると、サンプリングパイプのうち加熱炉内において炉内雰囲気に露出している部分の材質が酸化・還元等によって変化し、触媒作用によりアンモニアの熱分解反応が促進(又は、抑制)されることも原因の一つと考えられる。
そこで本発明は、上記現状に鑑み、サンプリングパイプで収集する加熱炉の炉内雰囲気の分析精度を向上させることが可能となる、熱処理装置及び熱処理方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、加熱部がその内部に配設された、加熱炉と、前記加熱炉の周囲を取り囲んで配設された、断熱部と、前記加熱炉内の雰囲気濃度を制御する、雰囲気制御部と、前記加熱炉の炉内雰囲気を収集する、サンプリングパイプと、を備え、前記サンプリングパイプで収集した炉内雰囲気のデータに基づいて、前記加熱部による加熱炉の加熱、及び、前記雰囲気制御部による加熱炉内の雰囲気濃度の制御、を行うことにより、前記加熱炉の内部に収容されたワークの熱処理を行う、熱処理装置であって、前記サンプリングパイプにおける炉内雰囲気の収集側端部が、前記断熱部の近傍に位置するように、前記サンプリングパイプが配設されるものである。
請求項2においては、加熱部がその内部に配設された、加熱炉と、前記加熱炉の一側面に配設され、その一部に開口部が開口された、断熱扉と、前記断熱扉の開口部を通じて、前記加熱炉内の雰囲気を排気する、排気通路と、前記加熱炉の周囲のうち、前記断熱扉以外の部分を取り囲んで配設された、断熱部と、前記加熱炉内の雰囲気濃度を制御する、雰囲気制御部と、前記加熱炉の炉内雰囲気を収集する、サンプリングパイプと、を備え、前記サンプリングパイプで収集した炉内雰囲気のデータに基づいて、前記加熱部による加熱炉の加熱、及び、前記雰囲気制御部による加熱炉内の雰囲気濃度の制御、を行うことにより、前記加熱炉の内部に収容されたワークの熱処理を行う、熱処理装置であって、前記サンプリングパイプにおける炉内雰囲気の収集側端部が、前記排気通路の一部に位置するように、前記サンプリングパイプが配設されるものである。
請求項3においては、前記熱処理は浸窒処理又は窒化処理であって、前記雰囲気制御部で制御される加熱炉内の雰囲気元素として窒素が用いられるものである。
請求項4においては、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の熱処理装置でワークの熱処理を行うものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明により、雰囲気熱処理において、サンプリングパイプで収集する加熱炉の炉内雰囲気の分析精度を向上させることが可能となる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
[第一実施形態]
まず、図1を用いて、第一実施形態に係る熱処理装置10について説明する。図1に示す如く、本実施形態に係る熱処理装置10は、加熱部である加熱ヒータ21・21がその内部に配設された加熱炉11と、加熱炉11の周囲を取り囲んで配設された断熱部12と、加熱炉11の内部の雰囲気濃度を制御する雰囲気制御部13と、加熱炉11の炉内雰囲気を収集するサンプリングパイプ15と、を備える。
まず、図1を用いて、第一実施形態に係る熱処理装置10について説明する。図1に示す如く、本実施形態に係る熱処理装置10は、加熱部である加熱ヒータ21・21がその内部に配設された加熱炉11と、加熱炉11の周囲を取り囲んで配設された断熱部12と、加熱炉11の内部の雰囲気濃度を制御する雰囲気制御部13と、加熱炉11の炉内雰囲気を収集するサンプリングパイプ15と、を備える。
熱処理装置10はワークWに対して浸窒焼入れを行う装置である。即ち、ワークWを加熱炉11の内部に搬入して熱処理を行うことで、ワークWの表面に窒素を浸透拡散させるとともに焼入れを施す浸窒焼入処理を行うのである。
具体的には、ワークWを加熱炉11により焼入れ可能温度(ワークWの一部又は全体をオーステナイト組織にする温度)にまで加熱するとともに、加熱炉11の内部にアンモニアガス(又は、アンモニアガスと窒素ガスとの混合ガス)を供給する。
加熱炉11の内部に供給されたアンモニアガスには熱分解反応が生じ、加熱炉11の内部の雰囲気はアンモニアと窒素と水素との混合雰囲気となる。そして、このような混合雰囲気内にワークWを投入することで、ワークWの表面から窒素が拡散することとなる。
そして、ワークWの表面から窒素を拡散させた後に、ワークWを急冷して焼入れを行うことで、表面の硬度が高く内部の高度が低い浸窒焼入れ品が得られる。
