JP2012019843A - ケース封印構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板ケース等のケースを閉止した状態で封印シールにより封印する構成において、封印シールを破損しなければケースを開放できないようにしたケース封印構造を提供する。
【解決手段】ケース封印構造は、ケース本体部材にケース蓋部材を閉止して装着し、これにより近接対向した両封印部110,120を封印カバー140に挿入装着したときに、切断部材153が作動手段により両封印部110,120から封印カバー140を離脱させる方向から見て封印シール130と重なる位置へ揺動変位され、ケース本体部材からケース蓋部材を開放するために、両封印部110,120に対して封印カバー140を離脱させる方向へ相対移動させたときに、切断部材153が封印カバー140と一体的に当該離脱方向に相対移動されて、一方の封印部に貼着された封印シール130に当接して当該離脱方向に沿って封印シール130を切断するように構成される。
【選択図】図6
【解決手段】ケース封印構造は、ケース本体部材にケース蓋部材を閉止して装着し、これにより近接対向した両封印部110,120を封印カバー140に挿入装着したときに、切断部材153が作動手段により両封印部110,120から封印カバー140を離脱させる方向から見て封印シール130と重なる位置へ揺動変位され、ケース本体部材からケース蓋部材を開放するために、両封印部110,120に対して封印カバー140を離脱させる方向へ相対移動させたときに、切断部材153が封印カバー140と一体的に当該離脱方向に相対移動されて、一方の封印部に貼着された封印シール130に当接して当該離脱方向に沿って封印シール130を切断するように構成される。
【選択図】図6
Description
本発明は、遊技機の制御基板を収容する基板ケース等のケースに対するケース封印構造、さらに詳しくはICタグ封印シールを用いたケース封印構造に関する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機では、この遊技機の作動を制御する制御基板が設けられている。例えば、パチンコ機では、外枠に対して開閉可能に組み付けられた前枠裏側の収容枠に遊技盤等が装備され、この遊技盤に制御基板が取り付けられている。スロットマシンにおいても同様に、フロントマスクの裏面側やキャビネットの内側に制御基板が取り付けられている。これらの制御基板は、賞球もしくはメダルの払出制御、電動役物の開閉制御、リールの回転制御、図柄組み合わせの発生確率制御等、パチンコ機もしくはスロットマシンの作動を制御する基板であり、遊技機の制御ソフトウェアが記録されたROMが搭載され、この遊技機の作動を制御する中枢制御装置としての役割を有している(例えば、特許文献1を参照)。
このような中枢制御装置としての役割を有した制御基板は偽造ROMへの差し替え等の不正改造対策として、基板ケース内に収容され、この基板ケースを不正に開放できないようにする不正開放防止手段を設けることが知られている。この不正開放防止手段として、例えば、制御基板をケース本体部材及びケース蓋部材からなる基板ケースに収容し、ケース本体部材に対してケース蓋部材を閉止状態で装着したときに、ケース本体部材の側に形成した係合部とケース蓋部材の側に形成した係合部とを係合させ、ケース蓋部材(もしくはケース本体部材)とその係合部とを繋ぐ連結部をニッパ等の工具を用いて切り離さない限り、ケース本体部材とケース蓋部材とを離間不能にする、所謂カシメ構造が種々提案されて、実用に供されている。
また、遊技機の固有情報や、制御基板の識別情報等を記憶させた無線読み取り可能なICタグを有したICタグ封印シールを用いて基板ケースを内部において封印することも知られている(例えば、特許文献2を参照)。このようにICタグ封印シールを用いると、制御基板を基板ケース内に入れてカシメ構造により閉止保持するだけでなく、ICタグ封印シールにより封印してより確実な不正開放対策が可能となる。さらに、外部からICタグに記憶された情報を読み取って制御基板の識別等を行えるという利点もある。
このように封印シール、特にICタグ封印シールは、不正開放対策及び種々の情報の記憶・読み取り機能という便利な機能を有するのであるが、これが不正に剥がされて不正に再使用されると基板ケースそのものを不正に交換するような不正改造を却って発見しにくくなるという問題がある。このため、基板ケースを開放するときに封印シールを破損するような構成、すなわち、封印シールを破損しなければ基板ケースを開放することができないような構造が望まれる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、基板ケース等のケースを閉止した状態で封印シールにより封印する構成において、封印シールを破損しなければケースを開放できないようにしたケース封印構造を提供することを目的とする。
このような目的達成のために、本発明に係るケース封印構造は、ケース本体部材及びこのケース本体部材に開閉可能に装着されるケース蓋部材を備えたケースにおいて、ケース本体部材に設けられた本体側封印部と、ケース蓋部材に設けられ、ケース本体部材にケース蓋部材を閉止して装着したときに本体側封印部に近接対向する蓋側封印部と、本体側封印部及び蓋側封印部のいずれか一方の封印部に貼着される封印シールと、一側面側に開口して他側面側に延びた封印空間を有して略箱状に形成され、近接対向状態の本体側封印部及び蓋側封印部を上記開口から封印空間内に挿脱可能な封印カバーと、封印カバーの封印空間内に設けられ、封印シールを切断可能な切断部材と、切断部材を封印空間内で揺動変位可能に支持する作動手段(例えば、実施形態におけるカッティング機構150)とを備え、ケース本体部材にケース蓋部材を閉止して装着し、これにより近接対向した本体側封印部及び蓋側封印部を封印カバーに挿入装着したときに、切断部材が作動手段により本体側封印部及び蓋側封印部から封印カバーを離脱させる方向から見て封印シールと重なる位置へ揺動変位され、ケース本体部材からケース蓋部材を開放するために、本体側封印部及び蓋側封印部に対して封印カバーを離脱させる方向へ相対移動させたときに、切断部材が封印カバーと一体的に当該離脱方向に相対移動されて、一方の封印部に貼着された封印シールに当接して当該離脱方向に沿って封印シールを切断するように構成される。