加熱炉11の内部に供給されたアンモニアガスには熱分解反応が生じ、加熱炉11の内部の雰囲気はアンモニアと窒素と水素との混合雰囲気となる。そして、このような混合雰囲気内にワークWを投入することで、ワークWの表面から窒素が拡散することとなる。
そして、ワークWの表面から窒素を拡散させた後に、ワークWを急冷して焼入れを行うことで、表面の硬度が高く内部の高度が低い浸窒焼入れ品が得られる。
熱処理装置10で浸窒焼入処理を行う際には、加熱炉11の内部にワークWを搬送した後、加熱ヒータ21・21により加熱炉11の内部の雰囲気を加熱することによりワークWの加熱を行う。この時、加熱炉11の内周上面に配設した攪拌ファン23により加熱炉11の内部の雰囲気を攪拌することで、加熱炉11の内部における各箇所の温度、雰囲気を一定にしている。
加熱ヒータ21・21によりワークWを加熱した後、その加熱状態を維持しながら、加熱炉11の内周上面に配設したインレットパイプ25から加熱炉11の内部に所定流量のアンモニアガス(又はアンモニアガス及び窒素ガス)を供給する。
加熱ヒータ21・21によりワークWを加熱した後、その加熱状態を維持しながら、加熱炉11の内周上面に配設したインレットパイプ25から加熱炉11の内部に所定流量のアンモニアガス(又はアンモニアガス及び窒素ガス)を供給する。
サンプリングパイプ15では、加熱炉11の炉内雰囲気を収集する。そして、サンプリングパイプ15で収集した炉内雰囲気を、雰囲気制御部13が備える雰囲気温度分析計で測定するのである。さらに、測定した炉内雰囲気の濃度等のデータに基づいて、加熱ヒータ21・21による加熱炉11の加熱、及び、雰囲気制御部13による加熱炉11の内部における雰囲気濃度の制御、を行うことにより、加熱炉11の内部に収容されたワークWの熱処理を行うのである。
図1に示す如く、加熱炉11の内部に設けられる加熱ヒータ21・21は、例えば加熱炉11の内部における両側面部に配置されている。
つまり、加熱ヒータ21・21は、加熱炉11の内部に搬入されたワークWの、ワーク搬送方向(図1における紙面奥行方向)と直交する方向における両側の外側方に設置されている。これにより、加熱炉11の内部のワークWは、ワーク搬送方向と直交する方向における両外側方から加熱されることとなる。
つまり、加熱ヒータ21・21は、加熱炉11の内部に搬入されたワークWの、ワーク搬送方向(図1における紙面奥行方向)と直交する方向における両側の外側方に設置されている。これにより、加熱炉11の内部のワークWは、ワーク搬送方向と直交する方向における両外側方から加熱されることとなる。
攪拌ファン23は加熱炉11の天井面近傍に配置されており、インレットパイプ25は加熱炉11の天井面における攪拌ファン23の近傍位置から下方へ向けてアンモニアガス等のガスを供給するように配置されている。
また、攪拌ファン23は、上方又は下方から供給される雰囲気を側方へ送風するように構成されている。
また、攪拌ファン23は、上方又は下方から供給される雰囲気を側方へ送風するように構成されている。
上記の如く、加熱炉11でのワークWへの浸窒処理は、アンモニアガスの雰囲気下で行われる。
加熱炉11にてワークWへ浸窒処理を行うときには加熱炉11の内部の雰囲気を加熱ヒータ21・21により所定の温度に加熱するが、前記加熱ヒータ21・21による加熱は、加熱炉11の内部の温度が所定の時間だけ所定の温度に維持されるように、加熱炉11に接続される雰囲気制御部13により制御される。
また、雰囲気制御部13は、攪拌ファン23の運転や、加熱炉11の内部へのアンモニアガスの供給等の制御も行う。
加熱炉11にてワークWへ浸窒処理を行うときには加熱炉11の内部の雰囲気を加熱ヒータ21・21により所定の温度に加熱するが、前記加熱ヒータ21・21による加熱は、加熱炉11の内部の温度が所定の時間だけ所定の温度に維持されるように、加熱炉11に接続される雰囲気制御部13により制御される。
また、雰囲気制御部13は、攪拌ファン23の運転や、加熱炉11の内部へのアンモニアガスの供給等の制御も行う。
加熱炉11でのワークWの浸窒処理が完了すると、ワークWを図示しない油槽室へ搬送し、該油槽室内の油にワークWを浸漬して急冷する。これにより、ワークWの焼入れが行われ、浸窒焼入れ品が得られる。
本実施形態に係る熱処理装置10は、サンプリングパイプ15における炉内雰囲気の収集側端部15a(加熱炉11内と連通する側の端部)が、断熱部12の近傍に位置するように、サンプリングパイプ15が配設されている。詳細には図1に示す如く、サンプリングパイプ15は、収集側端部15aが断熱部12の内部に位置するように配設されており、加熱炉11の内部に突出しないように構成されているのである。
なお、サンプリングパイプ15の収集側端部15aとは反対側の端部は、雰囲気制御部13に接続されている。
なお、サンプリングパイプ15の収集側端部15aとは反対側の端部は、雰囲気制御部13に接続されている。
本実施形態に係る熱処理装置10は上記の如く構成することにより、サンプリングパイプ15が加熱炉11の内部において表出しないようにしている。つまり、サンプリングパイプ15は加熱炉11からの伝熱が断熱部12によって遮断されるため、高温とならないのである。これにより、サンプリングパイプ15が加熱されることを防ぎ、雰囲気がサンプリングパイプ15を通過する途中で、雰囲気に含まれるアンモニアが熱分解しないようにしているのである。
また、上記の如くサンプリングパイプ15は加熱炉11の内部に存在する高温状態の炉内雰囲気に露出しないため、サンプリングパイプ15を長期間使用しても、サンプリングパイプ15が酸化・還元等によって変化し、触媒作用によりアンモニアの熱分解反応が促進(又は、抑制)されることも防止できる。
また、上記の如くサンプリングパイプ15は加熱炉11の内部に存在する高温状態の炉内雰囲気に露出しないため、サンプリングパイプ15を長期間使用しても、サンプリングパイプ15が酸化・還元等によって変化し、触媒作用によりアンモニアの熱分解反応が促進(又は、抑制)されることも防止できる。
即ち、本実施形態に係る熱処理装置10では、サンプリングパイプ15における雰囲気の熱分解を防止することができる。このため、雰囲気濃度分析計において、加熱炉11の内部における実際のアンモニア濃度と同じ値を測定することが可能となる。換言すれば、サンプリングパイプ15で収集する加熱炉11の炉内雰囲気の分析精度を向上させることが可能となるのである。
本願出願人が行った実験結果によれば、加熱炉11の炉内雰囲気の分析精度が向上したことにより、浸窒処理の精度を高めることができた。即ち、ワークWにおける浸窒の深さばらつきを半減させることができたのである。
また、本実施形態の如くサンプリングパイプ15の収集側端部15aをワークW付近から離して配置しても、サンプリングパイプ15で収集する炉内雰囲気はワークWの近傍の雰囲気とほとんど違いがなく、炉内雰囲気の測定結果に差が出ることはなかった。つまり、サンプリングパイプ15の収集側端部15aをワークWから離間させることによって炉内雰囲気の分析精度が低下することはなかったのである。
また、本実施形態の如くサンプリングパイプ15の収集側端部15aをワークW付近から離して配置しても、サンプリングパイプ15で収集する炉内雰囲気はワークWの近傍の雰囲気とほとんど違いがなく、炉内雰囲気の測定結果に差が出ることはなかった。つまり、サンプリングパイプ15の収集側端部15aをワークWから離間させることによって炉内雰囲気の分析精度が低下することはなかったのである。
本実施形態においては、熱処理装置10は浸窒焼入れを行うものとしている。一方、前記の如くサンプリングパイプ15が加熱炉11の内部において表出しないように構成し、サンプリングパイプ15が加熱されることを防ぐことによって雰囲気の変質を防止するという点においては、本発明は他の熱処理(例えば浸炭処理等)においても効果はあると考えられる。但し、サンプリングパイプ15が腐食性のある元素によって変質することを防ぐという観点においては、雰囲気制御部13で制御される加熱炉11の内部の雰囲気元素として窒素が用いられる場合には、その効果はより顕著となる。つまり、熱処理装置10で行われる熱処理は、雰囲気元素として窒素を用いる浸窒処理又は窒化処理に適用されることがより好適である。
[第二実施形態]
次に、図2を用いて、第二実施形態に係る熱処理装置110について説明する。図2に示す如く、本実施形態に係る熱処理装置110は、加熱部である加熱ヒータ121・121がその内部に配設された加熱炉111と、加熱炉111の一側面に配設され、その一部に開口部132aが開口された断熱扉132と、断熱扉132の開口部132aを通じて、加熱炉111の内部の雰囲気を排気する排気通路となる戸袋131及び煙突135と、加熱炉111の周囲のうち、断熱扉132以外の部分を取り囲んで配設された断熱部112と、加熱炉111の内部の雰囲気濃度を制御する雰囲気制御部113と、加熱炉111の炉内雰囲気を収集するサンプリングパイプ115と、を備える。