なお、上述の発明において、本体側封印部及び蓋側封印部を封印カバーに挿入装着したときに、作動手段により封印カバーの離脱方向から見て封印シールと重なる位置へ揺動変位された切断部材を当該位置で固定保持するためのロック手段(例えば、実施形態におけるロック部160)を設けて構成されることが好ましい。
また、上述の発明において、封印カバーに少なくとも3つ以上の切断部材(例えば、実施形態における切断部材253)を離脱方向に直交する方向に並べて配置し、切断部材は、封印カバーに設けられた軸部を中心として、本体側封印部及び蓋側封印部を封印カバーに挿入装着するとき一方の封印部に貼着された封印シールに接触しない格納位置と、封印カバーの離脱方向から見て封印シールと重なる切断位置との間で揺動変位可能に支持されており、作動手段により複数の切断部材が各々揺動するときに、互いに隣接する切断部材の揺動方向が逆方向となり、複数の切断部材が互い違いの方向に揺動することが好ましい。
また、上述の発明において、封印シール(例えば、実施形態におけるICタグ封印シール130)が情報を記憶及び読み取り可能なICタグ及びこのICタグに対する情報の記憶及び読み取りを無線により行うためのアンテナ線を有して構成され、本体側封印部及び蓋側封印部に対して封印カバーを離脱方向に相対移動させたときに封印シールが切断されることにより少なくともアンテナ線が切断されてICタグに対する無線による情報の記憶及び読み取りができないようになっていることが好ましい。
本発明に係るケース封印構造によれば、封印カバーの封印空間に本体側封印部及び蓋側封印部を挿入装着したときには、これに連動して切断部材が封印カバーの離脱向から見て封印シールと重なる位置に揺動変位し、封印カバーを本体側封印部及び蓋側封印部から取り外すときに、この封印カバーと一体的に離脱方向へ相対移動する切断部材により封印シールが当該離脱方向に沿って切断される。これにより、封印シールを破損することなくケースを開放することができないケース封印構造となるので、封印シールが不正に再使用されることを防止できる。
また、上述の発明において、作動手段により封印カバーの離脱方向から見て封印シールと重なる位置へ揺動変位された切断部材を当該位置で固定保持するためのロック手段を設けて構成することが好ましい。これにより、切断部材はロック手段によってロック保持されているため、封印シールを切断しているときに切断部材が受ける切断抵抗によって、切断部材が横振れ等の挙動を起こして適切にシール部材を切断できなくなるおそれがない。
また、上述の発明において、作動手段により複数の切断部材が各々揺動するときに、互いに隣接する切断部材の揺動方向が逆方向となり、複数の切断部材が格納位置と切断位置との間を互い違いの方向に揺動する構成とすることが好ましい。これにより、封印カバーの内部に、切断部材の列方向片側もしくは両側から不正部材をそれぞれ侵入させて、封印カバーの離脱方向から見て封印シールと重なる切断位置へ揺動変位された切断部材を封印シールから離間する方向(すなわち、格納位置側)へ揺動させて封印シールを切断することなく本体側封印部及び蓋側封印部から封印カバーを取り外そうとしても、複数の切断部材の揺動方向が互い違いに逆方向に設定されているため、全ての切断部材の各々を同時に格納位置側へ退避させることはできない。従って、このような不正アクセスを効果的に防止して、封印シールが不正に剥がされて再使用されるのをより確実に防止することが可能になる。
また、上述の発明において、封印シールが情報を記憶及び読み取り可能なICタグ及びアンテナ線を有して構成され、本体側封印部及び蓋側封印部に対して封印カバーを離脱方向に相対移動させたときに少なくともICタグのアンテナ線が切断されてICタグに対する無線による情報の記憶及び読み取りができないように構成するのが好ましく、これにより封印シールの再使用を確実に防止できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係るケース封印構造を用いる遊技機の代表例としてパチンコ機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、先ず、これらの図面を参照しながらパチンコ機PMの全体構成について概要説明する。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉及び着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉止状態に保持される。
前枠2の前面側上部には、前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス扉5及び球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉及び着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉止状態に保持される。球皿ユニット6の正面右側下部には遊技球の発射装置を行う操作ハンドル8が設けられている。ガラス扉5の背後に位置する前枠上部には、遊技盤10を着脱可能に収容する収容枠(図示せず)が設けられており、この収容枠に遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉止保持されるガラス扉5を通して遊技盤10の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。
前枠2の裏面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりもやや小型の方形枠状に形成された裏セット盤30が、前枠2の裏面に設けられた複数のレバーL,L…を利用して着脱可能にセット保持される。裏セット盤30の各部には遊技球を貯留する球貯留タンク31、タンクレール32、整列待機通路33、賞球カセット34、賞球排出通路35などの賞球装置が装備されるとともに、裏面各部に電源基板アッセンブリや主基板アッセンブリ50等の各種制御基板アッセンブリが取り付けられている。
球皿ユニット6に前面側が覆われた前枠2の下部領域には遊技補助盤(図示せず)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤の各部に、打球発射装置(図示せず)や、裏セット盤30側の賞球排出通路35と繋がり球皿ユニット6の球皿に排出できない遊技球を一時貯留する貯留カセット(図示せず)などが設けられている。
パチンコ機PMは、前枠2、ガラス扉5及び球皿ユニット6がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、球皿ユニット6の球皿に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、球皿ユニット6の球皿に貯留された遊技球が打球発射装置により1球ずつ遊技領域PAに打ち出され、以降パチンコゲームが展開される。
以上のように概要構成されるパチンコ機PMにあって、主基板アッセンブリ50に本発明に係るケース封印構造が適用されており、以下においては、この主基板アッセンブリ50について説明する。まず、図3〜図5を追加参照して、主基板アッセンブリ50の全体構成について説明する。ここで、図3は主基板アッセンブリ50の閉止状態の斜視図、図4は主基板アッセンブリの開放状態の斜視図、図5は主基板アッセンブリ50の分解斜視図である。
主基板アッセンブリ50は、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板51と、主制御基板51を内部に収容する主基板ケース55とを主体に構成される。さらに、主基板ケース55は、パチンコ機PMの裏セット盤30に固定されるケース本体部材60と、ケース本体部材60に開閉自在に取り付けられるケース蓋部材70と、主制御基板51の裏面側を覆う内部カバー80とを備え、主制御基板51及び内部カバー80がケース蓋部材70の内面側に取り付けられた状態で、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ開閉自在に装着されるように構成されている。
主制御基板51は、図5に示すように、中央部に配設されたCPU52や、左側に配設された左側接続コネクタ53,53,…、右側に配設された右側接続コネクタ54,54,…等の電子部品を有して構成される。主制御基板51の四隅には、基板取付孔51a,51a,…が形成されている。また、主制御基板51の縁部近傍三箇所には、ピン孔51b,51b,51bが形成されており、内部カバー80の位置決めピン81,81,81と嵌合するようになっている。
ケース本体部材60は、前面側に開口を有する矩形箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。ケース本体部材60の底部には、補強リブ61が縦横に格子状に形成されており、ケース本体部材60の強度を向上させるとともに、ケース内部に収容された内部カバー80が当接して受け止められるようになっている。
ケース本体部材60の左端部にはヒンジ軸62,62が形成されており、ケース蓋部材70のヒンジアーム74とそれぞれヒンジ係合するようになっている。ケース本体部材60の上下側壁外面には、前方に突出する左右の係止アーム63,63が形成されており、ケース蓋部材70の側面に形成された左右の係止突起75,75にそれぞれ係止するようになっている。このため、ケース本体部材60に対してケース蓋部材70がヒンジ軸62にヒンジアーム74をヒンジ係合した状態でヒンジ軸62を中心として、図3に示す開放した状態と図4に示す閉止した状態とに開閉揺動可能であり、図4に示すように閉止した状態で係止アーム63が係止突起75に係止して仮止め保持されるようになっている。
ケース本体部材60の縁部内側には、内側ガードリブ64が突出して形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、ケース蓋部材70の外側ガードリブ(図に現れず)の内側に位置するようになっている。ケース本体部材60の縁部外側には、縁部当接部65が内側ガードリブ64に繋がって形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、外側ガードリブが縁部当接部65と当接するようになっている。
ケース蓋部材70は、ケース本体部材60の開口を覆う矩形箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。ケース蓋部材70の裏面側(内面側)の四隅には、ボス形状の基板取付部がネジ孔(いずれも図に現れず)を有して形成されており、主制御基板51及び内部カバー80がそれぞれの取付孔51a,82を介して基板取付ネジ89によりネジ固定されてケース蓋部材70の内面側に取り付けられるようになっている。
ケース蓋部材70の左側には、左コネクタ開口部72,72,…が形成されており、図3に示すように、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着された状態で、主制御基板51の左側接続コネクタ53が左コネクタ開口部72を介して外部に露出するように構成されている。ケース蓋部材70の右側には、右コネクタ開口部73,73,…が形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着された状態で、主制御基板51の右側接続コネクタ54が右コネクタ開口部73を介して外部に露出するように構成されている。
内部カバー80は、主制御基板51の形状に合わせた矩形板状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて一体的に形成される。内部カバー80の縁部近傍三箇所には、位置決めピン81,81,81が形成されており、主制御基板51のピン孔51b,51b,51bとそれぞれ嵌合して、内部カバー80が主制御基板51の裏面側にちょうど重なるようになっている。
内部カバー80の四隅には取付孔82,82,…が形成されており、基板取付ネジ89によりケース蓋部材70の内面の基板取付部にネジ固定されるようになっている。そして、主制御基板51を所定方向に向けた状態で、基板取付部のボス部に主制御基板51の基板取付孔51aを嵌合させ、さらに、内部カバー80の位置決めピン81を主制御基板51のピン孔51bに嵌合させるとともにケース蓋部材70の蓋側ピン孔(図示せず)に嵌入して、内部カバー80を主制御基板51の裏面側に重ねて載置した状態で、基板取付ネジ89により主制御基板51及び内部カバー80がケース蓋部材70の内面側に取り付けられる。