次に、図2を用いて、第二実施形態に係る熱処理装置110について説明する。図2に示す如く、本実施形態に係る熱処理装置110は、加熱部である加熱ヒータ121・121がその内部に配設された加熱炉111と、加熱炉111の一側面に配設され、その一部に開口部132aが開口された断熱扉132と、断熱扉132の開口部132aを通じて、加熱炉111の内部の雰囲気を排気する排気通路となる戸袋131及び煙突135と、加熱炉111の周囲のうち、断熱扉132以外の部分を取り囲んで配設された断熱部112と、加熱炉111の内部の雰囲気濃度を制御する雰囲気制御部113と、加熱炉111の炉内雰囲気を収集するサンプリングパイプ115と、を備える。
熱処理装置110は前記第一実施形態と同様に、浸窒焼入れを行う装置である。即ち、ワークWを加熱炉111内に搬入して熱処理を行うことで、ワークWの表面に窒素を浸透拡散させるとともに焼入れを施す浸窒焼入処理を行うのである。
熱処理装置110で浸窒焼入処理を行う際には、加熱炉111の内部にワークWを搬送した後、加熱ヒータ121・121により加熱炉111の内部の雰囲気を加熱することによりワークWの加熱を行う。この時、加熱炉111の内周上面に配設した攪拌ファン123により加熱炉111の内部の雰囲気を攪拌することで、加熱炉111の内部における各箇所の温度、雰囲気を一定にしている。
加熱ヒータ121・121によりワークWを加熱した後、その加熱状態を維持しながら、加熱炉111の内周上面に配設したインレットパイプ125から加熱炉111の内部に所定流量のアンモニアガス(又はアンモニアガス及び窒素ガス)を供給する。
加熱ヒータ121・121によりワークWを加熱した後、その加熱状態を維持しながら、加熱炉111の内周上面に配設したインレットパイプ125から加熱炉111の内部に所定流量のアンモニアガス(又はアンモニアガス及び窒素ガス)を供給する。
サンプリングパイプ115は、その一端となる収集側端部115aが戸袋131内に連通し、その他端が雰囲気制御部113に接続されている。
サンプリングパイプ115では、断熱扉132の開口部132aを通じて戸袋131に流入した、加熱炉111の炉内雰囲気を収集する。そして、サンプリングパイプ115で収集した炉内雰囲気を、雰囲気制御部113が備える雰囲気温度分析計で測定するのである。さらに、測定した炉内雰囲気のデータに基づいて、加熱ヒータ121・121による加熱炉111の加熱、及び、雰囲気制御部113による加熱炉111の内部における雰囲気濃度の制御、を行うことにより、加熱炉111の内部に収容されたワークWの熱処理を行うのである。
サンプリングパイプ115では、断熱扉132の開口部132aを通じて戸袋131に流入した、加熱炉111の炉内雰囲気を収集する。そして、サンプリングパイプ115で収集した炉内雰囲気を、雰囲気制御部113が備える雰囲気温度分析計で測定するのである。さらに、測定した炉内雰囲気のデータに基づいて、加熱ヒータ121・121による加熱炉111の加熱、及び、雰囲気制御部113による加熱炉111の内部における雰囲気濃度の制御、を行うことにより、加熱炉111の内部に収容されたワークWの熱処理を行うのである。
上記の如く、加熱炉111でのワークWへの浸窒処理は、アンモニアガス(又はアンモニアガス及び窒素ガス)の雰囲気下で行われる。
加熱炉111にてワークWへ浸窒処理を行うときには加熱炉111の内部の雰囲気を加熱ヒータ121・121により所定の温度に加熱するが、加熱ヒータ121・121による加熱は、加熱炉111の内部の温度が所定の時間だけ所定の温度に維持されるように、加熱炉111に接続される雰囲気制御部113により制御される。
加熱炉111にてワークWへ浸窒処理を行うときには加熱炉111の内部の雰囲気を加熱ヒータ121・121により所定の温度に加熱するが、加熱ヒータ121・121による加熱は、加熱炉111の内部の温度が所定の時間だけ所定の温度に維持されるように、加熱炉111に接続される雰囲気制御部113により制御される。
戸袋131には、シール扉133を介して油槽室141が隣接して配設されている。そして、加熱炉111でのワークWの浸窒処理が完了すると、ワークWを油槽室141へ搬送し、油槽室141の内部の油にワークWを浸漬して急冷する。これにより、ワークWの焼入れが行われ、浸窒焼入れ品が得られる。
本実施形態に係る熱処理装置110は、サンプリングパイプ115における炉内雰囲気の収集側端部115aが、排気通路である戸袋131の一部に位置するように、サンプリングパイプ15が配設されている。