このようにして、ケース蓋部材70がケース本体部材60の開口を覆う閉止状態でケース本体部材60に装着されているときには、係止アーム63が係止突起75に係合しているだけであり、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して容易に開放させることができる。そこで、閉止状態で装着されたケース蓋部材70を開放できなくして不正操作を防止するために、基板アッセンブリ50には不正開放防止機構90が設けられている。
この不正開放防止機構90は従来から知られている構成であり、種々の構成が適用可能であるが、本実施形態では、図3〜図5に示すように、ケース本体部材60に一体に繋がった本体側係合部91と、ケース蓋部材70に連結部94を介して繋がった蓋側係合部93と、両係合部91,93を結合させるための結合部材95とから構成される。結合部材95は、本体側係合部91の係合凹部91a内に挿入され、側面に形成された係合突起95aが係合凹部91a内の係合部と図4に示すように取り外し不能に係合される。この状態でケース蓋部材70を図3に示すように閉止すると、結合部材95の上方に突出する部分が蓋側係合部93の係合凹部93a(図には現れないが、蓋側係合部93の内面側に形成されている)内に入り込み、側面に形成された係合突起95bが係合凹部93a内の係合部と取り外し不能に係合し、ケース本体部材60とケース蓋部材70とが図3に示すように閉止した状態で結合保持される。なお、この状態からケース蓋部材70を開放するためには、例えばニッパ等の工具を用いて蓋側係合部93とケース蓋部材70とを繋ぐ連結部94を切断して、蓋側係合部93とケース蓋部材70とを切り離せばよい。
このように構成される不正開放防止機構90の隣に位置して、本発明を適用したケース封印部100が設けられており、この構成について、図6〜図10を追加参照して以下に詳しく説明する。ここで、図6はケース封印部100を取り出して示す斜視図、図7は本体側封印部110を示す斜視図、図8は蓋側封印部120を示す斜視図、図9はICタグ封印シール130の正面図、図10は封印カバー140を図6の矢印X−Xに沿って示す断面図、図11はロック部160を示す要部断面図である。
ケース封印部100は、ケース本体部材60に一体に繋がって形成された本体側封印部110と、ケース蓋部材70に一体に繋がって形成された蓋側封印部120と、両封印部110,120全体を覆うようにして内部に収容可能な封印カバー140とを備える。両封印部110,120は、ケース本体部材60にケース蓋部材70が図3に示すように閉止された状態で互いに当接対向し、それを覆うようにして封印カバー140が着脱自在に取り付けられる。上述したように、本体側封印部110及び蓋側封印部120はそれぞれケース本体部材60及びケース蓋部材70に一体に繋がって構成されているが、図6〜図13においては、本体側封印部110及び蓋側封印部120を切り離した状態でこれらケース封印部100のみを取り出して示す。なお、このケース封印部100が備えられる基板ケースの大きさや形状、取り付け姿勢(前後・上下・左右の各方向)等は、ケース内部に収容される制御基板の形状寸法、基板ケースが取り付けられる遊技機の取り付け位置、制御基板の配設姿勢等に応じて任意に設定可能である。そのため以降においては、説明の便宜上、図6に示す矢印F,R,Uの向かう方向を、それぞれ前方、右方、上方と称して説明する。
本体側封印部110は、矩形ブロック状に形成された本体側ボディ111がケース本体部材60に一体に繋がって構成されており、このボディ111には上面側に開口するL字状の本体側スリットS1が形成されている。この本体側スリットS1は、交差部112から互いに直交する方向に延出した第1スリット部S11及び第2スリット部S12からなる。また、本体側ボディ111の左右の側面部には、凹状のガイド溝113,113が直線状に延びて一対形成されている。
蓋側封印部120は、本体側ボディ111の大きさに合わせて矩形ブロック状に形成された蓋側ボディ121が蓋側ケース部材70に一体に繋がって構成されており、このボディ121には表裏貫通(蓋側ボディ121の板厚を貫通)するL字状の蓋側スリットS2が形成されている。この蓋側スリットS2は、交差部122から互いに直交する方向に延出した第1スリット部S21及び第2スリット部S22からなる。ケース本体部材60にケース蓋部材70が閉止状態で取り付けられ、本体側封印部110の表面と蓋側封印部120の裏面とが当接対向した状態で、本体側スリットS1と蓋側スリットS2とがちょうど上下に重なるようになっており、これらスリットS1,S2が合わさることによって、後述する切断部材153の移動を許容するための案内通路(通過路)が形成される。これらスリットS1,S2は、各ボディ111,112の長手方向(左右方向)に延びる第1スリット部S11,S21が当該ボディの内側で終端し、これに直交して短手方向(前後方向)に延びる第2スリットS12,S22が後面側で開放されている。
また、蓋側ボディ121の表面側において第1スリット部S21の右側方部には、上方に向かって突出する凸状の突起部123が形成されている。また、蓋側ボディ121の表面側にはICタグ封印シール130を貼り付けるための平坦面(図6及び図8において破線で示す領域であり、以下においてこの領域を「貼着部」と称する」)が形成され、この貼着部124を左右に分断するようにして第2スリット部S22が前後方向に延在している。
ICタグ封印シール130は、図9に示すように、矩形シート状のシール部材131に、ICタグ132及びこれに繋がるアンテナ線133が透明な樹脂フィルム134によって覆われた状態で貼り付けられて構成されており、紙製のシール部材131の表面には識別情報としてのシリアル番号(図示せず)がプリントされている。ICタグ132はシール部材131の略中央に配置され、アンテナ線132はシール部材131の一方の対角線に沿って配置されている。このICタグ132には、パチンコ機PMに関する情報、制御基板51の識別情報等、種々の情報を記憶した非常に小さな電子素子であり、これに繋がって設けられたアンテナ線133を介してケース55の外部からこれら情報を読み取り可能となっている。
また、シール部材131の外縁にはギザギザ状の切り込み131aが規則的に形成され、このシール部材131を剥がすときに切り込み131aの凹部に応力集中が生じて破断され易いようになっている。一方、樹脂フィルム134の外周には、直線状の切り込み134aが規則的に形成され、ICタグ封印シール130が剥がされたり外力が印加されたときに、この切り込み134aに沿って樹脂フィルム134と共にアンテナ線132が破断され易く、これにより情報送信が不能になるようにしている。
封印カバー140は、後壁141B及びこの後壁141Bを囲んで前方に延びる前後左右の側壁141U,141D,141L,141Rを有し、全体として前面開口142を持つ矩形箱状に形成されたハウジング141をベースとして構成されており、このハウジング141の内部に本体側封印部110及び蓋側封印部120のほぼ全体を収容するための封印空間143が形成されている。ハウジング141内において左右に対向する側壁141L,141Rには、本体側封印部110のガイド溝113に係合するガイドリブ144,144が直線状に延びて形成されており、このように両者が係合することで、封印カバー140に対する両封印部110,120の位置合わせをより正確に行うことができる。封印カバー140に両封印部110,120が挿入装着された状態で、蓋側封印部120に貼着されたICタグ封印シール130に直面する上側の側壁141Uには、このICタグ封印シール130を切断するためのカッティング機構150が備えられている。
カッティング機構150は、ハウジング141の上側の側壁141Uに固設された支持部材151と、この支持部材151に揺動自在に軸支された切断部材153と、切断部材153を下方に付勢するトーションバネ156と、切断部材153を水平姿勢で保持するスライド部材157とを備えて構成される。
切断部材153は、支持部材151に一体に設けられた軸部152を中心として上下に揺動自在に軸支されたカッター保持具(カッターホルダ)154と、このカッター保持具154に保持された金属製のカッター刃155とを備え、カッター刃155を封印空間143の上方において水平姿勢で格納する位置(図10においてカッター刃155を実線で示す位置であり、以下において「格納位置」と称する)と、カッター刃155を封印空間143内の略中央で上下方向に張り出す位置(図10においてカッター刃155を破線で示す位置であり、以下において「切断位置」と称する)との間で揺動変位自在に構成されている。カッター刃155としては公知の刃具類と同様な構造が用いられ、長手方向側縁の切刃部155a(図13を参照)をハウジング141の後壁141B側に向けた姿勢でカッター保持具154に一体的に取り付けられている。
トーションバネ156は、バネ線材を円筒状に巻回されてなり、その両端の脚部156a,156bが支持部材151の軸部廻りに相反する方向(離間する方向)に変位されて荷重を受けるようになっている。このトーションバネ156は、その巻回された部分に軸部152を挿入させた状態で、一方の脚部156a(不動端)が支持部材151に係止され、他方の脚部156b(可動端)がカッター保持具154に係止されており、これら両脚部156a,156bが離間する方向に変位した状態(両脚部のなす角度が180°の状態)で保持されている。そのため、このトーションバネ156に生じる付勢力(捻りトルク)を利用して、カッター部材153が図10に示す矢印A方向に付勢される。なお、トーションバネ156の自由角度(自由状態で両脚部がなす角度)を90°に設定することにより、トーションバネ156が自由状態にときにカッター刃155を鉛直方向に延びる切断位置に変位させることができる。
スライド部材157は、ハウジング141の上側の側壁141Uに設けられた左右一対のスライドレール158,158に嵌合しており、このスライドレール158に沿って前後方向に移動自在に構成されている。このスライド部材157は、一端にカッター刃155の刃先を当接係合させてカッター部材153の揺動を規制するための斜面157aを有しており、スライドレール158のほぼ前進端に位置した状態でカッター刃153を斜面157aで受け止めて、カッター部材153を格納位置で保持するようになっている。
ハウジング141の上側の側壁141Uにおいて格納状態のカッター保持具154と上下方向に重なる部分には、封印空間143側に開口する孔部159が形成されており、この孔部159に切断位置へ揺動変位したカッター部材153をロック保持するためのロック部160が設けられている。
ロック部160は、孔部159の内壁面によって一端が係止されたコイルバネ161と、コイルバネ161の他端が係止されこのコイルバネ161によって下方に常時付勢された規制体162とを備えて構成され、切断部材153がスライド部材157によって格納位置で保持されているときには、コイルバネ161は孔部159内で圧縮状態であり、規制体162はカッター保持具153の上面に当接してほぼ孔部159内に隠れている。一方、スライド部材157を後壁141B側(後方)に移動させてスライド部材157とカッター刃155とを離間させると、切断部材153がトーションバネ156の付勢力によって軸部152を中心として切断位置まで下方に揺動して、規制体162が孔部159からカッター保持具154の基端部の右脇へ飛び出すことで、カッター保持具154が支持部材151と規制体162との間で挟み込まれる状態となり、これによりカッター部材153は揺動が規制されて切断位置でロック保持された状態となる。
次に、このような構成のケース封印部100において、ケース本体部材60にケース蓋部材70を閉止状態で結合して、本体側封印部110及び蓋側封印部120に封印カバー140を装着する方法及び構成について説明する。なお、図11に封印ケース140を本体側封印110及び蓋側封印部120に取り付けたときのカッター刃155の動きを模式的に示している。
まず、主基板ケース55において、ケース本体部材60のヒンジ軸62にケース蓋部材70のヒンジアーム74をヒンジ係合して、ケース蓋部材70をケース本体部材60の上に重ねて(揺動させて)閉止状態にすると、係止アーム63が係止突起75に係止して、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対して閉止状態のまま装着される。このとき、前述のように、不正開放防止機構90により本体側係合部91と蓋側係合部93とが接続部材95を介して連結され、ケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持されるのである。