本実施形態に係る熱処理装置110は上記の如く構成することにより、サンプリングパイプ115が加熱炉111の内部に表出しないようにしている。つまり、サンプリングパイプ115は加熱炉111からの伝熱が断熱扉132によって遮断されるため、高温とならないのである。これにより、サンプリングパイプ115が加熱されることを防ぎ、雰囲気がサンプリングパイプ115を通過する途中で、雰囲気に含まれるアンモニアが熱分解しないようにしているのである。
また、上記の如くサンプリングパイプ115は加熱炉11の内部に存在する高温状態の炉内雰囲気に露出しないため、サンプリングパイプ115を長期間使用しても、サンプリングパイプ115が酸化・還元等によって変化し、触媒作用によりアンモニアの熱分解反応が促進(又は、抑制)されることも防止できる。
また、上記の如くサンプリングパイプ115は加熱炉11の内部に存在する高温状態の炉内雰囲気に露出しないため、サンプリングパイプ115を長期間使用しても、サンプリングパイプ115が酸化・還元等によって変化し、触媒作用によりアンモニアの熱分解反応が促進(又は、抑制)されることも防止できる。
即ち、本実施形態に係る熱処理装置110では、サンプリングパイプ115における雰囲気の熱分解を防止することができる。このため、雰囲気濃度分析計において、加熱炉111の内部における実際のアンモニア濃度と同じ値を測定することが可能となる。換言すれば、サンプリングパイプ115で収集する加熱炉111の炉内雰囲気の分析精度を向上させることが可能となるのである。
10 熱処理装置
11 加熱炉
12 断熱部
13 雰囲気制御部
15 サンプリングパイプ
21 加熱ヒータ
W ワーク
11 加熱炉
12 断熱部
13 雰囲気制御部
15 サンプリングパイプ
21 加熱ヒータ
W ワーク
Claims (4)
- 加熱部がその内部に配設された、加熱炉と、
前記加熱炉の周囲を取り囲んで配設された、断熱部と、
前記加熱炉内の雰囲気濃度を制御する、雰囲気制御部と、
前記加熱炉の炉内雰囲気を収集する、サンプリングパイプと、を備え、
前記サンプリングパイプで収集した炉内雰囲気のデータに基づいて、前記加熱部による加熱炉の加熱、及び、前記雰囲気制御部による加熱炉内の雰囲気濃度の制御、を行うことにより、前記加熱炉の内部に収容されたワークの熱処理を行う、熱処理装置であって、
前記サンプリングパイプにおける炉内雰囲気の収集側端部が、前記断熱部の近傍に位置するように、前記サンプリングパイプが配設される、
ことを特徴とする、熱処理装置。 - 加熱部がその内部に配設された、加熱炉と、
前記加熱炉の一側面に配設され、その一部に開口部が開口された、断熱扉と、
前記断熱扉の開口部を通じて、前記加熱炉内の雰囲気を排気する、排気通路と、
前記加熱炉の周囲のうち、前記断熱扉以外の部分を取り囲んで配設された、断熱部と、
前記加熱炉内の雰囲気濃度を制御する、雰囲気制御部と、
前記加熱炉の炉内雰囲気を収集する、サンプリングパイプと、を備え、
前記サンプリングパイプで収集した炉内雰囲気のデータに基づいて、前記加熱部による加熱炉の加熱、及び、前記雰囲気制御部による加熱炉内の雰囲気濃度の制御、を行うことにより、前記加熱炉の内部に収容されたワークの熱処理を行う、熱処理装置であって、
前記サンプリングパイプにおける炉内雰囲気の収集側端部が、前記排気通路の一部に位置するように、前記サンプリングパイプが配設される、
ことを特徴とする、熱処理装置。 - 前記熱処理は浸窒処理又は窒化処理であって、前記雰囲気制御部で制御される加熱炉内の雰囲気元素として窒素が用いられる、
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の熱処理装置。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の熱処理装置でワークの熱処理を行う、
ことを特徴とする、熱処理方法。
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2010
- 2010-07-13 JP JP2010158887A patent/JP2012021186A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016001064A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | 日本碍子株式会社 | 熱処理炉 |
TWI646201B (zh) * | 2014-06-11 | 2019-01-01 | 日商日本碍子股份有限公司 | Heat treatment furnace |
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