このようにケース本体部材60にケース蓋部材70が図3に示すように閉止された状態では、本体側封印部110と蓋側封印部120とが互いに当接対向して、両者のスリットS1,S2が上下方向に重なり合うようになる。このスリットS1,S2の上方から第2スリット部S12,S22を隠蔽するように、蓋側封印部120表面の貼着部124にICタグ封印シール130をしっかりと貼り付ける。このとき、ICタグ封印シール130のアンテナ線133が第2スリット部S12,S22に架かるようにし、切断部材153の通過路中にアンテナ線133が横断した状態としておく。
このように上下に重合された両封印部110,120に封印カバー140を装着するために、本体側封印部110のガイド溝113と封印カバー140のガイドリブ144とを位置整合させた状態で、ガイド溝113にガイドリブ144を通過させるようにして、両封印部110,120を封印カバー140の前面開口142から内部(封印空間143)へ挿入する。この状態では、切断部材153は上方の格納位置で保持されているため、両封印部110,120を封印空間143内へスムーズに嵌入するができ、カッター刃155がICタグ封印シール130に接触するおそれもない。
そして、両封印部110,120の先端部が封印カバー140の後壁141B近傍に達すると、蓋側封印部120の突起部123がスライド部材157に当接してスライド部材157を後方へ押し動かしていく。そうすると、カッター刃155とスライド部材157の斜面157aとの当接が解除され、トーションバネ156の付勢力によって切断部材153が軸部152を中心に円弧を描くようにして下方へ揺動する。このとき、図12に示すように、各封印部110,120にはカッター刃155の通過路ともなるスリットS1,S2が設けられ、カッター刃155の揺動軌跡に対応して第1スリット部S11,S12が形成されているため、カッター刃155はこの第1スリット部S11,S12を通過しながら格納位置から張出位置へと揺動することができる。このように切断部材153の揺動移動のための通過路が第1スリット部S11,S21として確保されているため、カッター刃155が揺動移動中に封印部110,120に接触して折損するおそれがない。また、切断部材153が切断位置へ揺動変位するのに対して、封印空間143内において蓋側封印部120の表面で露出された状態のICタグ封印シール130がカッター刃155に接触して切断されるおそれもない。
そして、カッター刃155が上下方向に延在する切断位置に達すると、コイルバネ156の付勢力によって規制体162がハウジング141の孔部159から封印空間143へ飛び出して、カッター保持具154を規制体162と支持部材151とで挟み込んだ状態となり、これにより切断部材153は揺動が規制されたロック状態で静止保持される。
以上の説明から分かるように、ケース本体部材60の上にケース蓋部材70を図3に示すように閉止させると、不正開放防止機構90によりケース本体部材60とケース蓋部材70とが係合して閉止状態に保持され、これにより当接対向した本体側封印部110及び蓋側封印部120を封印カバー140に挿入装着することで、蓋側封印部120に貼着されたICタグ封印シール130が封印カバー140の内部に保持される。ICタグ封印シール140は、上述のようにICタグ132及びアンテナ線133を有しており、封印カバー140の内部に保持された状態のままで、アンテナ線133を介して無線によりICタグ132に記憶された各種情報(例えば、パチンコ機PMに関する情報、主制御基板51の識別情報等)を封印カバー140を開放することなく、外部から読み取り可能である。
次に、以上のようにケース本体部材60とケース蓋部材70とが係合して閉止状態に保持された状態からケース蓋部材70を開放させる場合について説明する。ケース蓋部材70を開放させるには、まず、ケース封印部100において本体側封印部110及び蓋側封印部120と封印カバー140とが連結した状態にあるので、封印カバー140を両封印部110,120から取り外さなければならない。但し、この連結は、両封印部110,120が封印カバー140内に挿入されているだけであり、両封印部110,110から封印カバー140を取り外すには、両封印部110,120に対して封印カバー140を離脱される方向(図6における前後方向)に相対移動させればよい。このように両封印部110,110から封印カバー140を取り外すときの一連の動きに伴って、この封印カバー140に一体的に設けられた切断部材153によりICタグ封印シール130が切断されるようになっており、図13を追加参照してこれを詳しく説明する。なお、図13は、封印カバー140を取り外すときのカッター刃の動きと、ICタグ封印シール130、本体側封印部110、及び蓋側封印部120との位置関係を示す模式図である。
先ず始めに、封印カバー140が両封印部110,120に装着されている状態において、カッター刃155は垂直姿勢でスリットS1,S2の交差部112,122に遊挿された状態であり、このような状態から封印カバー140を両封印部110,120から離脱させる方向に相対移動させることで、カッター刃155も一体的になって当該離脱方向に移動する。このとき、カッター刃155の通過路ともなる第2スリット部S12,S22は封印カバー140(カッター刃155)の移動方向に対応して同方向に延びており、この第2スリット部S12,S22の上方を横断するようにしてICタグ封印シール13−が水平に保持されている。よって、この切断位置においては、封印カバー140の離脱方向から見てカッター刃155とICタグ封印シール130とが交差するように重なった状態となっている(図12を参照)。そのため、封印カバー140を離脱方向に相対移動させると、図13に示すように、切断部材153も共に同方向に相対移動して、カッター刃155が第2スリット部S12,S22を通過しながらICタグ封印シール130を離脱方向に沿って切断することになる。このようにICタグ封印シール130のシール部材131を切断すれば、ICタグ132そのものを破壊できなくてもアンテナ線133を切断することになるため、ICタグ封印シール130を再使用できなくすることができる。
なおこのとき、切断部材153はロック部160によって切断位置でロック保持されているため、シール部材131を切断しているときに切断部材153が受ける切断抵抗によって、カッター刃155が横振れ等の挙動を起こして適切にシール部材を切断できなくなるおそれがない。
そして、封印カバー140を両封印部110,120に対してそのまま相対移動させれば、カッター刃155が第2スリット部S12,S22を通過しつつICタグ封印シール130のシール部材131を完全に切断し、最終的にはスリットS1,S2の開放端から封印部110,120外へ脱出することとなり、封印カバー140も本体側封印部110及び蓋側封印部120から適切に取り外される。
封印カバー140を取り外した後は、不正開放防止機構90におけるケース蓋部材70と蓋側係合部93とを繋ぐ連結部94をニッパ等の工具を用いて切断する。これにより、不正開放防止機構90によるケース本体部材60とケース蓋部材70との連結が断たれ、ケース蓋部材70を開放することができる。
以上、このように構成されるケース封印部100によれば、封印カバー140内に両封印部110,120を挿入装着したときには、これに連動して切断部材153が封印カバー140の挿脱方向から見てICタグ封印シール130と交差するように重なる切断位置に揺動変位し、封印カバー140を両封印部110,120から取り外すときに、この封印カバー140と一体的に離脱方向へ相対移動する切断部材153によりICタグ封印シール130が当該離脱方向に沿って切断されるように構成されるため、ICタグ封印シール130を切断しなければ主基板ケース55を開放することができないケース封印構造となり、ICタグ封印シール130が不正に再使用されることを防止できる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、上述の実施形態において、単一の切断部材153によりICタグ封印シール130を切断する構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、複数の切断部材によりICタグ封印シールを切断する構成としてもよい。これによれば、ICタグ封印シール130をより確実に切断することが可能になる。特に、図14に示すように、封印カバー240内に(切断位置において)一列に並ぶ3つ以上の切断部材253,253,…を各々独立して揺動変位自在に設けて、互いに隣接する切断部材253の格納位置と切断位置との間での揺動方向を逆方向とし、その揺動方向が互い違いとなるように構成することが好ましい。すなわち、互いに隣接する切断部材253,253において、一方の切断部材253の格納位置への揺動方向(図14において矢印Bで示す格納方向)が、他方の切断部材253の反格納方向になるようにする。このように構成することで、例えば、封印カバー240の内部に、切断部材253の列方向片側もしくは両側(左右方向)から不正部材299をそれぞれ侵入させて、切断位置に揺動変位された切断部材253をICタグ封印シールから離間する方向(すなわち格納方向)へ揺動させてICタグ封印シールを切断することなく封印カバー230を取り外そうとしても、複数の切断部材230の揺動方向が互い違いに逆方向に設定されているため、全ての切断部材253を各々の格納位置側へ同時に退避させることはできない。従って、このようなケース封印部に対する不正アクセスを効果的に防止して、ICタグ封印シールが不正に剥がされて再使用されるのをより確実に防止することが可能になる。
また、上述の実施形態において、各封印部110,120にカッター刃155の通過路としてスリットS1,S2を設けた構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、スリットはカッター刃の全長や揺動半径などに応じて適宜設けて構成すればよい。例えば、カッター刃が短い場合には、蓋側封印部にみにスリットを設けるものでもよい。さらに、カッター刃をスリットの底壁に当接させながら移動させるものでもよい。
また、上述の実施形態において、ICタグ封印シール130を蓋側封印部120の表面に貼着しているが、切断部材153によってICタグ封印シール130が切断されているときに、その切断抵抗によってICタグ封印シール130が蓋側封印部120から剥がされるのを防止するために、切断部材153による切断部分(スリットS1,S2を隠蔽する部分)を除く領域を上方から覆うように載置されるガイド部材を設けてもよい。これにより、ICタグ封印シール130は、蓋側封印部120とガイド部材との間で挟み込まれた状態となり、切断部材153による切断の際に、その切断抵抗によってICタグ封印シール130が剥がされるのを防止することができるとともに、ICタグ封印シール130がよりしっかりと保持された状態となり切断部材153を用いてよりスムーズに切断することが可能になる。
また、上述の実施形態において、ICタグ封印シール130を蓋側封印部120に貼着した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、本体側封印部120に貼着したり、本体側封印部110及び蓋側封印部120に巻き付けて取り付けても同様な効果が得られる。
さらに、本発明に係るケース封印構造においては、パチンコ機用のICタグ封印シール(例えば、上述した実施形態の封印シール130)の他にも、種々の形態の封印シールを適用することが可能である。例えば、図15に示すスロットマシン用のICタグ封印シール230を適用することもできる。このICタグ封印シール230は、矩形シート状のシール部材231に、ICタグ232及びこれに繋がるアンテナ線233が透明な樹脂フィルム234によって覆われた状態で貼り付けられて構成される。ICタグ232はシール部材231の略中央に配置され、アンテナ線233はICタグ232の周囲で多重渦巻き状に配置されている。シール部材231及び樹脂フィルム234の外周には直線状の切り込み231a,234aが規則的に形成されている。特に、このICタグ封印シール230では、アンテナ線233自体が何重にもループ状に巻回されて切断及び破断に対する耐力が高く構成されているため、上記例示したような金属製の刃具(カッター刃155)により封印シールを切断するケース封印構造が好適に適用され、従来構成の封印構造に比してより確実にアンテナ線233を破損して情報送信を不能にするとともに、不正アクセスの痕跡を残存させることができるという効果を奏することができる。なお、ICタグ封印シールに代えて、ICタグ及びアンテナ線を備えないシート状の封印シールを用いてもよい。
また、以上においては、ケース本体部材60に対してケース蓋部材70がヒンジ係合されて揺動開閉される構成の主基板ケース55にケース封印部100(ケース封印構造)を適用した場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、ケース本体部材にケース蓋部材を接合させた状態でスライド移動させて両者を閉止状態で係合保持する構成のものに本発明に係るケース封印構造を適用してもよい。
また、以上においては、本発明のケース封印構造をパチンコ機の主基板ケースに適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、画像基板アッセンブリに構成される基板ケースや、電源基板アッセンブリに構成される基板ケースに適用してもよく、更には、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシンの制御基板ケースや、その他の種々のケースにも適用することができる。
PM パチンコ機
50 主基板アッセンブリ
51 主基板
55 主基板ケース(ケース)
60 ケース本体部材
70 ケース蓋部材
90 不正開放防止機構
100 ケース封印部
110 本体側封印部
120 蓋側封印部(一方の封印部)
130 ICタグ封印シール(封印シール)
131 シール部材
132 ICタグ
133 アンテナ線
140 封印カバー
142 前面開口(開口)
143 封印空間
150 カッティング機構
152 軸部
153 切断部材
160 ロック部(ロック手段)
230 ICタグ封印シール(変形例)
240 封印カバー(変形例)
253 切断部材(変形例)
50 主基板アッセンブリ
51 主基板
55 主基板ケース(ケース)
60 ケース本体部材
70 ケース蓋部材
90 不正開放防止機構
100 ケース封印部
110 本体側封印部
120 蓋側封印部(一方の封印部)
130 ICタグ封印シール(封印シール)
131 シール部材
132 ICタグ
133 アンテナ線
140 封印カバー
142 前面開口(開口)
143 封印空間
150 カッティング機構
152 軸部
153 切断部材
160 ロック部(ロック手段)
230 ICタグ封印シール(変形例)
240 封印カバー(変形例)
253 切断部材(変形例)
Claims (4)
- ケース本体部材及び前記ケース本体部材に開閉可能に装着されるケース蓋部材を備えたケースにおいて、
前記ケース本体部材に設けられた本体側封印部と、
前記ケース蓋部材に設けられ、前記ケース本体部材に前記ケース蓋部材を閉止して装着したときに前記本体側封印部に近接対向する蓋側封印部と、
前記本体側封印部及び前記蓋側封印部のいずれか一方の封印部に貼着される封印シールと、
一側面側に開口して他側面側に延びた封印空間を有して略箱状に形成され、近接対向状態の前記本体側封印部及び前記蓋側封印部を前記開口から前記封印空間内に挿脱可能な封印カバーと、
前記封印カバーの前記封印空間内に設けられ、前記封印シールを切断可能な切断部材と、
前記切断部材を前記封印空間内で揺動変位可能に支持する作動手段とを備え、
前記ケース本体部材に前記ケース蓋部材を閉止して装着し、これにより近接対向した前記本体側封印部及び前記蓋側封印部を前記封印カバーに挿入装着したときに、前記切断部材が前記作動手段により前記本体側封印部及び前記蓋側封印部から前記封印カバーを離脱させる方向から見て前記封印シールと重なる位置へ揺動変位され、
前記ケース本体部材から前記ケース蓋部材を開放するために、前記本体側封印部及び前記蓋側封印部に対して前記封印カバーを離脱させる方向へ相対移動させたときに、前記切断部材が前記封印カバーと一体的に当該離脱方向に相対移動されて、前記一方の封印部に貼着された前記封印シールに当接して当該離脱方向に沿って前記封印シールを切断するように構成されたことを特徴とするケース封印構造。 - 前記本体側封印部及び前記蓋側封印部を前記封印カバーに挿入装着したときに、前記作動手段により前記封印カバーの離脱方向から見て前記封印シールと重なる位置へ揺動変位された前記切断部材を当該位置で固定保持するためのロック手段を設けて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のケース封印構造。
- 前記封印カバーに少なくとも3つ以上の前記切断部材を前記離脱方向に直交する方向に並べて配置し、
前記切断部材は、前記封印カバーに設けられた軸部を中心として、前記本体側封印部及び前記蓋側封印部を前記封印カバーに挿入装着するとき前記一方の封印部に貼着された封印シールに接触しない格納位置と、前記封印カバーの離脱方向から見て前記封印シールと重なる切断位置との間で揺動変位可能に支持されており、
前記作動手段により前記複数の切断部材が各々揺動するときに、互いに隣接する前記切断部材の揺動方向が逆方向となり、前記複数の切断部材が互い違いの方向に揺動することを特徴とする請求項1または2に記載のケース封印構造。 - 前記封印シールが情報を記憶及び読み取り可能なICタグ及び前記ICタグに対する情報の記憶及び読み取りを無線により行うためのアンテナ線を有して構成され、前記本体側封印部及び前記蓋側封印部に対して前記封印カバーを離脱方向に相対移動させたときに前記封印シールが切断されることにより少なくとも前記アンテナ線が切断されて前記ICタグに対する無線による情報の記憶及び読み取りができないようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のケース封印構造。
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Cited By (3)
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JP2019154625A (ja) * | 2018-03-09 | 2019-09-19 | 株式会社大一商会 | 遊技機 |
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-
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- 2010-07-12 JP JP2010158267A patent/JP2012019843A/ja not_active Withdrawn
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